JP6265603B2 - 位置測定方法及び位置測定装置 - Google Patents
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Description
このようなタイミングの相違は、ワーク及び作業用ロボットのような2つ以上の物体の位置合わせを行う場合に問題となり、2つ以上の物体を精度高く位置合わせ可能な工夫が求められる。
このような位置測定方法によれば、超音波受信タイミングの近傍のタイミングを予め設定しておくことができ、処理負担を軽減することができる。
このような位置測定方法によれば、超音波受信タイミングに関わらず当該超音波受信タイミング前後の第1対象物の位置情報を取得することができ、両対象物を精度良く位置合わせすることができる。
初めに、図1及び図2を参照して、本発明を実施する搬送システム30の概略について説明する。図1は、搬送システム30の機能構成を示す機能ブロック図であり、図2は、搬送システム30を模式的に示す模式図である。
なお、以下に説明するように、本実施形態では、ワークWとして塗装工程が終了した自動車の車体を用い、ワーク搬送装置2としてワークWを上方から吊るして搬送するオーバーヘッドコンベアを用いることとしている。このとき、作業装置1は、ワーク搬送装置2が搬送するワークWから塗装のために仮付けしておいたドアを取り外す作業を行う。勿論、ワークW、ワーク搬送装置2及び/又はワークに対する作業の内容は、一例に過ぎずこれに限られるものではない。
図2を参照して、移動部11は、例えば、ワークWの搬送方向に平行して設けられたレール112a,112b(図9等参照、以下、夫々を区別しない場合「レール112」と呼ぶ)を移動する台車111a,111bである。なお、本実施形態では、ワークW(車体)からドアを取り外す作業を行うため、ワークWの両側に2つの台車111a,111b(以下、夫々を区別しない場合「台車111」と呼ぶ)を用いることとしている。
ここで、図2に示すように本実施形態ではワークWの底面の任意の位置P1,P2,P3(例えば、底面に設けられた溶接用穴部近傍の3箇所)の位置情報から底面中央部である位置Pの位置情報及び振動を検出する。そこで、本実施形態では、台車111の上面にセンサ装置121a,121b,121c(以下、夫々を区別しない場合「センサ装置121」と呼ぶ)を設置し、台車111と同期して移動するワークWの下方から位置P1,P2,P3(以下、夫々を区別しない場合「位置Pn」と呼ぶ)の位置情報を検出することとしている。一例として、台車111aには、搬送方向下流側の任意の位置に位置P1の位置情報を検出するセンサ装置121aを設置し、台車111bには、搬送方向下流側の任意の位置に位置P2の位置情報を検出するセンサ装置121b、搬送方向上流側の任意の位置に位置P3の位置情報を検出するセンサ装置121cを設置することとしている。
なお、ワークWに生じた振動を除外し作業を行うためには、3軸(X,Y,Z軸)の位置情報を検出することが好ましい。そのため、本実施形態では、センサ装置121として、位置PnのZ軸(垂直方向)の位置情報を検知するレーザー変位計、及び位置PnのX,Y軸(水平面)の位置情報を検知する2Dリアルタイムカメラを用いることとしている。
ここで、図2に示すように本実施形態では、作業部13はワークWからドアを取り外す作業を行うため、ワークWの片側に2つずつ計4つのロボット131a,131b,131c,131dを設置することとしている。即ち、台車111aには、ロボット131a,131bが設置され、台車111bには、ロボット131c,131dが設置される。なお、以下では、夫々を区別しない場合には単に「ロボット131」と呼ぶ。
ここで、本実施形態では、作業部13の位置情報を超音波方式で検出することとしている。なお、超音波方式とは、発信装置から既定のタイミングで発信された超音波を複数(3個以上)の受信装置で受信し、夫々の受信装置までの超音波の到達時間の違いを利用して三点測量により位置情報を検出する方式である。そこで、図2に示すように、本実施形態の第2センサ14は、ロボット131夫々に設置され既定のタイミングで超音波を発信する超音波発信装置141a,141b,141c,141dと、搬送経路に沿った任意の位置に固定的に設置され超音波を受信する超音波受信装置142a,142b,142c,142dと、を含んで構成されることとしている。なお、以下、夫々を区別しない場合「超音波発信装置141」「超音波受信装置142」と呼ぶ。このとき、超音波受信装置142の夫々は3個の受信部を備え、対応する超音波発信装置141から既定のタイミングで発信された超音波を3個の受信部で受信することで、超音波発信装置141の位置情報を検出する。即ち、超音波受信装置142aは超音波発信装置141aの位置情報を検出し、超音波受信装置142bは超音波発信装置141bの位置情報を検出し、超音波受信装置142cは超音波発信装置141cの位置情報を検出し、超音波受信装置142dは超音波発信装置141dの位置情報を検出する。なお、本発明ではワークWに生じた振動をロボット131に再現させることで、ワークWに生じた振動を除外し、搬送中のワークWに対するロボット131による作業を可能にしている。そのため、超音波発信装置141は、ロボット131のうち、ワークWに対して作業を行う部分、例えばワークWを把持する把持部やワークWのボルトを緩め/締めするボルト操作部等(以下「作業部分」と呼ぶ)の近傍、好適にはロボット131の先端に設置することが好ましい。また、ロボット131が複数の作業部分を備える場合には、当該複数の作業部分の夫々の近傍に超音波発信装置141を備えることが好ましい。
