JP6414974B2 - 船舶用表示制御装置、船舶用表示制御方法及びプログラム - Google Patents
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Description
特許文献1には、関連する技術として、作業機械が備える表示画面にエンジン水温や燃料量などを表示する技術が記載されている。
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。なお、図における燃費は、燃料消費量と同様の意味である。
本発明の第一の実施形態による燃料消費量推定装置など船舶の機能構成について説明する。
図1で示すように、本実施形態において、船舶1は、エンジン10と、燃料消費量推定装置20と、表示部30と、記憶部40と、を備える。
ピックアップセンサ101は、エンジン10の回転数を検出する。
過給装置102は、エンジン10の排気ガスを動力源として圧縮空気を生成する。過給装置102は、生成した圧縮空気をエンジン10に供給し、エンジン10の実質的な排気量を高める。
圧力センサ103は、過給装置102がエンジン10に供給する圧縮空気の圧力を検出する。過給装置102がエンジン10に供給する圧縮空気の圧力は、ブースト圧と呼ばれる。
回転数取得部201は、船舶1において使用されるエンジン10の現在のエンジン回転数を取得する。具体的には、回転数取得部201は、ピックアップセンサ101が検出したエンジン10の現在の回転数をピックアップセンサ101から取得する。
また、出力推定部202は、現在のエンジン出力値を変動させる出力変動要素の物理量としきい値との比較結果に基づいて現在のエンジン出力値についてのエンジン出力補正値を特定する。そして、出力推定部202は、特定したエンジン出力補正値と、現在のエンジン回転数と、現在のブースト圧とに基づいて、現在のエンジン出力値を推定する。
また、出力推定部202は、入力した船舶1の種別に応じて、出力変動要素を特定する。出力推定部202は、特定した出力変動要素の物理量としきい値との比較結果に基づいて現在のエンジン出力値についてのエンジン出力補正値を特定する。出力推定部202は、特定したエンジン出力補正値を用いてエンジン出力値を補正する。
また、燃料消費量推定部203は、現在の単位時間当たりの燃料消費量を変動させる消費量変動要素の物理量としきい値との比較結果に基づいて現在の単位時間当たりの燃料消費量についての燃料消費量補正値を特定する。そして、燃料消費量推定部203は、特定した燃料消費量補正値と、現在のエンジン出力値と、現在のエンジン回転数とに基づいて、現在の単位時間当たりの燃料消費量を推定する。
また、燃料消費量推定部203は、入力した船舶1の種別に応じて、消費量変動要素を特定する。燃料消費量推定部203は、特定した消費量変動要素の物理量としきい値との比較結果に基づいて現在の単位時間当たりの燃料消費量についての燃料消費量補正値を特定する。燃料消費量推定部203は、特定した燃料消費量補正値を用いて単位時間当たりの燃料消費量を補正する。
記憶部40は、燃料消費量推定装置20が行う処理に必要な種々の情報を記憶する。
GPS50は、船舶1の位置に関する情報を表示制御部204に出力する。
出力推定部202は、図2に示すような、船舶1の種別毎にエンジン回転数、ブースト圧及びエンジン出力値の対応関係を用いて現在のエンジン出力値を推定する。具体的には、出力推定部202は、回転数取得部201からエンジン回転数を入力する。出力推定部202は、圧力センサ103から現在のブースト圧を取得する。出力推定部202は、記憶部40から図2に示すグラフをデータ化した、例えば図3に示すデータテーブルTBL1を読み出す。なお、データテーブルTBL1は、船舶1の種別毎にエンジン回転数、ブースト圧及びエンジン出力値の対応関係を示すデータを含んでいる。
出力推定部202は、記憶部40から例えば図4に示すデータテーブルTBL2を読み出す。なお、データテーブルTBL2は、船舶1の種別毎にエンジン出力値の複数の変動要素の組み合わせとエンジン出力値のそれぞれの変動要素に対するエンジン出力補正値が異なる。
出力推定部202は、入力した船舶1の種別に応じて、エンジン出力値の変動要素を特定する。出力推定部202は、特定したエンジン出力値の変動要素の物理量としきい値との比較結果に基づいて現在のエンジン出力値についてのエンジン出力補正値を特定する。例えば、出力推定部202は、データテーブルTBL2を用いて、船舶1が船舶種別1である場合に、エンジン出力値の変動要素を排気ガス温度、冷却水温度、潤滑油圧力、吸入空気温度、吸入空気湿度、気圧、給気温度、潤滑油温度、冷却海水温度、過給機回転数、筒内圧、排気背圧、排気ガス濃度、排ガス量、NOx値及び潤滑油の種類と特定する。そして、出力推定部202は、それぞれの変動要素に対応するエンジン出力補正値(a1、b1、c1、d1、e1、f1、g1、h1、i1、j1、k1、l1、m1、n1、o1、p1)を特定する。そして、出力推定部202は、特定したエンジン出力補正値を用いてエンジン出力値を補正する。
