JP6271410B2 - 船舶機器メンテナンス判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、船舶の動力源となる船舶機器のメンテナンス時期を判定する船舶機器メンテナンス判定装置に関する。
船舶には、伝達機構を介してプロペラを回転させるエンジン等の回転機械(主機関)や、電力により駆動される推進装置に供給する電力を発生させる発電機等、駆動力を発生させるための動力源となる船舶機器を有する。船舶の船舶機器を含む各種機器は、使用を継続することにより性能が低下するが、メンテナンスすることで、性能を回復させることができる。このようなメンテナンスは、短い周期で行うと、メンテナンス回数が多くなり効率が悪くなり、長い周期で行うと、メンテナンスを行う前に、機器に不具合が生じることがある。メンテナンスに設定する期間の前に、機器に不具合が生じると緊急のメンテナンスを行うことになり、予定の航行ができなくなる。
メンテナンスを行う時期を判定する方法としては、例えば、特許文献1に、航行中の船舶の機器に装着されたセンサーから当該機器の特性に関する検出値を取得するステップと、検出値の変動に基づいて、機器の交換が必要となる所定のしきい値に検出値が到達するか否かを予測するステップと、検出値が所定のしきい値に到達することが予測される場合、船舶の航行に関する情報に基づいて、検出値が所定のしきい値に到達する以前に入港する港を選定するステップと、選定された港に入港した際に、センサーが装着された機器をメンテナンスするステップと、を有する方法が記載されている。
特開2009−78709号公報
特許文献1に記載の方法のように、機器の状態を検出することで、当該機器が故障する前のメンテナンス時期を検出することはできるが、メンテナンスの前に船舶としての航行性能が低下して効率が悪くなっている場合もある。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、船舶機器の適切なメンテナンス時期を算出することができる船舶機器メンテナンス判定装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明は、船舶機器メンテナンス判定装置であって、船舶の速度を検出する船速検出部と、前記船舶に設置され、前記船舶を移動させる動力源となる船舶機器から出力される馬力を検出する馬力検出部と、前記船速検出部で検出した前記船舶の速度と前記馬力検出部で検出した前記船舶機器の馬力との関係で算出される係数を算出し、算出した係数の時間変化に基づいてメンテナンス時期を判定する制御部と、を有することを特徴とする。
前記制御部は、前記係数を、前記船舶機器の馬力の3乗根を前記船舶の速度で割った値に基づいて算出することが好ましい。
また、前記制御部は、前記船舶の速度の履歴と前記船舶機器の馬力の履歴を記憶し、設定した時間範囲毎の前記船舶の速度の履歴と前記船舶機器の馬力の履歴とに基づいて、前記係数を算出することが好ましい。
また、前記制御部は、前記係数の変化に基づいて近似で前記係数の変化を予測し、前記係数の予測値が設定した許容下限値となる時点をメンテナンス時期とすることが好ましい。
また、船舶の速度に影響を与える影響因子の状態を検出する影響因子検出部を有し、前記制御部は、前記影響因子検出部で検出した影響因子の状態の数値から算出される馬力の補正値を、前記馬力検出部で検出した前記船舶機器の馬力から減算し、新たな前記船舶機器の馬力とすることが好ましい。
また、前記影響因子は、風の影響及び波の影響を含むことが好ましい。
また、前記制御部は、係数の時間変化に基づいて予測する各時間の係数に基づいて、各時間の係数よりも設定された基準分小さい変動下限値を算出し、算出した係数が変動下限値よりも小さい場合、現時点がメンテナンス時期と判定することが好ましい。
本発明によれば、船速と馬力に基づいてメンテナンス時期を判定することで、船舶機器の状態と、船舶としての航行性能が低下しているかに基づいて、メンテナンス時期を判定することができる。これにより、船舶機器の適切なメンテナンス時期を算出することができる。
