JP6271454B2 - 機能性材料の転写方法 - Google Patents

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本発明は、グラフェン、グラフェンナノリボン、原子層膜、層状物質などの機能性材料を、機能性材料を形成した基板より他基板に転写する機能性材料の転写方法に関する。
例えば、炭素原子から構成される1原子層の平面シート(層状物質)であるグラフェンが、将来のエレクトロニクス材料として注目を集めている。グラフェンは、炭素原子が蜂の巣状に並んだ2次元構造を有し、高い電荷移動度と電流密度耐性を持つことから、高速・高周波トランジスタ,低電力透明フレキシブル電子回路,および小型パワーデバイスへの応用が期待されている。
また、グラフェン自体は、半金属的なバンド構造を持つが、トランジスタのチャネルに応用するにはバンドギャップが必要となる。グラフェンにバンドギャップを誘起する方法として、細長いナノリボン構造に加工する方法が知られている。ナノリボンの幅が狭くなるほど、大きなバンドギャップが誘起される。また、アームチェア型やジグザグ型と呼ばれるナノリボンエッジの結晶方位が、バンド構造に影響を与える。
上述したような特徴を持つグラフェンなどの層状物質の技術においては、作製技術が重要となる。
例えば、グラフェン研究の初期の段階では、高配向熱分解グラファイトをテープで引き剥がして作製した、1〜数層のグラフェンが用いられていた。しかしこれでは、形成できる素子の寸法が制約される(<100μm程度)という問題がある。このため、高品質・大面積グラフェンを得るには、化学気相成長(CVD)法を用いるのが一般的となっている。銅やニッケルなど高い触媒性を持つ金属表面上で炭素系原料ガスを分解することによるCVD法によれば、大面積のグラフェンを得ることが可能である。
また、この製造技術に関連し、原料ガスをアンモニアボランやボラジンにすれば、六方晶窒化ホウ素の単層膜の成長が可能である。また高い触媒活性を持つ白金の表面を用いれば、ヘテロ環化合物を原料として、窒素ドープグラフェンを成長できるという報告もある(非特許文献1参照)。
またCVD法とは異なり、金属表面における重合反応を利用して、臭素化芳香族化合物から自己組織化的にグラフェンナノリボンを成長する技術も報告されている(非特許文献2参照)。この製造技術では、基板としてAu(111)面などグラフェンと格子整合の良い基板が用いられる。250℃という低い温度で保持された金表面上に前駆体分子を真空蒸着すると、脱ハロゲン化により1次元芳香環ポリマーが形成される。この後さらに、420℃で加熱処理すると、形成されたポリマーがグラファイト化され、幅が規定されたナノリボンが形成されるようになる。
このように分子前駆体から低温プロセスで作製されたナノリボンは、最小で炭素原子5個分程度の幅であり、リソグラフィーなどによるパターニング技術では実現できない極めて幅の狭いグラフェンナノリボンを実現できる。
これらの材料をデバイスなどに応用する際には、触媒金属から機能性材料を剥離し、任意の絶縁体基板の上に転写する転写プロセスが必要である。これまで開発されてきた転写法には、大別して3通りのプロセスがあった。
第1に、転写したい材料をレジスト膜などで支持した状態で、基板金属をエッチングして除去する方法がある。第1の方法は、汎用性が高く、界面に強い化学結合が存在する場合(Ni上に成長したグラフェンの転写など)でも転写できるのが利点である。第2に、熱剥離テープなどを用いて、転写したい材料を機械的に剥離し、テープを除去する方法がある。
第3に、機能性材料と金属の界面で水の還元を行い、気泡で剥離する方法がある。これは、水の電気分解による水素の気泡で剥離するものである(非特許文献3参照)。支持層としてレジスト高分子膜を成膜したグラフェン成長基板を作用電極とし、カーボンロッドなどを対向電極として水を電気分解すると、グラフェンと金属基板の界面で水素の気泡が発生する。この結果、成長基板より、レジストと共にグラフェンが剥離する。この方法は、電位・極性を適切に制御すれば金属基板の溶出などを伴わないため、基板を再利用することが可能であるという利点がある。
G. Imamura and K. Saiki, "Synthesis of Nitrogen-Doped Graphene on Pt(111) by Chemical Vapor Deposition", The Journal of Physical Chemistry C, vol.115, pp.10000-10005,2011. J. Cai et al. , "Atomically precise bottom-up fabrication of graphene nanoribbons", Nature, vol.466, pp.470-473, 2010. Y. Wang et al. , "Electrochemical Delamination of CVDGrown Graphene Film: Toward the Recyclable Use of Copper Catalyst", ACS Nano, vol.5, no.12, pp.9927-9933, 2011. L. H. Dubois and R. G. Nuzzo, "Synthesis, structure, and properties of model organic surfaces", Annual Review of Physical Chemistry, vol.43, pp.437-463, 1992. . Hamada and M. Otani, "Comparative van der Waals density-functional study of graphene on metal surfaces", Physical Review B, vol.82, 153412, 2010. L. Strong and G. M. Whitesides, "Structures of Self-Assembled Monolayer Films of Organosulfur Compounds Adsorbed on Gold Single Crystals: Electron Diffraction Studies", Langmuir, vol.4, pp.546-558, 1988.