具体的には、出力推定部202は、排気ガス温度計の測定した排気ガス温度x1がしきい値よりも高い場合には、船舶種別1の排気ガス温度用の特定したエンジン出力補正値であるa1を用いてエンジン出力値を高く補正する。また、出力推定部202は、排気ガス温度計の測定した排気ガス温度x1がしきい値よりも低い場合には、特定したエンジン出力補正値a1を用いてエンジン出力値を低く補正する。
具体的には、出力推定部202は、冷却水温度x2がしきい値よりも高い場合には、船舶種別2の冷却水温度用の特定したエンジン出力補正値であるb2を用いてエンジン出力値を高く補正する。また、出力推定部202は、冷却水温度x2がしきい値よりも低い場合には、特定したエンジン出力補正値b2を用いてエンジン出力値を低く補正する。
燃料消費量推定部203は、図5に示すような、船舶1の種別毎にエンジン回転数、エンジン出力値及び燃料消費量の対応関係を用いて現在の単位時間当たりの燃料消費量を推定する。具体的には、燃料消費量推定部203は、回転数取得部201からエンジン回転数を入力する。燃料消費量推定部203は、出力推定部202が特定したエンジン出力値を入力する。燃料消費量推定部203は、記憶部40から図5に示すグラフをデータ化した、例えば図6に示すデータテーブルTBL3を読み出す。
燃料消費量推定部203は、記憶部40から読み出したデータテーブルTBL3において、回転数取得部201から入力したエンジン回転数と同一のデータを特定する。例えば、燃料消費量推定部203は、回転数取得部201から入力したエンジン回転数が1500[rpm]である場合、入力したエンジン回転数である1500[rpm]と図6に示すデータテーブルTBL3におけるエンジン回転数とを順に比較する。そして、燃料消費量推定部203は、データテーブルTBL3において、入力したエンジン回転数である1500[rpm]と一致するエンジン回転数を有するデータ番号3900〜4100を特定する。
燃料消費量推定部203は、特定したデータ番号において、出力推定部202が推定したエンジン出力値と同一のデータを特定する。例えば、燃料消費量推定部203が入力したエンジン回転数に対して特定したデータ番号が図6に示すデータ番号3900〜4100であり、出力推定部202が推定したエンジン出力値が460[PS]である場合、燃料消費量推定部203は、出力推定部202が推定したエンジン出力値である460[PS]とデータ番号3900〜4100におけるエンジン出力値とを順に比較する。燃料消費量推定部203は、データ番号3900〜4100において、出力推定部202が推定したエンジン出力値である460[PS]と一致するエンジン出力値を有するデータ番号4003を特定する。そして、燃料消費量推定部203は、データ番号4003における単位時間当たりの燃料消費量の81[l/h]を現在の単位時間当たりの燃料消費量として推定する。
なお、燃料消費量推定部203は、データテーブルTBL3において、出力推定部202が推定したエンジン出力値と一致するデータ番号を特定した後に、回転数取得部201から入力したエンジン回転数と一致するデータ番号を特定し、現在の単位時間当たりの燃料消費量を推定するものであってもよい。
また、燃料消費量推定部203は、データテーブルTBL3において、回転数取得部201から入力したエンジン回転数や出力推定部202が推定したエンジン出力値と一致するデータが無い場合、回転数取得部201から入力したエンジン回転数や出力推定部202が推定したエンジン出力値の前後の値を含むデータ番号のデータを用いて補間を行い、データを生成するものであってもよい。例えば、燃料消費量推定部203が回転数取得部201から入力したエンジン回転数が1500[RPM]に対して図6に示すデータ番号3900〜4100を特定し、出力推定部202が推定したエンジン出力値が360[PS]である場合、燃料消費量推定部203は、出力推定部202が推定したエンジン出力値の前後の値を含むデータ番号4001とデータ番号4002の単位時間当たりの燃料消費量を線形補間して65[l/h]の燃料消費量を生成し推定する。
燃料消費量推定部203は、記憶部40から例えば図7に示すデータテーブルTBL4を読み出す。なお、データテーブルTBL4は、船舶1の種別毎に単位時間当たりの燃料消費量の変動要素の組み合わせとそれぞれの燃料消費量の変動要素に対する燃料消費量補正値が異なる。
