以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態の車両の一例として示されるハイブリッド車両の全体ブロック図である。なお、以下では「ハイブリッド車両」を単に「車両」と呼ぶこともある。本発明は、ハイブリッド車両に限らず、外部から充電が可能である電気自動車のような電動車両にも適用が可能である。
図1を参照して、ハイブリッド車両100は、電池パックと、パワーコントロールユニット(PCU)と、モータジェネレータ(Motor Generator)32−1,32−2と、動力分割装置34と、エンジン36と、駆動輪38とを含む。
電池パックは、蓄電装置10と、切替部11と、電圧センサ14と、電流センサ16と、充電リレーCHR−B,CHG−G,CHR−Pとを含む。なお、充電リレーCHR−Pは、必須ではないが、コンデンサ76をプリチャージする際に使用することが好ましい。
切替部11は、蓄電装置10の正極と正極線PL1との間に設けられるシステムメインリレー(System Main Relay)SMR−Bと、蓄電装置10の負極と負極線NL1との間に設けられるシステムメインリレーSMR−Gと、システムメインリレーSMR−Gと並列的に設けられた、直列接続されているシステムメインリレーSMR−Pおよび抵抗Rとを含む。
PCUは、コンバータ12と、主正母線MPLと、主負母線MNLと、平滑コンデンサC1,C2と、DC−DCコンバータ86と、インバータ30と、電圧センサ20とを含む。
ハイブリッド車両100は、さらに、エアコン80と、MG−ECU(Electronic Control Unit)40と、充電装置42と、HV−ECU46と、電力ケーブル53と、外部電源58からの充電ケーブル341のコネクタ56に接続するためのインレット54とを含む。
エアコン80は、図示しないが、DC−DCコンバータ86からの電力によって駆動される電動ファンと、正極線PL1、負極線NL1から電力を受けるACインバータと、ACインバータによって駆動されるコンプレッサと、電動ファンおよびACインバータを制御するAC−ECUとを含む。
蓄電装置10は、再充電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池および鉛蓄電池等の二次電池や、大容量のキャパシタ等を含むものである。蓄電装置10は、切替部11を介してコンバータ12に接続される。切替部11は、蓄電装置10とコンバータ12との間に設けられる。
コンバータ12は、主正母線MPLおよび主負母線MNLに接続される。コンバータ12は、MG−ECU40からの信号PWCに基づいて、蓄電装置10と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間で電圧変換を行なう。
コンバータ12は、主正母線MPLと主負母線MNLとの間に直列接続されたIGBT素子TR1,TR2と、IGBT素子TR1,TR2とそれぞれ逆並列に接続されたダイオードD1,D2と、IGBT素子TR1,TR2の接続ノードと正極線PL1との間に設けられたリアクトルLとを含む。
電圧センサ14は、蓄電装置10の電圧VBを検出し、その検出値をHV−ECU46へ出力する。電流センサ16は、蓄電装置10に対して入出力される電流IBを検出し、その検出値をHV−ECU46へ出力する。
電圧センサ18は、正極線PL1と負極線NL1との間の電圧VLを検出し、その検出値をHV−ECU46へ出力する。電圧センサ20は、主正母線MPLと主負母線MNLとの間の電圧VHMを検出し、その検出値をHV−ECU46へ出力する。
DC−DCコンバータ86は、切替部11とコンバータ12との間に配設される正極線PL1および負極線NL1に接続される。DC−DCコンバータ86は、エアコンの電動ファンの他に補機84(ヘッドライト、オーディオ機器等)および補機バッテリにも電力を供給している。平滑コンデンサC2は、主正母線MPLと主負母線MNLとの間に接続され、主正母線MPLおよび主負母線MNLに含まれる電力変動成分を低減する。
インバータ30は、主正母線MPLおよび主負母線MNLに接続される。インバータ30は、MG−ECU40からの信号PWI1に基づいてモータジェネレータ32−1を駆動する。また、インバータ30は、MG−ECU40からの信号PWI2に基づいてモータジェネレータ32−2を駆動する。
モータジェネレータ32−1,32−2は、交流回転電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。モータジェネレータ32−1,32−2は、動力分割装置34に連結される。動力分割装置34は、詳しく図示はしないが、サンギヤと、ピニオンギヤと、キャリアと、リングギヤとを含む遊星歯車を含む。ピニオンギヤは、サンギヤおよびリングギヤと係合する。キャリアは、ピニオンギヤを自転可能に支持するとともに、エンジン36のクランクシャフトに連結される。サンギヤは、モータジェネレータ32−1の回転軸に連結される。リングギヤは、モータジェネレータ32−2の回転軸および駆動輪38に連結される。この動力分割装置34によって、エンジン36が発生する機械的動力は、駆動輪38へ伝達される経路と、モータジェネレータ32−1へ伝達される経路とに分割される。
