以下、添付の図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態に係るラベル作成装置は、長尺状の台紙シートに複数のラベル部を設けたラベルシートとして、いわゆるダイカットラベルシートを収容したシートカートリッジを装着し、シートカートリッジからラベルシートを繰り出して送りながら各ラベル部に対して印刷を行い、印刷済みの各ラベルの後方を切断することにより、所望の印刷が為されたシート片(ラベル)を作成するものである。
図1を参照して、まず、ラベルシート1について説明する。ラベルシート1は、長尺状の台紙シート11と、台紙シート11の長手方向において所定のラベルピッチ12pで列設された複数のラベル部12とで構成されている。各ラベル部12は、角が丸い矩形状に形成されており、裏面の粘着剤により台紙シート11に仮貼着されている。
なお、本実施形態のラベルシート1では、複数のラベル部12を1列に並べているが、幅の狭いラベル部12を複数列並べるようにしてもよい。また、ラベルピッチ12pを等ピッチ(例えば14mm)としているが、不等ピッチであってもよい。もっとも、ラベル相互の間隔を極力短くするためには、ラベルピッチ12pを必要最小限の等ピッチとすることが好ましい。さらに、ダイカットラベルシートに限らず、例えば、台紙シート11に長尺状のラベル基材を貼り付けたものに対し、ラベル基材のみをカッティングすることで複数のラベル部12を設けたものでもよい。
台紙シート11は、印刷済みの各ラベル部12をユーザーが剥離しやすいように、例えば、表面がシリコン処理された合成紙で構成されている。台紙シート11は、その幅方向の一方の端部(図示では上端部)を、ラベルピッチ12pと同ピッチの被検出ピッチ13pで台紙シート11の幅方向に矩形状に突出形成した、複数のラベル位置被検出凸片13を有している。この各ラベル位置被検出凸片13が、ラベル作成装置200においてラベルシート1を送りながら各ラベル部12に印刷が為される際に、ラベル作成装置200の光センサー216(後述する)により検出される箇所(ラベル位置被検出部)となる。
各ラベル位置被検出凸片13は、台紙シート11の長手方向において各ラベル部12に合致する位置に設けられている。すなわち、台紙シート11の長手方向において、各ラベル位置被検出凸片13の先端部である凸片先端部13a(第1被検出部)と、各ラベル部12の先端部(ラベル先端部12a)とが合致しており、各ラベル位置被検出凸片13の後端部である凸片後端部13b(第2被検出部)と、各ラベル部12の後端部(ラベル後端部12b)とが合致している。なお、台紙シート11の長手方向において、凸片先端部13aとラベル先端部12aとが所定の距離ズレていてもよく、凸片後端部13bとラベル後端部12bとが所定の距離ズレていてもよい。
台紙シート11は、幅方向において、複数のラベル位置被検出凸片13が形成された被検出端部14と、被検出端部14を除いたラベル仮着領域15とに区画でき、ラベル仮着領域15の幅方向略中央に各ラベル部12が仮貼着されている。また、台紙シート11は、長手方向において、ラベル位置被検出凸片13が形成された幅広領域16と、ラベル位置被検出凸片13相互の間となる幅狭領域17とが交互に設けられた構成となる。
詳細は後述するが、各ラベル部12に対し、ラベル作成装置200(図5参照)により、ラベル先端部12aから印刷が開始され、ラベル後端部12bの後方(例えば2.5mm後方)で台紙シート11が切断されるようになっている。すなわち、ラベルシート1は、各ラベル部12のラベル先端部12aが被印刷開始予定位置18となっており、各ラベル部12の2.5mm後方が被切断予定位置19となっている。もちろん、各ラベル部12に対する被印刷開始予定位置18および被切断予定位置19の位置は任意である。また、ラベル作成装置200において、ユーザーによるテープ先端からの余白(前余白)の余白長の設定等に応じ、被印刷開始予定位置18や被切断予定位置19の設定を変更するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、各ラベル位置被検出凸片13を、ラベル作成装置200においてラベルシート1を送りながら各ラベルに印刷・切断処理が為される際に、ラベル作成装置200の光センサー216(図4参照)により検出されるラベル位置被検出部としたが、ラベル位置被検出部の態様はこれに限定されるものではなく、例えば、台紙シート11の被検出端部14に複数の開口を列設したものでもよい。また、台紙シート11の被検出端部14に複数のブラックマークを列設したものでもよい。