なお、振動実行制御とは、作業部13を予測振動パターンに応じて振動させる制御をいう。具体的には、制御部15は、作業部13に対して予測振動パターンと適合する制御信号を供給し、作業部13としてのロボット131の作業部分が予測した振動で振動するように制御する。
また、振動調整制御とは、振動実行制御により作業部13に生じた振動と、振動予測制御により予測した振動との間の相違を調整する制御である。具体的には、制御部15は、第2センサ14と協働して振動実行制御中に作業部13に生じた振動を検出し、検出した振動と予測振動パターンとを比較し、両者が一致しない場合に予測振動パターンと一致するように作業部13の振動を調整する。
この点、図3(1)を参照して、第2センサ14は、毎回20msの時間区間の始期で発信された超音波が同時間区間内で受信されるタイミングに基づいて位置検出結果を出力する超音波式のセンサ装置である。図示の通り、作業部13の位置情報として、最初の20msの時間区間の始期で発信された超音波が同時間区間内で受信されるタイミングに基づいて位置情報B1を出力する。次いで、40ms(続く20ms)の時間区間の始期で発信された超音波が同時間区間内で受信されるタイミングに基づいて位置情報B2を出力する。更に、60ms(更に続く20ms)の時間区間の始期で発信された超音波が同時間区間内で受信されるタイミングに基づいて位置情報B3を出力している。ところで、作業部13は移動部11とともにワークWに同期して移動していることから、超音波を発信してから受信するまでのタイミングは、最初の20msの時間区間、続く40ms(最初の時間区間に続く20ms)の時間区間、更に続く60ms(直前の20msの時間区間に続く20ms)の時間区間の夫々で異なる。即ち、20ms時には、0ms時に発信した超音波が7ms時に受信されており、超音波を発信してから7ms以降に作業部13の位置情報が出力されている。また、40ms時には、20ms時に発信した超音波が29ms時に受信されており、超音波を発信してから9ms以降に作業部13の位置情報が出力されている。同様に、60ms時には、40ms時に発信した超音波が56ms後に受信されており、超音波を発信してから16ms以降に作業部13の位置情報が出力されている。
そこで、本実施形態では、制御部15、第1センサ12及び第2センサ14により本発明に係る位置測定装置100を構成し、ワークWに対する作業部13の追従精度を向上させることとしている。
図4は、位置測定装置100の構成を示すブロック図である。位置測定装置100を構成する制御部15は、第1位置測定部15Aと、第2位置測定部15Bと、第1位置抽出部15Cと、第1位置補間部15Dと、第1位置予測部15Eと、を含んで構成される。
また、第2位置測定部15Bは、20ms間隔で第2センサ14の超音波発信装置141から出力される超音波が第2センサ14の超音波受信装置142で受信されるタイミングである超音波受信タイミングにおける作業部13の位置情報を取得し、図示しない記憶部に記憶する。なお、第2センサ14は、超音波発信装置141から発信された超音波を3つの超音波受信装置142で受信するセンサ装置である。3つの超音波受信装置142のうち最も速く受信したタイミングを超音波受信タイミングとしてもよく、また、2番目に受信したタイミングを超音波受信タイミングとしてもよく、また、最後に受信したタイミングを超音波受信タイミングとしてもよく、また、3つのタイミングの平均を超音波受信タイミングとしてもよい。
また、超音波受信タイミング近傍のタイミングとは、超音波受信タイミングの直前又は直後の第1センサ12の出力タイミングを含む。本実施形態では、第2センサ14が20ms毎に作業部13の位置情報を出力する一方で、第1センサ12は5ms毎にワークWの位置情報を出力することとしている。そのため、第2センサ14が位置情報を出力する間に、第1センサ12は4つの位置情報を出力する。また、既述のように取得された何れの位置情報も、一旦、記憶部に記憶されている。そこで、第1位置抽出部15Cは、後の補間処理に適合したタイミングの位置情報を記憶部から抽出する。
このような場合、超音波受信タイミングにおけるワークWの位置情報の補間ができないため、第1位置予測部15Eは、取得済みのワークWの位置情報から、超音波受信タイミング後に取得されるワークWの位置情報をAR(auto−regressive)予測により算出する。
