JP2018141696A - 放射能検出装置および放射能測定装置 - Google Patents

放射能検出装置および放射能測定装置 Download PDF

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Kazuo Taniguchi
一雄 谷口
秀司 石井
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秀司 石井
裕行 清水
Hiroyuki Shimizu
裕行 清水
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Toru Ujiie
亨 氏家
山村 充
Mitsuru Yamamura
充 山村
大輔 野嵜
Daisuke Nozaki
大輔 野嵜
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Abstract

【課題】高バックグラウンド下で、低濃度で汚染された測定試料のガンマ線の濃度を容易に測定するのに役立つ放射能検出装置及び放射能検出装置を提供する。【解決手段】放射能検出装置は、シンチレータと光検出部と収納容器と電気回路部とを備える。シンチレータは、厚さが2mm以下であって、300keV以上の高いエネルギーのガンマ線(例えばCs−137)を透過させかつ30keV〜40keV程度の低いエネルギーの特性X線(例えばBa−K線)を吸収し、特性X線の強度に応じて発光状態を変化する。光検出部は、シンチレータの発光を受光して電気信号に変換する。収納容器は、扁平な形状で、周囲からのガンマ線を遮蔽しないように構成され、特性X線の到来する面に対して特性X線が高い透過率で透過する薄い厚さに選ばれる。電気回路部は、光検出部からの電気信号に基づいて、低いエネルギーの特性X線を検出する。【選択図】図1

Description

この発明は、放射能検出装置,放射能測定装置及び放射能測定方法に関し、特に例えば高バックグラウンド下においても使用でき、ガンマ線そのものを検出するのではなく、特性X線を検出することにより間接的にガンマ線の測定が可能な、放射能検出装置および当該放射能検出装置を用いた放射能測定装置に関する。
東日本大震災による原子力発電所の事故(以下「原発事故」と略称)を契機として、土壌や廃材や建造物等に放射性物質で汚染されている領域が発生した。これらの領域においては、放射性物質の汚染を除去するために、除染作業が行われている。除染作業を効率的に行うためには、放射性物質で汚染されている領域を高精度で迅速に検出できる機器が求められている。
また、除染作業に際しては、放射性物質で汚染されている領域の放射能を検出し測定して、ホットスポットを探索する必要がある。このための簡便な検出器として、シンチレータ検出器が知られている。
従来のシンチレータ検出器は、到来するガンマ線を吸収して発光するシンチレーション材料の結晶(CsI結晶又はシンチレータ)と、シンチレータによって発光された光を受光するための光電子倍増管又は光ダイオード若しくは光ファイバー(光ガイド)とを遮蔽容器内に収納して構成される。
シンチレータは、外部からのガンマ線が到来する方向に対して直角(又は交差)方向に厚くなるような厚み(例えば25mm以上の厚み)を有するのが一般的である。遮蔽容器は、測定試料以外の方向から到来するガンマ線の影響を受けないように、厚い鉛板又はステンレス板等で遮蔽するように構成される。
特開2004− 85250号(注;これが適切か検討下さい) 特許第5400988号
特許文献1等のような従来のシンチレータ検出器は、放射能汚染された場所が一般に高バックグラウンド下にあるので、その中での低濃度で汚染された特定のサンプルを計測することが極めて困難であるか、ほぼ不可能であった。
例えば、厚い結晶を有するシンチレータ検出器を用いて、原発事故周辺地域のセシウムCs−137を計測した場合、図9のスペクトル図に示すように、高エネルギー領域の662keV付近ではCs−137のガンマ線の高いピーク値を計測するが、それよりも低いエネルギー領域の広範囲において高いバッグラウンドが計測される。
この場合、低濃度で汚染された特定のサンプル、例えば森林中の立木や、水産物であれば生けす(水槽)内の魚介類の放射能を測定しようとすると、バックグラウンドが極めて高いため、被爆した特定サンプルの放射線なのか、原発事故現場(又はその周辺地域の高い放射能汚染領域のホットスポット)から到来する放射線なのか、全く区別がつかない。
また、測定試料以外の方向から到来するガンマ線がシンチレータに吸収されるのを防いで検出精度を高めるため、遮蔽容器又は収納容器を厚い鉛等の板材で構成する必要があり、大型形状となりかつ大重量となる問題点がある。
特許文献2のような放射能検出装置は、高いエネルギーの放射線と低いエネルギーの放射線の両方を1つの検出装置で同時に検出し、放射線が飛来する方向を決め、決めた方向をホットスポットとみなして放射能の発生源の位置を可視化する装置である。そのため、特許文献2のような放射能検出装置を使った放射能測定装置は、放射能の定量分析を行うものではなく、画像表示が目的なので、ガンマカメラの一種に過ぎない。
