JP4069432B2 - 非常用リレー回路装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非常用リレー回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、励磁コイルへの前回の通電から次回の通電までの通電休止期間が極めて長い動作モードを有するリレーを有するリレー回路装置があった。このようなリレー回路装置は、たとえば、日常動作では動作不要であって、滅多に生じないなんらかの非常事態発生時にだけ負荷を作動させる非常回路装置、たとえば消火用の放水ポンプのモータ駆動回路などに用いられる。
【0003】
その他、上記非常回路装置としては、内燃機関により駆動される発電機から主機バッテリや走行モータへ給電するハイブリッド車において、長期の不使用後などにおいて主蓄電手段の残容量がエンジン始動不能なレベルまでに低下してしまった場合に外部又は低圧の補機バッテリから主機バッテリにエンジン始動に必要な電力を充電してエンジンを始動させる主機バッテリ充電装置などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した非常回路装置や主機バッテリ充電装置の使用間隔はたとえば数年以上といった長期にわたる可能性があり、その結果、これら回路装置に内蔵した開放型リレーの接点表面が酸化されてしまい、その後、使用が必要になった場合に上記接点表面の酸化膜による接触抵抗の増大により後段の負荷駆動回路を作動できないという不具合が発生する可能性があった。
【0005】
もちろん、開放型リレーの代わりに、接点表面の酸化を考慮する必要がない形式のリレーの採用や、接点表面の酸化を考慮する必要がない接点材質を採用したり、或いはリレーの代わりに半導体スイッチング素子を採用することも考えられるが、コストや性能や使用環境を考慮した場合、このような代替が好ましくなく開放型リレーの採用が必要な場合がある。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、開放型リレーを内蔵するにもかかわらず動作信頼性に優れた非常用リレー回路装置を提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の非常用リレー回路装置は、ケース内部が外気に露出する開放型リレーと、なんらかの緊急時に通電がなされる前記開放型リレーを内蔵して前記緊急時に負荷への通電を行う非常用負荷駆動回路と、前記負荷への通電を要求する外部からの負荷通電指令により前記開放型リレーの励磁コイルへの通電を行う制御回路とを備えるリレー回路装置において、前記負荷通電指令信号とは異なる励磁コイル通電指令信号である接点リフレッシュ信号を定期的または何らかの発生パターンで前記制御回路に出力する接点リフレッシュ手段を備え、前記開放型リレーは、常開接点を有する常開型リレーにより構成されていることをその特徴としている。
すなわち、請求項1記載の非常用リレー回路装置によれば、非常時に通電される開放型リレーを内蔵する非常用負荷駆動回路が設けられ、制御回路は、非常状態発生時に手動又は自動によりこの非常用負荷駆動回路の開放型リレーの励磁コイルに通電して最終的に負荷に給電させる。
【0008】
本構成によれば特に、接点リフレッシュ手段が、負荷通電指令信号とは異なる励磁コイル通電指令信号である接点リフレッシュ信号を制御回路に定期的または何らかの発生頻度パターンで出力するので、その分だけ、開放型リレーの接点酸化膜が除去されて、その導通性が向上する。その結果、開放型リレーを用いるにもかかわらず信頼性に優れた非常用リレー回路装置を実現することができる。
【0009】
請求項2記載の構成によれば請求項1記載の非常用リレー回路装置において更に、非常用負荷駆動回路は、接点リフレッシュ手段による開放型リレーの励磁コイルへの通電に(以下、リフレッシュ通電という)においては負荷へは通電しないので、単に開放型リレーのだけを実施することができ、負荷への相対的に頻繁な通電を実施することによる弊害が生じない。
【0010】
請求項3記載の構成によれば請求項1または2記載の非常用リレー回路装置において更に、エンジン始動に対応して上記接点リフレッシュを実施するので、接点リフレッシュ信号の生成が容易となる。
請求項4記載の構成によれば請求項1ないし3のいずれか記載の非常用リレー回路装置において更に、非常用負荷駆動回路は、ハイブリッド車の主機バッテリの残容量がエンジン始動に必要な値未満の場合に補機バッテリから主機バッテリに充電するので、主機バッテリのあがりに対し安価な回路構成で対応できるとともに、その動作信頼性を向上することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
ハイブリッド車の主機バッテリ緊急充電装置に用いられる本発明の好適な実施態様を以下の実施例を参照して説明する。
【0012】
【実施例】
この充電装置は、図1に示すように、低圧(定格12V)の補機バッテリ2、高位側の電源ラインに介設されるリレー3、入力側平滑コンデンサ5、DC/DCコンバ−タ6、定格約300Vの主機バッテリ7、制御回路8、電流センサ10を備えている。
【0013】
リレー3は、補機バッテリ2からDC/DCコンバ−タ6への給電電流を開閉する。
入力側平滑コンデンサ5は、DC/DCコンバ−タ6の一対の入力端間に接続されている。
DC−DCコンバータ6は、図2に示すように、入力直流電力を交流電力に変換するためのインバータ回路としての一対のパワ−MOSFET61、パワ−MOSFET61の出力電圧を変圧するトランス62、トランス62の出力電圧を整流する全波整流回路63、及び、全波整流回路63の出力電圧を平滑する出力平滑回路64を有する。
