以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返されない。
<第1の実施の形態>
図1は、本実施の形態による車両1の全体ブロック図である。車両1は、エンジン10と、第1モータジェネレータ(以下、第1MGと記載する)20と、第2モータジェネレータ(以下、第2MGと記載する)30と、動力分割装置40と、減速機50と、PCU(Power Control Unit)60と、バッテリ70と、駆動輪80と、インレット110と、ECU(Electronic Control Unit)200と、充電装置300と、放電装置350とを備える。
車両1は、いわゆるプラグインハイブリッド自動車である。すなわち、車両1は、エンジン10および第2MG30の少なくとも一方の動力で走行可能であるとともに、車両外部の系統電源(以下、外部電源と記載する)400から供給される電力でバッテリ70を充電することが可能である。なお、本発明を適用可能な車両は、図1に示される形式のハイブリッド自動車に限定されるものではない。本発明は、たとえば、図1に示される形式以外の形式(たとえば、シリーズ方式あるいはパラレル方式)のハイブリッド自動車や、エンジンを備えない電気自動車にも適用可能である。
エンジン10、第1MG20および第2MG30は、動力分割装置40を介在させて連結される。エンジン10が発生する動力は、動力分割装置40によって2経路に分割される。すなわち、2経路のうちの一方は減速機50を経由して駆動輪80へ伝達される経路であり、もう一方は第1MG20へ伝達される経路である。
第1MG20および第2MG30は、交流電動機であり、たとえば、三相交流同期電動機である。第1MG20は、動力分割装置40によって分割されたエンジン10の動力を用いて発電する。第2MG30は、バッテリ70に蓄えられた電力および第1MG20により発電された電力の少なくとも一方を用いて駆動力を発生する。そして、第2MG30の駆動力は、減速機50を経由して駆動輪80に伝達される。なお、車両の制動時等には、駆動輪80により第2MG30が駆動され、第2MG30が発電機として動作する。すなわち、第2MG30は回生ブレーキとしても機能する。第2MG30により発電された電力(回生電力)は、バッテリ70に蓄えられる。
バッテリ70は、第1MG20および/または第2MG30を駆動するための電力を蓄える直流の蓄電装置であり、たとえば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等を含んで構成される二次電池である。バッテリ70の出力電圧は、たとえば200V程度である。なお、蓄電装置としては、再充電が可能な直流電源であればよく、たとえば、二次電池に代えてまたは加えてキャパシタ等が用いられてもよい。
PCU60は、システムメインリレー71を介してバッテリ70に接続される。PCU60は、ECU200からの制御信号によって制御され、バッテリ70と第1MG20との間またはバッテリ70と第2MG30との間で電力変換を行なう。
インレット110は、外部電源400からの電力(以下「外部電力」という)を受けたり、あるいは、車両外部の電気機器416に電力を供給したりするための電力インターフェースである。インレット110は、外部電源400に接続されたプラグ410とも、電気機器416のプラグ418とインレット110とを接続するためのアダプタ414とも接続可能に構成される。
充電装置300は、外部電源400からの交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータである。図1および図2を参照して、充電装置300の入力側は、電力線ACL1,ACL2を介してインレット110のACIH端子およびACIC端子に接続される。充電装置300の出力側は、充電用電力線ACLC1,ACLC2および充電リレー72を介してバッテリ70とPCU60とを接続する正極線PLおよび負極線NLに接続される。
充電装置300は、プラグ410がインレット110に接続され、充電リレー72の接点部分が導通状態である場合に、ECU200からの制御信号に基づいて、図2の破線矢印に示すように、インレット110に入力された外部電力(交流)をバッテリ70に充電可能な電力(直流)に変換してバッテリ70に出力する。すなわち、外部電力によってバッテリ70が充電される。以下の説明では、外部電力を用いてバッテリ70を充電することを「外部充電」という。
充電リレー72は、充電装置300の出力側とバッテリ70の正極線PLおよび負極線NLとを接続する2つの充電用電力線ACLC1,ACLC2に設けられる。充電リレー72は、ECU200からの制御信号に基づいて接点を開放状態にしたり、導通状態にしたりする。
