JP6265729B2 - フードミル - Google Patents

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Description

本発明は、食品等のような各種の材料の加工に用いられるフードミルに関する。
従来から、食品等のような各種の材料を調理する際に用いられる電動調理器が知られている。一般的に、電動調理器は、駆動モータを内蔵した本体と、材料が収容可能であって、この収容された材料を調理する調理部材を収容した収容部とを備えており、収容部を本体に載置して本体の駆動モータを回転させると、その回転に連動して調理部材も回転し、材料を調理することができるように構成されている(例えば、特許文献1)。このような電動調理器にはいくつかの種類があり、その一つとして、茶葉、ごま、香辛料等といった、いわゆる乾物と呼ばれる材料を調理部材の回転駆動により粉末状にするフードミルがある。
特開平10−179427号公報
しかし、特許文献1に記載されている電動調理器は、材料を破砕又は粉砕して粉末状にした後、該粉末状にされた材料が空気に触れるので、時間の経過とともに材料における食品成分の分解や酸化が進行し、栄養成分が減少しやすいという問題があった。特に、フードミルの場合は、材料を破砕又は粉砕して粉末状にするので、粉末状にする前の時よりも材料が空気に触れやすくなる。そのため、栄養成分の減少の度合いが大きくなる傾向にあった。また、電動調理器では、調理部材によって材料を調理する際に、安定的に調理を行う方法として調理部材の回転数を高くして高速回転させることが行われる。特に、フードミルのような電動調理器は、比較的固い乾物を破砕又は粉砕するため、調理部材をより高速に回転させるのが通常である。しかし、このように調理部材の回転数を高くすると、高速回転する回転軸とこの回転軸を支持する回転軸受部との間に摩擦抵抗が生じ、これら回転軸と回転軸受部との間において発熱しやすくなるという問題がある。また、このように発熱すると、材料に熱の影響を与えてしまい、食品の品質に影響を与えたり、回転軸及び回転軸受部の耐久性も確保することができないという問題があった。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、食品成分の分解や酸化を防ぐとともに栄養成分の減少がなく、かつ回転軸及び回転軸受部における熱に対する耐久性を確保することができるフードミルを提供することを目的とする。
本発明は、
(1)駆動装置と、内部に材料を収容して前記材料を調理する収容部とを備え、
前記収容部は、前記材料を調理するための収容空間及び前記収容空間に前記材料を収容可能に形成された開口部を有する収容容器と、前記開口部を塞ぐように取付固定される容器基台と、排気中に混在する材料の一部を分離して、前記材料の一部を回収するための分離回収部材とを有し、
前記容器基台は、前記駆動装置の駆動に伴って回転して前記材料を調理する調理部材を有する回転軸部を備え、
前記収容部は、前記収容空間内を排気して前記収容空間内を真空にするように構成され、
前記容器基台は、
前記回転軸部を回転可能な状態としつつ前記回転軸部を支持する摺動部材と、
前記摺動部材と前記調理部材との間に配され、前記回転軸部に対して摺動性を有する材料で形成され、前記回転軸部の周囲をシールする第1のシール部材と、
前記第1のシール部材と前記摺動部材との間に前記第1のシール部材と積層されるように配され、前記回転軸部に対して摺動性を有する材料で形成され、前記回転軸部の周囲をシールする第2のシール部材と
を備え、
前記分離回収部材は、
前記収容空間内を排気する時に前記材料の一部を回収するための回収空間を形成する回収空間形成部材と、
前記回収空間内に配された下側の第1部と前記回収空間外に配された上側の第2部とを備える第1の筒部と、
前記回収空間形成部材に立てて設けられ、前記回収空間に配され、前記第1の筒部の前記第1部をその上端を除いて収容する第2の筒部と
を備え、
前記第1の筒部の前記第2部は、真空ポンプに連通され、
前記回収空間形成部材は、前記回収空間における前記第2の筒部の外側の空間と前記収容空間とを連通させる連通孔が形成されているフードミル、
)回転軸部には、摺動性を向上させるための表面処理を施している上記(1)に記載のフードミル、
を要旨とする。
本発明によれば、収容空間内の気体を排気して該収容空間内を真空にすることができるように収容容器を構成しているので、収容容器内に収容された材料が空気と触れるのを防止することができる。したがって、収容容器内の材料における食品成分の分解や酸化を効果的に防止することができ、また栄養成分が減少しない材料を提供することが可能になる。
本発明の実施の形態に係るフードミルの正面図である。 収容部の断面図である。 (a)図は、上方から見た分離回収部材の斜視図であり、(b)図は、下方から見た分離回収部材の斜視図である。 (a)図は、分離回収部材を取り付ける前の状態を説明するための説明図であり、(b)図は、分離回収部材を取り付けた状態での作用効果を説明するための説明図である。
