JP6267294B2 - 焼結軸受の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属粉を金型内で圧粉成形後、焼結され、潤滑剤が含浸される焼結軸受の製造方法に関し、特に、回転軸との摩擦抵抗を低減し、かつノイズを低減することが可能な焼結軸受の製造方法に関する。
焼結軸受は、安価かつ信頼性の高い軸受として、家電用モータ、車載用モータ、OA機器などに幅広く使用されている。その一例として、ファンモータは、コンピューターやテレビなど家電機器内部の冷却ファン、冷蔵庫内部の循環及び冷却用のファン、バッテリーの冷却やインカーセンサーの吸引に使用される車載用ファンなどがあり、年々需要が高まっている。
これらファンモータは、機器が長期間使用されることから、長寿命化はもとより、消費電力の低減が重要な要求特性である。特に、モバイル機器のようにバッテリーで駆動するものは、消費電力を極力抑える必要がある。
一方、前記ファンモータは、近年、特に静音化の要求レベルが高まっている。一般的に、モータの静音化のためには、焼結軸受において、第一に、回転軸と軸受とのクリアランスを狭めて、軸の暴れによるノイズを抑えること、第二に、軸受に含浸する潤滑剤の粘度を上げて、内径摺動面に発生する油膜強度を高めることが有効である。
しかしながら、ファンモータのように低負荷で運転し、かつ低トルクのモータにおいては、回転軸と軸受との摩擦抵抗は、軸受に含浸する潤滑剤の流体抵抗が支配的である。したがって、回転軸と軸受とのクリアランスを狭めすぎると、軸回転時の潤滑剤の流体抵抗が大きくなり、モータの消費電力が増大してしまう。また、潤滑剤の粘度を上げても、流体抵抗の増大によって消費電力が高くなってしまうため、選択する潤滑剤の粘度にも制約がある。
従来、回転軸との摩擦抵抗を低減することができる焼結軸受の製造方法として、例えば、特許文献1に示すものが知られている。
この焼結軸受の製造方法では、回転軸を回転自在に支持する軸受孔において、軸方向の中間部の内径が、軸方向の両端部のそれぞれ(以下、「軸受部」とする)の内径と比較して大きく形成される。これにより、中間部の内周面が回転軸に接触することがなくなるため、軸受孔の内周面における回転軸に対応する部分の面積(以下、「摺動面積」とする)が減少する。よって、軸受孔の内周面と回転軸との接触が抑制され、また、軸回転時の潤滑剤の流体抵抗も抑制されることから、回転軸との間に生じる摩擦抵抗を低減することが可能となっている。ここで、「回転軸に対応する部分」とは、回転軸が回転している際に、回転軸に常時接触している部分を意味するのではなく、回転軸に接触する可能性があり、同時に軸回転時の潤滑剤の流体抵抗が強く影響する部分を意味する(以下、同様とする)。
特開平7−332363号公報
しかしながら、従来の焼結軸受の製造方法では、回転軸との摩擦抵抗を低減することに限界がある。
すなわち、従来の焼結軸受の製造方法では、その軸方向において中間部の範囲を広げて両軸受部の範囲を狭くするほど、摺動面積を小さくすることができる。しかしながら、各軸受部(各軸受面)の軸方向の寸法が小さくなり過ぎると、くさび効果により生じた油圧が各軸受面の軸方向の両端から逃げてしまい、油膜強度を保持することができなくなる。そして、油膜強度が低下すると、軸受面と回転軸との接触が発生し易くなり、結果として、回転軸との間に生じる摩擦抵抗が増加するばかりでなく、ノイズ発生を助長してしまう。従って、従来の焼結軸受の製造方法では、回転軸との摩擦抵抗の低減に限界がある。
本発明の課題は、回転軸との摩擦抵抗を低減することが可能な焼結軸受の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る焼結軸受の製造方法は、回転軸が挿通される軸受孔の内周面において、軸方向に沿って設けられた一対の軸受面と、当該一対の軸受面の間に設けられ、各軸受面より内径が大きく形成された中間部と、を有してなり、前記一対の軸受面のうち少なくとも一方において、複数のディンプルが設けられ、前記回転軸の回転中に、当該回転軸が前記軸受面に対して摺動するとともに、前記複数のディンプルが潤滑剤の流体抵抗を低減する焼結軸受の製造方法であって、金属粉を含む原料粉を金型により成形し、圧粉体を形成する工程と、前記圧粉体を焼結し、焼結体を形成する工程と、前記焼結体にサイジングを施す工程と、前記サイジングが施された前記焼結体の前記一対の軸受面のうち少なくとも一方において、周方向の略全域に、塑性加工により、前記複数のディンプルを形成する工程と、前記複数のディンプルが形成された軸受面に回転サイジング又はバニシング加工を施す工程と、前記焼結体に潤滑剤を含浸する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る焼結軸受の製造方法では、一対の軸受面のうち少なくとも一方の軸受面に、複数のディンプルが設けられる。
