JP2011055676A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリ電流(直流電源と昇圧コンバータとの間を流れる電流)の極性が切り替わる電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を抑制できるようにする。
【解決手段】アクセル開度と、第1及び第2の交流モータ11,12の合算電力と、バッテリ電圧VL(直流電源13の電圧)とに基づいてバッテリ電流IBを求め、そのバッテリ電流IBの挙動からバッテリ電流IBの極性が切り替わる電流ゼロクロスの発生を予測する。そして、電流ゼロクロスの発生を予測したときに、該電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を抑制するように交流モータ(第1及び第2の交流モータ11,12のうちの一方又は両方)のトルク指令値を補正することで、電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を抑制する。この場合、電流ゼロクロスを判定するためのセンサ(例えば電流センサ等)を新たに設ける必要がなく、低コスト化の要求を満たすことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、直流電源の電圧を昇圧コンバータで変換してシステム電圧を発生させ、このシステム電圧によってインバータを介して交流モータを駆動するモータ制御装置に関する発明である。
車両の動力源として交流モータを搭載した電気自動車やハイブリッド車においては、直流電源(二次電池)の電圧を昇圧コンバータで昇圧した直流電圧を電源ラインに発生させ、この電源ラインに、インバータを介して交流モータを接続し、昇圧コンバータで昇圧した直流電圧をインバータで交流電圧に変換して交流モータを駆動したり、交流モータで発電した交流電圧をインバータで直流電圧に変換して、この直流電圧を昇圧コンバータで降圧して直流電源に回収させるようにしたものがある。
このような昇圧コンバータを備えたシステムにおいては、特許文献1(特開2006−311635号公報)に記載されているように、昇圧コンバータのリアクトルを流れる電流(リアクトル電流)を検出する電流センサを設け、この電流センサで検出したリアクトル電流と昇圧コンバータの入力電圧とに基づいて昇圧コンバータの出力電圧を演算し、その出力電圧を指令値に近付けるように昇圧コンバータをフィードバック制御することで、昇圧コンバータを応答良く制御するようにしたものがある。
また、特許文献2(特開2004−120844号公報)に記載されているように、インバータの出力情報(出力電力又は出力電力指令値)に基づいて昇圧コンバータの電流経路(電流の方向)を判断し、その電流経路の判断結果に応じて昇圧コンバータのスイッチング素子に指令するデューティ比を補正することで、昇圧コンバータの出力電圧の変動を抑制するようにしたものがある。
特開2006−311635号公報(第2頁等) 特開2004−120844号公報(第2頁等)
ところで、昇圧コンバータにおいて、直流電源の電圧を昇圧して電源ラインにシステム電圧を発生させる“力行”と、システム電圧を降圧して直流電源に電力を戻す“回生”とが切り替わると、直流電源と昇圧コンバータとの間を流れる電流(厳密にはリアクトルに流れる電流だが、以降バッテリ電流と同意とし、バッテリ電流として扱う)の極性(電流の方向)が切り替わる“電流ゼロクロス”が発生するが、その電流ゼロクロスに伴って、システム電圧(昇圧コンバータの出力電圧)が変動するという問題がある。特に力行から回生に切り替わる際には、電流ゼロクロスによりシステム電圧が増大方向に変動するため、電源ラインに接続された電子機器に過電圧が印加されてしまう可能性がある。
この対策として、上記特許文献1の技術や上記特許文献2の技術を利用して、システム電圧(昇圧コンバータの出力電圧)の変動を抑制することが考えられる。しかし、上記特許文献1の技術では、リアクトル電流を検出する電流センサを新たに設ける必要があり、近年の重要な技術的課題である低コスト化の要求を満たすことができない。また、上記特許文献2の技術では、インバータの出力情報のみに基づいて昇圧コンバータの電流経路(電流の方向)を判断するため、特に1つの昇圧コンバータに対して複数のインバータを備えたシステムでは、昇圧コンバータの電流経路を精度良く判断することができず、電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を抑制するのが困難である。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、低コスト化の要求を満たしながら、電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を抑制することができるモータ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、直流電源の電圧を変換して電源ラインにシステム電圧を発生させる昇圧コンバータと、電源ラインに接続されたインバータと、該インバータで駆動される交流モータと、昇圧コンバータの出力電圧がシステム電圧の目標値になるように昇圧コンバータを制御すると共に所定の操作信号に基づいてインバータを制御して交流モータを駆動するモータ制御手段とを備えたモータ制御装置において、操作信号と交流モータの電力と直流電源の電圧とに基づいて直流電源と昇圧コンバータとの間を流れる電流の極性が切り替わる電流ゼロクロスの発生を予測する電流ゼロクロス予測手段と、この電流ゼロクロス予測手段で電流ゼロクロスの発生を予測したときに該電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を抑制するように交流モータと昇圧コンバータのうちの少なくとも一方の制御量を補正するシステム電圧変動抑制手段とを備えた構成としたものである。