本発明に係るフードミル1の構成を以下において具体的に説明する。図1に示すように、フードミル1は、本体2と、外カバー部材3と、収容部4とを備えている。本体2は、フードミル1の基台となる部材であり、上部に収容部4を載置するための載置部5が形成されている。本体2は、例えばステンレス等のような金属材料や樹脂材料等を用いて形成することができるが、成形のしやすさ及び持ち運び時における重量等の観点から、樹脂材料を用いることが好ましい。
本体2には、駆動装置としての駆動モータ6及び真空装置を構成する真空ポンプ7が内部に配置されている。駆動モータ6は、収容部4を構成する後述する容器基台11の回転軸部21を回転させるためのものであり、本実施の形態では載置部5の下方に配置されている。駆動モータ6は、駆動軸8を有しており(図2参照)、収容部4を載置部5に載置した時に、該収容部4に設けられている回転軸部21と係合することができるように構成されている。
真空ポンプ7は、収容部4を構成する後述する収容容器12内の気体を排気して収容空間内を真空にするためのものである。この真空ポンプ7は、真空装置を構成するチューブやホース等の配管部材(図示せず)と接続されている。なお、真空ポンプ7は、収容空間53内を排気することができるものであれば、従来から公知のものを任意に選択して用いてよい。
外カバー部材3は、本体2に着脱自在に取り付けることができるように構成されている。この外カバー部材3は、上端部の一部が開口形成されており、収容部4を構成する後述する収容容器12の上端部、具体的には、収容容器12の上端部に取り付けられている後述する第2分離回収部材形成部56が外カバー部材3の開口からさらに上方に突出した状態で配置することができるように構成されている。また、外カバー部材3は、スイッチ(図示せず)を備えており、外カバー部材3を本体2に取り付けてスイッチをオンにするとフードミル1が動作するように構成されている。
収容部4は、本体2の載置部5に着脱自在に載置することができるように構成されている。また、収容部4は、収容容器12内に形成された収容空間53内を排気して、この収容空間53内を真空にすることが可能に構成されている。図2に示すように、収容部4は、容器基台11と収容容器12とを備えており、容器基台11に収容容器12を取付固定することができるように構成されている。この時、容器基台11の底面と収容容器12とが突き合わされる箇所には、これら容器基台11と収容容器12との間に第1シール部材13が介在するように構成されており、これら容器基台11と収容容器12とによって形成されている収容空間53の気密性を維持することができるように構成されている。
容器基台11は、固定受部14及び回転軸部挿通孔15を有している。固定受部14は、収容容器12を容器基台11に取付固定するためのものである。この固定受部14にはネジ山が形成されており、収容容器12の固定部52に形成されているネジ山とネジ嵌合することができるように構成されている。なお、本実施の形態では、固定受部14及び固定部52をネジ嵌合することで収容容器12を容器基台11に取付固定することができるように構成しているが、収容容器12と容器基台11とを取付固定することができれば、他の構成であってもよい。
回転軸部挿通孔15は、容器基台11の底部において、該容器基台11の底面と裏面との間を貫通するように形成されている。この回転軸部挿通孔15は、回転軸部21が挿通可能な大きさに形成されている。具体的には、本実施の形態では、後述する軸固定用カバー部材28の外周面の一部が該回転軸部挿通孔15の内周面と略同一となるような大きさに開口形成されている。
回転軸部21は、駆動モータ6の駆動に伴って回転するように構成されている。この回転軸部21は、収容空間53内に収容された材料を調理するための調理部材22が取付固定されている。また、回転軸部21は、軸本体23、回転軸受部24、摺動部材25、回転軸受部用カバー部材26、摺動カバー部材27、軸固定用カバー部材28を備えている。なお、ここで「材料」とは、例えば、収容空間内に収容されて調理に供される食材等の材料や、調理した後の粉末状や粒状体のものも含む。また、「材料」は、該材料中等に含まれる水分や、収容空間15内に存在する霧状のものも含む。
軸本体23は、一端部に第1小径部29aが形成され、他端部に第2小径部29bが形成され、これら第1小径部29a及び第2小径部29bの間に大径部30が形成されている。この軸本体23には、ダイヤモンドライクカーボンの薄膜を製膜したり、軸本体23の表面をフッ素加工してもよい。また、上記した摺動性を向上させる観点では、軸本体23の表面と後述する摺動部材25との間に気体又は液体を流動させることで膜を形成し、これら軸本体23と摺動部材25とが接触しないようにして摺動性を向上させるように構成してもよいし、上記した以外の構成のものを用いてもよい。このようにすることで軸本体23の摺動性を向上させるとともに、軸本体23と回転軸受部24との間における気密性を維持しつつ、軸本体23の摺動性を向上させることができ、さらによりスムーズに軸本体23を回転駆動させることが可能になる。
