JP6225015B2 - 放射能測定装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、放射能を測定するための放射能測定装置および方法に関するものである。
従来、例えば、特許文献1に記載の放射能測定方法は、放射能測定対象の放射能量または放射能濃度を測定するにあたり、放射能測定対象の質量と高さとを取得する工程と、放射能測定対象の質量と高さと密度とを含む関係式を用いるとともに、放射能測定対象の種類に応じて関係式を異ならせて、放射能換算係数を決定する際に用いる換算係数選択定数を求める工程と、放射能測定対象の高さおよび換算係数選択定数、または放射能換算係数の近似式から、放射能換算係数を決定する工程と、測定した放射線計数率を放射能換算係数によって放射能量または放射能濃度に換算する工程と、を含む。
この特許文献1に記載の放射能測定方法では、放射能測定対象の高さと質量とを測定することで、放射線計数率を放射能量または放射能濃度へ換算するための放射能換算係数を求めることができる。これによって、放射能測定対象の詳しい形状計測データが不要になるので、放射能測定対象の形状に関するデータ数を少なくすることができる。その結果、放射能測定対象の情報を少なくして、放射能換算係数を求めることにより、作業の効率よく放射能測定対象の放射能を評価することができる。
特許第4576108号公報
ところで、一般に、放射能を測定する場合、放射線検出部と放射能測定対象との距離、および放射線検出部に設けたコリメータによる検出範囲の絞りを可変できるようにし、放射能量または放射能濃度に応じて前記距離や絞りを可変し、放射線検出部による検出時間を一定にする。例えば、放射能量や放射能濃度が比較的高い場合は距離を遠くしたり絞りを絞ったりして放射能を検出する。一方、放射能量や放射能濃度が比較的低い場合は距離を近くしたり絞りを拡げたりして放射能を検出する。しかし、検出時間を一定にすると、放射能量や放射能濃度が比較的高い場合は、本来検出時間が短くて済むにも関わらず、距離を遠くしたり絞りを絞ったりして検出を調整するため、放射能検出の効率が低下することになる。
本発明は上述した課題を解決するものであり、放射能検出の効率を向上することのできる放射能測定装置および方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の放射能測定装置は、放射能測定対象の放射線量を検出する放射線検出部と、前記放射能測定対象の質量と高さと密度を取得する情報取得部と、前記放射能測定対象の質量と高さと密度に応じた放射線検出限界と放射線検出時間との関係が予め記憶される記憶部と、前記情報取得部から質量と高さと密度を入力し、これに基づいて前記記憶部に記憶された放射線検出限界と放射線検出時間との関係を読み出し、前記放射線検出部における放射線検出時間を設定する放射能量算出部と、を備えることを特徴とする。
この放射能測定装置によれば、放射能量や放射能濃度が比較的高い場合は、放射線検出時間を短くすることで、放射能検出の効率を向上することができる。一方、放射能量や放射能濃度が比較的低い場合は、放射線検出時間を長くすることで、放射能検出の精度を向上することができる。
上述の目的を達成するために、本発明の放射能測定方法は、放射能測定対象の質量と高さと密度に応じた放射線検出限界と放射線検出時間との関係を予め記憶する工程と、前記放射能測定対象の質量と高さと密度を取得する工程と、取得した質量と高さと密度に基づいて予め記憶した放射線検出限界と放射線検出時間との関係から、放射線検出時間を設定する工程と、を含むことを特徴とする。
この放射能測定方法によれば、放射能量や放射能濃度が比較的高い場合は、放射線検出時間を短くすることで、放射能検出の効率を向上することができる。一方、放射能量や放射能濃度が比較的低い場合は、放射線検出時間を長くすることで、放射能検出の精度を向上することができる。
本発明によれば、放射能検出の効率を向上することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る放射能測定装置の概略構成を示す斜視図である。 図2は、図1におけるx方向視の断面図である。 図3は、図1におけるy方向視の断面図である。 図4は、放射線検出部の概略構成を示す斜視図である。 図5は、放射線検出部の概略構成を示すブロック図である。 図6は、本発明の実施形態に係る放射能測定装置の記憶部に記憶される検出適用情報の一例を示す図である。 図7は、本発明の実施形態に係る放射能測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図8は、本発明の実施形態に係る放射能測定装置の概略構成を示すブロック図である。 図9は、本発明の実施形態に係る放射能測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図10は、測定結果の一例を示すグラフである。 図11Aは、放射性廃棄物を収納した収納容器の一例を示す模式図である。 図11Bは、放射性廃棄物を収納した収納容器の一例を示す模式図である。 図11Cは、放射性廃棄物を収納した収納容器の一例を示す模式図である。 図12は、収納容器の他の例を示す斜視図である。 図13は、収納容器の他の例を示す斜視図である。 図14は、放射能測定装置の他の例の概略構成を示す斜視図である。 図15は、放射能測定装置の他の例の概略構成を示す斜視図である。 図16は、放射能測定装置の他の例の概略構成を示す斜視図である。 図17は、放射線検出部の概略構成を示す斜視図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る放射能測定装置の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1におけるx方向視の断面図である。図3は、図1におけるy方向視の断面図である。なお、図に矢印で示すx方向、y方向およびz方向は、相互に90度で交差する方向であって、x方向は左右方向(水平方向)を示し、y方向は前後方向(水平方向)を示し、z方向は上下方向(鉛直方向)を示す。
