JP6264867B2 - 水系インク用水分散体、インクジェット記録用水系インク、インクカートリッジ、画像記録装置 - Google Patents

水系インク用水分散体、インクジェット記録用水系インク、インクカートリッジ、画像記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、透明及び着色記録媒体上へのインクジェット記録に最適な水系インク用水分散体、該水分散体を含有するインクジェット記録用水系インク、該インクを容器中に収容したインクカートリッジ、及び該インクカートリッジを備えた画像記録装置に関する。
インクジェットプリンターは、低騒音、低ランニングコスト、カラー印刷が容易などの利点を有するため、デジタル信号の出力機器として一般家庭に広く普及している。
近年では、家庭用のみならず、例えばディスプレイ、ポスター、掲示板など産業用途にも利用されている。しかし、産業用途の場合、記録媒体は紙に限定されず透明なものから着色されたものまで幅広い。これらの媒体に白を表現する場合やカラーインクで着色する場合、記録媒体の透明性をインクで隠蔽したり、記録媒体の色をインクで十分に隠蔽する必要がある。そこで透明媒体や着色媒体を白色にするため白色インクが用いられている。また、カラーインクを用いる場合は、一般的な画像に用いるカラーインクと共通化するため、記録媒体にカラーインクの下地として白色インクを印字してカラーの発色を向上させている。
このような白色インクには屈折率が高く白度が出やすい酸化チタンが着色剤として用いられている。無機顔料の酸化チタンは表面がイオン性を帯びており、水と馴染みやすく、水溶性顔料分散剤の吸着を促しやすく、水性インクに用いると分散しやすい利点がある。しかし酸化チタンは水よりも比重が大きいため沈降しやすく、これを用いたインクジェットインクは粘度が小さいため沈降速度が速くなり数日で分離が進んでしまう。また白色度を出すためには顔料の平均粒径として200〜300nmが必要であり、粒径が大きいため粒子質量に対しての表面イオン性による電荷反発が少なく沈降しやすい。更に安定に分散した場合でも、電荷反発中心に分散するため、顔料粒子が最密充填で配列して沈降してしまい、ハードケーキを形成して再分散性を失わせてしまう。
特許文献1には印字濃度向上のために無機酸化物の粒子を樹脂エマルジョンに含有させた分散粒子をインクジェットインクに使用する技術が開示されている。シアン顔料と10〜20nmの微粒子の二酸化シリコンを併用しているが、白色についての効果は示されていない。また実施例で示されている10〜20nmの無機酸化物の粒子は可視領域に散乱が起こらないため、白色を示さない。
従来、白色顔料インクは白色を示すために屈折率が高い平均粒径が200〜300nmの無機粒子を用いて、水溶性高分子を分散剤として混合分散し、分散体やインクとしているが、有機顔料に比べて非常に沈降しやすく分散安定性が足りない状況である。
本発明は、着色剤として二酸化チタンを含有する、分散安定性と再分散性の高い水系インク用水分散体の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 着色剤として二酸化チタンを含有する水難溶性ビニルポリマー粒子が分散している水系インク用水分散体であって、前記水難溶性ビニルポリマー粒子の構成成分としてシリコーン成分を含むか、又は前記二酸化チタンの表面処理剤中にシリコーン成分を含み、かつ、前記水難溶性ビニルポリマーが、下記(A)〜(C)の不飽和モノマーを含むモノマー混合物を重合させたポリマーである水系インク用水分散体。
(A)芳香族ビニル化合物、下記<化学式1>の(メタ)アクリル酸エステル、及び、これらのモノマーを構成要素にした片末端に重合性官能基を有するマクロマーの少なくとも1種
<化学式1>
CH=CRCOOR
:水素又はメチル基、R:炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基又はナフチル基

(B)下記<化学式2>の(メタ)アクリル酸エステル
<化学式2>
CH=CRCOO(RO)−R
:水素又はメチル基、R:炭素数1〜4のアルキレン基、R:水素、メチル基又はフェニル基、n:1〜30

(C)塩生成基を有する不飽和モノマー
本発明によれば、着色剤として二酸化チタンを含有する、分散安定性と再分散性の高い水系インク用水分散体を提供できる。
インクカートリッジの一例を示す概略図。 図1のインクカートリッジのケースも含めた概略図。 インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。 インクジェット記録装置の本体内の構成を示す図。 シリコーン成分の有無を確認するNMRの測定例を示す図。
以下、上記本発明1)について詳しく説明する。なお、本発明1)の実施の形態には、次の2)〜7)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 前記水難溶性ビニルポリマーが、更に前記(A)〜(C)の不飽和モノマーと共重合可能な重合性不飽和モノマー(D)を含むモノマー混合物を重合させたものである1)記載の水系インク用水分散体。
3) 前記(D)の不飽和モノマーが、ジメチルシロキサン基を有する重合性不飽和モノマーから選ばれた1種以上を含有する1)又は2)記載の水系インク用水分散体。
4) 前記(D)の不飽和モノマーが、ジメチルシロキサン基を有し、片末端に重合性官能基を有するマクロマーから選ばれた1種以上を含有する1)〜3)のいずれかに記載の水系インク用水分散体。
5) 1)〜4)のいずれかに記載の水系インク用水分散体を含有するインクジェット記録用水系インク。
6) 5)記載のインクジェット記録用水系インクを容器中に収容したインクカートリッジ。
7) 6)記載のインクカートリッジを備えた画像記録装置。
本発明の水系インク用水分散体(以下、水分散体ということもある)は、着色剤として二酸化チタンを含有し、かつシリコーン成分を含む。後述するように、二酸化チタンは、水難溶性ビニルポリマー粒子(以下、ポリマー粒子ということもある)中に封入されて、及び/又は該ポリマー粒子の表面に付着した状態で水中に分散している。従来は、二酸化チタンの表面電荷を利用した親水性と水溶性顔料分散剤の吸着及び電荷反発を利用して分散させていたが、本発明では立体障害による分散効果を得ることができ、ポリマー粒子が水難溶性のため水溶性分散剤を用いた系よりもポリマー粒子の表面からの脱離が無く、分散媒の有機性が変化しても分散安定性を保つことが出来る。
また、前記水難溶性ビニルポリマーを、前記(A)〜(C)の不飽和モノマーを用いたものとすることにより、二酸化チタン粒子への吸着性と水への親和性、分散時の立体障害性を兼ね備えることが可能となる。
前記水分散体中のシリコーン成分は、前記ポリマー粒子の構成成分として含ませるか、又は二酸化チタン粒子の表面処理剤中に含ませればよい。水分散体がシリコーン成分を含む、二酸化チタン粒子とポリマー粒子との濡れ吸着性が向上し、両者間の剥離が起こりにくくなる。またシリコーン成分ポリマー粒子の構成成分として含むと、ポリマー中からシリコーン成分がブリードアウトしてしまうことが無く、安定した樹脂物性を保つことが出来る。ビニルモノマーと共重合するシリコーン成分として、ジメチルシロキサン基を有し片末端に重合性官能基を有するマクロマーを用いると、主鎖に対して側鎖がシリコーン基で、親水性立体障害基を持つ櫛形ポリマーを形成することができ、二酸化チタン粒子への吸着と分散を向上させることが出来る。
≪水分散体について≫
<二酸化チタン>
本発明は着色剤として二酸化チタンを用いることを特徴としている。インクジェット記録では塗膜を厚くすることが難しいため、少量の液量で形成された薄い塗膜で白色性を出す必要がある。そのため白度が上がりやすい条件が好ましい。したがって、二酸化チタン粒子の結晶系は、ルチル型とアナターゼ型のうち、屈折率が高く白度が上がりやすいルチル型の方が好ましい。また二酸化チタン粒子の平均一次粒径が100〜400nmであると白色性が高く、可視光の散乱特性からは、200〜300nmのとき、特に210〜250nmのとき、白度が高くなるので好ましい。このような酸化チタン粒子の製法としては硫酸法、塩素法などがあるが、特に限定されない。
また二酸化チタン粒子の表面処理についても特に限定されないが、二酸化チタン粒子の高い光触媒活性を抑制し、粒子表面に付着した水難溶性ビニルポリマーの分解を抑制するために、粒子表面をアルミナで処理したものが好ましい。
本発明では、二酸化チタン粒子と前記ポリマー粒子を付着させるとき、有機溶剤に二酸化チタン粒子を分散させるので、有機溶剤への濡れ性を高くするため、二酸化チタン粒子の表面を疎水化処理したものが好ましい。疎水化処理は、二酸化チタン粒子表面に疎水性を付与する化学構造を設ければよく、該化学構造としては、アルキル、アルキルシラン、フルオロアルキル、パーフルオロアルキル、シリコーンオイル類などが挙げられる。これらの中でも、シリコーン処理又はアルキル処理が好ましい。