図2ないし図4に示すように、ラベルシート1を収容するシートカートリッジ100は、上ケース101aおよび下ケース101bをケース厚さ方向に組み付けたカートリッジケース101によりその外殻が形成されている。カートリッジケース101は、厚く形成されたシート収容部102と、シート収容部102より薄く形成されたリボン収容部103とに区画でき、シート収容部102には、ラベルシート1を巻回したシートコア104が収容され、リボン収容部103には、インクリボン107を巻回したリボン繰出コア105と、インクリボン107を巻き取るリボン巻取コア106と、プラテンローラー111とが収容されている。これらのシートコア104、リボン繰出コア105、リボン巻取コア106およびプラテンローラー111は、上ケース101aおよび下ケース101bに形成された軸突起や嵌合孔に回転可能に軸支されている。そして、シートコア104には、ラベルシート1が被検出端部14を上ケース101a側にして巻回されている。
プラテンローラー111およびインクリボン107は、ラベルシート1の各ラベル部12(ラベル仮着領域15)の幅に対応した幅を有している。つまり、プラテンローラー111およびインクリボン107は、ラベルシート1に比べ、被検出端部14の幅分、幅狭となっている。そして、上ケース101aには、リボン収容部103が、シート収容部102に比べて被検出端部14の幅分、薄くなるよう、段部108が形成されている。
プラテンローラー111は、円筒状のローラー本体112と、ローラー本体112の外周面に巻装したプラテンゴム113とを有している(図7参照)。プラテンローラー111は、被検出端部14が上側に外れるようにしてラベルシート1を送る(図10(a)参照)。
カートリッジケース101には、後述するヘッドカバー240(図5参照)が挿通するヘッド開口114が形成されている。また、下ケース101bの底面には、ヘッド開口114の縁部に、インクリボン107の送りを案内するガイド壁115が突出形成されている。
そして、シートコア104に巻回されているラベルシート1は、シートコア104から繰り出され、プラテンローラー111に至る。一方、インクリボン107は、リボン繰出コア105から繰り出され、プラテンローラー111を経てガイド壁115の外周面に沿って周回してリボン巻取コア106に巻き取られる。これにより、インクリボン107およびラベルシート1は、プラテンローラー111の位置で重なって併走し、インクリボン107のインクが印刷画像形に引き剥がされ各ラベル部12に転写される。
カートリッジケース101の左側壁には、印刷されたラベルシート1をカートリッジケース101外に送り出すスリット状のシート送出口116が形成されている。上ケース101aの上面には、シート送出口116の幅(ケース厚さ方向の長さ)が、ラベルシート1の幅に対応するよう、送出口突部117が突設されており、送出口突部117を含めてシート送出口116が形成されている。これにより、シート送出口116においてラベルシート1が上方に抜けることがない。
さらに、上ケース101aの上面には、プラテンローラー111とヘッド開口114との間に、両端でシート収容部102とシート送出口116とに連なるスリット状の検出開口118が形成されている。検出開口118は、シートコア104から繰り出されたラベルシート1の各ラベル位置被検出凸片13を、上ケース101aの上壁から上方に露出させている。この検出開口118に後述する光センサー216が対向し、光センサー216が検出開口118から露出した被検出端部14の各ラベル位置被検出凸片13の通過を検出する検出位置となっている。
この検出位置において、光センサー216が各ラベル位置被検出凸片13の通過を検出するため、光センサー216を、シートカートリッジ100から送り出された印刷済みの各ラベル部12に対して切断処理を行うシートカッター261よりも送り方向上流側に設けることができる。また、光センサー216をシート送出口116とシートカッター261との間に設ける必要もない。このため、後述する印刷ヘッド241(図7参照)とシートカッター261とを近接させて配設することができ、各ラベル部12の被切断予定位置19とその後方のラベル部12の被印刷開始予定位置18との間隔(切断印刷間隔)を短くすることができる。したがって、ラベル部12相互の間隔を極力短くすることができる。また、テープに対して印刷を行う際にも(後述する)、前余白を短くすることができる。