バッテリ電流(直流電源と昇圧コンバータとの間を流れる電流)は、操作信号や交流モータの電力やバッテリ電圧(直流電源の電圧)に応じて変化するため、操作信号と交流モータの電力とバッテリ電圧とを用いれば、バッテリ電流を精度良く判定することができ、そのバッテリ電流の挙動から電流極性が切り替わる電流ゼロクロスの発生を精度良く予測することができる。そして、電流ゼロクロスの発生を予測したときに、該電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を抑制するように交流モータと昇圧コンバータのうちの少なくとも一方の制御量(例えば交流モータのトルク指令値や昇圧コンバータの通電デューティ比)を補正することで、電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を抑制することができる。しかも、電流ゼロクロスを判定するためのセンサ(例えば電流センサ等)を新たに設ける必要がなく、近年の重要な技術的課題である低コスト化の要求を満たすことができる。
また、請求項2のように、直流電源の電圧を変換して電源ラインにシステム電圧を発生させる昇圧コンバータと、電源ラインに接続されたインバータと、該インバータで駆動される交流モータと、昇圧コンバータの出力電圧がシステム電圧の目標値になるように昇圧コンバータの通電デューティ比を制御すると共に所定の操作信号に基づいてインバータを制御して交流モータを駆動するモータ制御手段とを備えたモータ制御装置において、通電デューティ比の指令値と実際値との偏差に基づいて直流電源と昇圧コンバータとの間を流れる電流の極性が切り替わる電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を予測するシステム電圧変動予測手段と、このシステム電圧変動予測手段で電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を予測したときに該システム電圧の変動を抑制するように交流モータと昇圧コンバータのうちの少なくとも一方の制御量を補正するシステム電圧変動抑制手段とを備えた構成としても良い。
本発明者の実験結果から、バッテリ電流(直流電源と昇圧コンバータとの間を流れる電流)の極性が切り替わる電流ゼロクロスの際に、昇圧コンバータのデッドタイム(上下スイッチング素子の短絡防止のため、切り替えに要するオフ時間)の影響で、システム電圧(昇圧コンバータの出力電圧)の変動が最大で2回発生し、その際、システム電圧の変動に伴って、昇圧コンバータの通電デューティ比の指令値と実際値との偏差が変化することが判明した。従って、通電デューティ比の指令値と実際値との偏差を監視すれば、電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を精度良く予測することができる(システム電圧の変動がピークに達する前にシステム電圧が変動し始める時点でシステム電圧の変動を予測することができる)。そして、電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を予測したときに、該システム電圧の変動を抑制するように交流モータと昇圧コンバータのうちの少なくとも一方の制御量(例えば交流モータのトルク指令値や昇圧コンバータの通電デューティ比)を補正することで、電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を抑制することができる。
この場合、請求項3のように、通電デューティ比の指令値と実際値との偏差が第1の閾値を越えたときに電流ゼロクロスによる1回目のシステム電圧の変動を予測し、通電デューティ比の指令値と実際値との偏差が第2の閾値を越えたときに電流ゼロクロスによる2回目のシステム電圧の変動を予測するようにすると良い。このようにすれば、1回目のシステム電圧の変動と2回目のシステム電圧の変動を、それぞれ精度良く予測することができる。
更に、請求項4のように、電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を予測する毎に該システム電圧の変動を抑制するように通電デューティ比を補正するようにしても良い。このようにすれば、1回目のシステム電圧の変動と2回目のシステム電圧の変動を、それぞれ通電デューティ比の補正によって応答良く抑制することができる。しかも、交流モータの制御量(例えば交流モータのトルク指令値)を補正せずに、昇圧コンバータの通電デューティ比の補正だけで対応することができるため、交流モータの制御に大きな影響を及ぼすことなくシステム電圧の変動を抑制することができる。
また、請求項5のように、操作信号と交流モータの電力と直流電源の電圧とに基づいて電流ゼロクロスの発生を予測する電流ゼロクロス予測手段を備え、電流ゼロクロスの発生を予測したときに、通電デューティ比の指令値と実際値との偏差に基づいて電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を予測するようにしても良い。このようにすれば、電流ゼロクロスの発生を予測した上で、通電デューティ比の指令値と実際値との偏差に基づいて電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を予測することができ、電流ゼロクロスによるシステム電圧変動の予測精度を向上させることができる。
