JP2000087953A - 動圧型焼結含油軸受ユニット - Google Patents

動圧型焼結含油軸受ユニット

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JP2000087953A
JP2000087953A JP25711698A JP25711698A JP2000087953A JP 2000087953 A JP2000087953 A JP 2000087953A JP 25711698 A JP25711698 A JP 25711698A JP 25711698 A JP25711698 A JP 25711698A JP 2000087953 A JP2000087953 A JP 2000087953A
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dynamic pressure
oil
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peripheral surface
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JP25711698A
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Inventor
Natsuhiko Mori
夏比古 森
Kazuo Okamura
一男 岡村
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間初期の軸受性能を維持し、軸振れ精度
の低下等を招くことなく薄型化を実現する。 【解決手段】 動圧型焼結含油軸受11の一方の軸受端
面11f1と回転軸13に設けたフランジ部13aとでスラス
ト軸受部14を構成する。軸受端面11f1と軸受内周面11
hとの直角度を3μm以内に、フランジ部13aと回転軸
13の外周面との直角度を2μm以内に設定する。動圧
型焼結含油軸受の軸受内径dと軸受幅LをL≦1.2d
に設定し、かつラジアル軸受面11bは、軸受内周面11h
の1箇所に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動圧型焼結含油軸
受およびその製造方法に関する。この動圧型焼結含油軸
受は、特に情報機器分野で用いられる、DVD−RO
M、DVD−RAMなどの光ディスク装置、MOなどの
光磁気ディスク装置、HiFD、Zipなどの高容量F
DD(フロッピーディスクドライブ)、HDDなどの磁
気ディスク装置のディスクドライブ用軸受、あるいはL
BPなどのポリゴンスキャナモータ用軸受に適してお
り、特に薄型モータ用の軸受として好適である。
【0002】
【従来の技術】上記情報機器類のスピンドルモータに
は、さらなる高回転精度化、高速化、低コスト化、低騒
音化などが求められているが、これらの要求性能を決定
づける構成要素の一つにモータのスピンドルを支持する
軸受がある。近年では、この種の軸受として、焼結金属
製の軸受本体に潤滑油または潤滑グリースを含浸させ、
軸受面に設けた動圧溝の動圧効果で軸受隙間に潤滑油膜
を形成してスピンドルを非接触支持する、いわゆる動圧
型焼結含油軸受の使用が検討されている。この動圧型焼
結含油軸受は、低コストでありながら高い回転精度、低
騒音等の特徴を有し、上記要求性能にも十分に対応でき
ると考えられる。
【0003】図12は、動圧型焼結含油軸受1を用いた
光ディスク装置のスピンドルモータの一例である。図示
のように、このスピンドルモータは、動圧型焼結含油軸
受1、軸受を収容するハウジング2、軸受1に支持され
た回転軸3、光ディスク4を支持固定するターンテーブ
ル5およびクランパ6、ステータ7aおよびロータ7b
からなるモータ部Mを具備しており、ステータ7aへの
通電により、ロータ7bと一体になったロータケース
8、ターンテーブル5、光ディスク4、クランパ6を一
体回転させる構造である。
【0004】動圧型焼結含油軸受1は、図13に示すよ
うに、厚肉円筒状に形成された多孔質の軸受本体1a
と、潤滑油または潤滑グリースの含浸によって軸受本体
1aの細孔内に保有された油とで構成される。軸受本体
1aの内周面には、回転軸3の外周面と軸受隙間を介し
て対向する一対の軸受面1bが軸方向に離隔形成され、
両軸受面1bに軸方向に対して傾斜した動圧溝1cが形
成されている。
【0005】図12および図14に示すように、回転軸
3のスラスト荷重は、ハウジング2の底部に設けられた
スラスト軸受9で支持される。スラスト軸受9として
は、球面状の軸端を、ハウジング2底部に設けた潤滑性
に富む樹脂製ワッシャ9aに摺動させる構造(いわゆる
ピボット軸受)が一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ピボット軸受
では、ワッシャ9aの弾性変形や塑性変形、あるいは摩
