JP5716231B1 - 汚染物質分別装置及び汚染物質分別方法 - Google Patents

汚染物質分別装置及び汚染物質分別方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5716231B1
JP5716231B1 JP2014156632A JP2014156632A JP5716231B1 JP 5716231 B1 JP5716231 B1 JP 5716231B1 JP 2014156632 A JP2014156632 A JP 2014156632A JP 2014156632 A JP2014156632 A JP 2014156632A JP 5716231 B1 JP5716231 B1 JP 5716231B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pollutant
contaminant
container
radioactivity
radiation detector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014156632A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016033491A (ja
Inventor
康治 岡城
康治 岡城
暁 遠藤
暁 遠藤
剛 梶本
剛 梶本
畑島 敏勝
敏勝 畑島
康宏 高畠
康宏 高畠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kitagawa Iron Works Co Ltd
Hiroshima University NUC
Hitachi Ltd
Original Assignee
Kitagawa Iron Works Co Ltd
Hiroshima University NUC
Hitachi Aloka Medical Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kitagawa Iron Works Co Ltd, Hiroshima University NUC, Hitachi Aloka Medical Ltd filed Critical Kitagawa Iron Works Co Ltd
Priority to JP2014156632A priority Critical patent/JP5716231B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5716231B1 publication Critical patent/JP5716231B1/ja
Publication of JP2016033491A publication Critical patent/JP2016033491A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Radiation (AREA)

Abstract

【課題】汚染物質の放射能濃度を精度良く測定でき、かつ、大量の汚染物質を効率よく分別することができる汚染物質分別装置及び汚染物質分別方法を提供する。【解決手段】本発明の汚染物質分別装置10は、放射性核種で汚染された汚染物質を収容する容器11と、容器11内の一部に設けられた放射能測定部12と、放射能測定部12内の略中心に配置された放射線検出器13と、放射線検出器13で検出した放射能濃度に基づいて、容器11内に収容した汚染物質を分別する分別手段とを備え、放射能測定部12の内壁面と放射線検出器13との最小距離をD、汚染物質内における放射性核種からの放射線量の自己遮蔽効果による遮蔽距離をLとしたとき、D>Lとなるように、放射能測定部12の大きさが設定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、放射性核種で汚染された汚染物質を、放射能濃度に基づいて分別する汚染物質分別装置及び汚染物質分別方法に関する。
セシウム等の放射性核種で汚染された汚染土壌は、放射能汚染の基準値を超える高濃度汚染土壌と、基準値以下の低濃度汚染土壌とに分別することで、前者は、中間貯蔵施設に貯蔵され、後者は、一定の条件の下で再利用することが可能になる。
汚染土壌の放射能濃度を測定する方法として、汚染土壌の一部をサンプルとして採取し、採取したサンプルの放射能濃度を測定することによって、汚染土壌全体の放射能濃度を把握する方法がある。しかしながら、この方法は、汚染土壌を分別するラインにおいて、汚染土壌の放射能濃度をインラインで測定(その場測定)できないため、大量に発生した汚染土壌を分別するのに、長時間を要してしまうという問題がある。