疎水化処理方法としては、二酸化チタン粒子表面の二酸化チタンや、アルミナ成分、シリカ成分に対して有機官能基を共有結合する方法、樹脂を二酸化チタン粒子表面に焼き付ける方法などがある。前記有機官能基を共有結合する方法としては、オルガノシロキサン系化合物、シランカップリング剤、トリメチルシロキシケイ酸、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤を用いる方法がある。
前記オルガノシロキサン系化合物としては、トリメチルシリルクロライド、トリエチルシリルクロライド、トリイソブチルシリルクロライド、トリイソプロピルシリルクロライド、ターシャリーブチルジメチルシリルクロライド、ヘキサメチルジシラザン、ジシクロテトライソプロピルジシロキサン、クロロメチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランなどが挙げられる。
前記チタネート系カップリング剤としては、トリエトキシシリルエチルジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、トリエトキシシリルエチルジメチルシロキシエチルジメチコン、トリメトキシシロキケイ酸、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(ジアリルオキシメチルブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリ(アミドエチルアミノエチル)チタネートなどが挙げられる。
前記アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられる。
これらの反応性化合物は信越化学社、東レダウコーニング社、味の素ファインテクノ社などから入手できる。
また樹脂を二酸化チタン粒子表面に焼き付ける方法としては、ジメチルシリコーンオイルに代表される公知のシリコーンオイル等と二酸化チタン粒子とを高温度下で接触反応させる方法などが挙げられる。
上記二酸化チタン粒子は、石原産業社、堺化学工業社、テイカ社、チタン工業社、富士チタン工業社、古河ケミカルズ社、デュポン社、トロノックス社、クロノス社、ミレニアム・インオーガニック・ケミカルズ社などから入手可能であり、また疎水化処理品も同様に石原産業社、堺化学工業社、テイカ社などから入手可能である。
<着色剤>
本発明は着色剤として二酸化チタンを用いるが、他の着色剤を添加して調色することも可能である。他の着色剤をとしては、顔料、染料共に使用可能であるが、二酸化チタンの光活性が強く分解性が強いため、光褪色の面から顔料が好ましい。
前記顔料としては、有機顔料でも無機顔料でもよい。
前記無機顔料としては、例えば酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、チタンイエローカーボンブラックなどが挙げられる。これらの中でもカーボンブラックが特に好ましい。なお、カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、難溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなどが挙げられる。
前記着色剤の色は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば黒色用の着色剤、カラー用の着色剤、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。
前記カーボンブラックの市販品としては、例えば、Regal(登録商標)、Black Pearls(登録商標)、Elftex(登録商標)、Monarch(登録商標)、Mogul(登録商標)、Vulcan(登録商標)の商標でCabot Corporation社から入手できるカーボンブラックなどが挙げられる。
前記カラー用の着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、138、150、151、153、155、183、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。
その他の適切な着色顔料としては、The Color Index、第三版(The Society of Dyers and Colourists,1982)に記載されているものが挙げられる。
このような顔料はインクの調色のために必要に応じて添加することが好ましく、二酸化チタンの隠ぺい力の影響で透明感のない発色となる。
<水難溶性ビニルポリマー>
本発明で用いる水難溶性ビニルポリマーは、不飽和モノマーの重合により得られるポリマーである。重合方法はラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等のいずれでも良いが、幅広い種類の不飽和モノマーを利用できる点でラジカル重合が好ましく、共重合ポリマーの組成や分子量に幅を持っていることが傾斜素材として働き、分散特性に有利に働く点でもラジカル重合が好ましい。
本発明では前記(A)〜(C)の不飽和モノマーを用いるが、これらと共重合可能な不飽和モノマーであれば、不飽和カルボン酸類、(メタ)アクリル酸エステルモノマー類、(メタ)アクリル酸アミドモノマー類、芳香族ビニルモノマー類、ビニルシアン化合物モノマー類、ビニルモノマー類、アリル化合物モノマー類、オレフィンモノマー類、ジエンモノマー類、不飽和炭素を持つオリゴマー類などを単独で又は複数組み合わせて用いることができる。これらのモノマーを組み合わせることにより、柔軟に性質を改質することが可能であり、オリゴマー型重合開始剤を用いて重合反応、グラフト反応を行うことにより樹脂の特性を改質することもできる。
<不飽和モノマー>
本発明に用いる不飽和モノマーの具体例を以下に示す。
(A)芳香族ビニル化合物、下記<化学式1>の(メタ)アクリル酸エステル、及び、これらの不飽和モノマーを構成要素にした片末端に重合性官能基を有するマクロマーの少なくとも1種
<化学式1>
CH=CRCOOR
:水素又はメチル基、R:炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基又はナフチル基

本発明では、得られるポリマーの造膜温度やガラス転移温度(Tg)といった熱特性が水分散体の性能に影響を及ぼす。そのため複数種類の不飽和モノマーを組み合わせて熱特性を制御する必要がある。主に(A)群の不飽和モノマーを選択配合することにより、好ましい熱特性を示すポリマーとすることが出来る。
(A)群の不飽和モノマーは、二酸化チタン粒子との密着性及び印字画像の定着性の面から、全モノマー中の15〜80質量%が好ましく、25〜70質量%が特に好ましい。
(A)群の不飽和モノマーとしては、芳香族ビニル化合物として、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレンなどが挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−へキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなどが挙げられる。
更にマクロマーとしては、メタクリロイル基を持つスチレンオリゴマー、メタクリロイル基を持つスチレン−アクリロニトリルオリゴマー、メタクリロイル基を持つメチルメタクリレートオリゴマー、メタクリロイル基を持つブチルアクリレートオリゴマー、メタクリロイル基を持つイソブチルメタクリレートオリゴマー、メタクリロイル基を持つ2−エチルヘキシルメタクリレート−ヒドロキシエチルメタクリレートオリゴマーなどが挙げられる。これらのモノマーは東亞合成社から試薬として入手可能である。
(B)下記<化学式2>の(メタ)アクリル酸エステル
<化学式2>
CH=CRCOO(RO)−R
:水素又はメチル基、R:炭素数1〜4のアルキレン基、R:水素、メチル基又はフェニル基、n:1〜30
本発明では、水難溶性ビニルポリマーの親水性と水中における立体障害性が、分散体の安定性と再分散性に影響を及ぼす。親水性の度合いと水中での立体障害性は、主に(B)群の不飽和モノマーを選択して配合することにより制御できる。(B)群の不飽和モノマー由来の官能基は親水性が高いため、水溶媒に対してポリマー鎖が膨潤しやすい。立体障害の機能を利用するためには官能基鎖が適度に長いことが好ましく、繰り返し数が5〜15のポリエチレングリコール鎖やポリプロピレングリコール鎖を持つ不飽和モノマーが好ましい。
(B)群の不飽和モノマーは、分散体の分散安定性の面から、全モノマー中の5〜60質量%が好ましく、特に再分散性の面から10〜35質量%が好ましい。
(B)群の不飽和モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、ブトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングルコールアクリレート、2−エチルヘキシルジグルコールアクリレート、メトキシジプロピレングルコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレートなどが挙げられる。これらは複数混合して用いてもよい。これらのモノマーは共栄社化学社、新中村化学社、日油社などから入手可能である。
(C)塩生成基を有する不飽和モノマー
