JP6264891B2 - 電極、および電極を有する電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電極、および電極を有する電池に関する。
近年、自動車産業や先端電子産業などの分野において、自動車用電池や電子機器用電池への需要が増大しており、特に小型・薄型化や、高容量化などが要求されている。中でも、他の電池に比べて高エネルギー密度である非水電解質二次電池が注目されている。
非水電解質二次電池は、負極活物質層が集電体上に塗布された負極と、正極活物質層が集電体上に塗布された正極と、負極および正極の間に配置されるセパレータと、を有している。正極、セパレータ、負極を積層して電池を構成したときに正極と負極とのずれに起因した内部短絡を抑制するために、正極の活物質層の端部に絶縁性の被覆材(絶縁部材)を設けることが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2004−259625号公報
ところで、このような絶縁部材は、特許文献1に示すように、一般的に電極の集電体上の活物質層から露出部にかけて設けている。絶縁部材の被覆面には、接着材が全面に塗布されている。このため、絶縁部材の端部においては、接着材が電極の活物質層の上にある。したがって、非水電解質二次電池では、充放電時に活物質の電位変化が起こった際に接着材が溶出して電解質のイオン導電性が低下し、その結果サイクル特性が低下するという問題点がある。
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、充放電時に活物質の電位変化が起こった際の接着材の溶出を抑制して電解質のイオン導電性の低下を抑制し、もって、サイクル特性の向上が可能な電極、および電極を有する電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る電極は、集電体と、前記集電体の一部を露出させた露出部が残るように前記集電体上に形成された活物質層と、前記活物質層と前記露出部との境界部を覆う絶縁部材と、を有している。前記絶縁部材は、前記集電体に対向する面に、接着材によって形成される接着領域と、前記接着材を含まない非接着領域とを備えている。前記絶縁部材は、前記接着領域と前記非接着領域との境界を複数備え、複数の境界のうち前記活物質層の側に最も寄っている境界が、前記境界部に一致して位置している状態で前記境界部を覆い、前記非接着領域が前記活物質層上および前記露出部上の両方に位置されている。
上記目的を達成する本発明に係る電池は、上記の電極をセパレータを介して積層した積層体を有し、前記積層体を外装体によって封止している。
上記のように構成した本発明の電極、および当該電極を有する電池によれば、活物質層は絶縁部材における非接着領域によって覆われているので、充放電時に活物質層の電位変化が起こった際の接着材の溶出を抑制することができる。これによって、電解質のイオン導電性の低下を抑制し、その結果サイクル特性を向上することができる。
実施形態に係る電池の構成を示す断面図である。 図1の電池における正極および負極の構成を示す断面図である。 変形例1に係る正極および負極の構成を示す断面図である。 変形例2に係る正極および負極の構成を示す断面図である。 変形例3に係る正極および負極の構成を示す断面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明に係る実施形態を説明する。図面における各部材の大きさや比率は、説明の都合上誇張され実際の大きさや比率とは異なる場合がある。なお、実施形態に係る電池100は、例えば、電気自動車、燃料電池車およびハイブリッド電気自動車等の車両のモータ等の駆動用電源や補助電源に用いられる。本実施形態では、電池100として、非水電解質二次電池を例示して説明する。
<実施形態>
実施形態に係る電池100について、図1および図2を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る電池100の構成を示す断面図である。図2は、図1の電池における正極および負極の構成を示す断面図である。
図1に示される電池100は、扁平型(積層型)の双極型ではない非水電解質リチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」という)である。電池100は、正極20および負極30をセパレータ40を介して積層した発電要素70(積層体に相当する)と、発電要素70を封止する外装体80と、を有する。
電池100は、充放電反応が進行する略矩形の発電要素70を外装体80であるラミネートシートの内部に封止している。隣接する正極20、セパレータ40、負極30は、1つの単電池層90を形成する。発電要素70は、単電池層90が複数積層することによって、電気的に並列接続してなる構成を有している。なお、電池100は、図1に示す電池100の正極20および負極30の配置を逆にして、発電要素70の両最外層に正極20が位置するようにしてもよい。
電池100は、長方形状の扁平な形状を有し、対向する両端から電力を取り出すための正極タブ24、負極タブ34を引き出している。外装体80の周囲を熱溶着することによって正極タブ24、負極タブ34を引き出した状態で、発電要素70を密封している。
正極20は、集電体21と、活物質層22とを有し、負極30は、集電体31と、活物質層32とを有している。活物質層22、32は、集電体21、31の一部を露出させた露出部21b、31bが残るように集電体21、31上に形成している。本実施形態の正極20はさらに、活物質層22と露出部21bとの境界部23を覆う絶縁部材50をさらに有している。絶縁部材50は、集電体21に対向する面に、接着材51によって形成される接着領域50aと、接着材を含まない非接着領域50bとを備えている。非接着領域50bは、活物質層22の側に位置されている。
