JP6038646B2 - 放射能測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放射能測定装置に係り、特に、水面下に存在している放射性物質から発せられる放射線を検出して、水面下における放射性物質量を測定するための装置に関する。
周知のように、東日本大震災を端緒として原子力発電所に事故が発生し、これに起因して広範囲に亘る環境中に放射性物質が放出されると共に、この放出された放射線物質が時間経過に伴って地上ならびに水面に降下するという事態を招くに至った。その後に、上記のような放射性物質の降下量の調査が実施され、地上においては、その降下量の分布状態から分布図を作成することが行われている。
その場合、地上で放射性物質を検知する検出器具としては、NaIシンチレータ、LaBr3シンチレータ、GM管(ガイガーミュラー管)及びゲルマニウム半導体検出器などが公知となっている。これらの検出器具は、地上に存在する放射性物質から発せられた放射線を検出して、地上における放射性物質量を測定することができる。
しかしながら、上記の検出器具は、海、湖、河などの水中或いは水底においては、使用が保証されておらず、しかも当該検出器具が水没することに起因して、電気的な短絡が生じるなどして、実質的に放射能測定機能を発揮することができなくなるという問題を有している。
このような問題に対処するものとして、特許文献1によれば、放射線の検出器具を、上端面に開口部を有するガイド鋼管の内部に収容し、このガイド鋼管を、開口部が水面上に位置するように水中(放水中)に配置する構成が開示されている。このような構成によれば、水中における放射性物質の量を、一応のところ測定することが可能である。
特開2011−191090号公報
しかしながら、上記の特許文献1に開示された構成によれば、水中においては放射能の検出器具がガイド鋼管により覆われることになるものの、このガイド鋼管が鋼性であることに起因して、放射能が不当に大きく減衰されることになるため、検出器具の感度が低下して、適切な放射能の測定を行うことが困難となる。
しかも、上記のガイド鋼管は、上端面に開口部を有するため、使用時においてはガイド鋼管の上部を水面上に位置させることが必須となる。そのため、このガイド鋼管を、仮に海、湖、河などの水深の深い箇所に配置したならば、ガイド鋼管の内部が開口部を通じて水で充満されることになり、既述の電気的な短絡に由来する検出器具の機能障害を回避することができない。
加えて、上記のガイド鋼管を、海、湖、河などの水底に設置した場合にも、同様にして、ガイド鋼管の内部が水で充満されることになるため、水底の堆積物に含有している放射性物質の量を適切に測定することができない。そのため、原子力発電所の事故等による水底での放射性物質の降下量を測定してその分布図を作成する上で大きな妨げとなる。
尚、分布図の作成に際しては、上空から飛行機等の飛行物体により、放射性物質の降下量を測定することが行われているが、このような手法では、水中や水底の堆積物中における放射性物質量を測定することができないため、地上における放射線の降下量を測定できるに留まる。そこで、ダイバーがハンディタイプの放射性物質検知装置を手で握持して潜水し、水中や水底の堆積物中の放射性物質量を測定したり、或いは、水底の堆積物を地上に持ち上げて実験室等でその堆積物中の放射性物質量を測定したりすることが試みられているが、これを行うためには、作業や手間が極めて煩雑になるという問題を有している。
以上の観点から、本発明の課題は、水深の深い水中または水底であっても、放射能の減衰を招くことなく且つ水による悪影響を受けない放射能測定装置を提供することにある。
上記課題を解決するために創案された本発明は、水面下に存在している放射性物質から発せられる放射線を検出する検出器具を有し、水面下における放射性物質量を測定する放射能測定装置であって、前記検出器具が、密閉状態とされた樹脂製の耐圧容器の内部に収容されると共に、前記検出器具から信号を送る信号線のケーブルが、前記耐圧容器の内部が密閉状態のままで外部に引き出されていることに特徴づけられる。ここで、「水面下に存在している放射性物質」とは、海、湖、河などの水中に存在している放射性物質または水底の堆積物(例えば泥)に含まれている放射性物質を意味する。