本発明で用いる塩生成基を有する不飽和モノマーは、ポリマーに親水性とイオン性を付与する機能を有しており、ポリマーの親水性と表面の電荷が水分散体の沈降速度と分散安定性に影響を及ぼす。主に(C)群の不飽和モノマーの量と中和塩の比率を制御することにより電荷状態を制御することが出来る。このような塩生成基含有不飽和モノマーとしてはアニオン性不飽和モノマーとカチオン性不飽和モノマーが好ましい。
(C)群の不飽和モノマーは、分散体の分散性向上の面から、全モノマー中の5〜40質量%が好ましく、特に分散安定性の面から10〜25質量%が好ましい。
アニオン性不飽和モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸、メタクリル酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、3−スルホ酸プロピル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸などが挙げられる。
またカチオン性不飽和モノマーとしては、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アリルアミン、ジアリルアミン、メチルジアリルアミン、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、ジアリルジメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
更に両性不飽和モノマーも使用可能であり、このような不飽和モノマーとしては2−メタクリロイロキシエチルホスホニルコリンが挙げられる。
インクに添加される樹脂エマルジョンなどの分散物はアニオン性のものが多く、インクの混和安定性の面から水分散体のイオン性はアニオン性が好ましい。そこで少量でアニオン価を上げる効果が得られるアニオン性不飽和モノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸が好ましい。またカチオン性不飽和モノマーを利用する際には、反応性の面からジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミドが好ましい。これらのモノマーは東亞合成社、共栄社化学社、日油社などから入手可能である。
(D)前記(A)、(B)、(C)と共重合可能な重合性不飽和モノマー
本発明では(D)群の不飽和モノマーを加えることにより、濡れ性の向上や、架橋構造の制御などが可能となる。
(D)群の不飽和モノマーは、分散体の熱安定性や二酸化チタン粒子への濡れ性の面から、全モノマー中の0〜30質量%が好ましく、0〜15質量%が特に好ましい。
(D)群の不飽和モノマーとしては、顔料との親和性の面から、ジメチルシロキサン基を持つ不飽和モノマーが好ましく、より好ましくはポリジメチルシロキサンの末端にアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基をもつマクロマーである。その例としては、両末端にメタクリロイル基を持つジメチルシロキサンマクロマーと片末端にメタクリロイル基を持つジメチルシロキサンマクロマーが挙げられるが、好ましくは後者(片末端)である。
ジメチルシロキサン鎖は短すぎると濡れ性を向上させる効果が少なくなるため、繰り返し数が5以上が好ましい。また、繰り返し数が80以下であれば主鎖と強い分離が起こらないが、好ましくは15以下である。このようなマクロマーは信越化学社、東亞合成社、JNC社などから入手可能である。
上記以外の不飽和モノマーも共重合可能であれば、樹脂の改質目的に添加することが出来る。ラジカル重合性以外の反応性官能基を持つ不飽和モノマーを添加することにより、ラジカル重合後に反応架橋する機能をポリマーに付与することができ、分散後に架橋反応させることができる。このようなラジカル重合以外の反応性官能基を持つ不飽和モノマーとしては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルクロライドなどが挙げられる。
また水溶性不飽和モノマーを添加することにより、ポリマーの親水性を上げることが出来る。このような不飽和モノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、ビニルピロリドンなどが挙げられる。
更にアクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン等の不飽和モノマーを用いて共重合させることによりポリマー物性を改質することも可能である。
更に共重合可能な多官能基不飽和モノマーを利用することが出来る。このような多官能不飽和モノマーを用いると、ポリマーの架橋を進めて分子量を大きくしやすく、溶解性を改質したり、架橋剤に機能性基を導入してポリマーの物性を改質することが出来る。多官能不飽和モノマーは多量に入れると架橋点が増加して、巨大な三次元架橋ポリマーとなり水や溶剤に不溶なポリマーになるため、添加量は全モノマー中の1.0質量%以下とする必要がある。
このような多官能不飽和モノマーとしては、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2′−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2′−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパントリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。これらのモノマーは東亞合成社、共栄社化学社、日油社などから入手可能である。
<反応方法>
本発明で用いる水難溶性ビニルポリマーはラジカル重合で反応させることが好ましく、反応手法として溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法などの何れを用いても構わない。この中で共重合のコントロールのしやすさから、反応条件の制御性が高い溶液重合法が好ましい。
溶液重合に用いる反応溶媒は、塩生成基含有不飽和モノマーのような極性の高い不飽和モノマーを共重合させるために、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどの極性溶媒が好ましい。これらに、水、NMP等の溶媒を混合して利用することも可能である。
重合時にはラジカル重合開始剤を用いて反応を開始する。ラジカル重合開始剤としてはアゾ化合物、有機過酸化物、過硫酸塩等の一般的な化合物を利用することができ、有機溶剤に可溶なことからアゾ化合物、有機過酸化物が好ましく、溶媒の沸点以下でレドックス反応を使用せずに反応を開始するためにはアゾ化合物が好ましい。
アゾ化合物としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−2,2′−アゾビスブチレート、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)が好ましい。
またメタノールを溶媒に用いる場合は水系用の開始剤も利用でき、ポリジメチルシロキサンユニット含有高分子アゾ重合開始剤(和光純薬社製VPS−1001)やポリエチレングリコールユニット含有高分子アゾ重合開始剤(和光純薬社製VPE−0201)を使用することにより、ポリマー鎖に官能基を導入することが出来る。
重合開始剤の使用量はモノマーの反応性や狙いとするポリマーの分子量、反応スケールにも依存し変動するが、モノマーの1〜200モル%用いることが好ましい。また、重合開始剤は単独で用いても複数混合して用いてもよい。
ラジカル重合では生成するポリマーの分子量を制御するため重合連鎖移動剤を添加しても良い。連鎖移動剤としては、チオール類、メルカプタン類、アリル化合物、四塩化炭素、α−スチレンダイマー、多環芳香族化合物、ヘテロ環状化合物等が挙げられる。
重合連鎖移動剤の使用量は狙いとするポリマーの分子量、反応スケール応じて適宜変更することができ、単独で用いても複数混合して用いてもよい。
ポリマーの重合温度は、常温以上で溶媒の沸点以下であればよいが、好ましくは40〜90℃、更に好ましくは50〜80℃である。重合温度は反応開始剤の分解性とモノマー濃度、生成ポリマーの分子量に依存して決定され、反応時間はモノマー濃度の制御に応じて変動する。
重合雰囲気はラジカルを消失させる酸素を減らす方が反応を制御しやすいため、不活性ガスで反応場を満たして酸素を脱気することが好ましい。同様にイオン化した多価金属はラジカルと好んで反応しラジカルを消失させるため、キレート剤などを用いて反応場に存在する多価金属イオン量を制御しつつ反応を行うことが好ましい。
反応容器は反応溶媒やモノマーのpH、反応温度の変動などで適宜選択可能であるが、反応系のpHが6未満の場合はガラス又はグラスライニングの反応容器を使用し、pHが6以上の場合はSUS製の反応容器を使用するとよい。
反応で得られたポリマーは、反応溶媒に溶かした状態で次工程に利用できるが、貧溶媒による再沈殿による分別や、溶媒留去によりポリマー単体を回収してもよい。また得られたポリマーは、再沈殿やクロマトグラフィ、抽出などで精製してもよい。
<二酸化チタン粒子を含有する水難溶性ビニルポリマー粒子>