図1は、本実施形態に係る船舶の概略構成を示すブロック図である。 図2は、制御部の処理動作の一例を示すフローチャートである。 図3は、制御部の処理動作を説明するための説明図である。 図4は、制御部の処理動作を説明するための説明図である。 図5は、制御部の処理動作を説明するための説明図である。 図6は、制御部の処理動作の一例を示すフローチャートである。 図7は、制御部の処理動作の一例を示すフローチャートである。 図8は、制御部の処理動作を説明するための説明図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
図1は、本実施形態に係る船舶の概略構成を示すブロック図である。船舶10は、主機関12と、負荷機器14と、船速検出部16と、馬力検出部18と、影響因子検出部20と、出力部22と、制御部30と、を有する。船舶10の船舶機器メンテナンス判定装置11は、船舶10の船速検出部16と、馬力検出部18と、影響因子検出部20と、出力部22と、制御部30と、を含む。また、本実施形態において、船舶機器とは、主機関12を含む船舶10に搭載されている機器である。船舶機器メンテナンス判定装置11は、主機関12の状態を含む情報に基づいて、船舶機器のメンテナンスを行う時期を判定する。
主機関12は、船舶機器の1つであり、推進装置の動力源となる機器である。例えば、船舶10が、ディーゼルエンジン等の原動機と、原動機によって回転されるシャフトと、シャフトで回転されるプロペラ等を有する推進装置を有する場合、原動機が主機関12となる。この推進装置は、原動機で燃料を燃焼する等により動力を発生させ、シャフトを介して動力を伝達することで、プロペラを回転させ、推進力を発生させる。また、船舶10が、モータ等を有し、電気が供給されることで、プロペラ等の推進機器を回転させ、推進力を発生させる推進装置を有する場合、電力を発生させる発電機が主機関12となる。発電機は、例えば、ディーゼル発電機関である。電気で駆動させる推進装置は、メインエンジンのプロペラと同方向に推進力を発生させてもよいが、アジマス推進器のように推進力を発生させる方向を可変とすることが好ましい。また、電気で駆動させる推進装置は、船舶10の船首に横方向の推進力を与えるバウスラスタ装置や、船舶10の船尾に横方向の推進力を与えるスタンスラスタ装置を有するスラスタ装置であってもよい。
負荷機器14は、機関補機、甲板補機、荷役装置、照明装置、船体サービス補機、空調機器等、船舶の電力系統に接続されている各機器を含んでいる。負荷機器14の数は限定されない。また、負荷機器には、主冷却海水ポンプ、機関室給気通風機、発電機室給気通風機、油圧ポンプユニット、トリミングポンプ、ヒールポンプ等の船舶の傾き又は水位を調整可能な機器、あるいは、保冷車への給電用変圧器、一般照明用の変圧器、厨房機器用変圧器等がある。
船速検出部16は、船舶10の速度を検出する。船速検出部16は、例えば汎地球測位システム(GPS:Global Positioning System)等の位置検出部により、船舶10の現在位置情報を取得し、検出した位置情報の時間変化に基づいて、対地船速として船舶10の速度を取得する。
馬力検出部18は、主機関12から出力される馬力を検出する装置である。馬力検出部18は、トルクセンサや、発電力を検出する電力計を用いることができる。
影響因子検出部20は、主機関12から出力される馬力と、船舶10の速度との関係に影響を与える各種因子の状態を検出する。影響因子検出部20は、複数の影響因子を検出しても、1つの影響因子のみを検出してもよい。影響因子としては、風、波、潮流等の自然影響がある。影響因子検出部20は、風、波、潮流を種々の検出器により検出する。例えば、風を検出する場合、風速計、風向計を有し、風速、風向を検出する。影響因子検出部20は、風、波、潮流の情報を通信等により外部から取得してもよい。
また、影響因子としては、操舵角、斜航角等、操船により生じる影響がある。影響因子検出部20は、船舶10の操作部に入力される情報や、舵の向き、位置情報を取得することで、操舵角、斜航角等の情報を取得することができる。
また、主機関12が推進装置を直接回転する動力源であり、かつ動力源の回転で発電を行う場合、発電で生じる負荷、主機関12が発電機である場合、電力を消費する負荷機器14の負荷も影響因子となる。影響因子検出部20は、発電量や消費電力量を検出することで、生じる負荷を検出することができる。