耗による変形等によってワッシャに窪みができ、軸の位
置が時間経過と共に変化する場合がある。軸位置の変動
は、HDD装置においてはディスク位置の変動を、LB
Pのポリゴンスキャナモータではミラー位置の変動を招
来し、モータ性能に大きく影響する。この対策としてワ
ッシャ9aを金属材料やセラミック材で形成することも
考えられるが、これでは軸側が摩耗して軸端が球面から
平面に変化し、軸位置の変化、トルク増加、トルク変動
等の不具合を招くおそれがある。
【0007】また、近年では、ノート型パソコン等への
光ディスク装置やHDD装置の搭載を考慮してスピンド
ルモータの薄型化が要求される場合が多いが、上記のよ
うに軸受面1bを軸方向の2箇所に配置した構造では、
薄型化に限界がある。薄型化は、例えば図15に示すよ
うに、軸受面1bを1箇所のみに設けることによっても
実現され得るが、これではモーメント荷重に対する剛性
の低下が問題となる。すなわち、回転軸3の軸受1から
の突出部分には、ロータマグネット7bを固定したロー
タケース8、ディスク4、ターンテーブル5、クランパ
6等の偏心荷重が作用するため、モーメント荷重による
軸振れ精度の低下が懸念される。
【0008】そこで、本発明では、長期間所期の軸受性
能を維持することができ、軸振れ精度の低下等を招くこ
となく薄型化を実現することのできる動圧型焼結含油軸
受の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明は、軸と、焼結金属で形成され、軸の外周面と軸
受隙間を介して対向するラジアル軸受面を備えた軸受本
体に油を含浸させてなり、軸と軸受本体との相対回転時
にラジアル軸受面で生じる動圧作用により軸を非接触支
持する動圧型焼結含油軸受とを具備するものにおいて、
動圧型焼結含油軸受の少なくとも一方の軸受端面と軸に
設けたフランジ部とでスラスト軸受部を構成し、上記一
方の軸受端面と軸受内周面との直角度、およびフランジ
部と軸の外周面との直角度を、軸と軸受本体との相対回
転時に、上記一方の軸受端面とフランジ部とが片当りし
ない公差に管理したものである。
【0010】上記構成のスラスト軸受部では、回転側と
固定側の面当りが確保されるので、接触面圧を下げて摩
耗を防止することができ、ピボット軸受のようなワッシ
ャの摩耗変形による軸位置の変動を回避することができ
る。また、面当りであるからピボット軸受の点当たりに
比べてモーメント荷重に対する剛性が向上する。
【0011】スラスト軸受部14において、軸受端面11
f1の精度、あるいはフランジ部13aの精度が十分でない
と、図16に示すように、フランジ部13aが軸受端面11
f1に面接触せずに片当りとなるおそれがある。片当りで
は、トルクロスが大きく、かつトルク変動の要因となっ
て情報機器に要求される高い回転精度が得られない。ま
た、たとえ軸受端面11f1に動圧溝を設けてスラスト軸受
部を非接触に保とうとしても、動圧効果が不十分である
ために、軸受端面とフランジ部との接触・摩耗を生じ、
回転精度や耐久性を改善することができない。
【0012】そこで、本発明では、スラスト軸受部を構
成する少なくとも一方の軸受端面と軸受内周面との直角
度、およびフランジ部と軸の外周面(特にラジアル軸受
面と対向する軸の外周面)との直角度を、軸と軸受本体
との相対回転時に、上記一方の軸受端面とフランジ部と
が片当りしない公差に管理することとした。
【0013】この場合、例えば軸受端面11f1と軸受内周
面との直角度が4μm以上で、フランジ部13aと軸の外
周面との直角度が3μm以上であると、フランジ部13a
が軸受端面11f1に面当りせずに片当りするおそれがあ
る。従って、軸受端面11f1と軸受内周面との直角度は3
μm以内に、フランジ部13aと軸の外周面との直角度は
2μm以内にそれぞれ設定する。
【0014】なお、ここでいう「直角度」とは、直角で
あるべき平面部分と基準となる面との組合わせにおい
て、この基準面に対して直角な幾何学的平面からの直角
であるべき平面部分の狂いの大きさをいう。
【0015】従来の動圧型焼結含油軸受では、軸受端面
の精度が十分でなく(軸受内周面に対する軸受端面の直
角度は10μm程度)、上記数値範囲内の精度を持つ軸
受本体を量産することは難しい。対策としては、例えば
軸受をハウジングに固定した後、軸受内径面を基準に、
あるいは軸受内径面に対して同軸度が確保された外径面
などを基準として軸受端面を機械加工で仕上げる方法が
あるが、その場合には、加工によって生じた削り粉が
軸受内周面に付着するため、加工後に洗浄が必要とな
り、また、後加工、洗浄などの工程が別途必要となる
ため、コストが大幅にアップし、動圧型焼結含油軸受の
最大の特徴である低コスト性が損なわれる等の問題が生
じる。
【0016】そこで、本発明では、ラジアル軸受面にお
ける動圧溝を成形する成形型を軸受本体素材の内周面に
挿入すると共に、軸受本体素材の両端面を一対のパンチ
面で保持した状態で軸受本体素材に圧迫力を加えること