第1小径部29a及び第2小径部29bは、軸本体23においてこれら以外の箇所での外径よりも小さな外径を有するように形成されている。なお、ここで「調理する」とは、材料を料理すること全般を意味するものであり、例えば材料を切削したり、破砕又は粉砕することが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、「調理部材」は材料を調理するための部材全般を意味するものであり、例えば材料を切削、破砕又は粉砕等するカッター部材が挙げられるが、これに限定されるものではない。
第1小径部29aは、係合受部材31を取付固定するためのものである。第1小径部29aは、係合受部材31に形成されている固定孔32に対して圧入等することができる外径を有するように形成されている。そして、この第1小径部29aには、係合受部材31が取付固定されている。係合受部材31は、上記した固定孔32を略中央に有するとともに、駆動モータ6の駆動軸8に取付固定されている係合部材33と係合することができるように形成されている。なお、この係合受部材31と係合部材33とは、これらが互いに係合することができればよく、係合の方法は従来から公知の方法を任意に選択して用いてよい。
第2小径部29bは、調理部材22を取付固定するためのものである。第2小径部29bは、調理部材22に形成されている挿通孔34の孔径と略同じか、又は該孔径よりも若干大きな外径を有するように形成されており、調理部材22を取り付けた後は、容易に該調理部材22を取り外すことができないように構成されている。なお、本実施の形態では、軸本体23が第1小径部29a及び第2小径部29bを有するように形成しているが、軸本体23に係合部材33及び調理部材22を取り付けることができれば、これら第1小径部29a及び第2小径部29bを形成しなくてもよい。
回転軸受部24は、軸本体23を回転可能に支持しつつシール性を維持するためのもので、高さ方向の位置が軸本体23の大径部30の外周面と接する位置に配置されている。
この回転軸受部24は、第1シール部材24aと第2シール部材24bとを用いて構成されている。
第1シール部材24aは、中央部に軸本体23が挿通可能な大きさの第1シール孔35aが形成されており、この第1シール孔35aを形成する該第1シール孔35の内周端面がシール部としての第1シール部36aとなっている。また、第1シール部材24aは、外周側の厚さに対して内周側の厚さが薄くなるように形成された第1凹部24cを有している。
第2シール部材24bは、中央部に軸本体23が挿通可能な大きさの第2シール孔35bが形成されており、この第2シール孔35bを形成する該第2シール孔35bの内周端面がシール部としての第2シール部36bとなっている。また、第2シール部材24bは、外周側の厚さに対して内周側の厚さが薄くなるように形成された第2凹部24dを有している。
これら第1シール部材24a及び第2シール部材24bは、第1シール部材24aの第1凹部24cと第2シール部材24bの第2凹部24dとが互いに向き合うように重ね合わせられて積層されている。このように第1シール部材24a及び第2シール部材24bを配置することで、第1シール部材24aでは収容空間53内における水分等のような流体が収容空間53の外部にリークするのを防止でき、第2シール部材24bでは収容空間53の外部における水分等のような流体等が収容空間53内に侵入することを確実に防止することができる。
また、回転軸受部24を構成する第1シール部材24aは第1シール孔35aに軸本体23が挿通された状態で上記した位置に配置され、第2シール部材24bは第2シール孔35bに軸本体23が挿通された状態で上記した位置に配置される。
これら第1シール部材24a及び第2シール部材24bには、例えばゴム材料を用いることができる。一般的に、ゴム材料は弾性変形しやすく、かつ柔らかいので、軸本体23が回転駆動した時に、この回転駆動によって軸本体23に傷が付いたりすることを防止できる。特に、回転軸受部24に対する軸本体23の摺動性をより大きく確保する観点から、第1シール部材24a及び第2シール部材24bに用いるゴム材料としては、耐熱温度の高いシリコンゴム材料、フッ素ゴム材料等を用いることが好ましい。第1シール部材24a及び第2シール部材24bに上記したようなゴム材料を用いることによって、軸本体23が回転してこれら軸本体23と第1シール部材24aにおける第1シール部36a及び第2シール部材24bにおける第2シール部36bとの間における摩擦熱が他のゴム材料に比べて発生しにくく、また摩擦熱が生じた場合であっても、第1シール部材24a及び第2シール部材24bは弾性変形のしやすさ及び柔らかさを維持することができる。したがって、軸本体23が回転している場合にも、摺動性を維持することができ、スムーズに軸本体23を回転駆動させることが可能になる。特に、本実施の形態に係るフードミルの場合は、回転軸部21の回転速度が速いため、回転軸部21と回転軸受部24、具体的には第1シール部36a及び第2シール部36bとの間における摺動性を向上させることで、回転軸部21や回転軸受部24の発熱を効果的に防止することができる。