また、特許文献2の放射能検出装置は、シンチレータの周りを鉛板又はステンレス板で遮蔽する必要があるので、特許文献1と同様に大型形状となりかつ大重量となる問題点がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、高バックグラウンド下であって、低濃度で汚染された測定試料のガンマ線の濃度を容易に測定するのに役立つ、放射能検出装置を提供することである。
この発明の他の目的は、放射能検出器の構造を小型化し軽量化できる、放射能検出装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、高バックグラウンド下であって、低濃度で汚染された測定試料のガンマ線の濃度を容易に測定できる、放射能測定装置および放射能測定方法を提供することである。
第1の発明の放射能検出装置は、シンチレータと光検出部と収納容器と電気回路部とを備える。
シンチレータは、厚さが2mm以下であって、300keV以上の高いエネルギーのガンマ線(例えばCs−137)を透過させかつ30keV〜40keV程度の低いエネルギーの特性X線(例えばBa−K線)を吸収して、特性X線の強度に応じて発光状態を変化する。
光検出部は、シンチレータの発光を受光して電気信号に変換する。
収納容器は、扁平な形状であって、シンチレータと光検出部を相対させて収納し、その周囲からのガンマ線を遮蔽しないように構成され、特性X線を発生している面(いわゆる窓材)に対して特性X線が高い透過率で透過するように薄い厚みに選ばれる。
電気回路部は、光検出部から出力される電気信号に基づいて、所定範囲の低いエネルギーの特性X線(例えばBa−K線)を検出する。
第1の発明によれば、高バックグラウンド下であって、低濃度で汚染された測定試料のガンマ線の濃度を容易に測定するのに役立つ、放射能検出装置が得られる。
また、収納容器を鉛板等の遮蔽材で遮蔽する必要がないので、装置を小型化・軽量化でき、取扱いが容易となる。
第2の発明の放射能検出装置は、第1の発明において、放射能検出装置が、放射能汚染された領域に存在する特定の試料に含まれる放射性物質(例えばCs−137)の含有量を間接的に求め、かつその値が所定値以上の放射能濃度を有していることを測定するために用いられる。
そして放射能検出器は、試料の近接位置に配置され、その周辺のガンマ線を検出することなく、特性X線のみを計測することによって、ガンマ線の放射能濃度を間接的に検出することを特徴とする。
第3の発明の放射能検出装置は、第2の発明において、放射能検出装置に含まれる少なくとも放射能検出器が、放射能汚染された領域に存在する立木の放射能濃度を検出するために、立木の円周方向に巻き付けて装着して用いられる。それによって立木の樹皮に蓄積された放射能濃度を検出する。
第4の発明の放射能検出装置は、第3の発明において、放射能検出装置が複数設けられる。放射能検出装置に含まれる複数の放射能検出器は、立木の円周方向の異なる複数の位置に装着するように、帯状の取付具に収納された状態で巻き付けて用いられる。
第5の発明の放射能検出装置は、放射能検出器が、放射能汚染された領域に存在する魚介貝類の放射能濃度を検出するために、魚介類を収容している収容容器(例えば生けす,水槽等)に近接して装着され、それによって魚介類に蓄積された放射能濃度を検出する。
第6の発明の放射能測定装置は、第1の発明ないし第5の発明のいずれかの放射能検出装置を用いて放射能濃度分布を測定する放射能測定装置である。
そして、高いエネルギーのガンマ線はCs−137であり、低いエネルギーの特性X線はCs−137の崩壊で同時に発生するBa−K線である。
電気回路部には、情報処理装置(例えばパソコン)が接続される。情報処理装置は、情報処理部と、記憶部と、表示部とを含む。
記憶部には、Ba−K線の積分強度から機器換算係数が予め登録される。情報処理部は、記憶部に登録されている機器換算係数を用いて、放射能検出装置によって検出されたBa−K線の強度情報からCs−137の濃度を算出して、表示部に表示させる。
第7の発明の放射能測定装置は、第1の発明ないし第5の発明のいずれかの放射能検出装置を用いて放射能濃度を測定する放射能測定装置である。
そして、高いエネルギーのガンマ線はCs−137であり、低いエネルギーの特性X線はCs−137の崩壊で同時に発生するBa−K線である。
電気回路部には、情報処理装置が接続される。情報処理装置は、情報処理部と、記憶部と、表示部とを含む。記憶部には、予め、標準試料のBa−K線の積分強度とCs−137の濃度との関係から求めた検量線が登録される。
情報処理装置は、記憶部に登録されている検量線を用いて、放射能検出装置によって検出されたBa−K特性X線の強度情報からCs−137の濃度を算出して、表示部に表示させる。
この発明によれば、放射能汚染された場所のような高バックグラウンド下にある領域又は地域において、低濃度で汚染された特定のサンプルを確実かつ高い精度で検出できる、放射能検出装置が得られる。
また、この発明によれば、装置を小型化・軽量化でき、取扱いが容易な、放射能検出装置が得られる。
また、他の発明によれば、放射能汚染された場所のような高バックグラウンド下にある領域又は地域において、低濃度で汚染された特定のサンプルを確実かつ高い精度で測定できる、放射能測定装置が得られる。
そして、検出効率が高く、短時間で特定サンプルの放射能を測定するのに有益な、放射能測定装置を実現できるという、特有の効果も奏される。
