JP6970545B2 - 船舶性能解析システムおよび船舶性能解析方法 - Google Patents

船舶性能解析システムおよび船舶性能解析方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6970545B2
JP6970545B2 JP2017136979A JP2017136979A JP6970545B2 JP 6970545 B2 JP6970545 B2 JP 6970545B2 JP 2017136979 A JP2017136979 A JP 2017136979A JP 2017136979 A JP2017136979 A JP 2017136979A JP 6970545 B2 JP6970545 B2 JP 6970545B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ship
fuel consumption
deterioration rate
performance
performance deterioration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017136979A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019018641A (ja
Inventor
明洋 安藤
豪文 飯坂
崇嗣 安部
直樹 成島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP2017136979A priority Critical patent/JP6970545B2/ja
Publication of JP2019018641A publication Critical patent/JP2019018641A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6970545B2 publication Critical patent/JP6970545B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Description

本発明は、船舶性能解析システムおよび船舶性能解析方法に関する。
特定の船舶に対する配船計画(どこで荷積みしてどこで荷揚げするか)を立てる際には、ユーザーは、距離と船速から所要時間を求めるか、距離と指定時間から必要船速を求め、そのときの燃料消費量を考慮する。
従来、配船計画を立てる際に参照するグラフとしては、横軸に船速、縦軸に馬力を取ったグラフと、横軸に馬力、縦軸に燃料消費量を取ったグラフとがあった。
特許第5951140号公報
ところで、上記の2つのグラフを参照しながら配船計画を立てるのは困難である。これに対しては、横軸に船速、縦軸に燃料消費量を取ったグラフを作成し、このグラフを参照しながら配船計画を立てることが考えられる。例えば、特許文献1の図7には、横軸に船速、縦軸に燃費を取ったグラフが記載されている。ただし、特許文献1には、そのグラフを参照して配船計画を立てることは記載されていない。
しかしながら、上記のグラフを参照しながら配船計画を立てた場合には、船舶の性能が将来的にどのように変化するのか不明であるので、精度の高いまたは最適な配船計画を立てることは困難である。
そこで、本発明は、精度の高いまたは最適な配船計画を立てることができる船舶性能解析システムおよび船舶性能解析方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の船舶性能解析システムは、船舶の速度である船速を検出する船速検出器と、少なくとも1つの推進用の主機の燃料消費量を検出する燃料消費量検出器と、基準性能曲線が描かれたグラフであって、前記船速検出器で検出された船速および前記燃料消費量検出器で検出された燃料消費量で定まる計測点がプロットされたグラフを表示する表示装置と、前記船速検出器で検出された船速、前記燃料消費量検出器で検出された燃料消費量、および前記基準性能曲線を用いて、性能悪化率を算出するとともに、前記性能悪化率の履歴から、前記性能悪化率の将来的な変化を予測する演算装置と、を備える、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、配船計画を立てる際には1つのグラフを参照するだけで現在の船速と燃料消費量との関係を把握できるとともに、現在の性能を示す計測点と基準性能曲線との比較から現在の性能が初期からどの程度悪化しているかを把握できるので、配船計画を容易に立てることができる。しかも、本発明では、船舶の性能悪化率が算出されるとともに、性能悪化率の将来的な変化が予測される。算出される性能悪化率は船速の低下傾向と主機の燃料消費量の増加傾向の双方を表すものであるので、予測される性能悪化率の将来的な変化を活用すれば、精度の高いまたは最適な配船計画を立てることができる。また、性能悪化率の将来的な変化に基づいて、将来の燃料消費量や燃料コストの試算、燃料積載量計画などを行うこともできる。