また、請求項6のように、交流モータが搭載された車両のアクセルペダルの操作量(以下「アクセル開度」という)を検出するアクセル開度センサを備え、前記操作信号としてアクセル開度センサで検出したアクセル開度に基づいてインバータを制御して交流モータを駆動するシステムに適用する場合には、アクセル開度と交流モータの電力と直流電源の電圧とに基づいて電流ゼロクロスの発生を予測するようにすると良い。このようにすれば、交流モータを搭載した車両(電気自動車やハイブリッド車)において、低コスト化の要求を満たしながら、電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を抑制することができる。
図1は本発明の実施例1におけるモータ制御システムの概略構成図である。 図2は実施例1のシステム電圧変動抑制制御ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。 図3は交流モータのトルク補正によるシステム電圧変動抑制を説明する図である。 図4は車両の制動力を一定に保つ方法を説明する図である。 図5は電流ゼロクロスの際のバッテリ電流の挙動を説明するタイムチャートである。 図6は電流ゼロクロスの際のシステム電圧、通電デューティ比の指令値と実際値との偏差の挙動等を説明するタイムチャートである。 図7は実施例2のシステム電圧変動抑制制御ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。 図8の(a)は通電デューティ比の補正なしの場合のバッテリ電流の挙動を示すタイムであり、(b)は通電デューティ比の補正ありの場合のバッテリ電流の挙動を示すタイムである。
以下、本発明を実施するための形態をハイブリッド車に適用して具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図4に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてハイブリッド車のモータ制御システムの概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン(図示せず)と第1及び第2の交流モータ11,12が搭載され、第1の交流モータ11は、主にエンジンで駆動されて発電する発電機として使用され、第2の交流モータ12は、主に車両の駆動輪を駆動する動力源として使用される。
二次電池等からなる直流電源13には、昇圧コンバータ14が接続され、この昇圧コンバータ14は、直流電源13の直流電圧を昇圧して電源ライン15とアースライン16との間に直流のシステム電圧を発生させたり、このシステム電圧を降圧して直流電源13に電力を戻す機能を持つ。電源ライン15とアースライン16との間には、システム電圧を平滑化する平滑コンデンサ17と、システム電圧を検出する電圧センサ18が接続されている。
更に、電源ライン15とアースライン16との間には、電圧制御型の三相の第1及び第2のインバータ19,20が接続され、第1のインバータ19で第1の交流モータ11が駆動されると共に、第2のインバータ20で第2の交流モータ12が駆動される。第1及び第2の交流モータ11,12は、それぞれ三相永久磁石式同期モータで、永久磁石が内装されたものであり、それぞれロータの回転位置を検出するロータ回転位置センサ(図示せず)が搭載されている。これらのロータ回転位置センサの出力信号に基づいて交流モータ11,12の回転速度が演算される。
昇圧コンバータ14には、入力コンデンサ21と、リアクトル22と、2つのスイッチング素子23が設けられ、各スイッチング素子23には、それぞれ還流ダイオード24が並列に接続されている。また、電圧制御型の三相の第1及び第2のインバータ19,20には、それぞれ6つのスイッチング素子25,26(上アームの各相のスイッチング素子と下アームの各相のスイッチング素子)が設けられ、各スイッチング素子25,26には、それぞれ還流ダイオード27,28が並列に接続されている。
第1のインバータ19は、モータ制御回路29(モータ制御手段)から出力される三相の電圧指令信号に基づいて、電源ライン15の直流電圧(昇圧コンバータ14によって昇圧されたシステム電圧)を三相の交流電圧に変換して第1の交流モータ11を駆動する。第1の交流モータ11の各相に流れる電流は、それぞれ電流センサ(図示せず)によって検出される。尚、第1の交流モータ11の3相のうちの2相に流れる電流を、それぞれ電流センサで検出し、それらの検出値から残りの1相に流れる電流を算出するようにしても良い。
一方、第2のインバータ20は、モータ制御回路29から出力される三相の電圧指令信号に基づいて、電源ライン15の直流電圧(昇圧コンバータ14によって昇圧されたシステム電圧)を三相の交流電圧に変換して第2の交流モータ12を駆動する。第2の交流モータ12の各相に流れる電流は、それぞれ電流センサ(図示せず)によって検出される。尚、第2の交流モータ12の3相のうちの2相に流れる電流を、それぞれ電流センサで検出し、それらの検出値から残りの1相に流れる電流を算出するようにしても良い。
また、図示しないアクセルペダルの操作量(以下「アクセル開度」という)を検出するアクセル開度センサ30の出力信号は、モータ制御回路29に入力される。モータ制御回路29は、アクセル開度センサ30で検出したアクセル開度(操作信号)等に基づいて、第1の交流モータ11のトルク指令値を算出すると共に、第2の交流モータ12のトルク指令値を算出する。尚、アクセル開度センサ30の出力信号をメイン制御回路(図示せず)に入力し、このメイン制御回路によって、アクセル開度等に基づいて第1及び第2の交流モータ11,12のトルク指令値を算出してモータ制御回路29に出力するようにしても良い。