により、成形型で軸受本体素材の内周面に軸方向に対し
て傾斜した動圧溝を有するラジアル軸受面を成形すると
共に、少なくとも一方のパンチ面で軸受本体素材の一方
の端面に軸との間でスラスト軸受部を構成するスラスト
軸受部を構成するスラスト軸受面を成形するに際し、上
記少なくとも一方のパンチ面と、成形型の外周面との直
角度を2μm以内(望ましくは1μm以内)に設定し
た。
【0017】このようにパンチ面と成形型とを高精度に
仕上げる方法としては、上記一方のパンチ面と成形型と
を一体的に構成することが考えられる。例えば、パンチ
と成形型を同一部材から一体的に削り出すか、あるいは
それぞれ別体として製作し、圧入などの方法で一体的に
固着した後、パンチ面と成形型の外周面との直角度を2
μm以内に仕上げる等の手段が可能である。軸とフラン
ジ部は同一部材で一体的に製作してもよいし、別体とし
て製作してから何れかを相手側に圧入し、所定の直角度
に仕上げてもよい。
【0018】軸受本体素材を所定寸法に成形した後は、
圧迫力を解除して軸受本体素材をスプリングバックさせ
ると共に、軸受本体素材と成形型との間に軸受本体素材
の内径と成形型の外径との寸法差が拡大するような熱膨
張差を生じさせて、上記成形型を軸受本体素材の内周面
から離型するのがよい。これにより、成形型と軸受本体
素材との干渉が回避され、成形した動圧溝を崩すことな
く、軸受本体素材の内周面から成形型を抜き取ることが
可能となる。
【0019】上記熱膨張差を生じさせるには、軸受面を
成形した後、例えば軸受本体素材側から加熱すればよ
い。成形型の材料としては、通常、超硬材が使用される
が、この材料の線膨張係数は5.1×10-6[1/℃]
である。一方、軸受本体素材は銅粉、鉄粉が主成分であ
り、線膨張係数の一例としては12.9×10-6[1/
℃]である。従って、軸受本体素材を加熱して高温にす
ると、両者の熱膨張差から軸受本体素材の内径と成形型
の外径との間の寸法差が大きくなり、軸受本体素材から
成形型を抜きやすくなる。
【0020】上記構成においては、動圧型焼結含油軸受
の軸受内径dと軸受幅LをL≦1.2dに設定し、かつ
ラジアル軸受面を、軸受内周面の1箇所に設けるのがよ
い。これによりスピンドルモータの薄型化が図られる。
【0021】また、動圧型焼結含油軸受の軸受内周面に
軸方向に対して傾斜した油供給用の動圧溝を設け、この
動圧溝で生じる動圧作用によりスラスト軸受部に油を供
給するようにすることもできる。軸受端面が動圧溝のな
い平滑面の場合、スラスト軸受部の油は遠心作用で外径
側に排出されるので、特に高速回転の場合などには潤滑
不良に陥る懸念がある。これに対し、上記動圧溝を設け
れば、スラスト軸受部に油膜が形成されやすくなり、潤
滑性が向上する。また、スラスト軸受部での摩耗も著し
く低減されるので耐久性も飛躍的に向上する。
【0022】なお、スラスト軸受部に供給された油は、
軸受端面やチャンファ部から吸収されて軸受内部に回収
され、再び軸受内周面から軸受隙間に供給される。
【0023】また、上記構成においては、スラスト軸受
部を、軸と軸受本体との相対回転時に生じる動圧作用に
より軸を非接触支持する構造とするのがよい。非接触支
持であれば、スラスト軸受部における摩耗がなくなり、
耐久性がさらに飛躍的に向上する。
【0024】具体的には、スラスト軸受部を構成する、
上記一方の軸受端面とこれに対向するフランジ部の何れ
か一方に、円周方向に配設された複数の凹部(3箇所以
上に設けるのが望ましい)を有する動圧発生部を設ける
ことが考えられる。この場合、凹部が油溜りとなり、回
転に伴って凹部内の油が隣接する凸部に引き出される際
に圧力が発生し、油膜圧力が高まるのでスラスト軸受部
を安定して非接触状態に保持できる。動圧発生部の凹部
は、軸受端面に描いた放射状の仮想線に対して傾斜した
部分を持つ動圧溝とすることができ、この場合には回転
に伴ってスラスト軸受部およびその周辺の油が内周側に
集められて油膜圧力が高まるので、スラスト軸受部をさ
らに安定して非接触状態に保持することができる。動圧
溝形状としては、スパイラル型あるいはへリングボーン
型が適用され得る。
【0025】上記構成においては、スラスト軸受部を軸
方向に離隔した2箇所に設けるのがよい。この場合、両
方向のスラスト荷重を支持することができ、さらに軸の
抜けを防止することもできる。
【0026】また、動圧型焼結含油軸受の表面開孔率
は、ラジアル軸受面で10%以下(望ましくは5%以
下)、スラスト軸受部を構成する軸受端面で5%以下
(望ましくは2%以下)に設定するのがよい。ラジアル
軸受面の表面開孔率が10%以下であれば、圧力降下を
防止しつつ油の循環を確保することができ、上記軸受端
面の表面開孔率を5%以下とすれば、動圧溝を設けた場
合でも圧力発生に伴う開孔部からの油の逃げを防止する
ことができる。「開孔部」とは、多孔質体組織の細孔が
外表面に開口した部分をいい、「表面開孔率」とは、外