特許文献1には、放射能汚染された瓦礫を破砕して生じた破砕片を、ベルトコンベアー上に連続的に供給し、ベルトコンベアー上を移動する破砕片の層厚を調整した後、破砕片の放射能濃度を連続的に測定することによって、破砕片を分別する方法が記載されている。この方法では、破砕片の放射能濃度を、インラインで測定することができるため、大量に発生した汚染物質の分別を短時間で行うことができる。
特開2014−9998号公報
汚染土壌の分別の基準となる放射能濃度は、単位質量当たりの放射線量(Bq/Kg)であるため、汚染土壌の放射能濃度の測定では、測定対象土壌の密度(体積と質量)を精度良く測定する必要がある。
特許文献1に記載された分別方法では、ベルトコンベアー上を破砕片(汚染物質)が連続的に移動するため、測定対象物質の密度を精度良く測ることが難しい。そのため、放射能濃度の測定誤差が大きくなるため、放射能濃度を分別する設定値を、本来の基準値よりも低い数値に設定しなければならない。その結果、高濃度汚染物質の分別量が増え、低濃度汚染物質の分別量が減るため、高濃度汚染物質を中間貯蔵施設に貯蔵する負担が増加し、再利用できる低濃度汚染物質が減少してしまうという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その主な目的は、汚染物質の放射能濃度を精度良く測定でき、かつ、大量の汚染物質を効率よく分別することができる汚染物質分別装置及び汚染物質分別方法を提供することにある。
本発明は、汚染物質を収容する容器内の一部に放射能測定部を設け、放射能測定部の中心に放射線検出器を配置し、放射能測定部の大きさを、汚染物質の自己遮蔽効果による遮蔽距離を半径とする球よりも大きくしたものである。
すなわち、本発明に係る汚染物質分別装置は、放射性核種で汚染された汚染物質を収容する容器と、容器内の一部を構成して汚染物質を収容する放射能測定部と、放射能測定部内の略中心に配置されたが放射線検出器と、放射線検出器で検出した放射能濃度に基づいて、容器内に収容した汚染物質を分別する分別手段とを備え、放射能測定部の内壁面と放射線検出器との最小距離をD、汚染物質内における放射性核種からの放射線量の自己遮蔽効果による汚染物質の種類に固有の遮蔽距離をLとしたとき、D>Lとなるように、放射能測定部の大きさが設定されており、放射線検出器の周囲の汚染物質の放射線量を測定したとき、放射線検出器の周囲の汚染物質の厚みが増えて放射線量が一定の値に収束し、それ以上厚みが増えても放射線量が増加しない厚みをLとしたとき、遮蔽距離Lは、L=L±10%の範囲内にあることを特徴とする。
本発明に係る汚染物質分別方法は、放射性核種で汚染された汚染物質を容器内に収容する工程(a)と、容器内に収容された汚染物質の放射能濃度を検出する工程(b)と、検出した放射能濃度に基づいて、容器内に収容した汚染物質を分別する工程(c)とを含み、放射能濃度は、容器内の一部構成して汚染物質を収容する放射能測定部内の略中心に配置された放射線検出器によって検出され、放射能測定部の内壁面と放射線検出器との最小距離をD、汚染物質内における放射性核種からの放射線量の自己遮蔽効果による汚染物質の種類に固有の遮蔽距離をLとしたとき、D>Lとなるように、放射能測定部の大きさが設定されており、放射線検出器の周囲の汚染物質の放射線量を測定したとき、放射線検出器の周囲の汚染物質の厚みが増えて放射線量が一定の値に収束し、それ以上厚みが増えても放射線量が増加しない厚みをLとしたとき、遮蔽距離Lは、L=L±10%の範囲内にあることを特徴とする。
本発明によれば、汚染物質の放射能濃度を精度良く測定でき、かつ、大量の汚染物質を効率よく分別することができる汚染物質分別装置及び汚染物質分別方法を提供することができる。
本発明の一実施形態における汚染物質分別装置の構成を模式的に示した断面図である。 本発明の一実施形態における放射能測定部の構成を模式的に示した図である。 放射線検出器の位置における汚染物質の放射線量と放射線検出器から放射能測定部の内壁面までの距離との関係を示したグラフである。 本発明の一実施形態における放射能測定部の具体的構成を示した図である。 放射線検出器の位置における汚染物質の特定放射線の検出計数と放射線検出器から放射能測定部の内壁面までの距離との関係を、汚染物質の密度毎に示したグラフである。 本発明の一実施形態における放射能濃度算出手段の構成を示したブッロク図である。 バックグランドからの空間線量と放射能測定部の内壁面からの距離との関係を示したグラフである。 本発明の一実施形態における汚染物質の分別ラインの構成を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態における汚染物質分別方法を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。
