JP7114228B2 - 船舶性能解析システム - Google Patents

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本発明は、船舶性能解析システムおよび船舶性能解析方法に関する。
船舶においては、船底やプロペラの汚損により、同一の推進軸出力で推進しても、船速が低下することが知られている。そこで、船底やプロペラの清掃、および船体塗装などのメンテナンスをいつ行うべきかを決定する指標として、現時点で基準時からどれだけ船速が低下しているかを把握することが望まれる。
例えば、特許文献1には、就航時の船速を基準として船速低下率を算出することが開示されている。
特開2016-120767号公報
しかしながら、船舶では、同じ船舶でも積荷量などにより喫水が変化する。そして、喫水が変化すれば、当然に船速も変化する。しかし、特許文献1に開示された船速低下率の算出方法では、喫水の変化が考慮されていないために、船速低下率を正確に算出することができない。
そこで、本発明は、船速低下率を正確に算出することができる船舶性能解析システムおよび船舶性能解析方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の1つの側面からの船舶性能解析システムは、船舶の速度である船速を検出する船速検出器と、前記船舶の推進軸出力を検出する軸出力検出器と、前記船舶の喫水を検出する喫水検出器と、前記喫水検出器で検出された喫水に基づいて、前記軸出力検出器で検出された推進軸出力を補正し、補正後の推進軸出力における、基準速力馬力曲線上の船速と前記船速検出器で検出された船速とから船速低下率を算出する演算装置と、を備える、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、喫水に基づいて軸出力検出器で検出された推進軸出力が補正され、この補正された推進軸出力を使用して船速低下率が算出されるので、船速低下率を正確に算出することができる。
また、本発明の別の側面からの船舶性能解析システムは、船舶の速度である船速を検出する船速検出器と、前記船舶の推進軸出力を検出する軸出力検出器と、前記船舶の喫水を検出する喫水検出器と、前記喫水検出器で検出された喫水に基づいて、基準速力馬力曲線を補正し、前記軸出力検出器で検出された推進軸出力における、補正後の速力馬力曲線上の船速と前記船速検出器で検出された船速とから船速低下率を算出する演算装置と、を備える、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、喫水に基づいて速力馬力曲線が補正され、この補正された速力馬力曲線を使用して船速低下率が算出されるので、船速低下率を正確に算出することができる。
前記演算装置は、前記船速低下率を算出する前に、前記船速検出器で検出された船速および/または前記軸出力検出器で検出された推進軸出力を、風情報、波情報および潮流情報の少なくとも1つに基づいて補正してもよい。この構成によれば、船速低下率をさらに正確に算出することができる。
前記演算装置は、前記船速低下率の履歴から、前記船速低下率の将来的な変化を予測してもよい。この構成によれば、船速低下率の将来的な変化を活用して、メンテナンスをいつ行うべきかを計画することができる。
前記演算装置は、将来的にメンテナンスを行う場合と行わない場合のそれぞれに対し、前記船速低下率の将来的な変化を予測してもよい。この構成によれば、メンテナンスを行う場合と行わない場合との効果上の差異を確認しながら、メンテナンス計画を立案することができる。
上記の船舶性能解析システムは、前記船舶の運航データを記憶するデータロガーをさらに備え、前記演算装置は、前記データロガーに記憶された運航データから船速に影響を及ぼす特定データを抽出し、前記船速低下率と前記特定データとの相関関係を学習し、かつ、前記特定データの将来的な変化を予測し、予測された前記特定データの将来的な変化に基づいて、前記船速低下率の将来的な変化を予測してもよい。この構成によれば、船速低下率の将来の予測精度を向上させることができる。
上記の船舶性能解析システムは、前記船舶の運航データを記憶するデータロガーをさらに備え、前記演算装置は、前記運航データ中の航路別に航路と船速低下率との相関関係を学習するとともに、前記運航データ中の時期別に時期と船速低下率との相関関係を学習し、かつ、将来の航海の予定航路と同一または類似の航路と船速低下率との相関関係および将来の航海の予定時期と同一または類似の時期と船速低下率との相関関係に基づいて、前記船速低下率の将来的な変化を予測してもよい。この構成によれば、船速低下率の将来の予測精度を向上させることができる。