しかしながら、上述した技術においては、以下に示す問題がある。まず、第1の方法は、高い触媒活性を有する金や銀、プラチナ、パラジウムなどの高価な基板を用いる場合には、高コストが問題になる。第2の方法は、界面の結合が弱い場合にのみ有効であり、また大面積の転写には向いていない。また、第3の方法は、自己組織化グラフェンナノリボンなど、水の還元電位以下で還元されてしまうような材料では、気泡発生の前に材料自身が分解されてしまうので適用できない。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、コストをあまりかけることなく、より大きな面積の他基板へ、機能性材料が分解されることなく転写できるようにすることを目的とする。
本発明に係る機能性材料の転写方法は、金属から構成された第1基板の上に機能性材料からなる材料層を形成する第1工程と、材料層の上に高分子材料から構成された支持層を形成する第2工程と、第1基板と結合する基を有する分子の溶液を、材料層および支持層が形成された第1基板に接触させ、材料層と第1基板との間に分子の分子自己組織化による分子膜を形成する第3工程と、支持層とともに第1基板より分離した材料層を第1基板とは異なる第2基板に貼り付ける第4工程とを備える。
上記機能性材料の転写方法において、第1基板はAu,Pt,Ag,Pd,Cuのいずれかから構成され、分子は、チオール基を有する分子であり、機能性材料は、グラフェンである
なお、第1基板は、Al,Ta,Nb,Zrのいずれかから構成されて表面に酸化膜を備え、分子は、リン酸基またはホスホン酸基を備えるものであってもよい。
以上説明したことにより、本発明によれば、コストをあまりかけることなく、より大きな面積の他基板へ、機能性材料が分解されることなく転写できるようになるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態における機能性材料の転写方法を説明するための説明図である。 図2は、実施例1において作製した試料のラマン分光法により分析した結果得られたラマンスペクトルである。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における機能性材料の転写方法を説明するための説明図である。
まず、図1の(a)に示すように、ステップS101で、金属から構成された第1基板101の上に機能性材料からなる材料層102を形成する(第1工程)。第1基板101は、例えば、Auから構成され、主表面が(111)面とされている。また、材料層102は、Auからなる第1基板101の(111)面に自己組織化的に成長させたグラフェンナノリボンである(非特許文献2参照)。
次に、図1の(b)に示すように、ステップS102で、材料層102の上に高分子材料から構成された支持層103を形成する(第2工程)。支持層103は、例えば、「Dow Corning」社製の水素シルセスキオキサンベースのネガ型電子線レジストFOXシリーズを用いれば良い。例えば、上記電子線レジストの溶液をスピン塗布法により塗布し、塗布した膜を80〜100℃程度で加熱して乾燥させ、さらに200℃程度で加熱して硬化させることで、支持層103とすれば良い。
次に、図1の(c)に示すように、ステップS103で、第1基板101と結合する基を有する分子の溶液104を、材料層102および支持層103が形成された第1基板101に接触させ、材料層102と第1基板101との間に上記分子の分子自己組織化による分子膜105を形成する(第3工程)。例えば、第1基板101をAuから構成すれば、Auと結合するチオール基を有する分子であるアルカンチオール誘導体の溶液104に、材料層102および支持層103が形成された第1基板101を浸漬すればよい。これにより、材料層102と第1基板101との間に、アルカンチオール系自己組織化単分子膜である分子膜105が形成されるようになる。
次に、図1の(d),(e)に示すように、ステップS104,S105で、分子膜105の形成により第1基板101より分離した材料層102を、第1基板101とは異なる第2基板106に貼り付ける(第4工程)。前述したように分子膜105が形成されることにより、図1の(d)に示すように、溶液104中で、第1基板101より支持層103とともに材料層102が遊離する。この状態で、図1の(e)に示すように、第2基板106を溶液104中に入れて材料層102をすくい上げるようにすることで、第2基板106の上に材料層102を貼り付ければよい。
ここで、支持層103と溶液104との濡れ性によっては、支持層103が溶液104中で浮かず、上述したように第2基板106によりうまくすくい取れない場合がある。例えば、支持層103を、FOXシリーズから構成し、溶液104がエタノールから構成されている場合である。この場合、分子膜105が形成された後、第1基板101,分子膜105,材料層102,および支持層103を一体として液中から出して洗浄・乾燥し、日東電工製リバアルファシリーズなどの熱剥離テープを支持層103上に貼り付け、剥がせばよい。材料層102と分子膜105の間が分離し、材料層102が支持層103とともに熱剥離テープに付着してくるので、この熱剥離テープを第2基板106の上に貼り付け、テープを加熱除去すれば、以下のステップS106と同様の構造が得られる。
