JP5854382B2 - 船舶のプロペラ位置最適化プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、船舶のプロペラ位置最適化プログラム及びプロペラ位置最適化方法に関する。
近年、船舶の分野において燃料代の高騰や環境問題の高まりからエネルギーの利用効率の向上が望まれている。
そこで、複雑な船体形状を有する船舶周辺の流場を正確に計算する技術が開示されている(特許文献1)。また、流場を考慮して推力の向上に適した船舶形状を計算する技術が開示されている(特許文献2,3)。また、流場の粘性の影響やプロペラのキャビテーション形状を考慮して、プロペラによる船体表面の変動圧力を推定する計算方法が開示されている(特許文献4)。
しかしながら、上記のいずれの技術も船舶の船体とプロペラとの相対的な位置を最適化するものではない。
さらに、船舶の推進時にスケグ後部に生じる流れを有効利用できるプロペラの位置を求め、船舶の推進性能を向上させる技術が開示されている(特許文献5)。
しかしながら、プロペラ面における循環強さの半径方向分布のみに基づいてプロペラの駆動軸の中心を位置設定するものであり、プロペラ面における軸方向の速度分布が考慮されておらず、プロペラ位置の最適化としては十分でない場合がある。
また、スケグ後部に生ずる流れを評価する際、プロペラ半径方向位置として70〜80%の位置を基準としており、物理量評価の柔軟性に欠けている。
特開2003−320989号公報 特開2003−104280号公報 特開2004−9858号公報 特開2010−36600号公報 特開2010−280341号公報
本発明は、上記の課題を鑑み、船体の船尾の形状に合わせてプロペラの位置を最適化するための船舶のプロペラ位置最適化プログラム及びプロペラ位置最適化方法を提供することを目的とする。
請求項1に対応した船舶のプロペラ位置最適化プログラムは、コンピュータによって船舶を推進させるプロペラの最適位置を求めるプログラムであって、前記船舶の船体の形状に応じた流場データ及び前記プロペラに関する情報を取得する第1ステップ(ステップS10)と、前記船体に対する前記プロペラの相対位置の探索位置の候補を定めるための最適位置探索用データを取得する第2ステップ(ステップS12)と、前記探索位置の候補毎に、前記プロペラの旋回範囲において前記プロペラの軸方向に向かう前記流場の流れの速度の積分値F1を算出する第3ステップ(ステップS14〜S20)と、前記探索位置の候補毎に、前記プロペラの旋回範囲において前記プロペラの旋回方向に向かう前記流場の流れの速度の積分値F2の前記プロペラの半径方向に対する分布を算出する第4ステップ(ステップS14〜S20)と、前記探索位置の候補のうち、前記積分値F1が最小かつ前記プロペラの半径方向に対する前記積分値F2のピーク値が最大となる位置を特定する第5ステップ(ステップS22)と、前記特定された位置を前記船体に対する前記プロペラの最適位置として出力する第6ステップ(ステップS24)と、を備えることを特徴とする。
請求項2に対応した船舶のプロペラ位置最適化プログラムは、コンピュータによって船舶を推進させるプロペラの最適位置を求めるプログラムであって、前記船舶の船体の形状に応じた流場データ及び前記プロペラに関する情報を取得する第1ステップ(ステップS10)と、前記船体に対する前記プロペラの相対位置の探索位置の候補を定めるための最適位置探索用データを取得する第2ステップ(ステップS12)と、最適化アルゴリズムを適用して、前記探索位置の候補のうち、前記プロペラの旋回範囲において前記プロペラの軸方向に向かう前記流場の流れの速度の積分値F1が最小となり、前記プロペラの旋回範囲において前記プロペラの旋回方向に向かう前記流場の流れの速度の積分値F2の前記プロペラの半径方向に対する分布のピーク値が最大となる最適化位置を探索する第3ステップ(ステップS30〜S34)と、前記特定された位置を前記船体に対する前記プロペラの最適位置として出力する第4ステップ(ステップS24)と、を備えることを特徴とする。