本実施形態の放射能測定装置1は、収納容器100に収納された放射性廃棄物(放射能測定対象)の放射能量を、収納容器100を破壊することなく測定するものである。放射能測定装置1は、放射能量として、例えばCo−60(コバルト60)やCs−137(セシウム137)から放出されるγ線を弁別して計測することで、収納容器100に含まれる放射能を測定する。収納容器100は、例えば、x方向、y方向およびz方向に垂直な面を有する鉄からなる直六面体をなすもので、x方向×y方向×z方向が160[cm]×160[cm]×160[cm]で、鉄からなる壁の厚さが1[cm]の正六面体をなしている。また、放射能測定装置1は、図2および図3に示すように、収納容器100よりも小さい収納容器102に収容された放射性廃棄物の放射能量を、収納容器102を破壊することなく測定するものでもある。収納容器102は、例えば、x方向、y方向およびz方向に垂直な面を有する鉄からなる直六面体をなすもので、x方向×y方向×z方向が135[cm]×135[cm]×93[cm]で、鉄からなる壁の厚さが0.2[cm]の直六面体をなしている。以下、収納容器100に収納された放射性廃棄物の放射能量を計測する場合として説明する。
放射能測定装置1は、図1から図3に示すように、放射線検出部2と、スライド移動部3と、回転移動部4と、放射能量算出部5と、検出部遮蔽部6と、収納容器遮蔽部7と、情報取得部8と、記憶部9と、制御部10と、を備えている。
図4は、放射線検出部の概略構成を示す斜視図である。図5は、放射線検出部の概略構成を示すブロック図である。以下、図1から図3に加え、図4および図5を用いて、放射線検出部について説明する。放射線検出部2は、収納容器100を破壊することなくγ線を測定するものである。放射線検出部2は、4つの検出器ユニット20を備える。4つの検出器ユニット20は、収納容器100の相反する二面(y方向で相反する二面)を除くx方向およびz方向の四面にそれぞれ対面する位置に配置されている。つまり、4つの検出器ユニット20は、xy平面が計測面となる向きでx方向に相反して2つの検出器ユニット20が配置され、yz平面が計測面となる向きでz方向に相反して2つの検出器ユニット20が配置される。本実施形態の放射能測定装置1は、検出器ユニット20を収納容器100の底側(z方向の底側の面)に配置する領域を確保するためのフレーム1aを有している。また、本実施形態の4つの検出器ユニット20は、配置位置および配置される向きが異なる以外は、基本的に同一の形状である。また、検出器ユニット20は、収納容器100の対面する面に対してそれぞれ同じ距離(例えば、10[cm])離れて配置されている。ここで、検出器ユニット20は、収納容器100よりも小さい収納容器102に対しては、非対称かつ一定距離以上離れて配置されることになる。
検出器ユニット20は、複数の検出器22が二次元配列されている。本実施形態の検出器ユニット20は、9個の検出器22が3行3列の行列状に配置されている。検出器ユニット20は、二次元配列した検出器22のそれぞれで計測を行うことで、収納容器100の対面する面を検出器22の個数分に分割し、それぞれの検出器22で放射線の検出を行う。
検出器22は、配置位置が異なる以外は、基本的に同一の形状である。1つの検出器22は、複数の検出素子24が二次元配列されている。本実施形態の検出器22は、9個の検出素子24が3行3列の行列状に配置されている。検出器22は、二次元配列した検出素子24のそれぞれで計測を行うことで、収納容器100の対面する面を検出器22毎に分割され、当該検出器22に割り当てられた領域をさらに検出素子24の個数分に分割し、それぞれの検出素子24で放射線の検出を行う。
次に、図5を用いて、放射線検出部2の装置構成および検出信号(検出値)の流れについてより詳細に説明する。放射線検出部2は、上述したように進行方向以外の収納容器100の四面にそれぞれ1つずつ配置された4つの検出器ユニット20を有する。1つの検出器ユニット20は、9個の検出器22を含む。1つの検出器22は、9個の検出素子24を含む。
まず、1つの検出器22は、9個の検出素子24と、電源30と、信号を合算する加算部32と、プリアンプ34と、を有する。また、検出素子24と、加算部32とは、アースと接続されている。電源30は、9個の検出素子24に電力を供給する。検出素子24は、収納容器100の対面する位置の放射線を検出し検出した信号を加算部32に出力する。加算部32は、9個の検出素子24から出力された信号を合計して、プリアンプ34に出力する。プリアンプ34は、加算部32から出力された信号を増幅して、外部に出力する。
検出器ユニット20は、9個の検出器22と、アンプ36と、ディスクリミネータ38と、MCA40と、を有する。検出器ユニット20は、9個の検出器22で検出された信号、具体的にはプリアンプ34で増幅された信号がアンプ36に入力される。アンプ36は、入力された信号を増幅して、ディスクリミネータ38に入力する。ディスクリミネータ(discriminator)38は、周波数弁別器(frequency discriminator)であり、アンプ36で増幅された信号を、パルスで分別し、ノイズと放射線とに分離する。ディスクリミネータ38は、分離した放射線成分の信号をMCA40に入力する。MCA(マルチチャンネルアナライザ、Multi Channel Analyzer)40は、入力された信号(検出結果)のスペクトル(各エネルギー(電圧)と計数値との関係)を抽出する。この抽出したスペクトルは、検出器ユニット20が対面している収納容器100の1つの面の全体で検出された放射線のスペクトルである。MCA40は、抽出したエネルギースペクトルの情報を放射能量算出部5に送る。
放射線検出部2は、4つの検出器22のそれぞれで、上記検出を行うことで、検出器ユニット20が対面している収納容器100の4つの面のそれぞれで1つの面全体での放射能のスペクトルを検出する。放射線検出部2は、1つの検出器ユニット20が複数(9個)の検出器22を含み、1つの検出器22が複数(9個)の検出素子24を含む。これにより、検出器ユニット20は、領域分割して配置された多数(81個)の検出素子24を用いて収納容器100の対象となる面から出力される放射線を計測する。放射線検出部2は、図5に示すように、検出素子24を並列接続用基板に挿入する方式とし、検出器ユニット20を複数の検出器22でユニット化し、検出器22を複数の検出素子24でユニット化することでメンテナンス性を高くすることができる。なお、本実施形態は、検出器ユニット20を構成する検出器22の数、検出器22を構成する検出素子24の数はこれに限定されない。検出器ユニット20は、複数の検出素子24を備える検出器22を複数備えていればよい。例えば、検出器ユニット20は、検出器22を4行4列で配置してもよい。