さらに、上ケース101aの上面には、開閉蓋204(図5参照)に微小移動可能に取り付けられた光センサー216を、ラベルシート1の送り方向おいて検出位置に位置決めする位置決め部120が形成されている(詳細は後述する)。
図5ないし図7に示すように、ラベル作成装置200は、上述したシートカートリッジ100が着脱可能に装着され、ラベルシート1に対して印刷・切断処理を行うものである。ラベル作成装置200は、装置ケース201により外殻が形成され、装置ケース201の前半部上面には、各種キーを備えたキーボード202が広く配設されている。装置ケース201の後半部左上面には、シートカートリッジ100が着脱可能に装着されるカートリッジ装着部203が窪入形成されている。
なお、カートリッジ装着部203には、シートカートリッジ100に代えて、剥離紙付きのテープを収容したテープカートリッジ(図示省略)も装着可能となっている。このテープカートリッジには、厚さ(テープ幅)の異なる複数種のものが用意されている。本実施形態のラベルシート1は、ラベル仮着領域15が、最も広いテープ幅(例えば36mm)と同じ幅に形成されている。
カートリッジ装着部203には、これを開閉する開閉蓋204が設けられている。開閉蓋204は、液晶ディスプレイ205を内蔵した蓋本体206と、蓋本体206の後端部において、左端部に延設されたヒンジ片207と、左右略中央部に延設された幅広のヒンジ部208とで構成されている。ヒンジ片207およびヒンジ部208の先端には、それぞれヒンジ孔(図示省略)が形成されており、各ヒンジ孔に、装置ケース201に設けられたヒンジ軸(図示省略)が嵌合してヒンジ機構を構成している。カートリッジ装着部203の前側に設けられた蓋開放ボタン209が押釦されると、ヒンジ軸を中心に、上側に向かって回動して開放される。このヒンジ軸の軸方向(開閉蓋204の回動軸方向)は、ラベルシート1の送り方向と略平行である。なお、液晶ディスプレイ205や光センサー216から引き出された配線(フレキシブルフラットケーブル等)は、ヒンジ部208を通って、装置ケース201に内蔵された回路基板に接続されている。
また、蓋本体206は、開閉蓋204の表側を形成する蓋表側壁211と、液晶ディスプレイ205を裏側から覆う蓋裏側壁212とで外殻が構成されている。蓋表側壁211には、右側に液晶ディスプレイ205が広く設けられ、液晶ディスプレイ205の左側には、シートカートリッジ100の装着/非装着を視認するための覗き窓213が形成されている。
開閉蓋204の裏側には、略中央部に突設され、後述する挿入開口251に挿入するリブ状突起214と、閉蓋状態でシートカートリッジ100をカートリッジ装着部203の底面に向かって押圧する押圧バネ機構215と、ラベルシート1の各ラベル位置被検出凸片13の通過を検出する光センサー216とが設けられている。
押圧バネ機構215は、開閉蓋204に取り付けられ開蓋状態で上方に延在する大板状バネ部材217と、大板状バネ部材217に取り付けられこれとは逆向き(下方)に延在する小板状バネ部材218とで構成されている。そして、薄型のテープカートリッジに対しては、大板状バネ部材217のみによって押圧し、厚型のテープカートリッジおよびシートカートリッジ100に対しては、小板状バネ部材218および大板状バネ部材217によって押圧するようになっている。これにより、シートカートリッジ100やテープカートリッジの厚さによらず、それぞれを適切な位置および押圧力で押圧することができる。
光センサー216は、互いに対向配置された発光素子および受光素子を備えた透過型のもの(フォトインターラプター)であり、略矩形のセンサー基板221と、センサー基板221の下面に取り付けられ、発光素子および受光素子を対向させて収容するセンサーケース222と、発光素子および受光素子からセンサー基板221を介して上方に引き出されたリード線223とを備えている。
センサーケース222は、逆「U」字状に形成され、下方に延びる一対の素子収容部224を有している。閉蓋状態で、一対の素子収容部224は、送られるラベルシート1の厚さ方向に沿って並び、一対の素子収容部224(発光素子および受光素子)の間をラベルシート1の被検出端部14が通過し、通過する各ラベル位置被検出凸片13を検出するようになっている。さらに、開閉蓋204の蓋裏側壁212には、光センサー216を、開閉蓋204に対して送り方向に微小移動可能取り付けるための取付部230が設けられている(詳細は後述する)。