本発明における二酸化チタン粒子を含有する水難溶性ビニルポリマー粒子は、ポリマー粒子中に二酸化チタン粒子を封入したものと、ポリマー粒子の表面に二酸化チタン粒子が付着したもののいずれでもよいが、通常は、一部が封入され一部が付着した状態で存在する。また、本発明の水分散体では、全ての二酸化チタン粒子が封入及び/又は付着している必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲で二酸化チタン粒子がエマルジョン中に分散していてもよい。
ポリマー粒子に二酸化チタン粒子を含有させる方法としては、二酸化チタン粒子の存在下で溶剤に溶かしたポリマーを貧溶媒に分散させ、二酸化チタン粒子表面に析出させる転相乳化法や、二酸化チタン粒子とポリマー粒子を機械的に混摩砕するメカノケミカル法が挙げられる。二酸化チタン粒子とポリマー粒子を付着させるためには、二酸化チタン粒子表面で均一に析出できる転相乳化法が好ましい。
転相乳化法では溶媒構成とポリマーの親水性によって生成する水分散体の粒径や安定性が変わってしまう。ポリマーを溶かす溶媒は水との相溶性の高い溶剤が好ましく、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤が好ましい。これらの中でもアセトン、メチルエチルケトン、ブタノール、ジブチルエーテルが好ましく、溶媒コストと転相後の溶媒除去性、ポリマー溶解性の面から、アセトン、メチルエチルケトンがより好ましい。
またポリマーの親水性は、モノマー構成と、塩生成基含有不飽和モノマーの塩生成度に応じて変化するが、本発明で用いるポリマーは、転相時に塩生成基を中和させて塩とすることにより親水性を向上させ、生成したエマルジョンを安定化させることができる。中和に用いる塩基としては、水酸化アルカリ金属類(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アミン類(アンモニア、アルキルアミン類、エタノールアミン類など)、コリン類等が挙げられ、中和に用いる酸としては、無機酸(塩酸、硫酸、硝酸、リン酸など)や、有機酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸など)が挙げられる。
転相乳化は、二酸化チタン粒子が存在する有機溶媒のポリマー溶液を水相に混合攪拌することにより行う。その際に強いせん断応力を加えることにより小さな粒子状態で乳化することが出来る。せん断応力を加える装置としては、メカニカルミキサー、超音波ミキサー、ボールミル、渦流ターボミキサー等など一般的なミキサーを使用することが出来る。これらの中でも、メンテナンス性の面で超音波ホモジナイザーが優れており、分散メディアの混入が無くポリマーの分散に効果的なマイクロフルイダイザー、小粒径への分散に効果的なボールミルが好ましい。
転相後の溶媒留去には既存の留去方法を使用できるが、留去温度を低くでき分散体の安定性を崩さない減圧蒸留や、平易な設備で留去可能な水蒸気蒸留が好ましい。留去した溶媒は回収して再利用することが望ましいため、溶解に用いる溶媒は単一種とすることが好ましい。残留溶媒は0.1質量%以下なら分散体への影響は小さいが、インクに溶媒の臭気が残らないようにするため、溶媒の種類にもよるが0.01質量%以下が好ましい。
溶媒を留去した後に得られたポリマー分散体は、遠心分離により粗大粒子を分離し、小粒径の粒子を回収して分散体として利用する。分散体の粒径はレーザー光散乱法により解析でき、マイクロトラック社製UPA EX−150や大塚電子社製ELS−Z2などで評価できる。分散体の粒径は、インクジェットのヘッドフィルターへの詰まりや付着の影響面から、粒子分布の累積90%値(D90)が1μm以下が好ましい。また、吐出曲がりの発生を抑制する上で、700nm以下が更に好ましい。また、白色性を示す上で粒子分布の累積50%値(D50)が100〜700nmが好ましく、二酸化チタン粒子の分散状態が良好である点で、200〜400nmが更に好ましい。
分散体は乾燥すると分散している樹脂が凝集して粉体化するので、乾燥抑制のため水溶性糖類やグリセリン、ポリエチレングリコールなどの湿潤剤を添加しても良い。添加する溶剤はインクに使用する溶剤が好ましい。また、カビの発生を抑制する防かび剤、腐食を抑制する防錆剤、分散状態を安定化させるための分散安定剤を添加しても良い。
≪インクジェット記録用水系インク≫
本発明のインクジェット記録用水系インク(以下、インクという)には、前記水系インク用水分散体の他に、二酸化チタン以外の色材、水溶性有機溶剤、界面活性剤、水分散性樹脂、及びその他の添加剤を適宜加えることができる。
<色材>
本発明のインクに用いる色材は、二酸化チタンであるが、他の色材を併用してもよく、染料と顔料の何れの色材も使用できる。
前記顔料としては有機顔料や無機顔料がある。また色調調整の目的で染料を併用しても構わないが、耐候性を劣化させない範囲内で使用する必要がある。
使用できる顔料としては、前記水分散体の着色剤で例示したものと同じであるが、顔料表面が水に分散可能な状態に改質されている必要がある。好ましい形態としては、顔料の表面に少なくとも1種の親水基が直接又は他の原子団を介して結合するように表面改質された自己分散型のものである。そのためには、顔料の表面に、ある特定の官能基(スルホン基やカルボキシル基等の官能基)を化学的に結合させるか、あるいは、次亜ハロゲン酸及び/又はその塩を用いて湿式酸化処理するなどの方法が用いられる。中でも好ましいのは、顔料の表面にカルボキシル基が結合され、水中に分散されている形態である。これにより分散安定性が向上し、高品位な印字品質が得られるうえに、印字後の記録媒体の耐水性がより向上する。
またこの形態のインクは、乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドのノズル付近のインクの水分が蒸発した場合でも目詰まりを起こさず、簡単なクリーニング動作で容易に良好な印字が行える。また自己分散型の顔料は、後述する界面活性剤及び浸透剤と組み合わせたときに特に相乗効果が大きく、より信頼性の高い、高品位な画像を得ることが可能となる。
上記形態の顔料に加え、二酸化チタンと同様にポリマー粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンを使用することも可能である。顔料を含有させたポリマーエマルジョンとは、ポリマー粒子中に顔料を封入したもの、及び/又はポリマー粒子の表面に顔料を吸着させたものである。この場合、全ての顔料が封入及び/又は吸着している必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲で該顔料がエマルジョン中に分散にしていてもよい。
ポリマーエマルジョンを形成するポリマーとしては、ビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー等が挙げられるが、特に好ましいのは、ビニル系ポリマーとポリエステル系ポリマーである。これらの具体例は、特開2000−53897号公報、2001−139849号公報に開示されている。
その他の形態の色材としては、顔料、顔料分散剤、及び高分子分散安定化剤を含有する顔料分散体があり、高分子分散安定化剤としては、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種が用いられる。
前記顔料分散剤としては、アニオン系界面活性剤及びHLB値10〜20のノニオン系界面活性剤のいずれかが好適である。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、NH、Na、Ca等)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(例えば、NH、Na、Ca等)、ジアルキルサクシネートスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物Na塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩(例えば、NH、Na等)、ラウリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート塩、オレイン酸塩などが挙げられる。これらの中でも、ジオクチルスルホコハク酸Na塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物Na塩、ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルスルホン酸NH塩が特に好ましい。
前記HLB値10〜20のノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、アセチレングリコールなどが挙げられる。
これらの中でも、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルが特に好ましい。
前記顔料分散剤の含有量は、顔料100質量部に対し、1〜100質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましい。前記含有量が少ないと充分に顔料を微細化することができず、多すぎると顔料に吸着していない過剰成分がインク物性に影響を与え、画像滲みや、耐水性、耐擦性の劣化を招くことになる。
