JP6268699B2 - 放射能濃度測定装置、及び、放射能濃度の測定方法 - Google Patents
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Description
非特許文献1は、放射性物質により汚染された土壌等(以下、汚染土壌等という)の放射能濃度の測定方法を開示している。非特許文献1では、丸型V式容器(V5容器:128mmφ×56mmHのプラスチック容器)又は土のう袋に汚染土壌等を収納し、その表面の空間線量率を測定し、この空間線量率の測定値に基づいて、汚染土壌等の放射能濃度を特定している(非特許文献1の45頁参照)。
一方、汚染土壌等の放射能濃度が3000Bq/kg以下であれば、土砂等の遮蔽効果のある資材によって、汚染土壌等の表面から30cmの厚さを確保することを条件として、汚染土壌等が道路や防波堤の工事で再利用され得る。
本発明は、このような実状に鑑み、バックグラウンドの影響を抑制しつつ、汚染土壌等の被測定物の放射能濃度を簡便に測定することを目的とする。
図1は、本発明の第1実施形態における放射能濃度測定装置の概略構成を示す。図2(a)及び(b)は、それぞれ、放射能濃度測定装置を構成する放射線検出ユニットの概略構成を示す。ここで、図2(a)は、後述する収容容器の土砂排出口が閉じた状態を示す一方、図2(b)は、後述する収容容器の土砂排出口が開いた状態を示す。
放射線検出ユニット2は収容容器21と管状部材25とγ線検出部27とを備える。
収容容器21は、上面開口及び下面開口の円筒状の容器本体21aと、容器本体21aの下面開口を塞ぐ下蓋部材21bと、を含んで構成される。
収容容器21は、本発明の「容積部」を形成するものであり、固体状又は液体状の被測定物を収容する。尚、本実施形態では、被測定物として、放射性物質により汚染された土壌(放射性物質を含む土砂)を例にとって以下説明するが、被測定物はこれに限らない。
下蓋部材21bは、その外縁部の一部が、図示しないヒンジを介して、容器本体21aの下端部(土砂排出口24)の外縁部の一部に固定されている。従って、ヒンジを介して容器本体21aに固定された下蓋部材21bを開閉動作させることにより、収容容器21の土砂排出口24を開閉することができる。ここで、下蓋部材21b及びヒンジによって、本発明の「開閉手段」の機能が実現される。収容容器21への土砂投入時及び収容容器21内の土砂の放射能濃度測定時(後述する容器内空間線量率の測定時)には、下蓋部材21bが閉じられて、土砂排出口24が閉口する。一方、収容容器21内から外部への土砂排出時には、下蓋部材21bが開けられて、土砂排出口24が開口する。
管状部材25は、その上部が収容容器21の上面開口部より上方に位置し、底部が、収容容器21の上下方向中央部に位置するように設置されている。すなわち、管状部材25は、収容容器21の外部から収容容器21の略中央に延びている。管状部材25内の底部には、γ線を検出するγ線検出部27が設置されている。
γ線検出部27は、例えば、放射線エネルギー(γ線エネルギー)を吸収して蛍光を発生するシンチレータ(図示せず)と、光を電気信号に変換して増幅する光電子増倍管(図示せず)と、を含んで構成される。γ線検出部27では、シンチレータでの発光回数と光の強度とに対応する電気信号(例えばパルス信号)を後述する信号線33を介して演算装置3に出力する。ここで、シンチレータとしては、例えば、NaI(Tl)シンチレータやCsI(Tl)シンチレータが用いられる。γ線検出部27としては、例えば、図示しないシンチレーションサーベイメータのプローブが用いられる。ここでいうプローブは、
シンチレータ結晶と光電子増倍管が組み込まれた構成の他に、シンチレータ結晶のみの構成とすることもできる。この場合、結晶からの光信号は光ファイバー等を経由して光電子増倍管へ導く。尚、シンチレーションサーベイメータについては、後述する第2実施形態(図6参照)にて説明する。