表面の単位面積内に占める表面開孔の面積割合をいう。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1乃
至図11に基いて説明する。
【0028】図1は、本発明にかかる動圧型焼結含油軸
受ユニットの断面図である。軸受ユニットは、動圧型の
焼結含油軸受11と、焼結含油軸受11を内径部に固定
した円筒状のハウジング12と、焼結含油軸受11の内
径部に挿入された回転軸13とを具備する。
【0029】動圧型焼結含油軸受11は、回転軸13の
外周面と軸受隙間を介して対向するラジアル軸受面11b
を有する焼結金属からなる円筒状の軸受本体11aに、潤
滑油あるいは潤滑グリースを含浸させて構成される。焼
結金属からなる軸受本体11aは、銅系あるいは鉄系、ま
たはその双方を主成分とする焼結金属で形成され、望ま
しくは銅を20〜95重量%使用して、密度6.4〜7.2
g/cm3 に成形される。軸受本体11aの材質として、
鋳鉄、合成樹脂、セラミックスなどを焼結または発泡成
形し、多数の細孔を有する多孔質体としたものも用いる
ことができる。軸受本体11aの表面開孔率は、ラジアル
軸受面11bで10%以下、後述するスラスト軸受面11f
1、11f2で5%以下とするのがよい。
【0030】軸受本体11aの内周面11hに設けられたラ
ジアル軸受面11bは1箇所のみに形成されており、軸受
面11bには軸方向に対して傾斜した複数の動圧溝11c
(へリングボーン型)が円周方向に配列形成される。動
圧溝11cは、軸方向に対して傾斜して形成されていれば
足り、この条件を満たす限りへリングボーン型以外の他
の形状、例えばスパイラル型でもよい。焼結含油軸受1
1の外周には、軸受11の内径部に軸13を挿入する際
の空気抜きとなる1または複数の溝11gが軸方向に沿っ
て形成されている。なお、スピンドルモータの薄型化を
図るべく、軸受内径dと軸受幅Lは、L≦1.2dを満
たすように設定される。
【0031】上記焼結含油軸受11では、回転軸13の
回転に伴う圧力発生と昇温による油の熱膨張によって軸
受本体11aの内部の潤滑剤(潤滑油または潤滑グリース
の基油)が軸受本体11aの表面からにじみ出し、動圧溝
11cの作用によって軸受隙間に引き込まれる。軸受隙間
に引き込まれた油は潤滑油膜を形成して回転軸を非接触
支持する。すなわち、軸受面11bに、上記傾斜した動圧
溝11cを設けると、その動圧作用によってにじみ出した
軸受本体11a内部の潤滑剤が軸受隙間に引き込まれると
共に、軸受面11bに潤滑剤が押し込まれ続けるので、油
膜力が高まり、軸受の剛性を向上させることができる。
なお、軸受ユニットの組立時において、軸受11に回転
軸13を挿入する際には、軸受隙間および軸受周辺が油
で満たされるよう注油しておくのが望ましい。
【0032】軸受隙間に正圧が発生すると、軸受面11b
の表面に孔があるため、潤滑剤は軸受本体の内部に還流
するが、次々と新たな潤滑剤が軸受隙間に押し込まれ続
けるので油膜力および剛性は高い状態で維持される。こ
の場合、連続しかつ安定した油膜が形成されるので、高
回転精度が得られ、軸振れやNRRO、ジッタ等が低減
される。また、回転軸13と軸受本体11aが非接触で回
転するために低騒音であり、しかも低コストである。
【0033】ラジアル軸受面11bは、一方に傾斜する動
圧溝11cが配列された第1の溝領域m1と、第1の溝領域
m1から軸方向に離隔し、他方に傾斜する動圧溝11cが配
列された第2の溝領域m2と、2つの溝領域m1、m2の間に
位置する環状の平滑部nとを備えており、2つの溝領域
m1、m2の動圧溝11cは平滑部nで区画されて非連続にな
っている。平滑部nと動圧溝11c間の背の部分11eとは
同一レベルにある。この種の非連続型の動圧溝11cは、
連続型、すなわち平滑部nを省略し、動圧溝11cを両溝
領域m1、m2間で互いに連続するV字状に形成した場合に
比べ、平滑部nを中心として油が集められるために油膜
圧力が高く、また溝のない平滑部nを有するので軸受剛
性が高いという利点を有する。
【0034】焼結含油軸受11の軸方向一端側には、ス
ラスト軸受部14が設けられる。図1は、焼結含油軸受
11の上端側にスラスト軸受部14を設けた実施形態
で、焼結含油軸受11の上軸受端面11f1(スラスト軸受
面)と、回転軸13に固定した円盤状のフランジ部13a
とを対向させて構成される。回転軸13とフランジ部13
aは、同一部材で一体に製作したり、あるいは別体とし
て製作してから相互に嵌合固定し、回転軸13の外周
面、特に軸受11に組み込んだ際に軸受面11bと対向す
る外周面の直角度がフランジ部13aの軸受11側の端面
13a1に対して2μm以内、望ましくは1μm以内となる
ように仕上げ加工される。
【0035】このようなスラスト軸受部14であれば、
摺動接触部分が面当りとなるため、ピボット軸受で問題
となる軸位置の変動を防止しつつ、単列の軸受面11bで
あってもモーメント剛性を高め、軸を高精度に支持する
ことが可能となる。