図2に示すように、本実施形態では、絶縁部材50を電極10としての正極20に設ける場合を例示して説明する。このため、本実施形態では、絶縁部材50が設けられる側の集電体および活物質層は、正極20用の集電体21および活物質層22である。
電池100の構成は、一般的な非水電解質二次電池に用いられている公知の材料を用いればよく、特に限定するものではない。電池100に使用することができる正極20の集電体21および活物質層22、負極30の集電体31および活物質層32、セパレータ40、絶縁部材50、外装体80等について説明する。
正極20の集電体21を構成する材料は、電池用の集電体として従来用いられている部材が適宜採用され得る。一例を挙げると、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼(SUS)、チタンまたは銅が挙げられる。中でも、電子伝導性、電池作動電位の観点からは、正極20の集電体21としてアルミニウムが好ましい。しかし、これに特に限定することなく、例えばアルミニウム箔、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材を、利用することも可能である。正極の集電体の厚さは、特に限定せず、電池の使用目的を考慮して設定する。
正極20の活物質層22を構成する材料は、例えば、LiMnである。しかし、これに特に限定されることはない。なお、容量および出力特性の観点から、リチウム−遷移金属複合酸化物を適用することが好ましい。正極20は、集電体21の両面に活物質層22を形成している。
負極30の集電体31の材料は、正極20の集電体21の材料と同じである。中でも、電子伝導性、電池作動電位の観点からは、負極30の集電体31として銅が好ましい。負極30の集電体31の厚さは、正極20の集電体21の厚さと同様に、特に限定せず、電池の使用目的を考慮して設定する。
負極30の活物質層32は、例えば、ハードカーボン(難黒鉛化炭素材料)である。しかし、これに特に限定することなく、例えば黒鉛系炭素材料や、リチウム−遷移金属複合酸化物を利用することも可能である。特に、カーボンおよびリチウム−遷移金属複合酸化物からなる負極活物質は、容量および出力特性の観点から好ましい。負極30は、集電体31の両面に活物質層32を形成している。
セパレータ40は、ポーラス形状を有し、通気性を有する。セパレータ40は、電解質が含浸することによって電解質層を構成する。電解質層であるセパレータ40の素材は、例えば、電解質を浸透し得る通気性を有するポーラス状のPE(ポリエチレン)である。しかし、これに特に限定することなく、例えばPP(ポリプロピレン)などの他のポリオレフィン、PP/PE/PPの3層構造をした積層体、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、不織布を、利用することも可能である。不織布は、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステルである。
電解質のホストポリマーは、例えば、HFP(ヘキサフルオロプロピレン)コポリマーを10%含むPVDF−HFP(ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体)である。しかし、これに特に限定することなく、その他のリチウムイオン伝導性を持たない高分子や、イオン伝導性を有する高分子(固体高分子電解質)を適用することも可能である。その他のリチウムイオン伝導性を持たない高分子は、例えば、PAN(ポリアクリロニトリル)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)である。イオン伝導性を有する高分子は、例えば、PEO(ポリエチレンオキシド)やPPO(ポリプロピレンオキシド)である。
ホストポリマーが保持する電解液は、例えば、PC(プロピレンカーボネート)およびEC(エチレンカーボネート)からなる有機溶媒、支持塩としてのリチウム塩(LiPF)を含んでいる。有機溶媒は、PCおよびECに特に限定せず、その他の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類、テトラヒドロフラン等のエーテル類を適用することが可能である。リチウム塩は、LiPFに特に限定することなく、その他の無機酸陰イオン塩、LiCFSO等の有機酸陰イオン塩を、適用することが可能である。
電池100は、リチウムイオン二次電池であって、負極30用の活物質層32が、平面視において正極20用の活物質層22よりも大きい。負極30端部への電流集中によって負極30におけるリチウム金属のデンドライト析出を防止するためである。電池100には、正極20の集電体21における露出部21bと、負極30の活物質層32とが、セパレータ40を介して対向する部分が存在する。この部分における内部短絡を防止するために、絶縁部材50を、活物質層22と露出部21bとの境界部23を覆うように設けている。
本実施形態では、活物質層22の外周縁の四辺のうち、正極タブ24に接続する側の一辺を境界部23としている。この境界部23を絶縁部材50によって覆っている。なお、絶縁部材50によって覆う境界部23は1つの辺に限定されるものではない。活物質層22の外周縁のうち複数の辺を絶縁部材50によって覆ってもよいし、外周縁におけるすべての辺を絶縁部材50によって覆ってもよい。
絶縁部材50の基材の材料は、熱可塑性樹脂である。絶縁部材50の基材は例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS樹脂)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート(GF−PET)、環状ポリオレフィン(COP)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、非晶ポリアリレート(PAR)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等である。