γ線検出部27が内部に設置されている管状部材25の底部は、収容容器21内に収容された土砂によって周囲が囲まれる。すなわち、γ線検出部27は、収容容器21内に収容された土砂によって周囲が囲まれるように収容容器21内に設置される。尚、γ線検出部27については、収容容器21内に収容された土砂によって周囲が完全に囲まれている必要はなく、当該土砂によって、バックグランドレベルBGLに対して所望の減衰効果が得られる程度に、または、放射能濃度を測定するのに必要な土砂を収容できる程度に、周囲が囲まれていればよい。このバックグラウンドレベルBGLの減衰については、図4を用いて後述する。
空間線量率特定部32は、放射線検出ユニット2のγ線検出部27から信号線33を介して出力される電気信号を入力し、この電気信号に基づいて、収容容器21の中央部における空間線量率(以下、「容器内空間線量率」という)を特定する。
空間線量率特定部32では、例えば、以下(1)〜(4)の処理を実行することにより、γ線検出部27からの電気信号に基づいて、容器内空間線量率を特定する。
(1) γ線検出部27からの上述の電気信号(例えばパルス信号)を、信号線33を介して、空間線量率特定部32に入力する。
(2) 入力された電気信号を一定時間計数することで、計数率(cms)を得る。
(3) (2)の処理と並行して、上記電気信号の波高から光強度(放射線エネルギー)を得る。
(4) (2)で得られた計数率を容器内空間線量率(μSv/h)に換算する。この換算時には、(3)で得られた光強度を用いて、容器内空間線量率の補正が行われる。
このようにして、空間線量率特定部32にて、容器内空間線量率が特定される。
尚、本実施形態では、γ線検出部27からの電気信号を信号線33を介して空間線量率特定部32に伝達しているが、電気信号の伝達方法はこれに限らず、例えば、γ線検出部27からの電気信号を、無線機器による無線通信により、空間線量率特定部32に伝達してもよい。
出力装置4では、容器内空間線量率が外部に出力される。この出力の形態としては、例えば、ディスプレイ(表示部)による文字表示や画像表示、報知部による音声出力、プリンタ(印字装置)によるプリントアウト等を挙げることができる。尚、出力装置4については、演算装置3と一体的に形成されてもよい。
具体的には、放射能濃度特定部31にて、以下の式(1)に基づいて、容器内空間線量率を、土砂の放射能濃度に換算することで、土砂の放射能濃度を特定する。
RC=K・DL ・・・(1)
ここで、DLは容器内空間線量率(収容容器21内での空間線量率の測定値)である。Kは換算係数である。RCは土砂の放射能濃度の換算値である。
K=K1・K2・K3・K4 ・・・(2)
ここで、係数K1は、収容容器21の容積Vに応じて設定される係数である。係数K1については、収容容器21の容積Vが大きいほど小さくなるように設定される。この理由を図3を用いて説明する。
収容容器21の容積Vを一定とすると、収容容器21内の土砂の放射能濃度RCが高くなるほど、容器内空間線量率DLが高くなる。なぜなら、収容容器21内の土砂の放射能濃度RCが高くなるほど、土砂から放出されるγ線の線量が増加するので、γ線検出部27で検出されるγ線の線量が増加するからである。
また、収容容器21内の土砂の放射能濃度RCを一定とすると、収容容器21の容積Vが大きくなるほど(図3において、V1<V2<V3)、容器内空間線量率DLが高くなる。なぜなら、収容容器21の容積Vが大きくなるほど、収容容器21内に収容される土砂が増加するので、土砂から放出されてγ線検出部27で検出されるγ線の線量が増加するからである。
また、図3において、容器内空間線量率DLが一定であるとすると、収容容器21の容積Vが大きくなるほど、収容容器21内の土砂の放射能濃度RCが低くなる。
この特性を考慮して、式(1)を用いて容器内空間線量率DLを土砂の放射能濃度RCに換算するときには、収容容器21の容積Vが大きいほど、式(2)の係数K1を小さくすることで、式(1)の換算係数Kを小さくする。従って、係数K1については、収容容器21の容積Vが大きくなるほど小さくなるように設定される。
式(2)の係数K3は、土砂中の放射性物質の種類等を考慮して設定される係数である。