ECU200は、たとえば、バッテリ70の外部充電を停止する場合に、充電装置300の作動を停止するとともに、充電リレー72の接点を開放状態にする。ECU200は、たとえば、バッテリ70の外部充電を実行する場合に、充電リレー72の接点を導通状態にするとともに充電装置300を作動させる。
本実施の形態において、充電装置300は、電力変換部302と、第1抵抗体304と、第1コンデンサ306とを含む。第1抵抗体304および第1コンデンサ306は、インレット110と電力変換部302との間の電力線ACL1とACL2との間に設けられる。本実施の形態においては、第1抵抗体304と、第1コンデンサ306とは、いずれも充電装置300に内蔵されるものとして説明するが、充電装置300とは別体で設けられてもよい。
第1コンデンサ306は、充電装置300に入力される交流電力のノイズを低減するためのいわゆるXコンデンサである。第1抵抗体304は、第1コンデンサ306に蓄積された電荷を放電するための放電抵抗である。
放電装置350は、バッテリ70の直流電力を交流電力に変換するDC/ACコンバータである。放電装置350の入力側は、第2放電用電力線ACLD1,ACLD2を介してバッテリ70の正極線PLおよび負極線NLに接続される。放電装置350の出力側は、第1放電用電力線ACLB1,ACLB2、放電リレー73および電力線ACL1,ACL2を介してインレット110に接続される。
第1放電用電力線ACLB1の一方端は、電力線ACL1に接続され、他方端は、放電装置350の出力側に接続される。第1放電用電力線ACLB2の一方端は、電力線ACL2に接続され、他方端は、放電装置350の出力側に接続される。また、第1放電用電力線ACLB1,AClB2は、途中で分岐し、ソケット64に接続される。
図2に示すように、放電装置350は、インレット110に接続される電力線ACL1,ACL2を除き、充電装置300とは別経路の電力線を経由してインレット110とバッテリ70との間に接続される。
放電装置350は、一方端がインレット110に接続され、他方端に電気機器416のプラグ418が接続され、かつ、放電リレー73およびシステムメインリレー71の各々の接点部分が導通状態である場合に、ECU200からの制御信号に基づいてバッテリ70の電力(直流)を給電用の予め定められた電力(交流)に変換して電気機器416に変換された電力を供給する。以下の説明では、バッテリ70の電力を交流電力に変換して車両1の外部の電気機器416に供給することを「外部給電」という。
インレット110と放電装置350との間には、インレット110と充電装置300との間の電気的な接続状態を維持しつつ、インレット110と放電装置350とを遮断可能な位置に放電リレー73が設けられる。具体的には、放電リレー73は、第1放電用電力線ACLB1,ACLB2に介装され、ECU200からの制御信号に基づいて接点を開放状態にしたり、導通状態にしたりする。
ECU200は、たとえば、バッテリ70を用いた外部給電を停止する場合に、放電装置350の作動を停止するとともに、放電リレー73の接点を開放状態にする。ECU200は、たとえば、外部給電を実行する場合に、放電リレー73の接点を導通状態にするとともに放電装置350を作動させる。
本実施の形態において、放電装置350は、電力変換部352と、第2抵抗体354と、第2コンデンサ356とを含む。第2抵抗体354および第2コンデンサ356は、電力変換部352と電力線ACL1,ACL2とを接続する第1放電用電力線ACLB1とACLB2との間に設けられる。本実施の形態においては、第2抵抗体354と、第2コンデンサ356とは、いずれも放電装置350に内蔵されるものとして説明するが、放電装置350とは別体で設けられてもよい。
第2コンデンサ356は、放電装置350から出力される交流電力のノイズを低減するためのいわゆるXコンデンサである。第2抵抗体354は、第2コンデンサ356に蓄積された電荷を放電するための放電抵抗である。
システムメインリレー71、充電リレー72及び放電リレー73の各々の動作については、ECU200によって制御される。なお、システムメインリレー71および充電リレー72には、プリチャージ用のリレーをさらに含めるようにしてもよい。
インレット110は、車両1の側面等に配置され、上述したように、プラグ410およびアダプタ414のの接続が可能な形状に形成される。また、インレット110は、ACIH端子と、ACIC端子と、GND端子と、PISW端子と、CPLT端子とを含む。
プラグ410も、ACIH端子と、ACIC端子と、GND端子と、PISW端子と、CPLT端子とをそれぞれ含む(図示せず)。そのため、たとえば、プラグ410がインレット110に物理的に接続された場合、プラグ410のACIH端子と、ACIC端子と、GND端子と、PISW端子と、CPLT端子とは、インレット110のACIH端子と、ACIC端子と、GND端子と、PISW端子と、CPLT端子とそれぞれ物理的および電気的に接続される。アダプタ414も、少なくともACIH端子と、ACIC端子と、GND端子と、PISW端子とを有している。
