JP6271290B2 - 導風体並びにこれを具えた脱臭装置 - Google Patents
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Description
このような排ガスの脱臭手法としては、従来より直接燃焼によるもの(いわゆる直燃式)が一般的であった(例えば特許文献1図2参照)。具体的には例えば焼却炉を経た後、乾燥機から排出される乾燥排ガスG0(被脱臭ガス)は、最終的に図3に示すような脱臭装置D′に送られ、ここで、バーナ11′の炎Fによって燃焼されることにより、脱臭処理が施されるものである。
なお乾燥排ガスG0の供給部位を、燃焼室1′とすることなく、脱臭装置D′の中心寄りに位置するガス流入室2′とするのは、炎Fへの干渉を避け、炎Fによって十分に昇温された熱風W中に乾燥排ガスG0を混入させるためである。
まず第一の点として、このような従来の直燃式の脱臭炉D′では、乾燥排ガスG0は、バーナ11′によって生成される炎Fの前方に供給されているため、炎Fによって生成される熱風Wと乾燥排ガスG0との接触によって引き起こされる燃焼は、ガス流入室2′の次段に位置する中間室3′及び排気室4′において主に進行するものと考えられ、炉内空間の有効活用という点では更なる改善の可能性が考えられた。
また第二の点として、前記通気孔22′は、ガス流入室2′の側周方向に数カ所(一例として16カ所)形成されているものであるため、図3(a)に示すように乾燥排ガスG0は側面視において熱風Wに対してスポット的に供給されており、このため乾燥排ガスG0と熱風Wとの接触効率、混合状態は最良とは言い難く、脱臭効率を更に向上させる余地が残っていた。
そしてこれら各請求記載の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
具体的には、脱臭装置内における被脱臭ガスの有効滞留時間を稼ぐことができるため、脱臭効率を向上することができる。
またダストや臭気粒子を炎の近傍に送り込むことにより、これらへの伝熱を効果的に行い、燃焼を効果的に行うことができる。この結果、バーナの燃焼温度を低下させることが可能となり、燃費が向上する。
更にまた、被脱臭ガスによって燃焼室の内壁が冷却されるため、クリンカの付着等による燃焼阻害を防ぐことができる。
更に規制部および/または導風部の室内側が、熱風の熱から断熱されるとともに、その反対側が被脱臭ガスにより冷却されるため、導風体の損傷を回避することができる。
更にまた導風体の取り換えやメンテナンスを容易に行うことができる。また既存の脱臭装置に対して、後付けで導風体を設置することができる
具体的には、脱臭装置内における被脱臭ガスの有効滞留時間を稼ぐことができるため、脱臭効率を向上することができる。
またダストや臭気粒子を炎の近傍に送り込むことにより、これらへの伝熱を効果的に行い、燃焼を効果的に行うことができる。この結果、バーナの燃焼温度を低下させることが可能となり、燃費が向上する。
更にまた、被脱臭ガスによって燃焼室の内壁が冷却されるため、クリンカの付着等による燃焼阻害を防ぐことができる。
更にまた、被脱臭ガスを炎の近傍に送り込むことにより、熱風と被脱臭ガスとの接触効率、伝熱効率、混合効率がよりいっそう向上し、更なる脱臭効率の改善を図ることができる。
更にまた、規制部および/または導風部の室内側が、熱風の熱から断熱されるとともに、その反対側が被脱臭ガスにより冷却されるため、導風体の損傷を回避することができる。
更にまた、導風体の取り換えやメンテナンスを容易に行うことができる。また既存の脱臭装置に対して、後付けで導風体を設置することができる。
また本発明の導風体5は、脱臭装置Dの被脱臭ガスである乾燥排ガスG0が、燃焼室1に向けて流入するとともに、ガス流入室2の横断面全域から流入することを可能とする部材である。
以下、本発明の導風体5並びにこれを具えた脱臭装置Dの構成について詳しく説明する。
また脱臭装置Dは、重油などを燃焼させて乾燥排ガスG0中に含まれる臭気成分を燃焼分解するものであり、一般的な直接燃焼式(いわゆる直燃式)として構成されるものとする。
そして前記通気孔22をガス流入室2の外側から囲緯するようにダクト21が設けられるものであり、このダクト21の上部には給気口23が形成されることにより、ガス流入室2の横断面において周方向全域に亘って被脱臭ガス(乾燥排ガスG0)が到達するように構成されている。
なお前記通気孔22は容易に塞ぐことができる構造であるため、被脱臭ガスの風量や、給気口23が形成される位置との兼ね合いに応じてその一部を塞ぐことにより、容易に被脱臭ガスを導風体5の周方向全域に行き渡らせるようにすることができるものである。
なお排気室4には、メンテナンス時等に開閉して内部の確認するための点検扉42が設けられている。
また導風部52における規制部51と逆側の一端に、固定枠54が具えられるものであり、この固定枠54は一例として8カ所に設けられた固定脚55によって導風部52と連結されている。
そしてこのような形態が採られることにより、前記規制部51は、通気孔22からガス流入室2内に流入する被脱臭ガスの中間室3側への移動を制限することとなり、また導風部52が被脱臭ガスの燃焼室1側への移動を案内することとなる。
