JP5655732B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関する。
原動機としてモータ及び内燃機関を搭載したハイブリッド車両では、運転者のアクセル操作量の増加等に伴い車両要求パワーが増加されると、それに伴って原動機の出力トルクが増加される。こうしたハイブリッド車両において、モータのみによる走行中に車両要求パワーが増加されるなどして内燃機関が始動開始される際には、内燃機関のクランキングが行われて同機関の筒内に吸気管から空気が吸入されるとともに、その空気の量に対応した量の燃料が同機関の筒内に供給される。そして、内燃機関の筒内に充填された空気と燃料とからなる混合気を燃焼させることで、内燃機関が運転開始される。
上記内燃機関の運転開始による同機関の初爆後、しばらくの間は吸気管内の圧力が高い状態になるため、内燃機関の筒内に吸入される空気の量が多くなる。このように筒内に吸入される空気の量が多くなる場合でも、筒内での効率のよい混合気の燃焼を実現することを意図して、同混合気の空燃比が理論空燃比となるよう筒内に吸入される空気の量に対応した量の燃料が筒内に供給される。従って、上記内燃機関の初爆後のしばらくの間は筒内に充填される混合気の量が多くなって内燃機関の出力トルクが過度に増大する傾向にあることから、上記初爆後の機関回転速度が過度に上昇してしまうおそれがある。
こうした初爆後の機関回転速度の過上昇を抑制すべく、ハイブリッド車両では、初爆を迎えた後の内燃機関に対し発電機による負トルク、すなわち機関回転を抑え込む方向のトルクを作用させるようにしている。例えば、特許文献1では、モータのみによる走行中に内燃機関が始動開始される際、同機関の初爆後に機関回転速度が目標値よりも若干低い値(閾値)に上昇するまでは内燃機関に作用させる発電機による負トルクを「0」とし、その後に機関回転速度が上記閾値に到達したときには上記負トルクを最大となるようにしている。これにより、内燃機関の初爆後に機関回転速度を速やかに目標値に到達させつつ、機関回転速度の目標値に対する過上昇の抑制が図られている。
特開2004−360528公報(段落[0039]、図8)
特許文献1のように、モータのみによる走行中に内燃機関が始動開始される際、初爆を迎えた後の内燃機関に対し発電機による負トルクを作用させれば、その初爆後に機関回転速度を速やかに目標値に到達させつつ、機関回転速度の目標値に対する過上昇の抑制が図られるようにはなる。
ただし、機関回転速度が上記閾値まで上昇した時点で同機関に対し発電機による負トルクを作用させようとしても、その負トルクが実際に内燃機関に作用して同負トルクにより機関回転速度の上昇が抑制されるまでには応答遅れがあることから、機関回転速度が目標値に対し過上昇するおそれがあることは否めない。また、内燃機関に対し発電機による負トルクを作用させる機関回転速度の上記閾値を目標値に対しより低い値に設定すれば、上述した応答遅れによる機関回転速度の過上昇を抑制できるようにはなるものの、内燃機関の初爆後に機関回転速度を速やかに目標値に到達させることが困難になる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、モータのみによる走行中に内燃機関が始動開始される際、同機関の初爆後に機関回転速度を速やかに目標値に到達させつつ、その機関回転速度の目標値に対する過上昇を的確に抑制することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。
請求項1記載の発明によれば、ハイブリッド車両のモータのみによる走行中における車両要求パワーの増大等に伴って内燃機関が始動開始される際、その内燃機関の初爆後に機関回転速度の目標値に対する過上昇の抑制を意図して、同機関に対し発電機による負トルクを作用させることが行われる。具体的には、上記初爆後に増大する内燃機関の出力トルクの推定値の増大に基づき、同機関に対し作用させる発電機による負トルクを増大させる。ここで、上記出力トルクの推定値は車両要求パワー等に基づき予測して求めることが可能であるため、その出力トルクの推定値の増大に基づき内燃機関に対し作用させる負トルクを増大させることで、その負トルクによって機関回転速度の上昇が抑制されるまでの応答遅れを抑制することができる。ただし、上述したように内燃機関に対し発電機による負トルクを作用させる際、その負トルクの増大態様を車両要求パワーの大きさに応じて適切に定めないと、機関回転速度が目標値に対し低すぎる状態になったり同目標値に対し過上昇したりするおそれがある。