また、検出器22は、複数の検出素子24を覆うカバー23を備えている。カバー23は、検出素子24の収納容器100と対面する面以外を覆っている。検出器22は、検出素子24を覆うカバー23を設けることで、装置の外側からの光が検出素子24に入射することを抑制することができる。これにより、検出素子24での検出をより高精度に行うことができる。
スライド移動部3は、上述した収納容器100の相反する二面(y方向で相反する二面)に直交する方向であるy方向に、収納容器100と放射線検出部2とを相対的にスライド移動させるものである。本実施形態でのスライド移動部3は、放射線検出部2を不動として収納容器100をy方向にスライド移動させる。例えば、スライド移動部3は、図1に示すように収納容器100の底面を支持する態様でy方向に延在して設けられた一対のレール3aと、図には明示しないがレール3aの延在方向に沿って収納容器100を移動させる移動手段とを有している。スライド移動部3は、y方向に放射線検出部2の前後に収納容器100を移動させることができる。つまり、スライド移動部3は、収納容器100の位置から収納容器100Aの位置まで移動させることができる。
回転移動部4は、収納容器100において放射線検出部2が対向する四面のうちの相反する二面(本実施形態ではz方向で相反する二面)に垂直で鉛直な軸心で収納容器100を90度回転移動させるものである。本実施形態での回転移動部4は、スライド移動部3による収納容器100のスライド移動の端部(レール3aの端部)に設けられ、z方向に沿う軸心で回転駆動される回転テーブル4aを有している。
放射能量算出部5は、スライド移動部3のスライド移動、および回転移動部4の回転移動後でのスライド移動部3のスライド移動によって、収納容器100の各六面から放出されるγ線を放射線検出部2から入力する。そして、放射能量算出部5は、入力したγ線量を平均し、当該γ線の内、Co−60およびCs−137に由来する量を評価することにより、放射性廃棄物の総放射能量を算出する。なお、放射能量算出部5が実行する算出処理については後述する。
検出部遮蔽部6は、放射線検出部2を含み当該放射線検出部2が収納容器100の面に対向する範囲を覆うものである。この検出部遮蔽部6は、例えば、鉛からなる3[cm]の厚さの鉛板により、放射線検出部2が収納容器100に対向する側のみが開放された矩形の箱体として構成され、その内部に放射線検出部2が配置されている。この構成により検出部遮蔽部6は、装置外部から放射線検出部2に至る放射線を遮蔽する。
収納容器遮蔽部7は、放射線検出部2で放射線を検出する際の収納容器100を覆うものである。この収納容器遮蔽部7は、放射線検出部2で放射線を検出する際のスライド移動部3による収納容器100のスライド移動の範囲で、例えば、鉄からなる4[cm]の厚さの鉄板により、収納容器100のx方向およびz方向の四面を、所定の距離(例えば、10[cm])隔てて覆う矩形の箱体として構成されている。この構成により収納容器遮蔽部7は、放射線検出部2で放射線を検出するときに、装置外部から収納容器100に至る放射線を遮蔽する。また、収納容器遮蔽部7は、上述した検出部遮蔽部6を設けた部位では、放射線検出部2による放射線の検出を妨げないように収納容器100を覆わない構成である。また、収納容器遮蔽部7は、回転移動部4側ではないスライド移動部3のスライド移動方向(y方向)の端部から本装置に収納容器100を搬入する場合、y方向の両側が開放する筒体として構成されている。なお、収納容器遮蔽部7が、回転移動部4側から本装置に収納容器100を搬入する場合は、回転移動部4側ではないスライド移動部3のスライド移動方向(y方向)の端部が閉塞されていてもよい。
情報取得部8は、廃棄物(放射性廃棄物)の質量と高さと密度の情報を取得するものである。具体的に、情報取得部8は、質量測定部8Aを有する(図2参照)。質量測定部8Aは、回転移動部4に併設して設置されており、回転テーブル4aが支持する収納容器100の質量を計測する。情報取得部8は、質量測定部8Aにより計測された収納容器100の質量から、収納容器100のみの質量を差し引くことで廃棄物の質量を取得する。また、情報取得部8は、収納容器100の容積と廃棄物の質量から、収納容器100内の廃棄物の高さおよび平均密度を取得する。なお、図には明示しないが、情報取得部8は、収納容器100の高さを計測する高さ測定部を有していてもよい。高さ測定部は、例えば、回転移動部4に添え付けられている。情報取得部8は、収納容器100の容積と廃棄物の質量と収納容器100の高さから、収納容器100内の廃棄物の高さおよび平均密度を取得する。
記憶部9は、図6の記憶部に記憶される検出適用情報の一例を示す図に示すように、放射能測定対象である廃棄物(放射性廃棄物)の質量と高さと密度とに応じた放射線検出限界と放射線検出時間との関係が予め記憶されるものである。廃棄物の核種が特定できれば、その質量と高さと密度に応じて放出される放射線が分かる。図6では、同核種において質量と高さと密度を5つの線図で示している。一方、廃棄物の放射線を検出するための放射線検出部2における検出器22では、放射線を検出できる限界性能が決まっている。このため、放射線検出限界が決まっている放射線検出部2を用いた場合、質量と高さと密度で得られた廃棄物の放射線を検出するために、どのくらいの放射線検出時間が必要であるかが分かる。そして、廃棄物の核種に応じ、その質量と高さと密度に応じた放射線検出限界と放射線検出時間との関係を予め算出し、この算出結果となる検出適用情報が記憶部9に予め記憶される。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)および記憶装置等を備えた演算装置であり、放射線検出部2、スライド移動部3、回転移動部4、放射能量算出部5および情報取得部8の動作を制御する。また、制御部10は、必要に応じて記憶部9に記憶されている検出適用情報を読み出す。なお、放射能測定装置1は、制御部10と放射能量算出部5を1つの演算装置としても、つまりハードウェアを共有させてもよい。すなわち、それぞれの処理を1つのCPUで並列処理するようにしてもよい。また、放射能測定装置1は、記憶部9が制御部10の記憶装置に含まれていてもよい。