なお、光センサー216は、透過型のものに限定されるわけではなく、反射型の光センサーを用いることもできる。さらに、ラベル位置被検出部の態様に応じて、各種のセンサーを用いることが可能である。
カートリッジ装着部203には、ヘッドカバー240に覆われたサーマルタイプの印刷ヘッド241と、印刷ヘッド241に対峙し且つテープカートリッジ内のプラテンローラー111と係合するプラテン軸242と、インクリボン107を巻き取るリボン巻取軸(図示省略)と、テープカートリッジの装着を案内するガイド突起(図示省略)とが立設されている。印刷ヘッド241は、ヘッドホルダー245を介してヘッド支持軸246に回動可能に支持されている(図7参照)。また、プラテン軸242は、カートリッジ装着部203の裏面側に設けられたベースフレーム247(図10参照)に下端部で固着されている。図示しないが、リボン巻取軸、ガイド突起およびヘッド支持軸246も同様である。
シートカートリッジ100がカートリッジ装着部203に装着されると、プラテン軸242にプラテンローラー111の中心孔が差し込まれ、プラテンローラー111が回転可能に下側から片持ち支持される。同時に、ヘッドカバー240にヘッド開口114が、ガイド突起にシートコア104の中心孔が、リボン巻取軸にリボン巻取コア106の中心孔が、それぞれ差し込まれる。
また、カートリッジ装着部203の右脇に位置して、装置ケース201には、開閉蓋204の閉塞時にリブ状突起214が挿入される挿入開口251が形成されている。開閉蓋204が閉塞されると、リブ状突起214が挿入開口251に挿入され、図示しないヘッドリリース機構を作動させる。このヘッドリリース機構により、開閉蓋204の開閉に伴って、印刷ヘッド241がヘッド支持軸246を中心に回動し、プラテンローラー111に対して離接するようになっている。すなわち、開蓋状態では、印刷ヘッド241がプラテンローラー111に対して離間して、その間にラベルシート1およびインクリボン107を差込可能となる。閉蓋状態では、印刷ヘッド241がプラテンローラー111に対して接近して、その間にラベルシート1およびインクリボン107を挟持し、印刷待機状態となる。
装置ケース201の左側部には、カートリッジ装着部203と装置外部とを連通するシート排出口252が形成されている。また、装置ケース201の左側部には、電源のON/OFFや各種設定状態を示す複数のランプ253が設けられている。他方、装置ケース201の右側部には、オートトリマー254が設けられている。角が丸くないラベル部や、テープに対して印刷を行った場合にも、オートトリマー254により、角を丸くしたラベルを作成することができる。
シート排出口252の手前(印刷ヘッド241よりも送り方向下流側)には、印刷済みの各ラベル部12の後方で台紙シート11を切断するシートカッター261(図4参照)が内蔵されている。シートカッター261は、ハサミ形式のものであり、カッター支軸262によりそれぞれの下端部が連結された固定刃263および可動刃264で構成されている。可動刃264が固定刃263に対して回動する(切り込む)ことで、ラベルシート1を下側の幅端から切断する。なお、シートカッター261は、後述する駆動モーター271を駆動源とする、いわゆるオートカッターであるが、操作レバー等により手動で切断動作するものであってもよい。また、シートカッター261は、ハサミ形式のものに限定されるものではなく、例えば引切り形式のカッターであってもよい。さらに、シートカッター261に加え、ラベルシート1(台紙シート11)の幅広領域16において各ラベル部12を残して台紙シート11のみを切断するハーフカッターを設けてもよい。
カートリッジ装着部203の裏面側には、ベースフレーム247との間に、ラベルシート1およびインクリボン107の送り動作(プラテンローラー111およびリボン巻取コア106の回転)や、シートカッター261の切断動作の駆動源となる駆動モーター271(図8参照)と、駆動モーター271の回転動力をプラテン軸242等に伝達するギア列等で構成された動力伝達機構(図示省略)とが内蔵されている。駆動モーター271が正転するとその回転動力がプラテンローラー111およびリボン巻取コア106に伝達され、駆動モーター271が逆転すると、その回転動力がシートカッター261に伝達されるようになっている。なお、本実施形態では、ラベルシート1およびインクリボン107の送り動作と、シートカッター261の切断動作とを、共通の駆動モーター271を駆動源として行っているが、当然ながら、別々のモーター等の駆動源により両動作を行ってもよい。
