JP6271331B2 - アセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンの製造方法 - Google Patents

アセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンを製造する方法に関する。
アセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンを製造する方法として、例えば、特許文献1には、シリカを含む担体に、第1族金属元素を含む化合物、第2族金属元素を含む化合物、第1族金属元素及び第2族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも一種が担持されてなる触媒の存在下に、アセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンを製造する方法が開示されている。
特開2013−139428号公報
しかしながら、上記従来の方法では、触媒活性の持続性の点で、必ずしも満足のいくものではなく、長期間にわたり生産性良くアセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンを製造しうる方法が望まれていた。
そこで、本発明の目的は、長期間にわたり生産性良くアセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンを製造する方法を提供することにある。
かかる状況下、本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)担体に、第1族元素及び第2族元素からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素(A)と、第3族元素、第4族元素及び第13族元素からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素(B)とが担持されてなる触媒の存在下に、下記式(I)
Figure 0006271331
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは一緒になって、Rが結合する炭素原子と、Rが結合する炭素原子と、それらの炭素原子が結合する炭素原子と共に炭素数5〜15の環を形成し、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成するか、あるいは
及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示される化合物〔以下、ケトン化合物(I)ということがある。〕及び下記式(II)
Figure 0006271331
(式中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成するか、あるいは
及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示される化合物〔以下、ケトン化合物(II)ということがある。〕からなる群より選ばれる少なくとも一種を脱水反応させることを特徴とするアセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンの製造方法。
(2)前記担体が、シリカを含む担体である前記(1)に記載の製造方法。
(3)前記触媒において、元素(B)が、元素(A)1モルに対して0.01〜5モル担持されてなる前記(1)〜(2)のいずれかに記載の製造方法。
(4)第3族元素が、スカンジウム、イットリウム、ランタン及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、第4族元素が、チタン、ジルコニウム及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、第13族元素が、アルミニウム、ガリウム、インジウム及びタリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)第1族元素が、カリウム及びセシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、第2族元素が、マグネシウムである前記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)式(I)で示される化合物がアセトンである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法によりアセチレン結合を有する化合物又はアセチレン結合を有する化合物とジエンとを製造し、得られたアセチレン結合を有する化合物を、第10族金属化合物、プロトン酸及びホスフィン化合物を含む触媒の存在下、ヒドロキシル基を有する化合物及び一酸化炭素と反応させることを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
(8)前記(1)〜(7)に記載の触媒において、担体がシリカ、元素(A)がセシウム、元素(B)がセリウムであって、XPSスペクトル測定による表面セリウム濃度が0.2原子%以上10.0原子%以下であることを特徴とする触媒。
本発明によれば、長期間にわたり生産性良くアセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンを得ることができる。
セシウム3d5/2ピークのバックグラウンド補正線を含むXPSスペクトルをの例を示す。 セリウム3dピークのバックグラウンド補正線を含むXPSスペクトルの例を示す。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の製造方法に用いる触媒は、担体に、第1族元素及び第2族元素からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素(A)と、第3族元素、第4族元素及び第13族元素からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素(B)とが担持されてなる触媒である。尚、かかる第1族元素、第2族元素、第3族元素、第4族元素及び第13族元素は、触媒に、単体の状態で含まれていてもよいし、化合物の状態で含まれていてもよい。
前記元素(A)としては、第1族元素又は第1族元素と第2族元素との組合せが好ましい。第1族元素と第2族元素とを組合せて使用することにより、高い選択率でアセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンを得ることができる。前記第1族元素としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられ、これらの2種以上であってもよい。中でも、脱水反応において高い選択率を示しつつ良好な触媒寿命を有する触媒が得られる点で、カリウム、セシウムが好ましい。前記元素(B)としては、脱水反応において高い選択率を示す触媒が得られる点で、第3族元素が望ましい。
前記第2族元素としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられ、これらの2種以上であってもよい。中でも、脱水反応において高い選択率を示しつつ良好な触媒寿命を有する触媒が得られる点で、マグネシウム、バリウムが好ましく、マグネシウムがより好ましい。
前記第3族元素としては、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム等が挙げられ、これらの2種以上であってもよい。中でも、良好な触媒寿命を有する触媒が得られる点で、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウムが好ましく、セリウムがより好ましい。
前記第4族元素としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられ、これらの2種以上であってもよい。中でも、良好な触媒寿命を有する触媒が得られる点で、ジルコニウムが好ましい。
前記第13族元素としては、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムが挙げられ、これらの2種以上であってもよい。中でも、良好な触媒寿命を有する触媒が得られる点で、アルミニウムが好ましい。
前記触媒において、元素(A)と元素(B)との含有割合は、元素(A)1モルに対して、元素(B)が0.01〜5モルの範囲であることが好ましく、0.05〜1モルの範囲であることがより好ましく、0.1〜0.6モルの範囲であることがさらに好ましく、0.2〜0.4モルの範囲であることがさらにより好ましい。元素(A)1モルに対して元素(B)を0.01モル以上とすることにより、より良好な触媒寿命を有する触媒が得られる傾向にあり、元素(A)1モルに対して元素(B)を1モル以下とすることにより、アセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンがより高い選択率で得られる傾向にある。尚、元素(A)及び元素(B)のそれぞれが、2種以上の元素である場合には、2種以上の元素の合計含有量の割合が上記範囲となればよい。
前記触媒における元素(A)と元素(B)との合計含有量は、触媒に対して、元素(A)と元素(B)との合計重量として0.01〜30重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.1〜15重量%である。元素(A)と元素(B)との合計含有量を0.01重量%以上とすることにより、より良好な触媒活性を有する触媒が得られる傾向にあり、元素(A)と元素(B)との合計含有量を30重量%以下とすることにより、アセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンがより高い選択率で得られる傾向にある。尚、元素(A)及び元素(B)のそれぞれが、2種以上の元素である場合には、元素(A)及び元素(B)のそれぞれにおける2種以上の元素の合計含有量を考慮して、元素(A)及び元素(B)との合計含有量が上記範囲となればよい。