絶縁部材50の基材に塗布する接着材51は、例えば有機溶剤系バインダ(非水系バインダ)でも、水分散系バインダ(水系バインダ)のいずれも用いることができるなど、特に限定されない。例えば、以下の材料が挙げられる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフクレート、ポリエーテルニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、セルロース、カルポキシメチルセルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物などの熱可塑性高分子、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム、ビニリデンフルオライド系フッ素ゴム、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、スチレン・ブタジエンゴム、カルポキシメチルセルロース、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミドであることがより好ましい。これらの好適なバインダは、耐熱性に優れ、電解液との反応性が低く、さらに耐溶性に優れており、正極および負極のそれぞれの活物質層上に塗布して使用することが可能である。これらのバインダは、1種単独で用いてもよいし、2種併用してもよい。
本実施形態では、絶縁部材50として粘着テープを用いる場合を例に説明する。粘着テープの接着材51が塗布されている面の一部に対し、ドライエッジを施して接着材51を除去することによって、絶縁部材50に、非接着領域50bを形成する。このようにして、接着材51によって形成される接着領域50aと、接着材51を含まない非接着領域50bとを備える絶縁部材50が形成される。しかしながら、これに限ることなく、絶縁部材50の基材として、例えば接着材が塗布されていないテープを用いることもできる。上記構成の場合には、テープからなる絶縁部材50の基材の一部に対し、接着材51を塗布して接着領域50aを形成する。この構成においても、接着材51によって形成される接着領域50aと、接着材51を含まない非接着領域50bとを備える絶縁部材50が形成される。
絶縁部材50は、活物質層22の側に接着材51を含まない非接着領域50bを位置させている。図2に示される貼り付け形態においては、非接着領域50bと接着領域50aとの境界52は、境界部23よりも露出部21b側に位置している。
この形態では、絶縁部材50の基材に設けられた接着材51は、正極20の集電体21上の露出部21bにのみ接着し、活物質層22には接着していない。活物質層22において充放電反応の起こる部位は、絶縁部材50によって覆われていない部位である。図2において、充放電反応の起こる部位の端部は、絶縁部材50における非接着領域50bの図中左端の下側に位置し、活物質層22自体の図中右端よりも左側に寄って位置することになる。充放電時に活物質層22の電位変化が起こったとき、充放電反応の起こる部位の端部と接着材51の図中左端とが離れていることから、接着材51が溶出することを抑制することができる。これによって、電解質のイオン導電性の低下を抑制し、その結果サイクル特性を向上することができる。
絶縁部材50の非接着領域50bは、活物質層22上に位置し、電池100を構成した後には積層圧によって固定される。このため、絶縁部材50は、活物質層22と非接着であっても、接着領域50aにおいて集電体21の露出部21bに接着していさえすれば何ら支障が生じることはない。
外装体80は、その内部に発電要素70を封入する部材であり、発電要素70を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた袋状のケースなどを用いることができる。ラミネートフィルムとしては、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。また、外部から掛かる発電要素への群圧を容易に調整することができ、電池が大型化できることから、発電要素が積層構造であり、かつ外装体はアルミニウムを含むラミネートフィルムがより好ましい。
外装体80の内容積は発電要素70を封入できるように、発電要素70の容積よりも大きくなるように構成されている。ここで外装体80の内容積とは、外装体80で封止した後の真空引きを行う前の外装体80内の容積を指す。また、発電要素70の容積とは、発電要素70が空間的に占める部分の容積であり、発電要素70内の空孔部を含む。外装体80の内容積が発電要素70の容積よりも大きいことで、ガスが発生した際にガスを溜めることができる空間が存在する。これにより、発電要素70からのガスの放出性が向上し、発生したガスが電池挙動に影響することが少なく、電池特性が向上する。
また、本実施形態においては、発電要素70の有する空孔の体積Vに対する外装体80に注入された電解液の体積Lの比の値(L/V)が、1.2〜1.6の範囲となるように構成するのが好ましい。電解液の量(体積L)が多ければ、たとえ正極20側に電解液が偏在したとしても、負極30側にも十分な量の電解液が存在するため、両極での表面皮膜の形成を均質に進行させるという観点では有利になる。一方で、電解液の量(体積L)が多ければ、電解液増加のコストが発生し、しかも多すぎる電解液は電極間距離を広げることにつながり、その結果、電池抵抗が上がってしまう。よって、正極20の活物質層22、負極30の活物質層32の吸液速度の比が適切な範囲(Tc/Ta=0.6〜1.3の範囲)であり、かつ電解液の量(詳しくは発電要素70の有する空孔の体積Vに対する電解液体積Lの比の値L/V)を適切にするにするのが望ましい。これにより、均質な皮膜形成と、コスト、セル抵抗を両立させることができる点で優れている。かかる観点から、上記したL/Vの値は1.2〜1.6の範囲となるように構成するのが好ましく、より好ましくは1.25〜1.55、特に好ましくは1.3〜1.5の範囲である。