【0036】ところで、上記のように回転軸13にフラ
ンジ部13aを設けた場合、回転軸13の上端には、ロー
タケース8やターンテーブル(5:図13参照)などの
部品が固定されるため、軸受11の上端を従来のような
シールワッシャ8(図15参照)でシールすることは難
しくなる。そこで、軸受11上端からの油漏れは、フラ
ンジ部13a外周面とハウジング12内周面の微小隙間に
よる毛細管シールで行う。シール隙間cは0.05mm以
下、望ましくは0.02mm以下とするのがよく、シール
幅aは0.5mm以上、望ましくは1mm以上とする。シー
ルを構成するフランジ部13a外周面やハウジング12内
周面に揆油剤を塗布しておけば油漏れ防止により有効と
なる。
【0037】一方、軸受11下端側からの油漏れは、例
えば底板15をハウジング12の底部開口部に圧入して
からかしめることによって防止することができる。底板
15とハウジング12との間の隙間を接着剤でシールし
ておけば、油漏れ防止にさらに有効である。
【0038】図2(A)は、底板15側からの油漏れを
防止するため、樹脂、ゴムなどの弾性材料15aを底板1
5の上に重ねてパッキンとして使用した実施形態であ
る。この場合も底板15は、ハウジング12に圧入した
後、必要であればかしめた方が望ましい。
【0039】図2(B)は、フランジ部13aの外周面と
対向するハウジング12の内周面に環状の凹部12aを設
けた実施形態である。フランジ部13aが回転することに
より、油が遠心力で凹部12aに溜まるため、ハウジング
12上端からの油漏れを確実に防止することができる
(遠心シール)。遠心シールのみだと、軸姿勢が横向き
の場合に油漏れを生じるおそれがあるので、毛細管シー
ルとの併用が望ましい。
【0040】図3(A)は、フランジ部13aの外周面
に、回転時に軸受11側への気流が発生するような傾斜
溝13a2を設けた例である。発生した気流により、油が軸
受11側に押し戻されるため、軸受上端からの油漏れを
防止することができる(停止中は毛細管シールで油漏れ
を防止する)。上記傾斜溝13a2は油漏れを防止できさえ
すればよいので、ラジアル軸受面11bの動圧溝11cのよ
うに高精度に加工する必要はない。溝深さは5〜30μ
m程度が適当で、転造などの手法で加工することができ
る。
【0041】この傾斜溝13a2は、図3(A)に示すよう
にフランジ部13aの幅(軸方向寸法)の全長にわたって
形成すると、軸受11側に過剰の空気を送り込む場合が
あるので、図3(B)に示すように部分的に設けてもよ
い。この場合、ハウジング12内周面のうち、傾斜溝13
a2の非形成領域との対向部に環状の凹部12aを設けてお
くのが望ましい。
【0042】図4は、軸受11の下軸受端面11f2と、軸
端に設けたフランジ部13aとでスラスト軸受部14を構
成した実施形態である。回転中は、回転軸13がロータ
7bとステータ7a(図13参照)間の励磁力により浮
上力を受けて底板15から浮いた状態となり、下軸受端面
11f2(スラスト軸受面)とフランジ部13bの上面13b2と
でスラスト力が支持される。底板15の上面でかつ回転
軸13の直下には、潤滑性に富む樹脂材料等からなるス
ラストワッシャ15aが配置され、モータの起動直後や停
止直前の軸端との間の摩擦低減が図られている。ハウジ
ング12の上端開口は、油漏れ防止用のスラストワッシ
ャ16によって閉塞され、軸との間隙を0.2mm以下と
することで外部への油の漏れ出しを防止している(毛細
管作用)。シールワッシャ16の内周面や内周部の上下
面、あるいはシールワッシャ16の内周面と対向する軸
13の外周面に揆油剤を塗布することにより、さらに有
効な油漏れ防止が図られる。
【0043】図5は、動圧型焼結含油軸受11の軸受内
周面11hに軸方向に対して傾斜した油供給用の動圧溝11
jを設け、この動圧溝11jで生じる動圧作用でスラスト
軸受部14に油を供給するようにしたものである。動圧
溝11jは、ラジアル軸受面11bの溝形成領域(スラスト
軸受部14側)の動圧溝11cと連続したV字状に形成さ
れる。油供給用の動圧溝11jを設けることにより、スラ
スト軸受部14に油膜が形成されやすくなって潤滑性が
向上し、また、スラスト軸受部14での摩耗も著しく低
減されるので耐久性も飛躍的に向上する。
【0044】図6および図7は、スラスト軸受部14
を、回転軸13の回転時に生じる動圧作用により回転軸
13を非接触支持するようにしたものである。非接触支
持であれば、スラスト軸受部14における摩擦がなくな
り、耐久性が飛躍的に向上する。動圧作用は、スラスト
軸受部14を構成する軸受端面11f1とこれに対向するフ
ランジ部13aの何れか一方に、円周方向に配設された複
数の凹部11kを有する動圧発生部17を設けることによっ
て得ることができる。凹部11kとしては、例えば動圧溝
が考えられる。
【0045】図6は、動圧発生部17を有するスラスト
軸受部14の一例で、スラスト軸受面11f1に、軸受端面
