JP6252206B2 - 伝動システム - Google Patents
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Description
駆動プーリは、内燃機関の駆動軸に取り付けられ、駆動軸とともに回転可能である。特定補機プーリは、特定補機の軸である特定補機軸に取り付けられ、特定補機軸とともに回転可能である。無端伝動部材は、駆動プーリおよび特定補機プーリに掛け回される。軸部は、特定補機、または、特定補機の近傍に設けられる。
付勢手段は、第1テンショナプーリと第2テンショナプーリとを互いに近づく方向に付勢する。
また、本発明では、軸部は、軸線が特定補機軸の軸線とは異なる位置になるよう設けられている。第1テンショナプーリの回転中心と軸部の軸線との距離である第1距離は、第2テンショナプーリの回転中心と軸部の軸線との距離である第2距離と同じである。軸部は、軸線と特定補機軸の軸線との距離が特定補機プーリの半径より小さくなる位置に設けられている。
また、本発明の別の態様では、軸部は、軸線が特定補機軸の軸線とは異なる位置になるよう設けられている。第1テンショナプーリの回転中心と軸部の軸線との距離である第1距離は、第2テンショナプーリの回転中心と軸部の軸線との距離である第2距離と異なる。軸部は、軸線と特定補機軸の軸線との距離が特定補機プーリの半径より小さくなる位置に設けられている。
(第1実施形態)
一方、特定補機11は、例えば、エンジン2の運転時、すなわち、ベルト9が回転しているとき、特定補機プーリ5にトルクが入力されることにより発電(回生作動)する。ここで、特定補機11は、ジェネレータ(発電機)として機能する。
このように、本実施形態では、特定補機11は、複数の機能を統合した補機、例えばISG(Integrated Starter Generator)である。
伝動システム1では、特定補機11の作動によって、ベルト9の最緩み位置(最も張力が小さい位置)が変化する。例えば、エンジン2の始動時またはアシスト時、すなわち、特定補機11の力行作動時、ベルト9の最緩み位置は、特定補機プーリ5と補機プーリ6との間になる。一方、特定補機11の発電時、すなわち、特定補機11の回生作動時、ベルト9の最緩み位置は、駆動プーリ4と特定補機プーリ5との間になる。また、特定補機11の作動により、ベルト9の張力が変化する。
第1アーム21は、長尺状に形成されている。第1アーム21は、一端が軸部10により回転可能に支持されるよう設けられている。これにより、第1アーム21は、軸線Ax2を中心にエンジン2に対し相対回転可能である。
第1テンショナプーリ22は、円板状に形成され、ベルト9の特定補機プーリ5に対し一方側、すなわち、特定補機プーリ5と駆動プーリ4との間に当接可能に設けられている。
第2アーム31は、長尺状に形成されている。第2アーム31は、一端が軸部10により回転可能に支持されるよう設けられている。これにより、第2アーム31は、第1アーム21と同様、軸線Ax2を中心にエンジン2に対し相対回転可能である。
第2テンショナプーリ32は、円板状に形成され、ベルト9の特定補機プーリ5に対し他方側、すなわち、特定補機プーリ5と補機プーリ6との間に当接可能に設けられている。
F1=2Tsin(θ1/2) ・・・式1
で表される。また、ベルト9の第2テンショナプーリ32に対する巻き角をθ2、ベルト9の第2テンショナプーリ32に対し一方側および他方側に作用するテンションをTとすると、ベルト9から第2テンショナプーリ32に作用する力F2は、
F2=2Tsin(θ2/2) ・・・式2
で表される。
本実施形態では、距離dx1が距離dx2より大きいため、特定補機11を力行作動させてエンジン2を始動するとき、エンジン2に対する第1テンショナプーリ22の静止位置から「特定補機11の回転がベルト9を経由して駆動軸3に伝達され始める位置」までの相対移動量は小さくなる。
本実施形態では、第1テンショナプーリ22の回転中心c1と特定補機軸12の軸線Ax1との距離dx1は、第2テンショナプーリ32の回転中心c2と特定補機軸12の軸線Ax1との距離dx2と異なる。
なお、本実施形態では、特に、エンジン2の始動時のように特定補機11が力行作動しエンジン2の出力が0といった場合やエンジン2のアシスト時のように特定補機11の力行がエンジン2側の出力より大きい場合等、エンジン2に対する第1アーム21の搖動を小さくすることができる。
本発明の第2実施形態による伝動システムを図3に示す。第2実施形態は、軸部10の特定補機軸12に対する位置、および、第1距離d1と第2距離d2との関係等が第1実施形態と異なる。
第1テンショナプーリ22の回転中心c1と軸部10の軸線Ax2との距離である第1距離d1は、第2テンショナプーリ32の回転中心c2と軸部10の軸線Ax2との距離である第2距離d2と異なる。