図1は、本発明の一実施形態における汚染物質分別装置の構成を模式的に示した断面図である。ここで、「汚染物質」とは、放射性核種によって汚染された物質を意味し、放射性核種によって汚染されていない物質が混合されたものも含む。また、汚染物質の種類は限定されず、例えば、汚染された土壌、瓦礫、草木等を含む。
図1に示すように、本実施形態における汚染物質分別装置10は、放射性核種で汚染された汚染物質20を収容する容器11と、容器11内の一部に設けられた放射能測定部12と、放射能測定部12内の略中心に配置された放射線検出器13とを備えている。放射能測定部12の外壁の一部は、開閉可能な開閉部18になっており、汚染物質20の放射能濃度の測定が終了すると、開閉部18が開放されて、汚染物質20が排出される。排出された汚染物質20は、放射線検出器13で検出した放射能濃度に基づいて、分別される。
ここで、放射線検出器13は、筒状の収容容器14内に設置され、収容容器14によって、容器11内に投入される汚染物質20から保護されている。放射線検出器13は、γ線の他、α線やβ線などの放射線を検出することができる検出器を含む。例えば、γ線検出器として、NaIシンチレータ等が用いられる。また、放射線検出器13による放射線量の検出は、例えば、放射線検出器13で測定した特定放射線(例えば、セシウム134やセシウム137等)のピーク計数率から算出することができる。
容器11には、質量検出器16、及び容積検出器17が取り付けられており、これらを用いて、容器11内に収容された汚染物質20の密度が測定される。ここで、質量検出器16は、例えば、ロードセル等が用いられる。また、容積検出器17は、例えば、非接触方式のレベル計や3次元測定器等が用いられる。なお、密度を測定する際には、予め、容器11内に供給された汚染物質20の表面を平らにならしておくことが好ましい。
ところで、汚染土壌等の汚染物質20は、それ自体、汚染物質20内における放射性核種からの放射線量を遮蔽する、いわゆる自己遮蔽効果を有している。従って、図2に示すように、放射能測定部12内の略中心に配置された放射線検出器13で、放射線検出器13の周囲の汚染物質20の放射線量を測定した場合、放射線検出器13で検出される放射線量は、図3に示すように、放射線検出器13からの距離が一定以上になると収束する。この放射線量が収束する距離を、汚染物質20内における放射性核種からの放射線量の遮蔽距離Lとすると、放射線検出器13は、遮蔽距離Lを半径とする球の内側にある汚染物質20の放射線量を測定していることになる。なお、本実施形態における遮蔽距離Lは、厳密に定まるものではなく、一定の幅を有する値として定義される。すなわち、放射線検出器13の周囲の汚染物質20の放射線量を測定したとき、放射線検出器13の周囲の汚染物質の厚みが増えて放射線量が一定の値に収束し、それ以上厚みが増えても放射線量が増加しない厚みをLとしたとき、遮蔽距離Lは、Lの値に対して±10%以内の範囲を含む距離と定義される。また、本実施形態における遮蔽距離Lは、放射能濃度の測定対象物である汚染物質の種類によって変わり、また、後述するように、汚染物質の密度によっても変わる。
従って、図2に示すように、放射能測定部12の内壁面と放射線検出器13との最小距離をDとしたとき、D>Lになるように、放射能測定部12の大きさを設定することによって、放射線検出器13の測定対象物質を、遮蔽距離Lを半径とする球内の汚染物質20に特定することができる。しかも、遮蔽距離Lは、汚染物質20の固有のパラメータとして一義的に決めることができるため、測定対象物質の体積V(Lを半径とする球の体積)を容易に求めることができる。従って、汚染物質の密度ρを予め測定しておけば、測定対象物質の質量M(M=V・ρ)を容易に求めることができる。これにより、放射線検出器13で検出した放射線量Qと、測定対象物質の質量Mから、汚染物質の放射能濃度Nを、次式(1)を用いて容易に求めることができる。
N=Q/M=Q/(V・ρ) ・・・(1)
ここで、Vは、Lを半径とする球の体積(V=4/3πL)である。
ところで、図2に示した放射線検出器13は、その周囲を汚染物質20で隙間なく覆った状態になっているが、実際には、図4に示すように、放射線検出器13は、汚染物質20から保護するために、収容容器14の中に入れられている。収容容器14内は、自己遮蔽効果を有する汚染物質20がないため、収容容器14内での放射線の減衰は非常に小さい。従って、放射線検出器13の測定対象物質が占める範囲は、図4に示すように、遮蔽距離Lを半径とする球から幾何学的に少し異なり、収容容器14の外周からの距離Lが一定の範囲となる。
このように、実際の放射線検出器13の測定対象物質が占める体積V’は、遮蔽距離Lを半径とする球の体積Vに対して、収容容器14の形状を考慮して、次式(2)に示すように、幾何学的な補正を行う必要がある。
