JP6139391B2 - 放射能検査装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、容器に収納された測定対象物の放射能量を測定する放射能検査装置及び方法に関する。
環境中、例えば土壌や食品等に存在する放射能量は、少量のサンプリング分析による検査が昨今まで実施されてきたが、原子力発電所の事故に伴い一般環境中に大量の放射能が放出されたことで、大量の汚染土壌や廃棄物、あるいは食品等に対する放射能の全数検査が必要になってきた。この場合、放射線サーベイメータによるマニュアル測定では物量的に限界があるため、多数の対象物を高速に自動で測定できる装置が要求される。
これに対応する従来技術として、例えば原子力施設の放射線管理で使用されている物品搬出モニタがある。これは、ローラコンベア上の大型のトレイに複数の物品を並べてβ線検出器まで搬送し、一度に短時間で物品表面の放射能密度を測定して放射能の有無を検査する装置である。主に物品の表面から放出されるβ線を検出して表面放射能密度に換算し、更に、補助的にγ線検出器を用いて物品内部の放射能量を検出する。この装置はβ線による物品表面の放射能検査が主体であるため、厚みのある大型の対象物の検査には不向きである。
また、大型の廃棄物や大量の廃棄物を一括で検査する装置として原子力施設で使用されるものとしては、200Lドラム缶や大型角型容器に収納された放射性廃棄物の検査装置がある。これは、ドラム缶などに収納された廃棄物から発生するγ線をスペクトル測定して放射能量に換算するものであり、市販されているものはいずれも容器を駆動する機構部も含めて大型の検査装置となっている。
これらの装置は、測定対象となる容器内の廃棄物に放射能の偏りがあるとγ線の廃棄物中の透過距離に差が生じるため、同じ放射能濃度であっても容器中心付近に放射能が集中する場合には、廃棄物によるγ線吸収の影響で著しくγ線検出感度が低下し、逆に、検出器前面付近に放射能が集中する場合には、γ線がほとんど吸収されずにγ線検出器に入射するためγ線の検出感度が大きくなる。このように廃棄物を収納した容器に放射能の偏りがある場合には、γ線の検出感度が大幅に変動することによって放射能量の測定誤差が増大することから、従来からいくつかの補正手段が提案されてきた。
その中で最も単純な方法は、廃棄物が収納された容器を回転させながら測定することで、放射能の周方向の偏りを均一化させようというものである。ドラム缶では連続回転させるのが一般的であるが、角型容器の場合には例えば90°毎に容器を間欠回転させて測定することもある。
容器の回転だけでは放射能の径方向の偏りについて補正できないため、更に別の方法と組み合わせて補正する場合がある。その一つであるエミッションCT法は放射線の発生位置をCT法で特定するものであり、密度分布の影響を受けるものの詳細な放射能分布を求めることが可能である。しかしながら、CTスキャン用にγ線検出器とコリメータが多数必要になるため、装置規模が大型化してしまう。
その他、γ線エネルギスペクトルの光電ピーク計数率と散乱線計数率との比から線源位置を推定する方法や、2つ以上のγ線を放出する核種、例えばCo−60やEu−154などが対象の場合に、それぞれのγ線におけるエネルギスペクトルの光電ピーク計数率の比から線源位置を推定する方法が用いられている。この場合、容器を回転させないで、例えば測定対象物を横方向に何分割かして各分割区分毎に測定を行い、予め求めておいた散乱線計数率などのγ線検出器の応答関数を用いて線源位置を推定する方法がある。
特開平4−235379号公報 特開2005−180936号公報
Tetsuo Goto 他 A RADIOACTIVITY ASSAY METHOD USING COMPUTED TOMOGRAPHY 米国原子力学会 NUCLEAR TECHNOLOGY VOL.100 DEC.1992
しかしながら、前述のような放射能分布の偏りを補正する従来技術の第1の課題は、容器を連続回転させるか、あるいは測定対象物を分割して各分割区分毎に測定するための機構部が必要になり、また、特にエミッションCT法の場合には、γ線検出器やコリメータの台数も多くなることから、装置規模が大型且つ複雑になって、コストが上昇する点である。
また、第2の課題は、原子力発電所事故に由来の現実的な廃棄物の場合には、放射能の局所的な偏りではなく緩やかな放射能分布であって、主要核種がγ線エネルギスペクトルにおいて単一のピークを呈するCs−137であると考えられるので、従来の散乱線計数率をピーク計数率と共に用いるだけの補正では線源位置の明確な推定が難しく、更に、複数のγ線エネルギを用いる従来の補正は適用できない点である。
本発明における実施形態の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、放射線を放出する測定対象物が収納された容器について、比較的簡単な構成により放射能の偏在による放射能量の測定誤差を低減できる放射能検査装置及び方法を提供することにある。