前記顔料分散剤によって顔料が水中に均一に微分散した顔料分散体は、水系媒体中に前記顔料分散剤を溶解させ、次いで、前記顔料を加えて充分に湿潤させた後、ホモジナイザーによる高速撹拌、ビーズミルやボールミルのようなボールを用いた分散機、ロールミルのような剪断力を用いた混練分散機、超音波分散機等を用いる方法などで作製することができる。
本発明では顔料のみでなく、以下のような染料を併用することも可能である。これらの中で特に好ましいのは、酸性染料及び直接性染料である。
<酸性染料及び食用染料>
C.I.アシッド・イエロー 17、23、42、44、79、142
C.I.アシッド・レッド 1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289
C.I.アシッド・ブルー 9、29、45、92、249
C.I.アシッド・ブラック 1、2、7、24、26、94
C.I.フード・イエロー 2、3、4
C.I.フード・レッド 7、9、14
C.I.フード・ブラック 1、2
<直接性染料>
C.I.ダイレクト・イエロー 1、12、24、26、33、44、50、120、132、142、144、86
C.I.ダイレクト・レッド 1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227
C.I.ダイレクト・オレンジ 26、29、62、102
C.I.ダイレクト・ブルー 1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202
C.I.ダイレクト・ブラック 19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171
<塩基性染料>
C.I.ベーシック・イエロー 1、2、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、40、41、45、49、51、53、63、465、67、70、73、77、87、91
C.I.ベーシック・レッド 2、12、13、14、15、18、22、23、24、27、29、35、36、38、39、46、49、51、52、54、59、68、69、70、73、78、82、102、104、109、112
C.I.ベーシック・ブルー 1、3、5、7、9、21、22、26、35、41、45、47、54、62、65、66、67、69、75、77、78、89、92、93、105、117、120、122、124、129、137、141、147、155
C.I.ベーシック・ブラック 2、8
<反応性染料>
C.I.リアクティブ・ブラック 3、4、7、11、12、17
C.I.リアクテイブ・イエロー 1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67
C.I.リアクティブ・レッド 1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97
C.I.リアクティブ・ブルー 1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95
インク中の色材の添加量は、1〜20質量%程度が好ましく、隠蔽性を出すためには、5〜15質量%がより好ましい。含有量が5質量%以上であると、画像隠蔽性が良好でインクが記録媒体の色に負けずに発色可能である。しかし、20質量%を超えると、インクが増粘して吐出性が悪くなってしまうことがあり、更に経済的にも好ましくない。
また、平均粒径(D50)が500nm以下であれば、吐出安定性が向上し、ドットの着弾位置も向上する。しかし、平均粒径(D50)が1μmを超えると、急激に吐出安定性が低下し、ノズル詰まりやインクの曲がりが発生し易くなる。
<水溶性有機溶剤>
水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンが挙げられる。
好ましい水溶性有機溶剤としては、23℃、80%環境中の平衡水分量が30質量%以上の多価アルコール類が挙げられる。その具体例としては、1,2,3−ブタントリオール(38質量%)、1,2,4−ブタントリオール(41質量%)、グリセリン(49質量%)、ジグリセリン(38質量%)、トリエチレングリコール(39質量%)、テトラエチレングリコール(37質量%)、ジエチレングリコール(43質量%)、1,3−ブタンジオール(35質量%)等が挙げられる。中でもグリセリン、1,3−ブタンジオールは水分を含んだ場合に低粘度化することができるため特に好適に用いられる。
水溶性有機溶剤のインク中の含有量は20〜50質量%程度が好ましい。20質量%以上であれば、吐出安定性確保やインク吐出装置の維持装置での廃インク固着防止に優れるため好ましい。しかし、50質量%を超えて添加するとインクの液性が有機性に寄ってしまい、水難溶性ビニルポリマーの溶解が起こって樹脂成分が膨潤する。そのため分散体が凝集し、粒径の増加やヘッド内流路への吸着が起こり吐出不良を引き起こす。
また、必要に応じて平衡水分量が30質量%未満の水溶性有機溶剤を併用してもよい。その例としては、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、環状エーテル類、アミン類、アミド類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他の水溶性有機溶剤などが挙げられる。
前記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、3−メチル−1,3−ヘキサンジオール、プロピルプロピレンジグリコールなどが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記環状エーテル類としては、エポキシ類、オキセタン類、テトラヒドロフラン類、テトラヒドロピラン類、クラウンエーテル等が挙げられる。本発明としてはオキセタン類、テトラヒドロフラン類が好ましく、水溶性の面からオキセタン類が望ましい。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、3−アミノプロピルジエチルアミンなどが挙げられる。
前記アミド化合物類としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、β−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドもアミド化合物として存在するが、有害性が高く使用することは好ましくない。アミド化合物は染料を可溶化する作用を持ち、インク乾燥時の結晶析出を抑制する効果がある。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジグリコールなどが挙げられる。
このような水溶性有機溶剤はインクに対して0〜30質量%添加することが好ましい。
<界面活性剤>
前記界面活性剤には、前記色材の種類や湿潤剤の組み合わせに応じて、分散安定性を損なわず、表面張力が低く、浸透性、レベリング性の高いものを用いる。例えばアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤が特に好ましい。
これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16のものが好ましく、4〜16のものがより好ましい。炭素数が2未満では、フッ素の効果が得られないことがあり、16を超えると、インク保存性などの問題が生じることがある。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物、などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少なく、特に好ましい。
更に好ましくは、下記一般式1又は一般式2で表されるフッ素系界面活性剤である。
〔一般式1〕
CFCF(CFCF−CHCHO(CHCHO)
上記式中、mは1〜10の整数を表し、nは1〜40の整数を表す。
また、前記一般式1で表される化合物において、ポリオキシエチレン基[(CHCHO)部分]の分子量(MWEO)とフルオロアルキル基(C2n+1部分及びC2m+1部分)の分子量(MW)とは、界面活性剤としての機能及び水への溶解性バランス等の理由により、式:MWEO/MW=2.2〜10の関係を満たすことが好ましい。
〔一般式2〕
2n+1−CHCH(OH)CH−O−(CHCHO)−Y
上記式中、nは2〜6の整数であり、aは15〜50の整数であり、Yは−C2b+1(bは11〜19の整数である)、又は−CHCH(OH)CH−C2d+1(dは2〜6の整数である)を表す。
前記一般式2で表される化合物の好ましい例としては、表面張力を下げる能力が高く浸透性が高い等の理由により、次の式(a)〜式(v)の化合物が挙げられる。
