JP6265018B2 - 照明用光学シートおよびそれを用いた照明装置 - Google Patents

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本発明は、照明用光学シートおよびそれを用いた照明装置に関する。
チューブ型蛍光灯に代わる照明として、LED点光源を直線状に複数配置した照明装置が開発されている。看板照明などでは、蛍光灯などの線状光源を短手方向に複数配置し、面状発光に近い発光源としたものが使用されている。
上記のように、チューブ型蛍光灯をLED点光源で置き換える場合、LED光源を直視すると輝度が強すぎて目にダメージを与える危険がある。危険防止のためLED光を拡散させて出射することが必要となるが、拡散子の入った拡散板や拡散シートを使用する従来の光拡散方法では、トータル照度の低下を生じる問題があった。
同様に、線状光源を面状照明装置の発光源として使用する場合も、拡散子を用いた従来の光拡散方法では、トータル照度の低下を生じる問題があった。
上記のような問題に対し、表面に凹凸構造を有する光拡散シートが提案されている(特許文献1)。
更に、複数配置されたLED(点光源)を用いて作られた線状光源を有するスキャナーでは、従来の拡散子を用いた等方向の光拡散方法で輝度ムラを抑制しようとすると、走査にとって不要な、点光源の配列に直交する方向にも光が拡散してしまい、光エネルギーを損失する問題があった。
必要とする方向に光を拡散する方法として凹凸構造に異方性光拡散特性を持たせたシートが提案されている(特許文献2)。
特開2008−302591号公報 特開2012−022292号公報
ところで、近年、LEDの高出力化に伴い、照明や光源として必要な輝度や照度を得るために必要なLEDの個数を少なくすることが可能となった。その結果、LED同士の間隔が大きくなる傾向にある。
また、照明の小型化のため、光源から拡散部材までの距離を短く設計する傾向にある。これらの傾向は、いずれも、より輝度ムラの問題を発生しやすくしている。
以上のような状況から、光源の輝度ムラを解消するために、更なる光拡散性能を有するシートが求められている。
本発明は、上記のような問題を解消するため、優れた光拡散性能を有する照明用光学シートおよびそれを用いた照明装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を包含する。
[1]シートの一方の面に、一方向に向かって蛇行して延在する複数の凸形状により形成された凹凸パターンを有し、前記シートの他方の面に、断面が頂角30〜80度の単位プリズムが複数並列したプリズム列を有する光学シートであって、前記複数の凸形状の延在方向と前記単位プリズムの長手方向が略平行であることを特徴とする光学シート。
[2]前記凹凸パターンの配向度が0.20以上である[1]に記載の光学シート。
[3]前記凹凸パターンの最頻ピッチが0.3〜20μm、アスペクト比が0.1以上であることを特徴とする[1]または[2]に記載の光学シート。
[4]前記凸形状の傾斜面に、前記凸形状の延在方向と略同じ方向に蛇行して延在する複数の微細凸形状を有する[1]〜[3]に記載の光学シート。
[5]前記複数の微細凸形状の配向度が0.20以上である[4]に記載の光学シート。
[6]前記複数の微細凸形状が最頻ピッチ0.3〜2.0μmである微細凹凸パターンを形成している[4]または[5]に記載の光学シート。
[7]前記複数の微細凸形状が、前記凹凸パターンの配向方向との差が5度以内である微細凹凸パターンを形成している[4]〜[6]のいずれかに記載の光学シート。
[8]前記プリズム列の配列方向と略平行に配列された複数の光源と、[1]〜[7]のいずれかに記載の光学シートとを有する照明装置であって、
前記光源は照射角が90°以上であり、
前記光源から出射した光を 前記光学シートの前記プリズム列を有する面から入射して前記凹凸パターンを有する面から出射する照明装置。
本発明の光学シートは、線状に配列されたLED等の点光源を効率よく線状光源化することができる。また、短手方向に配列された蛍光灯等の線状光源を効率よく面状光源化することができる。
本発明の光学シートの一実施形態を示す断面図である。 図1の光学シートを凹凸パターンが形成された表面から観察した場合の光学顕微鏡画像のグレースケール画像である。 図2の画像を二次元フーリエ変換した画像である。 図3の画像の模式図である。 図1の光学シートを、凹凸パターンが繰り返す方向に沿って切断した際の凹凸パターン部を拡大した断面図である。 本発明の光学シートの別の一実施形態の一部を拡大して示す拡大斜視図である。 図6の光学シートを凹凸パターンの凹凸が繰り返す方向に沿って切断した際の凹凸パターンおよび微細凹凸パターンを拡大した断面図である。 本発明の光学シートの製造方法の一実施形態における積層シートを示す断面図である。 本発明の光学シートの使用方法の一実施形態における点光源と光学シートとの位置関係を示す断面図である。 図9の実施形態において、光学シートを配置した点光源を光学シート上から観察した場合の画像である。 軸上に最大照度部分が一致するようにθ回転したフーリエ変換像に(αFmax,βFmax)を通るβ軸に平行補助線β’を引いた図 β’−γ図のβ’軸の値を最頻ピッチPの逆数(1/P)で割ったβ”−γ
(光学シート)
本発明の光学シートの実施形態1について説明する。但し、本発明は、実施形態1に限定されるものではない。