モータ制御回路29は、第1の交流モータ11をトルク制御する場合、トルク指令値と、第1の交流モータ11の各相の電流と、第1の交流モータ11のロータ回転位置とに基づいて、例えば正弦波PWM制御方式又は矩形波制御方式等で三相電圧指令信号を生成して第1のインバータ19に出力する。一方、第2の交流モータ12をトルク制御する場合、トルク指令値と、第2の交流モータ12の各相の電流と、第2の交流モータ12のロータ回転位置とに基づいて、例えば正弦波PWM制御方式又は矩形波制御方式等で三相電圧指令信号を生成して第2のインバータ20に出力する。
また、モータ制御回路29は、昇圧コンバータ14の出力特性(例えば入力電圧と出力電圧と通電デューティ比との関係)に基づいて昇圧コンバータ14の出力電圧がシステム電圧の目標値になるように昇圧コンバータ14のF/F制御量(フィードフォワード制御量)を算出すると共に、システム電圧の検出値と目標値との偏差を小さくするようにPI制御等により昇圧コンバータ14のF/B制御量(フィードバック制御量)を算出し、これらのF/F制御量とF/B制御量とを用いて昇圧コンバータ14の通電デューティ比の指令値を算出する。この通電デューティ比の指令値で昇圧コンバータ14のスイッチング素子23を制御して、システム電圧を目標値に制御する。
ところで、昇圧コンバータ14において、直流電源13の電圧を昇圧して電源ライン15にシステム電圧を発生させる“力行”と、システム電圧を降圧して直流電源13に電力を戻す“回生”とが切り替わると、直流電源13と昇圧コンバータ14との間を流れる電流の極性(電流の方向)が切り替わる“電流ゼロクロス”が発生するが、その電流ゼロクロスに伴って、システム電圧(昇圧コンバータ14の出力電圧)が変動するという問題がある。特に力行から回生に切り替わる際には、電流ゼロクロスによりシステム電圧が増大方向に変動するため、電源ライン15に接続された電子機器に過電圧が印加されてしまう可能性がある。
この対策として、本実施例1では、モータ制御回路29により後述する図2のシステム電圧変動抑制制御ルーチンを実行することで、アクセル開度Accと、第1及び第2の交流モータ11,12の合算電力Pmg(第1の交流モータ11の電力Pmg1 と第2の交流モータ12の電力Pmg2 との和)と、バッテリ電圧VL(直流電源13の電圧)とに基づいて、バッテリ電流IB(直流電源13と昇圧コンバータ14との間を流れる電流)の極性が切り替わる電流ゼロクロスの発生を予測し、電流ゼロクロスの発生を予測したときに、該電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を抑制するように交流モータ(第1及び第2の交流モータ11,12のうちの一方又は両方)のトルク指令値を補正する。
ここで、システムの総パワーPtotal は、第1及び第2の交流モータ11,12の合算電力Pmg(=Pmg1 +Pmg2 )とバッテリ電力Pb (直流電源13の電力)とを用いて下記(1)式により表すことができる。
Ptotal =Pmg+Pb ……(1)
バッテリ電力Pb は、バッテリ電圧VLとバッテリ電流IBとを用いて下記(2)式により表すことができる。
Pb =VL×IB ……(2)
上記(1)式と上記(2)式から下記(3)式が得られる。
Ptotal =Pmg+(VL×IB) ……(3)
上記(3)式をバッテリ電流IBについて解くことで下記(4)式が得られる。
IB=(Ptotal −Pmg)/VL ……(4)
また、アクセル開度Accに応じて第1及び第2の交流モータ11,12の駆動状態が変化して総パワーPtotal が変化するため、総パワーPtotal は、アクセル開度Accと係数αとを用いて下記(5)式により表すことができる。
Ptotal =α×Acc ……(5)
上記(4)式と上記(5)式から下記(6)式が得られる。
IB=(α×Acc−Pmg)/VL ……(6)
上記(6)式により、アクセル開度Accと、第1及び第2の交流モータ11,12の合算電力Pmgと、バッテリ電圧VLとを用いれば、バッテリ電流IBを精度良く判定することができ、そのバッテリ電流IBの挙動からバッテリ電流IBの極性が切り替わる電流ゼロクロスの発生を精度良く予測することができる。そして、電流ゼロクロスの発生を予測したときに、該電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を抑制するように交流モータ(第1及び第2の交流モータ11,12のうちの一方又は両方)のトルク指令値を補正することで、電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を抑制することができる。
以下、モータ制御回路29が実行する図2のシステム電圧変動抑制制御ルーチンの処理内容を説明する。
図2に示すシステム電圧変動抑制制御ルーチンは、モータ制御回路29の電源オン中に所定周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、アクセル開度が急変化(急増加又は急減少)したか否かを、例えば、アクセル開度の所定時間当りの変化量(増加量又は減少量)が所定値以上であるか否かによって判定する。
このステップ101で、アクセル開度が急変化したと判定された場合には、昇圧コンバータ14の力行と回生とが切り替わってバッテリ電流IBの極性が切り替わる電流ゼロクロスが発生する可能性があると判断して、ステップ102に進み、アクセル開度Accと、第1及び第2の交流モータ11,12の合算電力Pmgと、バッテリ電圧VLとを用いて、次式[上記(6)式]によりバッテリ電流IBを求める。
IB=(α×Acc−Pmg)/VL