また、本実施形態においては、発電要素70の有する空孔の体積Vに対する外装体80の内部における余剰空間81の体積Vの比の値(V/V)が0.5〜1.0となるように構成するのが好ましい。更に、外装体80に注入された電解液の体積Lの外装体80の内部における余剰空間81の体積Vに対する比の値(L/V)が0.4〜0.7となるように構成するのが好ましい。これにより、外装体80の内部に注入された電解液のうちバインダによって吸収されなかった部分を余剰空間81に確実に存在させることが可能となる。しかも、電池100内でのリチウムイオンの移動を確実に担保することもできる。その結果、PVdF等の溶剤系バインダを用いるときと同様の多量の電解液を用いた場合に問題となりうる過剰な電解液の存在に起因する極板間距離の拡がりに伴う不均一反応の発生が防止される。このため、長期サイクル特性(寿命特性)に優れる非水電解質二次電池が提供されうる。
ここで、「発電要素70の有する空孔の体積(V)」は、正極20、負極30、セパレータ40の空孔体積を全て足し合わせるという形で算出することができる。即ち、発電要素70を構成する各構成部材が有する空孔の総和として算出することができる。また、電池100の作製は通常、発電要素70を外装体80の内部に封入した後に電解液を注入し、外装体80の内部を真空引きして封止することにより行われる。この状態で外装体80の内部においてガスが発生した場合に、発生したガスが溜まることができる空間が外装体80の内部に存在すれば、発生したガスが当該空間に溜まって外装体80は膨らむ。このような空間を本明細書では「余剰空間81」と定義し、外装体が破裂することなく最大限膨らんだときの余剰空間の体積をVと定義したものである。上述したように、V/Vの値は0.5〜1.0であることが好ましく、より好ましくは0.6〜0.9であり、特に好ましくは0.7〜0.8である。
また、上述したように、本発明では、注入される電解液の体積と、上述した余剰空間81の体積との比の値が所定の範囲内の値に制御される。具体的には、外装体80に注入された電解液の体積(L)の、外装体80の内部における余剰空間81の体積Vに対する比の値(L/V)は、0.4〜0.7に制御するのが望ましい。L/Vの値は、より好ましくは0.45〜0.65であり、特に好ましくは0.5〜0.6である。
なお、本実施形態では、外装体80の内部に存在する余剰空間81は、発電要素70の鉛直上方に少なくとも配置されていることが好ましい。かような構成とすることで、発生したガスは余剰空間81の存在する発電要素70の鉛直上方部に溜まることができる。これにより、発電要素70の側方部や下方部に余剰空間81が存在する場合と比較して、外装体80の内部において発電要素70が存在する下方部に電解液が優先的に存在することができる。その結果、発電要素70が常により多くの電解液に浸された状態を確保することができ、液枯れに伴う電池性能の低下を最小限に抑えることができる。なお、余剰空間81が発電要素70の鉛直上方に配置されるようにするための具体的な構成について特に制限はないが、例えば、外装体80自体の材質や形状を発電要素70の側方部や下方部に向かって膨らまないように構成したり、外装体80がその側方部や下方部に向かって膨らむのを防止するような部材を外装体80の外部に配置したりすることが挙げられる。
自動車用途などにおいては、昨今、大型化された電池が求められている。そして、本願発明の電極10を有する電池100の効果は、正極20の活物質層22および負極30の活物質層32共に大きな電極面積を有する大面積電池の場合に、より効果的にその効果が発揮される。即ち、大面積電池の場合に、電極10(正極20、負極30)とセパレータ40の摩擦による電極表面からの凝集破壊がより一層抑制され、振動が入力されても電池特性を維持することができる点で優れている。したがって、本実施形態において、発電要素70を外装体80で覆った電池構造体が大型であることが本実施形態の効果がより発揮されるという意味で好ましい。具体的には、電極10(正極20、負極30)の活物質層は、長方形状であり、当該長方形の短辺の長さは、100mm以上であることが好ましい。かような大型の電池は、車両用途に用いることができる。ここで、負極30の活物質層32の短辺の長さとは、各電極の中で最も長さが短い辺を指す。電池構造体の短辺の長さの上限は特に限定されるものではないが、通常250mm以下である。
また、電極10(正極20、負極30)の物理的な大きさの観点とは異なる、大型化電池の観点として、電池面積や電池容量の関係から電池の大型化を規定することもできる。例えば、扁平積層型ラミネート電池の場合には、定格容量に対する電池の面積(外装体まで含めた電池の投影面積)の比の値は、5cm/Ah以上であり、かつ、定格容量は、3Ah以上である。電池においては、単位容量当たりの電池面積が大きいため、電極間で発生したガスを除去することが難しくなる。こうしたガス発生により、特に大型の電極間にガス滞留部が存在すると、その部分を起点に不均一反応が進行し易くなる。そのため、SBR等の水系バインダを負極の活物質層の形成に用いた大型化電池における電池性能(特に、長期サイクル後の寿命特性)の低下という課題がよりいっそう顕在化しやすい。したがって、本形態に係る非水電解質二次電池は、上述したような大型化された電池であることが、本願発明の作用効果の発現によるメリットがより大きいという点で、好ましい。さらに、矩形状の電極のアスペクト比は1〜3であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。なお、電極のアスペクト比は矩形状の正極の活物質層の縦横比として定義される。アスペクト比をかような範囲とすることで、面方向に均一にガスを排出することが可能となる。