本発明の実施形態における放射能検査装置は、容器に収納された測定対象物から放出される放射線を検出して放射線信号を出力すると共に、前記容器との相対位置を変更可能な放射線検出器と、この放射線検出器が前記容器との複数の相対位置毎に出力した放射線信号を計数すると共に、この放射線計数値から検出器応答パターンを求める放射線計数手段と、前記容器に収納された前記測定対象物の複数種類の放射能偏在パターン、及びこの複数種類の放射能偏在パターンのそれぞれに対応する複数種類の推定用検出器応答パターンを予め記憶する偏在パターン記憶手段と、前記放射線計数手段で求めた検出器応答パターンと前記偏在パターン記憶手段に予め記憶された複数種類の推定用検出器応答パターンとを照合し、いずれかの推定用検出器応答パターンに対応する放射能偏在パターンを選択する偏在パターン推定手段と、この偏在パターン推定手段にて選択された放射能偏在パターンに関連づけて設定された放射能換算係数を用いて、前記放射線計数手段にて計数された放射線計数値から前記容器の放射能量を算出する放射能算出手段と、を有し、前記放射線検出器は、γ線を検出するγ線検出器であり、前記放射線計数手段が求める検出器応答パターンと、前記偏在パターン記憶手段に記憶される推定用検出器応答パターンは、前記放射線検出器の対向する位置でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率の比、前記放射線検出器の隣接する位置でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率の比、前記放射線検出器のそれぞれの位置でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率と散乱領域計数率との比、が組み合わされたものであることを特徴とするものである。
本発明の実施形態における放射能検査方法は、γ線を放出する測定対象物が収納された容器の周囲複数位置で、ガンマ線検出器である放射線検出器がγ線を検出して放射線信号を出力し、この放射線信号を計数した放射線計数値から検出器応答パターンを求め、この検出器応答パターンを用いて、前記容器に収納された前記測定対象物の放射能偏在パターンを推定し、この放射能偏在パターンに関連づけて設定された放射能換算計数を用いて、前記放射線計数値から前記容器の放射能量を算出し、前記放射能偏在パターンの推定は、前記容器に収納された前記測定対象物の複数種類の放射能偏在パターン、及びこの複数種類の放射能偏在パターンのそれぞれに対応する複数種類の推定用検出器応答パターンが記憶された偏在パターン記憶手段を用意し、放射線計数値から求めた検出器応答パターンと前記推定用検出器応答パターンとを照合し、いずれかの推定用検出器応答パターンに対応する放射能偏在パターンを選択することで行い、前記放射線計数値から求める検出器応答パターン、及び前記偏在パターン記憶手段に記憶される推定用検出器応答パターンは、前記放射線検出器の対向する位置でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率の比、前記放射線検出器の隣接する位置でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率の比、前記放射線検出器のそれぞれの位置でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率と散乱領域計数率との比、が組み合わされたものであることを特徴とするものである。
上述の如く説明した実施形態によれば、放射線を放出する測定対象物が収納された容器について、比較的簡単な構成により放射能の偏在による放射能量の測定誤差を低減できる。
第1実施形態に係る放射能検査装置を示す構成図。 γ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率と散乱領域計数率との比と容器中の線源位置との関係を示すグラフ。 図1の偏在パターン記憶手段に記憶された放射能偏在パターン及び推定用検出器応答スペクトルなどのデータベースの一例を示す図表。 第2実施形態に係る放射能検査装置を示す構成図。 図1及び図4の放射能検査装置において放射線検出器の容器に対する高さ方向を変更する場合を示す側面図。
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1〜図3)
図1は、第1実施形態に係る放射能検査装置を示す構成図である。本第1実施形態の放射能検査装置10は、容器12に収納された測定対象物としての廃棄物11から放出される放射線を検出し放射線信号を出力すると共に、容器12の側面における周方向の相対位置を変更可能な放射線検出器13と、この放射線検出器13の後段に設けられた放射線計数手段14と、この放射線計数手段14の後段に設けられた偏在パターン推定手段15と、この偏在パターン推定手段15に接続された偏在パターン記憶手段16と、偏在パターン推定手段15の後段に設けられた放射能算出手段17と、を有して構成される。
