JP6268599B2 - 焼結体の加熱方法 - Google Patents

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本発明は焼結体の加熱方法に関する。さらに詳しくは、焼結体における同一平面上にない2つの被加熱面を同時に加熱する方法に関する。
比較的複雑な形状を有する機械部品などを製造する技術として粉末冶金法がある。この方法では、鉄系材料を含む種々の組成の粉末材料を所望の形状に加圧成形し、得られた成形体(圧粉体)を加熱して焼結させる。このような成形および焼結工程を経て焼結体が製造される。
通常、前記各工程を経て得られる焼結体に対してさらに焼入れ処理などを施すことで当該焼結体の機械的強度や耐摩耗性などを向上させることが行われているが、例えば自動車の駆動系歯車やクランクシャフトなどのように、焼結体の所定の表層部分だけを部分的に焼入れ処理する場合がある。かかる部分的な焼入れ処理では、焼入れしたい部分だけを加熱する必要がある。そして、加熱部位および加熱時間の制御が比較的容易な方法として、高周波焼入れ法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−322503号公報
しかし、加熱をする被加熱面の位置によっては、前記高周波加熱で所望の加熱をすることが難しいことがある。図4は、自動車部品であるクラッチハブ10の一例の斜視説明図である。このクラッチハブ10は段差を有する焼結体であり、下部の径大円筒部11と、この径大円筒部11と同軸に一体成形された上部の径小円筒部12とで構成されている。このような段差を有するクラッチハブ10において、径小円筒部12の端面12aと、径大円筒部11の肩面11aとを加熱する場合、単巻コイルを用いて2つの被加熱面を順次加熱すると処理時間が長くなるので、2巻コイルを用いて両被加熱面を同時に加熱することが行われている。しかし、かかる2巻コイルを用いた従来の高周波焼入れ法では設計上不要な部分まで加熱されていた。
図5は、2巻コイルを用いて、図4に示される形状のクラッチハブ10を高周波加熱する場合を模式的に示す断面説明図である。図5では、分かりやすくするために、クラッチハブ10などのサイズを誇張して描いている。
加熱用のコイル13は2段構造であり、上段コイル13aはクラッチハブ10の径小円筒部12の端面12aの上方に所定距離だけ離間して配置され、下段コイル13bはクラッチハブ10の径大円筒部11の肩面11aの上方であって、前記径小円筒部12の外周面12bから径外方向に所定距離だけ離間して配置される。この場合、上段コイル13aによって前記端面12aが加熱され、下段コイル13bによって前記肩面11aが加熱されるが、コイルによる誘導加熱を利用していることから、径小円筒部12の外周面12bも加熱されてしまう。このように、設計上意図していない仕様外の部分に加熱処理が施されると、後に行われる油冷などの処理により加熱された部分に焼きが入ってしまい、仕様指示のない部分にマルテンサイトや微小なパーライトなどの異常組織ができてしまうという問題がある。また、この組織変化に応じた歪が焼結体に発生しやすくなるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、段差を有する焼結体に対し仕様通りの加熱を的確に行うことができる焼結体の加熱方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様に係る焼結体の加熱方法(以下、単に「加熱方法」ともいう)は、エネルギー光を用いて焼結体を加熱する方法であって、
前記焼結体は、前記エネルギー光の光軸方向に沿って互いに離間しており且つ当該光軸方向とほぼ直交する2つの被加熱面を有しており、
前記エネルギー光の焦点が前記2つの被加熱面の間に位置するように調整した状態で当該エネルギー光を焼結体に適用する。
上記発明によれば、段差を有する焼結体に対し仕様通りの加熱を的確に行うことができる。
本発明の一態様に係る加熱方法を説明する図である。 実施例に係る焼結体の要部断面の写真である。 比較例に係る焼結体の要部断面の写真である。 クラッチハブの一例の斜視説明図である。 従来の高周波加熱法の断面説明図である。
〔本発明の実施形態の説明〕
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係る加熱方法は、(1)エネルギー光を用いて焼結体を加熱する方法であって、
前記焼結体は、前記エネルギー光の光軸方向に沿って互いに離間しており且つ当該光軸方向とほぼ直交する2つの被加熱面を有しており、
前記エネルギー光の焦点が前記2つの被加熱面の間に位置するように調整した状態で当該エネルギー光を焼結体に適用する。