このような構成によれば、放射線を検出する検出器具が、樹脂製の耐圧容器の内部に収容されており、樹脂は鋼などの金属と比較して、放射能の大幅な減衰を招くことがないため、高感度で水面下における放射性物質の量を適切に測定することが可能となる。しかも、この検出器具は、密閉状態(水密状態)とされた耐圧容器の内部に収容され、且つ、検出器具から耐圧容器の外部にケーブルが引き出されているにも関わらず、耐圧容器の内部が密閉状態に維持されているため、耐圧容器を水面下に完全に水没させても、電気的な短絡などの水による悪影響を受けることが回避される。そして、検出器具からの信号は、ケーブルを通じて例えば水面上に確実に送信される。更に、検出器具は、物を入れるうつわとしての役割を果たす容器(耐圧容器)の内部に収容されているため、例えばダイバーが潜水して手で握持した状態で水底の堆積物(泥など)に密着させることにより放射性物質量を測定するように構成されたハンディタイプのものとは異なり、水底の堆積物上に耐圧容器を設置保持した状態で放射性物質量を測定することが可能となる。加えて、耐圧容器は、樹脂で形成されているにも関わらず、耐圧性を有しているため、水深の深い水中や水底であっても、水圧による不当な変形や破損等を回避することができる。
この放射能測定装置において、前記耐圧容器の外表面における下端面は、水底の堆積物との接触面とされると共に、前記検出器具は、前記水底の堆積物上に設置保持された状態で、前記水底の堆積物に含有されている放射性物質から発せられる放射線を検出するように構成されていることが好ましい。
このようにすれば、耐圧容器の外表面における下端面が、水底の堆積物との接触面とされているので、耐圧容器の内部に収容されている検出器具と水底の堆積物とが近づくことになり、これにより水が介在されることによる感度低下を招くことなく高感度で堆積物に含有されている放射性物質の量を測定することが可能となる。その場合、検出器具を、耐圧容器の内部における下端部に収容すれば、このような効果を顕著に得ることができる。
また、この放射能測定装置において、前記耐圧容器は、枠部材を組み立てた枠組体により包囲されて支持されると共に、該枠組体は、水底の堆積物上に設置保持されることにより前記検出器具の倒れを防止するように構成され、且つ、前記枠組体が水底の堆積物上に設置保持された状態の下では、前記耐圧容器の下端面が前記水底の堆積物に密着するように構成されていることが好ましい。
このようにすれば、検出器具が収容された耐圧容器は、水底の堆積物上に設置保持される枠組体に支持されて倒れが防止されるため、検出器具は、正確な姿勢で堆積物上に設置保持されることになる。従って、検出器具の検出面に対して、水底の堆積物からの放射線が垂直に当たる状態とすることができ、検出器具の感度をさらに高めることができる。しかも、枠組体が水底の堆積物上に設置保持された状態の下では、耐圧容器の下端面が堆積物に密着するように、該検出器具が枠組体に支持されているので、さらなる感度の向上が図られる。
更に、この放射能測定装置において、前記枠組体は、前記検出器具の支持位置を上下方向に対して調整する調整手段を備えていることが好ましい。
このようにすれば、枠組体が水底の堆積物上に設置保持される場合に、堆積物の柔らかさ等に相違がある場合であっても、検出器具の下端面が堆積物に確実に密着することになる。
また、この放射能測定装置において、前記検出器具は、放射性物質の核種を判別する核種判別手段を備えていることが好ましい。
このようにすれば、検出器具によって検知可能とされる放射性物質の種類が複数種となるため、より詳しく放射性物質量の測定を行うことが可能となると共に、放射性物質の降下量の分布図を、より緻密に作成することが可能となる。
更に、この放射能測定装置において、前記検出器具は、上部に前記核種判別手段が内蔵されると共に、下部に放射線検出手段が内蔵されていることが好ましい。