本実施形態の放射能測定装置1による放射能量の算出動作について説明する。図7は、本発明の実施形態に係る放射能測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図7に示す処理は、制御部10が各部の動作を制御することで実現することができる。
制御部10は、収納容器100が、回転移動部4に置かれたことを検出する(ステップS12)。制御部10は、回転移動部4に設けられた質量測定部8Aで荷重を検出した場合、また、オペレータによって入力された収納容器100を置いたことを示す操作を検出した場合、回転移動部4に置かれたことを検出する。
制御部10は、収納容器100が回転移動部4に置かれたことを検出したら、収納容器100の質量を計測(ステップS14)し、その後、スライド移動部3で収納容器100を放射線検出部2に移動させる(ステップS16)。つまり、放射線検出部2で収納容器100を計測できる位置(放射線検出部2の各検出器ユニット20と収納容器100とが対面する位置)まで、スライド移動部3で収納容器100を移動させる。また、ステップS14において、制御部10は、収納容器100の高さも計測してもよい。
制御部10は、収納容器100を放射線検出部2に移動させたら、収納容器100の四面の放射線を計測する(ステップS18)。つまり、各検出器ユニット20で収納容器100の対面する面の放射線を計測することで、収納容器100の四面の放射線を計測する。
制御部10は、収納容器100の四面の放射線を計測したら、スライド移動部3で収納容器100を回転移動部4に移動させ(ステップS20)、回転移動部4で収納容器100を90度回転させ(ステップS22)、スライド移動部3で収納容器100を放射線検出部2に移動させる(ステップS24)。つまり、放射能測定装置1は、スライド移動部3により収納容器100を回転移動部4の回転テーブル4aの位置に移動させる。そして、放射能測定装置1は、回転移動部4によってz方向に沿う軸心で収納容器100を90度回転させる。このため、収納容器100は、y方向に向いていた面がx方向に向き、x方向に向いていた面がy方向に向く。このようにして回転させた収納容器100を放射線検出部2の検出器ユニット20と対面する位置に移動させる。これにより、ステップS18では検出器ユニット20と対面していなかった収納容器100の面が、検出器ユニット20と対面する。
制御部10は、収納容器100を放射線検出部2に移動させたら、収納容器100の残りの二面の放射線を計測する(ステップS26)。つまり、収納容器100の計測していない面と対面する検出器ユニット20で収納容器100の対面する面の放射線を計測することで、収納容器100の二面の放射線を計測する。制御部10は、収納容器100の二面の放射線を計測したら、スライド移動部3で収納容器100を移動させ(ステップS28)、本処理を終了する。なお、制御部10は、回転移動部4側とは反対側、つまり収納容器100Aの位置に収納容器100を移動させてもよい。
次に、図8〜図10を用いて、図7に示す処理で検出した収納容器100の各面(六面)の放射線から収納容器100の放射能を検出する処理を説明する。図8は、本実施形態に係る放射能測定装置の概略構成を示すブロック図である。図9は、本実施形態に係る放射能測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。図10は、測定結果の一例を示すグラフである。この処理は、放射線検出部2で検出した結果と各種設定に基づいて、放射能量算出部5で演算を実行することで実現することができる。
図8に示すように、放射能量算出部5は、測定時間設定部5Aと、放射能換算部5Bと、を有する。測定時間設定部5Aは、放射線検出部2による放射線検出時間を設定するもので、情報取得部8、記憶部9および放射線検出部2に接続されている。測定時間設定部5Aは、情報取得部8から質量、高さ、密度の情報を取得する。この情報には、廃棄物の核種についても関連付けられている。また、測定時間設定部5Aは、記憶部9から、検出適用情報を取得する。そして、測定時間設定部5Aは、情報取得部8から質量、高さ、密度の情報と、記憶部9からの検出適用情報とに基づき、放射線検出部2による放射線検出時間を設定する。さらに、測定時間設定部5Aは、放射線検出部2で放射線検出時間を計測するように測定時間情報を出力する。なお、測定時間情報は、制御部10に入力され、制御部10は、この測定時間情報に基づき放射線検出部2を制御する。
放射能換算部5Bは、以下に説明するように、収納容器100に収納された廃棄物の放射能量の測定処理をするためのものである。
図9に示すように、放射能量算出部5は、情報取得部8から廃棄物の質量、高さ、密度を取得する(ステップS40)。そして、放射能量算出部5は、測定時間設定部5Aにおいて、放射線検出時間を設定する(ステップS42)。
その後、放射能量算出部5は、放射線検出時間において検出器ユニット20ごとにスペクトルを取得し(ステップS44)、各面ごとにスペクトルを合算し、六面分のスペクトルを算出する(ステップS46)。つまり、六面の計測結果を解析し、それぞれの面のスペクトルを検出する。具体的には、各検出器ユニット20のMCA40から出力される計測結果に基づいて、図10に示すようなスペクトルを検出する。なお、放射能量算出部5は、MCA40の計測結果をそのまま解析結果としても、計測結果に処理を行ったものを解析結果としてもよい。
放射能量算出部5は、六面分のスペクトルを検出したら、六面分のスペクトルを平均し1つのスペクトルを得る(ステップS48)。具体的には、ステップS41で取得した放射線のスペクトルの検出結果から六面の平均のスペクトルを算出する。
次に、放射能量算出部5は、六面の平均のスペクトルに基づいて、Cs−137、Co−60、Co−58(対象の放射性物質)の計数率等を算出する(ステップS50)。具体的には、Cs−137の、バックグラウンド、0.662MeVの正味のピーク計数率、バンド領域計数率、検出下限計数率を算出する。また、Co−60の1.17MeVのバックグラウンド、1.17MeVの正味のピーク計数率、1.33MeVのバックグラウンド、1.33MeVの正味のピーク計数率、バンド領域計数率、1.17MeVの検出下限計数率および1.33MeVの検出下限計数率を算出する。Co−58の、バックグラウンド、0.811MeVの正味のピーク計数率、検出下限計数率を算出する。