本態様に係る加熱方法では、エネルギー光を用いて焼結体の2つの被加熱面の加熱を同時に行うに際し、当該エネルギー光の焦点が前記2つの被加熱面の間に位置するように調整した状態でエネルギー光を焼結体に適用している。エネルギー光は直進性が高いので、2つの被加熱面だけを照射して当該被加熱面を加熱することができる。2つの被加熱面は、いずれも焦点がずれた状態で照射が行われることから照射された被加熱面のエネルギーレベルが下がり、結果としての温度上昇は低下する。しかし、エネルギー光は直進性が高いので、多少の焦点ずれであれば、投入エネルギーのパワーを強めることにより、加熱量を容易に調整することができる。
(2)前記2つの被加熱面のそれぞれの加熱面積に応じて前記焦点の位置を調整することが好ましい。この場合、加熱面積が大きい被加熱面側に焦点をシフトさせることにより、両被加熱面を均等に加熱することができる。
(3)前記2つの被加熱面のそれぞれの要求加熱に応じて前記焦点の位置を調整することが好ましい。この場合、要求加熱(仕様上要求されている加熱の程度)が大きい被加熱面側に焦点をシフトさせることにより、両被加熱面を均等に加熱することができる。
(4)前記焼結体は、下部の径大円筒部と、この径大円筒部と同軸に一体成形された上部の径小円筒部とで構成されており、
前記径小円筒部は、前記径大円筒部と同一内径であり、
前記径小円筒部の端面と、前記径大円筒部の肩面とが前記2つの被加熱面であるものとすることができる。この場合、段差を有する焼結体における径小円筒部の端面と、径大円筒部の肩面とだけを同時に加熱することができる。
(5)前記エネルギー光が半導体レーザ光であることが好ましい。この場合、被加熱面に対し均等な加熱を行うことができる。
〔本発明の実施形態の詳細〕
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の加熱方法の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は、本発明の一態様に係る加熱方法を説明する図である。この態様では、図4に示される形状のクラッチハブ10が半導体レーザにより照射されることで加熱処理される。半導体レーザの発振機1と、ワークとしてのクラッチハブ10との間には一般的な伝送光学系2および加工光学系3が配設されている。伝送光学系2は、例えば円偏光ミラー4やゼロシフトミラー5などで構成されており、レーザ発振機1から射出されたレーザ光(直線偏光)Lを光線の向きを変えながら円偏光に変化させる。加工光学系3は、複数のレンズ6を備えており、伝送光学系2から導かれた円偏光を所望の位置に集光させる。
前述したように、クラッチハブ10は段差を有する焼結体であり、下部の径大円筒部11と、この径大円筒部11と同軸に一体成形された上部の径小円筒部12とで構成されている。径小円筒部12の内径は径大円筒部11の内径と同じ大きさである。また、径大円筒部11の外径は径小円筒部12の外径よりも大きいので、当該径大円筒部11と径小円筒部12との境界部分には、段差7が形成されている。そして、本態様では、径小円筒部12の発振機1側の端面12aと、径大円筒部11の肩面11aとが、半導体レーザにより加熱されるべき被加熱面とされている。これら2つの被加熱面は、レーザ光Lの光軸方向に沿って互いに離間している。クラッチハブ10は、その端面12aと肩面11aとがいずれもレーザ光Lの光軸方向とほぼ直交するように配置されている。
本態様では、レーザ光Lの焦点fが、当該レーザ光Lの光軸に沿って互いに離間している端面12aと肩面11aとのほぼ中間に位置するように前記加工光学系を構成するレンズ6の配置や仕様などが調整されている。その結果、前記端面12aおよび肩面11aには、いずれも焦点がずれた状態でレーザ光Lが照射されるので、焦点が合った状態で照射される場合に比べて端面12aおよび肩面11aのエネルギーレベルは下がり、温度上昇の程度は低下する。しかし、レーザ光Lは直進性が高いので、多少の焦点ずれであれば、投入エネルギーのパワーを強めることにより、加熱量を容易に調整することができ、被加熱面に対して所望の加熱を行うことができる。
[実施例]
つぎに実施例に基づき本態様の加熱方法を説明するが、本発明はもとよりかかる実施例にのみ限定されるものではない。
実施例
図4に示される形状のクラッチハブ10(段差を有する焼結体)の径小円筒部12の端面12aと径大円筒部11の肩面11aとに半導体レーザからのレーザ光を照射して加熱した。クラッチハブ10のサイズおよび処理条件は以下のとおりであった。レーザ光の焦点が径小円筒部12の端面12aと径大円筒部11の肩面11aとの中間に位置するようにクラッチハブ10の光軸上の位置を調整した。また、クラッチハブ10を当該クラッチハブ10の軸回りに回転させて、前記端面12aと肩面11aを全周にわたり加熱した。
<クラッチハブのサイズ>
径大円筒部の外径:51mm
径小円筒部の外径:45mm
径小円筒部の内径:39mm
径大円筒部の高さ:3mm
径小円筒部の高さ:3mm
<処理条件>
加熱温度:950℃
加熱時間:5sec
回転数 :20rpm