この後、ステップ103に進み、バッテリ電流IBの挙動からバッテリ電流IBの極性が切り替わる電流ゼロクロスが発生するか否かを予測する。この場合、例えば、バッテリ電流IBがプラス側で0付近の所定範囲内(0≦IB≦K)で且つバッテリ電流IBの所定時間当りの減少量が所定値以上であるか否か、又は、バッテリ電流IBがマイナス側で0付近の所定範囲内(−K≦IB≦0)で且つバッテリ電流IBの所定時間当りの増加量が所定値以上であるか否かによって、電流ゼロクロスが発生するか否かを予測する。これらのステップ101〜103の処理が特許請求の範囲でいう電流ゼロクロス予測手段としての役割を果たす。
このステップ103で、バッテリ電流IBの極性が切り替わる電流ゼロクロスが発生すると予測されたときに、ステップ104に進み、電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を抑制するように交流モータ(第1及び第2の交流モータ11,12のうちの一方又は両方)のトルク指令値を補正する。この場合、例えば、図3に示すように、予め実験データや設計データ等に基づいて電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動パターン(ピーク値、変化率等)を記憶しておき、そのシステム電圧VHの変動による電圧変化分を、交流モータ(第1及び第2の交流モータ11,12のうちの一方又は両方)のトルク補正による電圧変化分で打ち消すように、交流モータ(第1及び第2の交流モータ11,12のうちの一方又は両方)のトルク指令値を補正する。これにより、電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を抑制する。
更に、図4に示すように、車両の減速時に第2の交流モータ12による回生ブレーキの制動力を減少させる方向に第2の交流モータ12のトルク指令値を補正する場合には、その回生ブレーキの制動力の減少分を補うように、油圧式ブレーキ装置の制動力を増加させて、車両の制動力を一定に保つようにすると良い。このステップ104の処理が特許請求の範囲でいうシステム電圧変動抑制手段としての役割を果たす。
以上説明した本実施例1では、アクセル開度Accと第1及び第2の交流モータ11,12の合算電力Pmgとバッテリ電圧VLとに基づいてバッテリ電流IBを求め、そのバッテリ電流IBの挙動からバッテリ電流IBの極性が切り替わる電流ゼロクロスの発生を予測するようにしたので、電流ゼロクロスの発生を精度良く予測することができる。そして、電流ゼロクロスの発生を予測したときに、該電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を抑制するように交流モータ(第1及び第2の交流モータ11,12のうちの一方又は両方)のトルク指令値を補正するようにしたので、電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を抑制することができる。しかも、電流ゼロクロスを判定するためのセンサ(例えばリアクトル部に電流センサ等)を新たに設ける必要がなく、近年の重要な技術的課題である低コスト化の要求を満たすことができる。
尚、上記実施例1では、電流ゼロクロスの発生を予測したときに、交流モータ(第1及び第2の交流モータ11,12のうちの一方又は両方)のトルク指令値を補正するようにしたが、昇圧コンバータ14の通電デューティ比を補正するようにしても良い。或は、交流モータ(第1及び第2の交流モータ11,12のうちの一方又は両方)のトルク指令値と昇圧コンバータ14の通電デューティ比を両方とも補正するようにしても良い。
次に、図5乃至図8を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分については説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
まず、図5及び図6に基づいて本発明者の実験結果を説明する。
以下の説明では、昇圧コンバータ14のスイッチングにより振動するバッテリ電流IBの上側ピーク値をIBmax と表記し、下側ピークをIBmin と表記する。
図5及び図6に示すように、例えば、昇圧コンバータ14の力行から回生に移行してバッテリ電流IBの極性が切り替わる電流ゼロクロスの際に、(A)バッテリ電流IBの下側ピークIBmin が0よりも大きい領域A(IBmin >0)では、昇圧コンバータ14は通常の力行動作を実行して、昇圧コンバータ14の通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty がほぼ0となる。
Δduty =duty −duty(real) =0
(B)バッテリ電流IBの上側ピーク値IBmax が0よりも大きく且つバッテリ電流IBの下側ピークIBmin が0よりも小さい領域B(IBmin <0<IBmax )では、領域Aから領域Bに移行する際に、昇圧コンバータ14のデッドタイム(スイッチング素子23の切り替えに要する時間)の影響で、バッテリ電流IBがあまり変化しない停滞期間が発生し、その余剰電力でシステム電圧VHが上昇して、システム電圧VHの変動が発生する。
このシステム電圧VHの変動に伴って、昇圧コンバータ14の通電デューティ比の指令値duty がデッドタイム相当分Tdead(=デッドタイム期間/スイッチング周期×100)だけ増加する。これにより、領域Bで要求される通電デューティ比の指令値duty となり、システム電圧VHの変動が低減される。従って、領域Bでは、システム電圧の変動VHに伴って、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty がデッドタイム相当分Tdeadまで増加する。
Δduty =duty −duty(real) =Tdead
(C)バッテリ電流IBの上側ピーク値IBmax が0よりも小さい領域C(IBmax <0)では、領域Bから領域Cに移行する際に、昇圧コンバータ14のデッドタイムの影響で、バッテリ電流IBがあまり変化しない停滞期間が発生し、その余剰電力でシステム電圧VHが上昇して、再びシステム電圧VHの変動が発生する。