これにより、軸受面のうち各ディンプルが設けられている部分(範囲)については回転軸に接触することがなくなるため、軸受面における摺動面積が減少する。よって、軸受面と回転軸との接触が抑制され、同時に軸回転時の潤滑剤の流体抵抗を減じることから、回転軸との間に生じる摩擦抵抗を低減することが可能となっている。
したがって、軸受面の軸方向の寸法を減少させることなく、軸受孔の内周面における摺動面積を減少させることができ、油膜強度の低下を抑制しつつ、回転軸との間に生じる摩擦抵抗を低減することが可能となる。
また、本発明に係る焼結軸受の製造方法では、軸受面に複数のディンプルが設けられることにより、含浸された潤滑剤が各ディンプル内に貯留される。そして、回転軸が回転した際に、各ディンプル内に貯留されている潤滑剤が、軸受面と回転軸との間に引き出される。これにより、回転軸が回転した際、特に運転初期における油膜形成が容易となり、軸受面の摩擦係数を低減することが可能となる。
また、本発明に係る焼結軸受の製造方法では、軸受面に複数のディンプルが設けられることにより、軸受面と回転軸の外周面との間の平均クリアランスが増加する。これにより、回転軸が回転した際に、軸受面と回転軸との間に存在する潤滑剤の流体抵抗を低減することが可能となる。
以上のように、本発明に係る焼結軸受の製造方法によれば、軸受面と回転軸との接触の抑制及び潤滑剤の流体抵抗の低減によって、回転軸との間に生じる摩擦抵抗を低減することが可能となる。
特に、本発明に係る焼結軸受の製造方法を適用することにより、駆動トルクが小さいモータの特性向上が可能となる。すなわち、一般的に、モータでは、駆動トルクが小さくなるほど、軸受面と回転軸との間に生じる摩擦抵抗の大きさが、モータ特性に大きく影響してくる。具体的には、摩擦抵抗が増大すると、モータの回転数が減少して、目標とする回転数を達成することができなくなるとともに、モータの消費電力が増加する。一方、本発明に係る焼結軸受の製造方法によれば、上述のように、軸受面と回転軸との間に生じる摩擦抵抗を低減することができる。したがって、本発明に係る焼結軸受の製造方法を適用することによって、モータの駆動トルクを小さくしても、モータの回転数の減少を抑制することが可能となり、同時に消費電力低減も可能となる。
また、本発明に係る焼結軸受の製造方法を適用することにより、軸受面と回転軸の外周面との間のクリアランスがより小さいモータを構成することが可能となる。すなわち、一般的に、モータでは、軸受面と回転軸の外周面との間のクリアランスが小さくなるほど、軸回転時の潤滑剤の流体抵抗が増加し、回転軸との間に生じる摩擦抵抗が増大する。すると、モータの回転数が減少して目標とする回転数を達成することができなくなるとともに、モータの消費電力が増加する。一方、本発明に係る焼結軸受の製造方法によれば、上述のように、軸回転時の潤滑剤の流体抵抗を低減することができる。したがって、本発明に係る焼結軸受の製造方法を適用することによって、軸受面と回転軸の外周面との間のクリアランスを小さくした場合においても、モータの回転数の減少を抑制することが可能となり、また、モータの消費電力の増加を抑制することが可能となる。そして、軸受面と回転軸の外周面との間のクリアランスを小さくすることができる結果、軸受面と回転軸の外周面との間のクリアランス内における回転軸の暴れを抑制することができ、モータのノイズを低減することが可能となる。
さらに、本発明に係る焼結軸受の製造方法を適用することにより、より高い粘度の潤滑剤を用いることが可能となる。すなわち、一般的に、モータでは、使用する潤滑剤の粘度が高くなるほど、軸受面と回転軸との間に存在する潤滑剤の流体抵抗が増加する。すると、モータの回転数が減少して目標とする回転数を達成することができなくなるとともに、モータの消費電力が増加する。一方、本発明に係る焼結軸受の製造方法によれば、上述のように、軸受面と回転軸との間に存在する潤滑剤の流体抵抗を低減することができる。したがって、本発明に係る焼結軸受の製造方法を適用することによって、使用する潤滑剤の粘度を高くしても、モータの回転数の減少を抑制することが可能となり、また、モータの消費電力の増加を抑制することが可能となる。そして、使用する潤滑剤の粘度を高くすることができる結果、軸受の耐摩耗性を向上することができ、かつ高温下での潤滑剤の蒸発抑制、劣化抑制、漏れ抑制も可能となることから、モータ寿命を延長することが可能となる。特に、高い粘度の潤滑剤を使用することによって、内径摺動面に発生する油膜強度を高めることができ、モータのノイズを低減することが可能となる。
さらに、本発明に係る焼結軸受の製造方法では、複数のディンプルが、軸受面を塑性変形させることにより形成されている。これにより、各ディンプルの加工精度を向上することが可能となる。