この発明の一実施例の放射能検出装置のブロック図である。 この発明の一実施例の放射能検出装置に含まれる検出器本体の図解図である。 この発明の一実施例の放射能測定装置の使用例の一例として、測定(検出)サンプルである立木の放射能を検出する場合に装着するための取付具の外観図である。 この発明の放射能検出装置の使用例の一例として、立木の放射能を検出する場合における装着例の側面図である。 この発明の放射能検出装置の使用例の一例として、立木の放射能を検出する場合における装着例の平面図である。 この発明の一実施例の放射能検出装置を用いて、図4〜図5に示す使用態様によって測定した結果を示す特性X線のスペクトル図である。 この発明の他の実施例の放射能測定装置のブロック図である。 従来のシンチレータ検出器を用いてセシウムCs−137のガンマ線を測定した場合のスペクトル図である。
(実施例1)
図1はこの発明の一実施例の放射能検出装置10のブロック図である。
図2は放射能検出装置に含まれる検出器本体の図解図であり、特に(a)はその外観図、(b)は断面図である。なお、図2(a)には検出器本体10を外面的に見た場合の各部を示し、図2(b)には構造的に見た場合の各部を示す。
次に、図1および図2を参照して、この発明の一実施例の放射能検出装置10の構成を説明する。
放射能検出装置10は、検出器本体(又は検出器ユニット)11と電気回路ユニット(又は信号処理回路ユニット)15とから構成される。
検出器本体11は、シンチレータ検出器とも呼ばれ、CsI(TI)等のシンチレータ材料の結晶又は液体を封入した発光体(以下、結晶以外の発光材料からなる発光体を総称して「シンチレータ」という)12と、シンチレータ12によって発光された光を受光して電気信号に変換する光検出部13と、収納容器14とを含む。
シンチレータ12は、到来するガンマ線又は特性X線の強度に応じて発光する材料(シンチレーション材料)であって、結晶の厚さが2mm以下に選ばれ、ガンマ線を透過させかつ所定のエネルギー領域の特性X線(例えば、バリウムの特性X線であるBa−K線)を吸収して、特性X線の強度に応じて発光状態(又は発光量)を変化する。ここで、シンチレータ12がガンマ線ではなく、特性X線としてBa−K線を検出しているのは、Cs−137の崩壊で同時に発生する低いエネルギー(例えば30keV〜40keV)のBa−K線を検出して測定すれば、間接的に高いエネルギー(例えば300keV以上)のガンマ線(Cs−137)を検出することができるためである。
なお、シンチレータ12としては、その他の発光材料、例えばNaI(TI)又はBGO等の無機結晶のシンチレータでも良く、有機結晶又は液体のシンチレータでも良い。
光検出部13は、シンチレータ12によって発光された光を受光して電気信号に変換するものであり、例えばマルチピクセルホトカウンタ(Multi−Pixel Photo Counter;略称「MPPC」)又は光ダイオード若しくは光電子倍増管等が用いられる。
収納容器14は、シンチレータ12と光検出部13を相対させて(又は積層して)収納するものであって、扁平な形状をした直方体又は箱型に構成される。
収納容器14は、アルミを削り出し加工して形成された型枠部141を含む。型枠部141は、その上面にシンチレータ12の平面形状より若干大きな開口部であって、その下面に大きな開口部を形成することにより、内壁に段差状部142を有するように構成される。そして、シンチレータ12は、その上面(特性X線が入射する面)とその下面の光検出部13に接する面を除く周面(換言すれば、側面周囲と光検出部13に接しない面)が、PTFE等の反射材又は反射シート(図示を省略)で覆われる。これによって、シンチレータ12の上面から入射した特性X線によってシンチレータ12が発光すると、その光が反射板によって反射されながら、光検出部13の位置に集まって、光検出部13によって検出される。
より具体的には、収容容器14には、底板となるアルミ板143を嵌め込んだ状態で、保持材を兼ねるクッション材144が充填され、その上に光検出部13が重ねられ、光検出部13の上にシンチレータ12が重ねられ、シンチレータ12の上にクッションシート145が入れられ、その上に薄いアルミ板146が重ねられる。そして、シンチレータ12と光検出部13を除く型枠部141とアルミ板143との間及び型枠部141とアルミ板146の間には、接着剤又は充填剤が充填されて、密閉状態とされる。このとき、光検出部13の検出信号を出力するコードが光検出部13から型枠部141の外部に引き出される。また、光検出部13は、裏面に絶縁シート147が貼られ、アルミ板143と絶縁される。
このような構成によって、アルミ板146の外側面が平面部14aとなり、アルミ板143の下面が底面部14bとなり、型枠部141の左右の壁面が左側面部14c,右側面部14dとなり、奥行方向の前面と背面が正面部14e,背面部14fとなる。
すなわち、収納容器14の型枠部141の壁面(左右前後)とアルミ板146,143によって六面体を構成するが、各面の材料・板厚がガンマ線を遮蔽することなく、ガンマ線を透過させるように構成される。すなわち、収納容器14は、その周囲から到来するガンマ線も特性X線も遮蔽しないような材質・厚さに選ばれ、例えばBa−K線等の特性X線が主に到来する方向の面(例えば、図2(a)(b)の平面部14a)が特性X線の入射する窓材となる。