また、駆動モーター271の主軸には、ラベルシート1の送り量を制御するためのエンコーダー272(図8参照)が固定されている。装置ケース201の内部には、後述する各種ドライバーおよび制御部310(図8参照)を構成する回路基板が搭載されている。
次に、光センサー216を開閉蓋204に対して送り方向に微小移動可能に取り付けた取付部230と、光センサー216を送り方向において検出位置に位置決めする位置決め部120とについて詳細に説明する。
図5および図7に示すように、取付部230は、開閉蓋204の蓋裏側壁212に開口形成されており、閉蓋状態で、取付部230のプラテンローラー111側となるプラテン側開口縁部232と取付部230の印刷ヘッド241側となるヘッド側開口縁部233とを連結する取付連結部234を有している。
取付部230は、光センサー216のセンサー基板221の長手方向が送り方向となるようにこれを取り付けている。取付部230は、送り方向においては、センサー基板221(光センサー216)が送り方向に微小移動可能なように、センサー基板221の長手寸法よりも若干長く形成され、他方、送り方向に直交する方向においては、センサー基板221の送り方向の微小移動を許容する程度に、センサー基板221との間に僅かな間隙を存するように形成されている。ヘッド側開口縁部233は、プラテン側開口縁部232よりも蓋裏面側に突出しており、閉蓋状態では、ヘッド側開口縁部233の上面および取付連結部234の上面に、センサー基板221が支持される。
そして、センサー基板221の送り方向の各端部(短辺部)が、取付部230の送り方向の各縁部に突き当たる範囲で、光センサー216が送り方向に微小移動可能となっている。この光センサー216は、シートカートリッジ100に形成された上記の位置決め部120により、送り方向において検出位置に位置決めされるようになっている。
図2、図3および図5に示すように、位置決め部120は、送り方向においてプラテンローラー111と合致する位置において、検出開口118のヘッド開口114側の縁部およびプラテンローラー111側の縁部にそれぞれ突設された、一対の位置決め突部121により構成されている。各位置決め突部121は、上端部が拡開した「U」字状に形成されており、送り方向上流側の上流側突片122と、送り方向下流側の下流側突片123とで構成されている。上流側突片122および下流側突片123は、それぞれ、センサーケース222の各素子収容部224の送り方向における各端部を送り方向に位置規制する位置規制部124と、位置規制部124の上端に連なり、上方に向かってガイド幅を漸拡する拡幅部125とから構成されている。そして、開閉蓋204の閉塞時に光センサー216が下方に向かっていくにつれ、拡幅部125ではガイド面に沿って光センサー216を位置規制部124に導き、位置規制部124で光センサー216の送り方向各端部を送り方向において検出位置に位置決めする。
このように、ラベル作成装置200は、開閉蓋204に対して送り方向に微小移動可能に取り付けられた光センサー216を、送り方向において検出位置に位置決めする位置決め部120を設けたことで、上記のヒンジ機構を介して装置ケース201に回動可能に取り付けられた開閉蓋204が、装置ケース201(印刷ヘッド241やシートカッター261)に対して送り方向に位置ズレして閉塞した場合にも、光センサー216を送り方向において検出位置に位置決めすることができる。したがって、印刷ヘッド241やシートカッター261に対する開閉蓋204の位置ズレに起因して、被印刷開始予定位置18や被切断予定位置19からズレて印刷開始・切断が為されることを防止することができる。
また、印刷ヘッド241による印刷位置の基準となるプラテンローラー111に対して、カートリッジケース101のみを介して、光センサー216を位置決めするため、光センサー216を精度良く位置決めすることができる。もっとも、位置決め部120をカートリッジケース101以外に形成してもよく、例えば、ヘッドカバー240の上面に形成してもよい。