電池100の定格容量は、以下により求められる。
定格容量は、試験用電池について、電解液を注入した後で、10時間程度放置し、初期充電を行う。その後、温度25℃、3.0Vから4.15Vの電圧範囲で、次の手順1〜5によって測定される。
手順1:0.2Cの定電流充電にて4.15Vに到達した後、5分間休止する。
手順2:手順1の後、定電圧充電にて1.5時間充電し、5分間休止する。
手順3:0.2Cの定電流放電によって3.0Vに到達後、定電圧放電にて2時間放電し、その後、10秒間休止する。
手順4:0.2Cの定電流充電によって4.1Vに到達後、定電圧充電にて2.5時間充電し、その後、10秒間休止する。
手順5:0.2Cの定電流放電によって3.0Vに到達後、定電圧放電にて2時間放電し、その後、10秒間停止する。
定格容量:手順5における定電流放電から定電圧放電に至る放電における放電容量(CCCV放電容量)を定格容量とする。
上述した第1実施形態に係る電極10により以下の作用効果を奏する。
電極10としての正極20は、集電体21と、活物質層22と、活物質層22と露出部21bとの境界部23を覆う絶縁部材50と、を有している。絶縁部材50は、接着領域50aと、非接着領域50bとを備え、非接着領域50bは、活物質層22の側に位置されている。
このように構成した正極20によれば、絶縁部材50は、活物質層22の側に接着材51を含まない非接着領域50bを位置させているため、充放電時に活物質層22の電位変化が起こった際の接着材51の溶出を抑制することができる。これによって、電解質のイオン導電性の低下を抑制し、その結果サイクル特性を向上することができる。
さらに、本電極10によれば、非接着領域50bと接着領域50aとの境界は、境界部23よりも露出部21b側に位置する。
このように構成した電極10によれば、絶縁部材50の接着領域50aと正極20の活物質層22とが十分に離間した形態になるので、充放電時に活物質層22の電位変化が起こった際の接着材51の溶出を一層抑制することができる。これによって、電解質のイオン導電性の低下を一層抑制し、その結果サイクル特性をさらに向上することができる。
さらに、絶縁部材50が設けられる側の集電体および活物質層は、正極20用の集電体21および活物質層22である。
負極30用の活物質層32を正極20用の活物質層22よりも大きく構成した電池100において、正極20における集電体21の露出部21bと負極30における活物質層32とがセパレータ40を介して対向する部分における内部短絡を好適に防止することができる。
さらに、本電池100は、負極30と、電極10としての正極20とをセパレータ40を介して積層した発電要素70と、発電要素70を封止する外装体80と、を有している。
このように構成した本電池100によれば、充放電時に正極20の活物質層22の電位変化が起こった際の接着材51の溶出を防止することができる。したがって、本電池100では、電解質のイオン導電性の低下を抑制することができ、その結果サイクル特性を向上することができる。
さらに、本電池100では、活物質層22、32は長方形状であり、長方形の短辺の長さは、100mm以上である。
このように構成した本電池100によれば、正極20活物質層22および負極30の活物質層32は、短辺の長さが100mm以上である長方形状を有している。このように、本電池100は、大型電池であるので、電極10(正極20)とセパレータ40の摩擦による電極表面からの凝集破壊がより一層抑制され、振動が入力されても電池特性を維持することができる。
さらに、本電池100では、定格容量に対する電池100の面積(電池100の外装体80まで含めた投影面積)の比の値は、5cm/Ah以上であり、かつ、定格容量は、3Ah以上である。
このように構成した本電池100によれば、電極10の物理的な大きさの観点とは異なる、大型化電池の観点として、電池面積や電池容量の関係から電池100の大型化を規定することもできる。
さらに、本電極10では、矩形状の正極20の活物質層22の縦横比として定義される電極10のアスペクト比は、1〜3である。
このように構成した電極10によれば、アスペクト比をかような範囲とすることで、面方向に均一にガスを排出することができる。
さらに、本電池100は、リチウムイオン二次電池であって、負極30用の活物質層32が、平面視において正極20用の活物質層22よりも大きい。
このように構成した電池100は、負極30におけるリチウム金属のデンドライト析出を防止するために負極30用の活物質層32を正極20用の活物質層22よりも大きく構成したリチウムイオン二次電池に適用できる。したがって、内部短絡を好適に防止しつつ、サイクル特性を向上し得るリチウムイオン二次電池を得ることができる。
<変形例1>
つぎに、実施形態の電極10の変形例1について、図3を参照しながら説明する。なお、上述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
図3は、変形例1の電極10の構成を示す断面図である。
変形例1に係る電極10においては、絶縁部材50は、非接着領域50bと接着領域50aとの境界52が、境界部23に一致して位置している状態で境界部23を覆ってなる。つまり、変形例1では、図3に示すように、絶縁部材50の基材に形成される接着材51が、正極20の集電体21上の露出部21bおよび活物質層22の端部22aに接着している。