CPLT端子は接続線を経由してECU200に接続される。PISW端子は、接続線を経由してECU200に接続される。GND端子には接地線が接続されている。ECU200は、CPLT端子を経由してプラグ410側の充電ケーブルの太さを示す信号を受信する。また、ECU200は、PISW端子を経由してプラグ410が接続されたか、アダプタ414が接続されたか、未接続の状態であるかを示す信号を受信する。
さらに、車両1は、監視センサ11を備える。監視センサ11は、バッテリ70の状態(バッテリ電流Ib、バッテリ電圧Vb、バッテリ温度Tb)を検出し、検出結果をECU200に出力する。
ECU200は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを内蔵し、当該メモリに記憶された情報や各センサ等からの情報に基づいて所定の演算処理を実行する。ECU200は、その演算結果に基づいて車両1の各機器を制御する。
ECU200は、監視センサ11による検出結果に基づいて、バッテリ70の蓄電量(以下「SOC」(State Of Charge)という)を算出する。
ECU200は、たとえば、ユーザがプラグ410をインレット110に接続する操作を行なった場合、放電リレー73の接点を開放状態とし、充電リレー72の接点を導通状態とし、かつ、充電装置300を作動させることで、外部充電を行なう。外部充電によってバッテリ70が満充電状態になる(SOCが充電目標値に達する)と、ECU200は、外部充電が完了したと判定し、充電装置300を停止させ、かつ、充電リレー72の接点を開放状態として外部充電を終了させる。
ECU200は、たとえば、ユーザがアダプタ414の一方端をインレット110に接続する操作を行なった場合、充電リレー72の接点を開放状態とし、放電リレー73の接点を導通状態とし、かつ、放電装置350を作動させることで、外部給電を行なう。アダプタ414の他方端に電気機器416のプラグ418が接続された場合には、バッテリ70の電力が放電装置350において交流電力に変換され、変換された交流電力が放電リレー73、インレット110およびアダプタ414を経由して電気機器416に供給される。これにより、電気機器416は、車両1から供給される交流電力によって作動可能な状態になる。
ここで、放電装置350から出力される電力は、電気機器416に供給される電力と、コンデンサ306に供給される電力とを含む。このため、電気機器416からの要求電力が小さいときにおいても、少なくとも、コンデンサ306に供給される電流分は放電リレー73を通ることになる。これにより、インレット410から外部放電する際に、放電リレー73において十分なジュール熱を発生させることができ、放電リレー73に形成された酸化膜を除去することができる。
また、一度、外部放電を実施することで、放電リレー73に酸化膜が残留することを抑制でき、長期間、放電リレー73に電流が導通しなかったとしても、過大な酸化膜が放電リレー73に蓄積されることを抑制することができる。その結果、次に外部放電をする際に、酸化膜によって放電リレー73に電流が通らないという弊害の発生を抑制することができる。
すなわち、本実施の形態に係る車両1においては、コンデンサ306がインレット110と充電装置300とを接続する電力線の間に設けられているので、上記のような効果を得ることができる。
さらに、本実施の形態に係る車両1においては、外部充電時においても、放電リレー73を導通状態とすることで、放電リレー73に酸化膜が形成されることを抑制している。このようにすることで、車両1の外部の電気機器416に対して電力を供給するバッテリ70の放電を実施する機会が、外部電源400を用いたバッテリ70の充電を実施する機会と比較して少ない場合においても、外部充電時に放電リレー73に形成された酸化膜を除去することができる。
図3に、本実施の形態に係る車両1に搭載されたECU200の機能ブロック図を示す。ECU200は、充電判定部202と、オフ期間判定部204と、放電リレー制御部206とを含む。なお、これらの構成は、プログラム等のソフトウェアにより実現されてもよいし、ハードウェアにより実現されてもよい。
充電判定部202は、外部充電が行なわれているか否かを判定する。具体的には、充電判定部202は、プラグ410がインレット110に接続されており、充電リレー72の接点が導通状態であり、かつ、充電装置300が作動している場合に、外部充電が行なわれていると判定する。充電判定部202は、たとえば、インレット110のPISW端子を経由して受信する信号に基づいてプラグ410がインレット110に接続されているか否かを判定する。なお、充電判定部202は、たとえば、外部充電が行なわれていると判定する場合に充電判定フラグをオン状態にしてもよい。