(a):C−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)21−C1225(b):C−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)25−C1225(c):C−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)30−C1225(d):C−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)20−C1429(e):C−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)30−C1429(f):C−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)20−C1633(g):C−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)23−C1633(h):C−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)25−C1633(i):C−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)30−C1633(j):C−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)40−C1633(k):C−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)20−C1837(l):C−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)30−C1837(m):C−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)40−C1837(n):C−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)23−CHCH(OH)CH−C(o):C−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)35−CHCH(OH)CH−C(p):C−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)45−CHCH(OH)CH−C(q):C13−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)21−C1225(r):C13−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)25−C1225(s):C13−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)30−C1225(t):C13−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)23−CHCH(OH)CH−C13(u):C13−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)35−CHCH(OH)CH−C13(v):C13−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)45−CHCH(OH)CH−C13
これらの中でも、有機溶剤と相溶性が良好な前記式(a)〜(c)、及び前記式(n)〜(v)の化合物が特に好ましい。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩などが挙げられる。
これらのフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、例えば、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、DIC社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、ネオス社製)、ポリフォックスPF−151N(オムノバ社製)などが挙げられる。これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する均染性が著しく向上する点から、DuPont社製のFS−300、ネオス社製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、及びオムノバ社製のポリフォックスPF−151Nが特に好ましい。
前記フッ素系界面活性剤の好適な具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
(1)アニオン系フッ素系界面活性剤
Figure 0006264867
上記式中、Rfは、下記式で表されるフッ素含有疎水基の混合物を表す。Aは、SOX、COOX、又はPOX(ただし、Xは対アニオンであり、具体的には、水素原子、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、又はNH(CHCHOH)が挙げられる)を表す。
Figure 0006264867
Figure 0006264867
上記式中、Rf′は、下記式で表されるフッ素含有基を表す。Xは、上記と同じ意味を表す。nは1又は2の整数、mは2−nを表す。
Figure 0006264867
上記式中、nは3〜10の整数を表す。
Figure 0006264867
上記式中、Rf′及びXは、上記と同じ意味を表す。
Figure 0006264867
上記式中、Rf′及びXは、上記と同じ意味を表す。
(2)ノニオン系フッ素系界面活性剤
Figure 0006264867
上記式中、Rfは、上記と同じ意味を表す。nは5〜20の整数を表す。
Figure 0006264867
上記式中、Rf′は、上記と同じ意味を表す。nは1〜40の整数を表す。
(3)両性フッ素系界面活性剤
Figure 0006264867
上記式中、Rfは、上記と同じ意味を表す。
(4)オリゴマー型フッ素系界面活性剤
Figure 0006264867
上記式中、Rf″は、下記式で表されるフッ素含有基を表す。nは1〜10の整数を表す。Xは、上記と同じ意味を表す。
Figure 0006264867
上記式中、nは1〜4の整数を表す。
Figure 0006264867
上記式中、Rf″は、上記と同じ意味を表わす。lは0〜10の整数、mは0〜10の整数、nは0〜10の整数を表わす。
前記シリコーン系界面活性剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高pHでも分解しないものが好ましい。その例としては、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。中でも変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、ビックケミー社、信越シリコーン社、東レ・ダウコーニング・シリコーン社などから容易に入手できる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式で表されるポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物などが挙げられる。
Figure 0006264867
上記式中、m、n、a、及びbは1以上の整数を表し、R及びR′はアルキル基、アルキレン基を表す。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(いずれも、信越化学工業社製)などが挙げられる。
前記アセチレングリコール系界面活性剤又はアセチレンアルコール系界面活性剤としては、下記一般式3又は下記一般式4で表される化合物が好ましい。具体例としては下記式(5)の化合物が挙げられる。

〔一般式3〕
Figure 0006264867
上記式中、m又はnは、1以上の整数を表す。

〔一般式4〕
Figure 0006264867
上記式中、R1及びR2は、アルキル基を表す。

〔式5〕
Figure 0006264867
前記アセチレングリコール系界面活性剤又はアセチレンアルコール系界面活性剤としては、市販品を用いることができる。その例としては、ダイノール604、ダイノール607(エアプロダクツ・アンド・ケミカルズ社製);サーフィノール104、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノールSE(日信化学工業社製);オルフィンE1004、オルフィンE1010、オルフィンEXP.4001、オルフィンEXP.4200、オルフィンEXP.4051F、オルフィンEXP.4123(日信化学工業社製)などが挙げられる。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどが挙げられる。
前記界面活性剤のインク中の含有量は、0.01〜3.0質量%が好ましく、0.5〜2.0質量%がより好ましい。含有量が0.01質量%以上であれば、界面活性剤の添加効果がインク物性に表れる。またインクジェットヘッドのノズル面はノズル孔のメニスカスを保持するためにインクとノズル面との間で界面を保持しているが、界面活性剤濃度が3.0質量%まではメニスカスを均一に保持することが出来る。