図1に、本実施形態の光学シート10を示す。図1は、本発明に係る光学シート10の一例を示す断面図である。
本実施形態の光学シート10は一方の面に凹凸パターン11を有し、また、もう一方の面にプリズム列12を有する。
光学シート10の凹凸パターン11は、表面から見た場合、一方向に向かって蛇行して延在する複数の凸形状により形成されている。また、前記凸形状の延在方向と直交する断面を見た場合、波状の形状である。
凹凸パターン11は、最頻ピッチPは1μmを超え20μm以下であることが好ましい。最頻ピッチPが1μm未満であると、本発明の光学シートの製造が困難になり、前記上限値を超えると、凹凸が光拡散性として好ましくない輝線として視認される場合があるからである。
最頻ピッチPは、1/{√(αFmax +βFmax )}の式から求められた値である。
具体的に、最頻ピッチPは以下の方法により求められる。
まず、凹凸パターン11の上面の光学顕微鏡による観察を行う。次いで、顕微鏡観察により得られた凹凸構造の画像をグレースケール画像に変換する。グレースケールのファイルの画像(図2参照)では、白度が低いところ程、凹部の底部が深い(白度が高いところ程、凸部の頂部が高い)ことを表している。次いで、図2を2次元フーリエ変換する(図3および図4を参照)。このフーリエ変換像の頻度(γF1)をスムージング処理し、得られたグラフから、フーリエ変換像の中心部以外で最大頻度を示す位置(αFmax,βFmax)を求める。そして、最頻ピッチP=1/{√(αFmax +βFmax )}の式から最頻ピッチPを求める。
前記凸形状と隣の凸形状との間隔は、延在方向で揺らぎを有していること、前記凸形状が延在方向の途中で2つの凸形状に分岐することなどによって、本発明の凹凸パターン11の凹凸ピッチは、前記最頻ピッチを中心に揺らぎ幅を有する。この揺らぎ幅が、より均一な光拡散特性を本発明の光拡散シートに与えている。
本実施形態における凹凸パターン11は凸形状の稜線が蛇行している。本明細書では、前記稜線の蛇行の程度を配向度Cという。配向度が大きいほど、凹凸パターン11が蛇行している。
凹凸パターン11の配向度Cは0.20以上であり、0.25以上であることが好ましく、0.30以上であることがより好ましい。配向度Cが0.20未満であると、光拡散性が損なわれることがある。
一方、凹凸パターン11の配向度Cは0.50以下であることが好ましく、0.40以下であることがより好ましく、0.35以下であることがさらに好ましい。配向度Cが0.5以下とすることにより、異方光拡散性により、必要とされる方向への照度を上げることが可能な光学シートとなる。
配向度Cは、以下の方法により求められる。
まず、最頻ピッチPを求める際に得たフーリエ変換像を利用し、X軸上に最大照度部分が一致するようにθ回転(図4参照)したフーリエ変換像を作成する(図11参照)。次いで、(αFmax,βFmax)を通るβ軸に平行補助線β’を引き、補助線β’を横軸とし、補助線β’上の照度(γ軸)を縦軸としたβ’−γ図を作成する。次いで、β’−γ図のβ’軸の値を最頻ピッチPの逆数(1/P)で割ったβ”−γ図(図12参照)を作成し、このβ”−γ図からピークの半値幅W(頻度が最大値の半分になる高さでのピークの幅)を求める。この半値幅は配向度Cを表す。
凹凸パターン11の最頻ピッチPに対する凹凸パターン11の平均深さBの比(B/P、以下、アスペクト比という。)は0.1〜2.0であることが好ましく、0.3〜1.0であることがより好ましい。アスペクト比が0.1未満であると、光学シートの輝度ムラ解消効果が小さくなるので望ましくない。一方、アスペクト比が2.0より大きくなると、光学シート10の製造にて凹凸パターン11を形成しにくくなる傾向にある。
凹凸パターン11の平均高さBは次のようにして求める。すなわち、ミクロトームなどで調製して得られた凹凸パターン11の断面を光学顕微鏡により観察し、その観察から凹凸パターン11の延在方向と直交する方向に沿って切断した断面図(図5参照)を得る。凹凸パターン11を形成する凸部11aの高さは、両隣の2つの凹部11bL,11bRの底から凸部11aのピークまでの方向Zの距離の和の1/2である。すなわち、凹凸パターン11を形成する凸部11aの高さbは、凸部11aに対して一方側の凹部11bLの底から計測した凸部11aLの高さをL、他方側の凹部11bRの底から計測した高さをRとした際に、b=(L+R)/2となる。このようにして各凸部11aの高さbを求める。そして、50個の凸部11a,11a・・・の高さBを測定し、それらの高さを平均して平均高さBを求める。
光学シート10のプリズム列12は凹凸パターン11の面と反対面に形成されている。プリズム列12は頂角30〜80°の単位プリズムが配列されている。
前記単位プリズムは、三角形を三角形が存在する平面の法線方向に平行移動させたときの軌跡で現される三角柱構造を有するものであり、前記単位プリズムの長手方向は、前記法線方向と同じ方向である。前記単位プリズムは、三角柱の四角形である側面の1つを光学シートのシート面に接地したように配置される。尚、本発明において単位プリズムは、三角柱構造に近い形状のものも含み、三角柱の角が丸みを帯びた角である形態、三角柱の角が微小な多角により形成された角である形態、光学シートの端部または単位プリズムの長手方向の一部において、三角柱の一部が切断された構造または光学シートの端部で三角柱の一部が変形した構造である形態、隣接する単位プリズム同士が長手方向の一部でブリッジを形成した形態等を含む。