オフ期間判定部204は、充電判定部202によって外部充電が行なわれていると判定される場合に、放電リレー73が開放状態(オフ状態)である期間(オフ期間)が予め定められた期間以上であるか否かを判定する。予め定められた期間は、たとえば、放電リレー73の接点を予め定められた期間だけ一時的に導通状態にすることで除去可能な酸化膜の蓄積量の上限値に基づいて設定される。予め定められた期間は、たとえば、数日であってもよいし、3か月や6か月であってもよいし、1年以上の期間であってもよい。オフ期間は、たとえば、ECU200に内蔵されるタイマーを放電リレー73の接点が開放状態となる時点で起動することによって計測される。
なお、オフ期間判定部204は、たとえば、充電判定フラグがオン状態である場合に、放電リレー73のオフ期間が予め定められた期間以上であるか否かを判定し、オフ期間が予め定められた期間以上である場合に、オフ期間判定フラグをオン状態にしてもよい。
放電リレー制御部206は、オフ期間判定部204において放電リレー73のオフ期間が予め定められた期間以上であると判定される場合に、放電リレー73の接点を導通状態(オン状態)になるように放電リレー73を制御する。そして、放電リレー制御部206は、予め定められたオフ条件が成立する場合に、放電リレー73の接点を開放状態にする。
予め定められたオフ条件は、たとえば、放電リレー73の接点を導通状態にしてから予め定められた時間が経過したという条件を含む。予め定められた時間は、たとえば、放電リレー73の接点を導通状態にすることによって接点部分に形成される酸化膜の除去が可能な時間であって、実験的あるいは設計的に適合される。また、予め定められたオフ条件としては、放電リレー73の導通状態が予め定められた時間が経過するまで継続するという条件に代えてまたは加えて放電装置350からソケット64に接続された電気機器416に電力を供給する供給モードが選択されたという条件を含むようにしてもよいし、その他回路保護を目的とした条件を含むようにしてもよい。
なお、放電リレー制御部206は、たとえば、オフ期間判定フラグがオン状態になる場合に放電リレー73の接点が導通状態になるように放電リレー制御信号を生成して、放電リレー73を制御してもよい。
図4を参照して、本実施の形態に係る車両1に搭載されたECU200で実行される制御処理について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU200は、外部充電中であるか否かを判定する。外部充電中であるか否かの判定方法は、上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。外部充電中であると判定される場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでない場合(S100にてNO)、この処理は終了する。
S102にて、ECU200は、放電リレー73のオフ期間が予め定められた期間以上であるか否かを判定する。放電リレー73のオフ期間が予め定められた期間以上であると判定される場合(S102にてYES)、処理はS104に移される。もしそうでない場合(S102にてNO)、この処理は終了する。
S104にて、ECU200は、放電リレー73の接点が導通状態になるように放電リレー73を制御する。S106にて、ECU200は、予め定められたオフ条件が成立するか否かを判定する。なお、予め定められたオフ条件については上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。予め定められたオフ条件が成立すると判定される場合(S106にてYES)、処理はS108に移される。もしそうでない場合(S106にてNO)、処理はS106に戻される。
S108にて、ECU200は、放電リレー73の接点が開放状態になるように放電リレー73を制御する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る車両1に搭載されたECU200の動作について図5を用いて説明する。
たとえば、プラグ410がインレット110に接続され、外部電源400を用いて外部充電が実施されている場合を想定する(S100にてYES)。
このとき、たとえば、放電リレー73が使用されていない期間が予め定められた期間以上となる場合には(S102にてYES)、図5に示すように、放電リレー73の接点が導通状態になるように放電リレー73が制御される(S104)。
放電リレー73の接点が導通状態になることにより、図5の破線矢印に示すように、第1放電用電力線ACLB1,ACLB2の放電リレー73および第2コンデンサ356を経由して電流が流れることとなる。そのため、放電リレー73の接点部分において電流が流れることにより、接点部分に形成される酸化膜は、接点部分において生じるジュール熱によって除去される。