【0014】
これらパワ−MOSトランジスタの交互逆相断続によりトランス62の二次側に生じた交流電圧は全波整流回路63で整流され、出力平滑回路を構成するチョークコイル65及び平滑コンデンサ66で平滑されて主機バッテリ7に印加される。全波整流回路63は4つのダイオードDをブリッジ接続してなる。
主機バッテリ7は、エンジンを始動を行う発電電動機に発電電動機制御回路を通じて電力授受可能に接続されている。これら発電電動機、エンジンおよび車輪(図示せず)間の連結方式には各種の方式があるが、本発明の要旨ではないので説明は省略する。
【0015】
制御回路8は、マイコンを含み、DC−DCコンバータ6のパワ−MOSFET61のスイッチングを制御する。
(主機バッテリ7の充電動作)
次に、主機バッテリ7によるエンジン始動不能の場合における主機バッテリ7の充電動作について、説明する。
【0016】
運転者が主機バッテリ7の残容量がエンジン始動不能なレベルであると判断して補機バッテリ6から主機バッテリ7への充電を制御回路8に指令すると、制御回路8はリレー3を閉じ、DC−DCコンバータ6を作動させて主機バッテリ7へエンジン始動に十分な電力を給電し、その後、リレー3を開く。
(開放型リレーの接点リフレッシュ動作)
次に、この実施例の要旨である接点リフレッシュ動作について図3に示す接点リフレッシュサブルーチンを参照して以下に説明する。
【0017】
この接点リフレッシュサブルーチンでは、まず、フラグFが1かどうかを調べ(S122)、1であればただちにメインルーチンにリターンする。ただし、このフラグFは制御回路8に電源電圧が給電されて、それが作動中かどうか調べるフラグである。なお、制御回路8内のマイコンは、ハイブリッド車のIGスイッチがターンオンされると電源電圧を給電されて立ち上がり、このマイコンは立ち上がりの直後に内部の各RAMやレジスタをすべて初期状態にリセットし、このリセットによりフラグFは0となるものとする。
【0018】
S122において、フラグFが0、すなわちマイコンが立ち上がったばかりであれば、切り替えリレー3を所定短時間間隔で数回切り替える(S124)。これにより、開放型リレーであるリレー3の接点に酸化膜が生じていてもそれを除去できるので接点の導通が良好となる。なお、この時、パワ−MOSFET42、61は遮断しておく。これにより、負荷に本来必要としない電圧を供給することがない。ただし、制御回路8には酸化膜除去のために必要な電圧を供給する。
【0019】
次に、フラグFを1として(S126)、図示しないバッテリ管理用のメインルーチンにリターンする。
このようにすれば、図示しないIGスイッチが投入される度に、切り替えリレー3の各接点は強制的にリフレッシュされるので、車両走行を長期にわたって休止した場合でも、開放型リレーであるリレー3の接点が導通不良を起こすのが防止される。
【0020】
また、この実施例では、この接点リフレッシュにあたって、所定短時間(たとえば数十msec)ごとに数回以上、リレー3の接点を切り替えるので、略チャッタリング的な動作となって、単に一回だけ切り替える場合に比較して接点の酸化膜除去効果が大きい。
更に、上記実施例はハイブリッド車の主機バッテリ充電装置の開放型リレーの接点リフレッシュについて説明したが、その他の非常用リレー回路装置にも適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のハイブリッド車の充電装置を示す回路図である。
【図2】 図1に示すDC−DCコンバータ回路6の回路図である。
【図3】 切り替えリレー3の接点のリフレッシュ動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2は補機バッテリ、3はリレー(開放型リレー、非常用負荷駆動回路の一部)、6はDC−DCコンバータ回路、非常用負荷駆動回路の一部)、7は主機バッテリ、8は制御回路(接点リフレッシュ手段)、S124は接点リフレッシュ手段
Claims (4)
- ケース内部が外気に露出する開放型リレーと、
なんらかの緊急時に通電がなされる前記開放型リレーを内蔵して前記緊急時に負荷への通電を行う非常用負荷駆動回路と、
前記負荷への通電を要求する外部からの負荷通電指令により前記開放型リレーの励磁コイルへの通電を行う制御回路と、
を備えるリレー回路装置において、
前記負荷通電指令信号とは異なる励磁コイル通電指令信号である接点リフレッシュ信号を定期的または何らかの発生パターンで前記制御回路に出力する接点リフレッシュ手段を備え、
前記開放型リレーは、常開接点を有する常開型リレーにより構成されている
ことを特徴とする非常用リレー回路装置。 - 請求項1記載の非常用リレー回路装置において、
前記非常用負荷駆動回路は、前記接点リフレッシュ手段による前記開放型リレーの励磁コイルへの通電に際して、前記負荷への通電を実施しないことを特徴とする非常用リレー回路装置。 - 請求項1または2記載の非常用リレー回路装置において、
前記接点リフレッシュ手段は、車両エンジン始動信号又はそれと関連する信号に基づいて前記接点リフレッシュ信号を発生させることを特徴とするリレー回路装置。 - 請求項1ないし3のいずれか記載の非常用リレー回路装置において、
前記非常用負荷駆動回路は、ハイブリッド車の主機バッテリの残容量がエンジン始動に必要な値未満の場合に補機バッテリから前記主機バッテリにエンジン始動に必要十分なエネルギーを充電する充電回路からなることを特徴とするリレー回路装置。
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