そして、第1位置補間部15Dは、第1位置予測部15Eにより予測された超音波受信タイミング後のワークWの位置情報を用いて、超音波受信タイミングにおけるワークWの位置情報を補間する。
続いて、図5を参照して、制御部15による超音波受信タイミング時のワークWの位置情報の算出(補間)を具体的に説明する。
図5(2)を参照して、上述の40ms(続く20ms)の時間区間において、第1位置抽出部15Cは、20ms時のワークWの位置情報A5、25ms時のワークWの位置情報A6、30ms時のワークWの位置情報A7、35ms時のワークWの位置情報A8を抽出する。第1位置補間部15Dは、これら抽出された情報から、例えば非線形補間により超音波受信タイミング(29ms時)のワークWの位置情報Z2を算出する。
図5(3)を参照して、上述の60ms(更に続く20ms)の時間区間において、第1位置抽出部15Cは、40ms時のワークWの位置情報A9、45ms時のワークWの位置情報A10、50ms時のワークWの位置情報A11、55ms時のワークWの位置情報A12を抽出する。このとき、超音波受信タイミングは56ms時であり、抽出した位置情報A12よりも後のタイミングであるため、第1位置予測部15Eは、位置情報A9〜A12に基づいて、60ms時のワークWの位置情報A13´を予測する。そして、第1位置補間部15Dは、抽出した情報及び予測した情報から、例えば非線形補間により超音波受信タイミング(56ms時)のワークWの位置情報Z3を算出する。
続いて、図6及び図7を参照して、位置測定装置100の動作について説明する。
図6を参照して、制御部15(第2位置測定部15B)は、第2センサ14から出力される情報に基づいて、超音波受信タイミングにおける作業部13の位置情報を取得し(ステップST1)、続いて、超音波受信タイミング及び取得した位置情報を保存する(ステップST2)。続いて、制御部15は、図7で後述する第1センサ測定を実行し(ステップST3)、処理を終了する。
また、超音波受信タイミングよりも後のタイミングで取得したワークWの位置情報が存在しない場合には、超音波受信タイミングよりも前に取得されたワークWの位置情報から超音波受信タイミングよりも後のタイミングで取得されるワークWの位置情報を予測することで、超音波受信タイミング前後の第1対象物の位置情報を取得することができ、両対象物を精度良く位置合わせすることができる。
続いて、本発明に係る位置測定装置100を利用した搬送システム30の一実施形態を、図8〜図11を参照して説明する。図8は搬送システム30の側面図であり、図9は搬送システム30の平面図である。また、図10は搬送システム30を構成する作業装置1の側面図であり、図11は作業装置1の背面図である。
この超音波発信装置141は、超音波受信装置142とともに前述の第2センサ14を構成するものであり、対応する超音波受信装置142に対して超音波を発信することで、超音波発信装置141が設置された部分の位置情報及び位置情報の変化(即ち、振動)を検出可能に構成される。
また、コントロールユニット151は、ワーク搬送装置2に設けられた図示せぬエンコーダからの信号に基づいてワークWを吊るしたハンガ22の位置情報を特定し、この位置情報に基づいて前述の同期制御、即ちワークWと同期して移動するように台車111の移動を制御する。また、コントロールユニット151は、センサ装置121が所定期間にわたりワークWの振動を検出すると、検出した所定期間の振動に基づいて前述の振動予測制御、即ち以後ワークWに生じる予測振動パターンを予測する。また、コントロールユニット151は、振動予測制御で予測した予測振動パターンに基づいて振動再現制御、即ちワークWの予測振動パターンと一致するようにロボット131を振動させる。このとき、コントロールユニット151は、超音波発信装置141及び超音波受信装置142と協働してロボット131の振動を測定しておき、ロボット131の振動が予測振動パターンと異なる場合には、一致するようにロボット131の振動を調整する。
また、第1センサ12は、ワークWに生じた振動を検出できれば足り、上記実施形態のようなセンサ装置121に限られず、他の構成により実現することとしてもよい。例えば、ワークWをカメラ等の撮像装置により撮像し、撮像した動画像を解析することでワークWに生じた振動を検出することとしてもよい。
また、例えば、ワークWを搬送するハンガ22に加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサ等の各種センサを取り付けることで、ハンガ22の振動を検出し、当該ハンガ22の振動をワークWの振動として用いることとしてもよい。また、これら加速度センサ等の各種センサをワークW自身に取り付けることで、ワークWに生じた振動を検出することとしてもよい。このような構成であっても既存の製造ラインに対する変更は最小限ですみ、既存設備を好適に利用することができる。