放電リレー73の接点が導通状態になるように放電リレー73が制御されてから予め定められた時間が経過するなどして予め定められたオフ条件が成立すると(S106にてYES)、放電リレー73の接点が開放状態になるように放電リレー73が制御される(S108)。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両1によると、バッテリ70の外部充電中に外部充電に用いられない放電リレー73の接点が導通状態になる期間を有することによって、放電リレー73の接点が導通状態となる場合に放電リレー73と第2コンデンサ356とを経由して電流が流れるため、放電リレー73の接点部分に形成された酸化膜を接点部分において生じたジュール熱によって除去することができる。そのため、放電リレー73の接点部分における酸化膜の形成を抑制することができる。したがって、車両外部の電気機器に車載の蓄電装置の電力を供給する場合に用いられるリレーの接点部分における酸化膜の形成を抑制して、リレーのオフ故障を抑制する車両を提供することができる。
さらに、オフ期間が予め定められた期間以上となる場合に、外部充電中に放電リレー73の接点が導通状態になる。そのため、オフ故障が生じる程度に酸化膜が蓄積される前に放電リレー73の接点が導通状態となるため、放電リレー73の接点部分における酸化膜の形成を抑制することができる。
なお、好ましくは、第2コンデンサ356の容量は、外部電源400から供給される充電電力が第2コンデンサ356に供給される場合に、放電リレー73の接点部分に形成された酸化膜の除去が可能な予め定められた値以上の大きさの電流が放電リレー73に流れるように設定されることが望ましい。このようにすると、放電リレー73の接点を導通状態にすることによってより確実に放電リレー73の接点部分において形成された酸化膜を除去することができる。
さらに、第1放電用電力線ACLB1、ACLB2の間に第2抵抗体354を設けることにより、放電リレー73の接点が開放状態となった後に、第2コンデンサ356において蓄えられた電荷を第2抵抗体354を用いて放電することができる。
以下に変形例について説明する。本実施の形態においては、ECU200は、外部充電中に放電リレー73の接点を導通状態にするものとして説明したが、たとえば、ECU200は、車室内のソケット64に接続される電気機器に対してバッテリ70および放電装置350を用いて電力を供給する場合に放電リレー73を導通状態にしてもよい。
ECU200は、たとえば、図6に示すフローチャートに従った制御処理を実行することによって、車室内のソケット64にバッテリ70および放電装置350を用いて電力を供給する場合に放電リレー73を導通状態にする。なお、図6のフローチャートのS102、S104、S106およびS108の処理は図3のフローチャートのS102、104、S106およびS108の処理とそれぞれ同じ処理である。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。
S200にて、ECU200は、ソケット64への給電中であるか否かを判定する。ECU200は、たとえば、ユーザのスイッチ等への操作によってソケット64を使用可能とするモードが選択されている場合に、ソケット64への給電中であると判定してもよいし、あるいは、放電装置350の状態(出力電圧や出力電流等)に基づいて放電装置350が作動中であって、かつ、放電リレー73の接点が開放状態である場合に、ソケット64への給電中であると判定してもよい。ソケット64への給電中であると判定される場合(S200にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでない場合(S200にてNO)、この処理は終了する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る車両1に搭載されたECU200の動作について説明する。
たとえば、ソケット64を使用可能とするモードが選択されており、ソケット64に電気機器のプラグが接続され、かつ、ソケット64を経由して電気機器に対して放電装置350から交流電力が供給されている場合を想定する(S200にてYES)。
このとき、たとえば、放電リレー73が使用されていない期間が予め定められた期間以上である場合には(S102にてYES)、放電リレー73の接点が導通状態になるように放電リレー73が制御される(S104)。
放電リレー73の接点が導通状態になることにより、第1放電用電力線ACLB1,ACLB2の放電リレー73および第1コンデンサ306を経由して電流が流れることとなる。そのため、放電リレー73の接点部分において電流が流れることにより、接点部分に形成される酸化膜は、接点部分において生じるジュール熱によって除去される。