そして、平面部14aは、他の面である底面部14b,左側面部14c,右側面部14d,正面部14e及び背面部14fよりも薄い板厚に選ばれ、検出(又は測定)対象となる特性X線(例えばBa−K線)を高い透過率で透過させるように、材料がアルミ板(Al)146であれば0.5mm以下の薄い厚さ(板厚)に選ばれる。
これによって、収納容器14は、特性X線が主に到来する方向の面である平面(又は上面)部14a側にシンチレータ12を配置し、シンチレータ12と底面部14bであるアルミ板143との間に光検出部13を配置して収納することにより、シンチレータ12と光検出部13とを相対させた状態で保持する。そして、光検出部13の出力をコード(又はバス)17を介して何れかの側面部14c〜14fから取り出し、電子回路部15へ供給する。
上述のように、検出器本体11の構成として、シンチレータ12の厚さを2mm以下に選び、かつ収納容器14をガンマ線も特性X線も遮蔽しないような材質及び/又は板厚のもので構成した理由と、本件発明の原理として、Cs−137のガンマ線が34keVのBa−K線である特性X線によって間接的に測定できる原理を以下に説明する。
Cs−137標準線源(8000Bq)を用いて、従来の一般的なシンチレータ検出器(CsI結晶の厚みが25mm、検出器の窓厚が2mmのもの)で測定したときのスペクトルは、図9に示される。
この場合、計測対象地域でのバックグランドは、高エネルギー領域の放射性物質であるセシウム(Cs−137)に由来する662keVのガンマ線である。
しかし、Cs−137は崩壊を通して662keVのガンマ線と約34keVの特性X線を放出する。放出割合は次の(1)式に示すとおりである。
662keV : 85.1%(ガンマ線)
34keV : 7.1%(Ba−K線) ・・・(1)
ここで、CsI結晶の厚さ25mmの場合のシンチレータ検出器内での吸収効率は、(2)式に示すとおりである。
662keV : 59%
34keV :100% ・・・(2)
(Cs−137のガンマ線を、34keVのBa−K線である特性X線によって間接的に測定できる原理)
一方、662keVのガンマ線は、エネルギーが高く、空気中であまり減衰しない。このため、一般的な放射能検出器では、数十mの周囲の放射能の影響を受けて、バックグランドが非常に高くなる。このような状況において、特定の測定試料(又は検出対象)、例えば森林中での1本の立木に含まれるCs−137の放射能や、漁船の生けす(又は水槽)に積み込まれた魚の1匹に含まれる放射能を計測することはできない。
しかしながら、Cs−137の崩壊とともに放出される34keVのBa−K線(特性X線)は、エネルギー領域がはるかに低いので、空気中での減衰が大きく、30cm程度離れるとほとんど減衰して計測できなくなる。
そのために、特定の測定試料(又は検出対象)に近接した場所では、34keVのBa−K線を計測することにより、Cs−137による高いバックグランド下であっても、Cs−137の放射能濃度を間接的に計測することが可能である。
上記考察により、Cs−137の計測に、特性X線であるBa−K線の計測で代用できることを示した。すなわち、高バックグランド下では、周囲のCs−137によるガンマ線が常にバックグランドに寄与する(又は強い影響を及ぼす)ことになる。
これに対して、特定の対象物を測定する場合にエネルギーの低いBa−K線を計測すれば、検出器本体11までの距離によって指数関数的に減衰する。換言すると、同じCs−137であっても、離れた場所でのBa−K線は減衰して計測され難いのに対して、近くの場所でのBa−K線はあまり減衰しないで計測できることを意味する。この点(すなわち、Ba−K線で間接的に計測する点)が、Cs−137をガンマ線で直接計測するのと異なる。
そして、効率のよい計測システムは、Cs−137のBa−K線の検出効率100%を維持するとともに、ガンマ線の検出効率を下げることである。因みに、本件発明者の研究・実験の結果、CsI結晶の厚みを1.5mmとした場合、Ba−K線の検出効率は100%であり、エネルギー領域662keVのガンマ線の検出効率が3.5%となることが分かった。
CsI結晶の厚みを1.5mmとした場合は、図7を参照して後述するように、ガンマ線の検出効率が小さくなり、ピークがほとんど観測されていない。また、コンプトン散乱によるバックグランドも軽減しており、ピーク値に対するバックグラウンドの比(P/B)が改善されたスペクトルが得られている。
また、検出器本体11の窓材となる収納容器13の平面部13aを0.5mmのアルミ板146とすれば、Ba−K線に対して約90%の透過率にすることができる。
次に、図1を参照して、電気回路ユニット(又は信号処理回路ユニット)15の詳細を説明する。
電気回路ユニット15は、高圧電源・温度制御回路151と、プリアンプ/ピークホールド/パルス整形回路152と、アナログ−ディジタル変換回路(以下「ADC」と略称する)153と、コンパレータ154と、PLDカウンタ155と、USB端子156とを含んで構成される。
そして、これらの各回路151〜155が回路基板(図示せず)に実装された状態で、扁平な形状をした収納ボックス16内に収納される。収納ボックス16は、検出器本体11の収納容器13とは別の箱体で構成され、それによって放射能検出器10の全体としての厚さの薄型化を図っている。
