JP6268870B2 - 車両用電源供給装置 - Google Patents
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Description
この車両用電源供給装置において、前記DC/DCコンバータの入力電圧もしくは入力電流の周期的な変動を検出するコンバータ入力変動検出手段を設ける。
前記DC/DCコンバータ出力制御手段は、前記DC/DCコンバータの入力電圧もしくは入力電流の周期的な変動を検出している間、前記DC/DCコンバータの出力を停止する制御を行う。
すなわち、インバータから発生した電圧リップルもしくは電流リップルにより、DC/DCコンバータの入力電圧もしくは入力電流が周期的に変動した時にDC/DCコンバータが出力状態であると騒音が発生する。この時にDC/DCコンバータの出力をOFF(出力停止)とすることで、入力電圧もしくは入力電流の周期的な変動を無くすことができる。そのため、スピーカ等の設置を不要としながら、入力電圧・電流の周期的な変動を起因とした騒音が発生しない。
この結果、コストアップを抑えながら、DC/DCコンバータへの入力電圧・電流の周期的な変動を起因とする騒音の発生を防止することができる。
実施例1における車両用電源供給装置の構成を、[全体構成]、[DC/DCコンバータ出力制御構成]に分けて説明する。
図1は、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)などの電動パワートレーン車両に適用される車両用電源供給装置を示す。以下、図1に基づき、全体構成を説明する。
図2は、実施例1の車両用電源供給装置の車両制御部7にて実行されるDC/DCコンバータ出力制御処理の流れを示す。以下、DC/DCコンバータ出力制御処理構成をあらわす図2の各ステップについて説明する(DC/DCコンバータ出力制御手段)。
ここで、コンバータ入力変動予測条件は、モータ回転数(指令値もしくは測定値)、モータトルク(指令値もしくは測定値)、減速Gのうち、何れか一つの値がある一定値(変動予測判定閾値)を超えたときに成立と判断する。なお、モータ回転数、モータトルク、減速Gの変動予測判定閾値については、実験結果に基づきシステム毎に決定する。
なお、コンバータ出力電圧を低下させるランプ制御中に、DC/DCコンバータ4からの出力電圧が12Vバッテリ5からの電圧を下回ると、12Vバッテリ5から車両電装品6に電力を供給する。
ここで、入力電圧リップルの収束は、例えば、入力電圧の変動振幅が収束判断閾値以下になったことで判断する。
なお、コンバータ出力電圧を上昇させるランプ制御中に、DC/DCコンバータ4からの出力電圧が12Vバッテリ5からの電圧を上回ると、DC/DCコンバータ4から車両電装品6に電力を供給する。
実施例1の車両用電源供給装置における作用を、[背景技術]、[DC/DCコンバータ出力制御作用]に分けて説明する。
まず、インバータのスイッチングにより入力電圧もしくは入力電流が変動してもDC/DCコンバータの出力制御として通常制御を行うものを比較例とする。
図3の矢印Aは、インバータのスイッチングにより入力電圧が1kHz〜20kHzで変動している状態を示し、図3の矢印Bは、インバータのスイッチングにより入力電流が1kHz〜20kHzで変動している状態を示す。
このように、入力電流が1kHz〜20kHzで変動し、DC/DCコンバータが出力状態であると、DC/DCコンバータのトランス、コイル、電解コンデンサ等から騒音が発生する。
本発明は、騒音の発生原因である入力電圧もしくは入力電流に着目し、吸音材や遮音材やスピーカの設置を不要としながら、発生する騒音を小さく抑えるようにした。以下、実施例1でのDC/DCコンバータ出力制御作用を、図2、図4及び図5に基づき説明する。
すなわち、インバータ2から発生した電圧リップルもしくは電流リップルにより、DC/DCコンバータ4の入力電圧もしくは入力電流が変動した時にDC/DCコンバータ4が出力状態であると、図4の特性から明らかなように、騒音が発生する。この時、図5の矢印Cに示すように、DC/DCコンバータ4が停止するように出力電圧を制御すると、図5の矢印Dに示すように、DC/DCコンバータ4の出力電流がゼロになり出力停止状態とされる。このように、インバータ2のスイッチングにより入力電圧が1kHz〜20kHzで変動するが、図5の矢印Eに示すように、入力電流がゼロのままで変動しないことで、DC/DCコンバータ4から騒音が発生しない。
この結果、スピーカ等の設置を不要としコストアップを抑えながら、DC/DCコンバータ4への入力電圧・電流変動を起因とする騒音の発生を防止することができる。
例えば、DC/DCコンバータ4の電圧を急激に変化させるとライトのちらつき等の問題がある。これに対し、図5の時刻t1にてDC/DCコンバータ4の入力変動が予測検出されると、時刻t3にてDC/DCコンバータ4からの出力電流がゼロとなって出力停止するように、DC/DCコンバータ4からの出力電圧を徐々に低下させるランプ制御が開始される。
このように、入力電圧もしくは入力電流が変動することを事前に検知することで、DC/DCコンバータ4の出力電圧をランプ状に変化させる時間が確保できるため、出力電圧の急激な変化によるライトのちらつき等を防止できる。
ここで、DC/DCコンバータ4からの出力電圧が12Vバッテリ5からの電圧を下回る時刻t2になると、図5の矢印Fに示すように、12Vバッテリ電圧>DC/DCコンバータ電圧の関係を保つ時刻t5まで、12Vバッテリ5から車両電装品6に電力が供給される。