また、本発明の1つの側面からの船舶性能解析方法は、船舶の速度である船速を検出する工程と、前記船舶の推進軸出力を検出する工程と、前記船舶の喫水を検出する工程と、検出された前記喫水に基づいて、検出された前記推進軸出力を補正し、補正後の推進軸出力における、基準速力馬力曲線上の船速と検出された前記船速とから船速低下率を算出する工程と、を含む、ことを特徴とする。この構成によれば、本発明の1つの側面からの船舶性能解析システムと同様の効果を得ることができる。
また、本発明の別の側面からの船舶性能解析方法は、船舶の速度である船速を検出する工程と、前記船舶の推進軸出力を検出する工程と、前記船舶の喫水を検出する工程と、検出された前記喫水に基づいて、基準速力馬力曲線を補正し、検出された前記推進軸出力における、補正後の速力馬力曲線上の船速と検出された前記船速とから船速低下率を算出する演算装置と、を含む、ことを特徴とする。この構成によれば、本発明の別の側面からの船舶性能解析システムと同様の効果を得ることができる。
上記の船舶性能解析方法は、前記船速低下率の履歴から、前記船速低下率の将来的な変化を予測する工程をさらに含んでもよい。例えば、上記の船舶性能解析方法は、前記船速低下率の将来的な変化の予測結果をメンテナンス計画に活用する工程をさらに含んでもよい。
本発明によれば、船速低下率を正確に算出することができる。
本発明の第1実施形態に係る船舶性能解析システムの概略構成図である。 喫水検出器を構成する喫水計の配置を示すレイアウト図である。 第1実施形態における基準速力馬力曲線および船速の補正方法を示すグラフである。 船速低下率の経時的変化を示すグラフである。 船体汚損係数の経時的変化を示すグラフである。 推進効率の経時的変化を示すグラフである。 推進効率の将来予測を示すグラフである。 船速低下率の将来予測を示すグラフである。 変形例の船速低下率の将来予測を示すグラフである。 第2実施形態における基準速力馬力曲線およびその補正方法を示すグラフである。
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態に係る船舶性能解析システム1を示す。この船舶性能解析システム1は、船舶10(図2参照)の船速低下率Rvを算出するためのものであり、複数種類の検出器、演算装置2、外部情報取得装置4およびデータロガー5を含む。
船舶10は、主機が直接的に推進軸を駆動する機械推進式であってもよいし、主機が発電機およびモータを介して推進軸を駆動する電気推進式であってもよい。船舶10が機械推進式である場合、主機は、レシプロエンジンまたはガスタービンエンジンであってもよいし、ボイラと蒸気タービンの組み合わせであってもよい。
船舶10には、上述した複数種類の検出器として、船速検出器31、軸出力検出器32および喫水検出器33が設けられているとともに、図略の主機回転数検出器および船首方位検出器などが設けられている。
船速検出器31は、船舶10の速度である船速を検出する。本実施形態では、船速検出器31は、GPS(Global Positioning System)などにより検出された船舶10の位置情報に基づいて、対地船速として船速を検出する。ただし、船速検出器31は、ドップラーログや電磁ログなでを用いた対水船速として船速を検出するものであってもよい。
軸出力検出器32は、船舶10の推進軸出力を検出する。例えば、軸出力検出器32は、推進軸に設けられたトルク計であってもよい。あるいは、軸出力検出器32は、主機の燃料消費量を計測する流量計と、この流量計で計測される燃料消費量から推進軸出力を算出する算出部で構成されてもよい。
喫水検出器33は、船舶10の喫水(船底から海面までの高さ)を検出する。本実施形態では、喫水検出器33が複数の喫水計33aで構成されている。例えば、喫水計33aは、図2に示すように、船首、船尾、両舷側に設けられる。
船速検出器31で検出された船速V1、軸出力検出器32で検出された推進軸出力P1および喫水検出器33で検出された喫水は、演算装置2へ入力される。