容器12は、例えば200Lドラム缶やフレキシブルコンテナバッグなどの大型の廃棄物容器である。この容器12に収納された廃棄物11は放射線であるγ線を放出し、このγ線は、廃棄物11自体や容器12に吸収されつつ放射線検出器13に入射される。
放射線検出器13は、放射線としてのγ線を検出するγ線検出器であり、一般的に、NaI(Tl)シンチレーション検出器やGe半導体検出器などが使用されるが、γ線エネルギ情報が得られれば特に種類は限定しない。放射線検出手段13は、容器12の側面に対する相対位置が可変であり、図1の例では容器12の周方向複数位置、つまり位置aを原点として、90°毎にb、c、dの各位置でγ線を検出する。また、放射線検出器13は、入射したγ線エネルギに比例した放射線信号(例えば波高値のパルス)を出力し、この放射線信号が放射線計数手段14で計数される。
放射線計数手段14は例えば多重波高分析器であり、放射線検出器13が容器12との複数の相対位置(前述の位置a、b、c、d)毎にγ線を検出して出力した放射線信号を計数して、放射線検出器13の相対位置毎にγ線エネルギスペクトルを計測する。更に、放射線計数手段14は、計測した相対位置毎のγ線エネルギスペクトルから放射線計数値(即ち放射線検出器13の相対位置毎のγ線エネルギスペクトルのピーク計数率、散乱領域計数率)を求め、この放射線計数値から検出器応答パターンを演算する。
この検出器応答パターンは、放射線検出器13の対向する相対位置(例えば位置aとc、位置bとd)でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率の比、放射線検出器13の隣接する相対位置(例えば位置aとc、位置cとd)でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率の比、放射線検出器13のそれぞれの相対位置(即ち位置a、b、c、d)でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数と散乱領域計数率との比、が組み合わされたものである。この検出器応答パターンでは、各計数率の比の数値は相対値を用いてもよい。
各位置a〜dでのγ線エネルギスペクトルの光電ピーク計数率を、対向する位置、隣接する位置で比較することにより、廃棄物11の放射能量によらずに、容器12内での周方向の計数率分布を求めることができる。
また、各位置a〜dでのγ線エネルギスペクトルの光電ピーク計数率と散乱領域計数率とを比較することにより、容器12内の深さ方向(半径方向)に対する線源位置を求めることができる。
例えば、図2は、密度1.3g/cmの廃棄物11からのγ線を計測したときの容器12内のCs−137の線源位置と、NaI(Tl)シンチレーション検出器を用いたCs−137からのγ線エネルギスペクトルの光電ピーク計数率と散乱線領域計数率の比との関係を示す。容器12の中心付近にある線源からのγ線は、廃棄物11による吸収や散乱の影響を受けるので、γ線エネルギスペクトルの光電ピーク計数率が小さくなり、代わりに散乱領域計数率が増加する。一方、容器12の表面付近にある線源からのγ線は、上述の吸収等の影響をほとんど受けないため、γ線エネルギスペクトルのピーク計数率が大きくなる。また、容器12内に放射能が均一に分布している場合におけるγ線エネルギスペクトルの光電ピーク計数率と散乱領域計数率との比は、線源が容器12の中心付近にある場合と表面付近にある場合との中間に相当し、図2の例では略0.5付近になる。
ここで、図2は一例であり、光電ピーク計数率と散乱領域計数率との比と線源位置との関係は、実際には容器12内の廃棄物11の材質や容器12内での廃棄物11の密度、容器12の形状などによって変化する。
偏在パターン記憶手段16は、図3に示すように、容器12の形状や容器12内での廃棄物11の密度などの廃棄物条件と、容器12に収納された廃棄物11の放射能濃度比や、容器12に収納された廃棄物11の複数種類の放射能偏在パターンなどの分布条件と、放射能偏在パターンのそれぞれに対応すると共に、放射線検出器13の各相対位置について求められた複数種類の推定用検出器応答パターンと、を予め関連づけて記憶する。
このうち、推定用検出器応答パターンは、放射線計数手段14が求める検出器応答パターンと整合するものであり、放射線検出器13の対向する相対位置(例えば位置aとc、位置bとd)でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率の比、放射線検出器13の隣接する相対位置(例えば位置aとc、位置cとd)でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率の比、放射線検出器13のそれぞれの相対位置(即ち位置a、b、c、d)でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率と散乱領域計数率との比、が組み合わされたものである。