V’=K・V(Kは補正係数) ・・・(2)
また、放射線検出器13の測定対象物質が占める範囲において、放射線検出器13から離れたところにある汚染物質20からの放射線量は、放射線検出器13に届くまでに、汚染物質20の自己遮蔽効果により減衰する。従って、汚染物質20の放射能濃度Nを、上記式(1)で求める際に、放射線検出器13の測定対象物質が占める実質的な体積V’は、次式(3)に示すように、遮蔽距離Lを半径とする球の体積Vに対して、汚染物質20の自己遮蔽効果による放射線量の減衰を考慮した補正を行う必要がある。
V’’=K・V(Kは補正係数) ・・・(3)
また、放射線検出器13は、収容容器14の内側に設置されているため、収容容器14の外側にある汚染物質20からの放射線量は、収容容器14を透過する際、減衰する。従って、汚染物質20の放射能濃度Nを、上記式(1)で求める際に、放射線検出器13で検出した放射線量Qは、次式(4)に示すように、収容容器14の遮蔽効果を考慮した補正を行う必要がある。
Q’=K・Q(Kは補正係数) ・・・(4)
このように、実際の放射能濃度Nを算出するに当たっては、遮蔽距離Lを半径とする球の体積V、及び放射線検出器13で検出した放射線量Qに対して、以下の式(5)に示すような補正係数Kを用いて算出する必要がある。
N=Q’/M
=Q’/(V’・ρ)
=KQ/(K・K・V・ρ)
=Q/(K・V・ρ) ・・・(5)
ここで、K=K/(K・K);Vは、Lを半径とする球の体積(V=4/3πL)である。
以上は、放射能濃度Nを算出する原理を説明したものであるが、K・K・K・Vは放射能測定部12や放射線検出器13の収容容器14によって固有の値となるので、実施段階においては、放射能濃度Nを算出する上で、各々のパラメータを単独で求める必要はない。例えば、実施段階で用いるのと同一の放射能測定部12と、放射線検出器13の収容容器14とを用意し、サンプル汚染物質を用いて、実験的にQとρを測定すると共に、別途設けた放射能濃度測定器(例えば、ゲルマニウム半導体検出器等)で、サンプル汚染物質の正確な放射能濃度Nを測定する。これによって、(5)式から実験的に(K・V)を予め求めておくことができる。
ところで、汚染物質20の自己遮蔽効果は、汚染物質20の密度によっても変わる。図5は、汚染物質20の放射能濃度(Bq/kg)と測定時間は一定とした上で、密度ρを変えて、γ線検出器13が感知する周囲の汚染物質20からの特定放射線(セシウム137)の検出計数(ピーク計数率×測定時間)を、それぞれシミュレーション計算した結果を示したグラフである。ここで、汚染物質20は、汚染土壌を用い、密度ρは、1.2〜1.5g/cmの範囲(ρ>ρ>ρ>ρ)に変えて、シミュレーション計算を行った。特定放射線の検出計数とγ線検出器13からの距離との関係は、図3に示したように、γ線検出器13からの距離が一定以上になると、検出計数は、ほぼ収束している。ここで、シミュレーション計算で求めた検出計数は、図3に示した放射線量に対応するものである。
図5に示すように、汚染物質20の密度ρが大きくなると、γ線検出器13が感知する汚染物質の質量が増すので、特定放射線の検出計数は増加するが、自己遮蔽効果も大きくなるので、特定放射線の検出計数は、逆に減少する。しかしながら、増減双方の影響はあるものの、総合的には汚染物質20の密度ρが大きくなると、γ線検出器13で検出する特定放射線の検出計数は増加する。従って、遮蔽距離Lを半径とする球の体積Vは、汚染物質20の密度ρをパラメータとして定める必要がある。そのため、上式(5)を用いて、汚染物質20の放射能濃度Nを算出する際には、(K・V)とρとの関係を予め密度の異なる複数の汚染物質で測定しておき、そのデータに基づいて、(K・V)を求める必要がある。
図6は、本実施形態における放射能濃度算出手段の構成を示したブッロク図である。
図6に示すように、放射能濃度算出手段50は、算出部51及び記憶手段52を備えている。算出部51には、放射線検出器13で検出した汚染物質20の放射線量Q、及び、密度測定手段54(容器11に取り付けられた質量検出器16及び容積検出器17)で測定した汚染物質20の密度ρが、それぞれ入力される。
記憶手段52には、(K・V)とρとの関係を予め測定したデータが記憶されている。そして、算出部51では、例えば、特定放射線のピーク計数率(若しくは検出計数)から放射線量Qを算定すると共に、上記の式(5)に基づいて、汚染物質の密度ρ、及び(K・V)の各データを用いて、汚染物質20の放射能濃度Nを算出する。
放射能濃度算出手段50で算出した放射能濃度Nのデータは、分別手段53に入力される。分別手段53では、放射能濃度Nと、放射能濃度を分別する基準値とを比較し、放射能濃度Nが基準値よりも高ければ、高濃度汚染物質として分別し、基準値よりも低ければ、低濃度汚染物質として分別する。