前記演算装置は、前記燃料消費量検出器で検出された燃料消費量を前記基準性能曲線と対比可能な補正燃料消費量に換算し、前記船速検出器で検出された船速における、前記基準性能曲線上の燃料消費量と前記補正燃料消費量とから、前記性能悪化率を算出してもよい。この構成によれば、性能悪化率が、船速が一定であると仮定したときに燃料消費量がどれだけ増加したかを示すものである。従って、性能悪化率を参照することによって、船速の低下傾向を加味した主機の燃料消費量の増加傾向を把握することができる。
前記演算装置は、前記燃料消費量検出器で検出された燃料消費量を前記基準性能曲線と対比可能な補正燃料消費量に換算し、前記補正燃料消費量における、前記基準性能曲線上の船速と前記船速検出器で検出された船速とから、前記性能悪化率を算出してもよい。この構成によれば、性能悪化率が、燃料消費量が一定であると仮定したときに船速がどれだけ低下したかを示すものである。従って、性能悪化率を参照することによって、主機の燃料消費量の増加傾向を加味した船速の低下傾向を把握することができる。
前記船舶は、LNG運搬船であり、前記演算装置は、前記性能悪化率の将来的な変化に基づいて、バラスト航海時のヒール量を算出してもよい。この構成によれば、バラスト航海に必要なヒール量を正確に算出することができる。従って、輸送したLNGを荷揚げする際に、算出された次航海に必要なヒール量が残るようにLNGを荷揚げすることによって、LNGを可能な限り多く荷揚げすることができる。
上記の船舶性能解析システムは、前記船舶の運航データを記憶するデータロガーをさらに備え、前記演算装置は、前記データロガーに記憶された運航データから性能悪化率に影響を及ぼす特定データを抽出し、前記性能悪化率と前記特定データとの相関関係を学習し、かつ、前記特定データの将来的な変化を予測し、予測された前記特定データの将来的な変化に基づいて、前記性能悪化率の将来的な変化を予測してもよい。この構成によれば、性能悪化率の将来の予測精度を向上させることができる。
上記の船舶性能解析システムは、前記船舶の運航データを記憶するデータロガーをさらに備え、前記演算装置は、前記運航データ中の航路別に航路と性能悪化率との相関関係を学習するとともに、前記運航データ中の時期別に時期と性能悪化率との相関関係を学習し、かつ、将来の航海の予定航路と同一または類似の航路と性能悪化率との相関関係および将来の航海の予定時期と同一または類似の時期と性能悪化率との相関関係に基づいて、前記性能悪化率の将来的な変化を予測してもよい。この構成によれば、性能悪化率の将来の予測精度を向上させることができる。
また、本発明の船舶性能解析方法は、船速を検出する工程と、少なくとも1つの推進用の主機の燃料消費量を検出する工程と、初期の船速と燃料消費量との関係を定めた基準性能曲線が描かれたグラフであって、記船速検出器で検出された船速および前記燃料消費量検出器で検出された燃料消費量で定まる計測点がプロットされたグラフを表示装置に表示する工程と、検出された前記船速、検出された前記燃料消費量、および前記基準性能曲線を用いて、性能悪化率を算出する工程と、前記性能悪化率の履歴から、前記性能悪化率の将来的な変化を予測する工程と、を含む、ことを特徴とする。この構成によれば、本発明の船舶性能解析システムと同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、精度の高いまたは最適な配船計画を立てることができる。
本発明の一実施形態に係る船舶性能解析システムの概略構成図である。 電気推進式の船舶の概略構成図である。 機械推進式の船舶の概略構成図である。 別の機械推進式の船舶の概略構成図である。 基準性能曲線が描かれるとともに計測点がプロットされたグラフである。 (a)は初期の速力馬力曲線を示すグラフ、(b)は初期の基準燃費曲線を示すグラフである。 性能悪化率の経時的変化を示すグラフである。 船体汚損係数の経時的変化を示すグラフである。 推進効率の経時的変化を示すグラフである。 推進効率の将来予測を示すグラフである。 性能悪化率の将来予測を示すグラフである。 変形例の性能悪化率の算出方法を説明するための図である。
図1に、本発明の一実施形態に係る船舶性能解析システム1を示す。この船舶性能解析システム1は、船舶10(図2〜4参照)の性能悪化率Rを算出するためのものであり、複数種類の検出器、演算装置2およびデータロガー21を含む。性能悪化率Rは、船舶10の速度である船速の低下傾向と、船舶10に搭載される少なくとも1つの推進用の主機41の燃料消費量の増加傾向の双方を表すものである。