高圧電源・温度制御回路151は、光検出部13に供給する高電圧を発生するとともに、光検出部13に付設された温度センサ12aの信号を受けて、光検出部13の温度が一定値を超えないように供給電力を制御することにより、温度制御を行うものである。
プリアンプ/ピークホールド/パルス整形回路152は、光検出部13から出力される信号を増幅して、ピーク値を保持するとともに、ピーク値をパルス波形成形することにより、アナログ−ディジタル変換の前処理を行う。
ADC153は、ピーク値のアナログ信号をディジタル値に変換して、PLDカウンタ155の処理可能なデータ形式(ディジタル値)に変換する。
コンパレータ154は、ADC153がA−D変換したピーク値すなわちサンプリング値が処理速度との関係で、PLDカウンタ155に取り込まれるタイミングのときに、ADC153の出力したピーク値とPLDカウンタ155の計数するピーク値のディジタル値が対応しない場合もあるので、対応しない場合の補正制御を行うために設けられる。
PLDカウンタ155は、プログラマブルロジックデバイス(略称「PLD」)を含むカウンタであって、カウンタの計数動作をプログラム的に変更可能なデバイスである。PLDカウンタ155は、A−D変換されたピーク値のディジタル値を計数して、情報処理装置の一例のパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という)又はダブレットのCPU(中央処理ユニット)が処理可能な所定ビット数のデータ形式に変換して、USB端子156のポートへ出力する。
図3はこの発明の放射能検出装置の使用例の一例として、測定(又は検出)サンプルである立木の放射能を検出する場合に装着するための取付具の外観図であり、特に図3(a)は外観斜視図、図3(b)は平面から見た図である。
放射能検出装置10を用いて放射能被爆した立木の放射能を検出し測定する場合は、図3に示すような帯状の取付具20が準備される。取付具20は、ベルト(又は帯状部)21の長手方向に、適度の間隔を開けて2つの袋状部(又はポケット)22a,22bが形成される。袋状部22a,22bは、放射能検出装置10に含まれる収納容器14,収納ボックス16を収納できるように袋状又はポケット状に形成される。好ましくは、収納容器14,収納ボックス16を収納したときに、露出しないように、チャックで開閉自在にされ又はポケットの穴を覆う蓋部(図示せず)がマジックテープ等で張り付け自在とされる。そして、一方の袋状部22aには収納容器14が入れられ,他方の袋状部22bには収納ボックス16が入れられる。収納容器14内の光検出部13と電気回路ユニット15の高圧電源・温度制御回路151及びプリアンプ/ピークホールド/パルス波形成形回路152とが、コード(図示を省略)を介して電気的に接続される。
(放射能検出装置10の使用例1)
図4はこの発明の放射能検出装置の使用例の一例として、立木の放射能を検出する場合における装着例の側面図である。
図5はこの発明の放射能検出装置の使用例の一例として、立木の放射能を検出する場合における装着例の平面図であり、特に図5(a)は1本の立木に1個の放射能検出装置10を装着する例、図5(b)は1本の立木に2個の放射能検出装置10を装着する例、特に図5(c)は1本の立木に3個の放射能検出装置10を装着する例を示す。
図3の取付具20の袋状部22a,22bに収納された検出器本体11及び電気回路ユニット15は、取付具20によって立木1の円周方向の周囲に巻き付けて使用される。
原発事故により放射能汚染された地域では、立木1の樹皮(又は表皮)に放射性物質のCs−137が蓄積され、立木1が放射線源(又はホットスポット)となっている地域もある。これらの地域では、事故のあった原発に向いた側の樹皮の方が反対側の樹皮よりも蓄積量の多いことが分かっている。そのため、図5(a)に示すように、1つの取付具20によって1個の放射能検出装置10を装着する場合は、原発に向いた側の樹皮に接し、検出器本体11の収納容器14の窓材となる面(平面部13a)を立木の樹皮に向けて装着することが好ましい。
また、図5(b)に示すように、1つの取付具20によって2個の放射能検出装置10を装着する場合は、1つの取付具20を立木1に巻き付けたときの180度対称となる位置に、袋状部22a,22b,22c,22dが取り付けられて、検出器本体11と電気回路ユニット15が1組として、袋状部22a,22bと、袋状部22c,22dに収納される。
そして、2個の放射能検出装置10に含まれるそれぞれの検出器本体11の収納容器14の窓材となる面(平面部13a)を立木1の樹皮に向けるとともに、一方の放射能検出装置10の検出器本体11を原発に向いた側にし、他方の放射能検出装置10の検出器本体11を原発とは反対側に向いた側にして装着するのが好ましい。
この使用態様では、原発に向いた側の放射能検出装置10の検出結果が大きな値を示すことが実験的に分かっているので、その検出結果が重視(又は優先)される。原発に向いた側とは反対側の放射能検出装置10の検出結果は、原発に向いた側のものとの放射能強度の差を求める等の統計的又は実験的処理のデータとして利用される。