この推定用検出器応答パターンの数値は、予め標準放射線源と模擬廃棄物とを組み合わせて実際に測定することで算出してもよく、またはシミュレーション計算により算出してもよい。この推定検出器応答パターンでも、各計数率の比の数値は相対値を用いてもよい。
また、放射能偏在パターンは、放射線検出器13の配置と廃棄物11の容器12内での収納状態とに応じて、実際に想定される容器12内での廃棄物11の分布パターンから予め決定しておけばよい。図3では、円筒形状の容器12を周方向、高さ方向、径方向のそれぞれに分割したパターンの一例を示しており、白の領域の放射能濃度が、斜線領域の放射能濃度の10倍に設定されている。分割は更に細分化してもよく、分割の形状は特に限定されない。
更に、放射能濃度比は、対象とする廃棄物11に応じて実際に想定される濃度比を設定すればよく、強弱の区分も2段階だけではなく、必要に応じて3段階以上に増やしてもよい。
偏在パターン推定手段15は、放射線計数手段14で求めた検出器応答パターンと偏在パターン記憶手段16に記憶された推定用検出器応答パターンとを照合し、放射線計数手段14で求めた検出器応答パターンと略一致する推定用検出器応答パターンに対応する放射能偏在パターンを選択することで、容器12における廃棄物11の放射能偏在パターンを推定する。
具体的には、偏在パターン推定手段15は、偏在パターン記憶手段16に記憶された放射能偏在パターンに対応する推定用検出器応答パターンの個々の数値に対し、後述の照合時に略一致すると判定するための判定幅を予め定めておく。次に、偏在パターン推定手段15は、放射線計数手段14が求めた検出器応答パターンの個々の数値を推定用検出器応答パターンの個々の数値と照合してその判定幅に入るときに、その判定幅を設定した推定用検出器応答パターンに対応する放射能偏在パターンを抽出する。
抽出した放射能偏在パターンが1つの場合には、この放射能偏在パターンが推定すべき放射能偏在パターンとなるが、抽出した放射能偏在パターンが複数ある場合には、偏在パターン推定手段15は次の手順を行う。つまり、偏在パターン推定手段15は、抽出した放射能偏在パターンに対応する推定用検出器応答パターンの個々の数値と放射線計数手段14にて求められた検出器応答パターンの個々の数値との差が最も小さくなるときに、この差が最も小さくなった推定用検出器応答パターンに対応する放射能偏在パターンを、推定すべき放射能偏在パターンとして選択する。
尚、放射能計数手段14にて求められた検出器応答パターンの個々の数値との差が最小となる推定用検出器応答パターンが複数存在する場合には、これらの推定用検出器応答パターンのそれぞれに対応する複数の放射能偏在パターンを放射能算出手段17へ出力する。
放射能算出手段17は、まず、放射線検出器13の容器12に対する各相対位置で放射線計数手段14にて計数された放射線計数値(特にγ線エネルギスペクトルの光電ピーク計数率)を合計する。次に、放射能算出手段17は、偏在パターン推定手段15にて推定された放射能偏在パターン及び廃棄物条件に関連づけて設定された放射能換算係数を用い、放射線計数手段14にて計数された放射線計数値の前記合計値に前記放射能換算係数を乗じて、廃棄物11が収納された容器12の放射能量を算出する。この放射能量の算出結果は、放射能算出手段17がパーソナルコンピュータで構成される場合には、画面に表示されると共に記録される。
また、偏在パターン推定手段15から複数の放射能偏在パターンが推定されて出力されたときには、放射能算出手段17は、これら複数の放射能偏在パターン毎に放射能換算係数を求めて放射能量を別々に算出し、安全率を考慮して、最も大きな値の放射能量を算出値とする。
以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)及び(2)を奏する。
(1)放射線であるγ線を放出する廃棄物11が収納された容器12の周囲複数位置で放射線検出器13が、γ線を検出して放射線信号を出力する。放射線計数手段14は、この放射線信号を計数して放射線計数値(γ線エネルギスペクトルの光電ピーク計数率、散乱領域計数率)を求めると共に、この放射線計数値から検出器応答パターンを求める。偏在パターン推定手段15は、この検出器応答パターンと偏在パターン記憶手段16に記憶された推定用検出器応答パターンとを用いて、容器12に収納された廃棄物11の放射能偏在パターンを推定する。放射能算出手段17は、この放射能偏在パターン等に関連づけて設定された放射能換算係数を用いて、放射線計数手段14が計数した放射線計数値(特に光電ピーク計数率)の合計値から容器12の放射能量を算出する。このため、γ線を放出する廃棄物11が収納された容器12について、比較的簡単な構成により放射能の偏在による放射能量の測定誤差を低減できる。
(2)また、放射線検査装置10では、放射線検出器13の必要個数が少なく、しかも装置の構造も大型且つ複雑でないので、低コストを実現できる。