<水分散性樹脂>
前記水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えたものが、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。
前記水分散性樹脂の例としては、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。これらの中でも、ポリウレタン樹脂微粒子、アクリル−シリコーン樹脂微粒子及びフッ素系樹脂微粒子が特に好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
このような水分散性樹脂は、ホモポリマーとして使用しても、コポリマーとして使用してもよく、単相構造型、コアシェル型、及びパワーフィード型エマルジョンのいずれのものも使用できる。
本発明のインクは、ポスターや看板など屋外向けの用途にも使用できることを目指しているので、長期耐候性に優れた塗膜を必要としており、塗膜強度面からポリウレタン樹脂微粒子を用いることが好ましく、更に、耐水性、耐熱性、耐摩耗性、耐候性に優れているポリカーボネート系ウレタン樹脂が好ましい。また、耐光性を求められることも多いため、ポリウレタンの合成に用いるイソシアネート化合物として脂肪族又は脂環式ジイソシアネートを使用することが好ましい。
更に、ポリカーボネート系ウレタン樹脂の合成には、少なくとも1種の脂環式ジイソシアネートを用いることが好ましい。該樹脂が、脂環式ジイソシアネートに由来する構造を有する場合には、耐擦過性及び耐エタノール性が一層向上する。特にイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが好ましい。また、脂環式ジイソシアネートの割合は全イソシアネート化合物中の60質量%以上が好ましい。
本発明のインクにおいて、ポリカーボネート系ウレタン樹脂微粒子は水性媒体中に分散された樹脂エマルジョンの形態で添加される。該樹脂エマルジョン中の樹脂固形分は20質量%以上が好ましい。20%質量以上であれば、インク化する際の処方設計に問題は生じない。また、前記ウレタン樹脂微粒子の体積平均粒径は、インク化した際の液保存安定性及び吐出安定性の観点から、10〜350nmの範囲にあることが望ましい。
また、前記ウレタン樹脂微粒子を水性媒体中に分散させるにあたり、分散剤を利用した強制乳化型のものを用いることもできるが、塗膜に分散剤が残り強度を下げることがあるため、分子構造中にアニオン性基を有する、いわゆる自己乳化型のものが好ましい。その場合、アニオン性基を酸価が20〜100となる割合で有することが、優れた耐擦過性や耐薬品性を付与する上で好ましい。
このようなウレタン樹脂微粒子は、従来公知の製造方法により得ることができる。
またポリカーボネート系ウレタン樹脂微粒子を用いると高い耐熱性を有することから、印字後に加熱乾燥を行って残留溶剤を低減させ接着性を向上させることが出来る。ポリカーボネート系ウレタン樹脂微粒子の最低造膜温度は必ずしも室温以下でなくても良いが、加熱乾燥を行う場合には、少なくとも印字後に加熱する温度以下であることが望ましく、特に加熱温度よりも十分に低いことが望ましい。例えば、加熱温度が60℃の場合には、樹脂の最低造膜温度は0℃〜55℃の範囲が好ましく、25℃〜55℃の範囲がより好ましい。一般に、最低造膜温度は低い方が造膜性に優れるが、最低造膜温度が低すぎると、樹脂のガラス転移点も低くなり、十分な塗膜強度が得られない。
また、本発明で用いるポリカーボネート系ウレタン樹脂微粒子は、塗膜を形成したときの表面硬度が100N/mm以上であることが好ましい。この条件を満たすと、インクが強靭な塗膜を形成し、より強い耐擦過性が得られる。
このような水分散性樹脂のインク中の添加量は、固形分換算で0.5〜10質量%が好ましく、より好ましくは1〜8質量%であり、更に好ましくは3〜8質量%である。添加量が0.5質量%以上であれば、顔料に対して十分に塗膜が形成され必要とする画像堅牢性が得られる。また、添加量が10質量%以下であれば、粘度が高くなりすぎて吐出が困難となるようなことはない。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、必要に応じて添加する、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ぺンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム等が挙げられる。
前記防錆剤としては、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコ−ル酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリト−ル、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば、任意の物質を使用できる。その例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、第4級アンモニウム水酸化物やジエタノールアミン、トリエタノ−ルアミン等のアミン、水酸化アンモニウム、第4級ホスホニウム水酸化物等が挙げられる。
本発明のインクは前記構成成分を水性媒体中に溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して作製する。攪拌混合は、例えば通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、液流を用いたスタティックミキサー、超音波ホモミキサー、高速回転のミキサー型分散機等で行なうことができる。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、本発明のインクを容器中に収容し、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有する。
前記容器としては特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋を少なくとも有するもの、などが好適である。
インクカートリッジについて、図1及び図2を参照して説明する。図1は、インクカートリッジの一例を示す概略図であり、図2は、図1のインクカートリッジのケースも含めた概略図である。
インクはインク注入口242からインク袋241内に充填し、排気した後、該インク注入口242を融着により閉じる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置にインクを供給する。インク袋241は、透気性の無いアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチック製のカートリッジケース244内に収容され、インクカートリッジ201として、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。このインクカートリッジは、インクを収容し、後述するインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
−画像記録装置−
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種画像記録装置、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機などに好適に使用することができる。
以下、実施例でも用いたインクジェット記録装置について概要を説明する。
図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体(101)と、装置本体(101)に装着した用紙を装填するための給紙トレイ(102)と、装置本体(101)に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ(103)と、インクカートリッジ装填部(104)とを有する。インクカートリッジ装填部(104)の上面には操作キーや表示器などの操作部(105)が配置されている。インクカートリッジ装填部(104)は、インクカートリッジ(200)の脱着を行うための開閉可能な前カバー(115)を有している。(111)は上カバー、(112)は前カバーの前面である。
装置本体(101)内には、図4に示すように、左右の側板(不図示)に横架したガイド部材であるガイドロッド(131)とステー(132)とで、キャリッジ(133)を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって移動走査する。
キャリッジ(133)には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド(134)の複数のインク吐出口を、主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド(134)を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどが使用できる。