請求項10に対応した船舶のプロペラ位置最適化方法は、船舶のプロペラの旋回範囲において前記プロペラの軸方向に向かう前記流場の流れの速度の積分値F1と、前記プロペラの旋回範囲において前記プロペラの旋回方向に向かう前記流場の流れの速度の積分値F2と、に基づいて前記船舶の船体に対する前記プロペラの最適位置を決定することを特徴とする。
ここで、前記積分値F1は、公称伴流係数又は有効伴流係数とすることが好ましい。
また、前記積分値F2は、前記プロペラの周方向の流れの速度の平均値又は前記プロペラの半径方向の循環の強さとすることが好ましい。
また、前記流場データは、前記船体周辺の流体の流れの速度のデータであることが好ましい。
また、前記プロペラに関する情報は、計算格子、プロペラ中心位置、プロペラ直径、プロペラ直径とボスとの比の少なくとも1つを含むことが好ましい。
また、前記最適位置探索用データは、前記船体に対する前記プロペラの相対位置及び当該相対位置から前記探索位置の候補を決定するための制約条件を含むことが好ましい。さらに、前記制約条件は、前記船体の流力性能の悪化を招く前記船体に対する前記プロペラの相対位置を除外する条件であることが好ましい。また、前記最適位置探索用データのうち、前記船体に対する前記プロペラの相対位置の候補のデータを前記第1ステップで取得してもよい。
なお、上記したプログラムには、目的に応じて適宜、サブ的なステップやサブルーチン等を追加できる。また、探索位置の候補は単数として、単数毎に出力を得ることや実験結果との照合等に利用することもできる。なお、上記した課題を解決するための手段における各ステップの後の()内のステップの説明は、単に例示のためのものであって本願特許請求の範囲における各請求項に係る発明を制限するものではない。
本発明の船舶のプロペラ位置最適化プログラム及びプロペラ最適化方法では、プロペラの軸方向に向かう流場の流れの速度及びプロペラの旋回方向に向かう流場の流れの速度を考慮に入れて、推進効率を高めることができるプロペラの最適位置を決定することが可能となる。これによって、種々の船舶の推進効率の向上及び燃費の低下に貢献することができる。
また、プロペラ位置最適化プログラムにおいて最適化アルゴリズムを適用することによって、推進効率を高めることができるプロペラの最適位置を効率的かつ迅速に特定することができる。
本発明の実施の形態におけるコンピュータシステムの構成例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるプロペラ位置最適化方法のフローチャートを示す図である。 本発明の実施の形態における計算格子及び流場ベクトルの例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるプロペラ軸方向の流場及び積分値F1の算出方法を説明する図である。 本発明の実施の形態におけるプロペラ旋回方向の流場及び積分値F2の算出方法を説明する図である。 本発明の実施の形態におけるプロペラ半径方向に対する積分値F2の分布及びピーク値の例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるプロペラ位置最適化方法の別例のフローチャートを示す図である。
<プロペラ位置最適化方法>
本発明の実施の形態におけるプロペラ位置最適化方法は、コンピュータシステム100を用いて実行される。コンピュータシステム100は、図1に示すように、処理部10、記憶部12、入力部14及び出力部16を含んで構成される。
処理部10は、CPU等で構成され、記憶部12に予め記憶された船舶のプロペラ位置最適化プログラムを実行することによりプロペラ位置最適化処理の演算を行う。記憶部12は、船舶のプロペラ位置最適化プログラム及びそれに関する各種パラメータを格納及び保持する。記憶部12は、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶装置を含んで構成され、処理部10から読み出し及び書き込み可能とされる。入力部14は、プロペラ位置最適化処理に必要なデータ等を入力するために用いられる。入力部14は、キーボード、ポインティングデバイス等の入力装置を含んで構成される。出力部16は、入力部14から入力されたデータの表示、プロペラ位置最適化処理で得られる中間処理結果や最終処理結果の表示等を行う。出力部16は、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置を含んで構成される。