出力部22は、各種情報を出力して、オペレータ等の利用者に情報を報知する装置である。出力部22としては、液晶パネルや有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネル等の表示装置や、プリンタ、音声を出力するスピーカ等がある。
制御部30は、各部の情報に基づいて、船舶機器のメンテナンス時期を判定する。また制御部30は、船舶機器メンテナンス判定装置11の機能以外にも船舶10の各種機能を備えていてもよい。つまり、制御部30は、船舶10の操船に関わる制御や、各部に供給する電力のバランスの制御、船舶機器の動作の制御を備えていてもよい。制御部30は、演算部32と記憶部34とを有する。
演算部32は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、これらのハードウェア資源を用いてプログラムを実行することによって各種の機能を実現する。具体的には、演算部32は、記憶部30に記憶されているプログラムを読み出してメモリに展開し、メモリに展開されたプログラムに含まれる命令をCPUに実行させる。そして、演算部32は、CPUによる命令の実行結果に応じて、メモリ及び記憶部34に対してデータの読み書きを行ったり、各部の動作を制御したりする。
記憶部34は、RAMのような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ハードディスクドライブあるいはこれらの組み合わせを有する記憶装置を有し、各種のプログラムやデータを記憶する。記憶部34に記憶されるプログラムには、メンテナンス判定プログラム40が含まれる。記憶部34に記憶されるデータには、条件データ42が含まれる。メンテナンス判定プログラム40は、船舶機器メンテナンス判定装置11の動作を実行するための処理情報が記憶されている。条件データ42は、メンテナンス判定プログラム40の処理の判定に必要な各種基準値、閾値、使用する影響因子の情報等が記憶されている。
上記プログラムは、制御部30の記憶部34へすでに記録されているプログラムとの組み合わせによって、船舶10の動作手順を実行するものであってもよい。また、この制御部30は、コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、船舶機器メンテナンス判定装置11の動作手順を実行するものであってもよい。
また、船舶機器メンテナンス判定装置11の動作手順は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション、あるいはプラント制御用コンピュータ等のコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。また、このプログラムは、ハードディスク等の記録装置、フレキシブルディスク(FD)、ROM、CD−ROM、MO、DVD、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」には、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線網を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含むものとする。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
次に、図2から図4を用いて、制御部30の制御動作、具体的には、船舶機器メンテナンス判定装置11で実行する処理動作について説明する。図2は、制御部の処理動作の一例を示すフローチャートである。図3及び図4は、それぞれ制御部の処理動作を説明するための説明図である。
図2に示す処理は、制御部30の演算部32が、記憶部34に記憶されたメンテナンス判定プログラム40を実行し、各部で取得した情報及び条件データ42に設定された情報に基づいて処理を実行することで実現することができる。以下、制御部30の処理として説明する。まず、船速検出部16で検出した船舶10の速度の情報と、馬力検出部18で検出した主機関12の馬力の情報に基づいて、メンテナンス時期を判定する方法について説明する。