特に、焼結体は、金属粉を焼結することにより形成されているため、多孔質構造を有している。このため、各ディンプルを塑性加工により形成することで、変形部分が微細孔に吸収されるため、軸受面の盛り上がりを防止することが可能となる。
また、塑性加工以外でディンプルを形成する方法としては、レーザー加工やエッチング(部分腐食)加工があるが、これらの方法には、大掛かりな設備が必要となり、加工の工程が多くなる。これに対して、塑性加工は、大掛かりな設備が必要なく、加工の工程も少なく済むため、比較的安価かつ多量に加工を行なうことができる。
特に、本発明に係る焼結軸受の製造方法では、複数のディンプルが形成された軸受面に回転サイジング又はバニシング加工を施す工程を含む。これによって、軸受孔の内径の再仕上げを行うことで、寸法精度を更に向上させることができるだけでなく、表面粗さ、運転初期のなじみ性等の特性を向上することができる。
本発明に係る焼結軸受の製造方法によれば、回転軸との摩擦抵抗を低減し、かつノイズを低減することが可能となる。
本発明の実施形態に係るファンモータの部分断面図である。 図1に示すファンモータが備える焼結軸受の断面図である。 図2に示す焼結軸受の軸受面の部分拡大図である。
以下、本発明の実施形態に係る焼結軸受20について、図面を参照しながら説明する。
焼結軸受20は、家電用、車載用等の各種モータ、OA機器など広範囲に渡って適用することが可能である。本実施形態では、焼結軸受20をファンモータ1に適用した一例を示している。
(ファンモータ1の構成)
図1は、本発明の実施形態に係るファンモータの部分断面図である。図2は、図1に示すファンモータが備える焼結軸受の断面図である。図3は、図2に示す焼結軸受の軸受面の部分拡大図である。
図1に示すファンモータ1は、ハウジングホルダ2と、ハウジングホルダ2に保持された焼結軸受20と、焼結軸受20により回転自在に支持された回転軸10と、を備えている。
ハウジングホルダ2は、内部に焼結軸受20を保持する円筒部2aを有している。円筒部2aの外周面には、コイル3aを巻回して形成された積層コア(固定子)3が配設されている。
回転軸10は、金属(炭素鋼やステンレス鋼などの合金鋼)より円柱状に形成されている。回転軸10には、ロータヨーク4を介して、マグネット(回転子)5が取り付けられている。マグネット5は、ハウジングホルダ2の外周面に配設された積層コア3に対向するように配設されている。ロータヨーク4の外周には、インペラ(ファン)6が取り付けられている。また、ハウジングホルダ2の円筒部2aの内底部には、スラストプレート7が嵌め込まれ、回転軸10の反出力側端部をスラスト方向に軸支している。
図1及び図2に示すように、焼結軸受20は、回転軸10におけるロータヨーク4とスラストプレート7との間の部分を支持している。焼結軸受20は、焼結金属(焼結合金を含む)からなり、多孔質構造を有している。焼結軸受20には、潤滑油、潤滑グリース等の潤滑剤が含浸されている。
焼結軸受20は、略円筒状に形成され、回転軸10を回転自在に支持する軸受孔hを有している。軸受孔hは、軸方向(図1に示す上下方向)に貫通するように設けられている。
焼結軸受20は、第一軸受部21と、第二軸受部22と、第一軸受部21と第二軸受部22との間に設けられた中間部23と、を有している。第一軸受部21の内周面は、回転軸10の外周面を支持する第一軸受面21aとなっている。また、第二軸受部22の内周面は、回転軸10の外周面を支持する第二軸受面22aとなっている。
第一軸受部21の内径及び第二軸受部の内径は、それぞれ、回転軸10の外径より大きい寸法で形成されている。また、第一軸受部21の内径と第二軸受部22の内径とは、略同一寸法に形成されている。本実施形態では、第一軸受部21の内径及び第二軸受部22の内径は、それぞれ、各軸受面21a,22aと回転軸10の外周面との間のクリアランスが6μm以下となるように寸法が設定されている。また、中間部23の内径は、第一軸受部21の内径及び第二軸受部22の内径のそれぞれより大きい寸法で形成されている。
回転軸10は、焼結軸受20の軸受孔h内に挿通された状態で配設されている。そして、焼結軸受20では、第一軸受部21が回転軸10の出力側の端部を支持し、第二軸受部22が回転軸10の反出力側の端部を支持している。また、焼結軸受20では、第一軸受面21a及び第二軸受面22aのそれぞれが回転軸10を回転自在に支持し、中間部23の内周面23aは回転軸10の外周面に接触(摺接)することはない。