本実施の形態におけるプロペラ位置最適化処理では、船舶の船体の周辺の流場データを用いて、推進効率が高くなるように船体に対するプロペラの相対位置を決定するものである。
ここで、「プロペラ」とは、エンジンやモータ等推進手段の出力を船舶の推進力へと変換するための装置である。例えば、推力を得るための複数枚のブレード(羽根)、ブレードを支持するとともにシャフトからの出力を伝えるハブ、その他の部品を備えて構成される。プロペラは、推進のための手段として使う際の回転力、流体抵抗等に耐えうる剛性、また恒常的な浸水に耐えうる性質を持つものであれよい。材質は、金属、セラミック、樹脂など材質の如何は問わない。また、ジェットエンジンのようにプロペラのブレード部分が露出していなくとも、ブレードが回転し流体を掻くことで推力を得る手段を用いるものでもよい。
以下、本発明の実施の形態におけるプロペラ位置最適化処理について説明する。プロペラ位置最適化処理は、処理部10によって記憶部12に記憶されている船舶のプロペラ位置最適化プログラムを実行することによって、図2に示すフローチャートに沿って行われる。
ステップS10では、プロペラ位置最適化処理に必要なプロペラに関する情報及び流場データを取得する。これらの情報は、入力部14を介して取得される。例えば、キーボード等から入力を受け付けてもよいし、ネットワークのインターフェース等を用いて外部装置から入力を受けてもよい。取得された情報は、記憶部12に記憶される。
プロペラに関する情報とは、計算格子、プロペラ中心位置、プロペラ直径及びボス比を含む情報である。
計算格子は、図3に示すように、プロペラ位置最適化処理対象となる3次元空間を区切ったグリッドの座標データであり、プロペラ位置最適化処理では各グリッド点について演算が行われる。グリッドの区切り方は特に限定されるものではないが、プロペラ位置最適化処理の演算結果において十分な精度が得られる程度に細かく設定することが好適である。
プロペラ中心位置は、プロペラ羽根が取り付けられる回転の中心点の位置のデータである。プロペラ直径は、プロペラが回転した時、羽根の先端が描く円の直径である。プロペラ直径は、1つの羽根の軸中心から羽根最先端の長さRの2倍の値として計測できる。ボス比は、プロペラボスの直径をプロペラ直径で割った値である。通常プロペラの場合、ボス比は概略0.16〜0.20程度である。ボス比が小さい程、プロペラの効率は良くなる傾向を示す。
流場データは、船舶が航行する際にプロペラが搭載される船体の周辺の流体の流れの速度ベクトルのデータである。流場データは、船体周辺に生じている流れのベクトルが船舶の実際の運転時に近い形で得られるという前提を満たしているものであればよく、船体形状に応じて実験やシミュレーションによって得ることができる。例えば、プロペラ位置最適化処理の対象となる船舶に対して実験施設などで物理的に測定して求めてもよいし、船体模型を流場内に配置し、船体周辺の流体の流れを実測して求めてもよい。また、プロペラ位置最適化処理の対象となる船舶の船体モデルに対して流体の流れのシミュレーションを実行して求めてもよい。
ここで、「船体形状」は、スケグや推進手段の形状を含めた形状としてもよい。「スケグ」とは、船底部から垂直方向に伸ばされた「ひれ」状の構造物である。スケグという呼称を有しないものであっても、おおよそプロペラの前方にあり、船舶の前進に伴う針路安定化を図る同等の船舶形状あるいは造作であればこれに含まれる。また、「推進手段」とは、プロペラを駆動して船舶を推進する手段をいい、一般的な船舶に用いられるスクリュー・プロペラ、二重反転プロペラ、ノズル・プロペラなどのプロペラ推進器、または電動機駆動による電気ポッド推進器、機械式ドライブ(Zドライブ)などのポッド推進器などを含んでよい。