前記触媒は、好ましくは成形体として使用される。その形状としては、例えば、球形粒状、円柱状、ペレット状、押出形状、リング形状、ハニカム状あるいは成形後に粉砕分級した適度の大きさの顆粒状等が挙げられる。成形体は、使用される反応方式に合わせて形状が選択され、例えば、固定床反応や疑似移動床の触媒として使用する場合は、上述の各種形状の成形体が使用される。この際、成形体の直径としては10mm以下であることが好ましい。成形体の直径が大きすぎると、脱水反応の転化率が低くなることがある。成形体の直径の下限は特に制限はないが、過度に小さくなると、触媒層での圧力損失が大きくなるため、通常は0.5mm以上のものが用いられる。流動床反応や移動床反応の触媒として使用する場合は、平均粒径1〜1000μm程度の球形粒状の成形体が好ましく使用され、特に流動床反応においては平均粒径10〜500μmの球形粒状の成形体が好ましく使用される。尚、ここでいう成形体の直径とは、球形粒状では球の直径、円柱状では円形断面の直径、その他の形状では断面の最大直径を意味する。
前記触媒がセリウムを含む場合、かかる触媒は、X線光電子分光(X−ray Photoelectron Spectroscopy、XPS)法により測定される炭素を除く元素の合計量を100原子%としたときの表面セリウム濃度が、0.2〜10.0原子%であることが好ましく、0.25〜8.0原子%であることがより好ましく、0.3〜6.0原子%であることがさらに好ましい。表面セリウム濃度を0.2原子%以上とすることにより、より良好な触媒寿命を有する触媒が得られる傾向にあり、表面セリウム濃度を10.0原子%以下とすることにより、アセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンがより高い選択率で得られる傾向にある。尚、前記触媒がセリウム及びセシウムを含む場合、XPS測定による表面セリウム濃度の算出は、セリウム3dの910〜915eVのピークがセシウムのオージェピークと重なるため、セリウム3dの910〜915eVのピークを考慮せずに行うものとする。
上述の、担体に元素(A)と元素(B)とが担持されてなる触媒としては、(i)担体に、前記元素(A)と、前記元素(B)とが含浸又は混練により担持されてなる触媒、(ii)前記元素(A)と前記元素(B)とでイオン交換されてなる、樹脂、粘土又は層状化合物、等が挙げられ、中でも、前記(i)が好ましい。
前記(i)で使用される担体としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化ハフニウム、酸化カルシウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化ネオジム、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化タングステン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、活性炭等が挙げられ、それらの2種以上の混合物であってもよいし、また、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化ハフニウム、酸化カルシウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化ネオジム、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化タングステン等の酸化物の二種以上の複合酸化物であってもよい。該担体としては、良好な触媒寿命を有する触媒が得られる点で、シリカを含む担体が好ましい。
前記のシリカを含む担体においては、シリカ以外に、チタニア、ジルコニア、酸化ニオブ、酸化スズ等の酸化物が含まれていてもよい。前記のシリカを含む担体は、シリカ単独の担体、すなわちシリカからなる担体であってもよいし、シリカとシリカ以外の酸化物との複合酸化物であってもよいし、シリカとシリカ以外の酸化物との混合物であってもよい。前記のシリカを含む担体におけるシリカの含有量は、50重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、99重量%以上がより好ましい。
前記(i)の触媒において、元素(A)と元素(B)の分布様式としては例えば、外層担持(エッグシェル型)、内層担持(エッグホワイト型)、中心担持(エッグヨーク型)、均一担持(ユニフォーム型)等を挙げることができるが、高い選択率でアセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンを得られる点で、外層担持が好ましい。
前記(i)の触媒において、担体に元素(A)と元素(B)とを担持させる方法としては、例えば、(i−a)あらかじめ成形し、球形粒状、円柱状、ペレット状、押出形状、リング形状、ハニカム状あるいは成形後に粉砕分級した適度の大きさの顆粒状とした担体に元素(A)と元素(B)とを含浸させる方法、(i−b)粉末状の担体と元素(A)と元素(B)とを混練させて、造粒、押出又は打錠により、球形粒状、円柱状、ペレット状、押出形状、リング形状、ハニカム状あるいは成形後に粉砕分級した適度の大きさの顆粒状とする方法が挙げられる。
前記(i−a)の方法で含浸させる際に、元素(A)と元素(B)は同時に含浸しても、別々に含浸してもよいが、より長い寿命を有する触媒を得るためには、同時に含浸することが好ましい。含浸の際の温度は、通常、室温から100℃程度であり、その圧力は、通常0.001〜1MPaである。
前記(i−b)の方法で混練させる際に、元素(A)と元素(B)は同時に混練しても、別々に混練してもよい。成形助剤として、有機物あるいは無機物を添加することができる。混練の際の温度は、通常、室温から100℃程度であり、その圧力は、通常0.001〜1MPaである。混練の後に成形を行うが、成形方法としては例えば造粒、押出、打錠を挙げることができる。押出法により成形する際の温度は、通常、室温から100℃程度であり、その圧力は通常0.1〜100MPaである。
前記(i)の触媒の調製においては、担体へ元素(A)と元素(B)を担持させ、必要に応じて、乾燥させる。かかる乾燥方法としては、従来公知の方法を採用することができ、静置させて乾燥させても良いし、回転させながら乾燥させてもよいが、高い選択率でアセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンを得ることが可能な外層担持の触媒を得られる点で、回転させながら乾燥させることが好ましい。その温度は、通常、室温から200℃程度であり、その圧力は、通常0.001〜1MPaである。乾燥速度は通常、1時間の間に担体1gについて0.001〜1gの水が揮発する速度である。乾燥速度が遅すぎると高い選択率でアセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンを得ることが可能な外層担持の触媒を得にくいおそれがある。また乾燥速度が速すぎると、元素(A)と元素(B)が表面で凝集し、触媒性能が損なわれるおそれがある。かかる乾燥は、空気雰囲気下や窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化酸素等の不活性ガス雰囲気下で行うことができ、この際、水蒸気を含んでいてもよい。
前記(i)の触媒の調製においては、元素(A)を含む化合物と元素(B)を含む化合物とを担体に担持した後、焼成を行うことが好ましい。上記の乾燥を施した場合は、乾燥の後に焼成を行うことが好ましい。該焼成は、酸化性ガス、還元性ガス又は不活性ガスの雰囲気下で行うことができ、これらのガス雰囲気下を組み合わせて多段階で行ってもよい。酸化性ガスとは、酸化性物質を含むガスであり、例えば、酸素含有ガスが挙げられる。その酸素濃度は通常1〜30容量%程度である。この酸素源としては、通常、空気や純酸素が用いられ、必要に応じて不活性ガスで希釈される。酸化性ガスは、中でも、空気が好ましい。還元性ガスとは、還元性物質を含むガスであり、例えば、水素含有ガス、一酸化炭素含有ガス、炭化水素含有ガス等が挙げられる。その水素、一酸化炭素又は炭化水素の濃度としては、通常、1〜30容量%程度であり、例えば、不活性ガスや水蒸気で濃度調整される。還元性ガスは、中でも、水素含有ガス、一酸化炭素含有ガスが好ましい。前記不活性ガスとしては、例えば窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられ、必要に応じて水蒸気で希釈される。不活性ガスは、中でも、窒素が好ましい。焼成温度は、通常100〜1000℃、好ましくは200〜800℃である。昇温速度は通常10〜1000℃/時間であり、好ましくは50〜600℃/時間である。昇温速度が遅いと触媒の生産性が悪くなる恐れがある。また、昇温速度が速いと、触媒寿命が短くなる恐れがある。
前記(i)の触媒のBET比表面積は、好ましくは1〜800m/g、より好ましくは1〜400m/gである。BET比表面積が1m/gより小さいと、担持した元素(A)及び元素(B)の分散度が低下するおそれがある。また、BET比表面積が800m/gより大きいと、触媒の熱安定性が低下するおそれがある。ここで、BET比表面積は、窒素吸着法を原理とする比表面積測定装置を用いて測定して得られる値である。
前記(i)の触媒の細孔容積としては、好ましくは0.05〜2.5ml/g、より好ましくは0.1〜1.5ml/gである。細孔容積が0.05ml/gより小さいと、細孔径が小さくなりすぎて触媒活性が低くなるおそれがある。また、細孔容積が1.5ml/gより大きいと、担体の強度が低下して触媒が劣化し易くなるおそれがある。尚、細孔容積は、水銀圧入法で測定して得られる値である。
