JP2013180228A - 有機廃棄物処理装置及び有機廃棄物処理方法 - Google Patents

有機廃棄物処理装置及び有機廃棄物処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エネルギーを殆ど必要とせず、様々な種類の有機廃棄物を高温で無炎燃焼させ、処理後の灰が少なく、ダイオキシン等の有害物質や悪臭物質の発生も少なく、有機廃棄物を短時間に処理でき、メンテナンス性、安全性に優れる有機廃棄物処理装置の提供。
【解決手段】有機廃棄物を加熱処理する円筒状の反応室と、反応室の上端側に形設された投入口と、投入口の反応室側に形成された開閉扉と、投入される有機廃棄物を反応室の中央部にガイドする開口を中央に有し縮径側を下方に向けて反応室の内部に設置されたコーン状部材と、反応室の外周面の接線方向に傾斜して配設された外周給気管と、反応室外から反応室の底面を通り反応室の底部中央部まで延設され反応室の底部に開口する内部給気管と、外周給気管又は内部給気管に配設された磁界発生器と、反応室の壁面上部に配設された排ガス管と、反応室の下部に設置され有機廃棄物に点火する点火装置と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機廃棄物等を加熱処理する有機廃棄物処理装置及び有機廃棄物処理方法に関するものである。
近年、廃棄物の処理方法として、磁界を通過した空気を用いて熱処理する技術が開発されている。
例えば、(特許文献1)には、「炉容器には、磁性を帯びた空気を炉容器の燃焼室へ送気する磁石付き送気管ユニットが設けられ、炉容器には、有機廃棄物の燃焼によって生成された燃焼ガスを炉容器の外側へ排気する排気管ユニットが設けられ、排気管ユニットの途中には、排煙用燃焼ボックスが設けられ、排煙用燃焼ボックスの内部が排気管ユニットの流路に連通し、排煙用燃焼ボックスの内部には、燃焼ガスの排煙を加熱して燃焼させる排煙用加熱器を設けることで、煙を出さないようにする磁粉体製造装置」が開示されている。
しかしながら、送気管が外周と直交しているので、供給される空気が拡散し易く、有機廃棄物に触れる前に排気される可能性が高く、処理効率が悪いという課題を有していた。また、処理物を中央へガイドする機構がないため、有機廃棄物が送気管を塞ぐ可能性が高く、有機廃棄物の処理が安定しないという課題を有していた。
本発明者等は、これらの課題を解決するために鋭意研究した結果、発明を完成し、特許出願を行った(特許文献2)。
(特許文献2)は「上部に被処理物投入用の第1の開閉蓋を、下部に被処理物の分解物を通す第1、第2のロストル及び分解物の灰を排出する排出機構が設けられた反応炉と、第1の開閉蓋の上方に設けられた乾燥貯留機構と、反応炉内で第1のロストルの上方に設けられ投下される被処理物を受ける第1の円錐ガイド部材と、第1の円錐ガイド部材の中央に配置された空気供給管と、反応炉の下側側壁に設けられ被処理物を加熱するバーナと、反応炉の下側周囲に設けられ、第1の円錐ガイド部材の周囲、第2のロストル上に落下した分解物及び空気供給管に磁化した空気を送る第1、第2の吸気管と、乾燥貯留機構に被処理物を搬送する搬送手段とを有する」有機廃棄物処理装置である。
(特許文献2)の発明は、反応炉の外周と中央の両方に吸気管があるので、被処理物の表面と中央の両方に磁界を通過した空気を供給することができ、被処理物を効率良く処理することができた。しかし、反応炉の中央にある吸気管は、処理中の被処理物と直接接触し、高温に曝されるので、熱脆性を受け、保守作業を要するため、その改善が要求されていた。
そこで、発明者等は、更に研究を続けた結果、発明を完成し特許出願を行った(特許文献3)。
(特許文献3)は「天井部に被処理物の投入口を、高さ方向中央位置より下側の側壁には磁界を通過した空気を取り入れる給気口を、天井部と給気口との間の側壁には排気口を、下部には加熱処理した被処理物のセラミック灰を排出する排出口をそれぞれ備える円筒型で断熱構造の加熱炉を有するセラミック灰の製造装置であって、加熱炉内の中央部には、中央に開口を有し縮径側を下方に設けた複数のコーン部材が、支持部材を介して上下方向に隙間を有し、かつ側壁の内周面とは隙間を設けて配置されて、被処理物を加熱炉内の中央にガイドし、給気口はそれぞれ側壁に水平斜め方向を向いて間隔を設けて配置され、加熱を内の被処理物を側壁との間に磁界を通過した空気の旋回流を発生させ、被処理物に磁界を通過した空気を供給して被処理物の加熱処理を行う」セラミック灰の製造装置である。
特開2010−98009号公報 実用新案登録第3150354号公報 PCT/JP2010/051255
上記(特許文献3)の技術においては、中央にある吸気管を取り除く代わりに、給気口を側壁に水平斜め方向に向けて配置し、加熱炉内に空気の旋回流が起こるように改良した。その結果、メンテナンス頻度を下げた上で、被処理物の表面に酸素を効率よく供給できるようになり、処理効率を改善することができ、吸気管を取り除いたことによる処理効率の低下を防ぐことができた。しかし、被処理物の処理時間を更に短くして欲しいという要望があることがわかった。
本発明は上記従来の要望に応えるもので、エネルギーを殆ど必要とせず、様々な種類の有機廃棄物を高温で無炎燃焼させることにより、処理後の灰が少なく、ダイオキシン等の有害物質や悪臭物質の発生も少なく、有機廃棄物を短時間に処理でき、メンテナンス性、安全性に優れ、処理後の灰を植物の活性剤等として有効利用できる有機廃棄物処理装置及び有機廃棄物処理方法を提供することを目的とする。
上記従来の要望に応えるために、本発明の有機廃棄物処理装置及び有機廃棄物処理方法は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の有機廃棄物処理装置は、有機廃棄物を加熱処理する円筒状の反応室と、前記反応室の上端側に形設された前記有機廃棄物の投入口と、前記投入口の前記反応室側に形成された開閉扉と、前記投入口から投入される前記有機廃棄物を前記反応室の中央部にガイドする開口を中央に有し縮径側を下方に向けて前記反応室の内部に設置された1乃至複数段のコーン状部材と、前記反応室の外周面の接線方向に傾斜して配設された外周給気管と、前記反応室外から前記反応室の底面を通り前記反応室の底部中央部まで延設され前記反応室の底部に開口する1乃至複数の開口部を有する内部給気管と、前記外周給気管又は前記内部給気管の少なくともいずれか一方に配設された磁界発生器と、前記反応室の壁面上部に配設された排ガス管と、前記反応室の下部に設置され前記有機廃棄物に点火する点火装置と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)反応室が円筒状であり、外周給気管が反応室の外周面の接線方向に傾斜しているので、外周給気管から反応室の内部に供給される空気は旋回流となり、有機廃棄物(被処理物)の表面に酸素を効率よく供給することができ、燃焼の効率性に優れる。
(2)内部給気管が反応室の底部に開口する1乃至複数の開口部を有しているので、反応室の底部に堆積した有機廃棄物の底部側や中央(中心)側からも酸素を供給することができ、加熱処理の効率性、確実性に優れる。
(3)外周給気管又は内部給気管の少なくともいずれか一方に磁界発生器を配設することにより、磁界発生器を通過した空気を有機廃棄物の表面や中央(中心)から供給することができ、有機廃棄物をさらに効率良く加熱処理できる。
(4)反応室上部の投入口から投入される有機廃棄物がコーン状部材により反応室の中央に案内されるので、コーン状部材の外周と反応室の内周壁との間に気道を確保して有機廃棄物の表面(外周側)から確実に空気(酸素)を供給することができ、また有機廃棄物によって外周給気管が塞がれることもなく、加熱処理の効率性、メンテナンス性に優れる。

(5)外周給気管又は内部給気管を通して反応室に供給される空気が磁界発生器を通過することにより、空気中の酸素の一部がその磁界中に留まり、磁界を通過した後の空気は低酸素状態になっていると推測される。そのため、適切な量の酸素を供給することにより、ダイオキシン等の発生を最小限に抑えることができ、環境保護性に優れる。