以上、説明したように、本実施形態における汚染物質分別装置によれば、放射能測定部12の大きさを、汚染物質20の自己遮蔽効果による遮蔽距離Lを半径とする球よりも大きくすることによって、放射線検出器13の測定対象物質の範囲を、遮蔽距離Lを半径とする球に特定できるため、測定対象物質の密度(体積及び質量)を精度良く測定することができる。また、遮蔽距離Lを半径とする球は、放射線検出器13が汚染物質の放射線量を計測できる最大の範囲であるため、最大限の放射線量を計測することができる。そのため、放射線検出器13の検出感度を高めることができる。
また、図1に示すように、放射能測定部12は、汚染物質20を収容する容器11の一部に設ければよいため、放射線検出器13の測定対象物質の範囲を非常に小さくすることができる。これにより、大量の汚染物質の分別を、短時間に効率よく行うことができる。
例えば、遮蔽距離Lを30cmとすると、放射能測定部12の大きさは、半径50cmの球の容積を確保すれば十分である。これに対して、容器11の大きさは、任意に決めることができるが、例えば、容器11の大きさを、半径1m、高さ1mの円柱とした場合、放射能測定部12の容積(約0.5m)は、容器11の容積(約3m)に対して、約1/6にすることができる。
本実施形態において、大量の汚染物質の分別を、短時間に効率よく行うためには、放射能測定部12の容積を、容器11の容積に対して、少なくとも1/5以下にすることが好ましく、1/10以下にすることがより好ましい。
ところで、汚染物質の分別を、放射能汚染が発生した地域で行う場合、バックグラウンドの放射線量(空間線量)も非常に高い。そのため、放射線検出器13が、バックグラウンドからの空間線量も検出すると、汚染物質の放射能濃度の測定精度が低下する。しかしながら、本実施形態における放射線検出器13は、放射能測定部12の内側に配置されているため、図7に示すように、バックグランドからの空間線量は、汚染物質20の遮蔽効果により、放射能測定部12の内壁面からの距離が長くなるに従い、減衰する。そのため、放射線検出器13が、放射能測定部12の内壁面から、バックグランドからの空間線量が、汚染物質の放射線量に比べて、十分に小さくなるまで減衰する距離に配置されていれば、その影響をなくすことができる。
本実施形態において、放射能測定部12の形状は、放射能測定部12の大きさが、D>Lとなるように設定されていれば、その形状、大きさは特に限定されない。なお、放射能測定部12の内壁面と、放射線検出器13との最小距離Dは、放射線検出器13の収容容器14内の空間距離を差し引いたものである。
また、本実施形態において、放射線検出器13は、放射能測定部12の略中心に配置されるが、放射能測定部12の幾何学的な中心に限定されず、放射線検出器13を中心とした半径Lの球が、放射能測定部12の内側にある場合も含むものである。
また、本実施形態において、放射能測定部12は、汚染物質20を収容する容器11の一部を構成しているが、必ずしも、容器11と一体的に構成されていなくてもよい。容器11内に収容された汚染物質の一部が、放射能測定部12内にも収容されていれば、放射能測定部12が、容器11と物理的に分離されていても、容器11の一部を構成するものである。
図8は、本実施形態における汚染物質分別装置を、現場で組み立てて、汚染物質の分別作業を行う分別ラインの構成を模式的に示した図である。
1バッチ分の汚染物質は、ホッパー40に供給されて、ベルトコンベアー41によって移送されて、攪拌手段43の上側に配置されたホッパー42に供給される。ホッパー42に供給された汚染物質は、攪拌手段43に投入され、ここで、汚染物質を攪拌することによって、汚染物質内の放射性核種の濃度が均質化される。これにより、放射能測定部12内の測定対象物質の放射能濃度が均一になるため、放射線検出器13での放射能濃度の測定誤差を小さくすることができる。
次に、攪拌手段43で均質化された汚染物質は、容器11に投入され、放射能測定部12内の略中心に配置された放射線検出器13によって、汚染物質の放射能濃度を測定する。測定が終わると、放射能測定部12から、容器11内の汚染物質が全て、ベルトコンベアー44上に投下される。ベルトコンベアー44上に投下された汚染物質は、放射線検出器13で検出した放射能濃度に基づいて分別される。すなわち、放射能濃度が基準値よりも低い低濃度汚染物質は、ベルトコンベアー44上を移送されて、回収容器45に回収され、基準値よりも高い高濃度汚染物質は、ベルトコンベアー44上を反対方向に移送されて、回収容器46に回収される。
1バッチ分の汚染物質の分別が終了すると、次の1バッチ分の汚染物質が、ホッパー40に供給されて、上述したステップを繰り返して、汚染物質の分別が行われる。