また、船体形状は、一般的に単胴型船舶に限定されるものではなく、二軸双胴型船舶等であってもよい。「二軸双胴型船舶」とは、水面下に沈んで水と直接接する下部船体(胴)が細長く左右二つに平行している船舶で、左右の各胴の中心軸上に推進手段を少なくとも一つずつ、合計二つ以上備えたものをいう。二軸双胴型船舶とすることにより、船体の安定性のため設けられるスケグが小型のものでよくなり、積載スペースも増すことができる。
流場データは、例えば図3に示すように、計算格子のグリッド点毎に3次元ベクトルとして設定される。なお、図3では、計算格子のグリッドを細実線で示し、流体の流れの速度ベクトルを矢印で示した。また、流体の流れの速度ベクトルを明確にするために、流場の最も外側の速度ベクトルのみを図示したが、内部のグリッドについても同様に流体の流れの速度ベクトルが取得及び設定される。
ステップS12では、船体に対するプロペラの相対位置の探索位置の候補を定めるための最適位置探索用データを取得する。これらの情報は、入力部14を介して取得される。例えば、キーボード等から入力を受け付けてもよいし、ネットワークのインターフェース等を用いて外部装置から入力を受けてもよい。取得された情報は、記憶部12に記憶される。
最適位置探索用データは、船体に対するプロペラの相対位置の探索候補のデータ及び探索候補を決定するための制約条件のデータを含む。プロペラ位置最適化処理では船体に対するプロペラの相対位置を変更しながら推進の効率が高くなるプロペラの最適位置を探索する。そこで、プロペラ位置最適化処理において探索対象となる船体に対するプロペラの相対位置の座標データを船体に対するプロペラの相対位置の探索候補のデータとして取得する。例えば、計算格子のグリッド点の座標データとして取得される。
また、探索候補を決定するための制約条件とは、船体の形状等を考慮して、船体に対するプロペラの相対位置の探索候補からの選択を行う際の制約条件を意味する。例えば、船体の流力性能の悪化を招くような船体に対するプロペラの相対位置は探索候補から除外したり、プロペラが船体と空間的に干渉してしまうようなプロペラの相対位置は探索候補から除外するという制約条件を設定する。
なお、最適位置探索用データの一部をステップS10において取得してもよい。例えば、ステップS10において制約条件を考慮した船体に対するプロペラの相対位置の探索候補のデータを取得するようにしてもよい。
ステップS14では、船体に対するプロペラの相対位置の探索候補のうち1つを以下のステップS16及びS18の処理の対象のプロペラ位置として選択する。すなわち、処理部10は、ステップS12において取得した船体に対するプロペラの相対位置の探索候補のデータのうち、未だステップS16及びS18において処理されていない1つを次の演算の候補となるプロペラ位置として選択する。例えば、ステップS12において取得したプロペラの相対位置の探索候補のデータに番号を順に割り当てておき、番号の順に処理の対象のプロペラ位置として選択していけばよい。このとき、探索候補を決定するための制約条件を考慮して、プロペラの位置として採り得ない位置は候補から排除して選択を行ってもよい。
ステップS16では、選択された処理の対象のプロペラ位置について、プロペラ軸方向の流場の流れの速度の積分値F1及びプロペラの旋回方向に向かう流場の流れの速度の積分値F2を算出する。
まず、処理部10は、プロペラ軸方向の流場の流れの速度の積分値F1を算出する。プロペラ軸方向の流場の流れの速度の積分値F1は、公称伴流係数又は有効伴流係数とすることが好適である。
例えば、処理部10は、ステップS14において選択された処理の対象のプロペラ位置をプロペラ中心座標とする。そして、そのプロペラ中心座標からプロペラ直径の範囲における流場の流れの速度ベクトルのプロペラ軸方向成分をプロペラ直径の範囲全体について積分して積分値F1を算出する。
図4は、積分値F1の具体的な算出方法を示す図である。回転軸22に対して垂直な平面にプロペラの旋回範囲を投影した投影面20内における流場の流れの速度ベクトル(図中、破線矢印で示す)のプロペラ軸に平行な成分であるプロペラ軸方向成分(図中、実線矢印で示す)を求め、それらを投影面20内において積分して積分値F1を算出する。