そして、モータジェネレータ32−1は、動力分割装置34によって分割されたエンジン36の動力を用いて発電する。たとえば、蓄電装置10のSOCが低下すると、エンジン36が始動してモータジェネレータ32−1により発電が行なわれ、その発電された電力が蓄電装置へ供給される。
一方、モータジェネレータ32−2は、蓄電装置10から供給される電力およびモータジェネレータ32−1により発電された電力の少なくとも一方を用いて駆動力を発生する。モータジェネレータ32−2の駆動力は、駆動輪38に伝達される。なお、車両の制動時には、車両の運動エネルギーが駆動輪38からモータジェネレータ32−2に伝達され、モータジェネレータ32−2が発電機として作動する。これにより、モータジェネレータ32−2は、車両の運動エネルギーを電力に変換して回収する回生ブレーキとして作動する。
MG−ECU40は、コンバータ12を駆動するための信号PWCを生成し、その生成した信号PWC1をコンバータ12へ出力する。また、MG−ECU40は、モータジェネレータ32−1,32−2をそれぞれ駆動するための信号PWI1,PWI2を生成し、その生成した信号PWI1,PWI2をインバータ30へ出力する。
充電装置42は、電力ケーブル53に入力端が接続される。充電装置42の出力端は、充電リレーCHR−B,CHR−Gを介在して、切替部11とコンバータ12との間に配設される正極線PL1および負極線NL1に接続される。
車両100は、さらに、放電用のリレーDR−B,DR−Gと、ACインバータ122と、電圧センサ112,120と、電力出力経路を切替える切替部114と、車載コンセント110とを含む。
インレット54に充電用の電源装置200が接続された場合には、車両の動作モードが充電モードに設定される。動作モードが充電モードに設定された場合には、切替部114は、電力ケーブル53からACインバータ122を切り離す。そして、充電装置42は、ブレーカー210、CCIDボックス330および充電コネクタ56を介して外部電源58から供給される電力を受ける。そして、充電装置42は、HV−ECU46から充電指令を含む制御信号を受ける。充電装置42は、充電に適する電圧を蓄電装置10に出力する。
インレット54に放電ユニット59が接続され、動作モードが放電モードに設定された場合には、切替部114は、電力ケーブル53にACインバータ122を接続する。一方、充電装置42は動作を停止する。ACインバータ122は、蓄電装置10から電力を受ける。そして、ACインバータ122は、HV−ECU46から放電指令を含む制御信号INVPを受ける。ACインバータ122は、負荷60を駆動する電圧をインレット54に出力する。
具体的には充電装置42は、AC/DC変換部62と、DC/AC変換部68と、トランス70と、AC/DC変換部72と、コンデンサ76とを含む。
動作モードが充電モードに設定された場合には、AC/DC変換部62は、外部電源からの交流電力を直流電力に変換する整流回路として動作する。また、DC/AC変換部68は、AC/DC変換部62によって整流された直流電力の電圧を再び高周波の交流に変換する。トランス70は、DC/AC変換部68から出力される交流電圧を昇圧する。AC/DC変換部72は、トランス70の出力を整流する整流回路として動作する。コンデンサ76は、AC/DC変換部72の出力を平滑化する。AC/DC変換部72から出力される直流電圧は、蓄電装置10の充電に適する電圧に制御されている。
一方、動作モードが放電モードに設定された場合には、AC/DC変換部72、DC/AC変換部68およびAC/DC変換部62は、動作停止状態に制御される。
充電装置42は、さらに、入力端に設けられたリレー51と、外部から印加される交流電圧VACを検出する電圧センサ82と、充電装置42から電力ケーブル53に入出力される電流を検出する電流センサ83とを含む。なお、図1では簡略化されて示されているが、リレー51は後に図2に示すように突入電流防止抵抗を経由せずに電流を流すためのリレーである。
充電装置42は、さらに、AC/DC変換部62の出力電圧VHを計測する電圧センサ64と、AC/DC変換部62の出力電圧VHを平滑化するコンデンサ66と、AC/DC変換部72の出力電流を計測する電流センサ74と、AC/DC変換部72の出力電圧を計測する電圧センサ79とを含む。
上記の電流センサ74,83および電圧センサ64,79,82は、動作モードが放電モードである場合でも電流や電圧を検出してHV−ECU46に送信している。