12…第1センサ
14…第2センサ
15…制御部
15A…第1位置測定部
15B…第2位置測定部
15C…第1位置抽出部
15D…第1位置補間部
15E…第1位置予測部
13…作業部
W…ワーク
Claims (6)
- 位置測定の対象となる第1対象物、及び、前記第1対象物と同期して移動する移動体上に設置され位置測定の対象となる第2対象物のうち前記第2対象物の位置情報を超音波を用いて取得するとともに、前記第1対象物及び前記第2対象物の同時刻の位置関係を取得する位置測定方法において、
一定の第1の時間間隔に設定されたサンプリング周期に基づき、前記第1対象物の位置情報を光学式のセンサ装置により取得する第1位置測定工程と、
前記第2対象物に設置された超音波発信機から既定のタイミングで発信された超音波を固定位置に設けられた3つ以上の超音波受信機が受信するまでの時間から、超音波受信タイミングにおける前記第2対象物の位置情報を取得する第2位置測定工程と、
前記第1位置測定工程で取得した前記第1対象物の位置情報のうち、前記超音波受信タイミングの近傍のタイミングで取得された複数の位置情報を抽出する第1位置抽出工程と、
前記第1位置抽出工程で抽出した前記複数の位置情報から前記超音波受信タイミングにおける前記第1対象物の位置情報を補間する第1位置補間工程と、
を含むことを特徴とする位置測定方法。 - 前記第2位置測定工程では、前記第1の時間間隔とは異なる所定の第2の時間間隔に設定されたサンプリング周期に基づき、前記超音波受信タイミングにおける前記第2対象物の位置情報を取得し、
前記第1位置抽出工程では、前記第2の時間間隔において前記第1位置測定工程で取得された前記第1対象物の位置情報を、前記複数の位置情報として抽出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置測定方法。 - 前記第1位置抽出工程で抽出した前記複数の位置情報の中に、前記超音波受信タイミングよりも遅いタイミングで取得された位置情報がない場合に、取得済みの前記第1対象物の位置情報から、前記超音波受信タイミング後に前記第1位置測定工程で取得される前記第1対象物の位置情報を予測する第1位置予測工程、を更に含み、
前記第1位置補間工程は、前記第1位置抽出工程で抽出した位置情報である抽出位置情報、及び前記第1位置予測工程で予測した位置情報である予測位置情報に基づいて、前記超音波受信タイミングにおける前記第1対象物の位置情報を補間する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の位置測定方法。 - 位置測定の対象となる第1対象物、及び、前記第1対象物と同期して移動する移動体上に設置され位置測定の対象となる第2対象物のうち前記第2対象物の位置情報を超音波を用いて取得するとともに、前記第1対象物及び前記第2対象物の同時刻の位置関係を取得する位置測定装置において、
一定の第1の時間間隔に設定されたサンプリング周期に基づき、前記第1対象物の位置情報を光学式のセンサ装置により取得する第1位置測定部と、
前記第2対象物に設置された超音波発信機から既定のタイミングで発信された超音波を固定位置に設けられた3つ以上の超音波受信機が受信するまでの時間から、超音波受信タイミングにおける前記第2対象物の位置情報を取得する第2位置測定部と、
前記第1位置測定部が取得した前記第1対象物の位置情報のうち、前記超音波受信タイミングの近傍のタイミングで取得された複数の位置情報を抽出する第1位置抽出部と、
前記第1位置抽出部が抽出した前記複数の位置情報から前記超音波受信タイミングにおける前記第1対象物の位置情報を補間する第1位置補間部と、
を含むことを特徴とする位置測定装置。 - 前記第2位置測定部は、前記第1の時間間隔とは異なる所定の第2の時間間隔に設定されたサンプリング周期に基づき、前記超音波受信タイミングにおける前記第2対象物の位置情報を取得し、
前記第1位置抽出部は、前記第2の時間間隔において前記第1位置測定部で取得された前記第1対象物の位置情報を、前記複数の位置情報として抽出する、
ことを特徴とする請求項4に記載の位置測定装置。 - 前記第1位置抽出部が抽出した前記複数の位置情報の中に、前記超音波受信タイミングよりも遅いタイミングで取得された位置がない場合に、取得済みの前記第1対象物の位置情報から、前記超音波受信タイミング後に前記第1位置測定部が取得する前記第1対象物の位置情報を予測する第1位置予測部、を更に含み、
前記第1位置補間部は、前記第1位置抽出部が抽出した位置情報である抽出位置情報、及び前記第1位置予測部が予測した位置情報である予測位置情報に基づいて、前記超音波受信タイミングにおける前記第1対象物の位置情報を補間する、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の位置測定装置。
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