放電リレー73の接点が導通状態になるように放電リレー73が制御されてから予め定められた時間が経過するなどしてオフ条件が成立すると(S106にてYES)、放電リレー73の接点が開放状態になるように放電リレー73が制御される(S108)。
このようにすると、放電リレー73を導通する必要のない、ソケット64を用いた車室内の電気機器への電力供給時に、放電リレー73の接点を導通状態にすることによって、放電装置350から放電リレー73と第1コンデンサ306とを経由して電流が流れる経路が形成されるため、放電リレー73に電流を流すことができる。そのため、放電リレー73の接点部分において生じるジュール熱によって酸化膜を除去することができる。
好ましくは、第1コンデンサ306の容量は、放電装置350から第1コンデンサ306に対して予め定められた電力が供給される場合に、放電リレー73の接点部分に形成された酸化膜の除去が可能な予め定められた値以上の大きさの電流が放電リレー73に流れるように設定されることが望ましい。このようにすると、放電リレー73の接点を導通状態にすることによってより確実に放電リレー73の接点部分において形成された酸化膜を除去することができる。
さらに、本実施の形態においては、1つに統合されたECU200によって車両1に含まれる各機器を制御するものとして説明したが、たとえば、複数のECUを組み合わせて車両1に含まれる各機器を制御するようにしてもよい。
本実施の形態においては、車両1は、外部放電時に放電装置350からコンデンサ306に流れる電流によって放電リレー73に蓄積した酸化膜を除去する第1の構成と、外部充電時に、放電リレー73の接点を導通状態にすることによって放電リレー73に蓄積した酸化膜を除去する第2の構成とを有するものとして説明したが、第1の構成と第2の構成とは互いに独立しているため、本実施の形態に係る車両1は、第1の構成と第2の構成とのうちの少なくともいずれかを有していればよい。
<第2の実施の形態>
以下、第2の実施の形態に係る車両について説明する。本実施の形態に係る車両1は、上述の第1の実施の形態に係る車両1の構成と比較して、ECU200の動作が異なる。それ以外の構成については、上述の第1の実施の形態に係る車両1の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
本実施の形態においては、ECU200が、放電リレー73の接点の開放状態が継続するオフ期間が予め定められた期間以上である場合には、放電リレー73の接点を導通状態にするとともに、第1コンデンサ306に電力が供給されるように放電装置350を動作させる点を特徴とする。
図7に、本実施の形態に係る車両に搭載されたECU200の機能ブロック図を示す。図7に示すように、ECU200は、オフ期間判定部210と、放電リレー制御部212と、放電装置制御部214とを含む。
オフ期間判定部210は、放電リレー73の接点が開放状態(オフ状態)である期間(オフ期間)が予め定められた期間以上であるか否かを判定する。本実施の形態における予め定められた期間は、第1の実施の形態における予め定められた期間と同様の観点で定められる。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。オフ期間判定部210は、たとえば、放電リレー73のオフ期間が予め定められた期間以上である場合に、オフ期間判定フラグをオン状態にしてもよい。
放電リレー制御部212は、オフ期間判定部210において放電リレー73のオフ期間が予め定められた期間以上であると判定される場合に(オフ期間判定フラグがオン状態である場合に)、放電リレー73の接点を導通状態(オン状態)になるように放電リレー73を制御する。放電リレー制御部206は、予め定められたオフ条件が成立する場合には、後述する放電装置制御部214によって放電装置350の作動が停止された後に、放電リレー73の接点を開放状態にする。本実施の形態における予め定められたオフ条件は、第1の実施の形態における予め定められたオフ条件と同様である。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。
放電装置制御部214は、放電リレー制御部212によって放電リレー73の接点が導通状態にされた後に、放電装置350が作動するように(放電リレー73を経由して第1コンデンサ306に予め定められた交流電力が供給されるように)放電装置350を制御する。また、放電装置制御部214は、予め定められたオフ条件が成立する場合、放電装置350の作動を停止する。
図8を参照して、本実施の形態に係る車両1に搭載されたECU200で実行される制御処理について説明する。