本発明の第3実施形態による伝動システムを図4に示す。第3実施形態は、第1距離d1と第2距離d2との関係等が第1実施形態と異なる。
図4に示すように、第3実施形態では、第1実施形態と同様、軸部10は、軸線Ax2が特定補機軸12の軸線Ax1とは異なる位置になるよう設けられている。
本発明の第4実施形態による伝動システムを図5に示す。第4実施形態は、伝動システムを構成する要素が1つ多い点等が第1実施形態と異なる。
図5に示すように、第4実施形態では、アクチュエータ60をさらに備えている。
本実施形態では、ECU50は、特定補機11の力行作動または回生作動の作動状態に応じ、アクチュエータ60の作動を制御することにより、特定補機軸12に対する軸部10の位置を任意の位置に設定可能である。
本発明の第5実施形態による伝動システムを図6に示す。第5実施形態は、伝動システムを構成する要素が1つ少ない点等が第1実施形態と異なる。
上述の実施形態では、内燃機関の通常運転時、駆動プーリ、特定補機プーリおよび無端伝動部材が正回転方向に回転し、無端伝動部材の特定補機プーリに対し第1テンショナプーリ側または第2テンショナプーリ側のうち特定補機が力行作動するとき張り側となる位置に第1テンショナプーリが位置し、特定補機が力行作動するとき緩み側となる位置に第2テンショナプーリが位置する例を示した(図1、3〜6参照)。これに対し、本発明の他の実施形態では、内燃機関の通常運転時、駆動プーリ、特定補機プーリおよび無端伝動部材が逆回転方向(図1、3〜6参照)に回転し、無端伝動部材の特定補機プーリに対し第1テンショナプーリ側または第2テンショナプーリ側のうち特定補機が力行作動するとき張り側となる位置に第2テンショナプーリが位置し、特定補機が力行作動するとき緩み側となる位置に第1テンショナプーリが位置することとしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、付勢手段は、第1テンショナプーリと第2テンショナプーリとを互いに近づく方向に付勢可能であれば、どのような材料で、どのような形状に形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、無端伝動部材として、ゴム製のベルトの代わりに、例えば金属製のチェーン等を採用してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
4 ・・・・駆動プーリ
5 ・・・・特定補機プーリ
9 ・・・・ベルト(無端伝動部材)
10 ・・・軸部
21 ・・・第1アーム
22 ・・・第1テンショナプーリ
20 ・・・第1オートテンショナ
31 ・・・第2アーム
32 ・・・第2テンショナプーリ
30 ・・・第2オートテンショナ
40 ・・・付勢手段
Claims (5)
- 力行作動または回生作動可能な特定補機(11)と内燃機関(2)との間で動力を伝達する伝動システム(1)であって、
前記内燃機関の駆動軸(3)に取り付けられ、前記駆動軸とともに回転可能な駆動プーリ(4)と、
前記特定補機の軸である特定補機軸(12)に取り付けられ、前記特定補機軸とともに回転可能な特定補機プーリ(5)と、
前記駆動プーリおよび前記特定補機プーリに掛け回される無端伝動部材(9)と、
前記特定補機、または、前記特定補機の近傍に設けられる軸部(10)と、
一端が前記軸部により回転可能に支持される第1アーム(21)、および、
前記無端伝動部材の前記特定補機プーリに対し一方側に当接しながら回転可能、かつ、前記第1アームが前記軸部を中心に回転することにより前記内燃機関に対し相対移動可能なよう前記第1アームの他端に設けられる第1テンショナプーリ(22)を有し、
前記第1テンショナプーリが前記内燃機関に対し相対移動することで前記無端伝動部材の張力を調整可能な第1オートテンショナ(20)と、
一端が前記軸部により回転可能に支持される第2アーム(31)、および、
前記無端伝動部材の前記特定補機プーリに対し他方側に当接しながら回転可能、かつ、前記第2アームが前記軸部を中心に回転することにより前記内燃機関に対し相対移動可能なよう前記第2アームの他端に設けられる第2テンショナプーリ(32)を有し、
前記第2テンショナプーリが前記内燃機関に対し相対移動することで前記無端伝動部材の張力を調整可能な第2オートテンショナ(30)と、
前記第1テンショナプーリと前記第2テンショナプーリとを互いに近づく方向に付勢する付勢手段(40)と、を備え、
前記第1テンショナプーリの回転中心(c1)と前記特定補機軸の軸線(Ax1)との距離(dx1)は、前記第2テンショナプーリの回転中心(c2)と前記特定補機軸の軸線(Ax1)との距離(dx2)と異なり、