船舶10は、図2に示すような電気推進式であってもよいし、図3および図4に示すような機械推進式であってもよい。
図2に示すように、電気推進式の船舶10には、推進用兼発電用の複数の主機41が搭載される。主機41は発電機61を駆動し、発電機61で生成された電力が配電盤62を介してモータ63へ供給され、モータ63により推進軸52が駆動される。
図2に示す船舶10では、主機41が燃料ガスおよび燃料油を燃料とするレシプロエンジンである。そして、主機41には、主機41からの排ガスを利用して主機41への給気を加圧する過給機51が接続されている。ただし、主機41であるレシプロエンジンの燃料は、燃料ガスと燃料油のどちらか一方であってもよい。あるいは、主機41は、燃料ガスまたは燃料油のみを燃料とするガスタービンエンジンであってもよい。
図3および図4に示すように、機械推進式の船舶10には、推進用の主機41と、発電用の補機42が搭載される。なお、主機41の数は1つであっても複数であってもよい。同様に、補機42の数は1つであっても複数であってもよい。主機41は推進軸52を駆動し、補機42は発電機64を駆動する。
図3に示す船舶10では、主機41が燃料ガスおよび燃料油を燃料とするレシプロエンジンである。そして、主機41には、主機41からの排ガスを利用して主機41への給気を加圧する過給機51が接続されている。ただし、主機41であるレシプロエンジンの燃料は、燃料ガスと燃料油のどちらか一方であってもよい。あるいは、主機41は、燃料ガスまたは燃料油のみを燃料とするガスタービンエンジンであってもよい。
図4に示す船舶10では、主機41が、燃料ガスおよび燃料油を燃料とするボイラ43と、推進軸52を駆動する推進用の蒸気タービン44の組み合わせである。ボイラ43で生成された蒸気は、推進用の蒸気タービン44だけでなく、発電用の蒸気タービン45にも供給される。蒸気タービン45は、発電機65を駆動する。ただし、主機41の一部であるボイラ43の燃料は、燃料ガスと燃料油のどちらか一方であってもよい。
図3および図4に示す船舶10では、補機42が燃料ガスおよび燃料油を燃料とするレシプロエンジンである。ただし、補機42であるレシプロエンジンの燃料は、燃料ガスと燃料油のどちらか一方であってもよい。
船舶10には、上述した複数種類の検出器として、船速検出器31および燃料消費量検出器32などが設けられている。
船速検出器31は、船速を検出する。本実施形態では、船速検出器31は、GPS(Global Positioning System)などにより検出された船舶10の位置情報に基づいて、対地船速として船速を検出する。ただし、船速検出器31は、ドップラーログや電磁ログなどを用いた対水船速として船速を検出するものであってもよい。
燃料消費量検出器32は、主機41の燃料消費量Foを検出する。図2〜図4に示す船舶10のいずれにおいても、燃料消費量Foは、燃料ガスの消費量と燃料油の消費量の合計である。
例えば、図2に示す船舶10では、燃料消費量検出器32は、各主機41へ燃料ガスを供給する燃料ガス供給ライン71に設けられた流量計72、各主機41へ燃料油を供給する燃料油供給ライン73に設けられた流量計74、および各主機41から未使用の燃料油を回収する燃料油回収ライン75に設けられた流量計76で構成される。燃料油回収ライン75は、図略のポンプの上流側で燃料油供給ライン73につながり、燃料油供給ライン73および燃料油回収ライン75を通じて燃料油が循環する。つまり、各主機41での燃料油の消費量は、流量計74で検出された流量から流量計76で検出された流量を差し引いた値である。ただし、燃料油回収ライン75は省略されてもよい。
図3に示す船舶10では、図2に示す船舶10と同様に、燃料消費量検出器32は、主機41へ燃料ガスを供給する燃料ガス供給ライン71に設けられた流量計72、主機41へ燃料油を供給する燃料油供給ライン73に設けられた流量計74、および主機41から未使用の燃料油を回収する燃料油回収ライン75に設けられた流量計76で構成される。
図4に示す船舶10では、燃料消費量検出器32は、ボイラ43へ燃料ガスを供給する燃料ガス供給ライン91に設けられた流量計92、およびボイラ43へ燃料油を供給する燃料油供給ライン93に設けられた流量計94で構成される。
船速検出器31で検出された船速V1および燃料消費量検出器32で検出された主機41の燃料消費量Foは、演算装置2へ入力される。
演算装置2は、例えば、ROMやRAMなどのメモリとCPUを有するコンピュータであり、ROMに記憶されたプログラムがCPUにより実行される。演算装置2は、船舶10に搭載されてもよいし、船舶10と衛星通信可能な陸上設備に設けられてもよい。演算装置2が陸上設備に設けられる場合、プログラムが演算装置2のメモリに記憶されずにインターネットなどを通じて演算装置2に提供されてもよい。あるいは、演算装置2は、船舶10に搭載される船側演算装置と、陸上設備に設けられる陸側演算装置とで構成されてもよい。