また、第1シール部材24a及び第2シール部材24bに用いるゴム材料を上記したものとすることにより、軸本体23の外周面、即ち摺動面と第1シール部36a及び第2シール部36bとの間の隙間を確実に塞ぎ、収容空間53内の気密性を確保することができる。
このように、軸本体23の大径部30の外周面に上記した表面処理を用い、第1シール部材24a及び第2シール部材24bに耐熱温度の高いゴム材料を用いる事で、発熱による回転軸部23の焼き付きを抑えることができる。
また、軸本体23の摺動性を向上させたことで軸本体23と第1シール部36a及び第2シール部36bにとの間におけるシール性が向上し、これら軸本体23及び第1シール部36a及び第2シール部36bのすれによる金属音の発生も防止する事が可能になる。
更に、オイルシールを2つ使用することで、収容空間53の内部と外部との間における流体の行き来等をも確実に防止することが可能になる。
摺動部材25は、軸本体23を回転可能な状態としつつ該軸本体23を支持するためのものである。本実施の形態では、摺動部材25は回転軸受部24の下方に位置するように設けられているが、これに限定されるものではない。また、摺動部材25は、軸本体23を回転可能に支持することができればよく、従来から知られているものを任意に選択して用いてもよい。
回転軸受部用カバー部材26は、回転軸受部24を内部に収容して該回転軸受部24をカバーするためのものである。この回転軸受部用カバー部材26は、外周面が軸固定用カバー部材28の内周面と接するように構成されている。また、回転軸受部用カバー部材26の外周面には、Oリング等で構成される第2シール部材37が嵌合可能な第1嵌合溝38が形成されている。図2に示すように、この第1嵌合溝38に第2シール部材37が嵌合した時は、第2シール部材37の外周側の一部が回転軸受部用カバー部材26の外周面よりも半径方向外側に位置する。そして、回転軸受部用カバー部材26が軸固定用カバー部材28の内部に嵌合した時に、第1シール部材13の外周側端部が軸固定用カバー部材28の内周面に接し、収容容器12内の気密性を維持することができるように構成されている。
また、回転軸受部用カバー部材26は、内周面が階段状に形成されている。即ち、この回転軸受部用カバー部材26には孔部が形成されており、この孔部の一端部及び他端部のいずれにも開口が形成されている。これら開口の大きさは、一端部の開口が他端部の開口よりも大きくなるように形成されている。また、この孔部は、該孔部の内径が異なるように形成されており、一端部の開口に近接する箇所の内径が他端部の開口に近接する箇所の内径よりも大きくなるように形成されている。孔部のうち、他端部の開口に近接する箇所は回転軸受部24が収容可能な大きさに形成された回転軸受部用カバー部材26が形成されている。また、一端部の開口に近接する箇所は摺動部材25及び後述する摺動カバー部材27が収容可能な大きさに形成されている。回転軸受部用カバー部材26には、軸本体23が挿通されている。即ち、軸本体23は、回転軸受部用カバー部材26に形成されている一端部の開口と他端部の開口との間を貫くように挿通されて配置されている。
摺動カバー部材27は、摺動部材25を内部に収容して該摺動部材25をカバーするためのものである。この摺動カバー部材27は、外周面が回転軸受部用カバー部材26の一端部の開口に近接する位置における回転軸受部用カバー部材26の内径と略同一になるよう形成されている。また、摺動カバー部材27には、摺動部材25を収容する摺動部材収容部40が形成されている。摺動カバー部材27は、この摺動部材収容部40の中に摺動部材25を収容して、回転軸受部用カバー部材26の孔部内に挿入固定される。また、摺動カバー部材27は、一端側にフランジ部27aが形成されている。このフランジ部41は、軸固定用カバー部材28内に配置されるように構成されている。
軸固定用カバー部材28は、回転軸受部用カバー部材26及び摺動カバー部材27を内部に収容して、これらをカバーするためのものである。軸固定用カバー部材28は、容器基台11に形成されている回転軸部挿通孔15に挿通固定されるように形成されている。また、軸固定用カバー部材28には、回転軸受部用カバー部材26及び摺動カバー部材27が収容可能に形成されている。さらに軸固定用カバー部材28は、一端側の端部に、径方向に延出形成されたフランジ部41が形成されている。軸固定用カバー部材28は、このフランジ部41の上端面の一部が容器基台11の裏面と対向するように配置される。この軸固定用カバー部材28には、第3シール部材42を配置するための凹部43が形成されている。第3シール部材42は、軸固定用カバー部材28と容器基台11との間の気密性を維持するために設けられている。