燃料消費量推定部203は、入力した船舶1の種別に応じて、単位時間当たりの燃料消費量の変動要素を特定する。燃料消費量推定部203は、特定した燃料消費量の変動要素の物理量としきい値との比較結果に基づいて現在の単位時間当たりの燃料消費量の燃料消費量補正値を特定する。例えば、燃料消費量推定部203は、図7に示すデータテーブルTBL4を用いて、船舶1が船舶種別1である場合に、単位時間当たりの燃料消費量の変動要素を燃料入口温度及び燃料の低位発熱量と特定する。そして、燃料消費量推定部203は、それぞれの変動要素に対応する燃料消費量補正値(q1、r1)を特定する。そして、燃料消費量推定部203は、特定した燃料消費量補正値を用いて単位時間当たりの燃料消費量を補正する。
具体的には、燃料消費量推定部203は、燃料入口温度y1がしきい値よりも高い場合には、船舶種別1の燃料入口温度用の特定した燃料消費量補正値であるq1を用いて単位時間当たりの燃料消費量を低く補正する。また、燃料消費量推定部203は、燃料入口温度y1がしきい値よりも高い場合には、特定した燃料消費量補正値q1を用いて単位時間当たりの燃料消費量を高く補正する。
具体的には、燃料消費量推定部203は、燃料の低位発熱量y2がしきい値よりも高い場合には、船舶種別2の燃料の低位発熱量用の特定した燃料消費量補正値であるr2を用いて単位時間当たりの燃料消費量を低く補正する。また、燃料消費量推定部203は、燃料の低位発熱量y2がしきい値よりも低い場合には、特定した燃料消費量補正値r2を用いて単位時間当たりの燃料消費量を高く補正する。
表示制御部204は、エンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧とによって示される燃料消費量の変動に基づいてスコアを算出する。具体的には、例えば、表示制御部204は、図8に示すようなエンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧との対応関係を示すグラフにおいて低燃料消費量を示す領域の順に領域A〜領域D及び領域Gに分割されたデータを記憶部40から読み出す。また、表示制御部204は、出力推定部202から現在のエンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧とを入力する。そして、表示制御部204は、現在のエンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧とが示す点が、エンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧との対応関係を示すグラフにおける領域A〜領域D及び領域Gのうちのどの領域に入っているかを特定する。表示制御部204は、この領域の特定を一定周期毎(例えば、0.1秒毎)に行う。表示制御部204は、一定周期毎に領域を特定すると、特定した領域に該当する領域A〜領域D及び領域Gのそれぞれに割り当てられたポイントを所定時間(例えば、1時間)加算する。また、表示制御部204は、エンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧とが示す点が、最も低燃料消費量の領域Aに所定時間入っていたと仮定した場合のポイントを算出する。そして、表示制御部204は、所定時間加算したポイントを最も低燃料消費量の領域Aに所定時間入っていたと仮定した場合のポイントで除算し、100を乗算した値をスコアとして算出する。例えば、領域Aが100ポイント、領域Bが60ポイント、領域Cが30ポイント、領域Dが0ポイントであるとする。そして、表示制御部204が、1時間の間に0.1秒毎にエンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧とが示す点が領域Aであると3000回特定し、領域Bであると29000回特定し、領域Cであると3000回特定し、領域Dであると1000回特定したとする。この場合、表示制御部204は、(100×3000+60×29000+30×3000+0×1000)÷(100×36000)×100を演算し、スコアを57と算出する。
表示制御部204が表示部30に対して表示制御を行うことにより、表示部30は、例えば、図9に示すように、エンジン回転数71、エンジン出力値72、船速73、現在の瞬間燃費74、平均燃費75、現在時刻76、到着予測時間77、航海距離78、航海可能距離79、燃料消費量の積算値80、燃料消費量の積算値に対する燃料費81、エンジン回転数とエンジン出力値と燃料消費量の対応関係82、低燃料消費量の運転の指数を示すスコア83、GPSの接続状況84、メンテナンス時期85、及び、瞬間燃費86を表示する。