次に、処理部10は、プロペラの旋回方向に向かう流場の流れの速度の積分値F2を算出する。プロペラの旋回方向に向かう流場の流れの速度の積分値F2は、プロペラの回転方向に沿った循環や平均速度としてもよい。循環は、流れの中の閉曲線に沿った各点の接線方向のベクトルと線分との積を全周積分して求めるものである流体力学で言う循環だけでなく、接線方向以外のベクトルも使って循環的に求めるものを含んだ広義のもの(後述では「循環に相当する値」と表現される)をも含んだ概念である。
処理部10は、図5に示すように、プロペラ中心座標からプロペラ半径Rの範囲において、流場の流れの速度ベクトルのプロペラの回転方向に沿ったプロペラ旋回方向成分(図中、実線矢印で示す)をプロペラの中心位置から距離r〜r+Δrの範囲24において同心円に沿って積分して積分値F2を算出する。積分値F2は、プロペラ中心座標からの距離r毎に算出する。これにより、図6に示すように、積分値F2は、プロペラ中心座標からの距離rに対する分布として算出される。なお、図6では、横軸はプロペラ中心座標からの距離rをプロペラ半径Rで除算した値で示している。また、距離rに対する積分値F2のピーク値(最大値)をF2maxとして示している。
ステップS18では、処理の対象のプロペラ位置について算出されたプロペラ軸方向の流場の流れの速度の積分値F1及びプロペラの旋回方向に向かう流場の流れの速度の積分値F2を記憶部12に記憶させる。
ステップS20では、船体に対するプロペラの相対位置の全ての探索候補について積分値F1及びF2の算出処理が終了したか否かを判定する。処理部10は、全ての探索候補について積分値F1及びF2の算出処理が終了していればステップS22に処理を移行させ、終了していなければステップS14へ処理を戻し、新たなプロペラ位置を演算の対象となる新たなプロペラ位置として選択してステップS16及びS18の処理を繰り返す。
ステップS22では、船体に対するプロペラの最適位置を特定する。処理部10は、算出された積分値F1及びF2に基づいてプロペラの最適位置を特定する。例えば、算出された積分値F1が最小であり、プロペラ中心座標からの距離rに対する積分値F2のピーク値F2maxが最大となるプロペラ位置を最適位置として特定する。
また、積分値F1に対して重み付け係数X1を乗算し、プロペラ中心座標からの距離rに対する積分値F2のピーク値F2maxに対して重み付け係数X2を乗算し、それらの和が最大となるプロペラ位置を最適位置として特定してもよい。ここで、船舶の推進効率に対してより大きな影響を与えるのは積分値F2であるので、重み付け係数X2は重み付け係数X1より大きな値とすることが好適である。
また、一旦計算した処理対象としたプロペラ位置の中から積分値F2のピーク値F2maxが大きい順に所定個数を選択し、その所定個数のプロペラ位置のうち積分値F1が最小であるプロペラ位置を最適位置として選んで特定してもよい。所定個数は、比較の意味からすると適度に多い方がよく、例えば、所定個数は3個以上とすることが好適である。
さらに、積分値F1が最小となるプロペラ位置と積分値F2のピーク値F2maxが最大となるプロペラ位置とを結ぶ直線をプロペラの最適位置として求めてもよい。この場合、船体模型を用いた実験においてその直線上に実際にプロペラを配置し、推進効率が最大となる位置を実験的に特定することができる。なお、積分値F1が最小であっても積分値F2が最大でない位置又は積分値F2が最大でも積分値F1が最小でない位置が探索された場合は、これらの場合の条件のみを用いて、粘性CFD計算(自航計算)若しくは水槽試験(自航試験)を実施し、計算/試験結果である推進効率の大きい方を採用することもできる。
ステップS24では、船体に対するプロペラの最適位置を出力する。処理部10は、ステップS22で特定された船体に対するプロペラの最適位置を出力部16に出力し、ユーザに呈示する。
<変形例>
上記実施の形態では、船体に対するプロペラ位置の探索候補について積分値F1及びF2を逐次算出し、その結果に基づいてプロペラの最適位置を特定した。本変形例では、最適化アルゴリズムを用いて、プロペラの最適位置を特定する態様について説明する。