上述の、担体に元素(A)と元素(B)とが担持されてなる触媒の調製時には、元素(A)を含む化合物と元素(B)を含む化合物とを原料に用いることが好ましい。元素(A)を含む化合物としては、第1族元素を含む化合物、第2族元素を含む化合物、第1族元素と第2族元素とを含む化合物が挙げられる。元素(B)を含む化合物としては、第3族元素を含む化合物、第4族元素を含む化合物、第13族元素を含む化合物、第3族元素と第4族元素とを含む化合物、第3族元素と第13族元素とを含む化合物、第4族元素と第13族元素とを含む化合物、第3族元素と第4族元素と第13族元素とを含む化合物が挙げられる。
第1族元素を含む化合物としては、リチウム化合物、ナトリウム化合物、カリウム化合物、ルビジウム化合物、セシウム化合物が挙げられる。これらの化合物においては、ハロゲン化物、硝酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物、ケイ酸塩等が使用でき、中でも、ハロゲン化物、硝酸塩が好ましい。第1族金属元素のハロゲン化物の中でも、第1族金属元素の塩化物が好ましい。
リチウム化合物としては、フッ化リチウム(LiF)、塩化リチウム(LiCl)、臭化リチウム(LiBr)、ヨウ化リチウム(LiI)等のハロゲン化リチウム;炭酸リチウム(LiCO)、炭酸水素リチウム(LiHCO)、硫酸リチウム(LiSO)、硫酸水素リチウム(LiHSO)、亜硫酸リチウム(LiSO)、亜硫酸水素リチウム(LiHSO)、硝酸リチウム(LiNO)、亜硝酸リチウム(LiNO)、チオ硫酸リチウム(Li)、ケイ酸リチウム(LiO・nSiO、n=1〜4[モル比])、リン酸三リチウム(LiPO)、ホウ酸リチウム(LiBO)、次亜塩素酸リチウム(LiClO)、亜塩素酸リチウム(LiClO)、塩素酸リチウム(LiClO)、過塩素酸リチウム(LiClO)等のオキソ酸塩;酸化リチウム(LiO)、過酸化リチウム(Li)、水酸化リチウム(LiOH)等の酸化物及び水酸化物;酢酸リチウム(CHCOOLi)、クエン酸リチウム等の有機酸塩;水素化リチウム(LiH);硫化リチウム(LiS);硫化水素リチウム(水硫化リチウム)(LiHS);水素化ホウ素リチウム(LiBH);等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
ナトリウム化合物としては、フッ化ナトリウム(NaF)、塩化ナトリウム(NaCl)、臭化ナトリウム(NaBr)、ヨウ化ナトリウム(NaI)等のハロゲン化ナトリウム;炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸水素ナトリウム(NaHSO)、亜硫酸ナトリウム(NaSO)、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO)、硝酸ナトリウム(NaNO)、亜硝酸ナトリウム(NaNO)、チオ硫酸ナトリウム(Na)、ケイ酸ナトリウム(NaO・nSiO、n=1〜4[モル比])、リン酸三ナトリウム(NaPO)、ホウ酸ナトリウム(NaBO)、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、塩素酸ナトリウム(NaClO)、過塩素酸ナトリウム(NaClO)等のオキソ酸塩;酸化ナトリウム(NaO)、過酸化ナトリウム(Na)、水酸化ナトリウム(NaOH)等の酸化物及び水酸化物;酢酸ナトリウム(CHCOONa)、クエン酸ナトリウム等の有機酸塩;水素化ナトリウム(NaH);硫化ナトリウム(NaS);硫化水素ナトリウム(水硫化ナトリウム)(NaHS);水素化ホウ素ナトリウム(NaBH);等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
カリウム化合物としては、フッ化カリウム(KF)、塩化カリウム(KCl)、臭化カリウム(KBr)、ヨウ化カリウム(KI)等のハロゲン化カリウム;炭酸カリウム(KCO)、炭酸水素カリウム(KHCO)、硫酸カリウム(KSO)、硫酸水素カリウム(KHSO)、亜硫酸カリウム(KSO)、亜硫酸水素カリウム(KHSO)、硝酸カリウム(KNO)、亜硝酸カリウム(KNO)、チオ硫酸カリウム(K)、ケイ酸カリウム(KO・nSiO、n=1〜4[モル比])、リン酸三カリウム(KPO)、ホウ酸カリウム(KBO)、次亜塩素酸カリウム(KClO)、亜塩素酸カリウム(KClO)、塩素酸カリウム(KClO)、過塩素酸カリウム(KClO)等のオキソ酸塩;酸化カリウム(KO)、過酸化カリウム(K)、水酸化カリウム(KOH)等の酸化物及び水酸化物;酢酸カリウム(CHCOOK)、クエン酸カリウム等の有機酸塩;水素化カリウム(KH);硫化カリウム(KS);硫化水素カリウム(水硫化カリウム)(KHS);水素化ホウ素カリウム(KBH);等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
ルビジウム化合物としては、フッ化ルビジウム(RbF)、塩化ルビジウム(RbCl)、臭化ルビジウム(RbBr)、ヨウ化ルビジウム(RbI)等のハロゲン化ルビジウム;炭酸ルビジウム(RbCO)、炭酸水素ルビジウム(RbHCO)、硫酸ルビジウム(RbSO)、硫酸水素ルビジウム(RbHSO)、亜硫酸ルビジウム(RbSO)、亜硫酸水素ルビジウム(RbHSO)、硝酸ルビジウム(RbNO)、亜硝酸ルビジウム(RbNO)、チオ硫酸ルビジウム(Rb)、ケイ酸ルビジウム(RbO・nSiO、n=1〜4[モル比])、リン酸三ルビジウム(RbPO)、ホウ酸ルビジウム(RbBO)、次亜塩素酸ルビジウム(RbClO)、亜塩素酸ルビジウム(RbClO)、塩素酸ルビジウム(RbClO)、過塩素酸ルビジウム(RbClO)等のオキソ酸塩;酸化ルビジウム(RbO)、過酸化ルビジウム(Rb)、水酸化ルビジウム(RbOH)等の酸化物及び水酸化物;酢酸ルビジウム(CHCOORb)、クエン酸ルビジウム等の有機酸塩;水素化ルビジウム(RbH);硫化ルビジウム(RbS);硫化水素ルビジウム(水硫化ルビジウム)(RbHS);水素化ホウ素ルビジウム(RbBH);等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
セシウム化合物としては、フッ化セシウム(CsF)、塩化セシウム(CsCl)、臭化セシウム(CsBr)、ヨウ化セシウム(CsI)等のハロゲン化セシウム;炭酸セシウム(CsCO)、炭酸水素セシウム(CsHCO)、硫酸セシウム(CsSO)、硫酸水素セシウム(CsHSO)、亜硫酸セシウム(CsSO)、亜硫酸水素セシウム(CsHSO)、硝酸セシウム(CsNO)、亜硝酸セシウム(CsNO)、チオ硫酸セシウム(Cs)、ケイ酸セシウム(CsO・nSiO、n=1〜4[モル比])、リン酸三セシウム(CsPO)、ホウ酸セシウム(CsBO)、次亜塩素酸セシウム(CsClO)、亜塩素酸セシウム(CsClO)、塩素酸セシウム(CsClO)、過塩素酸セシウム(CsClO)等のオキソ酸塩;酸化セシウム(CsO)、過酸化セシウム(Cs)、水酸化セシウム(CsOH)等の酸化物及び水酸化物;酢酸セシウム(CHCOOCs)、クエン酸セシウム等の有機酸塩;水素化セシウム(CsH);硫化セシウム(CsS);硫化水素セシウム(水硫化セシウム)(CsHS);水素化ホウ素セシウム(CsBH);等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
第2族元素を含む化合物としては、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、ストロンチウム化合物、バリウム化合物が挙げられる。これらの化合物においては、ハロゲン化物、硝酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物、ケイ酸塩等が使用でき、中でも、ハロゲン化物、硝酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物が好ましく、ハロゲン化物、硝酸塩がより好ましい。第2族金属元素のハロゲン化物の中でも、第2族金属元素の塩化物が好ましい。
マグネシウム化合物としては、フッ化マグネシウム(MgF)、塩化マグネシウム(MgCl)、臭化マグネシウム(MgBr)、ヨウ化マグネシウム(MgI)等のハロゲン化マグネシウム;炭酸マグネシウム(MgCO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、亜硫酸マグネシウム(MgSO)、硝酸マグネシウム(Mg(NO)、亜硝酸マグネシウム(Mg(NO)、チオ硫酸マグネシウム(MgS)、ケイ酸マグネシウム(MgO・nSiO、n=1〜4[モル比])、リン酸マグネシウム(MgHPO)、ホウ酸マグネシウム(MgB)等のオキソ酸塩;酸化マグネシウム(MgO)、過酸化マグネシウム(MgO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))等の酸化物及び水酸化物;酢酸マグネシウム(Mg(CHCOO))、クエン酸マグネシウム等の有機酸塩;水素化マグネシウム(MgH);硫化マグネシウム(MgS);等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
カルシウム化合物としては、フッ化カルシウム(CaF)、塩化カルシウム(CaCl)、臭化カルシウム(CaBr)、ヨウ化カルシウム(CaI)などのハロゲン化カルシウム;炭酸カルシウム(CaCO)、硫酸カルシウム(CaSO)、亜硫酸カルシウム(CaSO)、硝酸カルシウム(Ca(NO)、亜硝酸カルシウム(Ca(NO)、チオ硫酸カルシウム(CaS)、ケイ酸カルシウム(CaO・nSiO、n=1〜4[モル比])、リン酸カルシウム(CaHPO)、ホウ酸カルシウム(CaB)等のオキソ酸塩;酸化カルシウム(CaO)、過酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH))等の酸化物及び水酸化物;酢酸カルシウム(Ca(CHCOO))、クエン酸カルシウム等の有機酸塩;水素化カルシウム(CaH);硫化カルシウム(CaS);等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