図9に示す表示部30の表示画面の例では、エンジン回転数71はXXX[RPM]である。また、エンジン出力値72はXXX[PS]である。また、船舶1の船速73は17[kt(ノット)]である。また、現在の瞬間燃費74は50.0[L(リットル)/h]である。また、平均燃費75は48.0[L/h]である。また、現在時刻76は20:08である。また、到着予測時間77は1時間30分である。また、航海距離78は80[mile(マイル)]である。また、航海可能距離79は200[mile(マイル)]である。また、燃料消費量の積算値80は、100[L]である。また、燃料消費量の積算値に対する燃料費81は、18000円である。また、図9に示す表示部30には、エンジン回転数とエンジン出力値と燃料消費量の対応関係82の過去の履歴が示されている。また、表示部30には、低燃料消費量の運転の指数を示すスコア83が、バーの数とバーの色との組み合わせにより示されている。また、表示部30の右下には、GPSの接続状況84が示されている。また、メンテナンスが必要な時期には、表示部30の右下部にメンテナンス時期85であることを示す例えば赤色の三角マークが表示される。また、表示部30において、スコア83の右横に瞬間燃費86が表示されている。スコア83、GPSの接続状況84、メンテナンス時期85、及び、瞬間燃費86は、表示部30の表示画面が切り替わった場合であっても常に報知する情報である。
なお、低燃料消費量の運転の指数を示すスコア83は、例えば図10に示すように、スコアが高い程バーの数が多い。また、低燃料消費量の運転の指数を示すスコア83は、バーの数が多い場合にバーの色を緑色にし、バーの数が減少するにつれて黄色から赤に変化するものであってもよい。
本実施形態による回転数取得部201は、ピックアップセンサ101が検出したエンジン10の現在のエンジン回転数をピックアップセンサ101から取得する(ステップS1)。回転数取得部201は、取得したエンジン回転数を出力推定部202と、燃料消費量推定部203と、表示制御部204とに出力する。
出力推定部202は、船舶1の種別に基づいて、データテーブルTBL1において現在の船舶1の種別に応じたエンジン回転数、ブースト圧及びエンジン出力値の対応関係を示すデータを特定する。そして、出力推定部202は、データテーブルTBL1において回転数取得部201から入力したエンジン回転数と同一のエンジン回転数を有するデータ番号を特定する。
出力推定部202は、特定したデータ番号において、圧力センサ103から取得したブースト圧と同一のブースト圧を有するデータ番号を特定する。そして、出力推定部202は、特定したデータ番号におけるエンジン出力値を現在のエンジン出力値として推定する(ステップS2)。なお、出力推定部202は、データテーブルTBL1において、回転数取得部201から入力したエンジン回転数や圧力センサ103から取得したブースト圧と一致するデータが無い場合、回転数取得部201から入力したエンジン回転数や圧力センサ103から取得したブースト圧の前後の値を含むデータ番号のデータを用いて補間を行い、データを生成するものであってもよい。
燃料消費量推定部203は、船舶1の種別に基づいて、データテーブルTBL3において現在の船舶1の種別に応じたエンジン回転数、エンジン出力値及び燃料消費量の対応関係を示すデータを特定する。そして、燃料消費量推定部203は、データテーブルTBL3において回転数取得部201から入力したエンジン回転数と同一のエンジン回転数を有するデータ番号を特定する。
燃料消費量推定部203は、特定したデータ番号において、出力推定部202から入力した補正した現在のエンジン出力値と同一のエンジン出力値を有するデータ番号を特定する。そして、燃料消費量推定部203は、特定したデータ番号における単位時間当たりの燃料消費量を現在の単位時間当たりの燃料消費量として推定する(ステップS5)。なお、燃料消費量推定部203は、データテーブルTBL3において、回転数取得部201から入力したエンジン回転数や出力推定部202から入力した補正したエンジン出力値と一致するデータが無い場合、回転数取得部201から入力したエンジン回転数や出力推定部202から入力した補正したエンジン出力値の前後の値を含むデータ番号のデータを用いて補間を行い、データを生成するものであってもよい。
具体的には、表示制御部204は、燃料消費量推定部203が推定した単位時間当たりの燃料消費量と、燃料の単価とに基づいて費用情報を算出する。
また、表示制御部204は、GPS50から入力した船舶1の現在位置の単位時間当たりの変化量から船舶1の船速を算出する。