図1に示すように、たとえばハイブリッド車両100のインレット54が充電ケーブルのコネクタ56に接続されると、HV−ECU46は充電ケーブルのCCIDボックス330とコントロールパイロット信号CPLTを通信する。接続が検出されると、HV−ECU46は車両の動作モードを充電モードに設定する。そして、HV−ECU46はCCIDボックス330に対してCCIDボックス内部のリレーを閉じて電力を供給するようにコントロールパイロット信号CPLTを用いて要求する。またHV−ECU46は、切替部114を充電装置42から切り離すように設定し、リレー51を接続するように充電装置42を制御する。
なお、「エスエーイー エレクトリック ビークル コンダクティブ チャージ カプラ(SAE Electric Vehicle Conductive Charge Coupler)」においては、プラグイン車両の規格の一例として、コントロールパイロット信号CPLTに関する規格が定められている。コントロールパイロット信号CPLTは、コントロールパイロット線に発振器から方形波信号を送ることによって、充電ケーブルと車両との間で、電力の供給ができる状態であることの通知や充電開始の指示を行なう機能を有する。
CCIDボックス中のリレーおよびリレー51が閉状態である場合には、充電装置42は、外部電源58から供給される電力を、充電ケーブル341、インレット54および電力ケーブル53を介して受ける。この場合におけるインレット54は、外部電源58から電力を受けるための電力インターフェースである。
また、図1に示すように放電ユニット59がインレット54に装着され、放電ユニットからコントロールパイロット信号CPLTが入力されるとHV−ECU46は車両の動作モードを放電モードに設定する。ユーザは、たとえば放電ユニットに設けられた図示しないスイッチからコントロールパイロット信号CPLTを変化させてHV−ECU46に動作モードを放電モードに設定するように要求することができる。この場合、HV−ECU46はリレー51を非接続とし、切替部114をACインバータ122がインレット54に接続されるように設定し、インレット54に交流電力を出力するようにACインバータ122を制御する。
図2は、図1に示した充電装置42の構成とACインバータ122との接続部分の詳細とを示した回路図である。図2を参照して、切替部114は、連動して動く切替スイッチ116,118を含む。切替スイッチ116,118はACインバータ112の出力を車載コンセント110とインレット54に選択的に切替えることができる。
充電リレーCHR−B,CHR−Gは、車両が充電モードに設定されると接続状態となり、車両が放電モードになると非接続状態となる。リレーDR−B,DR−Gは車両が放電モードに設定されたり、ACインバータ122から車載コンセント110に電力を出力したりする場合には接続状態となる。
充電装置42は、リレー51と、突入電流防止抵抗92と、放電抵抗94と、フィルタ81と、充放電部85と、温度センサ87と、電圧センサ64,79,82と、電流センサ74,83と、マイコン(マイクロコンピュータ)88とを含む。
充放電部85は、AC/DC変換部62と、平滑コンデンサ66と、DC/AC変換部68と、絶縁トランス70と、AC/DC変換部72とを含む。
まず、動作モードが充電モードである場合について説明する。
フィルタ81は、車両インレット54とAC/DC変換部62との間に設けられ、外部電源58(図1)による蓄電装置10の充電時、車両インレット54から外部電源58へ高周波のノイズが出力されるのを防止する。AC/DC変換部62は、単相ブリッジ回路を含む。AC/DC変換部62は、マイコン88からの駆動信号に基づいて、外部電源58から供給される交流電力を直流電力に変換して正極線PLCおよび負極線NLCへ出力する。AC/DC変換部62は、充電モードでは、PFC回路(力率改善回路)またはインバータ回路として動作する。平滑コンデンサ66は、正極線PLCと負極線NLCとの間に接続され、正極線PLCおよび負極線NLC間に含まれる電力変動成分を低減する。
DC/AC変換部68は、単相ブリッジ回路を含む。DC/AC変換部68は、マイコン88からの駆動信号に基づいて、正極線PLCおよび負極線NLCから供給される直流電力を高周波の交流電力に変換して絶縁トランス70へ出力する。絶縁トランス70は、磁性材を含むコアと、コアに巻回された一次コイルおよび二次コイルを含む。一次コイルおよび二次コイルは、電気的に絶縁されており、それぞれDC/AC変換部68およびAC/DC変換部72に接続される。そして、絶縁トランス70は、DC/AC変換部68から受ける高周波の交流電力を一次コイルおよび二次コイルの巻数比に応じた電圧レベルに変換してAC/DC変換部72へ出力する。AC/DC変換部72は、絶縁トランス70から出力される交流電力を直流電力に整流して正極線PL2および負極線NL2へ出力する。
電圧センサ82は、フィルタ81後の外部電源58の電圧を検出し、その検出値をマイコン88へ出力する。電流センサ83は、外部電源58から供給される電流を検出し、その検出値をマイコン88へ出力する。電圧センサ64は、正極線PLCと負極線NLCとの間の電圧を検出し、その検出値をマイコン88へ出力する。電圧センサ79は、AC/DC変換部72のリレーCHR−B,CHR−Gに接続される側の電圧を検出し、その検出値をマイコン88へ出力する。電流センサ74は、AC/DC変換部72から出力される電流を検出し、その検出値をマイコン88へ出力する。