図3に示すように、第一軸受面21a及び第二軸受面22aのうち少なくとも一方には、複数のディンプルdが設けられている。本実施形態では、第一軸受面21a及び第二軸受面22aのそれぞれにおいて、複数のディンプルdが設けられている。そして、各軸受面21a,22aでは、略全域にディンプルが設けられ、また、複数のディンプルは規則的に配置されている。なお、中間部23の内周面23aには、ディンプルdは形成されていない。
各ディンプルdは、ピーニング加工、転造加工、圧印加工等の塑性加工により形成されている。各ディンプルdは、略半球体形状、略半楕円体形状、略半円柱形状等の凹部として形成されている。本実施形態では、各ディンプルdは、短径が10〜500μmの範囲内、長径が10〜1000μmの範囲内にある略半楕円体形状に形成されている。また、各ディンプルdの最大深さは、1〜50μmの範囲内に形成されている。さらに、各ディンプルdは、周方向(軸方向に直交する方向)に沿って延びるように設けられている。
本実施形態では、各ディンプルdは、各軸受面21a,22aの軸方向の端から離間して設けられている。すなわち、各ディンプルdは、各軸受部21,22の軸方向の各端面に現れない(連通しない)ように形成されている。
ここで、各軸受面21a,22aの平均微小硬度(MHv)が50より低くなると、焼結軸受20の耐摩耗性が悪くなり、耐久性が低下する。一方、各軸受面21a,22aの平均微小硬度(MHv)が200より高くなると、塑性加工により各ディンプルdを形成する際に、各ディンプルdの周囲が盛り上がってしまい、所定の寸法や精度を得ることができない。したがって、各軸受面21a,22aの平均微小硬度(MHv)は、50〜200の範囲内にあることが好ましい。
(焼結軸受20の製造方法)
次に、焼結軸受20の製造方法について説明する。
なお、以下において、内径中逃軸受の製法は、特開平2−8302号公報や特開平7−332363号公報に示される製法を用いる。
すなわち、焼結軸受20の製造においては、まず、原料となる金属粉末に金型潤滑剤を加え、攪拌混合する。ここで、金属粉末としては、銅粉、青銅粉、黄銅粉、洋白粉、鉄粉、銅ニッケル合金粉、銅被覆鉄粉、ステンレス粉、これらの混合粉等を用いることができる。
また、金型潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウムなどに代表される金属石鹸の粉末や、エチレンビスステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミドの粉末、もしくはポリエチレンなどのワックス系潤滑剤の粉末を用いることができる。軸受の使用用途によっては、金属粉末とは別に、黒鉛、二硫化モリブデン、ボロンナイトライドなどに代表される、固体潤滑成分の粉末を添加しても良い。
なお、原料となる金属粉末と固体潤滑成分、金型潤滑剤は、これらに限定したものではない。
次に、攪拌混合した原料粉を、100〜500MPa程度の圧力で、金型内でプレス成形し、圧粉体を形成する。
さらに、圧粉体を、所定の雰囲気及び所定の温度条件で焼結し、焼結体を形成する。圧粉体を焼結することにより、隣接する金属粒子が拡散接合され、金属粒子が結合して、多孔質の焼結体が形成される。
前記雰囲気は、真空中、還元性ガス中(アンモニア分解ガス、水素ガス、エンドサーミックガスなど)、不活性ガス中(窒素ガス、アルゴンガスなど)及びこれら還元性ガスと不活性ガスの混合ガスなどで、原料組成によって適宜選択する。前記焼結温度は、600〜1200℃程度が実用的であり、例えば青銅(Cu-Sn)の場合で600〜800℃程度、鉄を主体とする材料は700〜1200℃程度で、こちらも原料組成によって適宜選択される。
また、焼結体は、金型内でサイジング(再圧縮)を施して再圧縮体を形成する。焼結体にサイジングを施すことにより、寸法精度を向上でき、表面粗さも改善することができる。
そして、圧縮成形体の軸受面21a,22aにおいて、複数のディンプルdを形成する。軸受面21a,22aへのディンプルdの形成は、ピーニング加工、転造加工、圧印加工等の塑性加工を用いる。例えば、軸受面21a,22aへのディンプルdの形成は、塑性加工用の工具を用いて行うことができる。この工具は、凸部を有するマンドレルと、マンドレルに外嵌されたリテーナと、リテーナにより保持されてマンドレルの外周面を転動する転動体と、を備えている。これにより、リテーナを軸受孔hの内周面に挿入して、マンドレルを回転させることによって、マンドレルの凸部により転動体がリテーナの外面から突出又は埋没して、突出した転動体が軸受面21a,22aを塑性変形させてディンプルを形成することができる。
また、ディンプルdが形成された軸受面21a,22aに回転サイジング(バニシング加工)を施す。軸受面21a,22aに回転サイジングを施して、軸受孔hの内径の再仕上げを行うことによって、寸法精度を更に向上させることができるだけでなく、表面粗さ、運転初期のなじみ性等の特性を向上することができる。