[B]第2実施形態(図4)
図4は、第2実施形態に係る放射能検査装置を示す構成図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第2実施形態の放射能検査装置20が第1実施形態と異なる点は、放射線検出器13が容器12の周方向に複数個(例えば2個)配置され、容器12を搭載するための回転台21により、容器12をその周方向に180°以下の所定ピッチで回転させることで、容器12の側面に対する放射線検出器13の相対位置が変更可能に構成された点である。また、複数の放射線検出器13のそれぞれの後段には放射線計数手段14が個別に設けられ、この複数の放射線計数手段14が単一の偏在パターン推定手段15に接続されている。
つまり、2台の放射線検出器13を対向位置(容器12の周方向反対位置)に配置させ、更に、回転台21により容器12を角度90°のピッチでe方向に回転させた場合、2回の検出動作で、図1の位置a〜dの4箇所での検出が可能になる。また、2台の放射線検出器13を容器12における周方向角度90°の位置に配置し、回転台21により容器12を角度180°のピッチでe方向に回転させた場合にも、同様に2回の検出動作で、図1の位置a〜dの4箇所での検出が可能になる。放射線検出器13を配置する容器12に対する配置角度は特に限定しないが、放射線検出器13の配置角度と回転台21の回転ピッチの組み合わせで得られる放射線検出器13の検出位置は、偏在パターン記憶手段16に記憶された推定用検出器応答パターンにおける放射能検出器13の検出位置と整合させておく。
上述の2台の放射線検出器13から出力された放射線信号(波高値パルス)は、後段の2台の放射線計数手段14でそれぞれ計数される。各放射線計数手段14は、接続された放射線検出器13の検出位置におけるγ線エネルギスペクトルを計測して、それぞれ、検出器応答パターンを部分的に演算する。更に偏在パターン推定手段15は、各放射線計数手段14で求めた検出器応答パターンを1つにまとめ、この1つにまとめた検出器応答パターンを、偏在パターン記憶手段16に記憶された放射能偏在パターンに対応する推定用検出器応答パターンと照合して、放射能偏在パターンを推定する。放射能偏在パターンの推定から放射能量の算出までは第1実施形態と同様である。
以上のように構成されたことから、本第2実施形態においても、第1実施形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏するほか、次の効果(3)を奏する。
(3)放射線検出器13が容器12の周方向に複数台配置され、容器12を搭載するための回転台21により、容器12を周方向に所定ピッチで回転させることで、各放射線検出器13によるγ線の少ない検出回数で偏在パターン推定手段15が放射能偏在パターンを推定するので、廃棄物11が収納された容器12の放射能量を短時間に算出できる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、図5に示すように、放射線検出器13の位置aを、容器12に対し位置a1、a2のように容器12の高さ方向に変更し、放射線検出器13が各高さ位置で、容器12の周方向に相対移動してγ線を検出するようにしてもよい。
また、上述の両実施形態では、放射線計数手段14は、γ線エネルギスペクトルを計測可能な多重波高分析器の場合を述べたが、γ線エネルギスペクトルが単純なスペクトル形状でピーク領域と散乱領域を容易に区別できる場合には、2領域程度を弁別して計測可能なシングルチャネルアナライザを用いてもよい。
10 放射線検査装置
11 廃棄物(測定対象物)
12 容器
13 放射線検出器
14 放射線計数手段
15 偏在パターン推定手段
16 偏在パターン記憶手段
17 放射能算出手段
20 放射線検査装置
21 回転台

Claims (5)

  1. 容器に収納された測定対象物から放出される放射線を検出して放射線信号を出力すると共に、前記容器との相対位置を変更可能な放射線検出器と、
    この放射線検出器が前記容器との複数の相対位置毎に出力した放射線信号を計数すると共に、この放射線計数値から検出器応答パターンを求める放射線計数手段と、
    前記容器に収納された前記測定対象物の複数種類の放射能偏在パターン、及びこの複数種類の放射能偏在パターンのそれぞれに対応する複数種類の推定用検出器応答パターンを予め記憶する偏在パターン記憶手段と、
    前記放射線計数手段で求めた検出器応答パターンと前記偏在パターン記憶手段に予め記憶された複数種類の推定用検出器応答パターンとを照合し、いずれかの推定用検出器応答パターンに対応する放射能偏在パターンを選択する偏在パターン推定手段と、
    この偏在パターン推定手段にて選択された放射能偏在パターンに関連づけて設定された放射能換算係数を用いて、前記放射線計数手段にて計数された放射線計数値から前記容器の放射能量を算出する放射能算出手段と、を有し
    前記放射線検出器は、γ線を検出するγ線検出器であり、