次に、放射能量算出部5は、ステップS50とステップS40の結果を用いて補正係数を設定する。放射能量算出部5は、ステップS50で算出した値を用いて、Co−60について、ピーク平均(1.17MeVと1.33MeVの正味のピーク計数率の平均値)と、ピーク比(=1.17MeVの正味のピーク計数率/1.33MeVの正味のピーク計数率)と、バンド/ピーク比(=バンド領域計数率/1.33MeVの正味のピーク計数率)と、を算出する。また、放射能量算出部5は、Cs−137について、バンド/ピーク比(=バンド領域計数率/0.662MeVの正味のピーク計数率)を算出する。
放射能量算出部5は、各値を算出したら、廃棄物平均密度、ピーク比、バンド/ピーク比より補正係数を設定する。例えば、Co−60が検出され(正味のピーク計数率>検出下限計数率)、かつそのピーク平均が閾値よりも大きい場合は、Co−60のピーク比を用いて補正係数を設定する。Co−60が検出され、かつそのピーク平均が閾値を下回る場合は、Co−60のバンド/ピーク比を用いて補正係数を設定する。Co−60が検出されず(正味のピーク計数率≦検出下限計数率)かつCs−137が検出された(正味のピーク計数率>検出下限計数率)場合は、Cs−137のバンド/ピーク比を用いて補正係数を設定する。なお、Co−60が検出されず(正味のピーク計数率≦検出下限計数率)かつCs−137も検出されない(正味のピーク計数率≦検出下限計数率)場合、補正係数は設定しない。
放射能量算出部5は、ステップS50で各値を算出し、かつ、ステップS52で補正係数を設定したら、Cs−137、Co−60、Co−58(対象の放射性物質)の値にそれぞれ設定した補正係数を乗算する(ステップS54)。具体的には、Co−60についてはバンド領域計数率を2で除した値に補正係数を乗算し、Cs−137については正味のピーク計数率に補正係数を乗算し、Co−58については正味のピーク計数率に補正係数を乗算する。
また、放射能量算出部5は、ステップS44からステップS52の処理に並行して、放射能換算係数を設定する(ステップS56)。ここで、放射能換算係数は、放射能廃棄物の平均密度と収納高さを用いて、あらかじめ整備(実機を用いた模擬対象物の測定による)した換算係数テーブルを補間することで算出することができる。
放射能量算出部5は、ステップS54の算出を行い、かつ、放射能換算係数を設定したら、算出結果(ステップS54で算出した結果)に放射能換算係数を乗算する(ステップS58)。放射能量算出部5は、ステップS58で計算を行ったらその結果に基づいて、放射能を評価(ステップS60)し、本処理を終了する。放射能量算出部5は、以上のようにして、収納容器100の各面から放出されるγ線を平均し、平均したγ線のCo−58、Co−60およびCs−137の量を評価することにより、評価結果として放射性廃棄物の総放射能量等を算出し、評価を行う。
なお、放射能量算出部5において、上述した放射能量の測定処理を行う放射能換算部5Bは、図8に示すように、搬出判定部11に接続されている。放射能換算部5Bは、この搬出判定部11に放射能濃度情報を出力する。搬出判定部11は、入力した放射能濃度情報に基づき、放射能量を測定した収納容器100が搬出可能か否かを判定する。
このように、本実施形態の放射能測定装置1は、放射能測定対象の放射線量を検出する放射線検出部2と、放射能測定対象の質量と高さと密度を取得する情報取得部8と、放射能測定対象の質量と高さと密度に応じた放射線検出限界と放射線検出時間との関係が予め記憶される記憶部9と、情報取得部8から質量と高さと密度を入力し、これに基づいて記憶部9に記憶された放射線検出限界と放射線検出時間との関係を読み出し、放射線検出部2における放射線検出時間を設定する放射能量算出部5と、を備える。
また、本実施形態の放射能測定方法は、放射能測定対象の質量と高さと密度に応じた放射線検出限界と放射線検出時間との関係を予め記憶する工程と、放射能測定対象の質量と高さと密度を取得する工程と、取得した質量と高さと密度に基づいて予め記憶した放射線検出限界と放射線検出時間との関係から、放射線検出時間を設定する工程と、を含む。
この放射能測定装置1および放射能測定方法によれば、放射能量や放射能濃度が比較的高い場合は、放射線検出時間を短くすることで、放射能検出の効率を向上することができる。一方、放射能量や放射能濃度が比較的低い場合は、放射線検出時間を長くすることで、放射能検出の精度を向上することができる。
また、放射能測定装置1は、収納容器100に収納された放射性廃棄物の放射能量を、二次配列した検出素子24を備える検出器22を複数配置した検出器ユニット20で収納容器100の各面から測定するため、収納容器100に収納された放射性廃棄物全体の放射能量を高い精度で測定することができる。具体的には、放射能測定装置1によれば、原子力発電所等の原子力施設から発生する低レベル放射性廃棄物の放射能を高い精度で測定することができる。
放射能測定装置1は、検出素子24としてCdTeまたはCdZnTeを含有する半導体素子を用いることで、γ線のエネルギー分解能を有する検出素子24を用いることができるため、対象の放射能量を高い精度で計測することができる。また、検出素子24を二次元配列した検出器22を用いることで、CdTeまたはCdZnTeを含有する半導体素子を用いても測定対象の放射線を適切に検出することができ、さらに、自然界由来の放射線を検出することを抑制することができる。また、検出素子24としてCdTeまたはCdZnTeを含有する半導体素子を用いることで、装置を安価にすることができる。
放射能測定装置1は、検出素子24としてCdTeまたはCdZnTeを含有する半導体素子を用いることで、シンチレーション検出器よりもγ線エネルギー分解能を高くすることができ、潮解性に起因する問題の発生を抑制することができる。また、放射能測定装置1は、検出素子24としてCdTeまたはCdZnTeを含有する半導体素子を用いることで、液体窒素による冷却が不要となり、小さいスペースに配置することができる。これにより高い密度で検出素子24を配置することができる。