このシステム電圧VHの変動に伴って、昇圧コンバータ14の通電デューティ比の指令値duty が更にデッドタイム相当分Tdeadだけ増加する。これにより、領域Cで要求される通電デューティ比の指令値duty となり、システム電圧VHの変動が低減される。従って、領域Cでは、システム電圧の変動VHに伴って、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty が更にデッドタイム相当分Tdeadだけ増加する。
Δduty =duty −duty(real) =Tdead+Tdead
この実験結果から、バッテリ電流IBの極性が切り替わる電流ゼロクロスの際に、昇圧コンバータ14のデッドタイムの影響により、システム電圧VHの変動が2回発生し、その際、システム電圧VHの変動に伴って、昇圧コンバータ14の通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty が変化することが判明した。従って、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty を監視すれば、電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を精度良く予測することができる(システム電圧VHの変動がピークに達する前にシステム電圧VHが変動し始める時点でシステム電圧VHの変動を予測することができる)。
そこで、本実施例2では、後述する図7のシステム電圧変動抑制制御ルーチンを実行することで、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty が第1の閾値を越えたときに、電流ゼロクロスによる1回目のシステム電圧VHの変動を予測し、その後、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty が第2の閾値を越えたときに、電流ゼロクロスによる2回目のシステム電圧VHの変動を予測する。そして、電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を予測する毎に、該システム電圧VHの変動を抑制するように通電デューティ比の指令値duty を補正する。
以下、本実施例2で、モータ制御回路29が実行する図7のシステム電圧変動抑制制御ルーチンの処理内容を説明する。
図7に示すシステム電圧変動抑制制御ルーチンは、モータ制御回路29の電源オン中に所定周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、アクセル開度が急変化(急増加又は急減少)したか否かを判定し、アクセル開度が急変化したと判定された場合には、昇圧コンバータ14の力行と回生とが切り替わってバッテリ電流IBの極性が切り替わる電流ゼロクロスが発生する可能性があると判断して、ステップ202に進み、アクセル開度Accと、第1及び第2の交流モータ11,12の合算電力Pmgと、バッテリ電圧VLとを用いて、次式[上記(6)式]によりバッテリ電流IBを求める。
IB=(α×Acc−Pmg)/VL
この後、ステップ203に進み、バッテリ電流IBの挙動からバッテリ電流IBの極性が切り替わる電流ゼロクロスが発生するか否かを予測し、バッテリ電流IBの極性が切り替わる電流ゼロクロスが発生すると予測されたときに、ステップ204に進み、昇圧コンバータ14の通電デューティ比の指令値duty (=F/F制御量+F/B制御量)を読み込んだ後、ステップ205に進み、バッテリ電圧VL(昇圧コンバータ14の入力電圧)とシステム電圧VH(昇圧コンバータ14の出力電圧)とを用いて、次式により通電デューティ比の実際値duty(real) を算出する。
実際値duty(real) =実際値VL/実際値VH×100
この後、ステップ206に進み、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty の絶対値が第1の閾値(例えば0よりも少し大きい値)を越えたか否かによって、電流ゼロクロスによる1回目のシステム電圧VHの変動が発生するか否かを予測する。
このステップ206で、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty の絶対値が第1の閾値を越えたと判定されたときに、電流ゼロクロスによる1回目のシステム電圧VHの変動が発生すると予測して、ステップ207に進み、システム電圧VHの変動を抑制するように通電デューティ比の指令値duty をデッドタイム相当分Tdeadだけ補正して、通電デューティ比の最終的な指令値duty(f1) を求める。
duty(f1) =duty +Tdead
この後、ステップ208に進み、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty の絶対値が第2の閾値(例えばデッドタイム相当分Tdeadよりも少し大きい値)を越えたか否かによって、電流ゼロクロスによる2回目のシステム電圧VHの変動が発生するか否かを予測する。
このステップ208で、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty の絶対値が第2の閾値を越えたと判定されたときに、電流ゼロクロスによる2回目のシステム電圧VHの変動が発生すると予測して、ステップ209に進み、システム電圧VHの変動を抑制するように通電デューティ比の指令値duty (ステップ207で求めたduty(f1) に等しい)を更にデッドタイム相当分Tdeadだけ補正して、通電デューティ比の最終的な指令値duty(f2) を求める。