このようにすれば、検出器具が有している核種判別機能と放射線検出機能とが、有効に且つ効率良く発揮される。すなわち、水底の堆積物に含まれている放射性物質の種類を的確に判別できると同時に、その堆積物に放射線検出手段を可能な限り近づけることができるため、それら複数種の放射性物質の各量を極めて高感度で測定できることになる。
また、この放射能測定装置において、前記検出器具は、上下方向に沿う軸中心線を有する円柱状体であると共に、前記耐圧容器は、前記検出器具の外周側を隙間を介して覆う筒状部と、前記検出器具の上下方向両端をそれぞれ覆う蓋部とから構成され、且つ、前記耐圧容器における筒状部の内周面と前記検出器具の外周面との間の隙間の下部分に、放射線を遮蔽する遮蔽体を挿入することが好ましい。
このようにすれば、検出器具の下部に内蔵されている放射線検出手段の外周側が全周に亘って遮蔽体により覆われた状態となり、放射線検出手段の下端面は遮蔽体により覆われていない状態となる。その結果、水底の堆積物の上方に存在している放射性物質からの放射線の影響を受けることなく、堆積物に含まれている放射性物質の量を正確に測定することが可能となる。
この放射能測定装置において、前記耐圧容器における筒状部の内周面と前記検出器具の外周面との間の隙間に、前記検出器具の上下方向中間部分を前記耐圧容器に固定保持する器具固定部材を介設することが好ましい。
このようにすれば、耐圧容器に対する検出器具の位置及び姿勢を、常に正確に維持することが可能となると共に、筒状部に作用する水圧を器具固定部材で受けることができるため、筒状部の水圧による変形を阻止する役割をも果たすことが可能となる。
以上のような構成を備えた放射能測定装置において、前記検出器は、水深の相違に伴う温度変化に対して感度変化を補償する温度補償機能を有することが好ましい。
このようにすれば、水深の深さの影響を受けることなく、高感度で放射性物質量を測定することが可能となる。
以上のような構成を備えた放射能測定装置において、前記検出器具から信号を送る信号線のケーブルが、水面上の電子情報処理装置に接続されていることが好ましい。
このような構成によれば、水面下で放射能を測定した結果として得られた信号が、地上や船上に配備しているパーソナルコンピュータ等の電子情報処理装置に送られ、各種の分析や分布図の作成等が行われることになるため、その信号の有効利用が図られる。
以上のように本発明によれば、水深の深い水中または水底であっても、放射能の減衰を招くことなく且つ水圧による破損や水の浸入等のように水による悪影響を受けない放射能測定装置を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る放射能測定装置の全体構成を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態に係る放射能測定装置の全体構成を示す概略斜視図である。 図3(a)は、本発明の実施形態に係る放射能測定装置の全体構成を示す概略平面図であり、図3(b)は、本発明の実施形態に係る放射能測定装置の全体構成を示す要部破断正面図である。 本発明の実施形態に係る放射能測定装置の構成要素である検出器具が耐圧容器の内部に収容された状態を示す縦断正面図である。 本発明の実施形態に係る放射能測定装置の使用状態を示す概略正面図である。
以下、本発明の実施形態に係る放射能測定装置について添付図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る放射能測定装置1の全体構成を示す概略斜視図である。これら各図に示すように、放射能測定装置1は、円柱状の検出器具2と、この検出器具2を密閉状態(水密状態)で収容する耐圧容器3と、この耐圧容器3を包囲して保持する枠組体4とを主たる構成要素とする。そして、検出器具2からの信号を送る信号線のケーブル5が、耐圧容器3の内部を密閉状態に維持した状態で外部に引き出されている。尚、ケーブル5は、枠組体4の一部に止着されることにより、ケーブル5から検出器具2に不当な引張り力が作用しないように構成されている。また、枠組体4の上端部中央には引っ掛け部材6が固定され、この引っ掛け部材6に、ワイヤー等からなる可撓性を有する吊り部材7の下端部が連結支持されている。