ストロンチウム化合物としては、フッ化ストロンチウム(SrF)、塩化ストロンチウム(SrCl)、臭化ストロンチウム(SrBr)、ヨウ化ストロチウム(SrI)等のハロゲン化ストロンチウム;炭酸ストロンチウム(SrCO)、硫酸ストロンチウム(SrSO)、亜硫酸ストロンチウム(SrSO)、硝酸ストロンチウム(Sr(NO)、亜硝酸ストロンチウム(Sr(NO)、チオ硫酸ストロンチウム(SrS)、ケイ酸ストロンチウム(SrO・nSiO、n=1〜4[モル比])、リン酸ストロンチウム(SrHPO)、ホウ酸ストロンチウム(SrB)等のオキソ酸塩;酸化ストロンチウム(SrO)、過酸化ストロンチウム(SrO)、水酸化ストロンチウム(Sr(OH))等の酸化物及び水酸化物;酢酸ストロンチウム(Sr(CHCOO))、クエン酸ストロンチウム等の有機酸塩;水素化ストロンチウム(SrH);硫化ストロンチウム(SrS);等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
バリウム化合物としては、フッ化バリウム(BaF)、塩化バリウム(BaCl)、臭化バリウム(BaBr)、ヨウ化ストロチウム(BaI)等のハロゲン化バリウム;炭酸バリウム(BaCO)、硫酸バリウム(BaSO)、亜硫酸バリウム(BaSO)、硝酸バリウム(Ba(NO)、亜硝酸バリウム(Ba(NO)、チオ硫酸バリウム(BaS)、ケイ酸バリウム(BaO・nSiO、n=1〜4[モル比])、リン酸バリウム(BaHPO)、ホウ酸バリウム(BaB)等のオキソ酸塩;酸化バリウム(BaO)、過酸化バリウム(BaO)、水酸化バリウム(Ba(OH))等の酸化物及び水酸化物;酢酸バリウム(Ba(CHCOO))、クエン酸バリウム等の有機酸塩;水素化バリウム(BaH);硫化バリウム(BaS);等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
第3族元素を含む化合物としては、スカンジウム化合物、イットリウム化合物、ランタン化合物、セリウム化合物、プラセオジム化合物、ネオジム化合物、サマリウム化合物、ユウロピウム化合物、ガドリニウム化合物、テルビウム化合物、ジスプロシウム化合物、ホルミウム化合物、エルビウム化合物、ツリウム化合物、イッテルビウム化合物、ルテチウム化合物等が挙げられる。これらの化合物においては、ハロゲン化物、硝酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物、ケイ酸塩等が使用でき、中でも、ハロゲン化物、硝酸塩が好ましく、硝酸塩がより好ましい。第3族金属元素のハロゲン化物の中でも、第3族金属元素の塩化物が好ましい。
スカンジウム化合物としては、塩化スカンジウム、硫酸スカンジウム、硝酸スカンジウム、酸化スカンジウム、酢酸スカンジウム、スカンジウムトリフラート、スカンジウムアセチルアセトン等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
イットリウム化合物としては、塩化イットリウム、硫酸イットリウム、硝酸イットリウム、酸化イットリウム、酢酸イットリウム、イットリウムトリフラート等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
ランタン化合物としては、塩化ランタン、硫酸ランタン、硝酸ランタン、酸化ランタン、酢酸ランタン、ランタントリフラート等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
セリウム化合物としては、フッ化セリウム(CeF)、塩化セリウム(CeCl)、臭化セリウム(CeBr)、ヨウ化セリウム(CeI)等のハロゲン化セリウム;炭酸セリウム(Ce(CO)、硫酸セリウム(III)(Ce(SO)、硫酸セリウム(IV)(Ce(SO)、硝酸セリウム(Ce(NO)、亜硝酸セリウム(Ce(NO)等のオキソ酸塩;酸化セリウム(III)(Ce)、酸化セリウム(IV)(CeO)、水酸化セリウム(Ce(OH))等の酸化物及び水酸化物;酢酸セリウム(Ce(CHCOO))、クエン酸セリウム等の有機酸塩;硫化セリウム(Ce);等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
第4族元素を含む化合物としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物、ハフニウム化合物が挙げられる。これらの化合物においては、ハロゲン化物、硝酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、ケイ酸塩、アルコキシド化合物等が使用でき、中でも、ハロゲン化物、硝酸塩、オキシ硝酸塩が好ましく、硝酸塩、オキシ硝酸塩がより好ましい。第4族金属元素のハロゲン化物の中でも、第4族金属元素の塩化物が好ましい。
チタン化合物としては、三塩化チタン(TiCl)、四塩化チタン(TiCl)、四臭化チタン(TiBr)、四フッ化チタン(TiF)、四ヨウ化チタン(TiI)等のハロゲン化チタン;四硝酸チタン(Ti(NO)、二硫酸チタン(Ti(SO)、リン酸チタン(Ti(PO)等のオキソ酸塩;酸化チタン(TiO)、水酸化チタン(Ti(OH))等の酸化物及び水酸化物;Ti(OR10(以下、R10は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)等のチタンアルコキシド;TiCl(OR10、TiCl(OR10、TiCl(OR10)等のチタンのハロゲン化アルコキシド化合物;四酢酸チタン(Ti(CHCOO))等のチタンの有機酸塩;等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
ジルコニウム化合物としては、三塩化ジルコニウム(ZrCl)、四塩化ジルコニウム(ZrCl)、三臭化ジルコニウム(ZrBr)、四臭化ジルコニウム(ZrBr)、四フッ化ジルコニウム(ZrF)、四ヨウ化ジルコニウム(ZrI)等のハロゲン化ジルコニウム;四硝酸チタン(Ti(NO)、四硝酸ジルコニウム(Zr(NO)、二硫酸チタン(Ti(SO)、二硫酸ジルコニウム(Zr(SO)、リン酸チタン(Ti(PO)、リン酸ジルコニウム(Zr(PO)等のオキソ酸塩;硝酸ジルコニル(ZrO(NO)等のジルコニウムのオキシ硝酸塩;酸化ジルコニウム(ZrO)、水酸化ジルコニウム(Zr(OH))等の酸化物及び水酸化物;Zr(OR10等のジルコニウムアルコキシド;ZrCl(OR、ZrCl(OR10、ZrCl(OR10)等のジルコニウムのハロゲン化アルコキシド化合物;四酢酸ジルコニウム(Zr(CHCOO))等のジルコニウムの有機酸塩;等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
ハフニウム化合物としては、三塩化ハフニウム(HfCl)、四塩化ハフニウム(HfCl)、四臭化ハフニウム(HfBr)、四フッ化ハフニウム(HfF)、四ヨウ化ハフニウム(HfI)等のハロゲン化ハフニウム;四硝酸ハフニウム(Hf(NO)、二硫酸ハフニウム(Hf(SO)、リン酸ハフニウム(Hf(PO)等のオキソ酸塩;酸化ハフニウム(HfO)、水酸化ハフニウム(Hf(OH))等の酸化物及び水酸化物;Hf(OR10等のハフニウムアルコキシド;HfCl(OR10、HfCl(OR10、HfCl(OR10)等のハフニウムのハロゲン化アルコキシド化合物;四酢酸ハフニウム(Hf(CHCOO))等のハフニウムの有機酸塩;等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
第13族元素を含む化合物としては、ホウ素化合物、アルミニウム化合物、ガリウム化合物、インジウム化合物、タリウム化合物が挙げられる。これらの化合物においては、ハロゲン化物、硝酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物、ケイ酸塩、アルコキシド化合物等が使用でき、中でも、ハロゲン化物、硝酸塩が好ましく、硝酸塩がより好ましい。第13族金属元素のハロゲン化物の中でも、第13族金属元素の塩化物が好ましい。
アルミニウム化合物としては、塩化アルミニウム(AlCl)等のハロゲン化アルミニウム;炭酸アルミニウム(Al(CO)、硫酸アルミニウム(Al(SO)、硝酸アルミニウム(Al(NO)、リン酸アルミニウム(AlPO)等のオキソ酸塩;酸化アルミニウム(Al)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化酸化アルミニウム(AlO(OH))等の酸化物及び水酸化物;酢酸アルミニウム(Al(CHCOO))、クエン酸アルミニウム等の有機酸塩;硫化アルミニウム(Al);水素化ホウ素アルミニウム(Al(BH);等が挙げられ、それらの水和物が存在する場合は水和物も用いることができる。また、必要に応じて、それらの2種以上を用いてもよい。
前記触媒の存在下に、ケトン化合物(I)及びケトン化合物(II)からなる群より選ばれる少なくとも一種を脱水反応させる。
ケトン化合物(I)及びケトン化合物(II)において、炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。尚、炭素数3〜6のアルキル基の場合は、全ての構造異性体を含む。例えば、プロピル基の場合は、n−プロピル基及びイソプロピル基を含み、ブチル基の場合は、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基を含む。
ケトン化合物(I)及びケトン化合物(II)において、炭素数3〜6のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
ケトン化合物(I)及びケトン化合物(II)において、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロプロピル基、メチルシクロブチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロオクチル基、エチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基、エチルシクロオクチル基等が挙げられる。