本実施形態の分別ラインにおいて、汚染物質内の放射能濃度が均一であれば、攪拌手段43を省略することができる。また、汚染物質をホッパー40に供給する前に、予め、攪拌手段43を用いて、汚染物質内の放射性核種の濃度を均質化しておいてもよい。
本実施形態における分別ラインは、バッチ毎に分別が行われるが、汚染物質の放射能濃度の測定は、放射能測定部12においてインライン(その場測定)で行われるため、大量の汚染物質の分別を、短時間に効率よく行うことができる。
図9は、本実施形態における汚染物質分別方法を示したフローチャートである。
図9に示すように、まず、汚染物質内の放射性核種の濃度が均質化されているかどうかを判別する(ステップS1)。均質化されていれば、汚染物質を容器11に収容する(ステップS3)。均質化されていなければ、汚染物質を攪拌して、放射性核種の濃度を均質化した後(ステップS2)、汚染物質を容器11に収容する(ステップS3)。
次に、容器11内に収容された汚染物質20の放射能濃度を測定する(ステップS4)。放射能濃度は、容器11内の一部に設けられた放射能測定部12内の略中心に配置された放射線検出器13によって検出される。このとき、放射能測定部12の大きさは、放射能測定部12の内壁面と放射線検出器13との最小距離をD、汚染物質20内における放射性核種からの放射線量の自己遮蔽効果による遮蔽距離をLとしたとき、D>Lとなるように設定されている。
次に、検出した放射能濃度に基づいて、容器11内に収容した汚染物質20を分別する(ステップS5)。放射能濃度が基準値よりも高ければ、高濃度汚染物質として分別され(ステップS6)、放射能濃度が基準値よりも低ければ、低濃度汚染物質として分別され(ステップS7)。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。
10 汚染物質分別装置
11 容器
12 放射能測定部
13 放射線検出器(γ線検出器)
14 収容容器
16 質量検出器
17 容積検出器
18 開閉部
20 汚染物質
40、42 ホッパー
41、44 ベルトコンベアー
43 攪拌手段
45、46 回収容器
50 放射能濃度算出手段
51 算出部
52 記憶手段
53 分別手段
54 密度測定手段

Claims (12)

  1. 放射性核種で汚染された汚染物質を収容する容器と、
    前記容器の一部を構成して前記汚染物質を収容する放射能測定部と、
    前記放射能測定部内の略中心に配置された放射線検出器と、
    前記放射線検出器で検出した放射能濃度に基づいて、前記容器内に収容した汚染物質を分別する分別手段と
    を備えた汚染物質分別装置であって、
    前記放射能測定部の内壁面と前記放射線検出器との最小距離をD、前記汚染物質内における放射性核種からの放射線量の自己遮蔽効果による前記汚染物質の種類に固有の遮蔽距離をLとしたとき、D>Lとなるように、前記放射能測定部の大きさが設定されており、
    前記放射線検出器の周囲の前記汚染物質の放射線量を測定したとき、前記放射線検出器の周囲の前記汚染物質の厚みが増えて放射線量が一定の値に収束し、それ以上厚みが増えても放射線量が増加しない厚みをLとしたとき、前記遮蔽距離Lは、L=L±10%の範囲内にある、汚染物質分別装置。
  2. 前記容器内に収容された前記汚染物質の密度を測定する密度測定手段と、
    前記汚染物質の放射能濃度を算出する放射能濃度算出手段と
    をさらに備え、
    前記放射線検出器で検出した放射線量をQ、前記密度測定手段で測定した前記汚染物質の密度をρとしたとき、
    前記放射能濃度算出手段は、以下の式に基づいて、前記汚染物質の放射能濃度Nを算出する、請求項1に記載の汚染物質分別装置。
    N=Q/(K・V・ρ)
    ここで、Kは補正係数、Vは半径Lの球の体積である。
  3. 前記放射能濃度算出手段は、前記(K・V)と、ρとの関係を予め測定したデータを記憶した記憶手段をさらに備え、
    前記放射能濃度算出手段において、前記(K・V)は、前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて決定される、請求項2に記載の汚染物質分別装置。
  4. 前記汚染物質を攪拌する攪拌手段をさらに備え、
    前記容器内に収容される前記汚染物質は、前記攪拌手段により、放射性核種の濃度が均質化されている、請求項1に記載の汚染物質分別装置。
  5. 前記放射能測定部の容積は、前記容器の容積に対して、少なくとも1/5以下である、請求項1に記載の汚染物質分別装置。
  6. 前記汚染物質は、放射性核種で汚染された汚染土壌である、請求項1に記載の汚染物質分別装置。
  7. 放射性核種で汚染された汚染物質を容器内に収容する工程(a)と、
    前記容器内に収容された前記汚染物質の放射能濃度を検出する工程(b)と、