加熱後にクラッチハブ10を空気中で冷却することで加熱部分の焼入れ処理を行った。加熱された部分にはマルテンサイト組織を主とする組織が得られ、かかる組織はナイタールなどの腐食液に漬けることで変色する。したがって、この変色部があるか否かを確認することで加熱処理が行われたか否かを判断することができる。図2は、実施例に係るクラッチハブの要部断面の写真である。径小円筒部12の端面12aと径大円筒部11の肩面11aとに焼入組織が形成されていることがわかる。
比較例
実施例と同じ形状のクラッチハブ10に対し、図5に示されるような2段構造の2巻コイルを用いて径小円筒部12の端面12aと径大円筒部11の肩面11aを加熱した。上段コイルは前記端面12aの上方に0.5mm(コイル下面と端面12aとの間の距離)離間して配置され、下段コイルは前記肩面11aの0.5mm上方(コイル下面と肩面11aとの間の距離)であって、前記径小円筒部12の外周面12bから径外方向に1mm(コイル内周面と外周面12aとの距離)離間して配置した。処理条件は以下のとおりである。比較例においてもクラッチハブ10を当該クラッチハブ10の軸回りに回転させながら加熱処理を行った。
<処理条件>
加熱温度:950℃
加熱時間:5sec
回転数 :60rpm
加熱後にクラッチハブ10を油中で冷却することで加熱部分の焼入れ処理を行った。その後、実施例と同様にしてナイタールなどの腐食液に漬けて加熱処理の有無を確認した。図3は、比較例に係るクラッチハブの要部断面の写真である。径小円筒部12の端面12aおよび径大円筒部11の肩面11aだけでなく、径小円筒部12の外周面12bにも焼入組織が形成されていることがわかる。比較例では、コイルによる誘導加熱を利用しているため、設計仕様にない径小円筒部12の外周面12bまで加熱されたことがわかる。
〔その他の変形例〕
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、前述した実施形態では、段差を有する焼結体として、図4に示される形状のクラッチハブを例示しているが、本発明を適用し得る焼結体はこれに限定されるものではなく、光軸方向に沿って互いに離間した2つおよび2つ以上の被加熱面を有する部材や連続した曲面を持つ被加熱面を有する部材であれば適用が可能である。例えば、ボール溝を持つ4WD用カム機構などに対し、本発明の加熱方法を適用することができる。
また、前述した実施形態では、エネルギー光として半導体レーザ光を用いているが、これ以外に、例えばYAGレーザ、COレーザ、ファイバーレーザなどのレーザ光や、電子ビームなどを用いることができる。
また、前述した実施形態では、2つの被加熱面のほぼ中間に焦点が位置するように加工光学系のレンズの位置などを調整しているが、被加熱面の加熱面積や要求加熱などに応じて焦点の位置を調整するようにしてもよい。例えば、2つの被加熱面の加熱面積が異なる場合、加熱面積が大きい被加熱面側に焦点をシフトさせることにより、両被加熱面を均等に加熱することができる。また、2つの被加熱面の要求加熱が異なる場合、要求加熱が大きい被加熱面側に焦点をシフトさせることにより、両被加熱面を均等に加熱することができる。
1 :発振機
2 :伝送光学系
3 :加工光学系
4 :円偏光ミラー
5 :ゼロシフトミラー
6 :レンズ
7 :段差
10 :クラッチハブ
11 :径大円筒部
11a:肩面
12 :径小円筒部
12a:端面
12b:外周面
13 :加熱用コイル
13a:上部コイル
13b:下部コイル
L :レーザ光
f :焦点

Claims (5)

  1. エネルギー光を用いて焼結体を加熱する方法であって、
    前記焼結体は、前記エネルギー光の光軸方向に沿って互いに離間しており且つ当該光軸方向とほぼ直交する2つの被加熱面を有しており、
    前記エネルギー光の焦点が前記2つの被加熱面の間に位置するように調整した状態で当該エネルギー光を焼結体に適用する、加熱方法。
  2. 前記2つの被加熱面のそれぞれの加熱面積に応じて前記焦点の位置を調整する、請求項1に記載の加熱方法。
  3. 前記2つの被加熱面のそれぞれの要求加熱に応じて前記焦点の位置を調整する、請求項1に記載の加熱方法。
  4. 前記焼結体は、下部の径大円筒部と、この径大円筒部と同軸に一体成形された上部の径小円筒部とで構成されており、
    前記径小円筒部は、前記径大円筒部と同一内径であり、
    前記径小円筒部の端面と、前記径大円筒部の肩面とが前記2つの被加熱面である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の加熱方法。
  5. 前記エネルギー光が半導体レーザ光である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の加熱方法。
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