そして、ディンプル形成加工後に回転サイジングが施された圧縮成形体に洗浄処理を施して、加工によって生じた金属屑や、サイジング用潤滑油等を除去する。
その後、洗浄された圧縮成形体に潤滑剤を含浸させることによって、焼結軸受20が完成する。
(ファンモータ1の作用効果)
次に、ファンモータ1(焼結軸受20)の作用効果について説明する。
ファンモータ1では、積層コア3のコイル3aに電流を流すことによって、回転軸10が回転され、これに伴い、回転軸10の出力側に配設されたインペラ6が回転される。
この際、焼結軸受20では、両軸受部21,22の間に設けられた中間部23の内径が各軸受部21,22の内径と比較して大きい寸法で形成されていることによって、中間部23の内周面23aが回転軸10に接触(摺接)することがなくなる。よって、ストレート軸受と比較して、軸受孔hの内周面と回転軸10との接触が抑制され、同時に軸回転時の潤滑剤の流体抵抗を減じることから、回転軸10との間に生じる摩擦抵抗を低減することが可能となる。
ここで、従来、モータにおいて、軸受と回転軸との間に生じる摩擦抵抗を低減する方法として、離間して配設した2つの軸受によって回転軸を支持する方法が知られている。しかしながら、この方法では、独立した2つの軸受の同軸度のバラツキ抑えることが難しく、同軸度が悪くなると、回転軸を両軸受に貫通させることができないか、貫通させることができても回転軸と内径摺動面とのクリアランスが狭くなりすぎて、流体抵抗が増大してしまい、モータの消費電力が高くなってしまう。このため、必然的にクリアランス設計を広げなければならないが、バラツキの範囲で同軸度が良いものができた場合、回転軸と内径摺動面とのクリアランスが大きくなりすぎ、回転軸の暴れによってモータのノイズが発生してしまう。ここで、同軸度とは、基準軸線と同一直線上にあるべき軸線の基準軸線からの狂いの大きさを意味する。
これに対して、焼結軸受20では、第一軸受部21及び第二軸受部22が中間部23を介して一体に形成されていることによって、両軸受部21,22の同軸度の値を小さくすることが可能となる。そして、両軸受部21,22の同軸度の値を小さくすることによって、両軸受面21a,22aと回転軸10との接触をさらに抑制することが可能となる。特に、焼結軸受20では、第一軸受部21及び第二軸受部22が一体に形成されていることによって、両軸受部21,22の同軸度を3μm以下とすることが可能となる。したがって、ファンモータ1では、両軸受部21,22の同軸度を3μm以下に形成することが好ましい。このように、両軸受部21,22のクリアランスレベル(軸受面21a,22aと回転軸10との間のクリアランス)を揃えることによって、ファンモータ1を量産するにあたって、ノイズ特性や消費電力のバラツキを抑えることができ、同等のモータ品質を得ることが可能となる。
また、焼結軸受20では、回転軸10を回転自在に支持する第一軸受面21a及び第二軸受面22aのうち少なくとも一方に、複数のディンプルdが設けられている。これにより、軸受面21a,22aのうち各ディンプルdが設けられている部分(範囲)については回転軸10に接触することがなくなるため、軸受面21a,22aにおける摺動面積が減少する。よって、軸受面21a,22aと回転軸10との接触が抑制され、同時に軸回転時の潤滑剤の流体抵抗を減じることから、回転軸10との間に生じる摩擦抵抗を低減することが可能となっている。したがって、軸受面21a,22aの軸方向の寸法を減少させることなく、軸受孔hの内周面における摺動面積を減少させることができ、油膜強度の低下を抑制しつつ、回転軸10との間に生じる摩擦抵抗を低減することが可能となる。
また、焼結軸受20では、軸受面21a,22aに複数のディンプルdが設けられていることにより、含浸された潤滑剤が各ディンプルd内に貯留される。そして、回転軸10が回転した際に、各ディンプルd内に貯留されている潤滑剤が、軸受面21a,22aと回転軸10との間に引き出される。これにより、回転軸10が回転した際に、特に運転初期における油膜形成が容易となり、軸受面21a,22aの摩擦係数を低減することが可能となる。
また、焼結軸受20では、軸受面21a,22aに複数のディンプルdが設けられていることにより、軸受面21a,22aと回転軸10の外周面との間の平均クリアランスが増加する。これにより、回転軸10が回転した際に、軸受面21a,22aと回転軸10との間に存在する潤滑剤の流体抵抗を低減することが可能となる。
また、焼結軸受20では、複数のディンプルdが軸受面21a,22aを塑性変形させることにより形成されていることによって、各ディンプルdの加工精度を向上することが可能となる。特に、焼結軸受は、金属粉を焼結することにより形成されているため、多孔質構造を有している。このため、各ディンプルdを塑性加工により形成することで、変形部分が微細孔に吸収されるため、軸受面21a,22aの盛り上がりを防止することが可能となる。