に描いた放射状の仮想線に対して傾斜した部分を持つ動
圧溝11kを設けたものである。動圧溝11kは、へリング
ボーン型、すなわち半径方向のほぼ中心部に屈曲部分を
有するV字状をなし、この動圧溝は、円周方向に等間隔
で配列して形成される。この場合、回転に伴ってスラス
ト軸受部14およびその周辺の油が動圧溝11kの屈曲部
分に集められて油膜圧力が高まるため、スラスト軸受部
14を安定して非接触状態に保持できる。動圧溝形状と
しては、へリングボーン型の他にスパイラル型も適用す
ることができる。また、動圧溝11kをフランジ部端面13
a1に設け、スラスト軸受面11f1を動圧溝のない平滑面と
してもよい。
【0046】図7は、図6と同様にスラスト軸受面11f1
に動圧溝11kを設けると共に、図5と同様に軸受内周面
に油供給用の動圧溝11jを設けたものである。
【0047】図8および図9は、スラスト軸受部14
a、14bを軸方向に離隔した2箇所に設けて、両方向
のスラスト荷重を支持できるようにしたものである。図
8は軸受の両端側にフランジ部13a、13bを配し、各フ
ランジ部13a、13bと両軸受端面11f1、11f2との間に形
成された2つのスラスト軸受部14a、14bで両方向
のスラスト荷重を支持できるようにしたものである。ス
ラスト軸受部14を構成するスラスト軸受面11f1、11f2
と、これに対向するフランジ部13a、13b端面との何れ
か一方(図面ではスラスト軸受面11f1、11f2)には、同
図(b)(c)に示すように、図6と同様の動圧溝11k
が形成されている。この構造であれば、両方向のスラス
ト支持だけでなく、回転軸13の軸受11からの抜けを
防止できるので、回転軸13に衝撃荷重が加わった場合
でもモータの損傷を回避することができる。
【0048】図9は、軸受11と底板15との間にフラ
ンジ部13bを設け、フランジ部13bの両側にスラスト軸
受部14a、14bを構成したものである。すなわち、フラ
ンジ部13bの上端面13a1と下側の軸受端面11f2の何れか
一方、および、フランジ部13bの下端面13b2と底板15の
上面の何れか一方(図面では下軸受端面11f2およびフラ
ンジ部の下端面13b2)にそれぞれ図6と同様の動圧溝11
kを設けたもので、図8の構造と同様の効果が奏され
る。
【0049】上記動圧型焼結含油軸受11の軸受本体11
aは、上記金属粉末を圧縮成形し、さらに焼成して得ら
れた円筒状の焼結金属素材(軸受本体素材)に対して、
例えば、サイジング→回転サイジング→軸受面成形加工
を施して製造することができる。
【0050】サイジング工程は、焼結金属素材の外周面
と内周面のサイジングを行って焼結工程での曲がりなど
を矯正する工程で、焼結金属素材の外周面を円筒状のダ
イに圧入すると共に、内周面にサイジングピンを圧入し
て行われる。回転サイジング工程は、断面略多角形状の
回転サイジングピン(断面円形のピンの外周面を部分的
に平坦加工して、円周等配位置に円弧部分を残したも
の)を焼結金属素材の内周面に押付けながら、サイジン
グピンを回転させて内周面のサイジングを行う工程であ
る。この回転サイジングにより焼結金属素材の内周面の
真円度、円筒度が矯正され、かつ表面開孔率が例えば3
〜15%に仕上げられる。軸受面成形工程は、上記のよ
うなサイジング加工を施した焼結金属素材の内周面に、
完成品の軸受面に対応した形状の成形型を加圧すること
によって、軸受面の動圧溝の形成領域とそれ以外の領域
(背11eおよび環状の平滑領域n)とを同時成形する工
程である。
【0051】図11は、軸受面成形工程で使用する成形
装置の概略構造を例示している。この装置は焼結金属素
材11’の外周面を圧入する円筒状のダイ20、焼結金属
素材11’の内周面を成形する超硬合金製のコアロッド2
1、焼結金属素材11’の両端面を上下方向から押さえる
上下のパンチ22、23を主要な要素として構成され
る。コアロッド21と上パンチ22は一体となってお
り、コアロッド21の外周面と上パンチ22のパンチ面
22aの直角度は2μm以内に仕上げられている。
【0052】図10に示すように、コアロッド21の外
周面には、完成品の軸受面11bの形状に対応した凹凸状
の成形型21aが設けられている。成形型21aの凸部分21
a1は軸受面11bにおける動圧溝11cの領域を成形し、凹
部分21a2は動圧溝11c以外の領域(背11eおよび環状の
平滑領域n)を成形するものである。成形型21aにおけ
る凸部分21a1と凹部分21a2との段差は、軸受面11bにお
ける動圧溝11cの深さと同程度(例えば2〜5μm程
度)で微小なものであるが、図面ではかなり誇張して図
示されている。なお、上下軸受端面11f1、11f2に動圧溝
11kを設ける場合(図6〜9参照)は、上下のパンチ2
2、23のパンチ面22a、23aにも当該動圧溝11k
に対応した形状の転写用成形型が設けられる。
【0053】この成形装置による成形は、図11に示す
〜の手順で行われる。
【0054】先ず、焼結金属素材11’をダイ20の上面