さらに、図5(c)に示すように、1つの取付具20によって3個の放射能検出装置10を装着する場合は、1つの取付具20を立木1に巻き付けたときに120度となる位置に、袋状部22a,22b,22c,22d,22e,22fが取り付けられて、検出器本体11と電気回路ユニット15が1組として、袋状部22a,22bと、袋状部22c,22dと、袋状部22e,22fに収納される。
そして、この場合は、3個の放射能検出装置10のそれぞれの検出器本体11の収納容器14の窓材となる面(平面部13a)を立木1の樹皮に向けるだけで、各放射能検出装置10の検出器本体11を向ける方向については考慮することを要しない。
この使用態様では、3個の放射能検出装置10によって同時に計測して、合計値を求めて計測時間の短縮化を図ったり、1本の立木1の放射能強度の平均値を求める等の統計的処理をするために利用される。
なお、1本の立木1に何個の放射能検出装置10を装着するかは、立木1の幹の太さ、測定時間、費用等を考慮して適宜決められる。
また、取付具20のベルト21の長さ方向に位置をずらせて複数の袋状部22a,22b・・・を固定的に取り付ける方法に代えて、複数の袋状部22a,22b・・・の裏面にベルト21を通すベルト通し部又はベルト通し孔(図示せず)を形成しておき、ベルト通し部にベルト21を通した後で複数の袋状部22a,22b・・・の位置を変更自在に調節してもよい。
次に、図1ないし図7を参照して、本件発明の放射能検出装置10を用いて立木1に蓄積されている放射性物質の強度を検出し測定する場合の動作を説明する。
測定に先立って、放射能検出器10を取り付けた取付具20が測定対象となる立木1に対して図4,図5の使用例のように、巻き付けて装着される。電気回路ユニット15のUSB端子156にパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という)31が接続される。パソコン30によって測定時間等の測定に必要なデータが入力されて、測定開始の指示が入力されると、測定開始される。すなわち、電気回路ユニット15に含まれる高圧電源・温度制御回路151が高圧電力を光検出部13に供給する。
測定対象の立木1に装着された検出器本体11のシンチレータ12は、立木1の樹皮から発せられる特性X線(Ba−K線)の入射量に応じて発光する。光検出部13がこの光を光電変換して受光量に応じた電気信号を発生する。このとき、検出器本体11には、立木1の樹皮から発せられるガンマ線や周囲の放射線源からのガンマ線も到来するが、これらのガンマ線の大部分は肉厚の薄いシンチレータ12を透過するので、シンチレータ12がガンマ線に応じて発光することもない。
従って、検出器本体11のシンチレータ12は、Cs−137のガンマ線が到来しても応答して発光することなく、Cs−137のガンマ線(エネルギー662keV)を検出することなく、それに関連するBa−K線の特性X線(エネルギー34keV)にのみ応答して発光することになる。
光検出部13によって検出されたBa−K線に対応する電気信号(アナログ信号)が電気回路ユニット15に供給されると、プリアンプ/ピークホールド/パルス整形回路152によって前置増幅されるとともに、ピーク値を保持され、さらにパルス波形成形される。検出されたピーク値がADC153によってサンプリングされかつA−D変換されて、PLDカウンタ155へ供給される。PLDカウンタ155は、ピーク値のディジタル値を計数することにより、単位時間(又は所定のサンプリング期間)当たりのピーク値を計数する。PLDカウンタ155によって計数された単位時間当たりのピーク値データ(数値データ)が接続されているパソコン31へ送信される。
パソコン31は、順次送信されたピーク値データを記憶部に記憶させ、所定時間サイクルで記憶部に記憶されているピーク値データをプログラムに基づいて演算処理して、図6に示すようなエネルギー領域別のスペクトルを求める。その測定結果が図6に示すスペクトル図となる。
図6では、Cs−137のガンマ線である高エネルギー領域の662keVのピーク値を計測することなく、しかも高いバックグラウンドによる影響も受けることなく、ガンマ線によって派生的に生じる低エネルギー領域の34keVのBa−K線のピーク値だけを高い検出精度で計測できることになる。
(放射能検出装置10の使用例2)
図示を省略するが、放射能検出装置10は、測定(又は特定)サンプルである生けす(又は水槽)に入れられた生きたままの魚の放射能を検出する用途に用いることができる。
測定対象が生けす(又は水槽)に入れられた生きたままの魚の場合は、取付具20に代えて、生けす(又は水槽)の平面形状よりやや大きめの布状部に、所定の間隔で複数の袋状部を取付け、各袋状部に検出器本体11と電気回路ユニット15の1組をセットにして収納する。生けす(又は水槽)が大きい場合は、検出器本体11と電気回路ユニット15の組を布状部の縦横にそれぞれ複数個収納する。
(実施例2)
図7はこの発明の他の実施例の放射能測定装置のブロック図である。
この実施例は、図1に示す放射能検出装置10を複数準備し、各放射能検出装置10に関連して、離れた場所に接続されるパソコン(PC)31を設置することにより、放射能測定装置30を構成したものである。
パソコン31は、計測処理のための中央処理ユニット(CPU)32と、記憶部33と、キーボード34と、液晶表示器35と、送受信回路36とを含む。