(6)磁界発生器の磁界を通過して反応室に供給された酸素は、分子レベルで整列し、更にクラスター化している。整列しクラスター化した酸素は、ポテンシャルエネルギーが高く、そのポテンシャルエネルギーは熱エネルギーに変換されると推測される。これにより、有機廃棄物を低酸素状態で処理した場合でも、有機廃棄物を効率よく加熱処理できる。
(7)外周給気管から供給される空気による旋回流は、加熱処理により温度が上がった反応室の内壁及びコーン状部材から抜熱する。抜熱により、内壁及びコーン状部材は冷却されるので劣化し難く、旋回流の空気の温度は上昇するため、有機廃棄物を効率よく加熱処理できる。
ここで、有機廃棄物としては、生ゴミ、木材、紙類(紙おむつ等も含む)、繊維類(廃棄衣類等)、革製品、ゴム製品(タイヤを含む)、プラスチック類、発泡スチロール、油、動物残渣、医療廃棄物、植物等の可燃性廃棄物、可燃物(可燃性廃棄物を含む)、非可燃性廃棄物(たとえば、廃棄石膏ボード)等が挙げられる。処理できないものとしては、金属、ガラス、土、石等が挙げられる。
有機廃棄物処理装置は、ステンレスや鉄などの金属から作られる。反応室は、内壁と外壁の間に断熱材が充填される。尚、有機廃棄物の加熱処理により発生するタールが内壁に付着するため、反応室内の高温から装置を守り、劣化し難い。
また、反応室には有機廃棄物の表面温度を確認するための温度計、有機廃棄物の処理状況を確認するための点検口を設けることが望ましい。更に、反応室の側面下部に灰出口を設けることで、処理後の灰を取り出し易くなるとともに、灰出口に窓を設ければ、点検口として併用することもできる。
反応室の上端側(天井部)には有機廃棄物の投入ボックスを形設することができる。投入ボックスの底部は反応室の天井部に形成された天井開口部と直接連通させてもよいし、投入ボックスの底部に開閉扉を配設し天井開口部を開閉するようにしてもよい。投入ボックスの底部に開閉扉を設けた場合、投入ボックスの内部に有機廃棄物を溜めておき、まとめて投入することができる。また、投入ボックスの内部を乾燥室として利用することもできる。投入ボックスが反応室の上端側に形設されていることにより、反応室内で加熱処理をしている場合は、乾燥に必要な熱が反応室から供給されるためエネルギー効率が良い。
投入ボックスの内部を乾燥室として利用する場合には、メッシュ状の収容部を備えることが好ましい。収容部を回転駆動させることで、下部の反応室から放出される熱を、収容部に収容された有機廃棄物に均等に伝達することができ、斑無く効率的に乾燥させることができるためである。
外周給気管は反応室の外周面下側に接線方向に傾いた状態で1乃至複数本が設置される。
また、外周給気管に、流量調節バルブや遮断板等の流量調整部を設け、酸素給気量を調整するようにしてもよい。酸素給気量の調節を行うことで、反応室内の条件を低酸素状態に保つことができ、最適量の酸素を供給して、ダイオキシン等の発生を最小限に抑えることができる。
内部給気管は、反応室の側面底部から底部中央部まで延び、反応室の底部に開口する1乃至複数の開口部を有している。開口部の数や配置は適宜、選択することができ、底部中央部だけでなく、周壁部から中央部に至る途中に設けることもできる。そのため、堆積した有機廃棄物の内部(中心部)や底部からも、空気(酸素)を供給することができ、有機廃棄物を短時間で斑無く加熱処理することができる。特に、内部給気管に磁界発生器を配設した場合は、磁界を通過した低酸素状態の空気を供給することができ、加熱処理の効率性に優れる。
また、内部給気管の数や配置は、適宜、選択することができ、外周給気管と同様に、流量調整部を設けても良い。
尚、複数の内部給気管を配置する場合、各々の内部給気管に開口部を設けてもよいし、複数の内部給気管を連結管で連結し、連結管に開口部を設けてもよい。
磁界発生器の設置場所としては、外周給気管や内部給気管の端部に連設することが望ましい。これは、メンテナンス等の際に、磁界発生装置を容易に着脱できるためである。
設置される磁石の磁力は3000〜10000ガウスのものが好適に用いられる。
尚、磁界発生器においても、給気量を調節する構成を加えることができる。
コーン状部材は、反応室内に1乃至複数段設置され、支持部によって支えられる。コーン状部材は、中央の開口に有機廃棄物をガイドできるように、周壁部が下方に向かって縮径していればよい。例えば、板状の部材で截頭円錐状の周壁部を形成したもの、下方に向って徐々に直径が小さくなるように直径の異なる複数の円環を高さ方向に連結して周壁部を形成したもの等を用いることができる。
コーン状部材を複数段設置する場合、支持部を介して上下方向に隙間を形成する方が良い。また、このコーン状部材の周壁部の外周と反応室の内周壁との間に隙間を空けて設置することが望ましい。これは、外周給気管から供給される空気をコーン状部材の外周部に流通させ、有機廃棄物の処理を効率的に行うためである。
排ガス管には、二次燃焼室や三次燃焼室を連設することができる。二次燃焼室や三次燃焼室を連設することで、有機廃棄物の加熱処理によって発生する有害物質や悪臭物質等を燃焼して無害化することができ、安全性、環境保護性を向上させることができる。
尚、排ガス管又は排ガス管に接続される二次燃焼室や三次燃焼室にブロアーを接続することにより反応室内を減圧状態にできるので、加熱処理によって発生する排ガスを直ちに排出できるとともに、反応室内への酸素の供給量を増すことができるため、有機廃棄物の処理時間を短くすることができ、省エネルギー性、加熱処理の効率性に優れる。
また、排ガス管と二次燃焼室との接続部、又は、二次燃焼室や三次燃焼室とブロアーとの接続部にダンパーを設けた場合、風量調節を容易に行うことができ、加熱処理の条件制御の自在性に優れる。
排ガスの処理方法として、二次燃焼室や三次燃焼室の代わりに、フィルターや脱煙脱臭装置等を用いても良い。尚、フィルターは、発生するガスに合わせたものを選定し、定期的に取り替えることが好ましい。
また、排ガス管の取り付け方向は適宜、選択することができるが、外周給気管とは逆方向に傾斜させることが好ましい。排ガスの流れが空気の旋回流を阻害し難くなり、加熱処理の効率低下を防ぐことができるためである。
点火装置としては、バーナや電熱ヒーター等を用いることができる。尚、有機廃棄物への点火方法は特に限定されないが、反応室の外部にスイッチ等を設けた自動点火式のものが好適に用いられる。手動で点火する場合とは異なり、火傷等の危険性が無く、安全だからである。
反応室を減圧する減圧手段を設けてもよい。減圧手段としては、ブロアー等が好適に用いられる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の有機廃棄物処理装置であって、前記内部給気管と連通し前記反応室の底部中央部に立設されて前記反応室の内部に給気する中央給気管と、前記中央給気管の長手方向に配設された1乃至複数段の吸気ガイド又は前記中央給気管の上方に配設され前記中央給気管の先端の給気孔を覆うカバーの少なくともいずれか一方と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下の作用が得られる。
(1)内部給気管と連通し反応室の底部中央に立設されて反応室の内部に給気する中央給気管を有するので、多量の有機廃棄物が反応室の内部に堆積している場合でも、有機廃棄物の内部(中心側)から確実に酸素を供給することができ、処理斑や処理残りの発生を防止することができ、加熱処理の確実性に優れる。
(2)中央給気管の長手方向に配設される吸気ガイドや中央給気管の上方に配設されるカバーにより、投入口から投入される有機廃棄物や処理後の灰が、中央給気管の内部に侵入するのを防ぐとともに、中央給気管の外周と堆積する有機廃棄物との間に隙間を形成し、中央給気管から供給される空気(酸素)を、有機廃棄物の内側全体にまで斑無く確実に供給できるので、有機廃棄物を効率よく加熱処理できる。
ここで、中央給気管は、内部給気管と連通していればよく、反応室の底部に開口する開口部を介して内部給気管と接続してもよいし、内部給気管と直接接続してもよい。尚、複数の内部給気管を有する場合、各々の内部給気管に中央給気管を接続してもよいし、複数の内部給気管をまとめて1本の中央給気管に接続してもよい。中央給気管は、上端部のみに給気孔を有するものでもよいが、周壁部に複数の給気孔を有するものが好適に用いられる。