に位置合わせして配置した後、上パンチ22およびコア
ロッド21を降下させ、焼結金属素材11’をダイ20に
圧入し、さらに下パンチ23に押付けて上下方向から加
圧する()。
【0055】焼結金属素材11’は、ダイ20と上下パン
チ22・23から圧迫力を受けて変形を起こし、内周面
がコアロッド21の成形型21aに加圧される。これによ
り、成形型21aの形状が焼結金属素材11’の内周面に転
写され、軸受面11bが所定の形状および寸法に成形され
る(同時に焼結金属素材11’の外周面および両端面もサ
イジングされる)。
【0056】軸受面11bの成形が完了した後、焼結金属
素材11’とコアロッドの位置関係を保持したまま上下の
パンチ22、23およびコアロッド21を一体的に上昇
させ()、焼結金属素材11’をダイ20から抜く。次
に、クランパ24で掴んだ焼結金属素材11’の外周面に
熱風発生器等の加熱機25で熱風を吹き付けて焼結金属
素材11’を加熱し()、その後、焼結金属素材11’を
コアロッド21から抜く()。この時、焼結金属素材
11’をダイ20から抜くと同時に焼結金属素材11’にス
プリングバックが生じてその内径寸法が拡大する。ま
た、加熱によって焼結金属素材の温度がコアロッド21
によりも高くなり、かつコアロッド21(超硬合金製)
よりも焼結金属素材11’(銅を主成分とする)の熱膨張
係数が大きいため、焼結金属素材11’の内径寸法がさら
に拡大する。そのため、コアロッド21と焼結金属素材
11’との干渉が回避され、動圧溝11cを崩すことなく、
焼結金属素材11’の内周面からコアロッド21を抜き取
ることが可能となる。スプリングバックのみでスムーズ
に焼結金属素材11’を抜ける場合は、加熱機25による
加熱工程を省略しても構わない。
【0057】以上の工程を経て製造した焼結金属素材1
1’を洗浄し、これに潤滑油又は潤滑グリースを含浸さ
せて油を保有させると、図1に示す動圧型滑り軸受(動
圧型多孔質含油軸受)が完成する。この軸受11は、ハ
ウジング12の内周面に例えば接着によって固定され
る。なお、軸受11のハウジング12への組み込み後
に、含浸油とは別に注油によって軸受隙間および軸受周
辺の空間を油で満たしておくと、潤滑性が著しく向上す
る。
【0058】上記のようにコアロッド21の外周面と上
パンチ22のパンチ面22aの直角度を2μm以内に設
定しておけば、軸受内周面11hに対するスラスト軸受面
11f1の直角度が3μm以内の焼結含油軸受11が提供可
能となる。この軸受11と、フランジ部13aと外周面の
直角度を所定範囲に設定した回転軸13とを組み合わせ
ることにより、スラスト軸受部14での片当りを防止
し、確実に面当りを実現することができる。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、軸受端面でスラスト方
向の支持ができるようになるので、ピボット軸受のよう
な、スラストワッシャの変形や摩耗による窪みのため軸
位置が変化することはなく、また軸受を薄型化した場合
でもモーメント剛性を高く保持することができる。さら
に、軸と軸受本体との相対回転時に、一方の軸受端面と
フランジ部とが片当りしないので、トルクロスが小さ
く、かつトルク変動を抑制して情報機器に要求される高
い回転精度を実現することができる。
【0060】スラスト軸受部を軸方向の2箇所に設けた
場合、回転軸の軸方向の動きを規制することができるの
で、衝撃荷重特性を向上させることができる。特にHD
D装置のように読み取り用ヘッドがディスクと僅かな隙
間を介して配置されているような場合、衝撃荷重が加わ
ってもヘッドがディスクと衝突する事態を回避すること
ができる。
【0061】焼結含油軸受は、焼結合金などの多孔質体
で構成するので、低コストで高精度名加工が可能とな
る。また、多孔質体であるから油の保持量が多く、ま
た、油が循環するので油の劣化が遅くなり、耐久性が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる動圧型焼結含油軸受ユニットの
断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示す図で、A図は断面
図、B図は平面図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す図で、A図は断面
図、B図は平面図である。
【図8】本発明の他の実施形態を示す図で、A図は断面
図、B図は平面図、C図は下面図である。
【図9】本発明の他の実施形態を示す図で、A図は断面
図、B図およびC図は下面図である。
【図10】コアロッドおよび上パンチの側面図である。
【図11】本発明方法を示す断面図である。
【図12】動圧型焼結含油軸受ユニットを組み込んだ光
ディスク装置の断面図である。
【図13】従来の動圧型焼結含油軸受の断面図である。
【図14】従来の動圧型焼結含油軸受ユニットの断面図
である。