記憶部33は、半導体メモリ(RAM)及び/又はハードディスクから構成され、メモリ空間としてはCPU32の処理プログラムを記憶するプログラム記憶用メモリ33a,測定処理用のデータを記憶する処理用メモリ(又はワーキングRAM)33bおよび表示用メモリ33cを含む。メモリ33bには、必要に応じて、機器換算係数又は検量線のデータを記憶するデータテーブルが含まれる。
処理用メモリ33bは、測定対象の立木別でありかつ複数の放射能検出装置10に対応して、あらかじめ定める測定時間又は期間における測定結果を記憶する領域を含み、必要に応じて測定地点毎の名称(住所又は地域)とGPS情報に基づく位置情報(例えば、緯度情報と経度情報)を記憶する記憶領域を含む。
表示用メモリ33cは、液晶表示器35に表示すべき画像データをビットマップ形式で記憶するメモリである。放射能測定装置30が、例えば図6に示すような測定結果を表示するものとすれば、その表示を実現するための各種表示データを記憶する。
送受信回路36は、遠隔場所の複数の立木に取り付けられた放射能検出装置10とケーブル(又は無線回線でもよい)を介して測定データを受信し又はパソコン31からの制御データを送信するものである。
次に、図1ないし図7を参照して、図1の放射能検出装置10を用いて複数の立木の放射能を測定する場合の動作を説明する。
(機器換算係数を使用する場合の例)
この例では、高いエネルギーのガンマ線はCs−137であり、低いエネルギーの特性X線はCs−137の崩壊で同時に発生するBa−K線である場合を説明する。
記憶部33には、Ba−K線の積分強度から機器換算係数(例えば、1cpsが何Bq/kgに相当するかを予め標準試料を用いて求めておいた係数)が換算計数テーブルに予め登録される。
CPU32は、記憶部33の換算計数テーブルに登録されている機器換算係数を用いて、放射能検出装置10によって検出されたBa−K線の強度情報からCs−137の濃度を算出して、その算出結果又は算出結果を図6のようなスペクトル表に現した測定結果を液晶表示器35に表示させる。
(検量線を使用する場合の例)
この例でも、高いエネルギーのガンマ線はCs−137であり、低いエネルギーの特性X線はCs−137の崩壊で同時に発生するBa−K線である場合を説明する。
記憶部33には、予め、標準試料を数点用いてBa−K線の積分強度とCs−137の濃度との関係を求めた検量線のデータ(数値データ又は数式データ等)が登録される。
CPU32は、記憶部33に登録されている検量線を用いて、放射能検出装置10によって検出されたBa−K特性X線の強度情報からCs−137の濃度を算出して、その測定結果を液晶表示器35に表示させる。
この発明は、放射能汚染された地域の除染作業に際して、高バックグラウンド下でのガンマ線を検出し測定する際に、ガンマ線に関連する特性X線を検出することにより、間接的にガンマ線を検出できる、放射能検出装置、当該放射能検出装置を用いた放射能測定装置又は測定方法としての産業上の利用性が高い。
10 放射能検出装置
11 検出器本体
12 シンチレータ
13 光検出部
14 収納容器
14a 平面部(窓材)
15 電気回路ユニット
151 高圧電源・温度制御回路
152 プリアンプ/ピークホールド/パルス整形回路
153 アナログ−ディジタル変換回路
154 コンパレータ
155 PLDカウンタ
156 USB端子
20 取付具
21 ベルト
22a〜22f 袋状部
30 放射能測定装置
31 情報処理装置の一例のパソコン(PC)
32 CPU
33 記憶部

Claims (9)

  1. 厚さが2mm以下であって、300keV以上の高いエネルギーのガンマ線を透過させかつ30keV〜40keV程度の低いエネルギーの特性X線を吸収して、特性X線の強度に応じて発光状態を変化するシンチレータ、
    前記シンチレータの発光を受光して電気信号に変換する光検出部、
    扁平な形状であって、前記シンチレータと前記光検出部を相対させて収納し、その周囲からのガンマ線を遮蔽しないように構成され、前記特性X線を発生している面に対して特性X線が高い透過率で透過するように薄い厚みに選ばれた収納容器、および
    前記光検出部から出力される電気信号に基づいて、所定範囲の低いエネルギーの特性X線(Ba−K線)を検出する電子回路部を備えた、放射能検出装置。
  2. 前記放射能検出装置は、放射能汚染された領域に存在する特定の試料に含まれる放射性物質の含有量を間接的に求め、かつその値が所定値以上の放射能濃度を有していることを測定するために用いられ、
    前記放射能検出器は、前記試料の近接位置に配置され、その周辺のガンマ線を検出することなく、前記特性X線のみを計測することによって、ガンマ線の放射能濃度を間接的に検出する、請求項1に記載の放射能検出装置。
  3. 前記放射能検出装置に含まれる少なくとも放射能検出器は、放射能汚染された領域に存在する立木の放射能濃度を検出するために、立木の円周方向に巻き付けて装着して用いられ、それによって立木の樹皮に蓄積された放射能濃度を検出する、請求項1または請求項2に記載の放射能検出装置。
  4. 前記放射能検出装置は、複数設けられ、