また、中央給気管の長さは適宜、選択することができる。吸気ガイドやカバーは中央給気管の外周や先端側に固設してもよいし、別途、吸気ガイドやカバーの外周部などを1乃至複数の棒状の支持脚で連結し、反応室の底部に立設してもよい。吸気ガイドとしては、上方が縮径した傘状、逆椀状、円錐状、截頭円錐状、角錐状等の形状に形成され、中央に貫通孔を設けたものが好適に用いられる。これにより、貫通孔に中央給気管を貫設することや中央給気管から供給される空気(酸素)を上方のカバーまで導きながら、吸気ガイドの外周に放射することができる。また、カバーの周壁は、吸気ガイドと同様の形状に形成することができるが、上面には貫通孔がなく、中央給気管の先端の給気孔を覆うことができる。
吸気ガイドの数や配置間隔は適宜、選択することができる。また、吸気ガイドの設置範囲は、中央給気管の長さに合わせる必要はなく、中央給気管を短くして、中央給気管の先端より上方に吸気ガイドを設置してもよい。尚、独立した複数の吸気ガイドを中央給気管の外周に配設する代わりに、中央給気管の外周に板材を螺旋状に巻き付けるようにして吸気ガイドを形成してもよい。
特に、中央給気管の上端部に給気孔を形成する場合は、カバーを設けることが望ましいが、中央給気管の上端部に給気孔を形成しない場合は、カバーを省略してもよい。また、複数の吸気ガイドを有する場合や螺旋状に形成された吸気ガイドを有する場合は、吸気ガイドと吸気ガイドの間や螺旋状の吸気ガイドの羽根と羽根の間に給気孔を配置することが好ましい。各々の給気孔から供給される空気をそれぞれの吸気ガイドや吸気ガイドの羽根によって斜め下方に案内し、有機廃棄物と確実に接触させることができるためである。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の有機廃棄物処理装置であって、前記反応室の底部に回転自在に配設され前記コーン状部材と連結された回転台を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え以下の作用が得られる。
(1)反応室の底部に回転自在に配設されコーン状部材と連結された回転台を有することにより、着火時に回転台と共にコーン状部材と投入された有機廃棄物を一体的に回転させることができ、点火装置によって回転台上の有機廃棄物の全周に満遍なく着火して燃焼させることができるので、燃焼(反応)速度が速く、短時間で燃焼させることができ、加熱処理の確実性、効率性に優れる。
ここで、回転台は円板状に形成されたものが好適に用いられる。回転台の外径はコーン状部材の中央の開口よりも大径に形成することにより、コーン状部材によって案内される有機廃棄物を回転台で確実に受止めて回転台の中心に配設された回転軸を電動モータなどの駆動部で回転させることにより、回転台を回転させることができる。コーン状部材は、コーン状部材を支持する支持部の下端部を回転台の上面または外周面に溶接や螺子止めなどで固定することにより、回転台と連結することができる。
尚、内部給気管の開口部は、回転台の回転軸に穿設した貫通孔を通して回転台の上面側で反応室の内部に連通させることができる。これにより、内部給気管からの空気(酸素)の供給が回転台によって妨げられることがなく、回転台の上面に堆積した有機廃棄物の中央(中心)部にも確実に酸素を供給することができ、加熱処理の効率性が低下することがない。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の有機廃棄物処理装置であって、前記反応室の底部に回転自在に配設され前記コーン状部材及び前記吸気ガイド又は前記カバーと連結された回転台を備えた構成を有している。
この構成により、請求項2で得られる作用に加え以下の作用が得られる。
(1)反応室の底部に回転自在に配設されコーン状部材及び吸気ガイド又はカバーと連結された回転台を有することにより、着火時に回転台と共にコーン状部材及び吸気ガイド又はカバーと、投入された有機廃棄物を一体的に回転させることができ、点火装置によって回転台上の有機廃棄物の全周に満遍なく着火して燃焼させることができるので、燃焼(反応)速度が速く、短時間で燃焼させることができ、加熱処理の確実性、効率性に優れる。
ここで、回転台及び回転台とコーン状部材との連結方法については、請求項3で説明した通りであるので、説明を省略する。また、吸気ガイドやカバーを回転台に連結するには、吸気ガイドやカバーを支持する支持脚の下端部を回転台の上面に溶接や螺子止めなどで固定すればよい。尚、回転台の回転軸に貫通孔を穿設して中央給気管として使用するか、貫通孔の中に中央給気管を挿通することにより、中央給気管から反応室の内部に確実に給気しながら、回転台と共に吸気ガイドやカバーを回転させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の有機廃棄物処理装置であって、前記反応室の外周面の底部側に形成された灰出口と、前記反応室の底部中央部に回動自在に配設され前記反応室の底部に溜った灰を前記灰出口に向って掻出す掻出し具と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え以下の作用が得られる。
(1)反応室の外周面の底部側に形成された灰出口と、反応室の底部中央部に回動自在に配設され反応室の底部に溜った灰を灰出口に向って掻出す掻出し具を有することにより、加熱処理中に反応室の底部に灰が溜ることを防止して、長時間連続運転を行うことができ、メンテナンス性に優れる。
(2)掻出し具で反応室の底部に溜った灰を掻出すことにより、内部給気管から供給される空気(酸素)が有機廃棄物と接触し易く、燃焼を促進することができ、処理性能の安定性に優れる。
ここで、掻出し具の形状、数、配置などは、適宜、選択することができるが、反応室の底部中央部から半径方向(外周方向)に向って放射状に配設され、回転時に反応室の底部に溜った灰を灰出口に向って押出すように掻出すものが好適に用いられる。尚、掻出し具を駆動する駆動部としては電動モータが好適に用いられる。
また、掻出し具の回転軸には、請求項3又は4と同様に貫通孔を穿設し、内部給気管の開口部と連通させたり、中央給気管を挿通したりすることにより、掻出し具に妨げられることなく、有機廃棄物の中央(中心)部に安定して酸素を供給することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の有機廃棄物処理装置であって、前記排ガス管に接続される脱煙脱臭装置を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1項で得られる作用に加え以下の作用が得られる。
(1)排ガス管に接続される脱煙脱臭装置を有することにより、反応室で排ガス(有毒ガス)、黒煙、悪臭などが発生した場合でも、確実に処理して浄化することができ、安全性、環境保護性に優れる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の有機廃棄物処理装置であって、前記磁界発生器が、ハウジングと、前記ハウジング内の空気通路を介して同極を対向させた1乃至複数組の磁石と、を備える構成を有している。
この構成により、請求項1乃至6の内いずれか1項で得られる作用に加え以下の作用が得られる。
(1)磁界発生器が、ハウジングと、ハウジング内の空気通路を介して同極を対向させた1乃至複数組の磁石を有するので、空気は平行磁界に沿って空気通路を通過することになり、磁界に曝される時間が長くなる。そのため、空気中の酸素のポテンシャルエネルギーが高くなり、有機廃棄物の加熱処理能力が高い。
ここで、磁界発生器のハウジングは、外周給気管や内部給気管の周壁部と一体に形成してもよいし、別途形成したものを外周給気管や内部給気管の端部に連結してもよい。磁界発生器のハウジングを外周給気管や内部給気管の周壁部と一体に形成する場合は、外周給気管や内部給気管の管路の一部を空気通路として用いることができる。
また、空気通路を介して磁石の同極を対向させることにより、空気通路の内部(対向する磁石と磁石の間)に進行方向(空気の流れ方向)と平行な磁界が形成されるので、空気通路を通過する空気が磁界に沿って移動することになり、磁界に曝される時間を長くして、磁化作用を高めることができる。