ここで、塑性加工以外でディンプルを形成する方法としては、レーザー加工やエッチング(部分腐食)加工があるが、これらの方法には、大掛かりな設備が必要となり、加工の工程が多くなる。これに対して、塑性加工は、大掛かりな設備が必要なく、加工の工程も少なく済むため、比較的安価かつ多量に加工を行なうことができる。
特に、焼結軸受20では、軸受面21a,22aの平均微小硬度(MHv)は、50〜200の範囲内にあることによって、焼結軸受の耐久性を低下することなく、かつ、焼結軸受の寸法や精度を落とすことなく、軸受面にディンプルを形成することが可能となる。
また、焼結軸受20では、各ディンプルdが軸受面21a,22aの軸方向の端から離間して設けられていることによって、油圧が軸受面21a,22aの軸方向の端から逃げることが抑制され、油膜強度の低下を抑制することが可能となる。
以上のように、焼結軸受20によれば、軸受面と回転軸との接触が抑制され、同時に軸回転時の潤滑剤の流体抵抗を減じることから、回転軸との間に生じる摩擦抵抗を低減することが可能となっている。これによって、ファンモータ1において、以下に示す効果を奏することが可能となる。
ファンモータ1のように、駆動トルクが小さいモータの特性向上が可能となる。すなわち、一般的に、モータでは、駆動トルクが小さくなるほど、軸受面と回転軸との間に生じる摩擦抵抗の大きさが、モータ特性に大きく影響してくる。摩擦抵抗が増大すると、モータの回転数が減少して、目標とする回転数を達成することができなくなるとともに、モータの消費電力が増加する。
これに対して、焼結軸受20では、上述のように、軸受面21a,22aと回転軸10との間に生じる摩擦抵抗を低減することができる。したがって、焼結軸受20をファンモータ1に適用することによって、ファンモータ1の駆動トルクを小さくしても、ファンモータ1の回転数の減少を抑制することが可能となり、同時に消費電力低減も可能となる。
また、ファンモータ1において、軸受面21a,22aと回転軸10の外周面との間のクリアランスをより小さくすることが可能となる。すなわち、一般的に、モータでは、軸受面と回転軸の外周面との間のクリアランスが小さくなるほど、軸回転時の潤滑剤の流体抵抗が増加し、回転軸との間に生じる摩擦抵抗が増大する。すると、モータの回転数が減少して目標とする回転数を達成することができなくなるとともに、モータの消費電力が増加する。
これに対して、焼結軸受20では、上述のように、軸受面21a,22aと回転軸10との間に存在する潤滑剤の流体抵抗を低減することができる。したがって、焼結軸受20をファンモータ1に適用することによって、軸受面21a,22aと回転軸10の外周面との間のクリアランスを小さくしても、ファンモータ1の回転数の減少を抑制することが可能となり、また、ファンモータ1の消費電力の増加を抑制することが可能となる。そして、軸受面21a,22aと回転軸10の外周面との間のクリアランスを小さくすることができる結果、軸受面21a,22aと回転軸10の外周面との間のクリアランス内における回転軸10の暴れを抑制することができ、上述した両軸受部21,22の同軸度の値を小さくすることができることと相俟って、モータのノイズを低減することが可能となる。
一般的に、ファンモータのような軽負荷で駆動するモータにおいて、軸受面と回転軸の外周面との間のクリアランスを6μmより大きくすると、このクリアランス内において回転軸の暴れが発生し、ノイズが大きくなる恐れがある。一方、軸受面と回転軸の外周面との間のクリアランスを6μm以下とすると、軸回転時の潤滑剤の流体抵抗が増加することによって、回転軸との間に生じる摩擦抵抗が増加してしまう。これに対して、ファンモータ1では、焼結軸受20を適用することにより、軸受面21a,22aと回転軸10との間に生じる摩擦抵抗を低減することができるため、軸受面21a,22aと回転軸10の外周面との間のクリアランスを6μm以下とすることができる。したがって、ファンモータ1では、ノイズ低減のために、軸受面21a,22aと回転軸10の外周面との間のクリアランスを6μm以下とすることが好ましい。
さらに、ファンモータ1において、より高い粘度の潤滑剤を用いることが可能となる。すなわち、一般的に、モータでは、使用する潤滑剤の粘度が高くなるほど、軸受面と回転軸との間に存在する潤滑剤の流体抵抗が増加する。すると、モータの回転数が減少して目標とする回転数を達成することができなくなるとともに、モータの消費電力が増加する。