前記単位プリズム頂角を30〜80°の範囲とすることにより、後述するように、プリズムによる全反射を利用した光源擬似分割効果が得られる。プリズム列12のピッチは5〜200μmであることが好ましい。プリズム列12のピッチが5μmより小さいと、プリズム列12を作製しにくい場合があり、プリズム列12のピッチが200μmより大きいと、輝度ムラ解消効果が十分でない場合がある。
プリズム列12の配列方向は凹凸パターン11の配向方向と略平行である。プリズム列12の配列方向と凹凸パターン11の配向方向が略平行であると、後述するように、光源の均斉化効果が高くなる。
次に本発明の光学シートの実施形態2について説明する。但し、本発明は、実施形態1に限定されるものではない。 図6は実施形態2の拡大斜視図である。
本実施形態の光学シート20は、一方の面に凹凸パターン21を有し、またもう一方の面にプリズム列22を有する。ここで、凹凸パターン21は、一方向に沿って波状の凹凸(凸部23a、凹部23b)が繰り返されることによって形成された凹凸パターン23と、凹凸パターン23の表面に、凹凸パターン23の延在方向に略平行に波状の凹凸(凸部24a、凹部24b)が繰り返されることによって形成された微細凹凸パターン24とを有する。
凹凸パターン23は、最頻ピッチPが3〜20μmであり、5〜15μmであることがより好ましく、8〜13μmであることがさらに好ましい。最頻ピッチPが前記下限値未満であると光拡散性が低下する場合があり、前記上限値を超えた場合、凹凸パターン23が輝線として視認されることがあるため好ましくない。
最頻ピッチPは、実施形態1と同様の方法で求められる。
凹凸パターン23の配向度Cは0.20以上であり、0.25以上であることが好ましく、0.30以上であることがより好ましい。配向度Cが前記下限値未満であると、光拡散性が損なわれることがある。
一方、凹凸パターン23の配向度Cは0.50以下であることが好ましく、0.40以下であることがより好ましく、0.35以下であることがさらに好ましい。配向度Cが前記上限値以下であれば、光学シートの異方光拡散性が保たれるため、等方光拡散に近くづくことによる、不要な方向への拡散に起因する輝度や照度の低下を抑制することができる。
配向度Cは、実施形態1の配向度Cと同様の方法により求められる。
また、凹凸パターン23は、アスペクト比Aが0.2〜1.0であり、0.3〜0.8であることが好ましく、0.4〜0.7であることがより好ましい。アスペクト比Aが前記下限値未満であると光拡散性が損なわれる。また前記上限値を超える場合は、後述する熱収縮を利用した凹凸パターンの形成方法の難易度が高くなるため、生産性を考慮すると好ましくない。
アスペクト比Aは実施形態1と同様の方法で求められる。
また、本実施形態における凹凸パターン23は凸部23aの頂部および凹部23bの底部が丸みを帯びており、凹凸パターン23の延在方向と直交する方向に沿って切断した断面において、凹凸パターン23の界面は正弦波状になっている。ここで、「正弦波状」とは、凹凸パターン23の延在方向と直交する方向に沿って切断した断面において、凹凸パターン23の凹凸の接線の傾きが連続的に変化することを意味する。
凹凸パターン23の稜線が蛇行しており、凹凸パターン23の延在方向と直交する方向に沿って切断した断面が正弦波状の輪郭を含む形状であると、光拡散性がより高くなりやすくなる。
微細凹凸パターン24は、最頻ピッチPが0.3〜2.0μmであり、0.4〜1.0μmであることがより好ましく、0.5〜0.8μmであることがさらに好ましい。最頻ピッチPが前記下限値未満であっても前記上限値を超えても、光拡散性が損なわれる。
最頻ピッチPは、1/{√(αF2max +βF2max )}の式から求められた値である。
具体的に、最頻ピッチPは以下の方法により求められる。
まず、凹凸パターン21の上面および断面の電子顕微鏡による写真観察を行う。ただし、凹凸パターン23の最頻ピッチPを求めるときよりも観察倍率を高くする。次いで、顕微鏡観察により得られた凹凸構造の画像をグレースケール画像に変換した後、2次元フーリエ変換を行う。このフーリエ変換像の頻度(γF2)をスムージング処理し、得られたグラフから、フーリエ変換像の中心部以外で最大頻度を示す位置(αF2max,βF2max)を求める。そして、最頻ピッチP=1/{√(αF2max +βF2max )}の式から最頻ピッチPを求める。
本実施形態における微細凹凸パターン24も稜線が蛇行しており、配向度Cが0.20以上であり、0.25以上であることが好ましく、0.30以上であることがより好ましい。配向度Cが前記下限値未満であると、光拡散性が損なわれることがある。
また、微細凹凸パターン24の配向度Cは0.50以下であることが好ましく、0.40以下であることがより好ましく、0.35以下であることがさらに好ましい。微細凹凸パターン24の配向度Cを0.5以下とすることにより、異方光拡散性が更に上に大きくなり、必要とされる方向への照度を上げることが可能な光学シートとなる。
微細凹凸パターン24の配向度Cも実施形態1の配向度Cの測定方法と同様にして測定できる。
また、微細凹凸パターン24は、アスペクト比Aが0.25〜0.35であることが好ましく、0.28 〜0.33であることがさらに好ましい。アスペクト比Aを前記下範囲とすることにより、より均一な光拡散性が得られる。