次に、図8を参照して、ラベル作成装置200の制御系について説明する。ラベル作成装置200の回路基板には、ディスプレイドライバー301と、ヘッドドライバー302と、モータードライバー303と、制御部310とが設けられている。ディスプレイドライバー301は液晶ディスプレイ205を駆動し、液晶ディスプレイ205にキーボード202からの入力結果等を表示する。ヘッドドライバー302は、印刷ヘッド241を駆動する。モータードライバー303は、駆動モーター271を駆動することにより、上記のとおり、ラベルシート1およびインクリボン107の送り動作と、シートカッター261の切断動作とを行う。
制御部310は、各種演算処理を行うCPU311(Central Processing Unit)と、CPU311が演算処理を行うために用いられる制御プログラム・制御データを記憶したROM312(Read Only Memory)と、CPU311が各種演算処理を行う際の作業領域として用いられるRAM313(Random Access Memory)等により構成され、ラベル作成装置200を統括制御している。詳細は後述するが、制御部310は、光センサー216による各ラベル位置被検出凸片13の通過検出(出力電圧値の変化)に基づいて、各ラベル部12に対し、被印刷開始予定位置18から印刷を開始し、被切断予定位置19で切断されるように、駆動モーター271および印刷ヘッド241を制御している。また、制御部310は、エンコーダー272から出力されたパルス数に基づいて、印刷ヘッド241を発熱駆動させ、印刷ヘッド241の駆動とラベルシート1の送りとを同期させている。
図9を参照して、ラベル作成装置200が実行する印刷・切断処理における一連の動作について説明する。まず、ラベルシート1に対する印刷送り動作を開始する前には、前回の印刷・切断処理において被切断予定位置19で切断されたラベルシート1の先端が、シートカッター261に位置している(図9(a)参照)。このとき、光センサー216は、ラベル位置被検出凸片13相互の間隙に位置している。このため、この状態で、開閉蓋204を開放し、再び閉塞した場合にも、光センサー216が、ラベル位置被検出凸片13相互の間隙に位置することになる。したがって、開閉蓋204を閉塞して光センサー216が検出位置に移動した際に、光センサー216の各素子収容部224(図7参照)がラベルシート1の各ラベル位置被検出凸片13に当たることがなく、ラベルシート1が送られていく際には、各ラベル位置被検出凸片13を、確実に一対の素子収容部224の間に通過させることができる。
次に、ラベル作成装置200は、ユーザーにより印刷実行の入力がなされると、制御部310が、駆動モーター271を駆動制御して、ラベルシート1の送りを開始する。そして、ラベルシート1が少量(例えば2.5mm)送られ、ラベル位置被検出凸片13の凸片先端部13aが光センサー216に到達すると、光センサー216が、凸片先端部13aの通過を検出する。またこのとき、被印刷開始予定位置18(ラベル先端部12a)が印刷ヘッド241およびプラテンローラー111間に到達している(図9(b)参照)。このように、光センサー216を、シートカッター261よりも送り方向下流側に設ける必要がないため、送り開始後に各ラベル位置被検出凸片13が光センサー216に到達するまでラベルシート1を送る距離(検出送り距離)が長くなることがない。このため、各ラベル部12の被切断予定位置19とその後方のラベル部12の被印刷開始予定位置18との間隔(切断印刷間隔)を短くすることができる。したがって、ラベル部12相互の間隔を極力短くすることができる。
制御部310は、光センサー216による凸片先端部13aの通過検出を取得すると、印刷ヘッド241を駆動制御して、被印刷開始予定位置18から印刷を開始する。なお、被印刷開始予定位置18がラベル先端部12aよりも所定距離後方に設けられている(前余白有り)場合には、制御部310は、凸片先端部13aの検出取得後、上述したようにエンコーダー272から出力されたパルス数に基づいて、ラベルシート1を所定距離送らせてから、印刷ヘッド241を駆動する。