また、表示制御部204は、燃料消費量推定部203から入力した単位時間当たりの燃料消費量を積算し、積算時間で除算することにより平均燃費を算出する。
また、表示制御部204は、基準時刻からの水晶発振子を利用した発振器の発振回数をカウントし、基準時刻にカウントした発振回数に対応する時間を加算した時刻を現在時刻として算出する。
また、表示制御部204は、ユーザが入力した目的位置とGPS50から入力した現在位置とから現在位置から目的位置までの距離を算出し、算出した距離を現在の船速で除算することにより現在からの到着予測時間を算出する。
また、表示制御部204は、GPS50から入力した現在位置に基づいて、出発位置から現在位置までの単位時間当たりの位置の変化量を積算して航海距離を算出する。
また、表示制御部204は、燃料消費量推定部203が推定した単位時間当たりの燃料消費量を積算して全燃料消費量を算出し、航海開始時の燃料量から全燃料消費量を減算する。表示制御部204は、全燃料消費量を瞬間燃費で除算して船速を乗算して航海可能距離を算出する。
また、表示制御部204は、燃料消費量推定部203から入力した単位時間当たりの燃料消費量を積算して燃料消費量積算値を算出する。
また、表示制御部204は、現在のエンジン10のエンジン出力値と、現在のエンジン10のエンジン回転数と、エンジン10のブースト圧に基づいて決定する低燃料消費量の運転の指数を示すスコアを算出する。
また、表示制御部204は、動作累積時間に基づいて、各メンテナンス項目のメンテナンス時期を算出する。
表示制御部204は、入力したエンジン回転数、エンジン出力値、現在の単位時間当たりの燃料消費量、及び、表示データを表示部30に表示させる制御を行う(ステップS9)。
ここで、ユーザが表示部30に対して表示画面を切り替える操作を行う。
すると、表示制御部204は、入力された切り替え操作に基づいて、表示部30が表示するエンジン10を備える船舶1に関する異なる動作状態量を示す複数の表示画面を切り替え、表示画面の切り替えの前後で、船舶1の運転における経済性を示す情報を常に表示部30に表示させる制御を行う(ステップS11)。例えば、表示制御部204は、表示部30の表示を図9で示した表示画面から別の表示画面に切り替える制御を行う。そして、表示制御部204は、表示部30の表示を別の表示画面に切り替えた後にも、船舶1の運転における経済性を示す情報である例えば低燃料消費量の運転の指数を示すスコアをバーの数と対応する色とで常に表示部30に表示させる制御を行う。
このようにすれば、船舶において複数の表示画面を切り替えても現在の運転状況での経済性をユーザに常に報知することができ、ユーザが経済性を常に意識することでユーザに低燃料消費量の運転をさせることができる。
また、本実施形態による燃料消費量推定装置20の処理によれば、回転数取得部201は、ピックアップセンサ101が検出したエンジン10の現在のエンジン回転数をピックアップセンサ101から取得する。出力推定部202は、回転数取得部201から入力したエンジン回転数と、現在のエンジン10の排気ガスに基づいて過給装置102が生成する圧縮空気の圧力を示すブースト圧とに基づいて、現在のエンジン出力値を推定する。燃料消費量推定部203は、出力推定部202から入力した現在のエンジン出力値と、回転数取得部201から入力した現在のエンジン回転数とに基づいて、現在の単位時間当たりの燃料消費量を推定する。表示制御部204は、燃料消費量推定部203から入力した現在の単位時間当たりの燃料消費量を表示部30に表示させる制御を行う。
このようにすれば、船舶1における燃料の残量が大まかな目盛表示がされるのみであり、燃料流量計を備えず、電子制御式噴射装置を用いない船舶1において、現在の単位時間当たりの燃料消費量を推定することができる。
本発明の第二の実施形態による燃料消費量推定装置20a(船舶用表示制御装置)など船舶1aの機能構成について説明する。
第二の実施形態による船舶1aは、図12に示すように、第一の実施形態による船舶1と同様の構成である。ただし、第二の実施形態による燃料消費量推定装置20aは、第一の実施形態による燃料消費量推定装置20と機能が異なる。
具体的には、第二の実施形態による出力推定部202aは、第一の実施形態による出力推定部202の機能に加え、排気温度計から排気温度x17を取得する。また、第二の実施形態による表示制御部204aは、第一の実施形態による表示制御部204の機能に加え、燃料消費量積算値を積算時間で除算した単位時間当たりの燃料消費量の平均値を算出する。