演算装置2は、船舶10の現在の性能悪化率Rを算出するとともに、性能悪化率Rの将来的な変化を予測する。この性能悪化率Rの算出方法および将来的な変化の予測方法については、後述にて詳細に説明する。さらに、本実施形態では、演算装置2が、船体汚損係数や推進効率なども算出する。また、演算装置2は、主機41がレシプロエンジンであって主機41に過給機51が接続される場合には、過給機効率なども算出する。
船体汚損係数は、船体の汚損度合を示す指標であり、実海域において計測された推進軸出力(馬力)、船速、主機回転数および船首方位と、平水中(風、波および潮流がない状態)の船速と推進軸出力との関係と、風、波および潮流による外乱抵抗とに基づいて算出される。推進効率(η)は、一定速度(V)で航走する船の抵抗(R)と、そのとき必要となる推進軸出力(P)との比である(η=VR/P)。
過給機効率は、過給機51の汚損による空気量の減少に基づく燃費の悪化を示すものであり、投入燃料量に対する仕事量(主機出力)と排ガスの温度(熱量)に基づいて(入出熱法に基づいて)算出される。
演算装置2には、入力装置22と表示装置23が接続されている。入力装置22は、キーボードなどで構成され、使用者からの入力を受け付ける。表示装置23は、例えばディスプレイであり、演算装置2の演算結果(性能悪化率Rの履歴および将来的な変化)を画面に表示する。
さらに、演算装置2は、表示装置23に、図5に示すような横軸に船速、縦軸に主機41の燃料消費量を取ったグラフを表示する。ただし、図5とは逆に、グラフの横軸が燃料消費量、縦軸が船速であってもよい。演算装置2のメモリには、初期の船速と燃料消費量との関係を定めた基準性能曲線Cが予め記憶されている。グラフには、その基準性能曲線Cが描かれている。また、グラフには、船速検出器31で検出された船速V1および燃料消費量検出器32で検出された主機41の燃料消費量Foで定まる計測点Pがプロットされる。図5では、現在の1つの計測点Pだけがプロットされているが、過去の多数の計測点Pもプロットされていることが望ましい。
初期の船速と燃料消費量との関係は、設計上の船速と燃料消費量との関係であってもよいし、製造時の試験結果に基づくものであってもよいし、海上試運転結果に基づくものであってもよい。
基準性能曲線Cは、図6(a)に示すような初期の速力馬力曲線C1と、図6(b)に示すような初期の基準燃費曲線C2を、推進軸出力を基準として組み合わせたものである。速力馬力曲線C1は、初期の推進軸出力と船速との関係を定めた曲線であり、基準燃費曲線C2は、初期の推進軸出力と燃料消費量との関係を定めた曲線である。例えば、船速V1における速力馬力曲線C1上の推進軸出力がPs1であり、推進軸出力Ps1における基準燃費曲線C2上の燃料消費量がFs1である。
データロガー21は、船舶10の運航データを記憶する。データロガー21に記憶される運航データには、上述した船速検出器31および燃料消費量検出器32を含む複数種類の検出器の検出値、ならびに実際に航海した航路および時期などだけでなく、演算装置2で算出される上述した船体汚損係数、推進効率および過給機効率なども含まれる。
次に、演算装置2が船舶10の現在の性能悪化率Rを算出する方法について詳しく説明する。
演算装置2は、船速検出器31で検出された船速V1、燃料消費量検出器32で検出された主機41の燃料消費量Foおよび基準性能曲線Cを用いて、性能悪化率Rを算出する。具体的に、演算装置2は、まず、検出された燃料消費量Foを、基準性能曲線Cと対比可能な補正燃料消費量F1に換算する。なお、検出された燃料消費量Foは、出荷時に確認された流量計の誤差に基づいて、演算装置2によりキャリブレーションされることが望ましい。
燃料消費量Foを補正燃料消費量F1に換算する方法は、船舶10の構成によって大きく異なるため、以下では図2〜4に示す船舶10を例に説明する。
(1)図2に示す船舶10の場合
図2では図示を省略しているが、一般的に、過給機51と主機41であるレシプロエンジンとの間には水冷式のエアクーラが設けられる。まず、演算装置2は、過給機51の入口空気温度および入口空気圧力、エアクーラの入口水温度、燃料ガス発熱量、ならびに燃料油発熱量などを標準状態と比較して燃料消費量Foを補正し、参考燃料消費量Fkを算出する。標準状態とは、図5に示す基準性能曲線Cが導き出されたときの状態である。
例えば、過給機51の入口空気温度が標準温度よりも高い場合、過給機51の入口空気圧力が標準圧力よりも低い場合、またはエアクーラの入口水温度が標準温度よりも高い場合には、演算装置2は、検出された燃料消費量Foが少なくなるように補正する。これらの条件を満たしたときは、主機41であるレシプロエンジンに導入すべき空気の体積流量が多くなり、その分過給機51の効率が低下して主機41の燃費が悪化するためである。つまり、標準状態であれば、より少ない燃料で十分であったと考えられる。