ここで、車両要求パワーが大きいときには、内燃機関における上記出力トルクの推定値の増大に対し、内燃機関に作用させる発電機による負トルクを比較的緩やかに増大させてゆくことが好ましい。これは、上記負トルクを急速に増大させることによる機関回転速度の目標値に対する追従性が低下することを抑制し、同機関回転速度の目標値への速やかな上昇を実現するためである。一方、車両要求パワーが小さいときには、内燃機関における上記出力トルクの推定値の増大に対し、内燃機関に作用させる発電機による負トルクを速やかに増大させてゆくことが好ましい。これは、上記負トルクの増大を速やかに行わないと、内燃機関の初爆後のしばらくの間は筒内に充填される混合気の量が多くなる関係から、内燃機関の出力トルクが過度に増大して機関回転速度の目標値に対する過上昇が生じるおそれがあるためである。
この点、請求項1記載の発明では、内燃機関の初爆後に同機関に対し発電機による負トルクを作用させる際、車両要求パワーが小さいときには、同パワーが大きいときよりも、内燃機関における上記出力トルクの推定値の増大に基づく上記負トルクの増大を急速に行うようにしている。これにより、車両要求パワーの大きさが異なる状況下でも、それら状況のもとでの各要求にそれぞれ対応することができる。すなわち、車両要求パワーが大きいときには上記負トルクを緩やかに増大させて機関回転速度の目標値への速やかな上昇を実現する一方、車両要求パワーが小さいときには上記負トルクを急速に増大させて機関回転速度の目標値に対する過上昇を抑制する。従って、モータのみによる走行中に内燃機関が始動開始される際、同機関の初爆後に機関回転速度を速やかに目標値に到達させつつ、その機関回転速度の目標値に対する過上昇を的確に抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、内燃機関の初爆後に同機関に対し発電機による負トルクを作用させる際、内燃機関における上記出力トルクの推定値が、アクセル操作量及び機関回転速度に応じて定められる時定数に基づき算出される。そして、この時定数に基づき算出された上記出力トルクの推定値の増大に応じて、内燃機関に作用させる発電機による負トルクが増大される。このときの負トルクの増大は、上記時定数を小さくして上記出力トルクの推定値を急速に増大させるほど急速に行われる。そして、内燃機関の初爆後のような機関低回転領域において、アクセル操作量が小さく車両要求パワーが小さくなるほど、内燃機関における上記出力トルクの推定値を算出するための上記時定数が小さくされる。これにより、内燃機関の初爆後に同機関に対し発電機による負トルクを作用させる際、車両要求パワーが小さいときに同パワーが大きいときよりも上記負トルクを急速に増大させることが可能になる。
本実施形態の制御装置が適用されるハイブリッド車両の構造を示す略図。 (a)〜(e)は、ハイブリッド車両の第2モータジェネレータのみによる走行中に内燃機関が始動開始されるときの第1モータジェネレータのトルク、吸気管内の圧力、機関回転速度、内燃機関の出力トルクの推定値、及び同機関の実際の出力トルクの推移を示すタイムチャート。 (a)〜(e)は、ハイブリッド車両の第2モータジェネレータのみによる走行中に内燃機関が始動開始されるときの第1モータジェネレータのトルク、吸気管内の圧力、機関回転速度、内燃機関の出力トルクの推定値、及び同機関の実際の出力トルクの推移を示すタイムチャート。 内燃機関の上記始動の際の初爆後に同機関に対し第1モータジェネレータにより負トルクを作用させる手順を示すフローチャート。 内燃機関の上記初爆後に出力トルクの推定値を算出する際に用いられる時定数の機関回転速度及びアクセル操作量の変化に対する推移を示すグラフ。
以下、本発明を内燃機関とモータとを原動機として搭載するハイブリッド車両の制御装置に具体化した一実施形態について、図1〜図5に従って説明する。
図1に示すハイブリッド車両において、内燃機関1から出力された動力は、遊星歯車等からなる動力分割機構2により、同車両の駆動軸3に伝達される動力と第1モータジェネレータ4に伝達される動力とに分割される。また、ハイブリッド車両の駆動軸3には、第2モータジェネレータ5から出力される動力も伝達される。そして、駆動軸3への動力の伝達により同駆動軸3に繋がる車輪11が回転すると、ハイブリッド車両が走行するようになる。