    前記放射能検出装置に含まれる複数の放射能検出器は、立木の円周方向の異なる複数の位置に装着するように、帯状の装着ベルトに収納された状態で巻き付けて用いられる、請求項3に記載の放射能検出装置。
  5. 前記放射能検出装置に含まれる少なくとも放射能検出器は、放射能汚染された領域に存在する生物(又は魚介類)の放射能濃度を検出するために、生物を収容している容器(生けす,水槽等)に近接して装着され、それによって生物に蓄積された放射能濃度を検出する、請求項1項または請求項2に記載の放射能検出装置。
  6. (放射能検出装置を用いた放射能測定装置の発明)
    請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の放射能検出装置を用いて放射能濃度を測定する放射能測定装置であって、
    前記高いエネルギーのガンマ線はCs−137であり、前記低いエネルギーの特性X線はCs−137の崩壊で同時に発生するBa−K線であり、
    前記電子回路部に接続される処理手段をさらに備え、
    前記情報処理装置は、情報処理部と、記憶部と、表示部とを含み、
    前記記憶部には、Ba−K線の積分強度から機器換算係数を登録しておき、
    前記情報処理部は、前記記憶部に登録されている機器換算係数を用いて、前記放射能検出装置によって検出されたBa−K線の強度情報からCs−137の濃度を算出して、前記表示部に表示させる、放射能測定装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の放射能検出装置を用いて放射能濃度を測定する放射能測定装置であって、
    前記高いエネルギーのガンマ線はCs−137であり、前記低いエネルギーの特性X線はCs−137の崩壊で同時に発生するBa−K線であり、
    前記電子回路部に接続される情報処理装置をさらに備え、
    前記情報処理装置は、情報処理部と、記憶部と、表示部とを含み、
    前記記憶部には、予め標準試料のBa−K線の積分強度とCs−137の濃度との関係から求めた検量線を登録しておき、
    前記情報処理部は、前記記憶部に登録されている検量線を用いて、前記放射能検出装置によって検出されたBa−K特性X線の強度情報からCs−137の濃度を算出して、前記表示部に表示させる、放射能測定装置。
  8. 放射能検出装置と、放射能検出装置に接続される情報処理装置とからなる放射能測定装置であって、
    前記放射能検出装置は、
    厚さが2mm以下であって、300keV以上の高いエネルギーのガンマ線を透過させかつ30keV〜40keV程度の低いエネルギーの特性X線を吸収して、特性X線の強度に応じて発光状態を変化するシンチレータと、
    前記シンチレータの発光を受光して電気信号に変換する光検出部と、
    扁平な形状であって、前記シンチレータと前記光検出部を相対させて収納し、その周囲からのガンマ線を遮蔽しないように構成され、前記特性X線を発生している面に対して特性X線が高い透過率で透過するように薄い厚みに選ばれた収納容器と、
    前記光検出部から出力される電気信号に基づいて、所定範囲の低いエネルギーの特性X線を検出する電子回路部とを備え、
    前記高いエネルギーのガンマ線はCs−137であり、前記低いエネルギーの特性X線はCs−137の崩壊で同時に発生するBa−K線であり、
    前記情報処理装置は、情報処理部と、記憶部と、表示部とを備え、
    前記記憶部には、Ba−K線の積分強度から機器換算係数を登録しておき、
    前記情報処理部は、前記記憶部に登録されている機器換算係数を用いて、前記放射能検出装置によって検出されたBa−K線の強度情報からCs−137の濃度を算出して、前記表示部に表示させる、放射能測定装置。
  9. 放射能検出装置と、放射能検出装置に接続される情報処理装置とからなる放射能測定装置であって、
    前記放射能検出装置は、
    厚さが2mm以下であって、300keV以上の高いエネルギーのガンマ線を透過させかつ30keV〜40keV程度の低いエネルギーの特性X線を吸収して、特性X線の強度に応じて発光状態を変化するシンチレータと、
    前記シンチレータの発光を受光して電気信号に変換する光検出部と、
    扁平な形状であって、前記シンチレータと前記光検出部を相対させて収納し、その周囲からのガンマ線を遮蔽しないように構成され、前記特性X線を発生している面に対して特性X線が高い透過率で透過するように薄い厚みに選ばれた収納容器と、
    前記光検出部から出力される電気信号に基づいて、所定範囲の低いエネルギーの特性X線を検出する電子回路部とを備え、
    前記高いエネルギーのガンマ線はCs−137であり、前記低いエネルギーの特性X線はCs−137の崩壊で同時に発生するBa−K線であり、
    前記情報処理装置は、情報処理部と、記憶部と、表示部とを備え、
    前記記憶部には、予め標準試料のBa−K線の積分強度とCs−137の濃度との関係から求めた検量線を登録しておき、
    前記情報処理部は、前記記憶部に登録されている検量線を用いて、前記放射能検出装置によって検出されたBa−K特性X線の強度情報からCs−137の濃度を算出して、前記表示部に表示させる、放射能測定装置。
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