ケトン化合物(I)及びケトン化合物(II)において、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基としては、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロオクチルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロオクチルエチル基等が挙げられる。
ケトン化合物(I)及びケトン化合物(II)において、炭素数7〜10のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、トリルメチル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
ケトン化合物(I)において、R及びRが一緒になって、Rが結合する炭素原子と、Rが結合する炭素原子と、それらの炭素原子が結合する炭素原子と共に炭素数5〜15の環を形成する場合、その環は5〜15員環の脂環式炭化水素が好ましく、より好ましくは5〜8員環の脂環式炭化水素である。炭素数5〜15の環としては、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロペンタデカン環等が挙げられる。
ケトン化合物(I)において、R及びRが一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する場合、及び、R及びRが一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する場合のそれぞれにおいて、炭素数3〜13の環としては3〜13員環の脂環式炭化水素が好ましく、より好ましくは3〜8員環の脂環式炭化水素である。炭素数3〜13の環としては、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロトリデカン環等が挙げられる。
、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基又はフェニル基を表す場合、ケトン化合物(I)としては、例えば、アセトン、1,3−ジフェニル−2−プロパノン等が挙げられる。
及びRは一緒になって、Rが結合する炭素原子と、Rが結合する炭素原子と、それらの炭素原子が結合する炭素原子と共に炭素数5〜15の環を形成し、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表す場合、ケトン化合物(I)としては、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロオクタノン等が挙げられる。
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する場合、ケトン化合物(I)としては、例えば、1−シクロプロピルエタノン、1−シクロプロピル−1−プロパノン、1−シクロヘキシル−1−プロパノン等が挙げられる。
及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する場合、ケトン化合物(I)としては、例えば、ジシクロプロピルケトン、ジシクロヘキシルケトン等が挙げられる。
ケトン化合物(I)を脱水反応させることにより、対応する下記式(VI)
Figure 0006271331
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
で示されるジエンが得られる。また、ケトン化合物(I)において、Rが水素原子である場合、すなわち、下記式(Ia)
Figure 0006271331
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは一緒になって、Rが結合する炭素原子と、Rが結合する炭素原子と、それらの炭素原子が結合する炭素原子と共に炭素数5〜15の環を形成し、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示される化合物である場合には、対応する下記式(VI’)
Figure 0006271331
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは一緒になって、Rが結合する炭素原子と、Rが結合する炭素原子と、それらの炭素原子が結合する炭素原子と共に炭素数5〜15の環を形成し、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示されるジエン及び/又は下記式(VII)
Figure 0006271331
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは一緒になって、Rが結合する炭素原子と、Rが結合する炭素原子と、それらの炭素原子が結合する炭素原子と共に炭素数5〜15の環を形成し、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示されるアセチレン結合を有する化合物が得られる。
ケトン化合物(I)の中でも、アセトンを使用する場合に、高い選択率でプロピン及び/又はプロパジエンが得られる点で、本発明の方法は有利に採用される。
ケトン化合物(II)において、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する場合、及び、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する場合のそれぞれにおいて、炭素数3〜13の環としては3〜13員環の脂環式炭化水素が好ましく、より好ましくは3〜8員環の脂環式炭化水素である。炭素数3〜13の環としては、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロトリデカン環等が挙げられる。
、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表す場合、ケトン化合物(II)としては、例えば、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−3−ペンタノン、2,5−ジメチル−3−ヘキサノン、5−シクロヘキシル−4−メチル−3−ヘキサノン、3−メチル−4−フェニル−2−ブタノン等が挙げられる。
、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する場合、ケトン化合物(II)としては、例えば、1−シクロプロピル−2−プロパノン、1−シクロヘキシル−2−プロパノン等が挙げられる。
及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表す場合、ケトン化合物(II)としては、例えば、1−シクロヘキシル−2,3,3−トリフェニル−1−プロパノン等が挙げられる。
及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する場合、ケトン化合物(II)としては、例えば、1,2−ジシクロヘキシルエタノン等が挙げられる。
ケトン化合物(II)を脱水反応させることにより、対応する下記式(VIII)
Figure 0006271331
(式中、R、R、R、R及びRは、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
で示されるジエン及び/又は下記式(IX)
Figure 0006271331
(式中、R、R、R、R及びRは、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
で示されるジエンが得られる。また、ケトン化合物(II)において、Rが水素原子である場合、すなわち、下記式(IIa)
Figure 0006271331
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示される化合物である場合には、対応する下記式(VIIIa)
Figure 0006271331
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示されるジエン、下記式(IXa)
Figure 0006271331
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示されるジエン及び/又は下記式(X)
Figure 0006271331
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示されるアセチレン結合を有する化合物が得られる。また、ケトン化合物(II)において、Rが水素原子である場合、すなわち、下記式(IIb)
Figure 0006271331

(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成するか、あるいは
及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示される化合物である場合には、対応する下記式(VIIIb)
Figure 0006271331
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成するか、あるいは
及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示されるジエン、下記式(IXb)
Figure 0006271331
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成するか、あるいは
及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示されるジエン及び/又は下記式(XI)
Figure 0006271331
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成するか、あるいは