枠組体4は、下端部に配置されて台座部としての役割を果たす上下二段のリング状枠部材8、9と、上段のリング状枠部材8に周方向等間隔で立設固定され且つ上端部で中央部側に折曲されて中央で引っ掛け部材8に集約して固定された複数本(図例では四本)のパイプ状枠部材10と、対向するパイプ状枠部材10の起立部にそれぞれ固定されて中央側に向かって延びる上下複数段(図例では二段)のロッド状枠部材11とを有する。そして、これらロッド状枠部材11の中央側端部に、耐圧容器3が固定されることにより、枠組体4に耐圧容器3が保持されている。
上下二段のリング状枠部材8、9は、上下に離間して配置されており、これらのリング状枠部材8、9の周方向等間隔(図例では90°の角度間隔)を隔てた複数箇所に、耐圧容器3の支持位置を上下方向に対して調整する調整手段12が配置されている。この場合、枠組体4の構成要素である各枠部材8、9、10、11の全てまたは大半は、ステンレス鋼などの金属製であって、耐圧容器3を保持した状態で自重により水底まで水没するように構成されている。
図3(a)、(b)に示すように、枠組体4は、検出器具2が収容された耐圧容器3を外部に露出させた状態で包囲している。詳述すると、耐圧容器3の上側は、複数本のパイプ状枠部材10の上部により一部領域が包囲されると共に、耐圧容器3の外周側は、複数本のパイプ状枠部材10の起立部により一部領域が包囲されているのに対して、耐圧容器3の下側は、全領域が外部に露出した状態とされている。そして、枠組体4の中心軸線と、耐圧容器3の中心軸線とは、合致している。
検出器具2は、図4に示すように、下部に存する放射線検出器13と、その上部に連結された核種判別器14とを有し、放射線検出器13は、その下端部に放射線検出手段(放射線検出センサーとしての例えばヨウ化ナトリウムまたは臭化ランタンの結晶)13aを内蔵すると共に、核種判別器14は、この実施形態ではセシウム137 とセシウム134 とを判別する核種判別手段(マルチチャンネルアナライザー:MCA)を内蔵している。従って、この実施形態に係る検出器具2は、放射性物質としてのセシウム137 と、セシウム134 との量を、別々に測定するように構成されている。
耐圧容器3は、検出器具2の外周側を隙間を介して覆う透明のアクリル等の耐圧性樹脂からなる円筒形の筒状体15と、この筒状体15の上下両端にそれぞれOリング16、17を介在させて密に嵌合された円板形の上蓋体18及び下蓋体19とから構成されている。この場合、上蓋体18と下蓋体19とは何れも、筒状体15の材質よりも軟質の耐圧性樹脂(例えばMCナイロン(登録商標)等)で形成され、締付バンド20、21により筒状体15の上下両端にそれぞれ締め付け固定されている。
耐圧容器3の内部においては、検出器具2における核種判別器14と放射線検出器13との間のくびれ部22を挟持して筒状体15の内周面に蜜に嵌合された器具固定部材23を有し、この器具固定部材23が、検出器具2を耐圧容器3内に固定支持している。この器具固定部材23は、例えば、平面視形状が円形の板状体を中央で二分割し、その一対の板状体をボルト24により締め付ける構造とされる。
更に、耐圧容器3の内部においては、上蓋体18の下面に形成された凹部18aと器具固定部材23との間に、核種判別器14の外周側を覆う上部固定パイプ25が配設されると共に、下蓋体19の下面に形成された凹部19aと器具固定部材23との間に、放射線検出器13の外周側を覆う下部固定パイプ26が配設されている。そして、耐圧容器3の筒状体15と下部固定パイプ26との間の隙間には、放射線を遮蔽する材質である鉛等からなる円筒状の遮蔽体27が配設されている。
換言すると、検出器具2における放射線検出器13の下端部は、耐圧容器3の下蓋体19の凹部19aに挿入され、且つ、放射線検出器13の外周側は、遮蔽体27により覆われている。これにより、放射線検出器13の放射線検出センサー13aは、耐圧容器3の下端面(下蓋体19の下端面)に可能な限り近づくと共に、外周側からの放射線が遮蔽体27によって遮蔽されて、下方からの放射線を主として受けることになる。