制御部30は、航行時に船速検出部16で検出した船舶10の速度の情報と、馬力検出部18で検出した主機関12の馬力の情報と、を蓄積する。制御部30は、船舶が動いていない間や、入港時(港に寄港する場合)や出港時(港から出発する場合)の情報は、評価対象外とする。つまり、港内にいる場合や公海上で停船している場合は、船舶10の速度の情報と、主機関12の馬力の情報を取得しない。制御部30は、蓄積した船舶10の速度の情報の履歴と、主機関12の馬力の情報の履歴を用いて、メンテナンス時期を判定する。
制御部30は、収集したデータを時間帯毎に分類する(ステップS12)。船舶10の速度と主機関12の馬力とを、検出した時間帯ごとに分類する。なお、区切った期間に検出した複数の船舶10の速度及び主機関12の馬力を、それぞれの期間の評価対象のデータとする。
制御部30は、時間帯毎に係数Aを算出する(ステップS14)。具体的には、同じ時間に検出した船舶10の速度と主機関12の馬力との関係を1つの測定結果として、時間帯に含まれる複数の船舶10の速度と主機関12の馬力との関係を算出する。制御部30は、算出した複数の関係に基づいて、速度(船速V)と馬力(BHP)との関係(速度−馬力特性)を算出する。
具体的には、制御部30は、下記式の関係を満たす係数Aを算出する。なお、係数Aは、算出した履歴の関係を近似することで算出することができる。
Figure 0006271410
制御部30は、図3に示すように、計測した各時点での結果は、横軸を速度(船速V)とし、縦軸を馬力(BHP)としたグラフ上にプロットすることができる。ここで、馬力と船速との関係は、理論上、上述した式となる。つまり、船速を馬力の3乗根で割った値は、一定値となる。
制御部30は、例えば、計測した結果から近似線P´を算出した後、近似線P´と上記式とに基づいて、上記式の関係となる修正最適化理論曲線Pcal´を算出する。制御部30は、修正最適化理論曲線Pcal´となる係数Aを当該時間帯の係数Aとする。
制御部30は、算出した係数Aの時間変化を予測し(ステップS16)、係数Aの時間変化の予測と許容下限値との関係に基づいてメンテナンス時期を算出する(ステップS18)。
具体的には、速度(船速V)と馬力(BHP)との関係(速度−馬力特性)は、時間帯に応じて変化する。例えば、図3に示すように、就航時(使用開始時点を含む期間)の計測値に基づいて算出した修正最適化理論曲線Pcalは、修正最適化理論曲線Pcal´に対して、同じ馬力でより船速が速くなる。
制御部30は、図4に示すように、時間帯毎の係数Aの時間変化(経時変化)の近似曲線を算出し、算出した近似曲線に基づいて、係数Aの時間変化(経時変化)を予測する。なお、図4の係数Aは、就航時の係数を1に規格化している。ここで、近似は、最小二乗法等による直線近似を用いることが好ましい。制御部30は、予測に基づいて、係数Aが許容下限値A1となる時点M1を算出し、算出した時点M1をメンテナンス時期として算出する。ここで、許容下限値は、予め設定する値であり、条件データ42に記憶されている。許容下限値は、船舶10の速度を出すために必要な馬力との関係に基づいて、メンテナンスして性能を回復させた方が効率がよいと判断する値である。つまり、同じ船速(船舶10の速度)を達成するための馬力が増えると、それだけエネルギーコストが増加することになる。許容下限値は、例えば、このエネルギーコストとメンテナンスによって発生するコスト(メンテナンス自体のコストとメンテナンス期間中航行できないことで生じるコスト等)と、利益率等との比較に基づいて決定される。
船舶機器メンテナンス判定装置11は、このように検出した係数Aに基づいて、メンテナンス時期を予測する。つまり、船舶機器メンテナンス判定装置11は、主機関12等の動力関連機器の経時劣化や、付着物による抵抗の増加などにより、所定の速度を得るために必要な制動馬力(主機関で生成される馬力)が時間経過とともに増大することを係数Aの変化で検出し、係数Aの変化に基づいてメンテナンス時期を予測する。これにより、船舶機器メンテナンス判定装置11は、航行性能が設定した許容値以下となった状態での航行を抑制することができる。また、係数Aが許容値となるタイミングを基準にメンテナンス時期を設定することができ、メンテナンスの間隔を長くすることができる。