【図15】動圧型焼結含油軸受ユニットの断面図であ
る。
【図16】動圧型焼結含油軸受ユニットの断面図であ
る。
【符号の説明】
11 動圧型焼結含油軸受 11a 軸受本体 11b ラジアル軸受面 11c ラジアル軸受面の動圧溝 11f1 軸受端面(スラスト軸受面) 11f2 軸受端面(スラスト軸受面) 11h 軸受内周面 11j 油供給用の動圧溝 11k スラスト軸受面の動圧溝(凹部) 12 ハウジング 13 回転軸(軸) 13a フランジ部 14 スラスト軸受部 17 動圧発生部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸と、焼結金属で形成され、軸の外周面
    と軸受隙間を介して対向するラジアル軸受面を備えた軸
    受本体に油を含浸させてなり、軸と軸受本体との相対回
    転時にラジアル軸受面で生じる動圧作用により軸を非接
    触支持する動圧型焼結含油軸受とを具備するものにおい
    て、 動圧型焼結含油軸受の少なくとも一方の軸受端面と軸に
    設けたフランジ部とでスラスト軸受部を構成し、上記一
    方の軸受端面と軸受内周面との直角度、およびフランジ
    部と軸の外周面との直角度を、軸と軸受本体との相対回
    転時に、上記一方の軸受端面とフランジ部とが片当りし
    ない公差に管理したことを特徴とする動圧型焼結含油軸
    受ユニット。
  2. 【請求項2】 上記一方の軸受端面と軸受内周面との直
    角度を3μm以内に、フランジ部と軸の外周面との直角
    度を2μm以内に設定したことを特徴とする請求項1記
    載の動圧型焼結含油軸受ユニット。
  3. 【請求項3】 動圧型焼結含油軸受の軸受内径dと軸受
    幅Lを L≦1.2d に設定し、かつラジアル軸受面を、軸受内周面の1箇所
    に設けた請求項1または2記載の動圧型焼結含油軸受ユ
    ニット。
  4. 【請求項4】 動圧型焼結含油軸受の軸受内周面に軸方
    向に対して傾斜した油供給用の動圧溝を設け、この動圧
    溝で生じる動圧作用によりスラスト軸受部に油を供給す
    るようにした請求項1または2記載の動圧型焼結含油軸
    受ユニット。
  5. 【請求項5】 スラスト軸受部が、軸と軸受本体との相
    対回転時に生じる動圧作用により軸を非接触支持するも
    のである請求項1乃至3何れか記載の動圧型焼結含油軸
    受ユニット。
  6. 【請求項6】 スラスト軸受部を構成する、上記一方の
    軸受端面とこれに対向するフランジ部の何れか一方に、
    円周方向に配設された複数の凹部を有する動圧発生部を
    設けた請求項5記載の動圧型焼結含油軸受ユニット。
  7. 【請求項7】 動圧発生部の凹部が、軸受端面に描いた
    放射状の仮想線に対して傾斜した部分を持つ動圧溝であ
    る請求項6記載の動圧型焼結含油軸受ユニット。
  8. 【請求項8】 スラスト軸受部を軸方向の2箇所に配置
    して両方向のスラスト荷重を支持するようにした請求項
    1乃至7何れか記載の動圧型焼結含油軸受ユニット。
  9. 【請求項9】 動圧型焼結含油軸受の表面開孔率を、ラ
    ジアル軸受面で10%以下、スラスト軸受部を構成する
    軸受端面で5%以下に設定した請求項1乃至8何れか記
    載の動圧型焼結含油軸受ユニット。
  10. 【請求項10】 ラジアル軸受面における動圧溝を成形
    する成形型を軸受本体素材の内周面に挿入すると共に、
    軸受本体素材の両端面を一対のパンチ面で保持した状態
    で軸受本体素材に圧迫力を加えることにより、成形型で
    軸受本体素材の内周面に軸方向に対して傾斜した動圧溝
    を有するラジアル軸受面を成形すると共に、少なくとも
    一方のパンチ面で軸受本体素材の一方の端面に軸との間
    でスラスト軸受部を構成するスラスト軸受面を成形する
    に際し、 上記少なくとも一方のパンチ面と、成形型の外周面との
    直角度を2μm以内に設定することを特徴とする動圧型
    焼結含油軸受の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記一方のパンチ面と成形型とを一体
    的に構成した請求項10記載の動圧型焼結含油軸受の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 軸受本体素材を所定寸法に成形した
    後、圧迫力を解除して軸受本体素材をスプリングバック
    させると共に、軸受本体素材と成形型との間に軸受本体
    素材の内径と成形型の外径との寸法差が拡大するような
    熱膨張差を生じさせて、上記成形型を軸受本体素材の内
    周面から離型する請求項10または11記載の動圧型焼
    結含油軸受の製造方法。
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