尚、複数組の磁石を配置する場合は、空気通路の長手方向に間隔を空けて配置することができ、その間隔や数は、適宜、選択することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の内いずれか1項に記載の有機廃棄物処理装置であって、前記外周給気管と前記反応室の外周面との接続位置を接点とする接線と、前記外周給気管の中心線とのなす角度が、40〜65度、好ましくは45〜60度である構成を有している。
この構成により、請求項1乃至7の内いずれか1項で得られる作用に加え以下の作用が得られる。
(1)外周給気管と反応室の外周面との接続位置を接点とする接線と、外周給気管の中心線とのなす角度が、40〜65度、好ましくは45〜60度であることにより、反応室内に給気される空気(酸素)が、接線方向より反応室の中心側に傾斜するので、旋回流が発生し易く、空気(酸素)を有機廃棄物に効率よく接触させることができ、燃焼効率を高めることができる。
ここで、外周給気管と反応室の外周面との接続位置を接点とする接線と、外周給気管の中心線とのなす角度が45度より小さくなるにつれ、供給される空気が反応室の内壁に衝突し易く、旋回流が発生し難くなって、処理効率が低下する傾向が見られ、60度より大きくなるにつれ、供給される空気の流れが反応室の中心方向に傾き、円周方向の速度成分が低下し易く、旋回流が発生し難くなって、処理効率が低下する傾向が見られる。特に、外周給気管と反応室の外周面との接続位置を接点とする接線と、外周給気管の中心線とのなす角度が40度より小さくなると、供給される空気がすぐに反応室の内壁に衝突して分散し、旋回流を発生させることが困難になって、空気(酸素)を有機廃棄物に効率的に接触させることができず、十分な加熱処理を行うことができなくなり、65度より大きくなると、供給される空気が旋回せずに有機廃棄物の特定箇所に直接接触し、有機廃棄物の表面全体に空気(酸素)を接触させることが困難になって、均一な加熱処理を行うことができず、処理斑が発生するため、いずれも好ましくない。
反応室に投入された有機廃棄物はコーン状部材の下端側の内周円(開口部)に沿うように略円柱状に堆積して保持されるので、特に、コーン状部材の下端側の内周円の接線方向と一致するように外周給気管を配置することにより、外周給気管から供給される空気(酸素)が有機廃棄物の外周に沿うようにスムーズに流れ、処理能力を向上させることができ、好ましい。
尚、旋回流の回転方向は右回りでも左回りでもよく、接線に対する外周給気管の中心線の傾斜方向は、旋回の方向に応じて、右方向又は左方向を選択することができる。
請求項9に記載の有機廃棄物処理方法は、請求項1乃至8の内いずれか1項に記載の有機廃棄物処理装置を用いた有機廃棄物処理方法であって、前記有機廃棄物を前記反応室に投入し前記コーン状部材によって前記反応室の中央部にガイドする廃棄物投入工程と、前記点火装置により前記有機廃棄物に点火する点火工程と、前記外周給気管から空気を供給して前記反応室内に旋回流を発生させる外周給気工程と、前記内部給気管から前記反応室の底部中央部に空気を供給する中央給気工程と、を備え、前記反応室内の前記有機廃棄物を低酸素状態で加熱処理する構成を有している。
この構成により、以下の作用が得られる。
(1)外周給気工程及び中央給気工程により最適量の酸素を供給しながら有機廃棄物を加熱処理することにより、ダイオキシン等の有害物質が発生し難く、環境保護性に優れる。
(2)石油・ガス・電気等の燃料が略不要であるため、エネルギーを殆ど使うことなく、有機廃棄物を処理することができ、二酸化炭素排出量が少なく、省エネルギー性、環境保護性に優れる。
(3)磁界を通過したポテンシャルエネルギーの高い酸素で、有機廃棄物の表面や内部から無炎燃焼させることができ、有機廃棄物中の炭素を灰中に残存させて二酸化炭素の発生を抑えることができ、加熱処理の効率性、環境保護性に優れる。
ここで、外周給気工程及び中央給気工程の開始並びに停止のタイミングは適宜、選択することができる。よって、外周給気工程又は中央給気工程のいずれか一方のみをタイミングをずらして開始或いは停止してもよいし、同時に開始或いは停止してもよい。また、外周給気工程及び中央給気工程は、連続的に行ってもよいし、断続的に行ってもよい。
尚、反応室内で発生する有害ガスを二次燃焼室や三次燃焼室で燃焼させ無害化するガス燃焼工程を備えた場合、悪臭等も発生せず、安全に廃棄物を処理することができ、環境保護性に優れる。
また、反応室内を排ガス管又は排ガス管に接続される二次燃焼室や三次燃焼室に接続されるブロアーで減圧する減圧工程を備えた場合、反応室内部への給気量を増加させて、廃棄物の処理時間を短縮することができ、省エネルギー性、廃棄物処理の効率性に優れる。
以上のように、本発明の有機物処理装置によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1によれば、
(1)有機廃棄物を、磁界を通過した低酸素状態の空気により表面と内側の両方から効率よく加熱処理することができる燃焼の効率性に優れた有機廃棄物処理装置を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)投入される有機廃棄物や処理後の灰が、内部給気管に侵入するのを防ぐとともに、内部給気管から供給される磁界を通過した空気を有機廃棄物の下方から内部(中心側)に確実に案内することができ、有機廃棄物を効率よく加熱処理できる省エネルギー性、効率性に優れた有機廃棄物処理装置を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)着火時に回転台と共にコーン状部材と投入された有機廃棄物を一体的に回転させることにより、点火装置によって回転台上の有機廃棄物の全周に満遍なく着火して燃焼させることができ、燃焼(反応)速度が速く、短時間で燃焼させることができる加熱処理の確実性、効率性に優れた有機廃棄物処理装置を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2の効果に加え、
(1)着火時に回転台と共にコーン状部材及びカバー又は吸気ガイドと投入された有機廃棄物を一体的に回転させることにより、点火装置によって回転台上の有機廃棄物の全周に満遍なく着火して燃焼させることができ、燃焼(反応)速度が速く、短時間で燃焼させることができる加熱処理の確実性、効率性に優れた有機廃棄物処理装置を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)加熱処理中に反応室の底部に灰が溜ることを防止して、長時間連続運転を行うことができるメンテナンス性に優れた有機廃棄物処理装置を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1項の効果に加え、
(1)反応室で発生する排ガス(有毒ガス)、黒煙、悪臭などを確実に処理して浄化することができる安全性、環境保護性に優れた有機廃棄物処理装置を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の内いずれか1項の効果に加え、
(1)反応室内に供給される空気が磁界に曝される時間が長く、空気中の酸素のポテンシャルエネルギーを高めることができる加熱処理能力の高い有機廃棄物処理装置を提供することができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1乃至7の内いずれか1項の効果に加え、
(1)反応室内に給気される空気が旋回流になり易く、磁界を通過した空気を有機廃棄物に効率よく接触させることができる燃焼効率の高い有機廃棄物処理装置を提供することができる。
請求項9に記載の発明によれば、
(1)石油・ガス・電気等のエネルギーを殆ど使うことなく、短時間で有機廃棄物の加熱処理を行うことができ、ダイオキシン等の有害物質の発生を抑えることができる省エネルギー性、効率性、環境保護性に優れた有機廃棄物処理方法を提供することができる。