接着材51が活物質層22の端部22aに接着しているものの、活物質層22は絶縁部材50における非接着領域50bによって覆われているので、充放電反応の起こる部位の端部と接着材51とは離間した形態になる。したがって、変形例1においても、充放電時に活物質層22の電位変化が起こった際の接着材51の溶出を抑制することができる。これによって、電解質のイオン導電性の低下を抑制し、その結果サイクル特性を向上することができる。
<変形例2>
つぎに、実施形態の電極10の変形例2について、図4を参照しながら説明する。なお、上述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
図4は、変形例2の電極10の構成を示す断面図である。
変形例2に係る電極10においては、絶縁部材50は、非接着領域50bと接着領域50aとの境界52が、境界部23よりも活物質層22の側に位置している状態で境界部23を覆ってなる。つまり、変形例2では、図4に示すように、絶縁部材50の基材に形成される接着材51が、正極20の集電体21上の露出部21bおよび活物質層22の一部22b(端部22aから僅かに延在する部分)に接着している。
接着材51が活物質層22の一部22b(端部22aから僅かに延在する部分)に接着しているものの、活物質層22は絶縁部材50における非接着領域50bによって覆われているので、充放電反応の起こる部位の端部と接着材51とは離間した形態になる。したがって、変形例2においても、充放電時に活物質層22の電位変化が起こった際の接着材51の溶出を抑制することができる。これによって、電解質のイオン導電性の低下を抑制し、その結果サイクル特性を向上することができる。
<変形例3>
つぎに、実施形態の電極10の変形例3について、図5を参照しながら説明する。なお、上述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
図5は、変形例3の電極10の構成を示す断面図である。
変形例3に係る電極10においては、絶縁部材50は、境界を複数(境界52、境界53)備え、複数の境界のうち活物質層22の側に最も寄っている境界52が、境界部23に一致して位置している状態で境界部23を覆ってなる。
図5に示すように、変形例3の絶縁部材50は、非接着領域50bを正極20の活物質層22上だけでなく、集電体21上の露出部21b上にも設けている。このため、変形例3の絶縁部材50は、変形例1および2の絶縁部材50と比べ、絶縁部材50の接着領域50aが小さい。変形例1と同様に、絶縁部材50の基材に形成される接着材51が、正極20の集電体21上の露出部21bおよび活物質層22の端部22aに接着している。
変形例1と同様に、接着材51が活物質層22の端部22aに接着しているものの、活物質層22は絶縁部材50における非接着領域50bによって覆われているので、充放電反応の起こる部位の端部と接着材51とは離間した形態になる。したがって、変形例3においても、充放電時に活物質層22の電位変化が起こった際の接着材51の溶出を抑制することができる。これによって、電解質のイオン導電性の低下を抑制し、その結果サイクル特性を向上することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
まず、正極20の作製について説明する。正極20の集電体21は、厚さ20μmのAl箔である。正極スラリーは、ニッケル酸リチウム粉末(正極活物質)、PVdF(ポリフッ化ビニリデン、結着材)、カーボン粉末(導電助剤)をそれぞれ90:5:5(重量比)でNMP(N−メチルピロリドン)に分散させて作成した。その後、厚さ20μmのAl箔の両面にダイコーターによって正極スラリーを塗布し、乾燥させ、乾燥後にプレスして、厚さ150μmの正極20を得た。
つぎに、負極30の作製について説明する。負極30の集電体21は、厚さ10μmのCu箔である。負極スラリーは、Gr粉末(負極活物質)、PVdF(ポリフッ化ビニリデン、結着材)をそれぞれ95:5(重量比)でNMP(N−メチルピロリドン)に分散させて作成した。その後、厚さ10μmのCu箔の両面にダイコーターにて負極スラリーを塗布し、乾燥させ、乾燥後にプレスして、厚さ140μmの負極30を得た。
つぎに、電池100の作製について説明する。絶縁部材50として、長さ10mm、幅12mm、厚さ30μmの保護テープを用いた。正極20の集電体21上の活物質層22(以下、単に「正極活物質層22」ともいう)と露出部21bとの境界部23を覆うように保護テープを貼り付けた。境界部23は、矩形状の正極活物質層22の外周縁の四辺のうち正極タブに接続する側の一辺である。保護テープの材質、非接着領域50bの長さ、接着領域50aの長さ、貼り付ける形態、および正極活物質層22を被覆する被覆長は、後述する各実施例および各比較例の説明において示す。
セパレータ40として、ポリエチレン製微多孔質膜(厚さ=25μm)を準備した。また、電解液として、1M LiPF EC:DEC=1:1(体積比)を用いた。
作製した正極20を10枚、負極30を11枚、セパレータ40を20枚用意し、負極30/セパレータ40/正極20/セパレータ40/負極30・・・の順に積層して、発電要素70を作製した。
得られた発電要素70を外装体80である厚さ150μmのアルミラミネートシート製のバッグ中に載置し、電解液を注液した。真空条件下において、正極20および負極30に接続された電流取り出し用の正極タブ24、負極タブ34が導出するようにアルミラミネートシート製バッグの開口部を封止し、試験用セルを完成させた。
つぎに、電池100の評価について説明する。作製した電池100を、電池にかかる圧力が100g/cmになるように、厚さ5mmのSUS板で挟み、25℃で0.2C/4.2V_CC/CV充電を7時間行った。次いで、10分間の休止後、0.2C_CC放電で2.5Vまで放電を行なった。その後、55℃雰囲気下で1C/4.2V_CC/CV充電(0.015Cカット)、1C_CC放電(2.5V電圧カット)のサイクルを繰り返し(サイクル試験)、1サイクル目の放電容量に対する、300サイクル目における放電容量の値をサイクル容量維持率として算出した。