S300にて、ECU200は、放電リレー73のオフ期間が予め定められた期間以上であるか否かを判定する。放電リレー73のオフ期間が予め定められた期間以上であると判定される場合(S300にてYES)、処理はS302に移される。もしそうでない場合(S300にてNO)、この処理は終了する。
S302にて、ECU200は、放電リレー73の接点が導通状態になるように放電リレー73を制御する。S304にて、ECU200は、放電装置350を作動させる。
S306にて、ECU200は、予め定められたオフ条件が成立するか否かを判定する。予め定められたオフ条件が成立すると判定される場合(S306にてYES)、処理はS308に移される。もしそうでない場合(S306にてNO)、処理はS306に戻される。
S308にて、ECU200は、放電装置350の作動を停止する。S310にて、ECU200は、放電リレー73の接点が開放状態になるように放電リレー73を制御する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る車両1に搭載されたECU200の動作について図9を用いて説明する。
たとえば、放電リレー73が使用されていない期間が予め定められた期間以上となる場合には(S300にてYES)、図9に示すように、放電リレー73の接点が導通状態になるように放電リレー73が制御されるとともに(S302)、放電装置350が作動させられる(S304)。
放電リレー73の接点が導通状態になることにより、図9の破線矢印に示すように、第1放電用電力線ACLB1,ACLB2の放電リレー73および第1コンデンサ306を経由して電流が流れることとなる。そのため、放電装置350の作動中においては、放電リレー73の接点部分において電流が流れることにより、接点部分に形成される酸化膜は、接点部分において生じたジュール熱によって除去される。
放電リレー73の接点が導通状態になるように放電リレー73が制御されてから予め定められた時間が経過するなどして予め定められたオフ条件が成立すると(S306にてYES)、放電装置350の作動が停止されるとともに(S308)、放電リレー73の接点が開放状態になるように放電リレー73が制御される(S310)。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両1によると、放電リレー73の開放状態が継続するオフ期間が予め定められた期間以上である場合には、一定量の酸化膜が形成されることとなる。そのため、そのような場合に、放電リレー73を導通状態にするとともに、第1コンデンサ306に電力が供給されるように放電装置350を動作させることによって、放電リレー73と第1コンデンサ306とを経由して電流を流すことができる。その結果、放電リレー73の接点部分に形成された酸化膜を接点部分において生じたジュール熱によって除去することができる。そのため、放電リレー73の接点部分における酸化膜の形成を抑制することができる。したがって、車両外部の電気機器に車載の蓄電装置の電力を供給する場合に用いられるリレーの接点部分における酸化膜の形成を抑制して、リレーのオフ故障を抑制する車両を提供することができる。
さらに、電力線ACL1,ACL2の間に第1抵抗体304を設けることにより、放電リレー73の接点が開放状態となった後に、第1コンデンサ306において蓄えられた電荷を第1抵抗体304を用いて放電することができる。
なお、好ましくは、第1コンデンサ306の容量は、放電装置350から第1コンデンサ306に対して予め定められた電力が供給される場合に、放電リレー73の接点部分に形成された酸化膜の除去が可能な予め定められた値以上の大きさの電流が放電リレー73に流れるように設定されることが望ましい。このようにすると、オフ期間が予め定められた期間以上となる場合や、外部給電を実行する場合に、放電リレー73の接点を導通状態にすることによってより確実に放電リレー73の接点部分において形成された酸化膜を除去することができる。
さらに、本実施の形態においては、放電リレー73の開放状態が継続するオフ期間が予め定められた期間以上である場合に、放電リレー73を導通状態にするとともに放電装置350を動作させるものとして説明したが、外部放電が実施される場合には、上述の第1の実施の形態において説明したように、放電装置350から出力される電力は、電気機器416に供給される電力と、コンデンサ306に供給される電力とを含むため、電気機器416からの要求電力が小さいときにおいても、少なくとも、コンデンサ306に供給される電流分が放電リレー73を通ることになる。これにより、インレット410から外部放電する際に、放電リレー73において十分なジュール熱を発生させることができ、放電リレー73に形成された酸化膜を除去することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。