放射能測定装置1は、検出素子24としてCdTeまたはCdZnTeを含有する半導体素子を用い、当該検出素子24を二次元配列した検出器22とし、さらに検出器22を二次元配置した検出器ユニット20として、収納容器100の対面する面の放射線量を計測することで、検出素子24を高い密度で配置することができ、計測点を小さな空間メッシュにすることができる。これにより、放射能測定装置1は、容器形状を問わず、かつ容器を静止した状態で十分な測定精度で計測を行うことができる。放射能測定装置1は、種々の収納容器、種々の放射性廃棄物の収納バランスに対応でき、計測できる対象を多くすることができる。
ここで、図11Aから図11Cは、それぞれ、放射性廃棄物を収納した収納容器の一例を示す模式図である。図11Aに示す収納容器100bは、収納容器遮蔽部7と同じ大きさの容器である。収納容器100bは、所定高さよりも下側の全域に放射性廃棄物110aを収納している。図11Bに示す収納容器100cは、収納容器遮蔽部7と同じ大きさの容器である。収納容器100cは、所定高さよりも下側の一部領域に放射性廃棄物110bを収納している。図11Cに示す収納容器102aは、収納容器遮蔽部7より一定割合小さい容器である。収納容器102aは、所定高さよりも下側の一部領域に放射性廃棄物110cを収納している。
放射能測定装置1は、図11Aから図11Cに示すように、収納容器の内部にある放射性廃棄物の位置が種々の場合でも、また、収納容器の大きさが異なる場合であっても、収納容器の放射能量を高い精度で計測することができる。具体的には、放射線検出部2の検出器ユニット20が複数の検出器22に分割され、検出器22が複数の検出素子24を備えることで、各面の放射線を細かく領域分割して計測することができる。これにより、検出素子24との距離や、相対位置関係によって検出結果がずれることを抑制することができ、放射線の検出漏れを抑制することができる。これにより、収納容器の放射能量を高い精度で計測することができる。このように、種々の収納容器、種々の放射性廃棄物の収納バランスに対応できることで、計測できる対象を多くすることができる。これにより、共通の検出器仕様および駆動機構で異なる形状の収納容器に含まれる廃棄物の放射能量を測定することができ、装置としての汎用性を高くすることができる。
また、放射能測定装置1は、低レベル放射性廃棄物の内、放射能が一般産業廃棄物として扱っても問題ない極めて低レベル(クリアランスレベル)以下のコンクリート廃棄物も測定対象の放射性廃棄物とすることができる。つまり、コンクリート廃棄物が収納された収納容器の放射能量も測定することができる。これにより、放射能測定装置1は、コンクリート廃棄物の放射化、表面汚染に由来する放射能を測定し、コンクリート廃棄物の放射能量がクリアランスレベル以下であるか否かを検査する装置としても用いることができる。特に、放射能測定装置1は、検出器ユニット20で計測できる面積を大きくすることができ、放射線検出部2で検出できる収納容器を大きくすることができる。これにより、コンテナ等に収納された状態の大容量コンクリート廃棄物を一括で測定することができる。また、放射能測定装置1は、上述したように、自然界由来の放射線とCo−60およびCs−137から放出されるγ線と弁別して計測できるため、コンクリート廃棄物の放射化、表面汚染に由来するCo−60およびCs−137から放出されるγ線を、コンクリートに元々含有される天然放射性核種(K−40等)と弁別して計測し、コンクリート廃棄物に含まれる放射化、表面汚染に由来する放射能を適切に測定することができる。
また、放射能測定装置1は、図6に示すように、放射線検出部2が、スライド移動部3によって直線移動され、対面する位置に移動された収納容器100の四面の放射線量を計測し、その後、スライド移動部3で回転移動部4に直線移動され、回転移動部4で回転移動され、スライド移動部3によって直線移動され、対面する位置に移動された収納容器100の残りの二面の放射線量を計測する。また、放射能量算出部5は、収納容器100の六面のそれぞれの面から放出される放射線量を取得し、取得した六面の放射線量を平均する。
この放射能測定装置1によれば、収納容器100の六面の放射線量を適切に計測することができる。さらに、収納容器100の各面から測定した放射線量を平均して放射性廃棄物全体の放射能量を算出するため、放射性廃棄物全体の放射能量を容易に算出することができる。なお、放射能測定装置1は、放射能量の算出時にスペクトルの形状を利用した補正を行うことが好ましい。これにより、測定対象中の密度偏在や線源偏在の影響を緩和することができる。
放射能測定装置1の検出器ユニット20は、本実施形態のように、収納容器100と対面する面に検出器22が二次元配列されていることが好ましい。これにより、少ない計測回数で収納容器100の対象の面の放射線量を計測することができる。複数の検出器22は、少なくとも収納容器100の移動方向に直交する方向に複数配置されている。複数の検出器22は、収納容器100の移動方向に直交する方向の全域を覆う領域に配置されることが好ましい。さらに、検出器ユニット20は、本実施形態のように、二次元配列された検出器22の配置領域が収納容器100の対面する領域の全領域を含むことが好ましい。これにより、収納容器100の対象の面の放射線量を一度に計測することができるため、短時間で計測を行うことができる。
ここで、放射能測定装置1は、検出器ユニット20を収納容器100の移動方向の全面に配置していない場合、スライド移動部3で収納容器100を移動させることで収納容器100と検出器ユニット20の位置とを相対的に移動させ、収納容器100の面のうち、検出器ユニット20で放射能を検出する領域をずらす工程を複数回繰り返すことで、収納容器100の各面の放射線を測定することができる。
また、本実施形態の放射能測定装置1は、放射線検出部2を含み当該放射線検出部2が収納容器100の面に対向する範囲を覆い、装置外部から放射線検出部2に至る放射線を遮蔽する検出部遮蔽部6を備える。
この放射能測定装置1によれば、検出部遮蔽部6により装置外部から放射線検出部2に至る放射線を遮蔽することで、装置外部からの放射線を放射線検出部2で検出する事態を防ぐので、収納容器100から外部に放出される放射線を精度良く検出することが可能である。