また、第二の実施形態による表示制御部204aは、第一の実施形態による表示制御部204の機能に加え、出力推定部202aからブースト圧、潤滑油圧力、冷却水温度、及び、排気温度を入力する。また、表示制御部204aは、図13〜図19のそれぞれに示す表示画面を表示部30に表示させる制御を行う。
表示制御部204aは、回転数取得部201から入力したエンジン回転数に基づいて、エンジン回転数を示すメータを表示部30に表示させる制御を行う。また、表示制御部204aは、出力推定部202aから入力したブースト圧に基づいて、給気圧力(ブースト圧)を示すメータを表示部30に表示させる制御を行う。また、表示制御部204aは、出力推定部202aから入力した潤滑油圧力に基づいて、潤滑油圧力を示すメータを表示部30に表示させる制御を行う。また、表示制御部204aは、出力推定部202aから入力した冷却水温度に基づいて、冷却水温度を示すメータを表示部30に表示させる制御を行う。また、表示制御部204aは、出力推定部202aから入力した冷却水温度に基づいて、冷却水温度を示すメータを表示部30に表示させる制御を行う。また、表示制御部204aは、出力推定部202aから入力した排気温度に基づいて、排気温度を示すメータを表示部30に表示させる制御を行う。
表示制御部204aが表示部30に対して表示制御を行うことにより、表示部30は、例えば、図13に示すように、エンジン回転数を示すメータ87、給気圧力(ブースト圧)を示すメータ88、潤滑油圧力を示すメータ89、冷却水温度を示すメータ90、及び、排気温度を示すメータ91を表示する。
第二の実施形態による表示制御部204aは、エンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧とによって示される燃費の変動に基づいてスコアを算出する。具体的には、表示制御部204aは、記憶部40からエンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧との対応関係を示すグラフにおいて低燃料消費量を示す領域の順に領域A〜領域D及び領域Gに分割されたデータを読み出す。また、表示制御部204aは、出力推定部202aから現在のエンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧とを入力する。そして、表示制御部204aは、現在のエンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧とが示す点が、エンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧との対応関係を示すグラフにおける領域A〜領域D及び領域Gのうちのどの領域に入っているかを特定する。表示制御部204aは、この領域の特定を一定周期毎に行う。表示制御部204aは、一定周期毎に領域を特定すると、特定した領域に該当する領域A〜領域D及び領域Gのそれぞれに割り当てられたポイントを所定時間加算する。また、表示制御部204aは、エンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧とが示す点が、最も低燃料消費量の領域Aに所定時間入っていたと仮定した場合のポイントを算出する。そして、表示制御部204aは、所定時間加算したポイントを最も低燃料消費量の領域Aに所定時間入っていたと仮定した場合のポイントで除算し、100を乗算した値をスコアとして算出する。
表示制御部204aは、例えば、運転した日にち単位でスコアを算出する。表示制御部204aは、過去1週間以内または過去1か月以内のスコアを高い順に表示部30に表示させる制御を行う。
表示制御部204aは、出力推定部202aからエンジン回転数、ブースト圧及びエンジン出力値の対応関係と、エンジン回転数、ブースト圧及びエンジン出力値の履歴とを入力する。表示制御部204aは、入力したエンジン回転数、ブースト圧及びエンジン出力値の対応関係を示すグラフ92と、エンジン回転数、ブースト圧及びエンジン出力値の履歴とを表示部30に表示させる制御を行う。
表示制御部204aが表示部30に対して表示制御を行うことにより、表示部30は、例えば、図15に示すように、エンジン回転数、ブースト圧及びエンジン出力値の対応関係と、エンジン回転数、ブースト圧及びエンジン出力値の履歴とを表示する。なお、表示部30は、現在の燃費や過去の燃料消費量も同時に表示するものであってよい。
表示制御部204aは、出力推定部202aからエンジン回転数、ブースト圧及びエンジン出力値の履歴と、燃料消費量推定部203からエンジン回転数、エンジン出力値及び燃料消費量の対応関係と、を入力する。表示制御部204aは、入力したエンジン回転数、エンジン出力値及び燃料消費量の対応関係を示すグラフ93と、エンジン回転数、ブースト圧及びエンジン出力値の履歴とを表示部30に表示させる制御を行う。