前記軸部は、軸線(Ax2)が前記特定補機軸の軸線(Ax1)とは異なる位置になるよう設けられ、
前記第1テンショナプーリの回転中心(c1)と前記軸部の軸線(Ax2)との距離である第1距離(d1)は、前記第2テンショナプーリの回転中心(c2)と前記軸部の軸線(Ax2)との距離である第2距離(d2)と同じであり、
前記軸部は、軸線(Ax2)と前記特定補機軸の軸線(Ax1)との距離が前記特定補機プーリの半径より小さくなる位置に設けられていることを特徴とする伝動システム。 - 力行作動または回生作動可能な特定補機(11)と内燃機関(2)との間で動力を伝達する伝動システム(1)であって、
前記内燃機関の駆動軸(3)に取り付けられ、前記駆動軸とともに回転可能な駆動プーリ(4)と、
前記特定補機の軸である特定補機軸(12)に取り付けられ、前記特定補機軸とともに回転可能な特定補機プーリ(5)と、
前記駆動プーリおよび前記特定補機プーリに掛け回される無端伝動部材(9)と、
前記特定補機、または、前記特定補機の近傍に設けられる軸部(10)と、
一端が前記軸部により回転可能に支持される第1アーム(21)、および、
前記無端伝動部材の前記特定補機プーリに対し一方側に当接しながら回転可能、かつ、前記第1アームが前記軸部を中心に回転することにより前記内燃機関に対し相対移動可能なよう前記第1アームの他端に設けられる第1テンショナプーリ(22)を有し、
前記第1テンショナプーリが前記内燃機関に対し相対移動することで前記無端伝動部材の張力を調整可能な第1オートテンショナ(20)と、
一端が前記軸部により回転可能に支持される第2アーム(31)、および、
前記無端伝動部材の前記特定補機プーリに対し他方側に当接しながら回転可能、かつ、前記第2アームが前記軸部を中心に回転することにより前記内燃機関に対し相対移動可能なよう前記第2アームの他端に設けられる第2テンショナプーリ(32)を有し、
前記第2テンショナプーリが前記内燃機関に対し相対移動することで前記無端伝動部材の張力を調整可能な第2オートテンショナ(30)と、
前記第1テンショナプーリと前記第2テンショナプーリとを互いに近づく方向に付勢する付勢手段(40)と、を備え、
前記第1テンショナプーリの回転中心(c1)と前記特定補機軸の軸線(Ax1)との距離(dx1)は、前記第2テンショナプーリの回転中心(c2)と前記特定補機軸の軸線(Ax1)との距離(dx2)と異なり、
前記軸部は、軸線(Ax2)が前記特定補機軸の軸線(Ax1)とは異なる位置になるよう設けられ、
前記第1テンショナプーリの回転中心(c1)と前記軸部の軸線(Ax2)との距離である第1距離(d1)は、前記第2テンショナプーリの回転中心(c2)と前記軸部の軸線(Ax2)との距離である第2距離(d2)と異なり、
前記軸部は、軸線(Ax2)と前記特定補機軸の軸線(Ax1)との距離が前記特定補機プーリの半径より小さくなる位置に設けられていることを特徴とする伝動システム。 - 前記無端伝動部材の前記特定補機プーリに対し前記第1テンショナプーリ側または前記第2テンショナプーリ側のうち前記特定補機が力行作動するとき張り側となる位置に位置する前記第1テンショナプーリまたは前記第2テンショナプーリの回転中心と前記軸部の軸線(Ax2)との距離は、前記特定補機が力行作動するとき緩み側となる位置に位置する前記第2テンショナプーリまたは前記第1テンショナプーリの回転中心と前記軸部の軸線(Ax2)との距離より大きいことを特徴とする請求項2に記載の伝動システム。
- 前記無端伝動部材の前記特定補機プーリに対し前記第1テンショナプーリ側または前記第2テンショナプーリ側のうち前記特定補機が力行作動するとき張り側となる位置に位置する前記第1テンショナプーリまたは前記第2テンショナプーリの回転中心と前記特定補機軸の軸線(Ax1)との距離は、前記特定補機が力行作動するとき緩み側となる位置に位置する前記第2テンショナプーリまたは前記第1テンショナプーリの回転中心と前記特定補機軸の軸線(Ax1)との距離より大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の伝動システム。
- 前記軸部を前記特定補機軸に対し相対移動させることが可能なアクチュエータ(60)と、
前記アクチュエータの作動を制御可能な制御部(50)と、をさらに備え、
前記制御部は、前記特定補機の力行作動または回生作動の作動状態に応じ、前記アクチュエータの作動を制御することにより、前記特定補機軸に対する前記軸部の位置を任意の位置に設定可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の伝動システム。
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