また、本実施形態の放射能測定装置1は、放射線検出部2で放射線を検出する際の収納容器100を覆い、装置外部から収納容器100に至る放射線を遮蔽する収納容器遮蔽部7を備える。
この放射能測定装置1によれば、収納容器遮蔽部7により装置外部から収納容器100に至る放射線を遮蔽することで、装置外部から収納容器100内に一旦至ってから収納容器100の外部に放出される放射線を放射線検出部2で検出する事態を防ぐので、収納容器100から外部に放出される放射線を精度良く検出することが可能である。
なお、上述した実施形態では、スライド移動部3は、放射線検出部2を不動として収納容器100をy方向にスライド移動させる構成として説明したが、この限りではない。図には明示しないが、例えば、スライド移動部3は、収納容器100を不動として放射線検出部2をy方向にスライド移動させる構成であってもよい。また、スライド移動部3は、収納容器100と放射線検出部2とをy方向の逆方向にスライド移動させる構成であってもよい。放射線検出部2をy方向にスライド移動させる場合であって、検出部遮蔽部6を備える場合、スライド移動部3は、放射線検出部2および検出部遮蔽部6を共にスライド移動させる。また、放射線検出部2をy方向にスライド移動させる場合であって、収納容器遮蔽部7を備える場合、スライド移動部3は、放射線検出部2および収納容器遮蔽部7を共にスライド移動させる。
なお、上述した実施形態では、スライド移動部3は、水平方向に放射線検出部2と収納容器100とを相対的にスライド移動させる構成とし、回転移動部4は、鉛直な軸心で収納容器100を回転移動させる構成として説明したが、この限りではない。図には明示しないが、例えば、スライド移動部3は、鉛直方向に放射線検出部2と収納容器100とを相対的にスライド移動させる構成とし、回転移動部4は、水平な軸心で収納容器100を回転移動させる構成としてもよい。
放射能測定装置1は、上述した実施形態の正六面体(立方体)の収納容器100、直六面体(直方体)の収納容器102のように直方体の収納容器を用いることが好ましく、正六面体(立方体)とすることがさらに好ましい。長方形の面を有する直六面体であると、回転移動部4により収納容器100を回転させる前と回転させた後で、放射線検出部2と収納容器100との距離が均等でなかったり、収納容器100の面を適宜分割して放射線を検出する位置に放射線検出部2が配置されなかったりする場合がある。なお、放射能測定装置1は、上述したように、直方体の収納容器とすることが好ましいが直方体ではない、例えば、円筒や六面体以外の多面体やいびつな形状の収納容器を用いることもできる。
放射能測定装置1は、放射線検出部2をx方向およびz方向(スライド移動する方向に直交する方向)に移動可能にする検出部移動部を備えるとよい。検出部移動部を備えることで、回転移動部4により収納容器100を回転させる前と回転させた後で、収納容器100の面に対して適した距離であって、かつ適した位置に放射線検出部2を配置することが可能になる。また、収納容器は、本実施形態のように、直方体であることが好ましい。これにより、検出器ユニット20と収納容器100、102の関係を一定とすることができ、より高い精度で放射能量を計測することができる。
また、放射能測定装置1は、放射線検出部2の検出素子24が配置されている領域、つまり放射線の測定面にプラスチックシンチレータを配置し、放射線検出部2を検出素子24とプラスチックシンチレータとして検出手段が2層で配置された構造としてもよい。これにより、検出効率を向上させることができる。また、この場合、検出素子24で検出したCo−60とCs−137の比でプラスチックシンチレータのグロスカウントを按分して放射能量を測定してもよい。なお、この場合も検出素子24として、CdTeまたはCdZnTeを含有する半導体素子を用い、検出素子24を小型化できるため、シンチレータを配置することができる。
図12および図13は、それぞれ収納容器の他の例を示す斜視図である。上記実施形態では、収納容器を直方体としたが、これに限定されない。放射能測定装置は、図12および図13に示すように、円柱形状の収納容器202、204を用いることもできる。また、計測時の収納容器の向きも特に限定されず、図12に示す収納容器202のように、円柱形状の側面がスライド方向と直交となる向きで放射線検出部2に移動させてもよいし、図13に示す収納容器204のように、円柱形状の頂面がスライド方向と直交となる向きで放射線検出部2に移動させてもよい。また、上記実施形態では、収納容器202、204を円柱形状としたが、これに限定されない。収納容器としては、曲面を備える曲面体も好適に用いることができる。また、収納容器は、直方体、曲面体を用いることが好ましいが、これにも限定されない。
図14は、放射能測定装置の他の例の概略構成を示す斜視図である。図14に示す放射能測定装置301は、円柱の収納容器202の放射線量を好適に計測できる構造である。放射能測定装置301は、放射線検出部302と、収納容器202を放射線検出部302に対して移動させる移動機構304と、を有する。放射線検出部302は、検出器ユニット320を有する。検出器ユニット320は、リング形状の部材であり、複数の検出器322が、リング形状の幅方向および周方向に二次元配置されている。また、検出器322は上述した検出器と同様に複数の検出素子が二次元配列されている。移動機構304は、検出器322の円筒形状の軸方向に沿って収納容器202を移動させる。これにより、放射能測定装置301は、検出器322で収納容器202の軸方向の各部において放射線量を計測することができる。放射能測定装置301は、移動機構304によって収納容器202を移動させ、リング形状の検出器ユニット320と収納容器202とが対面した状態で、相対的に移動させることで、検出器ユニット320で収納容器202の放射線量を計測することができる。また、検出器ユニット320をリング形状とした場合、検出器ユニット320は、1つの繋がった面となり、その面に複数の検出器が配置された構成となる。
また、放射能測定装置は、収納容器を移動させる方向にある二面を除く四面または全周に検出器ユニットを配置することが好ましいが、収納容器を移動させる方向にある二面を除く少なくとも一面以上の面(収納容器を移動させる方向にある二面を除く面のうち少なくとも一面以上の面)に検出器ユニットを配置していればよい。