表示制御部204aが表示部30に対して表示制御を行うことにより、表示部30は、例えば、図16に示すように、エンジン回転数、エンジン出力値及び燃料消費量の対応関係と、エンジン回転数、エンジン出力値及び燃料消費量の履歴とを表示する。なお、表示部30は、現在の燃費や過去の燃料消費量も同時に表示するものであってよい。
表示制御部204aは、GPS50から入力した船舶1の現在位置の単位時間当たりの変化量に基づいて船舶1の船速を算出する。また、表示制御部204aは、燃料消費量推定部203から現在の単位時間当たりの燃料消費量を入力する。表示制御部204aは、算出した船速と入力した燃料消費量とを表示部30に表示させる制御を行う。
表示制御部204aが表示部30に対して表示制御を行うことにより、表示部30は、例えば、図17に示すように、船速と燃料消費量との対応関係を示すグラフ94を表示する。なお、表示部30は、現在の燃費や過去の燃料消費量も同時に表示するものであってよい。
表示制御部204aは、回転数取得部201からエンジン回転数を入力する。また、表示制御部204aは、出力推定部202aからブースト圧と、エンジン出力値とを入力する。また、表示制御部204aは、燃料消費量積算値を積算時間で除算した単位時間当たりの燃料消費量の平均値を算出する。また、表示制御部204aは、エコスコアを算出する。また、表示制御部204aは、出力推定部202aから排気温度と、冷却水温度と、潤滑油圧力とを入力する。
表示制御部204aは、エンジン回転数、エンジン出力値、給気圧力(ブースト圧)、単位時間当たりの燃料消費量の平均値、エコスコア、排気温度、冷却水温度、及び、潤滑油圧力のそれぞれの履歴を表示部30に表示させる制御を行う。
表示制御部204aが表示部30に対して表示制御を行うことにより、表示部30は、例えば、図18に示すように、過去の月毎のエンジン回転数、エンジン出力値、及び、給気圧力(ブースト圧)のそれぞれの履歴を示す折れ線グラフと、単位時間当たりの燃料消費量の平均値とエコスコアのそれぞれの履歴を示す棒グラフを表示する。また、表示部30は、排気温度、冷却水温度、及び、潤滑油圧力のそれぞれの履歴を示す折れ線グラフを表示する。
表示制御部204aは、記憶部40が記憶する各メンテナンス項目の前回メンテナンス時期を読み出す。そして、表示制御部204aは、各メンテナンス項目について、前回メンテナンス時期からの経過時間を算出する。
表示制御部204aは、算出した各メンテナンス項目の前回メンテナンス時期からの経過時間を表示部30に表示させる制御を行う。
表示制御部204aが表示部30に対して表示制御を行うことにより、表示部30は、例えば、図19に示すように、A交換、B交換、C点検と調整、D清掃と点検、E点検、F交換、G交換、H点検、I調整、J点検、K点検、L交換の各メンテナンス項目の前回メンテナンス時期からの経過時間を表示する。図19に示す表示部30が表示する表示画面の例では、A交換、B交換、C点検と調整、D清掃と点検のそれぞれは、現時点で前回メンテナンス時期から120時間経過しており、経過時間が250時間になるとメンテナンス時期であることを示している。また、表示部30が表示する表示画面の例では、E点検とF交換のそれぞれは、現時点で前回メンテナンス時期から120時間経過しており、経過時間が500時間になるとメンテナンス時期であることを示している。また、表示部30が表示する表示画面の例では、G交換、H点検、I調整、J点検のそれぞれは、現時点で前回メンテナンス時期から120時間経過しており、経過時間が1000時間になるとメンテナンス時期であることを示している。また、表示部30が表示する表示画面の例では、K点検は、現時点で前回メンテナンス時期から5日経過しており、経過時間が90日になるとメンテナンス時期であることを示している。また、表示部30が表示する表示画面の例では、L交換は、現時点で前回メンテナンス時期から5日経過しており、経過時間が730日になるとメンテナンス時期であることを示している。
このようにすれば、船舶において複数の表示画面を切り替えても現在の運転状況での経済性をユーザに常に報知することができ、ユーザが経済性を常に意識することでユーザに低燃料消費量の運転をさせることができる。
10・・・エンジン
20、20a・・・燃料消費量推定装置
30・・・表示部
40・・・記憶部
50・・・GPS
101・・・ピックアップセンサ
102・・・過給装置
103・・・圧力センサ
201・・・回転数取得部
202、202a・・・出力推定部
203・・・燃料消費量推定部
204、204a・・・表示制御部
Claims (6)