以下に、実施例1〜5について説明する。
<実施例1>
絶縁部材50として、ポリプロプレン製の保護テープを用いた。全長10mmのうち、非接着領域50bの長さが2mm、接着領域50aの長さが8mmの保護テープを用いた。保護テープの非接着領域50bを正極活物質層22の側に位置させて、正極活物質層22と露出部21bとの境界部23を覆った。保護テープの正極活物質層22に対する被覆長が3mmとなるように被覆した。したがって、このときには、保護テープの接着領域50aが正極活物質層22に対向する長さは1mmとなる(図4に示される状態を参照)。

正極20を、活物質層22の大きさが190mm×190mmになるように切り出した。負極30を、活物質層32の大きさが200mm×200mmになるように切り出した。正極20および負極30を積層し、試験用セルを作製した。
サイクル試験を行った結果、サイクル容量維持率は90%であった。
<実施例2>
絶縁部材50として、ポリプロプレン製の保護テープを用いた。全長10mmのうち、非接着領域50bの長さが4mm、接着領域50aの長さが6mmの保護テープを用いた。保護テープの非接着領域50bを正極活物質層22の側に位置させて、正極活物質層22と露出部21bとの境界部23を覆った。保護テープの正極活物質層22に対する被覆長が3mmとなるように被覆した。したがって、このときには、保護テープの接着領域50aが正極活物質層22に対向することはなく、長さは0(ゼロ)mmとなる(図2に示される状態を参照)。
正極20を、活物質層22の大きさが190mm×190mmになるように切り出した。負極30を、活物質層32の大きさが200mm×200mmになるように切り出した。正極20および負極30を積層し、試験用セルを作製した。
サイクル試験を行った結果、サイクル容量維持率は95%であった。
<実施例3>
絶縁部材50として、ポリプロプレン製の保護テープを用いた。長手方向の両側に非接着領域50bを備え、中央部に接着領域50aを備える保護テープを用いた。全長10mmのうち、非接着領域50bの長さが3mm、接着領域50aの長さが4mm、非接着領域50bの長さが3mmの保護テープを用いた。保護テープの一方の非接着領域50bを正極活物質層22の側に位置させて、正極活物質層22と露出部21bとの境界部23を覆った。保護テープの正極活物質層22に対する被覆長が3mmとなるように被覆した。したがって、このときには、保護テープの接着領域50aが正極活物質層22に対向することはなく、長さは0(ゼロ)mmとなる(図5に示される状態を参照)。
正極20を、活物質層22の大きさが190mm×190mmになるように切り出した。負極30を、活物質層32の大きさが200mm×200mmになるように切り出した。正極20および負極30を積層し、試験用セルを作製した。
サイクル試験を行った結果、サイクル容量維持率は94%であった。
<実施例4>
絶縁部材50として、ポリイミド製の保護テープを用いた。保護テープの材質が異なる点を除いて実施例1と同様にした。全長10mmのうち、非接着領域50bの長さが2mm、接着領域50aの長さが8mmの保護テープを用いた。保護テープの非接着領域50bを正極活物質層22の側に位置させて、正極活物質層22と露出部21bとの境界部23を覆った。保護テープの正極活物質層22に対する被覆長が3mmとなるように被覆した。したがって、このときには、保護テープの接着領域50aが正極活物質層22に対向する長さは1mmとなる(図4に示される状態を参照)。
正極20を、活物質層22の大きさが190mm×190mmになるように切り出した。負極30を、活物質層32の大きさが200mm×200mmになるように切り出した。正極20および負極30を積層し、試験用セルを作製した。
サイクル試験を行った結果、サイクル容量維持率は91%であった。
<実施例5>
絶縁部材50として、ポリフェニレンサルファイド製の保護テープを用いた。保護テープの材質が異なる点を除いて実施例1と同様にした。全長10mmのうち、非接着領域50bの長さが2mm、接着領域50aの長さが8mmの保護テープを用いた。保護テープの非接着領域50bを正極活物質層22の側に位置させて、正極活物質層22と露出部21bとの境界部23を覆った。保護テープの正極活物質層22に対する被覆長が3mmとなるように被覆した。したがって、このときには、保護テープの接着領域50aが正極活物質層22に対向する長さは1mmとなる(図4に示される状態を参照)。
正極20を、活物質層22の大きさが190mm×190mmになるように切り出した。負極30を、活物質層32の大きさが200mm×200mmになるように切り出した。正極20および負極30を積層し、試験用セルを作製した。
サイクル試験を行った結果、サイクル容量維持率は90%であった。
以下に、比較例1および2について説明する。
<比較例1>
絶縁部材50として、ポリプロプレン製の保護テープを用いた。全長10mmのすべてが接着領域50aである保護テープを用いた。この保護テープによって、正極活物質層22と露出部21bとの境界部23を覆った。保護テープの正極活物質層22に対する被覆長が3mmとなるように被覆した。したがって、このときには、保護テープの接着領域50aが正極活物質層22に対向する長さは3mmとなる。
正極20を、活物質層22の大きさが190mm×190mmになるように切り出した。負極30を、活物質層32の大きさが200mm×200mmになるように切り出した。正極20および負極30を積層し、試験用セルを作製した。
サイクル試験を行った結果、サイクル容量維持率は78%であった。
<比較例2>