ここで、メンテナンス時期は、係数Aが許容下限値となる時点よりも設定された期間分前の時点とすることが好ましい。また、設定する許容下限値の値を、実際に許容される限界値よりも高くするようにしてもよい。これにより、航行性能が設定した許容値以下となった状態での航行が生じる恐れをより確実に抑制することができる。また、制御部30は、算出したメンテナンス時期を出力部22から出力することで、使用者にメンテナンス時期を通知することができる。
船舶機器メンテナンス判定装置11は、係数Aを算出する際に、影響因子検出部20の検出結果を加味することが好ましい。図5は、制御部の処理動作を説明するための説明図である。以下、図5を用いて、説明する。船舶10は、図5に示すように、主機関12の馬力をそのまま船舶10の航行に使用できると仮定するとベクトル110の船速となる。これに対して、船舶10は、風100、波102、潮流104の影響を受ける。また、船舶10の舵角θ1が0より大きくなることや、船舶の進路が針路に対する斜航角θ2が0より大きくなることで抵抗が生じる。これらの影響により、船舶10の速度は、ベクトル110よりも小さいベクトル112の船速となる。
船舶機器メンテナンス判定装置11は、これらの影響に基づいて馬力の項を補正することが好ましい。つまり、影響因子の状態の数値から算出される馬力の補正値を、馬力検出部で検出した船舶機器の馬力から減算し、新たな前記船舶機器の馬力とすることが好ましい。具体的には、制御部30は、下記式で係数Aを算出する。
Figure 0006271410
上記式のαは、風の影響を考慮する項であり、αは、波の影響を考慮する項であり、εは誤差を考慮する項である。α、αは、係数であり、f(V,θ)は、風速と風向の関数であり、f(H,θ)は、波の強さと波の向きの関数である。
また、制御部30は、下記式で係数Aを算出してもよい。
Figure 0006271410

上記式のαは、斜航、操舵の影響を考慮する項である。αは、係数であり、f(β,δ)は、斜航角と舵角の関数である。
以上ように、船舶機器メンテナンス判定装置11は、係数Aを算出する際に、影響因子検出部20の検出結果を加味することで、主機関12で生成される馬力のうち、船速に寄与している馬力を高い精度で算出することができ、実際の状態に即した係数Aを算出することができる。
船舶機器メンテナンス判定装置11は、影響因子として風の影響と波の影響を加味することが好ましく、風の影響と波の影響と舵角、斜航角の影響を加味することが好ましい。船舶機器メンテナンス判定装置11は、さらに、潮流の影響や、負荷機器で消費する電力の影響等を加味してもよい。
上記実施形態では、メンテナンス時期を予測したが、係数Aに基づいて、メンテナンスを行うように通知してもよい。図6は、制御部の処理動作の一例を示すフローチャートである。制御部30は、係数Aを検出し(ステップS22)、係数Aが許容下限値以下であるか判定する(ステップS24)。制御部30は、係数Aが許容下限値以下である(ステップS24でYes)と判定した場合、メンテナンス時期であることを通知する(ステップS26)。制御部30は、係数Aが許容下限値以下ではない(ステップS24でNo)つまり係数Aが許容下限値よりも高いと判定した場合、本処理を終了する。
船舶機器メンテナンス判定装置11は、係数Aが変動下限値以下となった場合にメンテナンスを行うように通知してもよい。ここで、変動下限値とは、係数Aの時間変化に基づいて予測する各時間の係数Aに基づいて決まる値であり、各時間の係数Aよりも設定された基準分小さい値である。例えば、変動下限値は、対象の時点で算出されると予測される係数Aを基点として、近似曲線(予測値の線)に対する係数Aの標準偏差の3σ分小さい値である。
図7は、制御部の処理動作の一例を示すフローチャートである。以下、図7を用いて処理の一例を説明する。制御部30は、係数Aを検出し(ステップS32)、係数Aが変動下限値以下であるか判定する(ステップS34)。制御部30は、係数Aが変動下限値以下である(ステップS34でYes)と判定した場合、メンテナンス時期であることを通知する(ステップS36)。制御部30は、係数Aが変動下限値以下ではない(ステップS34でNo)つまり係数Aが変動下限値よりも高いと判定した場合、本処理を終了する。