ここで、アスペクト比Aは、微細凹凸パターン24の平均高さB/最頻ピッチPで求められる値である。
微細凹凸パターン24の平均高さBは次のようにして求める。図7の微細凹凸パターン24を形成する凸部24aの高さは、両隣の2つの凹部24bL,24bRの底から凸部24aのピークまでの距離の和の1/2である。すなわち、微細凹凸パターン24を形成する凸部24aの高さbは、凸部24aに対して一方側の凹部24bLの底から計測した凸部24aLの高さをL、他方側の凹部24bRの底から計測した高さをRとした際に、b=(L+R)/2となる。このようにして各凸部24aの高さbを求める。そして、50個の凸部24a,24a・・・の高さBを測定し、それらの高さを平均して平均高さBを求める。
微細凹凸パターン24は、延在方向に稜線が蛇行した形状であると、光拡散性がより高くすることができる。また、微細凹凸パターン24は、延在方向に対して垂直に切った断面形状が正弦波形状である場合、光拡散性がより高くすることができる。
凹凸パターン23の配向方向と微細凹凸パターン24の配向方向との差は、光拡散の異方性が高くなることから、できるだけ小さいことが好ましく、具体的には、5°以内であることが好ましく、2°以内であることがより好ましい。
配向方向は、以下の方法により求められる。
まず、凹凸パターン23の上面の電子顕微鏡による写真観察を行う。この際、電子顕微鏡観察の倍率は、最頻ピッチPを求める際に光学顕微鏡観察により得た画像と同倍率に設定する。次いで、顕微鏡観察により画像1を得る。次いで、電子顕微鏡の倍率を、最頻ピッチPを求める際に使用した倍率に設定し、顕微鏡観察により画像2を得る。このとき、画像1および2は、倍率は異なるが、画像1および2に共通の凹凸の稜線方向は一致したものとなる。
画像1を使用する以外は最頻ピッチPを求める場合と同様の方法により得られたフーリエ変換像を利用し、中心部以外で最大頻度を示す位置(αF1´max,βF1´max)から中心部に引いた補助線δF1´とXF1´軸とのなす角θ´を凹凸パターン23の配向方向とする。
次に、画像2を使用する以外は凹凸パターン23の配向方向を求める場合と同様の方法により微細凹凸パターン24の配向方向θ´が得られる。
このとき、凹凸パターン23の配向方向と微細凹凸パターン24の配向方向との差はθ´−θ´で表される。
光学シート20のプリズム列22は、凹凸パターン21の面と反対面に形成されている。プリズム列22は頂角30〜80°の単位プリズムが配列されている。頂角が前記の範囲であれば、後述するように、プリズムによる全反射を利用した光源擬似分割効果が得られる。プリズム列22のピッチは5〜200μmであることが好ましい。プリズム列22のピッチが5μmより小さいと、プリズム列22を作製しにくい場合があり、プリズム列22のピッチが200μmより大きいと、輝度ムラ解消効果が十分でない場合がある。
プリズム列22の配列方向も凹凸パターン21の配向方向と略平行である。プリズム列22の配列方向と凹凸パターン21の配向方向が略平行であると、後述するように、光源の均斉化効果が高くなる。
実施形態1または2いずれの場合も光学シート10または20の厚さは0.02〜3.0mmが好ましく、0.05〜2.5mmがより好ましく、0.1〜2.0mmが特に好ましい。光学シート10または20の厚さが0.02mm未満であると、凹凸パターン11、12、21または22の深さよりも小さいことがあるため適当でなく、3.0mmよりも厚いと光学シート10または20の質量が大きくなるため取り扱いにくくなるおそれがある。
(光学シートの製造方法)
[第1の製造方法]
実施形態1の光学シート10を製造する方法の例について説明する。但し、本発明は、製造方法を限定するものではない。
本実施形態の光学シート10の製造方法は、図8に示すように、樹脂製の基材である加熱収縮性フィルム13の片面に、表面が平滑な硬質層14(以下、表面平滑硬質層14という。)を設けて積層シート10aを形成する工程(以下、第1の工程という。)と、加熱収縮性フィルム13を加熱収縮させて、積層シート10aの少なくとも表面平滑硬質層14を折り畳むように変形させて凹凸パターン形成シート10bを形成する工程(以下、第2の工程という。)と、凹凸パターン形成シート10bにプリズム列12を転写する、または基材に凹凸パターン形成シート10bの凹凸パターン11およびプリズム列12を転写する工程(以下、第3の工程という。)とを有する方法である。
ここで、表面平滑硬質層13とは、JIS B0601に記載の中心線平均粗さ0.1μm以下の層である。
<第1の工程>
第1の工程にて、加熱収縮性フィルム13の片面に表面平滑硬質層14を設けて積層シート10aを形成する方法としては、例えば、加熱収縮性フィルム13の片面に、樹脂の溶液または分散液をスピンコーターやバーコーター等により塗工し、溶媒を乾燥させる方法、加熱収縮性フィルム13の片面に、あらかじめ作製した表面平滑硬質層14を積層する方法などが挙げられる。表面平滑硬質層14の厚みは0.05μmを超え5μm以下であることが好ましく、0.1〜2μmであることがより好ましい。表面平滑硬質層14の厚みが0.05を超え5μm以下であれば、凹凸パターン11の最頻ピッチPを、確実に1μmを超え20μm以下にできる。