また、燃料ガスまたは燃料油の発熱量が標準発熱量よりも高い場合は、演算装置2は、検出された燃料消費量Foが多くなるように補正する。この条件を満たしたときは、標準状態であればもう少し燃料が多く必要であったためである。
参考燃料消費量Fk(補正後の燃料消費量Fo)の算出後、演算装置2は、設計船内電力に必要な燃料消費量Feと、推進に必要な燃料消費量Fdを算出する。
設計船内電力に必要な燃料消費量Feは、トータル電力Et、設計船内電力Edおよび実船内電力Erに基づいて算出される。例えば、Feは以下の式により算出可能である。
Fe=Fk×(Er/Et)×(Ed/Er)
なお、上記の式は、Fe=Fk×(Ed/Et)とも表されるので、トータル電力Etおよび設計船内電力Edのみから、設計船内電力に必要な燃料消費量Feを算出することも可能である。
推進に必要な燃料消費量Fdは、トータル電力Etおよび推進負荷Elに基づいて算出される。例えば、Fdは以下の式により算出可能である。
Fd=Fk×(El/Et)
最後に、演算装置2は、FeとFdを足し合わせることによって、補正燃料消費量F1を算出する(F1=Fe+Fd)。
(2)図3に示す船舶10の場合
図2に示す船舶10の場合と同様に、演算装置2は、参考燃料消費量Fkを算出する。図3に示す船舶10の場合は、この参考燃料消費量Fkが補正燃料消費量F1である。
(3)図4に示す船舶10の場合
演算装置2は、燃料ガス発熱量、燃料油発熱量、ボイラ43の出口蒸気圧力および出口温度、ならびに図略の復水器(真空)の圧力などを標準状態と比較して燃料消費量Foを補正し、補正燃料消費量F1を算出する。標準状態とは、図5に示す基準性能曲線Cが導き出されたときの状態である。
例えば、燃料ガスまたは燃料油の発熱量が標準発熱量よりも低い場合は、演算装置2は、検出された燃料消費量Foが少なくなるように補正する。同様に、ボイラ43の出口蒸気圧力が標準圧力よりも低い場合、ボイラ43の出口温度が標準温度よりも低い場合、または復水器の圧力が標準圧力よりも高い場合には、演算装置2は、検出された燃料消費量Foが少なくなるように補正する。
演算装置2は、検出された燃料消費量Foを補正燃料消費量F1に換算した後に、船速検出器31で検出された船速V1における、基準性能曲線C上の燃料消費量Fs1と補正燃料消費量F1とから、性能悪化率Rを算出する。つまり、本実施形態では、性能悪化率Rが、船速が一定であると仮定したときに燃料消費量がどれだけ増加したかを示すものである。本実施形態では、以下の式により、性能悪化率Rが算出される。
R=(F1−Fs1)/Fs1×100
つまり、性能悪化率Rは、初期の燃料消費量をゼロとする原則としてプラスのパーセンテージである。ただし、性能悪化率Rは、以下の式で算出されてもよい。
R=F1/Fs1
なお、性能悪化率Rを算出する前に、演算装置2は、船速検出器31で検出された船速V1を風情報、波情報および潮流情報の少なくとも1つに基づいて補正してもよい。この場合、演算装置2は、風情報、波情報および潮流情報を含む海気象データを、例えば、インターネットを介して気象庁やNOAA(National Ocean and Atmosphic Administration)等の外部機関から取得してもよい。ただし、船速検出器31が対水船速を検出する場合は、潮流情報に基づく船速V1の補正は必要ない。
性能悪化率Rの算出後、演算装置2は、図7に示すような性能悪化率Rの履歴から、図11中に破線で示すように性能悪化率Rの将来的な変化を予測する。まず、演算装置2は、過去から現在までの性能悪化率Rの履歴に基づいて、近似曲線を作成する。近似曲線の作成には、最小二乗法を用いてもよいし、カルマンフィルターを用いてもよい。
ついで、演算装置2は、作成した近似曲線を延長した延長線を作成する。延長線は、直線であってもよいし、曲線であってもよい。例えば、近似曲線が直線である場合は、延長線は近似曲線と同一線上の直線であってもよい。あるいは、近似曲線が曲線である場合は、延長線は現在の性能悪化率Rにおける近似曲線の接線であってもよい。
本実施形態では、演算装置2が、データロガー21に記憶された運航データから性能悪化率Rに影響を及ぼす特定データを抽出する。運航データのうちの性能悪化に影響を及ぼすデータとしては、図8に示すような船体汚損係数と、図9に示すような推進効率と、図略の主機41の排ガス温度と、図略の上述した過給機効率などがある。演算装置2は、それらのデータのうちで最も影響が強いものを特定データとして選択する。例えば、推進効率が性能悪化率Rに最も強く影響を及ぼすものである場合は、演算装置2は、過去から現在までの性能悪化率Rと推進効率(特定データ)との相関関係を学習する。