演算装置2は、例えば、ROMやRAMなどのメモリとCPUを有するコンピュータであり、ROMに記憶されたプログラムがCPUにより実行される。演算装置2は、船舶10に搭載されてもよいし、船舶10と衛星通信可能な陸上設備に設けられてもよい。演算装置2が陸上設備に設けられる場合、プログラムが演算装置2のメモリに記憶されずにインターネットなどを通じて演算装置2に提供されてもよい。あるいは、演算装置2は、船舶10に搭載される船側演算装置と、陸上設備に設けられる陸側演算装置とで構成されてもよい。
演算装置2は、現在の船速低下率Rvを算出するとともに、船速低下率Rvの将来的な変化を予測する。この船速低下率Rvの算出方法および将来的な変化の予測方法については、後述にて詳細に説明する。さらに、本実施形態では、演算装置2が、船体汚損係数や推進効率なども算出する。
船体汚損係数は、船体の汚損度合を示す指標であり、実海域において計測された推進軸出力(馬力)、船速、主機回転数および船首方位と、平水中(風、波および潮流がない状態)の船速と推進軸出力との関係と、風、波および潮流による外乱抵抗とに基づいて算出される。推進効率(η)は、一定速度(V)で航走する船の抵抗(R)と、そのとき必要となる推進軸出力(P)との比である(η=VR/P)。
演算装置2には、入力装置6と表示装置7が接続されている。入力装置6は、キーボードなどで構成され、使用者からの入力を受け付ける。表示装置7は、例えばディスプレイであり、演算装置2の演算結果(船速低下率Rvの履歴および将来的な変化)を画面に表示する。
外部情報取得装置4は、風情報、波情報および潮流情報の少なくとも1つを取得する。外部情報取得装置4で取得された情報は、演算装置2へ入力される。波情報は、風波に関する情報と、うねり波に関する情報を含む。例えば、外部情報取得装置4は、風情報、波情報および潮流情報を含む海気象データを、インターネットを介して気象庁やNOAA(National Ocean and Atmosphic Administration)等の外部機関12から取得してもよい。あるいは、外部情報取得装置4は、風情報を取得するために、船舶10に設けられた風速計および風向計を含んでもよい。
データロガー5は、船舶10の運航データを記憶する。データロガー5に記憶される運航データには、上述した船速検出器31、軸出力検出器32および喫水検出器33を含む複数種類の検出器の検出値、ならびに実際に航海した航路および時期などだけでなく、演算装置2で算出される上述した船体汚損係数や推進効率なども含まれる。
次に、演算装置2が現在の船速低下率Rvを算出する方法について詳しく説明する。演算装置2のメモリには、図3に示すような、基準速力馬力曲線Cが予め記憶されている。基準速力馬力曲線Cは、基準となる船速と推進軸出力との関係を定めたものである。
基準速力馬力曲線Cとしては、類似船の推進性能や設計チャートに基づいた推定速力馬力曲線を用いてもよいし、水槽試験結果やCFD計算結果に基づいた推定速力馬力曲線を用いてもよい。あるいは、基準速力馬力曲線Cとしては、試運転における速力試験より得られた速力馬力曲線を用いてもよいし、就航データ解析により得られた速力馬力曲線を用いてもよい。さらには、基準速力馬力曲線Cは、前記の4つの方法のいずれかで求めた速力馬力曲線に、船底または推進器の付加物影響や塗装影響等を織込んで修正した速力馬力曲線を用いてもよい。なお、前記の4つの方法のいずれかで求めた速力馬力曲線は、平水中の速力馬力曲線であってもよいし、海気象等の外乱や船底状態、主機劣化等を考慮してシーマージン(Sea Margin)を織込んだ速力馬力曲線であってもよい。
まず、演算装置2は、喫水検出器33で検出された喫水に基づいて、軸出力検出器32で検出された推進軸出力P1を補正する。具体的に、演算装置2は、喫水計33aで検出される各位置での喫水および海水温から船舶10の排水量を算出する。そして、算出された排水量が基準排水量よりも少ない場合は、演算装置2は、図3中に矢印Aで示すように、それらの差異に応じて、推進軸出力P1が大きくなるように補正する。逆に、算出された排水量が基準排水量よりも多い場合は、演算装置2は、図3中に矢印Bで示すように、それらの差異に応じて、推進軸出力P1が小さくなるように補正する。
ただし、演算装置2は、必ずしも排水量を算出する必要はない。例えば、演算装置2は、喫水計33aで検出される各位置での喫水から平均喫水を算出し、この平均喫水と基準喫水とを比較した結果に基づいて、推進軸出力P1が大きくなるまたは小さくなるように補正してもよい。