加熱収縮性フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系収縮フィルム、ポリスチレン系収縮フィルム、ポリオレフィン系収縮フィルム、ポリ塩化ビニル系収縮フィルム、ポリカーボネート系収縮フィルムなどを用いることができる。
加熱収縮性フィルムの中でも、50〜70%収縮するものが好ましい。50〜70%収縮する加熱収縮性フィルムを用いれば、変形率を40%以上にでき、最頻ピッチPが1μmを超え20μm以下、アスペクト比0.1以上の凹凸パターン11を容易に製造できる。
ここで、変形率とは、(変形前の長さ−変形後の長さ)/(変形前の長さ)×100(%)のことである。
また、表面平滑硬質層14が、樹脂の場合、加熱収縮性フィルムを構成する樹脂(以後、第1の樹脂とも言う。)より、ガラス転移温度が10℃以上高い樹脂(以後、第2の樹脂とも言う。)を少なくとも一種を含むように構成する。第1の樹脂のガラス転移温度と第2の樹脂のガラス転移温度の関係にあることにより、凹凸パターン11の最頻ピッチPを、確実に1μmを超え20μm以下にできる。
第2の樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂などを使用することができる。
<第2の工程>
第2の工程にて、加熱収縮性フィルム13を熱収縮させることにより、表面平滑硬質層14に、収縮方向に対して垂直方向に波状の凹凸パターン11を形成させる。加熱収縮性フィルム13を加熱収縮させる際の加熱方法としては、熱風、蒸気、熱水または遠赤外線中に通す方法等が挙げられる。
上記第1の製造方法では、第1の樹脂のガラス転移温度と第2の樹脂のガラス転移温度の間の温度では、表面平滑硬質層14のヤング率が加熱収縮性フィルム13より高くなる。そのため、第1の樹脂のガラス転移温度と第2の樹脂のガラス転移温度の間の温度で加工した際には、表面平滑硬質層14は厚みを増すよりも、折り畳まれるようになる。さらに、表面平滑硬質層14は加熱収縮性フィルム13に積層されているため、加熱収縮性フィルム13の収縮による応力が全体に均一にかかる。したがって、加熱収縮性フィルム13を収縮させて、表面平滑硬質層14を折り畳むように変形させることにより、表面に凹凸パターン11が形成された凹凸パターン形成シート10bが得られる。
<第3の工程>
第2の工程にて得られた凹凸パターン形成シート10bにプリズム列12を転写することで、光学シート10が得られる。
上記方法にて光学シート10を得る場合、第1および第2の樹脂は透明性の高い材料であることが好ましく、全光線透過率は85%以上の材料を用いることが好ましい。
前記凹凸パターン形成シート10bにプリズム列12を転写する方法は、例えば特開2012−022292に記載された方法を使用することができる。
中でも、凹凸パターン形成シート10bが加熱収縮性フィルムを使用しており、熱による転写方法では、再収縮等、好ましくない現象を引き起こす場合もあるため、凹凸パターン形成シート10bと、プリズム列12が切削により形成された金属製の型との間に未硬化の紫外線硬化性樹脂を満たし、凹凸パターン形成シート10b側から紫外線を照射し、前記紫外線硬化性樹脂を硬化させ、前記金属製の型を凹凸パターン形成シート10bから剥離することで、プリズム列12が凹凸パターン形成シート10bに転写された光学シート10を得る方法が好ましい。
[第2の製造方法]
実施形態1の光学シート10を製造する別の方法の例について説明する。表面平滑硬質層14を金属または金属化合物で構成する場合は、以下に記載する部分以外は第1の製造方法と同様の方法により凹凸パターン形成シート10bが得られる。
<第1の工程>
第1の工程において、積層シート10aを形成する方法としては、例えば、加熱収縮性フィルム13の片面に金属や金属化合物を蒸着させる方法、加熱収縮性フィルム13の片面に、あらかじめ作製した表面平滑硬質層14を積層する方法などが挙げられる。
表面平滑硬質層14が金属からなる場合には、層表面が空気酸化されて空気酸化膜が形成されることがあるが、本発明では、そのような金属層の表面が空気酸化された層も、金属からなる層とみなす。
この製造方法において、より容易に凹凸パターン11を形成できることから、表面平滑硬質層14のヤング率を0.1〜500GPaにすることが好ましく、1〜150GPaにすることがより好ましい。
表面平滑硬質層14のヤング率を前記範囲にするためには、表面平滑硬質層14を、金、アルミニウム、銀、炭素、銅、ゲルマニウム、インジウム、マグネシウム、ニオブ、パラジウム、鉛、白金、シリコン、スズ、チタン、バナジウム、亜鉛、ビスマスよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属で構成することが好ましい。または、表面平滑硬質層14を、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化銅、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化鉛、酸化ケイ素、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、硫化亜鉛、ガリウムヒ素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属化合物で構成することが好ましい。
ここで、ヤング率は、JIS Z 2280−1993の「金属材料の高温ヤング率試験方法」にて温度を23℃に変更して測定した値である。表面平滑硬質層14が金属化合物からなる場合も同様である。