本変形例におけるプロペラ位置最適化処理は、図7に示すフローチャートに沿って行われる。なお、図7において、上記実施の形態と同様の処理を行うステップについては、図2と同じ符合を付して説明を省略する。
ステップS30では、最適化アルゴリズムによる探索の目的関数として、プロペラ軸方向の流場の流れの速度の積分値F1及びプロペラの旋回方向に向かう流場の流れの速度の積分値F2のプロペラ半径r方向のピーク値を設定する。
ステップS32では、設定された目的関数について最適化アルゴリズムを適用し、プロペラの最適位置を探索する。最適化アルゴリズムとしては、例えば、遺伝的アルゴリズム(GA)を用いることが好適である。
具体的には、算出された積分値F1が最小であり、プロペラ中心座標からの距離rに対する積分値F2のピーク値F2maxが最大となるプロペラ位置を探索し、その位置をプロペラの最適位置として特定する。
また、積分値F1に対して重み付け係数X1を乗算し、プロペラ中心座標からの距離rに対する積分値F2のピーク値F2maxに対して重み付け係数X2を乗算し、それらの和が最大となるプロペラ位置を探索し、その位置を最適位置として特定してもよい。ここで、船舶の推進効率に対してより大きな影響を与えるのは積分値F2であるので、重み付け係数X2は重み付け係数X1より大きな値とすることが好適である。
さらに、積分値F1が最小となるプロペラ位置と積分値F2のピーク値F2maxが最大となるプロペラ位置とを探索し、それらを結ぶ直線をプロペラの最適位置として特定してもよい。この場合、船体模型を用いた実験においてその直線上にプロペラを配置して推進効率が最大となる位置を実験的に特定することができる。
ステップS34では、プロペラの最適位置が特定できたか否かが判定される。処理部10は、プロペラの最適位置が特定されていればステップS24に処理を移行させ、終了していなければステップS32へ処理を戻し、最適化アルゴリズムによる探索を繰り返す。
以上のように、本実施の形態又はその変形例によれば、自航試験を行うことなく、船舶の船体形状や状態に応じて最適なプロペラ位置を決定することができ、船舶の推進効率を高めることができる。なお、最適なプロペラ位置とは、実質的に船舶の推進効率が最大化される位置であればよく、本実施の形態において特定されたプロペラの最適位置の近傍を含み得る。
これにより、単胴型、双胴型、また一軸型、多軸型に関わらず船体形状に応じたプロペラの最適位置をシミュレーションにより特定することができ、種々の船舶の推進効率の向上及び燃費の低下に貢献することができる。なお、プロペラの最適位置のシミュレーションによる特定は、上記した実施の形態では2次元的な最適位置を求める例を示したが、軸方向に向かう流場の流れの速度を考慮しているところからプロペラの軸方向も考慮した3次元的な最適位置を求めることも可能である。
また、極地の流氷域等の塩分濃度の高い海域や、海水温の高低といった航行環境の違いにより海水の粘度が上下したり、積載量による喫水の変化等により、伴流の大きさやベクトルが変化することを想定し、これらの条件の変化に基づく流場ベクトルを設定することで様々な条件下におけるプロペラの最適位置を特定することができる。さらに、条件の変化に応じてプロペラの位置を変更可能とする仕組みを船舶に搭載することによって、さらに推進効率の向上及び燃費の低下を測ることができる。
したがって、本発明は、大型船舶をはじめとして、小型船舶に対しても利用・適用可能であり、さらに、造船業、海運業をはじめとした海事産業全般のみならず、環境面においても広く社会全般に対して大きな有益性をもたらすものである。
10 処理部、12 記憶部、14 入力部、16 出力部、100 コンピュータシステム。

Claims (9)

  1. コンピュータによって船舶を推進させるプロペラの最適位置を求めるプログラムであって、
    前記船舶の船体の形状に応じた流場データ及び前記プロペラに関する情報を取得する第1ステップと、
    前記船体に対する前記プロペラの相対位置の探索位置の候補を定めるための最適位置探索用データを取得する第2ステップと、