実施の形態1における有機廃棄物処理装置の平面図 実施の形態1における有機廃棄物処理装置の部分断面正面図 実施の形態1における有機廃棄物処理装置の部分断面側面図 (a)実施の形態1における有機廃棄物処理装置の磁界発生器を示す部分断面拡大側面図 (b)実施の形態1における有機廃棄物処理装置の磁界発生器を示す拡大正面図 実施の形態2における有機廃棄物処理装置の平面図 実施の形態2における有機廃棄物処理装置の部分断面正面図 実施の形態2における有機廃棄物処理装置の部分断面側面図 図5のA−A線矢視断面図 図6のB−B線矢視断面図 実施の形態3における有機廃棄物処理装置の部分断面側面図
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
なお、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における有機廃棄物処理装置及び有機廃棄物処理方法について、説明する。
図1は実施の形態1における有機廃棄物処理装置の平面図であり、図2は実施の形態1における有機廃棄物処理装置の部分断面正面図であり、図3は実施の形態1における有機廃棄物処理装置の部分断面側面図である。
図1乃至図3中、1は実施の形態1における有機廃棄物処理装置、1aは有機廃棄物処理装置1の設置台、2は有機廃棄物を熱処理する有機廃棄物処理装置1の円筒状の反応室、3は反応室2の底部2aに敷かれた耐火レンガなどの耐火材(図2,3)、4aは反応室2の外周壁(図2,3)、4bは反応室2の内周壁、5は反応室2の外周壁4aと内周壁4bの間に配設された断熱材(図2,3)、6は反応室2の上端側に設けられた天井部、6aは天井部6に形成された反応室2の天井開口部(図2)、7は天井開口部6aの位置に対応して天井部6に形設された有機廃棄物処理装置1の角筒型の投入ボックス、8は投入ボックス7の底部に天井開口部6aに対向して配設された観音開きの開閉扉(図2)、9は開閉扉8を開閉するためのエアシリンダ(図1,2)、10は投入ボックス7の投入口7aを開閉する投入蓋、10aは投入蓋10を開閉するためのエアシリンダ(図1,2)、11は投入口7aから投入される有機廃棄物を反応室2の中央部にガイドする開口11aを中央に有し縮径側を下方に向けて反応室2の内部に設置された複数段のコーン状部材(図2,3)、12は複数のコーン状部材11を間隔を空けて連結支持する3本の支持部(図2,3)、12aは支持部12を反応室2の内周壁4bに固定するコーン状部材固定部(図3)、13a,13bは反応室2の外周面の接線方向に傾斜して上下二段に円周上に配設された計12箇所の外周給気管、14は反応室2外から反応室2の底面を通り反応室2の底部2a中央部まで延設され放射状に配置された2箇所の内部給気管(図2,3)、14aは複数の内部給気管14と連通し反応室2の底部2a中央に立設されて先端の給気孔14bから反応室2の内部に給気する中央給気管(図2,3)、15は外周給気管13a,13b及び内部給気管14の入口側の端部に配設される磁界発生器、16は中央給気管14aの長手方向上方に間隔を空けて設置された複数段の吸気ガイド(図2,3)、17は最上段の吸気ガイド16の上方に設置されたカバー(図2,3)、18は吸気ガイド16及びカバー17の外周部を連結し反応室2の底部2aに立設される3本の棒状の支持脚(図2,3)、19は反応室2の底部2a側の側部に設置され反応室2内部の有機廃棄物に点火する3箇所の点火装置(図1,3)、20は反応室2の底部2a側の外周面に形成された3箇所の灰出口、21は外周壁4aから挿通され反応室2の中央付近まで延びた温度計(図2)、22は反応室2の周壁側部に配設され反応室2の内部に送風する送風機(図1)、22aは送風機22の送風量を調整するバルブ(図1)、23は反応室2の周壁面上部に形成された排ガス口23aで反応室2の内部と連通して配設された排ガス管(図1,3)、24は排ガス管23と脱煙脱臭装置25を接続する接続配管、26は接続配管24(図1,2)に配設されたバルブ(図1,3)、60は有機廃棄物処理装置1が設置される設置面である。
尚、説明の都合上、図2には、外周給気管13a,13b、灰出口20、温度計21の部分断面図を同一面上に示し、図3には、外周給気管13a,13b、灰出口20、送風機22、排ガス管23の部分断面図を同一面上に示した。
ここで、有機廃棄物処理装置1はステンレス製とした。反応室2は、内径及び高さを1300〜2000mmとし、外周壁4aと内周壁4bの間の断熱材5には耐熱性繊維で形成されたブランケットを使用した。また、反応室2の底部2aの耐火材7には耐火レンガ、珪藻土等を使用した。
開閉扉8及び投入蓋10は、それぞれ開閉スイッチ(図示せず)を操作することにより、エアシリンダ9,10aによって自動で開閉する。
複数のコーン状部材11は支持部12により連結支持し、コーン状部材11の周壁部の外周と反応室2の内周壁4bとの間に隙間を空けた状態で設置した。この隙間により、外周給気管13a,13bから供給される空気をコーン状部材11の外周に流通させることができ、有機廃棄物の表面に酸素を効率よく供給すると共に、旋回流により反応室2の内周壁4b及びコーン状部材11から抜熱し、燃焼の効率化を図ることができる。
本実施の形態では、支持部12の要所に配設したコーン状部材固定部12aでコーン状部材11を反応室2の内周壁4bに固定することにより、転倒や位置ずれ等を防止した。尚、コーン状部材固定部12aの数や配置は適宜、選択することができる。また、コーン状部材固定部12aを設ける代りに、支持部12を下方に伸ばし、反応室2の底部2a(耐火レンガ3)に載置してもよい。このとき、支持部12の下端を反応室2の底部2aに溶接や螺子止めなどで固定することもできる。
外周給気管13a,13bは、外周壁4aの下側の上下2段に6本ずつ等角度間隔で設置されている。また、外周給気管13a,13bと反応室2の外周面との接続位置を接点とする接線と、外周給気管13a,13bの中心線(軸線)とのなす角度は、45〜60度とした。この角度が45度より小さくなるにつれ、供給される空気が反応室2の内周壁4bに衝突し易く、旋回流が発生し難くなって、処理効率が低下する傾向が見られ、60度より大きくなるにつれ、供給される空気の流れが反応室2aの中心方向に傾き、円周方向の速度成分が低下し易く、旋回流が発生し難くなって、処理効率が低下する傾向が見られることがわかったためである。
複数段の吸気ガイド16は中央に貫通孔を有する截頭円錐状に形成した。これにより、内部給気管14から供給され中央給気管14aの先端の給気孔14bから噴出された空気(酸素)は、吸気ガイド16の貫通孔を通過しながら一部が各々の吸気ガイド16の内周面で反射して吸気ガイド16と吸気ガイド16の間から斜め下方に噴出される。また、カバー17まで達した空気(酸素)もカバー17の内周面で反射してカバー17と最上段の吸気ガイド16の間から斜め下方に噴出される。この結果、内部給気管14から供給される空気(酸素)を周囲の有機廃棄物と確実に接触させて燃焼を促進することができる。
尚、吸気ガイド16やカバー17の形状は本実施の形態に限定されるものではなく、傘状や角錐状などのように周壁が下方に向って拡径(拡開)する形状から、適宜、選択することができる。また、吸気ガイド16の数や配置間隔も適宜、選択することができる。
中央給気管14aの長さは、反応室2の底部2aからカバー17の上面までの範囲で適宜、選択することができるが、中央給気管14aの先端をカバー17の内側付近まで伸ばし、周壁(中央給気管14aの長手方向)に複数の給気孔を設ければ、吸気ガイド16と吸気ガイド16の間から確実に空気(酸素)を噴出させることができ、好ましい。このとき、中央給気管14aの先端の給気孔14bは省略してもよい。
反応室2の下部の1〜3箇所に設置される点火装置19には、バーナや電熱ヒーター等が用いられ、点火スイッチ(図示しない)により、自動で点火できる。
灰取口20に窓を付けることにより、点検口を兼ねることができ、反応室2内の状態を確認することができる。
尚、反応室2での処理中に灰取口20(点検口)を開口した際に、バックファイヤーが発生するおそれがあるが、灰取口20(点検口)を開口する前に、送風機22によって反応室2の内部に空気を送込むことにより、バックファイヤーの発生を防止することができ、安全性に優れる。