これに対して、焼結軸受20では、上述のように、軸受面21a,22aと回転軸10との間に存在する潤滑剤の流体抵抗を低減することができる。したがって、焼結軸受20をファンモータ1に適用することによって、使用する潤滑剤の粘度を高くしても、回転数の減少を抑制することが可能となり、また、消費電力の増加を抑制することが可能となる。そして、使用する潤滑剤の粘度を高くすることができる結果、軸受の耐摩耗性を向上することができ、かつ高温下での潤滑剤の蒸発抑制、劣化抑制、漏れ抑制も可能となることから、モータ寿命を延長することが可能となる。特に、高い粘度の潤滑剤を使用することによって、内径摺動面に発生する油膜強度を高めることができ、モータのノイズを低減することが可能となる。
一般的に、駆動トルクが小さいモータには、潤滑剤の流体抵抗を低減するために、32mm/s以下の潤滑剤を用いる。これに対して、ファンモータ1では、焼結軸受20を適用することにより、潤滑剤の流体抵抗を低減することができるため、モータの規定電流値の範囲内で、使用する潤滑剤の粘度を最大70mm/sまで高めることができる。一方、潤滑剤の粘度を10mm/sより低くすると、潤滑剤の蒸発特性が低下する。したがって、ファンモータ1では、潤滑剤の粘度を、10〜70mm/sの範囲内とすることが好ましい。ここでの粘度(mm/s)は、40℃での値を意味する。
さらに、ファンモータ1において、低温から高温までの使用温度範囲を広げることができる。すなわち、一般的に、モータでは、使用温度が低くなるほど、潤滑剤の粘度が大幅に増加して、軸受面と回転軸との間に存在する潤滑剤の流体抵抗が増加する。すると、モータの回転数が減少して目標とする回転数を達成することができなくなるとともに、モータの消費電力が増加し、特に低トルクのモータである場合には、最悪、起動不良(起動しない状態)が発生する恐れがある。逆に、モータの使用温度が高くなると、潤滑剤の粘度が大幅に低下し、軸受内径摺動面に発生する油膜強度が下がることで、軸受の耐摩耗性の低下やモータのノイズが発生し易くなる。また、潤滑剤の蒸発、劣化、漏れも起り易くなるため、モータ寿命が低下する。
これに対して、焼結軸受20では、上述のように、軸受面21a,22aと回転軸10との間に存在する潤滑剤の流体抵抗を低減することができる。したがって、焼結軸受20をファンモータ1に適用することによって、低温で潤滑剤の粘度が高くなっても、回転数の減少を抑制することが可能となり、また、消費電力の増加を抑制することが可能となる。ここで、従来の軸受と同じ粘度の潤滑剤を選択した場合には、モータの高温特性を維持しつつ、低温特性を向上することが可能となる。一方、従来の軸受より高い粘度の潤滑剤を選択した場合には、モータの低温特性を維持しつつ、高温特性を向上することが可能となる。
例えば、焼結軸受20は、冷蔵庫のファンモータへの適用に適している。すなわち、最近の冷蔵庫では、霜を取るために定期的に温度を上げる霜取り制御が行われる。これによって、冷蔵庫に使用されるファンモータでは、潤滑剤の粘度が高いと起動不良が発生する恐れがある一方で、潤滑剤の粘度があまりにも低いと、霜取り制御が行われた際に、潤滑剤の蒸発や劣化、漏れが起り易くなり、寿命が低下する恐れがある。これに対して、より広い範囲の温度において使用することが可能なファンモータ1を冷蔵庫に使用することによって、起動不良の発生を防止しつつ、寿命の低下を抑制することが可能となる。
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態では、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記実施形態では、第一軸受面21a及び第二軸受面22aのそれぞれにおいて、複数のディンプルdが設けられている。しかしながら、両軸受面21a,22aのうち第一軸受面21aにおいてのみ複数のディンプルdが設けられていても構わず、両軸受面21a,22aのうち第二軸受面22aにおいてのみ複数のディンプルdが設けられていても構わない。特に、両軸受面21a,22aのうち第二軸受面22aにおいてのみ複数のディンプルdを設けることにより、荷重が高くなる出力側の第一軸受面21aにおける油膜強度の低下を防止しつつ、荷重が低くなる反出力側の第二軸受面22aにおける摩擦係数を低減することが可能となる。
また、上記実施形態では、第一軸受面21aに形成されているディンプルdと第二軸受面22aに形成されているディンプルdとは、形状、寸法及び最大深さが同一となっている。しかしながら、第一軸受面21aに形成されているディンプルdと第二軸受面22aに形成されているディンプルdとで、形状、寸法及び最大深さのうち少なくとも一つを異ならせても構わない。例えば、荷重が高くなる出力側の第一軸受面21aでは、ディンプルdの寸法及び最大深さのうち少なくとも一方を小さくし、荷重が低くなる反出力側の第二軸受面22aでは、ディンプルdの寸法及び最大深さのうち少なくとも一方を大きくしても構わない。