収容容器12は、開口部51、固定部52、収容空間53及び分離回収部材54を備えている。開口部51は、収容容器12の一端部に開口形成されている。この開口部51は、収容容器12の外部から収容空間53内に材料としての材料を収容することができる大きさに開口形成されている。また、この開口部51は、容器基台11を取り付けることによって塞ぐことができるように構成されている。固定部52は、収容容器12を容器基台11に着脱自在に取付固定するためのものである。本実施の形態では、固定部52は、収容容器12において開口部51が形成されている一端側の外周部分にネジ山を設けることで形成されており、容器基台11に設けられている固定受部14にネジ嵌合することで、該容器基台11に取付固定することができるように構成されている。
収容空間53は、収容容器12の内周面及び容器基台11の内周面の一部によって囲まれており、内部に材料を収容し、この材料を調理することができるように形成された空間である。収容空間53内には、回転軸部21及びこの回転軸部21に取り付けられている後述する調理部材22が配置され、調理部材22が回転動作をして収容された材料を調理することができる大きさに形成されている。
分離回収部材54は、収容空間53内を真空ポンプ7で真空引きした時に、収容空間53内における材料を収容空間53内からの排気と分離すると共に回収して、真空ポンプ7に流入するのを防止することを目的とするものであり、収容容器12の他端側端部に設けられている。この分離回収部材54は、第1分離回収部材形成部55及び第2分離回収部材形成部56を備えている。第1分離回収部材形成部55は、縦壁部57、底壁部58、係止部59及び第1流路形成部60を有している。縦壁部57は、第1分離回収部材形成部55の外壁を構成するもので、筒状に形成されている。縦壁部57の外周面には、該縦壁部57の上端部に近接する箇所に環状溝部61が形成され、この環状溝部61の下方に係止部59が形成され、係止部59のさらに下方に延出部62が形成されている。また、この延出部62のさらに下方には、吸入口63が開口形成している。環状溝部61は、第4シール部材64としてのOリングを嵌め込むためのものであり、Oリングを嵌め込むことが可能な幅及び深さを有するように形成されている。
延出部62は、縦壁部57の外周面から径方向外方に向けて延出するように形成されている。この延出部62は、裏面がシール面となっている。シール面は、シーリング剤Sを塗布等するための面で、このシーリング面と収容容器12の上面との間にシーリング剤Sを介在させて収容容器12と第1分離回収部材形成部55との間をシールさせるように構成されている。
吸入口63は、収容空間53内の気体を分離回収部材54に吸入するための開口である。吸入口63は、第1分離回収部材形成部55の外周面と内周面との間を貫通形成しており、第1分離回収部材形成部55の外部の空気を吸入口63の外周面側から吸入して、第1分離回収部材形成部55の内部に形成されている後述する内部空間73に取り込む。そして、第1空間73aに取り込まれた気体は、後述する排気口81から排出される。
底壁部58は、縦壁部57の下部に形成されている。この底壁部58は、縦壁部57の一端部を覆うように形成されている。なお、本実施の形態では、底壁部58は縦壁部57に対して略直角となるように形成されているが、これに限定されるものではない。また、底壁部58の肉厚と縦壁部57の肉厚とは略同一となるように形成されているが、これら底壁部58の肉厚及び縦壁部57の肉厚とが異なっていてもよい。
係止部59は、第2分離回収部材形成部56に形成されている後述する係止受部76と係合させるためのものである。この係止部59は、縦壁部57の外周面から径方向外側に向けて突出する突起部として形成されている。本実施の形態では、縦壁部57の外周面から径方向外と側に向けて形成された突起部が2つ形成されているが、この突起部の数はこれに限定されるものではない。また、本実施の形態では突起部として形成したものを係止部59として用いた例を用いて説明しているが、第2分離回収部材形成部56の係止受部76と係止することができるものであれば、その形状等に関しても限定されるものではない。
第1流路形成部60は、分離回収部材54において、収容空間53内から収容容器12の外部へ排気される気体の流路を形成するためのものである。この第1流路形成部60は、本実施の形態では筒状に形成されている。なお、第1流路形成部60の内部は排気経路となっており、吸入口63から吸い込まれた気体は排気口81から排出されるようになっている。