マイコン88は、電圧センサ79および電流センサ74の検出値に基づいて算出される充電装置42の出力電力が電力指令値CHPWに一致するように、電圧センサ82,64,79および電流センサ83,74の各検出値に基づいて、AC/DC変換部62およびDC/AC変換部68を駆動するための駆動信号を生成する。そして、マイコン88は、その生成した駆動信号をAC/DC変換部62およびDC/AC変換部68へ出力する。
温度センサ87は、充電装置42の温度TCを検出しマイコン88に送信する。マイコン88は、温度センサ87の出力する温度TCに基づいて、セーブモードと通常モードとの間で充電装置42の動作モードを変更する。充放電部85は、マイコン88の制御の下で車両外部の電源からの電力を制限して蓄電装置10への充電電力として供給する。
次に、動作モードが放電モードである場合について説明する。
放電モードでは、リレー51が放電抵抗94に接続される。AC/DC変換部62、DC/AC変換部68、AC/DC変換部72は、いずれも動作停止状態に制御される。ACインバータ122は、図1のHV−ECU46から制御信号INVPを受けて蓄電装置10の電力をインレット54に出力する。
動作モードが充電モードおよび放電モードのいずれの場合でも、マイコン88は、電流センサ83の出力を監視している。
充電モードでは、マイコン88は、電流センサ83が過電流に相当する電流を検出した場合には、充電装置42を保護するためにAC/DC変換部62,72およびDC/AC変換部68の動作を停止させる。また、電圧センサ64,82および電流センサ83のいずれかが故障して、充電または放電の正常な制御ができなくなった場合にもマイコン88は、充電装置42を保護するためにAC/DC変換部62,72およびDC/AC変換部68の動作を停止させる。
動作モードが放電モードであれば、AC/DC変換部62,72およびDC/AC変換部68は、動作を停止しているので、電流センサ83は所定値を超える電流が流れることはない。ただし、インレット54にはACインバータ122からの交流電圧が送られているので、この交流電圧は突入電流防止抵抗92を経由して充電装置42の内部に印加される。
もし、AC/DC変換部62およびDC/AC変換部68のいずれかの内部トランジスタに短絡故障が発生した場合には、電流センサ83は、正常時とは異なり突入電流防止抵抗92を経由して流入する所定値を超える電流を検出する。したがって、放電モードにおける電流センサ83の検出値を監視しておくことで充電装置42の故障を検出することができる。このときに速やかにACインバータ122によるインレット54から外部への電力供給を停止させることによって、突入電流防止抵抗92および短絡箇所の発熱などを防止することができる。
なお、以上では、放電モードでリレー51が放電抵抗94に接続される場合について説明したが、これに限定されない。上記接続では、短絡発生時に電流センサ83で検出される所定値は、突入電流制限抵抗83によって制限される。たとえば、突入電流防止抵抗92によって電流が制限された結果、短絡発生時に電流センサ83に短絡を検出するのに十分な電流が流れないような場合も考えられる。このような場合には、予め短絡検出の準備として、突入電流防止抵抗92をバイパスさせるように放電モードにおいてリレー51によってインレット54とフィルタ81とを接続しておいても良い。
次に、充電装置42の内部に短絡故障が生じた後に車両を充電モードに設定し蓄電装置10の充電を実行しようとした場合に発生する現象について説明する。
図3は、図1に示した電源装置200およびHV−ECU46の充電に関する回路をより詳細に説明するための図である。
図3を参照して、電源装置200は、外部電源58と、ブレーカー210と、CCIDボックス330と、充電コネクタ56とを含む。
CCIDボックス330は、CCIDリレー332とコントロールパイロット回路334と、電磁コイル606と、漏電検出器608と、CCID制御部610と、電圧センサ650と、電流センサ660とをさらに含む。また、コントロールパイロット回路334は、発振装置602と、抵抗素子R1と、電圧センサ604とを含む。
CCID制御部610は、いずれも図示しないが、CPUと、記憶装置と、入出力バッファとを含み、各センサおよびコントロールパイロット回路334との信号の入出力を行なうとともに、電源装置200の充電動作の制御を行なう。
発振装置602は、電圧センサ604によって検出されるパイロット信号CPLTの電位が規定の電位のときは非発振の信号を出力し、パイロット信号CPLTの電位が上記の規定の電位から低下すると、CCID制御部610により制御されて、規定の周波数(たとえば1kHz)およびデューティーサイクルで発振する信号を出力する。