上記第1モータジェネレータ4は、主に発電機として機能するが、ハイブリッド車両の運転状態によってはモータとしても機能する。また、上記第2モータジェネレータ5は、主にモータとして機能するが、ハイブリッド車両の運転状態によっては発電機としても機能する。そして、ハイブリッド車両には、バッテリ6と第1及び第2モータジェネレータ4,5との間での電力の入出力を制御するインバータ7が設けられている。このインバータ7は、例えば、主に発電機として機能する第1モータジェネレータ4での発電により得られる電力をバッテリ6に供給して同バッテリ6の充電を行うとともに、主にモータとして機能する第2モータジェネレータ5に対しバッテリ6からの電力供給を行う。
ハイブリッド車両には、同車両に搭載された各種機器の制御を行う電子制御装置15が設けられている。この電子制御装置15は、上記各種機器の制御に係る演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果等が一時記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えている。
電子制御装置15の入力ポートには、以下に示す各種のセンサ等からの信号が入力される。
・ハイブリッド車両の運転者によって操作されるアクセルペダル8の操作量(アクセル操作量)を検出するアクセルポジションセンサ9。
・ハイブリッド車両の車速を検出する車速センサ10。
・内燃機関1の回転速度を検出する回転速度センサ12。
電子制御装置15の出力ポートには、内燃機関1を運転するための各種機器の駆動回路、第1モータジェネレータ4の駆動回路、第2モータジェネレータ5の駆動回路、及びインバータ7の駆動回路等が接続されている。
電子制御装置15は、車速及びアクセル操作量といった運転状態に基づきハイブリッド車両での車両要求パワーを求め、その求められた車両要求パワーが得られるよう内燃機関1から出力される動力や第2モータジェネレータ5から出力される動力を制御する。こうした内燃機関1及び第2モータジェネレータ5の制御は、それらの駆動に伴うエネルギ消費を可能な限り抑えることを考慮して行われる。例えば、ハイブリッド車両の低速走行時などには、第2モータジェネレータ5をモータとして機能させつつ、内燃機関1の運転を停止させることで、同第2モータジェネレータ5のみによる走行を行う。また、ハイブリッド車両の加速時などには、第2モータジェネレータ5をモータとして機能させつつ、内燃機関1の運転も行うことで、第2モータジェネレータ5と内燃機関1との併用による走行を行う。
ハイブリッド車両において、第2モータジェネレータ5のみによる走行中、運転者のアクセル操作量の増加等に伴い車両要求パワーが増加されるような場合、それに伴って内燃機関1が始動開始される。こうした内燃機関1の始動開始に伴う同機関1の初爆後、運転者のアクセル操作量の増加等に伴って車両要求パワーが増加すると、その車両要求パワーの増加に伴って内燃機関1の出力トルクが増加される。このように第2モータジェネレータ5のみによる走行中に内燃機関1が始動開始された場合、[背景技術]の欄に記載した理由により同機関1の初爆後に機関回転速度が過度に上昇するおそれがある。こうした機関回転速度の過上昇を抑制すべく、初爆を迎えた後の内燃機関1に対し第1モータジェネレータ4による負トルク、すなわち機関回転を抑え込む方向のトルクを作用させることが行われる。このように内燃機関1に対し第1モータジェネレータ4による負トルクを作用させることは、同第1モータジェネレータ4を発電機として動作させて発電を行うことによって実現される。ちなみに、内燃機関1に作用する第1モータジェネレータ4による負トルクは、その第1モータジェネレータ4での発電量を多くするほど増大するようになる。
次に、内燃機関1の上記初爆後に同機関1に対し第1モータジェネレータ4による負トルクを作用させることでの機関回転速度の過上昇の抑制態様について、図2のタイムチャートを参照して詳しく説明する。
ハイブリッド車両における第2モータジェネレータ5のみでの走行中に内燃機関1を始動開始する際には、同機関1のクランキングを行うために第1モータジェネレータ4がモータとして動作される(タイミングT1)。これにより、内燃機関1に対し、図2(a)に示すように第1モータジェネレータ4の正トルク、機関回転速度を上昇させる方向のトルクが作用される。この第1モータジェネレータ4による内燃機関1のクランキング中には、機関回転速度が図2(c)に実線で示すように上昇するとともに、内燃機関1の吸気管内の圧力が図2(b)に示すように大気圧から徐々に低下してゆく。そして、内燃機関1の初爆(タイミングT2)を迎えた後には、内燃機関1に対し図2(a)のタイミングT2以降で示す第1モータジェネレータ4による負トルクを作用させることが行われる。詳しくは、上記初爆後における内燃機関1の出力トルクの推定値の増大に基づいて、同機関1に対し作用させる上記第1モータジェネレータ4による負トルクを増大させることが行われる。