duty(f2) =duty(f1) +Tdead
以上のようにして通電デューティ比を補正することで、電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を抑制する。例えば、図8(b)に示すように、昇圧コンバータ14の力行から回生に移行してバッテリ電流IBの極性が切り替わる電流ゼロクロスの際に、バッテリ電流IBを回生側にオフセットさせることができ、これにより、システム電圧VHが増大方向に変動することを抑制して、電源ライン15に接続された電子機器に過電圧が印加されることを防止できる。
この場合、ステップ204〜206、208の処理が特許請求の範囲でいうシステム電圧変動予測手段としての役割を果たし、ステップ207、209の処理が特許請求の範囲でいうシステム電圧変動抑制手段としての役割を果たす。
以上説明した本実施例2では、システム電圧VHの変動に伴って、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty が変化することに着目して、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty が第1の閾値を越えたときに、電流ゼロクロスによる1回目のシステム電圧VHの変動を予測し、その後、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty が第2の閾値を越えたときに、電流ゼロクロスによる2回目のシステム電圧VHの変動を予測するようにしたので、1回目のシステム電圧VHの変動と2回目のシステム電圧VHの変動を、それぞれ精度良く予測することができる。
更に、本実施例2では、電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を予測する毎に、該システム電圧VHの変動を抑制するように通電デューティ比の指令値duty を補正するようにしたので、1回目のシステム電圧VHの変動と2回目のシステム電圧VHの変動を、それぞれ通電デューティ比の補正によって応答良く抑制することができる。しかも、交流モータ11,12の制御量(例えば交流モータ11,12のトルク指令値)を補正せずに、昇圧コンバータ14の通電デューティ比の補正だけで対応することができるため、交流モータ11,12の制御に大きな影響を及ぼすことなくシステム電圧VHの変動を抑制することができる。
また、本実施例2では、アクセル開度Accと第1及び第2の交流モータ11,12の合算電力Pmgとバッテリ電圧VLとに基づいてバッテリ電流IBを求め、そのバッテリ電流IBの挙動からバッテリ電流IBの極性が切り替わる電流ゼロクロスの発生を予測したときに、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty に基づいて電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を予測するようにしたので、電流ゼロクロスの発生を予測した上で、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty に基づいて電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を予測することができ、電流ゼロクロスによるシステム電圧変動の予測精度を向上させることができる。
しかしながら、電流ゼロクロスの発生を予測する処理(図7のステップ202、203の処理)を省略して、アクセル開度が急変化したと判定されたときに、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty に基づいて電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を予測するようにしても良い。
また、上記実施例2では、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty が第1の閾値や第2の閾値を越えたときに、電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動が発生すると予測するようにしたが、これに限定されず、例えば、通電デューティ比の指令値duty と実際値duty(real) との偏差Δduty の所定時間当りの変化量が所定値を越えたときに、電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動が発生すると予測するようにしても良い。
また、上記実施例2では、電流ゼロクロスによるシステム電圧VHの変動を予測したときに、昇圧コンバータ14の通電デューティ比を補正するようにしたが、交流モータ(第1及び第2の交流モータ11,12のうちの一方又は両方)のトルク指令値を補正するようにしても良い。或は、交流モータ(第1及び第2の交流モータ11,12のうちの一方又は両方)のトルク指令値と昇圧コンバータ14の通電デューティ比を両方とも補正するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、アクセル開度Accと第1及び第2の交流モータ11,12の合算電力Pmgとバッテリ電圧VLとに基づいてバッテリ電流IBを求め、そのバッテリ電流IBの挙動からバッテリ電流IBの極性が切り替わる電流ゼロクロスの発生を予測するようにしたが、これに限定されず、例えば、アクセル開度Accから第1及び第2の交流モータ11,12の合算電力Pmgを推定し、その第1及び第2の交流モータ11,12の合算電力Pmgの挙動とバッテリ電圧VLの挙動からバッテリ電流IBの極性が切り替わる電流ゼロクロスの発生を予測するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、交流モータとエンジンを動力源とするハイブリッド車のモータ制御システムに本発明を適用したが、ハイブリッド車に限定されず、交流モータのみを動力源とする電気自動車のモータ制御システムに本発明を適用しても良い。更に、車両のモータ制御システムに限定されず、車両以外のモータ制御システムに本発明を適用しても良い。また、交流モータを2つ搭載したモータ制御システムに限定されず、交流モータを1つだけ搭載したモータ制御システムや交流モータを3つ以上搭載したモータ制御システムに本発明を適用しても良い。