また、両軸受面21a,22aでディンプルdが設けられている範囲、密度等を異ならせても構わない。例えば、荷重が高くなる出力側の第一軸受面21aでは、ディンプルdが設けられている範囲又は密度を小さくし、荷重が低くなる反出力側の第二軸受面22aでは、ディンプルdが設けられている範囲又は密度を大きくしても構わない。ここで、密度とは、単位面積当たりのディンプルの数を意味する(以下、同様とする)。
また、上記実施形態では、各軸受面21a,22aの略全域において、複数のディンプルdが設けられている。しかしながら、各軸受面21a,22aの一部において、ディンプルdが設けられていない領域を設けても構わない。例えば、各軸受面21a,22aの軸方向の両端部のうち少なくとも一方においてディンプルdが設けられていない領域を設けることによって、各軸受面21a,22aにおける油膜強度の低下を抑制することが可能となる。
また、上記実施形態では、各ディンプルdは、略半楕円体形状(投影面の形状が楕円形状)に形成されている。しかしながら、各ディンプルdは、投影面の形状が、円形、扇形、三角形、四角形、菱形に形成されていても構わない。
また、上記実施形態では、各軸受面21a,22aに設けられている複数のディンプルdでは、形状、寸法及び最大深さが同一となっている。しかしながら、各軸受面21a,22aに設けられている複数のディンプルdにおいて、形状、寸法及び最大深さのうち少なくとも一つが異なるものを混在させても構わない。
また、上記実施形態では、各軸受面21a,22aにおいて、複数のディンプルdが規則的に配置されている。しかしながら、各軸受面21a,22aにおいて、複数のディンプルdが不規則的に配置されていても構わない。
また、上記実施形態では、各ディンプルdは、周方向に沿って延びるように設けられている。しかしながら、各ディンプルdは、軸方向に沿って延びるように設けられていても、軸方向及び周方向のそれぞれに対して所定角度で傾斜する方向に沿って延びるように設けられていても構わない。
また、上記実施形態では、焼結軸受20をファンモータ1に適用した一例を示したが、焼結軸受20は、以下のように、広範囲な用途に適用が考えられ、その中でも特に、高速回転のモータへの適用が好適と考えられる。
[家電用]
コンピューター,テレビ,デジタルビデオ,プロジェクター,LED照明などの冷却ファン、DLP用カラーホイールモータ、デジタルカメラやデジタルビデオなどの小径ステッピングモータ、冷蔵庫用ファン、電子レンジ用ファン、扇風機、換気扇、エアコン、ドライヤー、掃除機、ジューサーミキサー、フードプロセッサー、振動モータ、ODD用スピンドルモータ、HDD用スピンドルモータなど。
[車載用]
バッテリー冷却用ファン、温度調節シート用ファン、インカーセンサー用ファン、オーディオやナビゲーション機器用冷却ファン、ブロワー、エアコン用アクチュエータ、ウォッシャーポンプ、ドアミラー、ドアクローザ、シートリクライニング、シートスライド、パワーウィンドー、ワイパー、スタータ、ETCやEGRなどの吸排気機構のモータ、EPS(電動パワーステアリング)、EPB(電子制御パーキングブレーキ)など。
[OA機器用]
ポリゴンミラースキャナーモータ、ステッピングモータなど。
1 ファンモータ
2 ハウジングホルダ
2a 円筒部
3 積層コア
3a コイル
4 ロータヨーク
5 マグネット
6 インペラ
7 スラストプレート
10 回転軸
20 焼結軸受
21 第一軸受部
22 第二軸受部
23 中間部
21a 第一軸受面
22a 第二軸受面
23a 内周面
h 軸受孔
d ディンプル

Claims (1)

  1. 回転軸が挿通される軸受孔の内周面において、軸方向に沿って設けられた一対の軸受面と、当該一対の軸受面の間に設けられ、各軸受面より内径が大きく形成された中間部と、を有してなり、前記一対の軸受面のうち少なくとも一方において、複数のディンプルが設けられ、前記回転軸の回転中に、当該回転軸が前記軸受面に対して摺動するとともに、前記複数のディンプルが潤滑剤の流体抵抗を低減する焼結軸受の製造方法であって、
    金属粉を含む原料粉を金型により成形し、圧粉体を形成する工程と、
    前記圧粉体を焼結し、焼結体を形成する工程と、
    前記焼結体にサイジングを施す工程と、
    前記サイジングが施された前記焼結体の前記一対の軸受面のうち少なくとも一方において、周方向の略全域に、塑性加工により、前記複数のディンプルを形成する工程と、
    前記複数のディンプルが形成された軸受面に回転サイジング又はバニシング加工を施す工程と、
    前記焼結体に潤滑剤を含浸する工程と、を含むことを特徴とする焼結軸受の製造方法。
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