また、検出器具2の上端には、放射線検出センサー13a及び核種判別器14により検出されて判別された複数種(この実施形態では二種)の放射性物質の量を電気信号として取り出す信号線5aが接続されている。そして、この信号線5aは、上蓋体18の中央部に固定されたプラグ28を介してケーブル5として外部に引き出されている。この場合、上蓋体18の中央領域(プラグ28の周辺領域)は、水蜜状態にシールされている。従って、耐圧容器3の内部空間は、完全に密閉状態とされ、且つ、水深100m〜150m程度であっても押し潰されない構造とされている。
更に、検出器具2からの信号を送るケーブル5は、水面上(例えば船上または船中)に配備されているパーソナルコンピュータ等の電子情報処理装置に接続される構成とされている。加えて、検出器具2は、水深の相違に伴う温度変化に対して感度変化を補償する温度補償機能を有している。
以上の構成を備えた放射能測定装置1は、例えば船上等から吊り部材7により吊り下げ支持された状態にある枠組体4及びこれに固定保持されている耐圧容器3を、その内部の検出器具2と共に、図5に示すように、水深が100m〜150m程度の海底等の水底の堆積物(泥等)30の上に設置する。この図5に示す状態の下では、水底の堆積物30に対して、検出器具2の放射線検出器13ひいては放射線検出センサー13aが可能な限り近づいている。
この場合、耐圧容器3における下蓋体19の下端面が堆積物30に接触(密着)しており、この状態の下では、放射線検出器13の下端面と、堆積物30との間には、放射線を減衰させにくい樹脂からなる下蓋体19のみが介在した状態となる。しかも、放射線検出器13の外周側は、軸線方向全長に亘って放射線を遮蔽する遮蔽体27により覆われている。そのため、堆積物30に含まれている放射性物質(例えばセシウム137 及びセシウム134 等)から発せられた放射線の大半は、矢印Aで示すように、放射線検出器13の下端面に対して垂直な方向性をもつことになる。すなわち、放射線検出器13の外周側から入射しようとする放射線は、遮蔽体27により遮蔽されて外乱となることが阻止される。
これにより、堆積物30中の放射性物質から発せられた放射線は、不当に減衰されることなく且つ適切な方向性をもって放射線検出器13ひいては放射線検出センサー13aにより高感度で検出されることになる。そして、核種判別器14の核種判別手段の動作により、例えばセシウム137 及びセシウム134 等の複数の核種の放射性物質量が判明することになり、これらの放射性物質量を示す信号が、ケーブル5を通じて船上等の電子情報処理装置に送られる。この場合、枠組体4の下端部に存する上下二段のリング状枠部材8、9の上下方向離間寸法を、調整手段12により変化させることにより、堆積物30の硬さの相違に応じて、これらリング状枠部材8、9が堆積物30中に沈み込む深さが調整される。
そして、船上等からの作業により、枠組体4の堆積物30上の設置位置を移動させていくことにより、水底の至る箇所で核種ごとの放射性物質量を測定できることになるため、水底の堆積物30についての放射性物質量の分布図を作成することができる。
尚、上記実施形態では、耐圧容器3の筒状体15が円筒形状とされ且つ上蓋体18及び下蓋体19が円板形状とされているが、筒状体15を角筒形状とし且つ上蓋体18及び下蓋体19を角板形状としてもよい。
また、上記実施形態では、検出器具2が、放射線検出器13と核種判別器14とを有しているが、核種判別器14を有しないものとすることもできる。
更に、上記実施形態では、枠組体4を図1及び図2に示すような構造としたが、複数本の枠部材を組み立てることにより耐圧容器3を包囲して固定支持できる構造であれば、他の構造であってもよい。但し、他の構造にする場合であっても、枠組体4の下端部に、耐圧容器3の下端部が位置するような構造とすることが好ましい。