次に、演算装置2は、外部情報取得装置4で取得される風情報、波情報および潮流情報の少なくとも1つに基づいて、補正後の推進軸出力P1および/または船速検出器31で検出された船速V1を補正する。本実施形態では、風情報および波情報に基づいて推進軸出力P1が補正され、潮流情報に基づいて船速V1が補正される。
風情報および波情報に基づく推進軸出力P1の補正に関し、より詳しくは、船舶10に対して風および波が船速を速めるように作用する場合には、演算装置2は、その程度に応じて、推進軸出力P1が大きくなるように補正する。逆に、船舶10に対して風および波が船速を遅くするように作用する場合には、演算装置2は、その程度に応じて、推進軸出力P1が小さくなるように補正する。
なお、推進軸出力P1に関する喫水に基づく補正と風情報および波情報に基づく補正とは順番が入れ替わってもよい。すなわち、演算装置2は、まず、外部情報取得装置4で取得される風情報および波情報に基づいて推進軸出力P1を補正し、その後に喫水検出器33で検出された喫水に基づいて補正後の推進軸出力P1をさらに補正してもよい。
潮流情報に基づく船速V1の補正に関し、より詳しくは、船舶10に対して潮流が船速を速めるように作用する場合には、演算装置2は、その程度に応じて、船速V1が遅くなるように補正する。逆に、船舶10に対して潮流が船速を遅くするように作用する場合には、演算装置2は、その程度に応じて、船速V1が速くなるように補正する。ただし、船速検出器31が対水船速を検出する場合は、潮流情報に基づく船速V1の補正は必要ない。
その後、演算装置2は、補正後の推進軸出力P1における、基準速力馬力曲線C上の船速Vs1と、補正後の船速V1とから船速低下率Rvを算出する。本実施形態では、以下の式により、船速低下率Rvが算出される。
Rv=(V1-Vs1)/Vs1×100
つまり、船速低下率Rvは、基準となる船速をゼロとする原則としてマイナスのパーセンテージである。ただし、船速低下率Rvは、以下の式で算出されてもよい。
Rv=V1/Vs1
演算装置2は、船速低下率Rvを算出する前に、喫水計33aで検出される各位置の喫水から船舶10のトリムを算出し、このトリムに基づいて基準速力馬力曲線Cを補正してもよい。例えば、演算装置2のメモリには、喫水または排水量、トリムおよび船速ごとに推進軸出力の増減を規定するトリムテーブルが予め記憶されており、基準速力馬力曲線Cは、検出された喫水または排水量、トリムおよび船速に対応するトリムテーブル中の規定値に従って補正される。
船速低下率Rvの算出後、演算装置2は、図4に示すような船速低下率Rvの履歴から、図8中に破線で示すように船速低下率Rvの将来的な変化を予測する。まず、演算装置2は、過去から現在までの船速低下率Rvの履歴に基づいて、近似曲線を作成する。近似曲線の作成には、最小二乗法を用いてもよいし、カルマンフィルターを用いてもよい。
ついで、演算装置2は、作成した近似曲線を延長した延長線を作成する。延長線は、直線であってもよいし、曲線であってもよい。例えば、近似曲線が直線である場合は、延長線は近似曲線と同一線上の直線であってもよい。あるいは、近似曲線が曲線である場合は、延長線は現在の船速低下率Rvにおける近似曲線の接線であってもよい。
本実施形態では、演算装置2が、データロガー5に記憶された運航データから船速に影響を及ぼす特定データを抽出する。運航データのうちの船速に影響を及ぼすデータとしては、上述した、図5に示すような船体汚損係数と図6に示すような推進効率などがある。演算装置2は、それらのデータのうちで最も影響が強いものを特定データとして選択する。例えば、推進効率が船速に最も強く影響を及ぼすものである場合は、演算装置2は、過去から現在までの船速低下率Rvと推進効率(特定データ)との相関関係を学習する。
その後、演算装置2は、図7中に破線で示すように推進効率(特定データ)の将来的な変化を予測する。最後に、演算装置2は、予測された推進効率の将来的な変化に基づいて、船速低下率Rvの将来的な変化を予測する。
以上説明したように、本実施形態の船舶性能解析システム1では、喫水に基づいて軸出力検出器32で検出された推進軸出力P1が補正され、この補正された推進軸出力P1を使用して船速低下率Rvが算出されるので、船速低下率Rvを正確に算出することができる。
また、本実施形態では、船速低下率Rvの将来的な変化が予測されるので、それを活用して、メンテナンスをいつ行うべきかを計画することができる。