なお、パイロット信号CPLTの電位は、図4で後述するように、HV−ECU46からも操作できる。また、デューティーサイクルは、外部電源58から充電ケーブル341を介してハイブリッド車両100へ供給可能な定格電流に基づいて設定される。
パイロット信号CPLTは、上述のようにパイロット信号CPLTの電位が規定の電位から低下すると、規定の周期Tで発振する。ここで、外部電源58から充電ケーブル341を介してハイブリッド車両100へ供給可能な定格電流に基づいてパイロット信号CPLTのパルス幅Tonが設定される。すなわち、周期Tに対するパルス幅Tonの比で示されるデューティーによって、パイロット信号CPLTを用いてコントロールパイロット回路334からハイブリッド車両100のHV−ECU46へ定格電流が通知される。
なお、定格電流は、充電ケーブル341毎に定められており、充電ケーブル341の種類が異なれば定格電流も異なる。したがって、充電ケーブル341毎にパイロット信号CPLTのデューティーも異なることになる。
ハイブリッド車両100のHV−ECU46は、コントロールパイロット線L1を介して受信したパイロット信号CPLTのデューティーに基づいて、外部電源58から充電ケーブル341を介してハイブリッド車両100へ供給可能な定格電流を検知することができる。
HV−ECU46によってパイロット信号CPLTの電位がさらに低下すると、コントロールパイロット回路334は、電磁コイル606へ電流を供給する。電磁コイル606は、コントロールパイロット回路334から電流が供給されると電磁力を発生し、CCIDリレー332の接点を閉じてオン状態にする。
漏電検出器608は、CCIDボックス330内部の充電ケーブル341の途中に設けられ、漏電の有無を検出する。具体的には、漏電検出器608は、対となる充電ケーブル341に互いに反対方向に流れる電流の平衡状態を検出し、その平衡状態が破綻すると漏電の発生を検知する。なお、特に図示しないが、漏電検出器608により漏電が検出されると、電磁コイル606への給電が遮断され、CCIDリレー332の接点が開放されてオフ状態にされる。
電圧センサ650は、外部電源58が投入されると電圧を検知し、検出値をCCID制御部610に通知する。また、電流センサ660は、電力ケーブル341に流れる充電電流を検知し、検出値をCCID制御部610に通知する。
コネクタ56内に含まれる接続検知回路312は、上述のように、たとえばリミットスイッチであり、コネクタ56がインレット54に接続された状態で接点が閉じられ、コネクタ56がインレット54から切り離された状態で接点が開放される。
接続検知回路312は、コネクタ56がインレット54から切り離された状態では、HV−ECU46に含まれる電源ノード511の電圧およびプルアップ抵抗R10によって定まる電圧信号をケーブル接続信号CNCTとして接続信号線L3に発生させる。また、コネクタ56がインレット54に接続された状態では、接続信号線L3が接地線L2と短絡されるため、接続信号線L3の電位は0Vとなる。
なお、接続検知回路312はプルダウン抵抗(図示せず)とすることも可能である。この場合には、コネクタ56がインレット54に接続された状態では、電源ノード511の電圧およびプルアップ抵抗R10と、このプルダウン抵抗によって定まる電圧信号が、接続信号線L3に発生する。リミットスイッチに代えて、抵抗を設け、接続信号線L3のレベルの変化をA/Dコンバータで検出するようにしても良い。
接続検知回路312が、上記のようにリミットスイッチ,プルダウン抵抗のいずれの場合であっても、接続信号線L3に発生する電位(すなわち、ケーブル接続信号CNCTの電位)を検出することによって、HV−ECU46において、コネクタ56の接続状態を検出することができる。
一方、車両側においては、HV−ECU46は、上記の電源ノード511およびプルアップ抵抗R10に加えて、抵抗回路502と、入力バッファ504,506と、CPU508とをさらに含む。抵抗回路502は、プルダウン抵抗R2,R3と、スイッチSW1,SW2とを含む。プルダウン抵抗R2およびスイッチSW1は、パイロット信号CPLTが通信されるコントロールパイロット線L1と車両アース512との間に直列に接続される。プルダウン抵抗R3およびスイッチSW2も、コントロールパイロット線L1と車両アース512との間に直列に接続される。そして、スイッチSW1,SW2は、それぞれCPU508からの制御信号S1,S2に応じてオンまたはオフに制御される。
この抵抗回路502は、ハイブリッド車両100側からパイロット信号CPLTの電位を操作するための回路である。
入力バッファ504は、コントロールパイロット線L1のパイロット信号CPLTを受け、その受けたパイロット信号CPLTをCPU508へ出力する。入力バッファ506は、コネクタ56の接続検知回路312に接続される接続信号線L3からケーブル接続信号CNCTを受け、その受けたケーブル接続信号CNCTをCPU508へ出力する。なお、接続信号線L3には上記で説明したようにHV−ECU46から電圧がかけられており、コネクタ56のインレット54への接続によって、ケーブル接続信号CNCTの電位が変化する。したがって、このケーブル接続信号CNCTの電位を検出することによって、CPU508は、コネクタ56の接続状態を検出することができる。