式(2)の係数K4は、補正係数である。
出力装置4では、土砂の放射能濃度の測定値が外部に出力される。この出力の形態については、上述と同様であるので、その説明を省略する。
図4(a)は、収容容器21内の土砂の厚さtsと容器内空間線量率DLとの関係を示す。図4(b)は、収容容器21内の被測定物の厚さtと実効線量透過率Peとの関係を示す。ここで、図4(b)では、被測定物として、比重1.6の土砂を用いた場合と、比重1.0の水を用いた場合と、比重2.1のコンクリートを用いた場合と、を示している。また、図4(b)に示す透過率曲線D1は、比重1.6の土砂の厚さtsと実効線量透過率Pesとの関係を示し、透過率曲線D2は、比重1.0の水の厚さtwと実効線量透過率Pewとの関係を示し、透過率曲線D3は、比重2.1のコンクリートの厚さtcと実効線量透過率Pecとの関係を示す。図4(a)及び(b)に示す土砂、図4(b)に示す水及びコンクリートは、それぞれ、放射性物質によって汚染されていない。
また、実効線量透過率Peとは、バックグラウンドレベルBGLに対する容器内空間線量率DLの割合である。図4(a)及び(b)では、バックグラウンドレベルBGLは0.4μSv/hとしている。尚、図4(b)では、特に、セシウム137(Cs−137)からのγ線に対する実効線量透過率Peを示している。また、図4(b)の作成にあたっては、「放射線施設のしゃへい計算実務マニュアル2007」(財団法人原子力安全技術センター)を参考にした。
図4(b)の透過率曲線D1で示すように、土砂の厚さtsが約60cmであると、実効線量透過率Pesが0.01を下回る。すなわち、土砂の厚さtsが約60cmであると、バックグランドレベルBGLが、収容容器21内の土砂によって、1/100以下に減衰され得る。
従って、容器内空間線量率DLの測定に際し、要求されるバックグラウンドレベルBGLの減衰の程度に応じて、また、土砂のγ線の透過特性(例えば、上述の透過率曲線D1)に基づいて、土砂の厚さtsが設定され、この設定された土砂の厚さtsに基づいて収容容器21の各寸法(特に、収容容器21の内面とγ線検出部27との間の最小距離)が設定され得る。尚、この点は土砂以外の被測定物についても同様である。
また、図4(b)では、比重が1.6である土砂の透過率曲線D1を用いて説明したが、比重が1.3〜1.8であり得る土砂の透過率曲線D1についても、比重が1.0である水の透過率曲線D2と、比重が2.1であるコンクリートの透過率曲線D3との間に位置することはいうまでもない。
まず、図示しない入力装置を介して、換算係数K(係数K1〜K4)を設定する。
次に、下蓋部材21bを閉じて土砂排出口24を閉じた状態で、土砂投入口23より、所定量の土砂を収容容器21内に投入する。尚、収容容器21に収容される土砂については、その密度、及び、放射性物質の分布等の均一化を目的として、当該土砂をふるいによって分級してもよく、また、当該土砂に所定量の水を添加することにより、スラリー状にしてもよい。
次に、空間線量率特定部32にて、上記電気信号に基づいて、容器内空間線量率DLを特定する。
次に、放射能濃度特定部31にて、容器内空間線量率DLと、設定された換算係数K(係数K1〜K4)とを式(1)及び式(2)に代入して、土砂の放射能濃度RCを特定する。
次に、下蓋部材21bを開け、土砂排出口24を開けて、収容容器21内の土砂を外部に排出する。
以上のようにして、放射能濃度測定装置1を用いて、土砂の放射能濃度を測定することができる。
図5は、空間線量率の測定場所PLと、空間線量率の測定値(空間線量率D)と、収容容器21内の土砂の放射能濃度RCとの関係を示す。尚、図5において、バックグラウンドレベルは、無視できる程度に低い値である。
図5では、空間線量率の測定場所PLとして、2つの測定場所PL1、PL2を図示している。
測定場所PL1は、上述のγ線検出部27の設置場所(つまり、収容容器21内の略中央部)である(図1参照)。尚、測定場所PL1にて測定される空間線量率Dは、上述の容器内空間線量率DLである。