さらに、本実施形態では、データロガー5に記憶された運航データから船速に影響を及ぼす特定データが抽出され、この特定データの将来的な変化に基づいて船速低下率Rvの将来的な変化が予測されるので、船速低下率Rvの将来の予測精度を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、図10を参照して、本発明の第2実施形態に係る船舶性能解析システムを説明する。本実施形態の船舶性能解析システムが第1実施形態の船舶解析システム1と異なる点は、船速低下率Rvの算出方法だけであり、船速低下率Rvの将来的な変化の予測方法は第1実施形態と同様である。以下に、船速低下率Rvの算出方法を説明する。
まず、演算装置2は、喫水検出器33で検出された喫水に基づいて基準速力馬力曲線Cを補正する。具体的に、演算装置2は、喫水計33aで検出される各位置での喫水および海水温から船舶10の排水量を算出する。そして、算出された排水量が基準排水量よりも少ない場合は、演算装置2は、図10中に一点鎖線で示すように、それらの差異に応じて、基準速力馬力曲線Cが船速が速くなる方向に拡大されるように補正する。逆に、算出された排水量が基準排水量よりも多い場合は、演算装置2は、図10中に二点鎖線で示すように、それらの差異に応じて、基準速力馬力曲線Cが船速が遅くなる方向に縮小されるように補正する。
ただし、演算装置2は、必ずしも排水量を算出する必要はない。例えば、演算装置2は、喫水計33aで検出される各位置での喫水から平均喫水を算出し、この平均喫水と基準喫水とを比較した結果に基づいて、基準速力馬力曲線Cを拡大または縮小するように補正してもよい。
次に、演算装置2は、外部情報取得装置4で取得される風情報、波情報および潮流情報の少なくとも1つに基づいて、軸出力検出器32で検出された推進軸出力P1および/または船速検出器31で検出された船速V1を補正する。本実施形態では、第1実施形態と同様に、風情報および波情報に基づいて推進軸出力P1が補正され、潮流情報に基づいて船速V1が補正される。
その後、演算装置2は、補正後の推進軸出力P1における、補正後の速力馬力曲線C上の船速Vs1と、補正後の船速V1とから船速低下率Rvを算出する。本実施形態では、以下の式により、船速低下率Rvが算出される。
Rv=(V1-Vs1)/Vs1×100
なお、演算装置2は、船速低下率Rvを算出する前に、喫水計33aで検出される各位置の喫水から船舶10のトリムを算出し、このトリムに基づいて補正後の速力馬力曲線Cをさらに補正してもよい。トリムに基づく速力馬力曲線Cの補正方法は、第1実施形態で説明したとおりである。
以上説明したように、本実施形態での船舶性能解析システムでは、喫水に基づいて速力馬力曲線Cが補正され、この補正された速力馬力曲線Cを使用して船速低下率Rvが算出されるので、船速低下率Rvを正確に算出することができる。
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、喫水検出器33で検出された喫水は、必ずしも演算装置2へ入力される必要はなく、船舶10の乗員に対して表示されるだけであってもよい。この場合、乗員が喫水および海水温から排水量を算出し、算出した排水量を入力装置6を介して演算装置2へ入力してもよい。
また、演算装置2は、必ずしも、風情報、波情報および潮流情報の少なくとも1つに基づいて、船速検出器31で検出された船速V1および/または軸出力検出器32で検出された推進軸出力P1を補正する必要はない。ただし、前記第1および第2実施形態のように、船速検出器31で検出された船速V1および/または軸出力検出器32で検出された推進軸出力P1を風情報、波情報および潮流情報の少なくとも1つに基づいて補正した後に船速低下率Rvを算出すれば、船速低下率Rvをさらに正確に算出することができる。
また、演算装置2は、図9に示すように、将来的にメンテナンスを行う場合と行わない場合のそれぞれに対し、船速低下率Rvの将来的な変化を予測してもよい。メンテナンスを行う時期は、入力装置6を介して演算装置2へ入力される。この構成によれば、メンテナンスを行う場合と行わない場合との効果上の差異を確認しながら、メンテナンス計画を立案することができる。
また、船速低下率Rvの将来の予測精度を向上させるには、演算装置2は、次のような処理を行ってもよい。
まず、演算装置2は、データロガー5に記憶された運航データに基づいて、航路別に航路と船速低下率Rvとの相関関係を学習するとともに、時期別に時期と船速低下率Rvとの相関関係を学習する。例えば、偏西風の影響を大きく受ける航路と、偏西風の影響をそれほど受けない航路とでは、船速低下率Rvの変化率が異なる。船速低下率Rvの変化率は、時期によっても異なることがある。時期別とは、例えば、季節別であってもよいし、月別であってもよい。