その後、演算装置2は、図10中に破線で示すように推進効率(特定データ)の将来的な変化を予測する。最後に、演算装置2は、予測された推進効率の将来的な変化に基づいて、性能悪化率Rの将来的な変化を予測する。
以上説明したように、本実施形態の船舶性能解析システム1では、表示装置23に図5に示すようなグラフが表示されるので、配船計画を立てる際には1つのグラフを参照するだけで現在の船速と燃料消費量との関係を把握できるとともに、現在の性能を示す計測点Pと基準性能曲線Cとの比較から現在の性能が初期からどの程度悪化しているかを把握できる。従って、配船計画を容易に立てることができる。
しかも、本実施形態では、船舶10の性能悪化率Rが算出されるとともに、性能悪化率Rの将来的な変化が予測される。算出される性能悪化率Rは船速の低下傾向と主機41の燃料消費量の増加傾向の双方を表すものであるので、予測される性能悪化率Rの将来的な変化を活用すれば、精度の高いまたは最適な配船計画を立てることができる。また、性能悪化率Rの将来的な変化に基づいて、将来の燃料消費量や燃料コストの試算、燃料積載量計画などを行うこともできる。
例えば、船舶10がLNG(Liquefied Natural Gas)運搬船である場合には、性能悪化率Rの将来的な変化に基づいて、バラスト航海時のヒール量を算出してもよい。このヒール量の算出には、バラスト航海の予定航路上の海気象データなどが使用され、カーゴタンクを冷却するためのスプレー計画などが考慮される。この構成によれば、バラスト航海に必要なヒール量を正確に算出することができる。従って、輸送したLNGを荷揚げする際に、算出された次航海に必要なヒール量が残るようにLNGを荷揚げすることによって、LNGを可能な限り多く荷揚げすることができる。
また、本実施形態では、性能悪化率Rが、船速が一定であると仮定したときに燃料消費量がどれだけ増加したかを示すものである。従って、性能悪化率Rを参照することによって、船速の低下傾向を加味した主機41の燃料消費量の増加傾向を把握することができる。
さらに、本実施形態では、データロガー21に記憶された運航データから船速に影響を及ぼす特定データが抽出され、この特定データの将来的な変化に基づいて性能悪化率Rの将来的な変化が予測されるので、性能悪化率Rの将来の予測精度を向上させることができる。
(変形例)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、性能悪化率Rは、燃料消費量が一定であると仮定したときに船速がどれだけ低下したかを示すものであってもよい。この構成によれば、性能悪化率Rを参照することによって、主機41の燃料消費量の増加傾向を加味した船速の低下傾向を把握することができる。
具体的に、演算装置2は、検出された燃料消費量Foを補正燃料消費量F1に換算した後に、図12に示すように、補正燃料消費量F1における、基準性能曲線C上の船速Vs1と船速検出器31で検出された船速V1とから、性能悪化率Rを算出する。例えば、演算装置2は、以下の式により、性能悪化率Rを算出する。
R=(V1−Vs1)/Vs1×100
つまり、性能悪化率Rは、初期の船速をゼロとする原則としてマイナスのパーセンテージであってもよい。
また、性能悪化率Rの将来の予測精度を向上させるには、演算装置2は、次のような処理を行ってもよい。
まず、演算装置2は、データロガー21に記憶された運航データに基づいて、航路別に航路と性能悪化率Rとの相関関係を学習するとともに、時期別に時期と性能悪化率Rとの相関関係を学習する。例えば、偏西風の影響を大きく受ける航路と、偏西風の影響をそれほど受けない航路とでは、性能悪化率Rの変化率が異なる。性能悪化率Rの変化率は、時期によっても異なることがある。時期別とは、例えば、季節別であってもよいし、月別であってもよい。
そして、演算装置2は、将来の航海の予定航路と同一または類似の航路と性能悪化率Rとの相関関係および将来の航海の予定時期と同一または類似の時期と性能悪化率Rとの相関関係に基づいて、性能悪化率Rの将来的な変化を予測する。
1 船舶性能解析システム
10 船舶
2 演算装置
21 データロガー
23 表示装置
31 船速検出器
32 燃料消費量検出器

Claims (5)

  1. 船舶の速度である船速を検出する船速検出器と、
    少なくとも1つの推進用の主機の燃料消費量を検出する燃料消費量検出器と、
    基準性能曲線が描かれたグラフであって、前記船速検出器で検出された船速および前記燃料消費量検出器で検出された燃料消費量で定まる計測点がプロットされたグラフを表示する表示装置と、
    前記船速検出器で検出された船速、前記燃料消費量検出器で検出された燃料消費量、および前記基準性能曲線を用いて、性能悪化率を算出するとともに、前記性能悪化率の履歴から、前記性能悪化率の将来的な変化を予測する演算装置と、