CPU508は、入力バッファ504,506より、パイロット信号CPLTおよびケーブル接続信号CNCTをそれぞれ受ける。
CPU508は、ケーブル接続信号CNCTの電位を検出し、コネクタ56の接続状態を検出する。
また、CPU508は、パイロット信号CPLTの発振状態およびデューティーサイクルを検知することによって、上述のように充電ケーブル341の定格電流を検出する。
そして、CPU508は、ケーブル接続信号CNCTの電位およびパイロット信号CPLTの発振状態に基づいて、スイッチSW1,SW2の制御信号S1,S2を制御することによって、パイロット信号CPLTの電位を操作する。これによって、CPU508は、CCIDリレー332を遠隔操作することができる。そして、充電ケーブル341を介して外部電源58からハイブリッド車両100への電力の伝達が行なわれる。
図1および図3を参照して、CCIDリレー332の接点が閉じられると、CPU508は、制御信号SE1によってリレー51の接点を閉じる。これにより、充電装置42に外部電源58からの交流電力が与えられ、外部電源58から蓄電装置10への充電準備が完了する。そして、CPU508が充電装置42に対し制御信号を出力して電力変換を行なわせることにより、蓄電装置10への充電が実行される。
北米などの地域においては、上述のようなパイロット信号CPLTを用いて充電を行なう充電システムの構成が規格化されている。
次に図3および図4を用いて、充電開始制御と充電中断と再開について説明する。
図4は、充電開始、中断および充電再開時のパイロット信号CPLTについて説明するためのタイムチャートである。図4の横軸には時間が示され、縦軸にはプラグ320の接続状態、電圧センサ182で検出される交流電圧VAC、パイロット信号CPLTの電位、ケーブル接続信号CNCTの状態、スイッチSW1,SW2の状態、CCIDリレー332の状態、および充電処理の実行状態が示される。
図3および図4を参照して、時刻t1になるまでは、充電ケーブル341は、ハイブリッド車両100に接続されておらず、また外部電源58は投入されていない状態である。この状態においては、各スイッチおよびCCCIDリレー332はオフの状態であり、パイロット信号CPLTの電位は0Vである。また、ケーブル接続信号CNCTの電位は、V11(>0V)である。
時刻t1において、外部電源58が投入されると、外部電源58からの電力を受けてコントロールパイロット回路334がパイロット信号CPLTを発生する。
なお、この時刻t1では、充電ケーブル341のコネクタ56はインレット54に接続されていない。また、パイロット信号CPLTの電位はV1(たとえば12V)であり、パイロット信号CPLTは非発振状態である。
時刻t2において、コネクタ56がインレット54に接続されると、接続検知回路312によって、ケーブル接続信号CNCTの電位が低下する。このとき、CPU508は、パイロット信号CPLTの入力を認識する。
そして、CPU508は、ケーブル接続信号CNCTの電位が低下したことを検出することによって、コネクタ56とインレット54との接続を検出する。それに応じて、CPU508によって制御信号S2が活性化されて、スイッチSW2がオンされる。そうすると、抵抗回路502のプルダウン抵抗R3によってパイロット信号CPLTの電位はV2(たとえば9V)に低下する。
時刻t3において、CCID制御部610によってパイロット信号CPLTの電位がV2に低下したことが検出される。これに応じて、CCID制御部610は、パイロット信号CPLTを発振させる。
CPU508は、パイロット信号CPLTが発振されたことを検出すると、上述のようにパイロット信号CPLTのデューティーによって、充電ケーブル341の定格電流を検出する。
そして、CPU508は充電動作を開始するために制御信号S1を活性化させてスイッチSW1をオンする。これに応じて、プルダウン抵抗R2によって、パイロット信号CPLTの電位がV3(たとえば6V)に低下する(図4中の時刻t4)。
このパイロット信号CPLTの電位がV3に低下したことが、CCID制御部610によって検出されると、時刻t5においてCCIDリレー332の接点が閉じられて、外部電源58からの電力が充電ケーブル341を介してハイブリッド車両100に伝達される。
その後、ハイブリッド車両100において、交流電圧VACが検出されると、CPU508によって切替部11および充電リレーCHR−B,CHR−G190の接点が閉じられ、かつ充電装置42が制御されることによって、蓄電装置10(図1)の充電が開始される(図4中の時刻t6)。