また、反応室2に脱煙脱臭装置25を連設することにより、反応室2で排ガス(有毒ガス)、黒煙、悪臭などが発生した場合でも、確実に処理して浄化することができる。尚、脱煙脱臭装置25の数や大きさは、反応室2の容量、処理する有機廃棄物の種類などによって、適宜、選択することができる。また、脱煙脱臭装置25の代りに、二次燃焼室や三次燃焼室を連設し、反応室2での加熱処理によって発生する有害物質や悪臭物質等を燃焼して無害化することもできる。
次に、実施の形態1における有機廃棄物処理装置の磁界発生器について説明する。
図4(a)は、実施の形態1における有機廃棄物処理装置の磁界発生器を示す部分断面拡大側面図であり、図4(b)は実施の形態1における有機廃棄物処理装置の磁界発生器を示す拡大正面図である。
図4中、30は外周給気管13a,13b及び内部給気管14の給気管端部、31は磁界発生器15と給気管端部30との間に配設された流量調整バルブ、32は磁界発生器15の角筒状のハウジング、33はハウジングの長手方向に形成された磁界発生器15の空気通路、34は空気通路33を挟んで同極が対向するように向い合わせに配置され空気通路33の長手方向に間隔を空けて配設された磁界発生器15の複数組(図では3組)の磁石である。
磁石34は、磁力が3000〜10000ガウスのものを使用した。磁石34はN極同士を対向させて配置してもよいし、S極同士を対向させて配置してもよい。尚、ハウジング32はステンレスなどの非磁性体で形成される。また、空気通路33の幅(対向する磁石34同士の間隔)は、磁力やハウジングの大きさなどに応じて、適宜、選択することができる。
以上のように構成された実施の形態1の有機廃棄物処理装置について、以下にその運転方法を説明する。
まず、廃棄物投入工程において、投入ボックス7の投入蓋10を開き、投入口7aから予め乾燥させておいた有機廃棄物(例えば水分量20wt%以下)を投入する。このとき、開閉扉8は閉じられており、有機廃棄物は一端、投入ボックス7の中に溜められる。投入蓋10を閉じた後に、開閉扉8を下方に回動させることにより、反応室2の天井開口部6aが開放され、反応室2内に有機廃棄物が落下する。落下した有機廃棄物はコーン状部材11により案内され外方に飛散ることなく、反応室2の底部2a中央部に導かれる。
有機廃棄物を予め乾燥させておくことで、反応室2での処理時間を短縮することができるが、有機廃棄物は、必ずしも乾燥させておく必要はない。尚、反応室2で有機廃棄物の加熱処理を行っている間は、反応室2内で発生する熱が、開閉扉8の隙間などを通って投入ボックス7の中に伝達されるため、投入ボックス7を乾燥室として利用することができる。よって、反応室2での加熱処理前或は加熱処理中に、次に処理をする有機廃棄物を投入ボックス7の中に投入しておけば、有機廃棄物の加熱処理で発生する熱を有効に利用して、加熱処理と乾燥を同時に行うことができ、省エネルギー性、処理効率性に優れる。
また、投入する有機廃棄物に、生竹や木製のチップ等のカロリーが高いバイオマスを燃焼補助剤として混入させても良い。
次に、点火工程において、点火装置19のスイッチを入れ、投入した有機廃棄物に点火する。有機廃棄物の点火が確認できたら、点火装置19のスイッチは切って良い。
次いで、外周給気工程及び中央給気行程において、磁界発生器15が連設された外周給気管13a,13b及び内部給気管14の2種類の給気管から磁界を通った空気を反応室2に供給する。外周給気管13a,13bと反応室2の外周面との接続位置を接点とする接線と、外周給気管13a,13bの中心線(軸線)とのなす角度は、それぞれ45〜60度の等角度間隔で、複数本配置されているので、外周給気管13a,13bから反応室2に供給される空気は、旋回流となる。この旋回流は、有機廃棄物と内周壁4bとの間を有機廃棄物の表層部を沿うように流れるので、有機廃棄物の周囲に磁界を通過した空気が供給される。また、有機廃棄物中央にある中央給気管14aの上方には、吸気ガイド16及びカバー17を備えているため、内部給気管14から中央給気管14aを通って反応室2に供給される空気は、吸気ガイド16及びカバー17の下側の隙間から、有機廃棄物の内部に供給される。これにより、有機廃棄物は、表面(外周面)と内部(中心部)の両方から加熱分解される。
ここで、磁界発生器15において、磁力3300ガウスの磁石34が空気通路33の両側にN極同士を対向させた状態で配置されているので、空気通路33を通過する空気中の酸素の一部は磁石34に引き寄せられ、反応室2内に供給される空気は低酸素状態になっていると考えられる。更に、対向する磁石34同士の間に形成される平行磁界を通過した空気中の酸素は、分子レベルで整列すると共にクラスター化していると考えられる。そのため、磁界を通過した空気が、有機廃棄物に接触すると、酸素のもつポテンシャルエネルギーは熱エネルギーに変換される。変換された熱エネルギーは、有機廃棄物の種類毎に決まった臨界温度付近で、有機廃棄物の熱イオン分解を開始し、有機廃棄物は磁性を持った灰となる。尚、有機廃棄物の種類によっても異なるが、燃焼を始める際の有機廃棄物の表面温度を450〜500℃程度とすることにより、熱イオン分解の臨界温度に達する。
また、反応室2への空気の供給量を調節するために、磁界発生器15と外周給気管13a,13b及び内部給気管14の給気管端部30との間に流量調節バルブ31が設けられているが、流量調整バルブ31の代わりに磁界発生器15の外側末端に空気の遮へい板を設けてもよい。
有機廃棄物の熱分解によって発生した排ガスは、反応室2の上側に配設された排ガス管23を通って、脱煙脱臭装置25に送られる。脱煙脱臭装置25に送られた排ガスは、脱煙脱臭処理され、無害化される。尚、反応室2から脱煙脱臭装置25に送られたる排ガスの量は接続配管24に配設されたバルブによって調整される。
脱煙脱臭装置25の代りに、二次燃焼室を連設し、有機廃棄物の加熱処理によって反応室2に発生する有害物質や悪臭物質等を燃焼して無害化することもできる。また、二次燃焼室にさらに三次燃焼室を連設することで、排ガス中に、二次燃焼室だけでは処理できない有害物質や悪臭物質が含まれる場合でも無害化することができる。
排ガス管23の数は適宜、選択することができ、配設される排ガス管23の全てに脱煙脱臭装置25や二次燃焼室27を備えてもよい。
実施の形態1における有機廃棄物処理装置によれば、以下の作用を有する。
(1)反応室が円筒状であり、外周給気管が反応室の外周面の接線方向に傾斜しているので、外周給気管から反応室の内部に供給される空気は旋回流となり、有機廃棄物(被処理物)の表面に酸素を効率よく供給することができ、燃焼の効率性に優れる。

(2)複数の内部給気管が反応室の底部に開口する中央給気管に連結されているので、反応室の底部に堆積した有機廃棄物の底部側や中央(中心)側からも酸素を供給することができ、加熱処理の効率性、確実性に優れる。
(3)外周給気管及び内部給気管に磁界発生器を配設することにより、磁界発生器を通過した空気を有機廃棄物の表面や中央(中心)から供給することができ、有機廃棄物をさらに効率良く加熱処理できる。
(4)反応室上部の投入口から投入される有機廃棄物がコーン状部材により反応室の中央に案内されるので、コーン状部材の外周と反応室の内周壁との間に気道を確保して有機廃棄物の表面(外周側)から確実に空気(酸素)を供給することができ、また有機廃棄物によって外周給気管が塞がれることもなく、加熱処理の効率性、メンテナンス性に優れる。
(5)外周給気管及び内部給気管を通して反応室に供給される空気が磁界発生器を通過することにより、空気中の酸素の一部がその磁界中に留まり、磁界を通過した後の空気は低酸素状態になっていると推測される。そのため、有機廃棄物を低酸素状態で処理できるので、ダイオキシン等が発生し難く、環境保護性に優れる。
(6)磁界発生器の磁界を通過して反応室に供給された酸素は、分子レベルで整列し、更にクラスター化している。整列しクラスター化した酸素は、ポテンシャルエネルギーが高く、そのポテンシャルエネルギーは熱エネルギーに変換されると推測される。これにより、有機廃棄物を低酸素状態で処理した場合でも、有機廃棄物を効率よく加熱処理できる。
(7)外周給気管から供給される空気による旋回流は、加熱処理により温度が上がった反応室の内壁及びコーン状部材から抜熱する。抜熱により、内壁及びコーン状部材は冷却されるので劣化し難く、旋回流の空気の温度は上昇するため、有機廃棄物を効率よく加熱処理できる。