ちなみに、内燃機関1における上記出力トルクの推定値は、上記初爆後に同機関1から出力されるトルクの予測値として車両要求パワー等に基づいて求められる値であって、例えば図2(d)に示すように推移する。こうした出力トルクの推定値の増大に基づき内燃機関1に対し作用させる第1モータジェネレータ4による負トルクを増大させることで、その負トルクによって機関回転速度の上昇が抑制されるまでの応答遅れを抑制することができる。ただし、上述したように内燃機関1に対し第1モータジェネレータ4による負トルクを作用させる際、その負トルクの増大態様を車両要求パワーの大きさに応じて適切に定めないと、機関回転速度が目標値に対し低すぎる状態になったり同目標値に対し過上昇したりするおそれがある。なお、上記機関回転速度の目標値としては、例えば内燃機関1の燃費を最良とすることの可能な値が採用される。
ここで、車両要求パワーが大きいときには、内燃機関1における上記出力トルクの推定値の増大(図2(d))に対し、内燃機関1に作用させる第1モータジェネレータ4による負トルクを図2(a)に示すように比較的緩やかに増大(図中下方に変化)させてゆくことが好ましい。これは、上記負トルクを急速に増大させることによる機関回転速度の目標値に対する追従性が低下することを抑制し、同機関回転速度の目標値(例えば図2(b)の破線)への速やかな上昇を実現するためである。なお、このように車両要求パワーが大きいときには、同車両要求パワー等に応じた内燃機関1の駆動制御を通じて、同機関1の実際の出力トルクが例えば図2(e)に示すように推移する。
一方、車両要求パワーが小さいときには、内燃機関1における上記出力トルクの推定値の増大に対し、内燃機関1に作用させる第1モータジェネレータ4による負トルクを速やかに増大させてゆくことが好ましい。これは、上記負トルクの増大を速やかに行わないと、内燃機関1の初爆後のしばらくの間は筒内に充填される混合気の量が多くなる関係から、内燃機関1の出力トルクが過度に増大して機関回転速度の目標値に対する過上昇が生じるおそれがあるためである。なお、図3(a)〜(e)は、上記初爆後の車両要求パワーが図2に示す例よりも小さい状況下での第1モータジェネレータ4のトルク、内燃機関1の吸気管内の圧力、機関回転速度、同機関1の出力トルクの推定値、及び同機関1の実際の出力トルクの推移を示すタイムチャートである。
図3から分かるように、本実施形態では、上記初爆後の車両要求パワーが小さいときには、同パワーが大きいとき(図2)よりも、内燃機関1の出力トルクの推定値の増大に基づく上記負トルクの増大を図3(a)に実線で示すように急速に行うようにしている。ちなみに、図3(b)の破線は、車両要求パワーが大きいときの上記負トルクの増大態様(図2(b)の実線)を示している。仮に、車両要求パワーが小さいときにも、同パワーが大きいときと同様の上記負トルクの増大態様を採用したとすると、内燃機関1における実際の出力トルクの図3(e)に示すような過度な増大により、機関回転速度が図3(c)に二点鎖線で示すように目標値(破線)に対し過上昇するおそれがある。しかし、上述したように上記初爆後の車両要求パワーが小さいときには、内燃機関1の出力トルクの推定値の増大に基づく上記負トルクの増大が図3(a)に実線で示すように急速に行われるため、上述した機関回転速度の目標値に対する過上昇を抑制することができる。その結果、機関回転速度が図3(c)に実線で示すように推移する。
次に、上記初爆後に内燃機関1に対し第1モータジェネレータ4による負トルクを作用させる際に、その負トルクの増大態様を車両要求パワーの大きさに応じて変化させる手順について詳しく説明する。
上記初爆後に内燃機関1に作用させる第1モータジェネレータ4による負トルクの増大は、内燃機関1における出力トルクの推定値の増大に応じて行われる。そして、出力トルクの推定値は、車両要求パワー等に基づき上記初爆後に同機関1から出力されるトルクの予測値として求められる際、アクセル操作量及び機関回転速度に応じて定められる時定数も加味される。この時定数は上記出力トルクの推定値の増大速度を変化させるためのパラメータであって、同時定数が小さくなるほど上記出力トルクの推定値の増大が速やかに行われるようになる。従って、この時定数を小さくして上記出力トルクの推定値の増大を速やかに行うほど、その推定値の増大に応じて行われる上記負トルクの増大も速やかに行われる。