    前記放射線計数手段が求める検出器応答パターンと、前記偏在パターン記憶手段に記憶される推定用検出器応答パターンは、前記放射線検出器の対向する位置でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率の比、前記放射線検出器の隣接する位置でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率の比、前記放射線検出器のそれぞれの位置でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率と散乱領域計数率との比、が組み合わされたものであることを特徴とする放射能検査装置。
  2. 容器に収納された測定対象物から放出される放射線を検出して放射線信号を出力すると共に、前記容器との相対位置を変更可能な放射線検出器と、
    この放射線検出器が前記容器との複数の相対位置毎に出力した放射線信号を計数すると共に、この放射線計数値から検出器応答パターンを求める放射線計数手段と、
    前記容器に収納された前記測定対象物の複数種類の放射能偏在パターン、及びこの複数種類の放射能偏在パターンのそれぞれに対応する複数種類の推定用検出器応答パターンを予め記憶する偏在パターン記憶手段と、
    前記放射線計数手段で求めた検出器応答パターンと前記偏在パターン記憶手段に予め記憶された複数種類の推定用検出器応答パターンとを照合し、いずれかの推定用検出器応答パターンに対応する放射能偏在パターンを選択する偏在パターン推定手段と、
    この偏在パターン推定手段にて選択された放射能偏在パターンに関連づけて設定された放射能換算係数を用いて、前記放射線計数手段にて計数された放射線計数値から前記容器の放射能量を算出する放射能算出手段と、を有し、
    前記偏在パターン推定手段は、前記偏在パターン記憶手段に記憶された放射能偏在パターンに対応する推定用検出器応答パターンの個々の数値に対する判定幅が予め定められており、
    前記放射線計数手段が求めた検出器応答パターンの個々の数値を前記推定用検出器応答パターンの個々の数値と照合して前記判定幅に入るときに、その推定用検出器応答パターンに対応する放射能偏在パターンを抽出し、
    この抽出した放射能偏在パターンに対応する推定用検出器応答パターンの個々の数値と前記検出器応答パターンの個々の数値との差が最も小さくなるときに、この差が最も小さくなった推定用検出器応答パターンに対応する放射能偏在パターンを、放射能偏在パターンとして選択することを特徴とする放射能検査装置。
  3. 前記放射線検出器は、容器を搭載するための回転台により前記容器が回転することで、前記容器の側面との相対位置が変更可能に構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の放射能検査装置。
  4. 前記放射線検出器は、容器の周方向に複数個配置され、前記容器を周方向に角度180°以下のピッチで回転させることで、前記容器の側面との相対位置が変更可能に構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の放射能検査装置。
  5. γ線を放出する測定対象物が収納された容器の周囲複数位置で、ガンマ線検出器である放射線検出器がγ線を検出して放射線信号を出力し、この放射線信号を計数した放射線計数値から検出器応答パターンを求め、
    この検出器応答パターンを用いて、前記容器に収納された前記測定対象物の放射能偏在パターンを推定し、
    この放射能偏在パターンに関連づけて設定された放射能換算計数を用いて、前記放射線計数値から前記容器の放射能量を算出し、
    前記放射能偏在パターンの推定は、前記容器に収納された前記測定対象物の複数種類の放射能偏在パターン、及びこの複数種類の放射能偏在パターンのそれぞれに対応する複数種類の推定用検出器応答パターンが記憶された偏在パターン記憶手段を用意し、
    放射線計数値から求めた検出器応答パターンと前記推定用検出器応答パターンとを照合し、いずれかの推定用検出器応答パターンに対応する放射能偏在パターンを選択することで行い、
    前記放射線計数値から求める検出器応答パターン、及び前記偏在パターン記憶手段に記憶される推定用検出器応答パターンは、前記放射線検出器の対向する位置でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率の比、前記放射線検出器の隣接する位置でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率の比、前記放射線検出器のそれぞれの位置でのγ線エネルギスペクトルにおける光電ピーク計数率と散乱領域計数率との比、が組み合わされたものであることを特徴とする放射能検査方法。
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