また、充電処理の実行途中において、ブレーカーの作動などによって外部電源の停電が発生した場合(図4中の時刻t7)には、CCID330への電源供給が停止するので、パイロット信号CPLTが0Vとなる。これに応じて、SW1がオフとなるとともに、CCIDリレー332が開放されて充電処理が停止する。
このとき、瞬停のような極めて短時間の停電の場合(たとえば、数秒間)には、停電回復後すぐに充電が再開されるように、CPU508は、切替部11,充電リレーCHR−B,CHR−Gおよび充電装置42などを充電実行状態に維持する「停電待機」を行なうようにしてもよい。なお、所定の数秒間が経過しても停電回復しない場合には、「停電待機」は解除されて、リレーや充電装置42などは充電停止状態とされる。また、ハイブリッド車両100からコネクタ56が切り離された場合(たとえば、ケーブル接続信号CNCTの電位が所定以上となった場合)には、CPU508は「停電待機」は行なわず、直ちにリレーや充電装置42などを充電停止状態とする。
「停電待機」中に停電が回復した場合(図4中の時刻t8)は、SW2がオンのままであるので、パイロット信号CPLTはすぐに電位V2となり、CCID制御部610によって発振状態にされる。そして、CPU508は、パイロット信号CPLTの発振状態により充電ケーブル341の定格電流を検出し、SW1を活性化させてパイロット信号CPLTの電位を電位V3に低下させる(図4中の時刻t9)。これに応じて、CCID制御部610は、時刻t10でCCIDリレー332をオンとし、充電が再開される(図4中の時刻t11)。
しかしながら、充電装置42の交流電圧印加側の経路に短絡等が発生した場合には、車外のブレーカーが落ちるのが先で、故障を車両に記録する余裕がなかった。したがって、ブレーカーをユーザが復帰させると、再度ブレーカーが落ちるといったことを繰返してしまう恐れがあった。
本実施の形態では、車両が放電モードである場合に充電装置42の故障を検出する。そして故障を検出すると、次回の充電モード時には、CCIDリレー332の接続を禁止し、以降の充電を許可しないようにする。したがって、ユーザが故障に気づかずに何度も電源投入を繰返すような事態を避けることができる。
以下、HV−ECU46が充電装置42の故障検出とその後の車両保護処理について行なう制御を説明する。
図5は、HV−ECUが充電または放電の制御の開始時の動作モード設定について説明するためのフローチャートである。図5を参照して、まずステップS1においてインレット54に電源装置200または放電ユニット59が接続されたかどうかが検出される。HV−ECU46は、システムが停止状態にあっても、インレット54の接続を検出する機能は起動している。ステップS1において、インレット54に何も接続されていない場合には、ステップS5に処理が進む。この場合は、再びインレット54の接続の有無を検出する処理が行なわれる。
ステップS1において、インレット54に接続が検出された場合には、ステップS2に処理が進む。ステップS2では、HV−ECU46の充電装置42を制御する部分を含む主要部分が起動する。そしてステップS3で、動作モードが充電モードであるか放電モードであるかをコントロールパイロット信号CPLTに基づいて検出する。なお動作モードは他の方法でユーザによって設定されても良い。続いて、ステップS4においてHV−ECU46は、指定された動作モードに車両の動作モードを設定する。その後ステップS4に処理が進みメインルーチンに処理が戻り充電または放電が実行される。
図6は、放電モードにおいて充電装置42内部の電流センサ83に所定値を超える電流が検出された場合の処理について説明するためのフローチャートである。図2、図6を参照して、まずステップS11において、車両が放電モードに設定され、インレットから車両外部の負荷に給電中であるか否かが判断される。ステップS11において車両が放電モードに設定されている場合にはステップS12に処理が進む。
ステップS12では、電流センサ83が検出する電流IACが所定のしきい値Ithを超えたか否かが判断される。ステップS12でしきい値を超えない場合やステップS11で放電モードでないと判断された場合には、ステップS17に処理が進み、制御はメインルーチンに戻される。
ステップS12において、電流センサ83が検出する電流IACが所定のしきい値Ithを超えたと判断されると、図1のHV−ECU46は、ステップS13においてACインバータ122を停止させる。なお、電流センサ83の検出値をマイコン88が読み込んでしきい値Ithを超えた旨をHV−ECU46に連絡し、連絡結果に基づいてHV−ECU46がACインバータ122を停止させても良い。
続いて、HV−ECU46は、充電装置42が故障した旨のダイアグコード(診断コード:diagnosis code)をメモリ47に記録する。メモリ47は、後に修理のために情報を読み出すことができるように、不揮発メモリなどシステムが停止した場合でもダイアグコードが消去されないようなものであることが望ましい。好ましくは、この時にHV−ECU46は異常発生をユーザに報知してもよい。たとえば、HV−ECU46は、表示装置90に「充電器の故障です。修理が必要です。」などの表示をさせたり、図示しないスピーカ等から音声で修理が必要である旨の警告を行なったりする。