図4は、上記負トルクの増大を制御するための負トルク制御ルーチンを示すフローチャートである。この負トルク制御ルーチンは、ハイブリッド車両の第2モータジェネレータ5のみによる走行中に内燃機関1が始動開始されて同機関1の初爆を迎えてから予め定められた時間が経過するまでの間、電子制御装置15を通じて所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
同ルーチンにおいては、まず内燃機関1の出力トルクの推定値を求める際に用いられる時定数が、機関回転速度及びアクセル操作量に基づき算出される(S101)。こうして算出される時定数に関しては、図5に示すように、機関低回転領域においてアクセル操作量が小さくなるほど小さい値となる。ここで、アクセル操作量は、車両要求パワーを求めるために用いられており、同車両要求パワーと同期して変化するパラメータである。詳しくは、アクセル操作量が増加すると、それに対応して車両要求パワーも増加する。従って、内燃機関1の初爆後のような機関低回転領域において、アクセル操作量が小さく車両要求パワーが小さくなるほど、S101で算出される時定数が小さくされる。
上記時定数の算出が行われた後、車両要求パワー、機関回転速度の目標値、及び時定数に基づき、内燃機関1における出力トルクの推定値が算出される(S102)。なお、上記車両要求パワーは車速及びアクセル操作量等に基づき求められ、上記機関回転速度の目標値は車両要求パワー等に基づき内燃機関1の燃費が最良になる値として求められる。そして、機関低回転領域であってアクセル操作量が大きいとき(車両要求パワーの大きいとき)には時定数が大きくなる関係から、S102で算出される内燃機関1の出力トルクの推定値は、例えば図2(d)に示すように緩やかに上昇してゆく。また、機関低回転領域であってアクセル操作量が小さいとき(車両要求パワーの小さいとき)には時定数が小さくなる関係から、上記内燃機関1の出力トルクの推定値は、例えば図3(d)に示すように急速に上昇してゆく。
図4の負トルク制御ルーチンにおいて、S103の処理は、第1モータジェネレータ4の駆動指令値の算出に用いられるフィードフォワード項を算出するためのものである。この処理では、S103で算出された内燃機関1の出力トルクの推定値、現在のフィードフォワード項、及びS102で算出された時定数を用いて最新のフィードフォワード項が算出される。そして、S104の処理では、上記フィードフォワード項、及びフィードバック項に基づき、第1モータジェネレータ4の駆動指令値が算出される。なお、ここでのフィードバック項は、実際の機関回転速度の現在値を目標値に近づけるよう、それら現在値と目標値に基づき算出される値である。
上述したように算出された駆動指令値は、上記時定数等に基づいて算出される内燃機関1の出力トルクの推定値の増大に応じて同機関1に作用させる第1モータジェネレータ4による負トルクを増大させる値となる。そして、この駆動指令値に基づき第1モータジェネレータ4を駆動することにより、アクセル操作量が大きいとき(車両要求パワーが大きいとき)には、図2(d)に示す内燃機関1の出力トルクの推定値の緩やかな上昇に伴い、同機関1に対し第1モータジェネレータ4によって作用する負トルクの増大も図2(a)に示すように緩やかに行われる。一方、アクセル操作量が小さいとき(車両要求パワーが小さいとき)には、図3(d)に示す内燃機関1の出力トルクの推定値の急速な上昇に伴い、同機関1に対し第1モータジェネレータ4によって作用する負トルクの増大も図3(a)に示すように緩やかに行われる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)ハイブリッド車両の第2モータジェネレータ5のみによる走行中における車両要求パワーの増大等に伴って内燃機関1が始動開始される際、その内燃機関1の初爆後に機関回転速度の目標値に対する過上昇の抑制を意図して、同機関に対し第1モータジェネレータ4による負トルクを作用させることが行われる。具体的には、上記初爆後に増大する内燃機関1の出力トルクの推定値の増大に基づき、同機関1に対し作用させる第1モータジェネレータ4による負トルクを増大させる。ここで、上記出力トルクの推定値は上記初爆後に同機関1から出力されるトルクの予測値として車両要求パワー等に基づいて求められる値であるため、その出力トルクの推定値の増大に基づき内燃機関1に対し作用させる負トルクを増大させることで、その負トルクによって機関回転速度の上昇が抑制されるまでの応答遅れを抑制することができる。