    前記船舶の運航データを記憶するデータロガーと、を備え、
    前記演算装置は、前記運航データ中の航路別に航路と性能悪化率との相関関係を学習するとともに、前記運航データ中の時期別に時期と性能悪化率との相関関係を学習し、かつ、
    将来の航海の予定航路と同一または類似の航路と性能悪化率との相関関係および将来の航海の予定時期と同一または類似の時期と性能悪化率との相関関係に基づいて、前記性能悪化率の将来的な変化を予測する、船舶性能解析システム。
  2. 前記演算装置は、前記燃料消費量検出器で検出された燃料消費量を前記基準性能曲線と対比可能な補正燃料消費量に換算し、前記船速検出器で検出された船速における、前記基準性能曲線上の燃料消費量と前記補正燃料消費量とから、前記性能悪化率を算出する、請求項1に記載の船舶性能解析システム。
  3. 前記演算装置は、前記燃料消費量検出器で検出された燃料消費量を前記基準性能曲線と対比可能な補正燃料消費量に換算し、前記補正燃料消費量における、前記基準性能曲線上の船速と前記船速検出器で検出された船速とから、前記性能悪化率を算出する、請求項1に記載の船舶性能解析システム。
  4. 前記船舶は、LNG運搬船であり、
    前記演算装置は、前記性能悪化率の将来的な変化に基づいて、バラスト航海時のヒール量を算出する、請求項1〜3の何れか一項に記載の船舶性能解析システム。
  5. 前記演算装置は、前記データロガーに記憶された運航データから性能悪化率に影響を及ぼす特定データを抽出し、前記性能悪化率と前記特定データとの相関関係を学習し、かつ、
    前記特定データの将来的な変化を予測し、予測された前記特定データの将来的な変化に基づいて、前記性能悪化率の将来的な変化を予測する、請求項1〜4の何れか一項に記載の船舶性能解析システム。
JP2017136979A 2017-07-13 2017-07-13 船舶性能解析システムおよび船舶性能解析方法 Active JP6970545B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017136979A JP6970545B2 (ja) 2017-07-13 2017-07-13 船舶性能解析システムおよび船舶性能解析方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017136979A JP6970545B2 (ja) 2017-07-13 2017-07-13 船舶性能解析システムおよび船舶性能解析方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019018641A JP2019018641A (ja) 2019-02-07
JP6970545B2 true JP6970545B2 (ja) 2021-11-24

Family

ID=65353785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017136979A Active JP6970545B2 (ja) 2017-07-13 2017-07-13 船舶性能解析システムおよび船舶性能解析方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6970545B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023149117A1 (ja) * 2022-02-03 2023-08-10 日立造船株式会社 監視支援システム

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7342515B2 (ja) * 2019-08-14 2023-09-12 富士通株式会社 推定方法、学習方法、推定プログラムおよび推定装置
CN113232783B (zh) * 2020-12-25 2022-09-27 北京航空航天大学合肥创新研究院 一种无人船速度控制方法及存储介质
CN114179991B (zh) * 2021-11-18 2023-11-17 上海江南长兴造船有限责任公司 一种双燃料集装箱船燃气供气系统负荷试验方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4690730B2 (ja) * 2005-01-17 2011-06-01 三菱重工業株式会社 船舶の運行管理装置及びその方法並びに船舶の運行管理システム
JP4970346B2 (ja) * 2008-05-28 2012-07-04 三井造船株式会社 船舶の運航支援システムと船舶の運航支援方法
JP5636336B2 (ja) * 2011-06-06 2014-12-03 大阪瓦斯株式会社 配船計画支援システム