(8)内部給気管と連通し反応室の底部中央に立設されて反応室の内部に給気する中央給気管を有するので、多量の有機廃棄物が反応室の内部に堆積している場合でも、有機廃棄物の内部(中心側)から確実に酸素を供給することができ、処理斑や処理残りの発生を防止することができ、加熱処理の確実性に優れる。
(9)中央給気管の長手方向に配設される吸気ガイドや中央給気管の上方に配設されるカバーにより、投入口から投入される有機廃棄物や処理後の灰が、中央給気管の内部に侵入するのを防ぐとともに、中央給気管の外周と堆積する有機廃棄物との間に隙間を形成し、中央給気管から供給される空気(酸素)を、有機廃棄物の内側全体にまで斑無く確実に供給できるので、有機廃棄物を効率よく加熱処理できる。
(10)排ガス管に接続される脱煙脱臭装置を有することにより、反応室で排ガス(有毒ガス)、黒煙、悪臭などが発生した場合でも、確実に処理して浄化することができ、安全性、環境保護性に優れる。
(11)磁界発生器が、ハウジングと、ハウジング内の空気通路を介して同極を対向させた1乃至複数組の磁石を有するので、空気は平行磁界に沿って空気通路を通過することになり、磁界に曝される時間が長くなる。そのため、空気中の酸素のポテンシャルエネルギーが高くなり、有機廃棄物の加熱処理能力が高い。
(12)外周給気管と反応室の外周面との接続位置を接点とする接線と、外周給気管の中心線とのなす角度が、40〜65度、好ましくは45〜60度であることにより、反応室内に給気される空気(酸素)が、接線方向より反応室の中心側に傾斜するので、旋回流が発生し易く、空気(酸素)を有機廃棄物に効率よく接触させることができ、燃焼効率を高めることができる。
実施の形態1における有機廃棄物処理方法によれば、以下の作用を有する。
(1)外周給気工程及び中央給気工程により最適量の酸素を供給しながら有機廃棄物を加熱処理することにより、ダイオキシン等の有害物質が発生し難く、環境保護性に優れる。
(2)石油・ガス・電気等の燃料が略不要であるため、エネルギーを殆ど使うことなく、有機廃棄物を処理することができ、二酸化炭素排出量が少なく、省エネルギー性、環境保護性に優れる。
(3)磁界を通過したポテンシャルエネルギーの高い酸素で、有機廃棄物の表面や内部から無炎燃焼させることができ、有機廃棄物中の炭素を灰中に残存させて二酸化炭素の発生を抑えることができ、加熱処理の効率性、環境保護性に優れる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における有機廃棄物処理装置について、説明する。尚、実施の形態1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図5は実施の形態2における有機廃棄物処理装置の平面図であり、図6は実施の形態2における有機廃棄物処理装置の部分断面正面図であり、図7は実施の形態2における有機廃棄物処理装置の部分断面側面図である。
図5乃至図7中、1Aは実施の形態2における有機廃棄物処理装置、35は反応室2の底部2a側の外側部から下方に向って開口して形成された1箇所の灰出口(図5,6)、35aは灰出口35の蓋部(図6)、35bは蓋部35aを開閉するためのエアシリンダ(図5,6)、36は反応室2の底部2a側の外周面に形成された1箇所の点検口(図5,6)、37は反応室2の底部2a側の側部に回動自在に設置され反応室2内部の有機廃棄物に点火する3箇所の点火装置(図5,7)、37aは点火装置37を回動させるためのエアシリンダ(図5,7)、38は反応室2の底部2a側の外周面に形成され点火装置37が出し入れされる3箇所の点火装置挿通部(図7)、39は反応室2の底部2a中央部に回動自在に配設され反応室2の底部2aに溜った灰を灰出口35に向って掻出す掻出し具である(図6)。
尚、説明の都合上、図6には、灰出口35、点検口36の部分断面図を同一面上に示し、図7には、外周給気管13a、温度計21、排ガス管23、点火装置挿通部38の部分断面図を同一面上に示した。
次に、実施の形態2における有機廃棄物処理装置の点火装置及び掻出し具について説明する。
図8は図5のA−A線矢視断面図であり、図9は図6のB−B線矢視断面図である。
まず、点火装置について説明する。
図8中、38aは点火装置挿通部38の開閉蓋、38bは開閉蓋38aを開閉するためのエアシリンダである。
通常は、点火装置挿通部38は図8に示すように開閉蓋38aで閉じられており、点火装置37は図7の仮想線で示したように上方に跳ね上げられた状態となっている。
そして、点火装置37で点火を行う際には、まず図8の仮想線で示したように点火装置挿通部38の開閉蓋38aを開き、次に、図7に示したように点火装置37を下方に回動させて点火装置挿通部38に挿通する。点火が終った後は、逆の手順で点火装置37を上方に跳ね上げ、点火装置挿通部38の開閉蓋38aを閉じて加熱処理を行う。
次に、掻出し具について説明する。
図6及び図8中、40は掻出し具39の基部、41は基部40に点対称に配設された掻出し具39の2枚の水平板、41aは基部40側から先端(径方向)に向って先細り状に形成された水平板41の傾斜部、42は水平板41の背面に立設された掻出し具39の背板である。
図6及び図9中、43は基部40の下部に連結され反応室2の底部2aを貫通する掻出し具39の回転軸、44は反応室2の外部で回転軸43に貫設された回転板、45は回転板44の外周を囲むように六角形状に形成され反応室2の下部に固設された側部フレーム、45aは側部フレーム45の各辺に配設され回転板44の外周面に当接する側部回転体、46は回転軸43の下端部を回動自在に支持する下部フレーム、46aは下部フレーム46の上面に円周上に配設され回転板44の底面を支持する下部回転体、47は回転板44の下方で回転軸43に貫設されたスプロケット、48はモータを用いた掻出し具39の駆動部、49は駆動部48の駆動軸に貫設されたスプロケット、50は2つのスプロケット47,49の間に巻回されて駆動部48の回転動力を回転軸43に伝達するチェーンである。
尚、掻出し具39の基部40及び回転軸43には、内部給気管14と連通する給気孔14bが設けられており、実施の形態1と同様に、吸気ガイド16に対して空気(酸素)を供給することができる。
掻出し具39は駆動部48によって回転するが、水平板41の回転方向後方に背板42を有することにより、底部2aに溜った灰を後方に逃すことなく掻き取ることができる。また、掻出し具39の水平板41が基部40側から先端(径方向)に向って先細り状に形成された傾斜部41aを有することにより、掻き取られた灰が掻出し具39の回転と共に水平板41の基部40側から先端(径方向)に向って移動し、灰出口35から確実に排出される。
掻出し具39の回転軸43に回転板44を貫設し、回転板44の外周面及び底面にそれぞれ側部回転体45a及び下部回転体46aを当接させて回転自在に支持することにより、駆動部48の動力をチェーン50で伝達して回転軸43を回転させる際に、回転軸43が傾くことがなく、確実かつスムーズに掻出し具39を回転させることができ、動作の安定性、確実性に優れる。
以上のように構成された実施の形態2の有機廃棄物処理装置の基本的な運転方法は、加熱処理中に必要に応じて掻出し具39を回転させる以外は実施の形態1と同様である。
実施の形態2における有機廃棄物処理装置によれば、実施の形態1の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)反応室の外周面の底部側に形成された灰出口と、反応室の底部中央部に回動自在に配設され反応室の底部に溜った灰を灰出口に向って掻出す掻出し具を有することにより、加熱処理中に反応室の底部に灰が溜ることを防止して、長時間連続運転を行うことができ、メンテナンス性に優れる。
(2)掻出し具で反応室の底部に溜った灰を掻出すことにより、内部給気管から供給される空気(酸素)が有機廃棄物と接触し易く、燃焼を促進することができ、処理性能の安定性に優れる。
実施の形態2における有機廃棄物処理方法によれば、実施の形態1と同様の作用を有する。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における有機廃棄物処理装置について、説明する。尚、実施の形態1又は2と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図10は実施の形態3における有機廃棄物処理装置の部分断面側面図である。