この図14に示す放射能測定装置301において、本実施形態の放射能量算出部5は、検出器ユニット320と収納容器202との相対的な移動速度を変更することで、放射線検出時間を変更することができる。
図15は、放射能測定装置の他の例の概略構成を示す斜視図である。図15に示す放射能測定装置401は、放射線検出部402と、収納容器202を放射線検出部402に対して移動させる移動機構404と、を有する。放射線検出部402は、検出器ユニット420と、検出器ユニット420を軸方向に移動させる移動部409と、を有する。検出器ユニット420は、面上の部材であり、複数の検出器422が二次元配置されている。また、検出器ユニット420は、移動部409により、検出器ユニット420を収納容器202の軸方向に位置を移動させる。移動機構404は、収納容器202を回転させる。また、検出器ユニット420は、円柱形状の収納容器202の軸方向に移動可能な機構である。移動機構404は、検出器422に対して、収納容器202を回転させることで、検出器422と対面している収納容器202の位置を移動させる。これにより、放射能測定装置401は、検出器422で収納容器202の軸方向の各部において放射線量を計測することができる。放射能測定装置401は、放射線検出部402と移動機構404とによって収納容器202と検出器ユニット420とを相対移動させ、検出器ユニット420と収納容器202とが対面した状態で相対的に移動させることで、検出器ユニット420で収納容器202の放射線量を計測することができる。
放射能測定装置401のように、検出器ユニット420が収納容器202の任意の面の全域を覆う形状としない場合でも、検出器ユニット420の検出器422の検出素子を二次元配列することで、収納容器202の放射線量を好適に計測することができる。つまり、放射能測定装置は、収納容器を移動させる方向にある二面を除く少なくとも一面以上の面の少なくとも一部に検出器ユニットを配置すればよい。また、図15では、円柱形の収納容器202を用いたが、放射能測定装置401は、直方体の収納容器も同様に計測することができる。
この図15に示す放射能測定装置401において、本実施形態の放射能量算出部5は、検出器ユニット420と収納容器202との相対的な移動速度を変更することで、放射線検出時間を変更することができる。
図16は、放射能測定装置の他の例の概略構成を示す斜視図である。図16に示す放射能測定装置501は、放射線検出部502と、放射性廃棄物110が載置される収納容器となるトレイ203を放射線検出部502に対して移動させる移動機構504と、を有する。放射線検出部502は、検出器ユニット520を有する。検出器ユニット520は、面上の部材であり、図には明示しないが複数の検出器が二次元配置されている。移動機構504は、トレイ203をスライド移動させる。また、検出器ユニット520は、移動機構504にてスライド移動されるトレイ203を挟むように配置される。そして、移動機構504は、検出器に対して、トレイ203をスライド移動させることで、検出器と対面しているトレイ203の位置を移動させる。これにより、放射能測定装置501は、検出器でトレイ203に載置された放射性廃棄物110の放射線量を計測することができる。放射能測定装置501は、放射線検出部502と移動機構504とによってトレイ203と検出器ユニット520とを相対移動させ、検出器ユニット520とトレイ203とが対面した状態で相対的に移動させることで、検出器ユニット520でトレイ203に載置された放射性廃棄物110の放射線量を計測することができる。なお、検出器ユニット520をトレイ203全体を覆う大きさとした場合は1ステップで放射能を測定することができる。また、検出器ユニット520をトレイ203よりも小さくした場合は、複数ステップで放射能を測定することができる。
この図16に示す放射能測定装置501において、本実施形態の放射能量算出部5は、検出器ユニット520とトレイ203との相対的な移動速度を変更することで、放射線検出時間を変更することができる。
図17は、放射線検出部の概略構成を示す斜視図である。また、上記実施形態の放射線検出部は、上述した各種効果を得ることができるため、検出素子として、CdTeまたはCdZnTeを含有する半導体素子を含む素子を用いたが、これに限定されない。放射線検出部は、検出素子として、各種素子を用いることができる。例えば、ゲルマニウム(Ge)を含有する半導体素子を含む素子を検出素子として用いることができる。図17に示す放射線検出部602は、収納容器100の周囲に配置されている。なお、放射線検出部602は、検出素子624の配置位置が異なるのみで、他の構成は上述した実施形態と同様とすることができる。放射線検出部602は、収納容器100と対面するそれぞれの面に検出器622が配置されている。検出器622は、複数の検出素子624が二次元配列で配置されている。
放射線検出部602は、ゲルマニウム(Ge)を含有する半導体素子を含む検出素子624を用いる場合も検出素子624を二次元配列することで、収納容器100の放射線量を好適に計測することができる。
1 放射能測定装置
2 放射線検出部
5 放射能量算出部
8 情報取得部
9 記憶部

Claims (2)

  1. 放射能測定対象の放射線量を検出する放射線検出部と、
    前記放射能測定対象の質量と高さと密度を取得する情報取得部と、
    前記放射能測定対象の質量と高さと密度に応じた放射線検出限界と放射線検出時間との関係が予め記憶される記憶部と、
    前記情報取得部から質量と高さと密度を入力し、これに基づいて前記記憶部に記憶された放射線検出限界と放射線検出時間との関係を読み出し、前記放射線検出部における放射線検出時間を設定する放射能量算出部と、
    を備えることを特徴とする放射能測定装置。
  2. 放射能測定対象の質量と高さと密度に応じた放射線検出限界と放射線検出時間との関係を予め記憶する工程と、
    前記放射能測定対象の質量と高さと密度を取得する工程と、
    取得した質量と高さと密度に基づいて予め記憶した放射線検出限界と放射線検出時間との関係から、放射線検出時間を設定する工程と、
    を含むことを特徴とする放射能測定方法。
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