    前記検出した放射能濃度に基づいて、前記容器内に収容した汚染物質を分別する工程(c)と
    を含む汚染物質分別方法であって、
    前記放射能濃度は、前記容器内の一部を構成して前記汚染物質を収容する放射能測定部内の略中心に配置された放射線検出器によって検出され、
    前記放射能測定部の内壁面と前記放射線検出器との最小距離をD、前記汚染物質内における放射性核種からの放射線量の自己遮蔽効果による前記汚染物質の種類に固有の遮蔽距離をLとしたとき、D>Lとなるように、前記放射能測定部の大きさが設定されており、
    前記放射線検出器の周囲の前記汚染物質の放射線量を測定したとき、前記放射線検出器の周囲の前記汚染物質の厚みが増えて放射線量が一定の値に収束し、それ以上厚みが増えても放射線量が増加しない厚みをLとしたとき、前記遮蔽距離Lは、L=L±10%の範囲内にある、汚染物質分別方法。
  8. 前記工程(b)は、
    前記容器内に収容された前記汚染物質の密度ρを測定する工程と、
    前記汚染物質の放射線量Qを検出する工程と
    を含み、
    前記汚染物質の放射能濃度Nは、以下の式に基づいて算出される、請求項7に記載の汚染物質分別方法。
    N=Q/(K・V・ρ)
    ここで、Kは補正係数、Vは半径Lの球の体積である。
  9. 前記(K・V)は、予め測定した前記(K・V)とρとの関係を示すデータに基づいて決定される、請求項8に記載の汚染物質分別方法。
  10. 前記工程(a)の前に、前記汚染物質を攪拌して、前記容器内に収容される放射性核種の濃度を均質化する工程をさらに含む、請求項7に記載の汚染物質分別方法。
  11. 前記放射能測定部の容積は、前記容器の容積に対して、少なくとも1/5以下である、請求項7に記載の汚染物質分別方法。
  12. 前記汚染物質は、放射性核種で汚染された汚染土壌である、請求項7に記載の汚染物質分別方法。
JP2014156632A 2014-07-31 2014-07-31 汚染物質分別装置及び汚染物質分別方法 Active JP5716231B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014156632A JP5716231B1 (ja) 2014-07-31 2014-07-31 汚染物質分別装置及び汚染物質分別方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014156632A JP5716231B1 (ja) 2014-07-31 2014-07-31 汚染物質分別装置及び汚染物質分別方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5716231B1 true JP5716231B1 (ja) 2015-05-13
JP2016033491A JP2016033491A (ja) 2016-03-10

Family

ID=53277364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014156632A Active JP5716231B1 (ja) 2014-07-31 2014-07-31 汚染物質分別装置及び汚染物質分別方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5716231B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017161259A (ja) * 2016-03-07 2017-09-14 株式会社北川鉄工所 放射能濃度測定装置及び放射能濃度測定方法
CN113884330A (zh) * 2021-09-29 2022-01-04 绵阳久强智能装备有限公司 一种核生化采样装置及采样方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101731212B1 (ko) 2016-05-19 2017-04-27 주식회사 오르비텍 대규모 세슘(Cs) 오염토양 연속 방사능 측정시스템

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014106189A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 Kajima Corp 放射能濃度測定装置、空間線量率測定装置、及び、放射能濃度の測定方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014106189A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 Kajima Corp 放射能濃度測定装置、空間線量率測定装置、及び、放射能濃度の測定方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017161259A (ja) * 2016-03-07 2017-09-14 株式会社北川鉄工所 放射能濃度測定装置及び放射能濃度測定方法