そして、演算装置2は、将来の航海の予定航路と同一または類似の航路と船速低下率Rvとの相関関係および将来の航海の予定時期と同一または類似の時期と船速低下率Rvとの相関関係に基づいて、船速低下率Rvの将来的な変化を予測する。
さらに、船速低下率Rvを算出する代わりに、馬力(推進軸出力)増加率を算出し、馬力増加率の将来的な変化を予測することも可能である。さらには、馬力増加率を船体抵抗増加率に換算し、船体抵抗増加率の将来的な変化を予測することも可能である。
また、喫水検出器33を用いる代わりに、積荷量や燃料量を管理するローディングコンピュータを含む船舶では、ローディングコンピュータで算出される排水量を使用してもよい。
1 船舶性能解析システム
10 船舶
2 演算装置
31 船速検出器
32 軸出力検出器
33 喫水検出器
5 データロガー

Claims (7)

  1. 船舶の速度である船速を検出する船速検出器と、
    前記船舶の推進軸出力を検出する軸出力検出器と、
    前記船舶の喫水を検出する喫水検出器と、
    基準速力馬力曲線が予め記憶された演算装置と、を備え、
    前記演算装置は、前記喫水検出器で検出された喫水に基づいて前記船舶の排水量を算出し、前記軸出力検出器で検出された推進軸出力を、算出した排水量が基準排水量よりも少ない場合は前記推進軸出力が大きくなり、算出した排水量が前記基準排水量よりも多い場合は前記推進軸出力が小さくなるように補正し、補正後の推進軸出力における、基準速力馬力曲線上の船速と前記船速検出器で検出された船速とから船速低下率を算出する、船舶性能解析システム。
  2. 船舶の速度である船速を検出する船速検出器と、
    前記船舶の推進軸出力を検出する軸出力検出器と、
    前記船舶の喫水を検出する喫水検出器と、
    基準速力馬力曲線が予め記憶された演算装置と、を備え、
    前記演算装置は、前記喫水検出器で検出された喫水に基づいて前記船舶の排水量を算出し前記基準速力馬力曲線を、算出した排水量が基準排水量よりも少ない場合は前記基準速力馬力曲線が船速が速くなる方向に拡大され、算出した排水量が前記基準排水量よりも多い場合は前記基準速力馬力曲線が船速が遅くなる方向に縮小されるように補正し、前記軸出力検出器で検出された推進軸出力における、補正後の速力馬力曲線上の船速と前記船速検出器で検出された船速とから船速低下率を算出する、船舶性能解析システム。
  3. 前記演算装置は、前記船速低下率を算出する前に、前記船速検出器で検出された船速および/または前記軸出力検出器で検出された推進軸出力を、風情報、波情報および潮流情報の少なくとも1つに基づいて補正する、請求項1または2に記載の船舶性能解析システム。
  4. 前記演算装置は、前記船速低下率の履歴から、前記船速低下率の将来的な変化を予測する、請求項1~3の何れか一項に記載の船舶性能解析システム。
  5. 前記演算装置は、将来的にメンテナンスを行う場合と行わない場合のそれぞれに対し、前記船速低下率の将来的な変化を予測する、請求項4に記載の船舶性能解析システム。
  6. 前記船舶の運航データを記憶するデータロガーをさらに備え、
    前記演算装置は、前記データロガーに記憶された運航データから船速に影響を及ぼす特定データを抽出し、前記船速低下率と前記特定データとの相関関係を学習し、かつ、
    前記特定データの将来的な変化を予測し、予測された前記特定データの将来的な変化に基づいて、前記船速低下率の将来的な変化を予測する、請求項4または5に記載の船舶性能解析システム。
  7. 前記船舶の運航データを記憶するデータロガーをさらに備え、
    前記演算装置は、前記運航データ中の航路別に航路と船速低下率との相関関係を学習するとともに、前記運航データ中の時期別に時期と船速低下率との相関関係を学習し、かつ、
    将来の航海の予定航路と同一または類似の航路と船速低下率との相関関係および将来の航海の予定時期と同一または類似の時期と船速低下率との相関関係に基づいて、前記船速低下率の将来的な変化を予測する、請求項4~6の何れか一項に記載の船舶性能解析システム。
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