絶縁部材50として、ポリプロプレン製の保護テープを用いた。全長10mmのすべてが接着領域50aである保護テープを用いた。この保護テープによって、正極活物質層22と露出部21bとの境界部23に沿って露出部21bのみを覆った。したがって、このときには、保護テープの接着領域50aが正極活物質層22に対向することはなく、長さは0(ゼロ)mmとなる。
正極20を、活物質層22の大きさが190mm×190mmになるように切り出した。負極30を、活物質層32の大きさが200mm×200mmになるように切り出した。正極20および負極30を積層し、試験用セルを作製した。
サイクル試験を行った結果、サイクル容量維持率は85%であった。
実施例1〜6および比較例1〜2のサイクル容量維持率の試験結果を表1にまとめて示す。
<比較結果>
実施例1〜5は、比較例1〜2と比較して、サイクル容量維持率が向上した。これは、保護テープのうち活物質層の側に非接着領域を設けたことによって、サイクル時に活物質層の端部における電位上昇によって接着材が溶出することが抑制され、電解質のイオン導電性の低下が抑制される。その結果、サイクル特性が向上したためであると考えられる。
比較例2と比較して実施例1〜5のサイクル容量維持率が向上した理由は次のとおりである。比較例2のように活物質層の外周縁(活物質を塗布した部分が終了する部分)に沿って保護テープの接着領域を添付した場合には、充放電時に高電位となる活物質層の影響を受けて、接着領域の接着剤が溶出し、電解質のイオン導電性が低下する。その結果、サイクル特性が低下した。一方、実施例1〜5においては、活物質層の外周縁が保護テープよって被覆されていることから、活物質層において充放電反応の起こる部位端部(以下、「反応端部」という)は活物質層の外周縁よりも内側となる。反応端部と接着領域との間の距離は、実施例1〜5は、順に、2mm、4mm、3mm、2mm、2mmである。実施例3および比較例2は、ともに、保護テープの接着領域が活物質層の端部に接着している。実施例3は、活物質層の外周縁が保護テープよって被覆されていることから、反応端部と接着領域との間の距離は、3mmとなる。一方、比較例2は、活物質層の外周縁が保護テープよって被覆されていないことから、反応端部と接着領域との間の距離は、0(ゼロ)mmとなる。このように実施例1〜5は比較例2と比較して反応端部と接着領域とが離間していることから、接着材の溶出が抑制され、電解質のイオン導電性の低下が抑制される。その結果、サイクル特性が向上したためであると考えられる。
実施例2、3にあるように、好ましくは正極活物質層22を保護テープによって覆い、かつ正極活物質層22と保護テープの接着領域50aとが対向しないものがサイクル特性が最も良好であった。
実施例4、5から、保護テープの材質は、ポリプロピレン以外にポリイミドやポリフェニレンサルファイドなどの絶縁性の材料であれば、同様の効果が得られた。
なお、本実施例では、正極20、セパレータ40、負極30を交互に積層した発電要素70を作製したが、これに限ることなく、正極と負極とをセパレータを介して巻回した発電要素においても同様の効果が得られることを確認している。
そのほか、本発明は、特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
たとえば、絶縁部材50を正極20に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではない。絶縁部材50を負極30に適用し、負極30の集電体31上の活物質層32と露出部31bとの境界部33を絶縁部材50によって覆ってもよい。さらに、絶縁部材50を正極20および負極30の両方に適用することも可能である。
10 電極、
20 正極(電極)、
21 集電体、
21b 露出部、
22 活物質層、
22a 端部、
22b 一部、
23 境界部、
24 正極タブ、
30 負極、
31 集電体、
31b 露出部、
32 活物質層、
33 境界部、
34 負極タブ、
40 セパレータ、
50 絶縁部材、
50a 接着領域、
50b、50c 非接着領域、
51 接着材、
52、53 境界、
70 発電要素(積層体)、
80 外装体、
90 単電池層、
100 電池。

Claims (7)

  1. 集電体と、
    前記集電体の一部を露出させた露出部が残るように前記集電体上に形成された活物質層と、
    前記活物質層と前記露出部との境界部を覆う絶縁部材と、を有し、
    前記絶縁部材は、前記集電体に対向する面に、接着材によって形成される接着領域と、前記接着材を含まない非接着領域とを備え、
    前記絶縁部材は、前記接着領域と前記非接着領域との境界を複数備え、複数の境界のうち前記活物質層の側に最も寄っている境界が、前記境界部に一致して位置している状態で前記境界部を覆い、前記非接着領域が前記活物質層上および前記露出部上の両方に位置される、電極。
  2. 前記集電体および前記活物質層は、正極用である、請求項1に記載の電極。
  3. 請求項1または2に記載の電極をセパレータを介して積層した積層体と、前記積層体を封止する外装体と、を有する電池。
  4. 前記活物質層は、長方形状であり、前記長方形の短辺の長さは、100mm以上である、請求項3に記載の電池。
  5. 定格容量に対する前記電池の面積(前記外装体まで含めた前記電池の投影面積)の比の値は、5cm /Ah以上であり、かつ、前記定格容量は、3Ah以上である、請求項3または4に記載の電池。
  6. 矩形状の前記活物質層の縦横比として定義される前記電極のアスペクト比は、1〜3である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の電池。
  7. リチウムイオン二次電池であって、負極用の前記活物質層が、平面視において正極用の前記活物質層よりも大きい、請求項3〜6のいずれか1項に記載の電池。
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