図10において、実施の形態3における有機廃棄物処理装置1Bが、実施の形態2における有機廃棄物処理装置1Aと異なるのは、回転軸43の先端に掻出し具39の代りに円板状の回転台39aが配設され、コーン状部材11の支持部12並びに吸気ガイド16及びカバー17の支持脚18の下端部がそれぞれ回転台39aに連結支持されている点である。
これにより、着火時に回転台39aと共にコーン状部材11、吸気ガイド16、カバー17と、回転台39a上に堆積した有機廃棄物を一体的に回転させることができ、点火装置37によって回転台39a上の有機廃棄物の全周に満遍なく着火して燃焼させることができる。
尚、温度計21は進退可能に設置することが好ましい。これにより、反応室2の中央部の温度だけでなく、反応室2の内周壁4b周辺のガス温度も測ることができるので、反応の状況を確認することができると共に、有機廃棄物を投入するタイミングを知ることができ、有機廃棄物の連続処理が可能で、有機廃棄物処理の効率性に優れる。
また、回転台39aに加え、実施の形態2の掻出し具39を並設することもできる。この場合、回転台39aと掻出し具39を別駆動とすることにより、着火時は回転台39aのみを回転させて有機廃棄物の外周部に確実に着火できると共に、処理中に必要に応じて掻出し具39のみを回転させて回転台39a上に堆積した灰を確実に掻出すことができる。
尚、コーン状部材11の支持部12と回転台39aが連結されているので、回転台39aを回転させる際には、図10の状態から温度計21を反応室2の外方に後退させることにより、支持部12と温度計21の干渉を防止することができる。
以上のように構成された実施の形態3の有機廃棄物処理装置の基本的な運転方法は、着火時に回転台39aを回転させる以外は実施の形態1と同様である。
実施の形態3における有機廃棄物処理装置によれば、実施の形態1の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)反応室の底部に回転自在に配設されコーン状部材、吸気ガイド及びカバーと連結された回転台を有することにより、着火時に回転台と共にコーン状部材、吸気ガイド、カバーと、投入された有機廃棄物を一体的に回転させることができ、点火装置によって回転台上の有機廃棄物の全周に満遍なく着火して燃焼させることができるので、燃焼(反応)速度が速く、短時間で燃焼させることができ、加熱処理の確実性、効率性に優れる。
実施の形態3における有機廃棄物処理方法によれば、実施の形態1と同様の作用を有する。
本発明は、エネルギーを殆ど必要とせず、様々な種類の有機廃棄物を、高温で無炎燃焼させるので、処理後の灰が少なく、ダイオキシン等の有害物質や悪臭物質の発生も少なく、有機廃棄物を短時間に処理できるとともに、メンテナンス性、安全性に優れ、処理後の灰を植物の活性剤等として有効利用できる有機廃棄物処理装置及び有機廃棄物処理方法を提供することができ、地球環境保護に貢献することができる。
1,1A,1B 有機廃棄物処理装置
1a 設置台
2 反応室
3 耐火材
4a 外周壁
4b 内周壁
5 断熱材
6 天井部
6a 天井開口部
7 投入ボックス
8 開閉扉
9 エアシリンダ
10 投入蓋
10a エアシリンダ
11 コーン状部材
12 支持部
12a コーン状部材固定部
13a,13b 外周給気管
14 内部給気管
14a 中央給気管
14b 給気孔
15 磁界発生器
16 吸気ガイド
17 カバー
18 支持脚
19 点火装置
20 灰出口
21 温度計
22 送風機
22a バルブ
23 排ガス管
23a 排ガス口
24 接続配管
25 脱煙脱臭装置
26 バルブ
30 給気管端部
31 流量調整バルブ
32 ハウジング
33 空気通路
34 磁石
35 灰出口
35a 蓋部
35b エアシリンダ
36 点検口
37 点火装置
37a エアシリンダ
38 点火装置挿通部
39 掻出し具
39a 回転台
40 基部
41 水平板
41a 傾斜部
42 背板
43 回転軸
44 回転板
45 側部フレーム
45a 側部回転体
46 下部フレーム
46a 下部回転体
47 スプロケット
48 駆動部
49 スプロケット
50 チェーン
60 設置面

Claims (9)

  1. 有機廃棄物を加熱処理する円筒状の反応室と、前記反応室の上端側に形設された前記有機廃棄物の投入口と、前記投入口の前記反応室側に形成された開閉扉と、前記投入口から投入される前記有機廃棄物を前記反応室の中央部にガイドする開口を中央に有し縮径側を下方に向けて前記反応室の内部に設置された1乃至複数段のコーン状部材と、前記反応室の外周面の接線方向に傾斜して配設された外周給気管と、前記反応室外から前記反応室の底面を通り前記反応室の底部中央部まで延設され前記反応室の底部に開口する1乃至複数の開口部を有する内部給気管と、前記外周給気管又は前記内部給気管の少なくともいずれか一方に配設された磁界発生器と、前記反応室の壁面上部に配設された排ガス管と、前記反応室の下部に設置され前記有機廃棄物に点火する点火装置と、を備えたことを特徴とする有機廃棄物処理装置。
  2. 前記内部給気管と連通し前記反応室の底部中央部に立設されて前記反応室の内部に給気する中央給気管と、前記中央給気管の長手方向に配設された1乃至複数段の吸気ガイド又は前記中央給気管の上方に配設され前記中央給気管の先端の給気孔を覆うカバーの少なくともいずれか一方とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の有機廃棄物処理装置。
  3. 前記反応室の底部に回転自在に配設され前記コーン状部材と連結された回転台を備えたことを特徴とする請求項1に記載の有機廃棄物処理装置。
  4. 前記反応室の底部に回転自在に配設され前記コーン状部材及び前記吸気ガイド又は前記カバーと連結された回転台を備えたことを特徴とする請求項2に記載の有機廃棄物処理装置。
  5. 前記反応室の外周面の底部側に形成された灰出口と、前記反応室の底部中央部に回動自在に配設され前記反応室の底部に溜った灰を前記灰出口に向って掻出す掻出し具と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機廃棄物処理装置。
  6. 前記排ガス管に接続される脱煙脱臭装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の有機廃棄物処理装置。
  7. 前記磁界発生器が、ハウジングと、前記ハウジング内に形設された空気通路を介して同極を対向させた1乃至複数組の磁石と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の有機廃棄物処理装置。
  8. 前記外周給気管と前記反応室の外周面との接続位置を接点とする接線と、前記外周給気管の中心線とのなす角度が、40〜65度、好ましくは45〜60度であることを特徴とする請求項1乃至7の内いずれか1項に記載の有機廃棄物処理装置。
  9. 請求項1乃至8の内いずれか1項に記載の有機廃棄物処理装置を用いた有機廃棄物処理方法であって、
    前記有機廃棄物を前記反応室に投入し前記コーン状部材によって前記反応室の中央部にガイドする廃棄物投入工程と、前記点火装置により前記有機廃棄物に点火する点火工程と、前記外周給気管から空気を供給して前記反応室内に旋回流を発生させる外周給気工程と、前記内部給気管から前記反応室の底部中央部に空気を供給する中央給気工程と、を備え、
    前記反応室内の前記有機廃棄物を低酸素状態で加熱処理することを特徴とする有機廃棄物処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101557821B1 (ko) * 2013-12-27 2015-10-13 마그네틱에너지산업 주식회사 공기자성화 장치를 구비한 자화된 저산소공기분출장치
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