第2分離回収部材形成部56は、収容空間53内における材料を収容空間53内からの排気と分離すると共に回収するためのものである。この第2分離回収部材形成部56は、収容容器12の上部に取付固定されている第1分離回収部材形成部55の上方から該第1分離回収部材形成部55に向けて取付固定することができるように構成されている。図3に示すように、第2分離回収部材形成部56は、略円筒形状に形成された外周壁71と、外周壁71の上部を塞ぐように形成された上壁72と、これら外周壁71及び上壁72に囲まれた第2空間73bとを有しており、第1分離回収部材形成部55を取付固定した時に、第1空間73aとともに内部空間73を形成するように構成されている。また、第2分離回収部材形成部56は、コネクタ部74及び第2流路形成部75を備えている。外周壁71は、内径が第1分離回収部材形成部55の第1分離回収部材形成部55の外径よりも大きくなるように形成されている。また、この外周壁71には、内周面側に係止受部76が形成されている。図3(b)に示すように、係止受部76は、互いに対向する位置に2つ形成されている。この係止受部76は、外周壁71の内周面側を一端から他端に向けて垂直方向に切欠形成されている縦溝部77と、縦溝部77と直交する方向に向けて、外周壁71の外周面と内周面との間を貫通形成した横孔部78とから構成されている。
上壁72は、外周壁71の上部を塞ぐ壁状に形成されている。上壁72の略中央には、コネクタ部74及び第2流路形成部75が形成されている。コネクタ部74は、上壁72から上方に向けて突出するように形成されており、真空装置を構成する図示しない配管部材を取付固定するためのものである。これらコネクタ部74及び配管部材は、従来から公知の形状及び構造で構成されているものを任意に選択して用いてよい。即ち、これらコネクタ部74及び配管部材は、これらを互いに接続することができればよく、その形状及び構造に限定されるものではない。また、コネクタ部74と配管部材との間には、図示しない逆止弁を設けてもよい。逆止弁を設けることにより、真空ポンプ7から収容空間53内への気体の逆流を防止することができ、収容空間53内における真空状態を効果的に維持することができるようになる。
第2流路形成部75は、上壁72から内部空間73内に向けて延出形成された筒状の部材である。第2流路形成部75は、外径が外周壁71の内径よりも小さく、内径が第1流路形成部60の外径よりも大きくなるように形成されている。これらコネクタ部74及び第2流路形成部75は、内部に気体が通過する通過経路79が形成されており、第2流路形成部75側の一端には気体が流入する流入口80が形成され、コネクタ部74側の他端には気体が排気される排気口81が形成されている。
次に、このように構成された第2分離回収部材形成部56を第1分離回収部材形成部55に取付固定する例について説明する。図4(a)に示すように、第2分離回収部材形成部56は、第1分離回収部材形成部55の上方から図4(a)中のA方向に移動させ、第1分離回収部材形成部55に嵌め込むことで取付固定される。第2分離回収部材形成部56をA方向に移動させる時は、第1分離回収部材形成部55の係止部59が第2分離回収部材形成部56の係止受部76の縦溝部77と嵌合する位置に合わせておき、これら係止部59及び係止受部76を嵌合させつつ第2分離回収部材形成部56を移動させる。そして、縦溝部77の終端に係止部59が位置するまで嵌め込んだら、次に第2分離回収部材形成部56を周方向に回転させる。これにより、第2分離回収部材形成部56は、係止部59と横孔部78とが嵌合しつつ周方向に回転する。
第2分離回収部材形成部56を周方向に回転させ、横孔部78の終端に係止部59を位置させると、図4(b)に示すように、第2分離回収部材形成部56が第1分離回収部材形成部55に取付固定された状態になる。このように第2分離回収部材形成部56を第1分離回収部材形成部55に取付固定すると、第2分離回収部材形成部56の内部空間73には、外周壁71から中央に向けて、第1分離回収部材形成部55に形成されている第1流路形成部60、第2分離回収部材形成部56に形成されている第2流路形成部75が配置される。また、外周壁71の内周面と第1流路形成部60の外周面との間には所定間隔を有する第1空間91が形成され、第1流路形成部60の上端面と第2分離回収部材形成部56の天井面との間には所定間隔を有する第2空間92が形成される。そして、第1流路形成部60の内周面と第2流路形成部75の外周面との間には所定間隔を有する第3空間93が形成され、第2流路形成部75の下端面と第1分離回収部材形成部55の底面との間には所定間隔を有する第4空間94が形成される。これら第1〜第4空間91〜94は、吸入口63から吸入された気体が流入口80まで流れる流動経路となる。
図4(b)に示すように、流動経路は、吸入口63から流入した気体が第1空間91を流れ、第2空間92を経て第3空間93を流れ、さらに第4空間94を経て流入口80に至る経路として構成されている。この流動経路の方向は、第2空間92において折り返され、第1空間91を流れる方向と第3空間93を流れる方向とが互いに異なるように構成されている。さらに第3空間93を流れる方向は、第4空間94において再度折り返されて、最終的に吸入口63に到達する。即ち、第2空間92及び第4空間94は、気体が流れる方向を変える複数の折り返し部として構成されている。
次に、本発明に係るフードミル1の作用効果について説明する。図1に示すように、フードミル1は、材料等を収容空間53内に収容した収容容器12を本体2の載置部5に載置して、図示しない配管部材をコネクタ部74に接続する。そして、外カバー部材3を本体2の所定位置に配置して、図示しない電源スイッチをオンにし、真空ポンプ7を駆動させる。