表面平滑硬質層14の厚さは0.01μmを超え0.20μm以下、好ましくは0.02〜0.10μmとする。表面平滑硬質層14の厚さを前記範囲とすることにより、マスター凹凸パターン12aの最頻ピッチPを、確実に1μmを超え20μm以下にできる。
<第2の工程>
第2の工程にて、加熱収縮性フィルム13を熱収縮させることにより、表面平滑硬質層14に、収縮方向に対して垂直方向に波状の凹凸パターン11を形成させる。
加熱収縮性フィルム13を加熱収縮させる際の加熱方法としては、熱風、蒸気、熱水または遠赤外線中に通す方法等が挙げられる。
上記第2の製造方法では、金属または金属化合物からなる表面平滑硬質層14が、加熱収縮性フィルム13よりヤング率が桁違いに大きいため、加熱収縮性フィルム13より硬い表面平滑硬質層14を熱圧縮した際に、厚みを増すよりも、折り畳まれるようになる。さらに、表面平滑硬質層14は加熱収縮性フィルム13に積層されているため、加熱収縮性フィルム13の収縮による応力が全体に均一にかかる。したがって、本発明によれば、表面平滑硬質層14を折り畳むように変形させて、凹凸パターン形成シート10bを製造できる。
<第3の工程>
前記凹凸パターン形成シート10bを一方の母型とし、前記切削により形成された表面にプリズム列12を有する金属製の型をもう一方の型として、特開2012−022292に記載の転写方法を用いることで、透明基材の一方の面に凹凸パターン11が、もう一方の面にプリズム列12がそれぞれ形成された光学シート10が得られる。
[第3の製造方法]
光学シートの実施形態2の製造方法について説明する。但し、本発明は、製造方法を限定するものではない。
本実施形態の光学シート20の製造方法も実施形態1の製造方法と同様に、加熱収縮性フィルムの片面に、表面平滑硬質層を設けて積層シートを形成する第1の工程と、加熱収縮性フィルムを加熱収縮させ凹凸パターン形成シートを形成する第2の工程と、凹凸パターン形成シートにプリズム列を転写する、または基材に凹凸パターン形成シートの凹凸パターンおよびプリズム列を転写する第3の工程とを有する方法である。
[第1の工程]
本実施形態における積層シート形成工程は、加熱収縮性樹脂フィルムの片面に、表面が平滑で2種の樹脂からなる硬質層(以下、「表面平滑硬質層」という。)を少なくとも1層設けて、積層シートを得る工程である。ここで、表面平滑硬質層とは、JIS B0601に記載の中心線平均粗さ0.1μm以下の層であって、加熱収縮性樹脂フィルムを収縮させる条件下で軟化しない層である。
加熱収縮性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系シュリンクフィルム、ポリスチレン系シュリンクフィルム、ポリオレフィン系シュリンクフィルム、ポリ塩化ビニル系シュリンクフィルム、ポリ塩化ビニリデン系シュリンクフィルムなどを用いることができる。
本実施形態では、加熱収縮性樹脂フィルムとして、1軸または2軸延伸フィルムを用いる。1軸延伸は、縦延伸、横延伸のいずれであってもよい。
また、加熱収縮性樹脂フィルムは、延伸倍率1.1〜15倍で延伸されていることが好ましく、1.3〜10倍で延伸されていることがより好ましい。
また、加熱収縮性樹脂フィルムとしては、主収縮方向における収縮率が好ましくは20〜90%、より好ましくは35〜75%のフィルムが用いられる。本明細書において、主収縮方向とは、加熱収縮性樹脂フィルムの収縮率が最大となる軸方向であり、前記主拡散方向と実質同方向のことである。また、本明細書において、収縮率とは、(収縮率[%])={(収縮前の長さ)−(収縮後の長さ)}/(収縮前の長さ)×100である(ただし、長さは加熱収縮性樹脂フィルムの収縮方向の長さ)。収縮率が前記下限値以上であれば、凹凸パターン形成シートをより容易に製造できる。一方、収縮率が前記上限値を超える加熱収縮性樹脂フィルムは作製困難である。
加熱収縮性樹脂フィルムは、表面平滑硬質層を容易に形成できることから、表面が平坦であることが好ましい。ここで、平坦とは、JIS B0601による中心線平均粗さが0.1μm以下のことである。
加熱収縮性樹脂フィルムを構成する樹脂(樹脂L)のガラス転移温度Tgは−150〜300℃であることが好ましく、−120〜200℃であることがより好ましい。ガラス転移温度は示差熱分析等により測定できる。ガラス転移温度Tgが−150℃より低い樹脂は存在せず、樹脂Lのガラス転移温度Tgが前記上限値以下であれば、より容易に凹凸パターン10を形成できる。
樹脂Lのヤング率は、加熱収縮工程の温度において0.01〜100MPaであることが好ましく、0.1〜10MPaであることがより好ましい。樹脂Lのヤング率が前記下限値以上であれば、基材として使用可能な硬さであり、前記上限値以下であれば、表面平滑硬質層が変形する際に同時に追従して変形可能な軟らかさである。
表面平滑硬質層を構成する2種の樹脂(樹脂M,樹脂N)としては、各々、例えば、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂などを使用することができる。
樹脂Mおよび樹脂Nは、微細凹凸パターン24を容易に形成できることから、ガラス転移温度が互いに異なることが好ましく、具体的には、樹脂Mのガラス転移温度Tg2Mが樹脂Nのガラス転移温度Tg2Nよりも高いことが好ましい。さらには、(樹脂Mのガラス転移温度Tg2M)−(樹脂Nのガラス転移温度Tg2N)が10℃以上であることが好ましく、15℃以上であることがより好ましい。