以上のようにして材料層102が貼り付けられた第2基板106を、溶液104より引き上げれば、図1の(f)に示すように、ステップS106で、第2基板106の上に材料層102が形成され(密着し)、材料層102の上に支持層103が配置された状態となる。この後、例えば、第2基板106に貼り付けられた材料層102より支持層103を除去すれば、図1の(g)に示すように、ステップS107で、第2基板106の上に材料層102が形成された状態が得られる。
このように、実施の形態によれば、所望とする様々な材料から構成された第2基板106の上に、材料層102を形成することができる。また、第1基板101は、分子膜105を除去すれば再度利用することができるので、コストがかからない。例えば、電気化学的還元などの手法により分子膜105が除去できる。また、分子膜105を形成するための溶液104に接触する程度であるため、材料層102は分解することがない。
以下、分子自己組織化による分子膜の形成について説明する。分子自己組織化による分子膜の形成においては、まず、分子が基板表面の原子(金属原子)と反応する官能基を有し、自己組織化的に高密度に集合する分子間相互作用を有していることが重要となる。以下では、Au,Pt,Ag,Pd,Cuなどの金属からなる基板の上に自己組織化膜を形成するアルカンチオール誘導体を例に説明する。
アルカンチオール系自己組織化膜は、これまでに多くの誘導体が開発され、数多く市販されている。この構造は大まかに、金属原子と結合するチオール基、ジスルフィド基などの結合基部分と、長鎖アルキル基からなるスペーサー部分とから構成されている。これら自己組織化膜が形成可能なアルカンチオール類の例として、プロパンチオール、ヘキサンチオール、オクタンチオール、ドデカンチオール、オクタデカンチオールなど、長鎖アルキル基の長さを様々に変えたものが市販されている。
また長鎖アルキル基の先端(チオール基・ジスルフィド基の反対側)に、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基などの各種官能基(頭部基)を付与したものも開発されており、自己組織化膜形成後の濡れ性などの表面改質や、タンパク質の固定化などに利用されている。官能基の付加によって、アルカンチオール誘導体試薬の各種溶媒に対する溶解度を変えることもできる。例えば、オクタンチオールやドデカンチオールは、水に不溶であるが、末端にカルボキシル基が付加された分子、例えば7−Carboxy−1−heptanethiolは、1mM程度まで水に可溶である。
これらのようなアルカンチオール誘導体のチオール基は、金、銀、銅、白金、パラジウムなどの金属表面と結合し、自己組織化単分子膜を形成する。例えば、Au(111)表面とアルカンチオールという典型的な組み合わせにおいては、金と硫黄の結合は強く、45kcal/mol(1.95eV)の結合エネルギーを持つ(非特許文献4参照)。これはC−C共有結合の結合エネルギー(約83kcal/mol;3.60eV)に匹敵する。
また、上記結合エネルギーは、グラフェン/Ni間の弱い軌道混成の結合エネルギー(約140meV)より一桁大きく、グラフェン/Pd(70meV)、グラフェン/Cu(60meV)、グラフェン/Au(60meV)各層間のファンデルワールスエネルギー(非特許文献5参照)の30倍以上である。
以上のことより、例えば、Auからなる第1基板の上にグラフェンからなる材料層形成されている場合、アルカンチオール誘導体の溶液中に浸漬すれば、グラフェン/Auの層間にアルカンチオールが挿入してAu−S結合を形成する十分な原動力があると言え、基板端面などから徐々にインターカレーションが進むと考えられる。Au(111)面上で高密度に自己組織化したアルカンチオール単分子膜は(√3×√3)R30°構造を形成し(非特許文献6参照)、チオール鎖は面法線から約30度傾いて形成される(非特許文献4参照)。これによりアルカン鎖同士のファンデルワールス相互作用が最大化され、さらなる表面エネルギーの利得を得ることができる。なお、アルカンチオール類は、Au(111)に限らず、Au(100),Au(110),Au(311)などの様々なAuの結晶面で自己組織化単分子膜を形成することが知られている。
次に、支持層について説明する。支持層は、分子自己組織化による分子膜を形成するための溶液に溶解しない材料から構成する。例えば、アルカンチオール誘導体として水に不溶のオクタンチオールを用い、溶媒をエタノールにする場合は、エタノールに不溶の材料から支持層を形成する。具体的には、エポキシ系フォトレジストであるSU−8シリーズや、ハイドロジェンシルセスキオキサン(HSQ)であるダウコーニング社製FOXシリーズが、エタノールに耐性を持っている。