及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示されるアセチレン結合を有する化合物が得られる。ケトン化合物(II)において、R及びRが水素原子である場合、すなわち、下記式(IIc)
Figure 0006271331
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示される化合物である場合には、対応する下記式(VIIIc)
Figure 0006271331
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示されるジエン、下記式(IXc)
Figure 0006271331
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示されるジエン、下記式(X’)
Figure 0006271331
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示されるアセチレン結合を有する化合物及び/又は下記式(XI’)
Figure 0006271331
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
で示されるアセチレン結合を有する化合物が得られる。
ケトン化合物(II)の中でも、2−ブタノンを使用する場合に、高い選択率で1,3−ブタジエン、1,2−ブタジエン、1−ブチン及び/又は2−ブチンが得られる点で、本発明の方法は有利に採用される。
脱水反応においては、反応系内に、原料であるケトン化合物(I)及びケトン化合物(II)からなる群より選ばれる少なくとも一種とともに、水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、プロピン、プロパジエン、ブタン、ブテン、ブチン、イソブチレン、ブタジエン、窒素等が存在してもよい。
脱水反応において、反応温度は、高い触媒活性が得られる点で、200〜1200℃が好ましく、より好ましくは250〜1000℃、さらに好ましくは400〜800℃である。
脱水反応において、反応圧力は、0.001〜5MPaが好ましく、より好ましくは0.005〜0.3MPaである。反応圧力が0.001MPaより低いと生産性が低くなるおそれがあり、5MPaより高いと反応における平衡転化率が低くなるおそれがある。ケトン化合物(I)及びケトン化合物(II)からなる群より選ばれる少なくとも一種の分圧は、0.0001〜0.1MPaが好ましく、より好ましくは0.001〜0.02MPaである。ケトン化合物(I)及びケトン化合物(II)からなる群より選ばれる少なくとも1種の分圧が0.0001MPaより低いと生産性が低くなるおそれがあり、0.1MPaより高いと選択率の低下を引き起こすおそれがある。
本発明の反応方式としては、固定床方式、疑似移動床方式、流動床方式、移動床方式等の各種の方式で実施することができるが、固定床、疑似移動床又は流動床方式が好ましい。触媒は単独で使用してもよいし、反応に実質的に不活性な物質と希釈、混合して使用してもよい。反応に実質的に不活性な物質として、例えば、α―アルミナ、炭化ケイ素、石英、窒化ケイ素等を挙げることができる。
なお、脱水反応を固定床方式で行う場合、ケトン化合物(I)及びケトン化合物(II)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む原料ガスの供給速度は、触媒1Lあたりの原料ガス供給速度(L/h;0℃、0.1MPa換算)、すなわちGHSV(Gas Hourly Space Velocity)で表して、1〜20000h−1、好ましくは10〜10000h−1である。ケトン化合物(I)及びケトン化合物(II)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む原料ガス中のケトン化合物(I)及びケトン化合物(II)からなる群より選ばれる少なくとも一種の濃度は、生産性及び触媒活性を考慮して適宜設定される。
前記脱水反応により得られたアセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンは、各種用途に使用できる。前記脱水反応によりアセチレン結合を有する化合物が得られた場合、又はアセチレン結合を有する化合物とジエンとが得られた場合において、得られたアセチレン結合を有する化合物は、例えば、第10族金属化合物、プロトン酸及びホスフィン化合物を含む触媒の存在下、ヒドロキシル基を有する化合物及び一酸化炭素と反応させてカルボン酸エステルを製造するための原料として好適に使用される。例えば、アセチレン結合を有する化合物としてプロピンが得られた場合、得られたプロピンは、メタクリル酸エステルを製造するための原料として好適に使用される。メタクリル酸エステルは、プロピンを、第10族金属化合物、プロトン酸及びホスフィン化合物を含む触媒の存在下、ヒドロキシル基を有する化合物及び一酸化炭素と反応させることによって得られる。この反応は、例えば、特開2010−120921号公報等に記載の方法に準じて行うことができる。ヒドロキシル基を有する化合物としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール等のアルコール;フェノール、ナフトール等のフェノール化合物;を挙げることができる。好ましい実施形態としては、ヒドロキシル基を有する化合物としてメタノールを使用することにより、メタクリル酸メチルを製造する形態が挙げられる。
以上、本発明にかかる好ましい実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更や改良したものにも適用できることは言うまでもない。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例中、ガスの供給速度である(ml/分)は、特別に断らない限り、0℃、0.1MPaの換算値である。
実施例1
<触媒の製造>
シリカ球(1.7〜4.0mm球)〔富士シリシア化学(株)製、Q−50〕を0.85〜1.4mmの顆粒状に破砕し、担体に用いた。担体5.00gに、硝酸セシウム〔CsNO、ロックウッドリチウムジャパン(株)製〕0.3752g及び硝酸セリウム六水和物〔Ce(NO・6HO、和光純薬工業(株)製〕0.1018gを純水5.04gに溶解して調製した水溶液を含浸させ、20〜30℃で15時間以上風乾した。得られた固体を、空気流通下、室温から600℃まで1.1時間かけて昇温した後、同温度で2時間保持して焼成することにより硝酸塩を分解し、セシウム及びセリウムがシリカに担持されてなる触媒〔セシウム含有量:4.84重量%、セリウム含有量:0.62重量%、セリウム/セシウム=0.12(モル比)〕を得た。
<触媒のXPSスペクトル測定>
得られた触媒をKRATOS社製AXIS−ULTRAを用いてXPS測定を行った。X線は単色化したアルミニウムKα線を使用し、そのAnodeHTは15kV、Currentは15mAとして測定した。パスエネルギーは20eV、レンズモードはLowMag、アパーチャーはSLOT、dwell timeは500m秒とした。中和条件は中和銃のFilament Currentを2A、Filament Biasを1.5V、Charge Balanceを3.5Vとした。炭素1sピークについては、測定範囲は、300〜274eV、ステップ幅は0.1eV、積算回数は5回として測定を行った。酸素1sピークについては、測定範囲を545〜520eVとした以外は炭素1sピークと同様に測定を行った。ケイ素2pピークについては、測定範囲を112〜94eVとした以外は炭素1sピークと同様に測定を行った。セシウム3dピークについては、測定範囲を745〜712eVとした以外は炭素1sピークと同様に測定を行った。セリウム3dピークについては、測定範囲を925〜870eVとしたこと、積算回数を20回としたこと以外は炭素1sピークと同様に測定を行った。
<表面セリウム濃度の算出>
ディジタルデータマネジメント社製解析ソフトCasaXPSを用いて得られたXPSスペクトルのスムージング処理をSmoothing width=11の条件にて行い、帯電補正は炭素1sピークが284.6eVとなるように行った。続いて、各ピークの相対強度を求め、以下の式(i)を用いて表面セリウム濃度を算出した。表面セリウム濃度は、0.36原子%であった。
表面セリウム濃度(原子%)=[b/a]×100 (i)
a:酸素1sピークの相対強度、ケイ素2pピークの相対強度、セシウム3d5/2ピークの相対強度及びセリウム3dピークの相対強度の合計値
b:セリウム3dピークの相対強度の値
ここで、相対強度とは、それぞれのピーク面積を装置固有のパラメータである元素ごとの相対感度係数と透過係数で補正したものである。酸素1sピークの相対強度は、shirley法によるバックグラウンド処理の後、537〜528eVの範囲を解析することにより得た。ケイ素2pピークの相対強度は、107〜100eVの範囲で解析した以外は、酸素1sピークの相対強度と同様に得た。セシウム3d5/2ピークの相対強度は、730〜720eVの範囲で解析した以外は酸素1sピークの相対強度と同様に得た。セシウム3d5/2ピークのバックグラウンド補正線を含むXPSスペクトルを図1に示す。セリウム3dピークの相対強度はlinear法によるバックグラウンド処理の後、910〜893eV及び893〜876eVの範囲を解析することにより得た。尚、セリウム3dピークの解析の際には、910〜915eVのピークはセシウムのオージェピークと重なるため考慮しなかった。セリウム3dピークのバックグラウンド補正線を含むXPSスペクトルを図2に示す。
<触媒充填>
外径4mmの温度計鞘管が設けられた内径12mmの石英製の反応管の下部に石英ウールを仕切り剤として充填し、SiCを7.1ml充填後、さらに石英ウールを仕切り剤として充填し、ついで得られた触媒0.50g(体積1.2ml)を充填後、さらに石英ウールを仕切り剤として充填し、ついでSiCを12.7ml充填した。