また、上記初爆後に内燃機関1に対し第1モータジェネレータ4による負トルクを作用させる際、車両要求パワーが小さいときには、同パワーが大きいときよりも、内燃機関1における上記出力トルクの推定値の増大に基づく上記負トルクの増大を急速に行うようにしている。これにより、車両要求パワーの大きさが異なる状況下でも、それら状況のもとでの各要求にそれぞれ対応することができる。すなわち、車両要求パワーが大きいときには上記負トルクを緩やかに増大させて機関回転速度の目標値への速やかな上昇を実現する一方、車両要求パワーが小さいときには上記負トルクを急速に増大させて機関回転速度の目標値に対する過上昇を抑制する。従って、第2モータジェネレータ5のみによる走行中に内燃機関1が始動開始される際、同機関1の初爆後に機関回転速度を速やかに目標値に到達させつつ、その機関回転速度の目標値に対する過上昇を的確に抑制することができる。その結果、機関回転速度をより的確に目標値に追従させることができ、それによって内燃機関1の燃費を改善することができるようになる。
(2)内燃機関1の上記初爆後に同機関1に対し第1モータジェネレータ4による負トルクを作用させる際、内燃機関1における上記出力トルクの推定値が、アクセル操作量及び機関回転速度に応じて定められる時定数に基づき算出される。そして、この時定数に基づき算出された上記出力トルクの推定値の増大に応じて、内燃機関1に作用させる第1モータジェネレータ4による負トルクが増大される。このときの負トルクの増大は、上記時定数を小さくして上記出力トルクの推定値を急速に増大させるほど急速に行われる。そして、内燃機関1の上記初爆後のような機関低回転領域において、アクセル操作量が小さく車両要求パワーが小さくなるほど、内燃機関1における上記出力トルクの推定値を算出するための上記時定数が小さくされる。これにより、内燃機関1の上記初爆後に同機関1に対し第1モータジェネレータ4による負トルクを作用させる際、車両要求パワーが小さいときに同パワーが大きいときよりも上記負トルクを急速に増大させることが的確に行われる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・内燃機関1に対し第1モータジェネレータ4による負トルクを作用させる際、その負トルクの増大態様をアクセル操作量(車両要求パワーに対応)及び機関回転速度に基づいて求められる時定数を用いて可変とするようにしたが、これ以外の方法を用いて上記負トルクの増大態様を可変とするようにしてもよい。
1…内燃機関、2…動力分割機構、3…駆動軸、4…第1モータジェネレータ、5…第2モータジェネレータ、6…バッテリ、7…インバータ、8…アクセルペダル、9…アクセルポジションセンサ、10…車速センサ、11…車輪、12…回転速度センサ、15…電子制御装置(制御手段)。

Claims (2)

  1. 原動機としてモータ及び内燃機関が搭載されており、前記原動機の出力トルクを車両要求パワーの増加に応じて増加させるハイブリッド車両に適用され、同車両のモータのみによる走行中に内燃機関を始動開始する際、その内燃機関の初爆を迎えた後に同機関に対し発電機による負トルクを作用させるハイブリッド車両の制御装置において、
    ハイブリッド車両のモータのみによる走行中に内燃機関を始動開始する際、その内燃機関の初爆後に同機関に対し作用させる前記発電機による負トルクを、内燃機関の前記初爆後における同機関の出力トルクの推定値の増大に基づいて増大させる制御手段を備え、
    前記制御手段は、内燃機関の前記初爆後に同機関に対し前記発電機による負トルクを作用させる際、車両要求パワーが小さいときには、同パワーが大きいときよりも、内燃機関の出力トルクの推定値の増大に基づく前記負トルクの増大を急速に行う
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記制御手段は、アクセル操作量及び機関回転速度に応じて定められる時定数に基づき内燃機関の出力トルクの推定値を算出し、その出力トルクの推定値の増大に応じて内燃機関に対し作用させる負トルクを増大させるものであり、機関低回転領域ではアクセル操作量が小さいほど前記出力トルクの推定値を算出するための前記時定数を小さくする
    請求項1記載のハイブリッド車両の制御装置。
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