- 現在のエンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧とが示す点が、エンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧との対応関係を示すグラフにおける複数の領域のうちどの領域に入っているかを、一定周期ごとに特定し、特定した領域に割り当てられた低燃料消費量である程高い値となるポイントを所定時間加算して算出したポイントを、前記現在のエンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧とが示す点が、前記複数の領域のうち最も低燃料消費量の領域に所定時間入っていたと仮定して算出したポイントで除算することにより、低燃料消費量の運転の指数を示すスコアを算出し、入力された切り替え操作に基づいて、エンジンを備える船舶に関する異なる動作状態量を示す複数の表示画面を切り替え、前記表示画面の切り替えの前後で、前記スコアを少なくとも含む前記船舶の運転における経済性を示す情報を常に表示部に表示させる制御を行う表示制御部、
を備える船舶用表示制御装置。 - 前記表示制御部は、現在の前記エンジンのエンジン出力値と現在の前記エンジンのエンジン回転数とに基づいて推定された現在の単位時間当たりの燃料消費量を積算した全燃料消費量に、燃料の単価を乗算して算出した燃料費を表示部に表示させる制御を行う、
請求項1に記載の船舶用表示制御装置。 - 前記表示制御部は、現在の前記エンジンのエンジン出力値と現在の前記エンジンのエンジン回転数とに基づいて推定された現在の単位時間当たりの燃料消費量を積算した全燃料消費量を、航海開始時の燃料量から減算し、瞬間燃料消費量で除算して船速を乗算して算出した航海可能距離を表示部に表示させる制御を行う、
請求項1または請求項2に記載の船舶用表示制御装置。 - 前記表示制御部は、入力された切り替え操作に基づいて、船舶に関する複数の動作状態量の表示画面を切り替え、前記表示画面の切り替えの前後で、前記船舶のメンテナンスの時期であるか否かを示す情報を表示部に表示させる制御を行う、
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の船舶用表示制御装置。 - 表示制御部は、現在のエンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧とが示す点が、エンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧との対応関係を示すグラフにおける複数の領域のうちどの領域に入っているかを、一定周期ごとに特定し、特定した領域に割り当てられた低燃料消費量である程高い値となるポイントを所定時間加算して算出したポイントを、前記現在のエンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧とが示す点が、前記複数の領域のうち最も低燃料消費量の領域に所定時間入っていたと仮定して算出したポイントで除算することにより、低燃料消費量の運転の指数を示すスコアを算出し、入力された切り替え操作に基づいて、エンジンを備える船舶に関する異なる動作状態量を示す複数の表示画面を切り替え、前記表示画面の切り替えの前後で、前記スコアを少なくとも含む前記船舶の運転における経済性を示す情報を常に表示部に表示させる制御を行う、船舶用表示制御方法。
- コンピュータを、
現在のエンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧とが示す点が、エンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧との対応関係を示すグラフにおける複数の領域のうちどの領域に入っているかを、一定周期ごとに特定する特定手段、
特定した領域に割り当てられた低燃料消費量である程高い値となるポイントを所定時間加算して算出したポイントを、前記現在のエンジン出力値と、エンジン回転数と、ブースト圧とが示す点が、前記複数の領域のうち最も低燃料消費量の領域に所定時間入っていたと仮定して算出したポイントで除算することにより、低燃料消費量の運転の指数を示すスコアを算出する算出手段、及び
入力された切り替え操作に基づいて、エンジンを備える船舶に関する異なる動作状態量を示す複数の表示画面を切り替え、前記表示画面の切り替えの前後で、前記スコアを少なくとも含む前記船舶の運転における経済性を示す情報を常に表示部に表示させる制御を行う表示制御手段、
として機能させるプログラム。
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