一方、グラフェンなどの転写に良く用いられるポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)から支持層を構成する場合には、水を溶媒とする水溶性のアルカンチオール誘導体である7−Carboxy−1−heptanethiolなどを、分子自己組織化による分子膜を形成するための分子とすれば良い。
なお、上述したように、分子自己組織化による分子膜は、Auに限らず、Pt,Ag,Pd,Cuなど上にも形成できる。従って、第1基板は、Au,Pt,Ag,Pd,Cuのいずれかから構成されていればよいことが分かる。また、上述では、第1基板と結合する基としてチオール基を例示したが、これに限るものではなく、ジスルフィド基であっても同様である。
また、上述した自己組織化単分子膜の層間挿入による剥離が適用できる機能性材料は、六方晶窒化ホウ素、遷移金属ダイカルコゲナイトなど、層状性を有する物質であればグラフェンに限らない。例えば、Al23,Ta25,Nb25,ZrO2などの金属酸化物表面で自己組織化膜を形成する、リン酸基もしくはホスホン酸基を持つ分子を用いれば、層状金属酸化物シートの単離も可能になると考えられる。この場合、第1基板は、Al,Ta,Nb,Zrのいずれかから構成されて表面に酸化膜を備えるものとすれば良い。
[実施例]
次に、実際に試料を作製した実施例を用いて詳細に説明する。まず、Au(111)単結晶基板に10,10’−dibromo−9,9’−bianthracene(DBBA)を真空蒸着し、加熱してポリマー化およびグラファイト化させることによって炭素原子7個分の幅を持つアームチェア端グラフェンナノリボン(材料層)を作製した。この状態をラマン分光法により分析すると、図2の(a)に示すラマンスペクトルが得られ、上記グラフェンナノリボンの形成が確認された。
次に、グラフェンナノリボンの上にハイドロジェンシルセスキオキサン系電子ビームレジストであるFOX−16をスピンコートし、200℃で加熱することで、支持層を形成した。次いで、これらを、アルカンチオール誘導体の一種であるオクタンチオールのエタノール溶液(1M)に浸漬した。12時間程度の浸漬の後、熱剥離テープでFOX−16膜を剥がし取り、SiO2基板の上に密着させてからテープを除去すると、SiO2基板側にグラフェンナノリボンとFOX−16膜が付着していた。FOX−16膜は、TMAH(Tetramethylammonium hydroxide)等のアルカリ現像液で除去することが可能であった。
SiO2基板上に残ったものをラマン分光法により分析すると、図2の(b)に示すラマンスペクトルが得られ、SiO2基板の側にグラフェンナノリボンが転写されていることが確認された。一方、基板の状態をラマン分光法により分析すると、図2の(c)に示すラマンスペクトルが得られ、グラフェンナノリボンがほぼなくなっていることが確認された。
なお、転写した後の基板は、オクタンチオール自己組織化膜で覆われていることが、X線光電子分光で確認された。また、転写した後、KOH水溶液中で、基板を作用極とし、対極にグラッシーカーボン電極を用いて−5Vを印加したところ、Auからなる基板表面からチオレートアニオンが還元脱離した。この状態をX線光電子分光で分析したところ、硫黄の除去が確認できた。このようにしてオクタンチオール自己組織化膜を除去した基板は、よく知られたピラニア洗浄、Arガスを用いたスパッタ処理、および真空中加熱処理を経て再利用することが可能だった。
以上に説明したように、本発明によれば、第1基板とこの上に形成した材料層との間に、分子自己組織化により分子膜を形成するようにしたので、第1基板は再利用できるのでコストをあまりかけることなく、より大きな面積の他基板へ、機能性材料が分解されることなく転写できるようになる。これにより、材料層を用いたデバイスの作製のコストを、大幅に削減することが可能である。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…第1基板、102…材料層、103…支持層、104…溶液、105…分子膜、106…第2基板。

Claims (1)

  1. 金属から構成された第1基板の上に機能性材料からなる材料層を形成する第1工程と、
    前記材料層の上に高分子材料から構成された支持層を形成する第2工程と、
    前記第1基板と結合する基を有する分子の溶液を、前記材料層および前記支持層が形成された前記第1基板に接触させ、前記材料層と前記第1基板との間に前記分子の分子自己組織化による分子膜を形成する第3工程と、
    前記支持層とともに前記第1基板より分離した前記材料層を前記第1基板とは異なる第2基板に貼り付ける第4工程と
    を備え
    前記第1基板はAu,Pt,Ag,Pd,Cuのいずれかから構成され、
    前記分子は、チオール基を有する分子であり、
    前記機能性材料は、グラフェンであ
    ことを特徴とする機能性材料の転写方法。
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