    前記探索位置の候補毎に、前記プロペラの旋回範囲において前記プロペラの軸方向に向かう前記流場の流れの速度の積分値F1を算出する第3ステップと、
    前記探索位置の候補毎に、前記プロペラの旋回範囲において前記プロペラの旋回方向に向かう前記流場の流れの速度の積分値F2の前記プロペラの半径方向に対する分布を算出する第4ステップと、
    前記探索位置の候補のうち、前記積分値F1が最小かつ前記プロペラの半径方向に対する前記積分値F2のピーク値が最大となる位置を特定する第5ステップと、
    前記特定された位置を前記船体に対する前記プロペラの最適位置として出力する第6ステップと、
    を備えることを特徴とする船舶のプロペラ位置最適化プログラム。
  2. コンピュータによって船舶を推進させるプロペラの最適位置を求めるプログラムであって、
    前記船舶の船体の形状に応じた流場データ及び前記プロペラに関する情報を取得する第1ステップと、
    前記船体に対する前記プロペラの相対位置の探索位置の候補を定めるための最適位置探索用データを取得する第2ステップと、
    最適化アルゴリズムを適用して、前記探索位置の候補のうち、前記プロペラの旋回範囲において前記プロペラの軸方向に向かう前記流場の流れの速度の積分値F1が最小となり、前記プロペラの旋回範囲において前記プロペラの旋回方向に向かう前記流場の流れの速度の積分値F2の前記プロペラの半径方向に対する分布のピーク値が最大となる最適化位置を探索する第3ステップと、
    前記特定された位置を前記船体に対する前記プロペラの最適位置として出力する第4ステップと、
    を備えることを特徴とする船舶のプロペラ位置最適化プログラム。
  3. 請求項1又は2に記載の船舶のプロペラ位置最適化プログラムであって、
    前記積分値F1は、公称伴流係数又は有効伴流係数であることを特徴とする船舶のプロペラ位置最適化プログラム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の船舶のプロペラ位置最適化プログラムであって、
    前記積分値F2は、前記プロペラの周方向の流れの速度の平均値又は前記プロペラの半径方向の循環の強さであることを特徴とする船舶のプロペラ位置最適化プログラム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の船舶のプロペラ位置最適化プログラムであって、
    前記流場データは、前記船体周辺の流体の流れの速度のデータであることを特徴とする船舶のプロペラ位置最適化プログラム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の船舶のプロペラ位置最適化プログラムであって、
    前記プロペラに関する情報は、計算格子、プロペラ中心位置、プロペラ直径、プロペラ直径とボスとの比の少なくとも1つを含むことを特徴とする船舶のプロペラ位置最適化プログラム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の船舶のプロペラ位置最適化プログラムであって、
    前記最適位置探索用データは、前記船体に対する前記プロペラの相対位置及び当該相対位置から前記探索位置の候補を決定するための制約条件を含むことを特徴とする船舶のプロペラ位置最適化プログラム。
  8. 請求項7に記載の船舶のプロペラ位置最適化プログラムであって、
    前記制約条件は、前記船体の流力性能の悪化を招く前記船体に対する前記プロペラの相対位置を除外する条件であることを特徴とする船舶のプロペラ位置最適化プログラム。
  9. 請求項1に記載の船舶のプロペラ位置最適化プログラムであって、
    前記最適位置探索用データのうち、前記船体に対する前記プロペラの相対位置の候補のデータを前記第1ステップで取得することを特徴とする船舶のプロペラ位置最適化プログラム。
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