一方、Tg2MとTg2Nとが離れすぎても、微細凹凸パターン24を形成しにくくなるため、Tg2M−Tg2Nが20℃以下であることが好ましく、19℃以下であることがより好ましい。
凹凸パターン23および微細凹凸パターン24からなる凹凸パターン21を容易に形成できる点では、樹脂Mのガラス転移温度Tg2Mと樹脂Lのガラス転移温度Tgとの差(Tg2M−Tg)、樹脂Nのガラス転移温度Tg2Nと樹脂Lのガラス転移温度Tgとの差(Tg2N−Tg)が共に10℃以上であることが好ましく、15℃以上であることがより好ましく、20℃以上であることが特に好ましい。
樹脂Mおよび樹脂Nのガラス転移温度Tg2M,Tg2Nは共に40〜400℃の範囲内にあることが好ましく、80〜250℃の範囲内にあることがより好ましい。Tg2M,Tg2Nが前記下限値以上且つ前記上限値以下であれば、より容易に凹凸パターン21を形成できる。
樹脂Mおよび樹脂Nのヤング率は、加熱収縮工程の温度において0.01〜300GPaの範囲内にあることが好ましく、0.1〜10GPaの範囲内にあることがより好ましい。樹脂Mおよび樹脂Nのヤング率が0.01GPa以上であれば、凹凸パターン21の形状を維持するのに充分な硬さであり、ヤング率が前記上限値未満であれば、より容易に凹凸パターン10を形成できる。
表面平滑硬質層の厚さは、0.1〜10.0μmとすることが好ましく、0.2〜5.0μmとすることがより好ましい。表面平滑硬質層の厚さを前記範囲にすることにより、最頻ピッチPが適切な範囲となり、光拡散性をより高くすることができる。
表面平滑硬質層の厚さは連続的に変化していても構わない。表面平滑硬質層の厚さが連続的に変化している場合には、圧縮後に形成される凹凸パターン23のピッチおよび深さが連続的に変化するようになる。
樹脂で構成された表面平滑硬質層を設ける方法としては、樹脂Mおよび樹脂Nを含む硬質層形成用塗料を加熱収縮性樹脂フィルムに連続的に塗工し、乾燥する方法が挙げられる。
塗料の塗工方法としては、例えば、エアナイフコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、メイヤーバーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、キャストコーティング、カーテンコーティング、ダイスロットコーティング、ゲートロールコーティング、サイズプレスコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング等が挙げられる。
乾燥方法としては、熱風、赤外線等を用いた加熱乾燥法が挙げられる。
[第2の工程]
第2の工程は、上記積層シートを加熱して加熱収縮性樹脂フィルムを収縮させることにより、前記表面平滑硬質層を折り畳むように変形させて、が形成された凹凸パターン形成シート21bを形成する工程である。
加熱収縮工程では、主収縮方向に40%以上の収縮率で収縮させることが好ましい。主拡散方向の収縮率を40%以上にすると、収縮不足の部分を小さくすることができる。一方、収縮率を大きくしすぎると、得られる凹凸パターン形成シートの面積が小さくなり、歩留まりが低くなるため、収縮率の上限は80%が好ましい。
加熱方法としては、熱風、蒸気、熱水または遠赤外線中に通す方法等が挙げられ、中でも、均一に収縮させることができることから、遠赤外線に通す方法が好ましい。
加熱収縮性樹脂フィルムの熱収縮させる際の加熱温度は、使用する加熱収縮性樹脂フィルムの種類、目的とする凹凸パターン23の最頻ピッチP、アスペクト比Aおよび配向度C、目的とする微細凹凸パターン24の最頻ピッチPおよび配向度Cに応じて適宜選択することが好ましい。
加熱収縮温度は、加熱収縮性樹脂フィルムを構成する樹脂Lのガラス転移温度Tg以上の温度にすることが好ましい。Tg以上の温度で熱収縮させると、凹凸パターン23を容易に形成できる。
<第3の工程>
実施形態1の第1の製造方法の第3工程と同様の方法で光学シート20が得られる。
[第4の製造方法]
光学シートの更に別の製造方法について説明する。但し、本発明は、製造方法を限定するものではない。
前述の第1〜3の製造方法のいずれかの製造方法の第2工程で得られた凹凸パターン形成シート10bまたは21bを型として、ナノインプリント法または射出成型法によって、凹凸パターン形成シート10bまたは21bの凹凸パターンと同じ表面形状が転写されたシート状転写物、或いは凹凸パターン形成シート10bまたは21bの凹凸パターンの表面形状を反転した表面形状が転写されたシート状転写物を作成し、概シート状転写物を用いて、第1の製造方法の第3工程と同様の方法で光学シート20を得ることができる。
前述の第1〜3の製造方法のいずれかの製造方法の第2工程で得られた凹凸パターン形成シート10bまたは21bを凹凸パターンの原型とするが、原型からナノインプリント法、射出成型法、電機鋳造などにより、転写物生産に用いるナノインプリント用スタンパーをまたは射出成型を製造することもできる。
また前記原型からナノインプリント用スタンパーをまたは射出成型を製造する場合、ナノインプリント法、射出成型法および電機鋳造法のいずれか1つ以上の方法を複数回行うことによって、1つの原型から複数のナノインプリント用スタンパーをまたは射出成型を製造することもできる。