設置場所PL2については、収容容器21の容器本体21aの側壁の外面に設定されている(図1参照)。測定場所PL2に設置されるγ線検出部は、上述のγ線検出部27と同様の構成を有している。尚、測定場所PL2にて測定される空間線量率Dを、容器表面空間線量率DSと称して、以下説明する。
また、図5において、収容容器21内の土砂の放射能濃度RCを一定とすると、容器内空間線量率DLが、容器表面空間線量率DSよりも高い値を示すことがわかる。すなわち、収容容器21内の土砂から放出されるγ線に関して、収容容器21内の測定場所PL1で得られるγ線の電気信号は、収容容器21の外面の測定場所PL2で得られるγ線の電気信号よりも、多数である。
従って、γ線検出部27を収容容器21内に設置することにより、収容容器21の外面にγ線検出部を設置した場合に得られるγ線の電気信号よりも多数のγ線の電気信号を得ることができるので、放射能濃度測定装置1にて高精度な、あるいは短時間での測定を実現することができる。
また本実施形態によれば、放射能濃度測定装置1は、収容容器21(容積部)の外部から収容容器21の略中央に延びる管状部材25を更に備え、管状部材25内にγ線検出部27が配置される。これにより、管状部材25がγ線検出部27の保護カバーとして機能するので、γ線検出部27の破損等の発生を抑制することができる。また、管状部材25内に配置されるγ線検出部27については、その入替や保守を簡単に行うことができる。尚、本実施形態では管状部材25の延在方向が鉛直方向であるが、管状部材25の延在方向はこれに限らず、例えば水平方向であってもよい。
図1に示した第1実施形態における放射能濃度測定装置と異なる点について説明する。
空間線量率測定装置50は、上述の放射能濃度測定装置1に関して、放射能濃度特定部31のうち、空間線量率特定部32以外の部分が省略され、また、信号線35も省略された構成を有している。
本実施形態では、空間線量率測定装置50が、上述のシンチレーションサーベイメータを含んで構成され得る。シンチレーションサーベイメータは、上述のプローブ(γ線検出部27)に加えて、信号線33と演算装置3と信号線34と出力装置4とを含んで構成され得る。また、演算装置3と出力装置4とが一体的に形成されてシンチレーションサーベイメータ本体となり得る。このシンチレーションサーベイメータ本体は、上述のプローブの有感位置における空間線量率の値(すなわち、上述の容器内空間線量率DL)を空間線量率特定部32にて特定し、出力装置4を介して外部に出力することができる。
本実施形態では、出力装置4によって出力された容器内空間線量率DLに基づいて、作業者等が、土砂の放射能濃度RCを特定する。この特定の方法は、上述の放射能濃度特定部31における、土砂の放射能濃度の特定方法と同様であるので、その説明を省略する。また、上述の放射能濃度特定部31と同様に、空間線量率特定部32にて特定された空間線量率DLに基づいて、土砂の放射能濃度RCを特定する装置を別途設け、この装置にて特定された土砂の放射能濃度RCを画面表示等によって外部に出力するようにしてもよい。
出願当初の請求項は以下の通りであった。
〔請求項1〕
固体状又は液体状の被測定物の放射能濃度を測定する装置であって、
前記被測定物を収容する容積部と、
この容積部内に収容された前記被測定物によって周囲が囲まれるように前記容積部内に設置されて、前記被測定物から放出されるγ線を検出して電気信号を出力するγ線検出部と、
前記電気信号に基づいて前記被測定物の放射能濃度を特定する放射能濃度特定部と、
を備えることを特徴とする放射能濃度測定装置。
〔請求項2〕
前記容積部の内面と前記γ線検出部との間の最小距離は、前記被分析物におけるγ線の透過特性に基づいて設定されることを特徴とする請求項1に記載の放射能濃度測定装置。
〔請求項3〕
前記容積部の外部から前記容積部の略中央に延びる管状部材を更に備え、この管状部材内に前記γ線検出部が配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射能濃度測定装置。
〔請求項4〕