例えば、DC/DCコンバータ4の電圧を急激に変化させると、上記同様に、ライトのちらつき等の問題がある。これに対し、図5の時刻t4にて入力電圧リップル(図5の矢印G)の発生が収束したと判断されると、時刻t6にてDC/DCコンバータ4からの出力電流を通常出力に戻すように、DC/DCコンバータ4からの出力電圧を徐々に上昇させるランプ制御が開始される。
このように、入力電圧リップルの発生収束を検知すると、DC/DCコンバータ4の出力電圧をランプ状に変化させる時間を確保した復帰制御を行うことで、出力電圧の急激な変化によるライトのちらつき等を防止できる。
実施例1の車両用電源供給装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
前記高電圧バッテリ1又は前記インバータ2からの入力を降圧し、並列に接続された低電圧バッテリ(12Vバッテリ5)と車両電装品6へ出力するDC/DCコンバータ4と、
前記DC/DCコンバータ4の出力を制御するDC/DCコンバータ出力制御手段(車両制御部7)と、
を備えた車両用電源供給装置において、
前記DC/DCコンバータ4の入力電圧もしくは入力電流の変動を検出するコンバータ入力変動検出手段(コンバータ入力電流センサ8、コンバータ入力電圧センサ9)を設け、
前記DC/DCコンバータ出力制御手段(車両制御部7)は、前記DC/DCコンバータ4の入力電圧もしくは入力電流の変動を検出している間、前記DC/DCコンバータ4の出力を停止する制御を行う(図2)。
このため、コストアップを抑えながら、DC/DCコンバータ4への入力電圧・電流変動を起因とする騒音の発生を防止することができる。
前記DC/DCコンバータ出力制御手段(車両制御部7)は、前記DC/DCコンバータ4の入力電圧もしくは入力電流の変動が予測検出されると、前記DC/DCコンバータ4からの出力電流がゼロとなって出力停止するように、前記DC/DCコンバータ4からの出力電圧を徐々に低下させるランプ制御を開始し、前記DC/DCコンバータ4からの出力電圧が前記低電圧バッテリ(12Vバッテリ5)からの電圧を下回ると、前記低電圧バッテリ(12Vバッテリ5)から前記車両電装品6に電力を供給する(図2)。
このため、(1)の効果に加え、コンバータ入力変動予測に基づくランプ制御により、DC/DCコンバータ4の出力停止制御の開始域にて出力電圧の急激な変化によるライトのちらつき等を防止することができる。
前記DC/DCコンバータ出力制御手段(車両制御部7)は、前記DC/DCコンバータ4の出力停止制御中、入力電圧リップルの発生が収束すると、前記DC/DCコンバータ4からの出力電流を通常出力に戻すように、前記DC/DCコンバータ4からの出力電圧を徐々に上昇させるランプ制御を開始し、前記DC/DCコンバータ4からの出力電圧が前記低電圧バッテリ(12Vバッテリ5)からの電圧を上回ると、前記DC/DCコンバータ4から前記車両電装品6に電力を供給する(図2)。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、入力電圧リップルの収束判定に基づくランプ制御により、DC/DCコンバータ4の出力停止制御の復帰域にて出力電圧の急激な変化によるライトのちらつき等を防止ことができる。
2 インバータ
3 走行駆動用モータ
4 DC/DCコンバータ
5 12Vバッテリ(低電圧バッテリ)
6 車両電装品
7 車両制御部(DC/DCコンバータ出力制御手段)
8 コンバータ入力電流センサ(コンバータ入力変動検出手段)
9 コンバータ入力電圧センサ(コンバータ入力変動検出手段)
10 コンバータ出力電流センサ
11 コンバータ出力電圧センサ
Claims (3)
- 高電圧バッテリと走行駆動用モータの間に介装され、直流/交流を変換するインバータと、
前記高電圧バッテリ又は前記インバータからの入力を降圧し、並列に接続された低電圧バッテリと車両電装品へ出力するDC/DCコンバータと、
前記DC/DCコンバータの出力を制御するDC/DCコンバータ出力制御手段と、
を備えた車両用電源供給装置において、
前記DC/DCコンバータの入力電圧もしくは入力電流の周期的な変動を検出するコンバータ入力変動検出手段を設け、
前記DC/DCコンバータ出力制御手段は、前記DC/DCコンバータの入力電圧もしくは入力電流の周期的な変動を検出している間、前記DC/DCコンバータの出力を停止する制御を行う
ことを特徴とする車両用電源供給装置。 - 請求項1に記載された車両用電源供給装置において、
前記DC/DCコンバータの入力電圧もしくは入力電流が周期的な変動することを予測検出するコンバータ入力変動予測検出手段を設け、
前記DC/DCコンバータ出力制御手段は、前記DC/DCコンバータの入力電圧もしくは入力電流の周期的な変動が予測検出されると、前記DC/DCコンバータからの出力電流がゼロとなって出力停止するように、前記DC/DCコンバータからの出力電圧を徐々に低下させるランプ制御を開始し、前記DC/DCコンバータからの出力電圧が前記低電圧バッテリからの電圧を下回ると、前記低電圧バッテリから前記車両電装品に電力を供給する
ことを特徴とする車両用電源供給装置。 - 請求項1又は2に記載された車両用電源供給装置において、
前記コンバータ入力変動検出手段は、前記DC/DCコンバータの入力電圧リップルを検出する手段であり、
前記DC/DCコンバータ出力制御手段は、前記DC/DCコンバータの出力停止制御中、入力電圧リップルの発生が収束すると、前記DC/DCコンバータからの出力電流を通常出力に戻すように、前記DC/DCコンバータからの出力電圧を徐々に上昇させるランプ制御を開始し、前記DC/DCコンバータからの出力電圧が前記低電圧バッテリからの電圧を上回ると、前記DC/DCコンバータから前記車両電装品に電力を供給する
ことを特徴とする車両用電源供給装置。
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