メモリ47は、不揮発性メモリや電池バックアップされたメモリなど車両システムが停止後も修理が行なわれるまではデータが消去されないものであることが望ましい。
続いて、ステップS15において、次回に車両が充電モードに設定された場合に参照されるCCIDリレー332接続許可情報を許可状態から禁止状態に変更してメモリ47に記録し、ステップS16で処理が終了となる。
図7は、充電モード開始時に充電の可否を判断する処理を説明するためのフローチャートである。図1、図7を参照して、HV−ECU46は、まずステップS21において、車両の動作モードが充電モードであるか否かを判断する。ステップS21において、車両の動作モードが充電モードでなければステップS22に処理が進み制御はメインルーチンに戻される。
ステップS21において、車両の動作モードが充電モードであると判断された場合には、ステップS23に処理が進む。ステップS23では、HV−ECU46は、メモリ47宙にCCIDリレー接続禁止情報の記録が有るか否かを判断する。
ステップS23において、CCIDリレー接続禁止情報の記録が無いと判断された場合には、ステップS24に処理が進む。ステップS24では、CCIDリレーの接続条件(信号CPLTの発振が観測され、かつその波高値がV3であること)が成立するか否かが判断される。
ステップS24では、条件が成立しない場合には条件が成立するまでステップS24の処理が繰返される。そしてステップS24において条件が成立した場合には、ステップS25に処理が進みCCIDリレー332が接続され、ステップS26において蓄電装置10に対する充電が実行される。
一方、ステップS23において、CCIDリレー接続禁止情報がメモリ47に記録されていた場合には、ステップS27に処理が進み、車両の動作モードが充電モードに設定されていてもCCIDリレー332の接続が禁止される。この場合、HV−ECU46は、ステップS24で示したようなCCIDリレーの接続条件(信号CPLTの発振が観測され、かつその波高値がV3であること)を成立させないので、CCIDリレー332は接続されることはない。そしてステップS28に示すように、充電は実行されない。
ステップS26またはステップS28の次には、ステップS29に処理が進みこのフローチャートの制御は終了する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、車両が放電モードである場合に、充電装置42の内部の電流センサの検出値に適切なしきい値を適用して判断することによって故障を判断することができる。これにより、ACインバータ122による外部への電力供給を停止させることで車両機器の保護を図ることができる。
また、次回に充電が行なわれる際に電源装置200からの電力の受け入れを禁止するのでブレーカ落ちやヒューズ切れを未然に防ぐことができる。
最後に、再び図1等を参照して、本実施の形態について総括する。車両100は、蓄電装置10と、車両外部の電源装置200から電力を受け蓄電装置10に充電を行なうことが可能に構成された充電装置42と、蓄電装置10から車両外部の負荷60に放電を行なうことが可能に構成された電力変換装置(ACインバータ122)と、車両外部の電源装置200から電力を受けることが可能で、かつ車両外部の電気負荷60に車両から電力を供給することが可能に構成されたインレット54と、インレット54と電力変換装置(ACインバータ122)との接続を接続状態と非接続状態とに切替える切替部11と、切替部11と充電装置42と電力変換装置(ACインバータ122)とを制御する制御装置(HV−ECU46)とを備える。充電装置42は、インレット54と充電装置42とを結ぶ電力線路に充電装置42から入出力される電流を検出する電流センサ83を含む。制御装置(HV−ECU46)は、充電モードでは切替部11を非接続状態に設定するとともに充電装置42を作動させて蓄電装置10の充電を実行させ、放電モードでは切替部11を接続状態に設定するとともに充電装置42を停止させかつ電力変換装置(ACインバータ122)を作動させて蓄電装置10からインレット54を経由して車両外部の負荷60に電力供給を実行させる。制御装置(HV−ECU46)は、放電モードにおいて、電流センサ83に所定値を超える電流が検出された場合には、電力変換装置(ACインバータ122)からインレット54に電力が供給されないように電力変換装置(ACインバータ122)または切替部11を制御する。
好ましくは、制御装置(HV−ECU46)は、放電モードにおいて、電流センサ83に所定値を超える電流が検出された場合より後に充電モードに設定された時には車両外部の電源装置200から電力の受け入れを禁止する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。