<触媒の寿命評価試験>
触媒充填済みの反応管を電気炉で加熱し、反応管入口から窒素ガスを130ml/分の速度で反応管内に供給しながら、反応管を昇温した。
そして、アセトン〔式(I)中、R、R、R及びRが水素原子である化合物〕〔和光純薬工業(株)製〕をガス吸収ビンに仕込み、−0.5℃に冷却した後、該ガス吸収ビンに130ml/分の速度で窒素ガスを供給して、窒素ガスをアセトンに流通させることにより得られるアセトンを同伴させた窒素ガスを、昇温時の供給窒素ガス130ml/分に代えて反応管入口から供給し(アセトン供給速度:0.0354mol/h、供給ガス中のアセトン濃度:9.2体積%)、触媒層温度630℃、反応圧力0.1MPaにて反応を開始し、触媒層温度630℃±3℃で25分間反応を継続した。触媒体積に対する全ガス流量の比(GHSV)は7161h−1であった。反応開始から5分後の反応器出口ガスを捕集し、FID検出器を有するガスクロマトグラフィーにて分析し、次いで、TCD検出器を有するガスクロマトグラフィーにて分析することにより、各生成物を定量した。
反応時の炉温を維持したまま、アセトンを同伴させた窒素ガスの供給を停止し、次いで反応管入口から窒素ガスを130ml/分の速度で供給し、1分間反応管内を窒素置換した。その後、窒素ガス130ml/分に代えて空気を40ml/分の速度で反応管入口から供給し、3分間維持することにより触媒に付着した有機物を燃焼除去した。次いで、空気を40ml/分に代えて反応管入口から窒素ガスを130ml/分の速度で供給し、1分間反応管内を窒素置換した。
反応開始から5分後の反応器出口ガスにおけるアセトン転化率が33〜37%程度となるように、反応における触媒層温度を調節しながら、上記の反応、窒素置換、燃焼除去及び窒素置換の一連の操作を繰り返し、触媒層温度を650℃に上げてもアセトン転化率が35%を保てなくなった時点で一連の操作を終了した。プロピンとプロパジエンとの合計選択率の平均値及びアセトン転化率が35%を保てなくなった時点の合計の反応時間を表1に示す。
ここで、アセトンの転化率(%)は、以下の式(ii)を用いて算出した。
アセトンの転化率(%)=[d/c]×100 (ii)
c:アセトンの供給速度(mol/h)
d:反応管出口ガスにおける全生成物の合計生成速度(mol/h)
なお、アセトンの供給速度は供給開始から終了までのガス吸収ビンの重量変化から計算した。
また、各生成物の選択率(%)は、以下の式(iii)を用いて算出した。
各生成物の選択率(%)=〔反応管出口ガスにおける各生成物の生成速度(mol/h)÷反応管出口ガスにおける全生成物の合計生成速度(mol/h)〕×100 (iii)
ここで、生成物とは、プロピン、プロパジエン、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、イソブチレン、2−メチルフラン、2−メチル−1−ペンテン−3−イン、2−ヘキセン−4−イン、メチルシクロペンタジエン、一酸化炭素、二酸化炭素及びFID検出器にて検出された未同定の有機化合物をいう。
実施例2
<触媒の製造>
担体の使用量を5.00gから20.20gに変更したことと、硝酸セシウムの使用量を0.3752gから1.5262gに変更したことと、硝酸セリウム六水和物の使用量を0.1018gから0.8500gに変更したことと、純水の使用量を5.04gから19.97gに変更したこと以外は、実施例1<触媒の製造>と同様の操作を行い、セシウム及びセリウムがシリカに担持されてなる触媒〔セシウム含有量:4.84重量%、セリウム含有量:1.27重量%、セリウム/セシウム=0.25(モル比)〕を得た。
<触媒充填、触媒の寿命評価試験>
上記で得られた触媒0.50g(体積1.2ml)を用いたことと触媒層温度627℃で反応を開始したこと以外は、実施例1<触媒充填>及び<触媒の寿命評価試験>と同様の操作で触媒の充填及び寿命評価試験を行った。プロピンとプロパジエンとの合計選択率の平均値及びアセトン転化率が35%を保てなくなった時点の合計の反応時間を表1に示す。
実施例3
<触媒の製造>
硝酸セシウムの使用量を0.3752gから0.3785gに変更したことと、硝酸セリウム六水和物の使用量を0.1018gから0.4252gに変更したことと、純水の使用量を5.04gから4.95gに変更したこと以外は、実施例1<触媒の製造>と同様の操作を行い、セシウム及びセリウムがシリカに担持されてなる触媒〔セシウム含有量:4.78重量%、セリウム含有量:2.54重量%、セリウム/セシウム=0.50(モル比)〕を得た。
<触媒充填、触媒の寿命評価試験>
上記で得られた触媒0.50g(体積1.2ml)を用いたことと触媒層温度632℃で反応を開始したこと以外は、実施例1<触媒充填>及び<触媒の寿命評価試験>と同様の操作で触媒の充填及び寿命評価試験を行った。プロピンとプロパジエンとの合計選択率の平均値及びアセトン転化率が35%を保てなくなった時点の合計の反応時間を表1に示す。
実施例4
<触媒の製造>
硝酸セシウムの使用量を0.3752gから0.3774gに変更したことと、硝酸セリウム六水和物の使用量を0.1018gから0.8443gに変更したことと、純水の使用量を5.04gから5.00gに変更したこと以外は、実施例1<触媒の製造>と同様の操作を行い、セシウム及びセリウムがシリカに担持されてなる触媒〔セシウム含有量:4.65重量%、セリウム含有量:4.93重量%、セリウム/セシウム=1.0(モル比)〕を得た。
<触媒充填、触媒の寿命評価試験>
上記で得られた触媒0.50g(体積1.2ml)を用いたことと触媒層温度635℃で反応を開始したこと以外は、実施例1<触媒充填>及び<触媒の寿命評価試験>と同様の操作で触媒の充填及び寿命評価試験を行った。プロピンとプロパジエンとの合計選択率の平均値及びアセトン転化率が35%を保てなくなった時点の合計の反応時間を表1に示す。
実施例5
<触媒の製造>
シリカ球(1.7〜4.0mm球)〔富士シリシア化学(株)製、Q−50〕に代えて、シリカ球(1.7〜4.0mm球)〔富士シリシア化学(株)製、Q−30C〕を使用したことと硝酸セシウムの使用量を0.3752gから0.5853gに変更したことと、硝酸セリウム六水和物の使用量を0.1018gから0.3248gに変更したことと、純水の使用量を5.04gから3.50gに変更したこと以外は、実施例1<触媒の製造>と同様の操作を行い、セシウム及びセリウムがシリカに担持されてなる触媒〔セシウム含有量:7.25重量%、セリウム含有量:1.90重量%、セリウム/セシウム=0.25(モル比)〕を得た。
<触媒のXPSスペクトル測定、表面セリウム濃度の算出>
実施例1<触媒のXPSスペクトル測定>及び<表面セリウム濃度の算出>と同様に表面セリウム濃度を算出したところ、0.87原子%であった。
<触媒充填、触媒の寿命評価試験>
上記で得られた触媒0.50g(体積1.0ml)を用いたことと触媒層温度635℃で反応を開始したこと以外は、実施例1<触媒充填>及び<触媒の寿命評価試験>と同様の操作で触媒の充填及び寿命評価試験を行った。反応における触媒体積に対する全ガス流量の比(GHSV)は8593h−1であった。プロピンとプロパジエンとの合計選択率の平均値及びアセトン転化率が35%を保てなくなった時点の合計の反応時間を表1に示す。
実施例6
<触媒の製造>
シリカ球(1.7〜4.0mm球)〔富士シリシア化学(株)製、Q−50〕に代えて、シリカ球(1.7〜4.0mm球)〔富士シリシア化学(株)製、Q−30C〕を使用したことと硝酸セシウム0.3752g及び硝酸セリウム六水和物0.1018gを純水5.04gに溶解して調製した水溶液に代えて、硝酸セシウム0.5848gと、硝酸セリウム六水和物0.3299gと、硝酸マグネシウム六水和物〔Mg(NO・6HO、和光純薬工業(株)製〕0.0960gとを純水3.55gに溶解して調製した水溶液を使用したこと以外は、実施例1<触媒の製造>と同様の操作を行い、セシウム、セリウム及びマグネシウムがシリカに担持されてなる触媒〔セシウム含有量:7.23重量%、セリウム含有量:1.93重量%、マグネシウム含有量:0.16重量%、セリウム/(セシウム+マグネシウム)=0.23(モル比)〕を得た。
<触媒充填、触媒の寿命評価試験>
上記で得られた触媒0.50g(体積1.0ml)を用いたことと触媒層温度632℃で反応を開始したこと以外は、実施例1<触媒充填>及び<触媒の寿命評価試験>と同様の操作で触媒の充填及び寿命評価試験を行った。反応における触媒体積に対する全ガス流量の比(GHSV)は8593h−1であった。プロピンとプロパジエンとの合計選択率の平均値及びアセトン転化率が35%を保てなくなった時点の合計の反応時間を表1に示す。
実施例7
<触媒の製造>
担体の使用量を5.00gから20.29gに変更したことと、硝酸セシウム0.3752g及び硝酸セリウム六水和物0.1018gを純水5.04gに溶解して調製した水溶液に代えて、硝酸セシウム1.5335g及び硝酸ジルコニル二水和物〔ZrO(NO・2HO、和光純薬工業(株)製〕0.2627gを純水16.65gに溶解して調製した水溶液を使用したこと以外は、実施例1<触媒の製造>と同様の操作を行い、セシウム、セリウム及びジルコニウムがシリカに担持されてなる触媒〔セシウム含有量:4.88重量%、ジルコニウム含有量:0.42重量%、ジルコニウム/セシウム=0.12(モル比)〕を得た。
<触媒充填、触媒の寿命評価試験>
上記で得られた触媒0.50g(体積1.2ml)を用いたことと触媒層温度628℃で反応を開始したこと以外は、実施例1<触媒充填>及び<触媒の寿命評価試験>と同様の操作で触媒の充填及び寿命評価試験を行った。プロピンとプロパジエンとの合計選択率の平均値及びアセトン転化率が35%を保てなくなった時点の合計の反応時間を表1に示す。
実施例8
<触媒の製造>