具体的には一例として図2(b)に示すように、導風体5を四分割するような構成が採られるものであり、個々の分割片は、固定脚55の延長線上に設けられたリブ58同士を突き合せてボルト締めされることにより一体化されるような構成が採り得るものである。
本発明の脱臭装置Dの処理対象となる乾燥排ガスG0は、一例としてし尿残渣や汚泥等の有機性廃棄物の乾燥、廃棄物焼却等の際に発生する排気ガスであり、本明細書中においては、焼却炉等から発生する排気ガスを含めて乾燥排ガスG0と呼ぶものとする。
そして前記乾燥排ガスG0は給気口23に供給され、ダクト21を通じてガス流入室2の周方向全域に分布する通気孔22からガス流入室2内に進入する。
この際、前記通気孔22はガス流入室2の側周方向に複数個所形成されており、更に流出部53は固定脚55以外の部位において側面視で略連続的に開口した状態となっているため、乾燥排ガスG0は流出部53全域から燃焼室1内に供給されることとなる。
またこの際、乾燥排ガスG0はバーナ11によって生成される炎Fに向けてその近傍に供給されることとなるため、炎Fによって生成される熱風Wと乾燥排ガスG0との接触効率、伝熱効率、混合効率が向上し、この結果、脱臭効率が向上する。すなわち、乾燥排ガスG0は、燃焼室1、ガス流入室2、中間室3及び排気室4において燃焼することとなるため、接触効率、伝熱効率、混合効率が良好となり、燃焼効率ひいては脱臭効率が向上することとなるものである。
また乾燥排ガスG0に含まれるダストや臭気粒子を炎Fの近傍に送り込むことにより、これらの燃焼が効果的に行われることとなる。
更にまた、燃焼室1の内壁が乾燥排ガスG0によって冷却されることとなるため、クリンカの付着等による燃焼阻害を防ぐことができる。
そして脱臭処理が施された乾燥排ガスG0は、脱臭排ガスG1となって排気口41から外部に排出されることとなる。
因みに図3に示した従来の脱臭装置D′を用いて同じ処理量での運転を行った場合、単位時間あたりの処理量を同一にするためには、脱臭排ガスG1が650℃となるような設定にて運転しなければならないことが確認されており、本発明の脱臭装置Dを用いた場合には、約5%の燃費削減及びCO2 削減が実現されていることが確認されている。
具体的な図示は省略するが、前記導風部52の形状を、側面視において傾斜を付けるようにしてもよく、バーナ11によって形成される炎Fの形態に応じて流出部53の開口範囲を決定することにより、乾燥排ガスG0と炎Fとの接触状態を良好なものとすることが可能となる。
また前記導風部52に螺旋状の傾斜をつけることにより、流出部53から流出する乾燥排ガスG0を旋回流とすることができ、乾燥排ガスG0と熱風Wとの混合状態を良好なものとすることが可能となる。
1 燃焼室
11 バーナ
2 ガス流入室
21 ダクト
22 通気孔
23 給気口
3 中間室
4 排気室
41 排気口
42 点検扉
5 導風体
51 規制部
52 導風部
53 流出部
54 固定枠
55 固定脚
56 耐火断熱材
57 アンカーロッド
58 リブ
6 架台
F 炎
G0 乾燥排ガス
G1 脱臭排ガス
W 熱風(燃焼ガス)
Claims (3)
- バーナを具えた燃焼室と、被脱臭ガスが炉内に導入される部位であるガス流入室と、中間室と、排気室とが順次連設されて成り、被脱臭ガス中の臭気成分を、前記バーナによって生成される炎及び燃焼ガスと混合させて、炎及び燃焼ガスの熱により酸化分解するように構成された脱臭装置における、前記ガス流入室内に設けられる部材であって、
この部材は、前記ガス流入室に形成される通気孔を、その内側から被覆するように設置されるものであり、
前記通気孔からガス流入室内に流入する被脱臭ガスの中間室側への移動を制限する規制部と、被脱臭ガスの燃焼室側への移動を案内する導風部とを具えて成り、
この導風部の燃焼室側の終端に、被脱臭ガスが燃焼室に向けて流入するための開口部である流出部が形成されるように構成されており、
且つ前記規制部および導風部は、分割可能な複数の要素を組み合わせて構成され、
規制部および/または導風部の室内側には、耐火断熱材が設けられて構成され、
前記複数の要素を一体化するとともに、耐火耐熱材が設けられた状態で、前記ガス流入室内に設けられることを特徴とする導風体。
- 前記流出部が、ガス流入室の横断面において周方向全域に亘って形成されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の導風体。
- バーナを具えた燃焼室と、被脱臭ガスが炉内に導入される部位であるガス流入室と、中間室と、排気室とが順次連設されて成り、被脱臭ガス中の臭気成分を、前記バーナによって生成される炎及び燃焼ガスと混合させて、炎及び燃焼ガスの熱により酸化分解するように構成された脱臭装置において、
前記ガス流入室に形成される通気孔は、縦断面視において燃焼室側から中間室側に向かう斜面を形成するように穿孔されて成るものであり、この通気孔を内側から被覆するように前記請求項1または2記載の導風体が具えられていることを特徴とする脱臭装置。
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