続いて、ラベル作成装置200は、ラベル後端部12bまで印刷を完了すると、ラベル位置被検出凸片13の凸片後端部13bが光センサー216に到達し、光センサー216が、凸片後端部13bの通過を検出する(図9(c)参照)。制御部310は、光センサー216による凸片後端部13bの通過検出を取得すると、プラテンローラー111にラベルシート1を所定距離(例えば2.5mm)送らせてから、駆動モーター271を駆動停止させ、ラベルシート1の送りを停止する。このとき、印刷済みのラベル部12の被切断予定位置19がシートカッター261に到達している(図9(d)参照)。この状態で、制御部310が、駆動モーター271を駆動制御して、シートカッター261を切断動作させ、被切断予定位置19で台紙シート11が切断され、シート片20を得る。なお、本実施形態では、1つのラベル部12を印刷した後、切断を行っているが、複数のラベル部12をまとめて印刷した後に切断を行うようにしてもよい。
以上のように、本実施形態のラベル作成装置200によれば、切断印刷間隔を短くすることができる(切断したすぐ後ろから印刷を開始できる)ため、ラベル部12相互の間隔を極力短くしたラベルシート1の各ラベル部12に対して、被印刷開始予定位置18および被切断予定位置19で印刷開始・切断を行うことができる。
また、制御部310が、各ラベル位置被検出凸片13の凸片先端部13aの通過検出に基づいて、被印刷開始予定位置18から印刷を開始するように制御するだけでなく、ラベル位置被検出凸片13の通過検出後における凸片後端部13bの通過検出に基づいて、被切断予定位置19で切断されるように制御するため、光センサー216が各ラベル部12に対して単一のラベル位置被検出部(例えば凸片先端部13aのみ)の通過を検出する構成に比べ、ラベル位置被検出部の通過検出後に各ラベル部12の被切断予定位置19がシートカッター261に到達するまで送る送り量を短くすることができる。このため、ラベルシート1とプラテンローラー111との滑り等により、この送り量にズレが生じた場合にも、被切断予定位置19からの切断位置のズレ量を少なくすることができる。
さらに、本実施形態のラベル作成装置200では、プラテン軸242の長さを短くすることができる。すなわち、例えば、光センサー216による検出位置を、カートリッジ装着部203の底面近傍に設けた場合には、本実施形態とは逆に、被検出端部14(ラベル位置被検出凸片13)を片持ち支持側(下側)と同じ側(下側)にしてこれを送ることになる。この場合、プラテンローラー111を、プラテン軸242に対し、片持ち支持側とは反対側(上側)に寄って送られる各ラベル部12に対応した位置に設ける必要があるため、プラテン軸242の長さは、台紙シート11の全幅に対応した長さが必要となってしまう(図10(b)参照)。
これに対し、本実施形態では、各ラベル部12の幅に対応した幅を有してプラテン軸242に回転可能に片持ち支持されたプラテンローラー111が、被検出端部14を片持ち支持側(下側)とは反対側(上側)に外すようにしてラベルシート1を送っている。この場合、プラテンローラー111を、プラテン軸242に対し、片持ち支持側(下側)に寄って送られる各ラベル部12に対応した位置に設ければよい。このため、プラテン軸242の長さが、台紙シート11の全幅に対応した長さではなく、各ラベル部12(ラベル仮着領域15)の幅に対応した長さで済む(図10(a)参照)。このように、プラテン軸242の長さ(片持ちの距離)を短くすることができるため、プラテン軸242が変形することなく、印刷ヘッド241からの押圧力を適切に受けることができるため、各ラベル部12に対する印刷品質を安定化させることができる。
さらに、本実施形態のラベル作成装置200では、シートカッター261の固定刃263および可動刃264の刃渡りを短くすることできる。すなわち、本実施形態とは逆に、シートカッター261が、台紙シート11の被検出端部14(ラベル位置被検出凸片13)と同じ側(上側)から切り込む構成の場合は、シートカッター261の固定刃263および可動刃264の刃渡りが、本実施形態と同じ長さであると、台紙シート11の幅狭領域17を切断する場合にも、台紙シート11の被検出端部14側とは反対側(下側)の端部に、切り残しが生じてしまう(図11(b)参照)。したがって、この場合には、シートカッター261の固定刃263および可動刃264の刃渡りを長くする必要がある。
これに対し、本実施形態では、幅狭領域17が被切断予定位置19となっており、ハサミ形式のシートカッター261が、台紙シート11の被検出端部14の反対側(下側)から切り込むため、シートカッター261は、幅狭領域17に対応した刃渡りを有していればよいことになる(図11(a)参照)。したがって、シートカッター261の刃渡りを短くすることができる。