11,12…交流モータ、13…直流電源、14…昇圧コンバータ、15…電源ライン、17…平滑コンデンサ、18…電圧センサ、19,20…インバータ、29…モータ制御回路(モータ制御手段,電流ゼロクロス予測手段,システム電圧変動抑制手段,システム電圧変動予測手段)、30…アクセル開度センサ

Claims (6)

  1. 直流電源の電圧を変換して電源ラインにシステム電圧を発生させる昇圧コンバータと、前記電源ラインに接続されたインバータと、該インバータで駆動される交流モータと、前記昇圧コンバータの出力電圧がシステム電圧の目標値になるように前記昇圧コンバータを制御すると共に所定の操作信号に基づいて前記インバータを制御して前記交流モータを駆動するモータ制御手段とを備えたモータ制御装置において、
    前記操作信号と前記交流モータの電力と前記直流電源の電圧とに基づいて前記直流電源と前記昇圧コンバータとの間を流れる電流の極性が切り替わる電流ゼロクロスの発生を予測する電流ゼロクロス予測手段と、
    前記電流ゼロクロス予測手段で前記電流ゼロクロスの発生を予測したときに該電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を抑制するように前記交流モータと前記昇圧コンバータのうちの少なくとも一方の制御量を補正するシステム電圧変動抑制手段と
    を備えていることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 直流電源の電圧を変換して電源ラインにシステム電圧を発生させる昇圧コンバータと、前記電源ラインに接続されたインバータと、該インバータで駆動される交流モータと、前記昇圧コンバータの出力電圧がシステム電圧の目標値になるように前記昇圧コンバータの通電デューティ比を制御すると共に所定の操作信号に基づいて前記インバータを制御して前記交流モータを駆動するモータ制御手段とを備えたモータ制御装置において、
    前記通電デューティ比の指令値と実際値との偏差に基づいて前記直流電源と前記昇圧コンバータとの間を流れる電流の極性が切り替わる電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を予測するシステム電圧変動予測手段と、
    前記システム電圧変動予測手段で前記電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を予測したときに該システム電圧の変動を抑制するように前記交流モータと前記昇圧コンバータのうちの少なくとも一方の制御量を補正するシステム電圧変動抑制手段と
    を備えていることを特徴とするモータ制御装置。
  3. 前記システム電圧変動予測手段は、前記通電デューティ比の指令値と実際値との偏差が第1の閾値を越えたときに前記電流ゼロクロスによる1回目のシステム電圧の変動を予測し、前記通電デューティ比の指令値と実際値との偏差が第2の閾値を越えたときに前記電流ゼロクロスによる2回目のシステム電圧の変動を予測する手段を有することを特徴とする請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記システム電圧変動抑制手段は、前記システム電圧変動予測手段で前記電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を予測する毎に該システム電圧の変動を抑制するように前記通電デューティ比を補正する手段を有することを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記操作信号と前記交流モータの電力と前記直流電源の電圧とに基づいて前記電流ゼロクロスの発生を予測する電流ゼロクロス予測手段を備え、
    前記システム電圧変動予測手段は、前記電流ゼロクロス予測手段で前記電流ゼロクロスの発生を予測したときに、前記通電デューティ比の指令値と実際値との偏差に基づいて前記電流ゼロクロスによるシステム電圧の変動を予測する手段を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のモータ制御装置。
  6. 前記交流モータが搭載された車両のアクセルペダルの操作量(以下「アクセル開度」という)を検出するアクセル開度センサを備え、
    前記モータ制御手段は、前記操作信号として前記アクセル開度センサで検出したアクセル開度に基づいて前記インバータを制御して前記交流モータを駆動する手段を有し、
    前記電流ゼロクロス予測手段は、前記アクセル開度と前記交流モータの電力と前記直流電源の電圧とに基づいて前記電流ゼロクロスの発生を予測する手段を有することを特徴とする請求項1又は5に記載のモータ制御装置。
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US9522606B2 (en) 2013-03-28 2016-12-20 Denso Corporation Boost-buck converter control system

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