前記管状部材に挿入される遮蔽体を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の放射能濃度測定装置。
〔請求項5〕
前記放射能濃度特定部は、前記γ線検出部からの前記電気信号に基づいて空間線量率を特定し、この特定した空間線量率に基づいて、前記被測定物の放射能濃度を特定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の放射能濃度測定装置。
〔請求項6〕
前記容積部は収容容器により形成され、この収容容器は、その上部に設けられた被測定物投入口と、下部に設けられた被測定物排出口と、この被測定物排出口を開閉する開閉手段と、を含んで構成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の放射能濃度測定装置。
〔請求項7〕
前記被測定物は、放射性物質を含む土砂であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の放射能濃度測定装置。
〔請求項8〕
請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の放射能濃度測定装置を用いて、
前記容積部内に前記被測定物を収容し、
前記γ線検出部にてγ線を検出し、その電気信号を前記放射能濃度特定部に伝達し、
前記放射能濃度特定部にて前記電気信号に基づいて前記被測定物の放射能濃度を特定する、放射能濃度の測定方法。
〔請求項9〕
固体状又は液体状の被測定物の放射能濃度の特定に用いられる空間線量率測定装置であって、
前記被測定物を収容する容積部と、
この容積部内に収容された前記被測定物によって周囲が囲まれるように前記容積部内に設置されて、前記被測定物から放出されるγ線を検出して電気信号を出力するγ線検出部と、
前記電気信号に基づいて空間線量率を特定する空間線量率特定部と、
を備えることを特徴とする空間線量率測定装置。
〔請求項10〕
前記容積部の内面と前記γ線検出部との間の最小距離は、前記被分析物におけるγ線の透過特性に基づいて設定されることを特徴とする請求項9に記載の空間線量率測定装置。
〔請求項11〕
前記被測定物は土砂であることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の空間線量率測定装置。
〔請求項12〕
請求項9〜請求項11のいずれか1つに記載の空間線量率測定装置を用いて、
前記容積部内に前記被測定物を収容し、
前記γ線検出部にてγ線を検出し、その電気信号を前記空間線量率特定部に伝達し、
前記空間線量率特定部にて前記電気信号に基づいて空間線量率を特定し、
この特定された空間線量率に基づいて、前記被測定物の放射能濃度を特定する、
放射能濃度の測定方法。
〔請求項13〕
前記被測定物は、放射性物質を含む土砂であり、
前記容積部内に前記土砂を収容するに先立って、前記土砂に水を添加してスラリー状にする、請求項8又は請求項12に記載の放射能濃度の測定方法。
2 放射線検出ユニット
3 演算装置
4 出力装置
21 収容容器(容積部)
21a 容器本体
21b 下蓋部材
23 土砂投入口(被測定物投入口)
24 土砂排出口(被測定物排出口)
25 管状部材
26 ブラケット
27 γ線検出部
28 遮蔽体
31 放射能濃度特定部
32 空間線量率特定部
33、34、35 信号線
50 空間線量率測定装置
Claims (10)
- 固体状又は液体状の被測定物の放射能濃度を測定する装置であって,
前記被測定物を収容する容積部と,
この容積部内に収容された前記被測定物によって周囲が囲まれるように前記容積部内に設置されて,前記被測定物から放出されるγ線を検出して電気信号を出力するγ線検出部と,
前記電気信号に基づいて前記容積部内の空間線量率を特定し,この特定した空間線量率に基づいて前記被測定物の放射能濃度を特定する放射能濃度特定部と,
を備え,