図8は、制御部の処理動作を説明するための説明図である。また、図4は、縦軸を係数の値とし、横軸を運航月数とする。制御部30は、図6の処理を行うことで、係数Aの時間変化(経時変化)の近似線130が許容下限値136と接する時点M2、M3でメンテナンスを行うことができる。船舶10は、メンテナンスを行うことで、矢印134に示すように性能が回復し、係数Aが高くなる。
また、制御部30は、図7の処理を行うことで、係数Aの時間変化の近似線130を基準とした変動下限値138を設定する。変動下限値138は、近似線130に合わせて時間変化する。制御部30は、係数Aの値がプロット140のように、変動下限値138以下となった場合、許容下限値136よりも高くてもメンテナンス時期と判定する。
このように、船舶機器メンテナンス判定装置11は、検出した係数Aが許容下限値以下になった場合にその旨を通知することでも、航行性能が設定した許容値以下となった状態での航行を抑制しつつ、メンテナンスの間隔を長くすることができる。
また、船舶機器メンテナンス判定装置11は、変動下限値に基づいてメンテナンス時期を判定することで、船舶機器のうち、主機関12を含む動力関連機器に偶発的損傷により急遽メンテナンスが必要になったことを的確に検出することができる。これにより、機器に異常が発生した状態(安全性が低下した状態(損傷部位が他機器と干渉して被害拡大し、航行不能になる等))となることを抑制することができる。なお、主機関12を含む動力関連機器の偶発的損傷としては、動力関連機器の軸受の異常摩耗、バルブの異常、経路内の作業者が気づけない程度のリーク、ピストンリングの異常等がある。
また、変動下限値138は、直近のメンテナンスを行うと判定するまでに使用した期間(2回目前のメンテナンスから1回目前のメンテナンスまでの期間)の係数Aに基づいて算出した近似線130に基づいて、算出することが好ましい。これにより、メンテナンス直後の、メンテナンスを行ってからの係数Aのデータが蓄積されていない間も精度の高い変動下限値138を設定することができる。
10 船舶
11 船舶機器メンテナンス判定装置
12 主機関
14 負荷機器
16 船速検出部
18 馬力検出部
20 影響因子検出部
22 出力部
30 制御部
32 演算部
34 記憶部
40 メンテナンス判定プログラム
42 条件データ

Claims (5)

  1. 船舶の速度を検出する船速検出部と、
    前記船舶に設置され、前記船舶を移動させる動力源となる船舶機器から出力される馬力を検出する馬力検出部と、
    前記船速検出部で検出した前記船舶の速度と前記馬力検出部で検出した前記船舶機器の馬力との関係で算出される係数を算出し、算出した係数の時間変化に基づいてメンテナンス時期を判定する制御部と、を有し、
    前記制御部は、係数の時間変化に基づいて予測する各時間の係数に基づいて、各時間の係数よりも設定された基準分小さい変動下限値を算出し、
    算出した係数が変動下限値よりも小さい場合、現時点がメンテナンス時期と判定し、
    前記係数は、前記船舶の速度を前記船舶機器の馬力の3乗根で割った値であることを特徴とする船舶機器メンテナンス判定装置。
  2. 前記制御部は、前記船舶の速度の履歴と前記船舶機器の馬力の履歴を記憶し、設定した時間範囲毎の前記船舶の速度の履歴と前記船舶機器の馬力の履歴とに基づいて、前記係数を算出することを特徴とする請求項1に記載の船舶機器メンテナンス判定装置。
  3. 前記制御部は、前記係数の変化に基づいて近似で前記係数の変化を予測し、
    前記係数の予測値が設定した許容下限値となる時点をメンテナンス時期とすることを特徴とする請求項1または2に記載の船舶機器メンテナンス判定装置。
  4. 船舶の船速に影響を与える影響因子の状態を検出する影響因子検出部を有し、
    前記制御部は、前記影響因子検出部で検出した影響因子の状態の数値から算出される馬力の補正値を、前記馬力検出部で検出した前記船舶機器の馬力から減算し、新たな前記船舶機器の馬力とすることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の船舶機器メンテナンス判定装置。
  5. 前記影響因子は、風の影響及び波の影響を含むことを特徴とする請求項に記載の船舶機器メンテナンス判定装置。
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