射出成型の場合は、前記凹凸パターン形成シートから直接転写して成型品を得るよりも、耐熱性が高いニッケルモールド等の二次転写型を用いて成型品を得ることが、型の耐久性が高くより多くの成型品を量産できることから望ましい。
第4の製造方法においては、前記光学シート上の前記凹凸パターンの転写による形成と前記プリズムパターンの転写による形成は、どちらを先に行ってもよく、また同時に行ってもよい。
前記凹凸パターン形成シート10bを一方の母型とし、前記切削により形成された表面にプリズム列12を有する金属製の型をもう一方の型として、特開2012−022292に記載の転写方法を用いることで、透明基材の一方の面に凹凸パターン11が、もう一方の面にプリズム列12がそれぞれ形成された光学シート10が得られる。
(光学シートの使用方法)
本発明の光学シートの特徴は、凹凸パターンおよびプリズム列の配列方向と略平行に配列された照射角が90°以上のLED等の点光源が複数線状に配列された光源からの出射光をプリズム列が形成された面から入射し、凹凸パターンが形成されている面から出射する場合、光源の輝度ムラを低減する効果が高い。
前記輝度ムラ低減効果について図9および図10を用いて説明する。図9は、本発明の光学シートおよび点光源の断面図である。また、図10(a)は、本発明の光学シートを使用していないときの点光源の見え方である。
図9(a)は、一方の面に一方向に向かって蛇行して延在する複数の凸形状により形成された凹凸パターンのみが形成された光学シートの光拡散特性を示す模式図である。
点光源から出射した光の一部は該凹凸パターンにより、シート法線方向に屈折する。該凹凸パターンは前記凸形状が延在する方向に直交する方向の輝度ムラを低減し、図10(b)に示すように、点光源を略線状光源にすることが可能となる。
一方の面にプリズム列のみが形成された図9(b)の光学シートの場合、点光源から出射した光の一部はプリズム列により、全反射し、シート法線方向に出射される。そのため、シート法線方向から見ると、図10(c)に示すように、点光源が3つの光源に分かれたように見える。
一方の面に前記凹凸パターンを、もう一方の面にプリズム列を、凹凸パターンの凸形状の延在方向とプリズム列が略平行になるように配置する本発明の光学シート(図9(c))の場合、プリズム列により虚像をつくることによって光源の光を3つに分け、更に前記凹凸パターンにより光拡散を行うため、点光源同士が離れている場合または点光源と光学シートの距離が近い場合でも、図10(d)に示すように点光源を線状光源にすることが可能となる。
本発明の光学シートは、前記プリズム列を構成するプリズムの頂角を30°〜80°の範囲とすることにより、前記プリズム列による全反射効果と前記凹凸パターンによる光拡散効果の組み合わせによる輝度ムラの低減効果を発揮することができる。
また、蛍光灯等の線状光源が短手方向に複数配列している場合、本発明の光学シートのプリズム列を構成するプリズムの配列方向と線状光源の前記短手方向を略平行に配置し、前記線状光源からの出射光をプリズム列が形成された面から入射し、前記凹凸パターンが形成されている面から出射するように配置すると、線状光源同士の間の輝度ムラを低減し、輝度の均一な面状光源を得ることができる。
10、20 光学シート
10a 積層シート
10b、21b 凹凸パターン形成シート
11、21 凹凸パターン
11a、23a、24a 凸部
11b、23b、24b 凹部
12、22 プリズム列
13 加熱収縮性フィルム
14 表面平滑硬質層
23 凹凸パターン
24 微細凹凸パターン

Claims (7)

  1. シートの一方の面に、一方向に向かって蛇行して延在する複数の凸形状により形成された凹凸パターンを有し、前記シートの他方の面に、断面の頂角30〜80度の単位プリズムが複数並列したプリズム列を有する光学シートであって、前記複数の凸形状の延在方向と前記単位プリズムの長手方向が略平行であり、
    前記凸形状の傾斜面に、前記凸形状の延在方向と略同じ方向に蛇行して延在する複数の微細凸形状を有し、
    前記複数の微細凸形状が最頻ピッチが0.4μm以上である微細凹凸パターンを形成している
    ことを特徴とする光学シート。
  2. 前記凹凸パターンの配向度が0.20以上である請求項1に記載の光学シート。
  3. 前記凹凸パターンの最頻ピッチが1.0〜20.0μm、アスペクト比が0.1〜2であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学シート。
  4. 前記複数の微細凸形状の配向度が0.20以上である請求項1〜3のいずれかに記載の光学シート。
  5. 前記複数の微細凸形状が最頻ピッチ2.0μm以下である微細凹凸パターンを形成している請求項1〜4のいずれかに記載の光学シート。
  6. 前記複数の微細凸形状が、前記凹凸パターンの配向方向との差が5度以内である微細凹凸パターンを形成している請求項のいずれかに記載の光学シート。
  7. 前記プリズム列の配列方向と略平行に配列された複数の光源と、請求項1〜のいずれかに記載の光学シートとを有する照明装置であって、
    前記光源は照射角が90°以上であり、
    前記光源から出射した光を前記光学シートの前記プリズム列を有する面から入射して前記凹凸パターンを有する面から出射する照明装置。
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