真空ポンプ7が駆動すると、収容空間53内の気体が収容容器12の外部に排気される。収容空間53内の気体は、第1分離回収部材形成部55の吸入口63から吸入されて、分離回収部材54における内部空間73に流入する。そして、内部空間73における第1〜第4空間91〜94を流れた後に流入孔に流入し、その後さらに通過経路79を通過して排気口81から排気される。排気口81から排気された気体は、本実施の形態では、その後配管部材を経て真空ポンプ7へ到達し、最終的には真空ポンプ7の外部、即ち収容容器12の外部に排気される。
この時、フードミル1は、収容容器12と容器基台11との間を第1シール部材13でシールし、容器基台11においては第2シール部材37、第3シール部材42及び回転軸受部24でシールされ、さらに収容容器12と第1分離回収部材形成部55との間はシーリング剤によりシールされている。また、分離回収部材54においては、第4シール部材64により第1分離回収部材形成部55と第2分離回収部材形成部56との間がシールされている。そのため、フードミル1は、収容容器12内を真空状態にした時にも、外部から気体が流入することなく、収容容器12内に形成された真空状態を維持することができる。
また、本発明に係るフードミル1では、収容空間53内の気体を排気する際、分離回収部材54の内部空間73において第1分離回収部材形成部55の第1流路形成部60と第2分離回収部材形成部56の第2流路形成部75とで形成された流路を通過した上で、排気口81から気体を排気する。そのため、収容空間53内における気体の流れに伴って、破砕又は粉砕した材料の粉塵等のような材料が吸入口63から吸い込まれたとしても、内部空間73において形成された流路を通過する間に、排気中に混在する材料が分離され、この分離された材料を回収することができる。したがって、収容空間53内を真空引きした場合に、真空ポンプ7へ材料が入り込んで真空ポンプ7が故障したり、真空ポンプ7の機能を低下させて設定通りの真空度を得ることができず、調理自体が未完成に終わってしまう、というようなことを確実に防止することが可能になる。また、真空ポンプ7内に材料が入り込むことがないので、真空ポンプ7内において部品が腐食したり、収容容器12内に材料が逆流して、収容空間53内が不衛生な状態になるというようなことも確実に防止することが可能になる。また、本発明に係るフードミル1では、分離回収部材54を第1分離回収部材形成部55と第2分離回収部材形成部56というように複数の分離回収部材形成部から構成しており、第2分離回収部材形成部56を第1分離回収部材形成部55に対して着脱自在に構成しているので、分離回収部材54で分離回収された材料を簡単に除去することができる。したがって、本発明に係るフードミルによれば、材料を分離回収することができるのみならず、衛生面においても良好な状態を維持することが可能になる。
収容空間53内が所定の真空度まで到達すると、真空ポンプ7は動作を停止する。その後、駆動モータ6が回転駆動を開始する。駆動モータ6が回転すると、駆動軸8、及びこの駆動軸8に取付固定されている係合部材33が回転を開始する。また、係合部材33は、係合受部材31と係合しているため、係合部材33が回転を開始すると、係合受部材31が連動して回転を開始する。そして、係合受部材31が取付固定されている軸本体23も回転し、軸本体23に取り付けられている調理部材22も回転を開始する。即ち、駆動モータ6が回転駆動を開始すると、それに伴って回転軸部21及び調理部材22が収容空間53内において回転する。
この時、フードミル1は、第1シール部材24aの第1シール孔35a及び第2シール部材24bの第2シール孔35bに軸本体23を挿通させているので、軸本体23はこれら第1シール孔35a及び第2シール孔35bに挿通された状態で回転する。本実施の形態に係るフードミル1は、第1シール部材24aの第1シール部36a及び第2シール部材24bの第2シール部36bに用いるゴム材料として、摺動性を有するとともに耐熱性の高いゴム材料を用いているので、軸本体23が回転する時に、軸本体23と第1シール部36a及び第2シール部36bとの間における摩擦熱が発生しにくくなるとともに、仮に摩擦熱が発生したとしても、その熱によって第1シール部36a及び第2シール部36bのゴム材料が影響を受けて弾性変形しにくくなったりすることがない。したがって、本実施の形態に係るフードミルにおいては、軸本体23の摺動性を向上させることができるとともに、収容空間53内の気密性をより確保することが可能になる。
また、収容空間53内において調理部材22が回転すると、収容空間53内に収容されている材料が調理部材22によって破砕又は粉砕される。この時、調理部材22は、駆動モータ6の駆動力を受けて回転しており、調理部材22が材料を破砕又は粉砕する、該調理部材22に生じる抵抗力よりもはるかに大きな力で材料等を破砕又は粉砕することができる。したがって、よりスムーズに材料を破砕又は粉砕することができ、調理を効率的に行うことも可能になる。