JP6414974B2 (ja) * 2014-12-26 2018-10-31 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 船舶用表示制御装置、船舶用表示制御方法及びプログラム
JP6524257B2 (ja) * 2015-11-30 2019-06-05 日本郵船株式会社 船体整備支援装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023149117A1 (ja) * 2022-02-03 2023-08-10 日立造船株式会社 監視支援システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019018641A (ja) 2019-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6970545B2 (ja) 船舶性能解析システムおよび船舶性能解析方法
JP5312425B2 (ja) 船舶運航支援システム
JP6898795B2 (ja) 船舶性能解析システムおよび船舶性能解析方法
JP7114228B2 (ja) 船舶性能解析システム
CN111046491B (zh) 预估大型船舶柴油主机油耗的方法和装置
AU2020218818B2 (en) Method and system for reducing vessel fuel consumption
KR20160089857A (ko) 선박의 경년변화 추정방법, 선박의 경년변화 추정시스템, 최적항로계산 시스템, 및 선박의 운항지원 시스템
CN112088122B (zh) 船舶的实际海域推进性能评价方法、评价系统以及计算机可读存储介质
Kee et al. Prediction of ship fuel consumption and speed curve by using statistical method
CN110778398B (zh) 一种船用柴油机燃油管理控制系统
Fonteinos et al. Ship hull fouling estimation using shipboard measurements, models for resistance components, and shaft torque calculation using engine model
CN106451570B (zh) 一种船舶发电柴油机组负载动态分配方法及装置
JP2016120767A (ja) 船舶機器メンテナンス判定装置
CN113853480B (zh) 船舶的主机监控方法、主机监控系统、主机状态预测系统以及航行状况预测系统
CN109311526B (zh) 航行管理系统
KR102197014B1 (ko) 스프레이 기화율 예측 방법 및 장치, 및 액화 가스 운반선의 운항 지원 방법 및 시스템
JP6282753B2 (ja) 推定値算出装置、推定値算出方法、プログラム及び記録媒体
KR102049173B1 (ko) 운영 관리 시스템 및 이를 포함하는 선박
WO2017072408A1 (en) Method and system for determining and managing boil-off rate
CN111415086B (zh) 船舶的能耗分布数据处理方法、装置以及计算机设备
KR102249974B1 (ko) 연료소비율 산출 시스템 및 방법
JP2018034585A (ja) 船舶の推進性能の解析
JP6106802B2 (ja) 出力装置、出力方法、プログラム及び記録媒体
Gutiérrez et al. An empirical analysis on the operational profile of liquefied natural gas carriers with steam propulsion plants
CN117932193A (zh) 一种具有自学习能力的船舶航速优化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210311

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210427

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211005

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211029

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6970545

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150