前記容積部内に前記被測定物が収容されているときにバックグラウンドから前記容積部内の前記被測定物を透過して前記γ線検出部で検出されるγ線に関して,前記バックグラウンドの空間線量率に対する前記容積部内の空間線量率の割合である実効線量透過率と前記被測定物の比重と前記被測定物の厚さとの関係として導き出された前記被測定物のγ線の透過特性に基づいて,前記容積部内の前記被測定物自体によって実効線量透過率が0.1以下になるように導き出された前記被測定物の厚さに基づいて,前記容積部の内面と前記γ線検出部との間の最小距離が設定された,
放射能濃度測定装置。 - 前記容積部は収容容器により形成され,この収容容器は,その上部に設けられた被測定物投入口と,下部に設けられた被測定物排出口と,この被測定物排出口を開閉する開閉手段と,を含んで構成された,請求項1に記載の放射能濃度測定装置。
- 前記放射能濃度特定部は,前記γ線検出部からの前記電気信号に基づいて空間線量率を特定し,この特定した空間線量率に基づいて,前記被測定物の放射能濃度を特定する,請求項1又は請求項2に記載の放射能濃度測定装置。
- 前記被測定物は,放射性物質を含む土砂である,請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の放射能濃度測定装置。
- 前記被測定物はスラリー状である,請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の放射能濃度測定装置。
- 固体状又は液体状の被測定物を収容する容積部と,
この容積部内に収容された前記被測定物によって周囲が囲まれるように前記容積部内に設置されて,前記被測定物から放出されるγ線を検出して電気信号を出力するγ線検出部と,
前記電気信号に基づいて前記容積部内の空間線量率を特定し,この特定した空間線量率に基づいて前記被測定物の放射能濃度を特定する放射能濃度特定部と,
を備える放射能濃度測定装置を用いて前記被測定物の放射能濃度を測定する方法であって,
前記容積部の内面と前記γ線検出部との間の最小距離を設定すること,
前記容積部内に前記被測定物を収容すること,
前記γ線検出部にてγ線を検出して前記電気信号を前記放射能濃度特定部に伝達すること,及び,
前記放射能濃度特定部にて前記電気信号に基づいて前記容積部内の空間線量率を特定し,この特定した空間線量率に基づいて前記被測定物の放射能濃度を特定すること,
を含み,
前記最小距離を設定することは,前記容積部内に前記被測定物を収容しているときにバックグラウンドから前記容積部内の前記被測定物を透過して前記γ線検出部で検出されるγ線に関して,前記バックグラウンドの空間線量率に対する前記容積部内の空間線量率の割合である実効線量透過率と前記被測定物の比重と前記被測定物の厚さとの関係として導き出された前記被測定物のγ線の透過特性に基づいて,前記容積部内の前記被測定物自体によって実効線量透過率が0.1以下になるように導き出された前記被測定物の厚さに基づいて,前記最小距離を設定することを含む,放射能濃度の測定方法。 - 前記容積部は収容容器により形成され,この収容容器は,その上部に設けられた被測定物投入口と,下部に設けられた被測定物排出口と,この被測定物排出口を開閉する開閉手段と,を含んで構成され,
前記放射能濃度の測定方法は,前記容積部内に前記被測定物を収容するに先立って,前記被測定物排出口を前記開閉手段によって閉じることを更に含む,請求項6に記載の放射能濃度の測定方法。 - 前記放射能濃度特定部にて前記被測定物の放射能濃度を特定することは,前記放射能濃度特定部にて前記電気信号に基づいて空間線量率を特定し,この特定した空間線量率に基づいて,前記被測定物の放射能濃度を特定することを含む,請求項6又は請求項7に記載の放射能濃度の測定方法。
- 前記被測定物は,放射性物質を含む土砂であり,
前記容積部内に前記土砂を収容するに先立って,前記土砂に水を添加してスラリー状にする,請求項6〜請求項8のいずれか1つに記載の放射能濃度の測定方法。 - バックグラウンドの空間線量率が0.23μSv/h以上である地域で,前記被測定物の放射能濃度の測定を行う,請求項6〜請求項9のいずれか1つに記載の放射能濃度の測定方法。
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