CN113884330A (zh) * 2021-09-29 2022-01-04 绵阳久强智能装备有限公司 一种核生化采样装置及采样方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016033491A (ja) 2016-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101871744B1 (ko) 알파, 베타, 감마선을 방출하는 원전 해체폐기물 방사선 검사 시스템 및 방법
US8260566B2 (en) Apparatus and method for radioactive waste screening
JP2015068677A (ja) 廃棄体容器の放射線計測方法および装置
JP5716231B1 (ja) 汚染物質分別装置及び汚染物質分別方法
JP6709490B2 (ja) 放射能濃度測定装置及び放射能濃度測定方法
JP2013036984A (ja) 蛍光x線分析装置
CN110153045A (zh) 放射性污染材料活度连续甄别自动分选的设备及检测方法
CN210604996U (zh) 用于放射性污染材料活度连续甄别的探测器组件
JP6225015B2 (ja) 放射能測定装置および方法
US20130200267A1 (en) In situ system for direct measurement of alpha radiation, and related method for quantifying the activity of alpha-emitting radionuclides in solution
JP2005180936A (ja) 放射性物質の含有量測定方法及び測定装置
US20120245858A1 (en) Apparatuses and methods for analysis of samples through multiple thicknesses
KR100979559B1 (ko) 드럼핵종분석장치 간접교정 유효성 검사를 위한 기준방사성 폐기물드럼의 검색 및 표준방사성물질의 사용기간을 극대화하는 교정확인 검사방법
JP7000264B2 (ja) 放射能濃度評価システムおよび放射能濃度評価方法
Suran et al. New high-throughput measurement systems for radioactive wastes segregation and free release
JP7061300B1 (ja) 粉体状の廃棄物の放射性物質による汚染の検査方法
CN210171978U (zh) 放射性污染材料活度连续甄别自动分选的设备
Slaninka et al. Uncertainty analysis of in-situ gamma spectrometry measurements of air cleaning filter cartridges and 200 L drums by a HPGe detector
JP2018179907A (ja) 密度偏在状態の見積方法及び放射能の評価方法
US7408161B2 (en) Investigations
KR101837028B1 (ko) 상호보완 검출기 조합을 이용한 방사능 오염 측정 장치
JP5635583B2 (ja) γ線測定装置
RU2798506C1 (ru) Способ обнаружения фрагментов ядерного топлива и определения их параметров в графитовых блоках ядерного реактора
JP2008064541A (ja) 放射性廃棄物の放射能測定方法及び放射能測定装置
Dewberry et al. Holdup measurements for three visual examination and TRU remediation glovebox facilities at the Savannah River Site

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5716231

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250