シリカ球(1.7〜4.0mm球)〔富士シリシア化学(株)製、Q−50〕に代えて、シリカ球(1.7〜4.0mm球)〔富士シリシア化学(株)製、Q−50C〕を使用したことと担体の使用量を5.00gから10.23gに変更したことと、硝酸セシウム0.3752g及び硝酸セリウム六水和物0.1018gを純水5.04gに溶解して調製した水溶液に代えて、硝酸セシウム0.7740g及び硝酸アルミニウム九水和物〔Al(NO・9HO、和光純薬工業(株)製〕0.3715gを純水8.37gに溶解して調製した水溶液を使用したこと以外は、実施例1<触媒の製造>と同様の操作を行い、セシウム、セリウム及びアルミニウムがシリカに担持されてなる触媒〔セシウム含有量:4.89重量%、アルミニウム含有量:0.25重量%、アルミニウム/セシウム=0.25(モル比)〕を得た。
<触媒充填、触媒の寿命評価試験>
上記で得られた触媒0.50g(体積1.2ml)を用いたことと触媒層温度635℃で反応を開始したこと以外は、実施例1<触媒充填>及び<触媒の寿命評価試験>と同様の操作で触媒の充填及び寿命評価試験を行った。プロピンとプロパジエンとの合計選択率の平均値及びアセトン転化率が35%を保てなくなった時点の合計の反応時間を表1に示す。
実施例9
<触媒の製造>
シリカ球(1.7〜4.0mm球)〔富士シリシア化学(株)製、Q−50〕に代えて、シリカ球(1.7〜4.0mm球)〔富士シリシア化学(株)製、Q−30C〕を使用したことと硝酸セシウム0.3752g及び硝酸セリウム六水和物0.1018gを純水5.04gに溶解して調製した水溶液に代えて、硝酸セシウム0.5826gと、硝酸カリウム〔KNO、和光純薬工業(株)製〕0.0752gと、53.85重量%硝酸セリウム水溶液〔第一稀元素化学工業(株)製〕0.4542gと、硝酸マグネシウム六水和物〔Mg(NO・6HO、和光純薬工業(株)製〕0.0953gと、硝酸アルミニウム九水和物〔Al(NO・9HO、和光純薬工業(株)製〕0.1392gとを純水5.00gに溶解して調製した水溶液を使用したこと以外は、実施例1<触媒の製造>と同様の操作を行い、セシウム、カリウム、セリウム、マグネシウム及びアルミニウムがシリカに担持されてなる触媒〔セシウム含有量:7.16重量%、カリウム含有量:0.52重量%、セリウム含有量:1.89重量%、マグネシウム含有量:0.16重量%、アルミニウム含有量:0.18重量%、(セリウム+アルミニウム)/(セシウム+カリウム+マグネシウム)=0.27(モル比)〕を得た。
<触媒充填、触媒の寿命評価試験>
上記で得られた触媒0.50g(体積1.2ml)を用いたことと触媒層温度627℃で反応を開始したこと以外は、実施例1<触媒充填>及び<触媒の寿命評価試験>と同様の操作で触媒の充填及び寿命評価試験を行った。プロピンとプロパジエンとの合計選択率の平均値及びアセトン転化率が35%を保てなくなった時点の合計の反応時間を表1に示す。
実施例10
<触媒の製造>
シリカ球(1.7〜4.0mm球)〔富士シリシア化学(株)製、Q−30C〕を破砕せずに担体に用いた。担体75.00gに、硝酸セシウム〔CsNO、ロックウッドリチウムジャパン(株)製〕8.7718g及び56.47重量%硝酸セリウム水溶液〔第一稀元素化学工業(株)製〕6.8177gを純水55.92gに溶解して調製した水溶液を含浸させ、湿度を20〜30%に制御した10〜30℃の空気流通雰囲気下で119時間風乾した。得られた固体を、空気流通下、室温から600℃まで1時間かけて昇温した後、同温度で2時間保持して焼成することにより硝酸塩を分解し、セシウム及びセリウムがシリカに担持されてなる触媒〔セシウム含有量:7.24重量%、セリウム含有量:1.91重量%、セリウム/セシウム=0.25(モル比)〕を得た。
<触媒のXPSスペクトル測定、表面セリウム濃度の算出>
実施例1<触媒のXPSスペクトル測定>及び<表面セリウム濃度の算出>と同様に表面セリウム濃度を算出したところ、0.75原子%であった。
実施例11
<触媒の製造>
シリカ球(1.7〜4.0mm球)〔富士シリシア化学(株)製、Q−30C〕を破砕せずに担体に用いた。担体10.06gに、硝酸セシウム〔CsNO、ロックウッドリチウムジャパン(株)製〕1.1683g及び56.47重量%硝酸セリウム水溶液〔第一稀元素化学工業(株)製〕0.9313gを純水7.86gに溶解して調製した水溶液を含浸させ、乾燥空気を200ml/分の速度で流通させた雰囲気下、70℃にて回転させながら0.8時間風乾した。得られた固体を、空気流通下、室温から600℃まで1時間かけて昇温した後、同温度で2時間保持して焼成することにより硝酸塩を分解し、セシウム及びセリウムがシリカに担持されてなる触媒〔セシウム含有量:7.20重量%、セリウム含有量:1.95重量%、セリウム/セシウム=0.26(モル比)〕を得た。
<触媒のXPSスペクトル測定、表面セリウム濃度の算出>
実施例1<触媒のXPSスペクトル測定>及び<表面セリウム濃度の算出>と同様に表面セリウム濃度を算出したところ、0.71原子%であった。
比較例1
<触媒の製造>
シリカ球(1.7〜4.0mm球)〔富士シリシア化学(株)製、Q−50〕を0.85〜1.4mmの顆粒状に破砕し、担体に用いた。担体32.49gに、50重量%水酸化セシウム水溶液〔Cs(OH)、和光純薬工業(株)製〕3.7836gと純水30.76gとの混合溶液を含浸させ、20〜30℃で15時間以上風乾した。得られた固体を、空気流通下、室温から200℃まで1.1時間かけて昇温した後、同温度で2時間保持して焼成することにより硝酸塩を分解し、セシウムがシリカに担持されてなる触媒〔セシウム含有量:4.92重量%〕を得た。
<触媒充填、触媒の寿命評価試験>
上記で得られた触媒0.50g(体積1.2ml)を用いたことと触媒層温度636℃で反応を開始したこと以外は、実施例1<触媒充填>及び<触媒の寿命評価試験>と同様の操作で触媒の充填及び寿命評価試験を行った。プロピンとプロパジエンとの合計選択率の平均値及びアセトン転化率が35%を保てなくなった時点の合計の反応時間を表1に示す。
Figure 0006271331

Claims (6)

  1. 担体に、第1族元素及び第2族元素からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素(A)と、第3族元素、第4族元素及び第13族元素からなる群より選ばれる少なくとも一種の元素(B)とが担持されてなる触媒であって、前記第1族元素がカリウム及びセシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、前記第2族元素がマグネシウムであり、前記第3族元素がセリウムであり、前記第4族元素がジルコニウムであり、前記第13族元素がアルミニウムである触媒の存在下に、下記式(I)
    Figure 0006271331
    (式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
    及びRは一緒になって、Rが結合する炭素原子と、Rが結合する炭素原子と、それらの炭素原子が結合する炭素原子と共に炭素数5〜15の環を形成し、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
    及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成するか、あるいは
    及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
    で示される化合物及び下記式(II)
    Figure 0006271331
    (式中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
    、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成するか、あるいは
    及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表すか、あるいは
    及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成し、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数4〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキルアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又はフェニル基を表し、R及びRは一緒になって、R及びRが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の環を形成する。)
    で示される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を脱水反応させることを特徴とするアセチレン結合を有する化合物及び/又はジエンの製造方法。
  2. 前記担体が、シリカを含む担体である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記触媒において、元素(B)が、元素(A)1モルに対して0.01〜5モル担持されてなる請求項1〜2のいずれかに記載の製造方法。
  4. 式(I)で示される化合物がアセトンである請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の製造方法によりアセチレン結合を有する化合物又はアセチレン結合を有する化合物とジエンとを製造し、得られたアセチレン結合を有する化合物を、第10族金属化合物、プロトン酸及びホスフィン化合物を含む触媒の存在下、ヒドロキシル基を有する化合物及び一酸化炭素と反応させることを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
  6. 請求項1〜に記載の触媒において、担体がシリカ、元素(A)がセシウム、元素(B)がセリウムであって、XPSスペクトル測定による表面セリウム濃度が0.2原子%以上10.0原子%以下であることを特徴とする触媒。
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