このように、本発明に係るフードミルによれば、収容容器に形成された収容空間内を真空ポンプによって真空にすることができるので、収容容器内に収容された材料が空気に触れないようにすることができる。したがって、収容容器内の材料における食品成分の分解や酸化を効果的に防止することができ、また栄養成分が減少しない材料を提供することも可能になる。
以上、本発明に係るフードミルについて詳細に説明したが、上記したのは本発明に係るフードミルの例であり、これに限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に変更してもよい。例えば、本実施の形態では、真空ポンプにより収容空間内を排気した後に調理部材を回転させて材料の破砕又は粉砕等を行う例を用いて説明したが、真空ポンプ7により収容空間内を排気しつつ、調理部材を回転させて材料の破砕又は粉砕等を行うように構成してもよいし、またこれ以外のように構成してもよい。また、本実施の形態では、分離回収部材を収容容器に設けた例を用いて説明したが、収容容器以外の場所に備えても良いし、これ以外の場所に備えてもよい。例えば、分離回収部材を配管部材と直接接続するように構成してもよいし、または本体に設けるようにしてもよい。このように構成することで、分離回収部材において分離回収した材料を容易に取り除くことができ、フードプロセッサの衛生面においても良好な状態を維持することができるとともに、フードプロセッサの利便性を大きく向上させることも可能になる。また、本実施の形態では、駆動モータ及び真空ポンプを本体に設けた例を用いて説明したが、駆動モータは所定の駆動力を発生することができ、真空ポンプは収容空間内を真空にすることができればよく、例えば本体の内部や収容容器、又は本体の外部に設けてもよい。また、本実施の形態では、収容容器の下に容器基台を位置させて該容器基台の上側から収容容器を取り付ける構成のものを用いて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、収容容器の上に容器基台を位置させて該容器基台の下側から収容容器を取り付ける構成としてもよいし、また容器基台の上側から収容容器を取り付けて、材料を調理する時に上下反転させて容器基台を収容容器の上に位置させて使用するように構成してもよい。また、これら以外の構成であってもよい。
1 フードミル
2 本体
4 収容部
6 駆動モータ
7 真空ポンプ
11 容器基台
12 収容容器
21 回転軸部
22 調理部材
23 軸本体
24 回転軸受部
25 摺動部材
31 係合受部材
33 係合部材
51 開口部
53 収容空間
54 分離回収部材
55 第1分離回収部材形成部
56 第2分離回収部材形成部
59 係止部
60 第1流路形成部材
63 吸入口
73 内部空間
75 第2流路形成部材
76 係止受部
77 縦溝部
78 横孔部
80 流入口
81 排気口

Claims (2)

  1. 駆動装置と、内部に材料を収容して前記材料を調理する収容部とを備え、
    前記収容部は、前記材料を調理するための収容空間及び前記収容空間に前記材料を収容可能に形成された開口部を有する収容容器と、前記開口部を塞ぐように取付固定される容器基台と、排気中に混在する材料の一部を分離して、前記材料の一部を回収するための分離回収部材とを有し、
    前記容器基台は、前記駆動装置の駆動に伴って回転して前記材料を調理する調理部材を有する回転軸部を備え、
    前記収容部は、前記収容空間内を排気して前記収容空間内を真空にするように構成され、
    前記容器基台は、
    前記回転軸部を回転可能な状態としつつ前記回転軸部を支持する摺動部材と、
    前記摺動部材と前記調理部材との間に配され、前記回転軸部に対して摺動性を有する材料で形成され、前記回転軸部の周囲をシールする第1のシール部材と、
    前記第1のシール部材と前記摺動部材との間に前記第1のシール部材と積層されるように配され、前記回転軸部に対して摺動性を有する材料で形成され、前記回転軸部の周囲をシールする第2のシール部材と
    を備え、
    前記分離回収部材は、
    前記収容空間内を排気する時に前記材料の一部を回収するための回収空間を形成する回収空間形成部材と、
    前記回収空間内に配された下側の第1部と前記回収空間外に配された上側の第2部とを備える第1の筒部と、
    前記回収空間形成部材に立てて設けられ、前記回収空間に配され、前記第1の筒部の前記第1部をその上端を除いて収容する第2の筒部と
    を備え、
    前記第1の筒部の前記第2部は、真空ポンプに連通され、
    前記回収空間形成部材は、前記回収空間における前記第2の筒部の外側の空間と前記収容空間とを連通させる連通孔が形成されているフードミル。
  2. 前記回転軸部には、摺動性を向上させるための表面処理を施している請求項1に記載のフードミル。
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