また、上記実施形態では、図5に示すように、枠組体4の下端部に存する上下二段のリング状枠部材8、9が堆積物30中に沈み込み且つ耐圧容器3の下端面が堆積物30の上面に接触する場合を例示したが、耐圧容器3の下端面が堆積物30と接触していれば、下段のみのリング状枠部材9が堆積物30中に沈んでいてもよく、それとは逆にパイプ状枠部材10の起立部の下部までもが堆積物30に沈み込んでいてもよく、更には耐圧容器3の下蓋体19や筒状体15の下部が堆積物30中に沈み込んでいてもよい。
更に、上記実施形態では、検出器具2が収容された耐圧容器3を枠組体4により固定支持させて、水底の堆積物30中に含まれている放射性物質の量を測定するようにしたが、枠組体4を水底に着底させずに水中に存在している放射性物質の量を測定するようにしてもよい。尚、このような測定手法とする場合には、枠組体4を使用せずに、耐圧容器3の上端にワイヤー等の吊り部材7を取り付け、必要に応じて錘を付設するようにしてもよい。
1 放射能測定装置
2 検出器具
3 耐圧容器
4 枠組体
5 ケーブル
7 吊り部材
15 耐圧容器の筒状部(筒状体)
18 耐圧容器の上蓋体
19 耐圧容器の下蓋体
12 調整手段
13 放射線検出器
13a 放射線検出手段(放射線検出センサー)
14 核種判別器
23 器具固定部材
27 遮蔽体
30 堆積物

Claims (7)

  1. 水面下に存在している放射性物質から発せられる放射線を検出する検出器具を有し、水面下における放射性物質量を測定する放射能測定装置であって、
    前記検出器具が、密閉状態とされた樹脂製の耐圧容器の内部に収容され、前記検出器具から信号を送る信号線のケーブルが、前記耐圧容器の内部が密閉状態のままで外部に引き出されており、
    前記耐圧容器は、その外表面における下端面が、水底の堆積物に接触すると共に、
    前記検出器具は、上部に放射性物質の核種を判別する核種判別手段が内蔵され且つ下部に放射線検出手段が内蔵されて、倒れが防止されるように保持された状態で、前記水底の堆積物に含有されている放射性物質から発せられる放射線を検出するように構成されている
    ことを特徴とする放射能測定装置。
  2. 前記耐圧容器は、枠部材を組み立てた枠組体により包囲されて支持されると共に、該枠組体は、水底の堆積物上に設置保持されることにより前記検出器具の倒れを防止するように構成され、且つ、前記枠組体が水底の堆積物上に設置保持された状態の下では、前記耐圧容器の下端面が前記水底の堆積物に密着するように構成されていることを特徴とする請求項に記載の放射能測定装置。
  3. 前記枠組体は、前記検出器具の支持位置を上下方向に対して調整する調整手段を備えていることを特徴とする請求項に記載の放射能測定装置。
  4. 前記検出器具は、上下方向に沿う軸中心線を有する円柱状体であると共に、前記耐圧容器は、前記検出器具の外周側を隙間を介して覆う筒状部と、前記検出器具の上下方向両端をそれぞれ覆う蓋部とから構成され、且つ、前記耐圧容器における筒状部の内周面と前記検出器具の外周面との間の隙間の下部分に、放射線を遮蔽する遮蔽体を挿入したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の放射能測定装置。
  5. 前記耐圧容器における筒状部の内周面と前記検出器具の外周面との間の隙間に、前記検出器具の上下方向中間部分を前記耐圧容器に固定保持する器具固定部材を介設したことを特徴とする請求項に記載の放射能測定装置。
  6. 前記検出器は、水深の相違に伴う温度変化に対して感度変化を補償する温度補償機能を有することを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の放射能測定装置。
  7. 前記検出器具から信号を送る信号線のケーブルが、水面上の電子情報処理装置に接続されていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の放射能測定装置。
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