また、キャリッジ(133)には、記録ヘッド(134)に各色のインクを供給するための各色のサブタンク(135)を搭載している。サブタンク(135)には、インク供給チューブ(不図示)を介して、インクカートリッジ装填部(104)に装填されたインクカートリッジ(200)から、インクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ(102)の用紙積載部(圧板)(141)上に積載した用紙(142)を給紙するための給紙部として、用紙積載部(141)から用紙(142)を1枚づつ分離給送する半月コロ〔給紙コロ(143)〕、及び給紙コロ(143)に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド(144)を備え、この分離パッド(144)は給紙コロ(143)側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙(142)を記録ヘッド(134)の下方側で搬送するための搬送部として、用紙(142)を静電吸着して搬送するための搬送ベルト(151)と、給紙部からガイド(145)を介して送られる用紙(142)を搬送ベルト(151)との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ(152)と、略鉛直上方に送られる用紙(142)を略90°方向転換させて搬送ベルト(151)上に倣わせるための搬送ガイド(153)と、押さえ部材(154)で搬送ベルト(151)側に付勢された先端加圧コロ(155)とが備えられ、また、搬送ベルト(151)表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ(156)が備えられている。
搬送ベルト(151)は無端状ベルトであり、搬送ローラ(157)とテンションローラ(158)との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト(151)は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト(151)の裏側には、記録ヘッド(134)による印写領域に対応してガイド部材(161)が配置されている。なお、記録ヘッド(134)で記録された用紙(142)を排紙するための排紙部として、搬送ベルト(151)から用紙(142)を分離するための分離爪(171)と、排紙ローラ(172)及び排紙コロ(173)とが備えられており、排紙ローラ(172)の下方に排紙トレイ(103)が配されている。
装置本体(101)の背面部には、両面給紙ユニット(181)が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット(181)は、搬送ベルト(151)の逆方向回転で戻される用紙(142)を取り込んで反転させて再度、カウンタローラ(152)と搬送ベルト(151)との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット(181)の上面には手差し給紙部(182)が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙(142)が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙(142)は、ガイド(145)で案内され、搬送ベルト(151)とカウンタローラ(152)との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド(153)で案内されて先端加圧コロ(155)で搬送ベルト(151)に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ(156)によって搬送ベルト(157)が帯電されており、用紙(142)は、搬送ベルト(151)に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ(133)を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド(134)を駆動することにより、停止している用紙(142)にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙(142)を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙(142)の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙(142)を排紙トレイ(103)に排紙する。
そして、サブタンク(135)内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ(200)から所要量のインクがサブタンク(135)に補給される。
このインクジェット記録装置においては、インクカートリッジ(200)中のインクを使い切ったときには、インクカートリッジ(200)における筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。また、インクカートリッジ(200)は、縦置きで前面装填構成としても、安定したインクの供給を行うことができる。したがって、装置本体(101)の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納したり、あるいは装置本体(101)の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ(200)の交換を容易に行うことができる。
なお、ここでは、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」は特に断りのない限り「質量部」及び「質量%」である。
ポリマーの質量平均分子量の測定には、東ソー社製HLC−8320GPCを使用し、カラムは東ソー社製TSL−GEL α−M×1本を使用し、溶媒は、NMPにリチウムブロマイドを10mmol/Lになるように溶解させた液を使用し、カラム温度40℃、流速0.5mL/minで、標準物質としてポリスチレンを用いて測定を行った。
顔料分散体及び樹脂エマルジョンの粒径測定は、マイクロトラックUPA−EX150により、固形分が0.01%となるように純水で希釈して行い、計算パラメーターに二酸化チタンを用いた分散体の場合は屈折率2.71、有機顔料を用いた分散体の場合は屈折率1.6を用いて粒径を測定した。
顔料分散体及び樹脂エマルジョンに含まれるシリコーン成分の有無は、以下の方法で評価した。顔料分散体及び樹脂エマルジョンを日立ハイテクノロジーズ社製GX−150、ローター:S150AT(アングル型、Kファクタ:6)により、20℃、150000rpm×1時間、遠心分離処理を行い、沈殿成分を回収した。該沈殿成分を乳鉢で粉砕した後、真空乾燥機により減圧条件下、50℃で24時間乾燥させ、メチルエチルケトンを用いてソックスレー抽出を行い樹脂成分を抽出した。得られた溶液を0.1μmPTFEフィルターで濾過した後、ロータリーエバポレータで乾固させ、この分離物をシリコーン成分評価サンプルとした。このサンプルをTHF−Dに溶解させ、テトラメチルシランを標準物質として、400MHz、積算回数128回でH−NMRを測定し、ケミカルシフト3〜4ppm vs TMSのピークの有無から、ピーク有りの場合にシリコーン化合物含有と確認した。測定例を図5に示す。
実施例1
<ポリマーaの調製>
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、メチルメタクリレート10.0g、スチレン5.0g、スチレンマクロマー(東亞合成社製AS−6S)5.0g、メチルメタクリレートマクロマー(東亞合成社製AA−6)5.0g、シリコーンマクロマー(JNC社製FM−0711)2.5g、ポリオキシプロピレンメタクリレート(日油社製ブレンマーPP−800)2.5g、フェノキシポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメタクリレート(日油社製ブレンマー43PAPE−600B)10.0g、メルカプトエタノール0.1g、及びメチルエチルケトン30.0gを混合し、75℃に昇温した。
次にメチルメタクリレート80.0g、スチレン40.0g、スチレンマクロマー45.0g、メチルメタクリレートマクロマー45.0g、シリコーンマクロマー22.5g、メタクリル酸80.0g、ポリオキシプロピレンメタクリレート20.0g、フェノキシポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメタクリレート80.0g、メルカプトエタノール0.5g、2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製V65)4.0g及びメチルエチルケトン150.0gの混合溶液を3時間かけて、フラスコ内に滴下した。
更にメチルメタクリレート10.0g、スチレン5.0g、メタクリル酸20.0g、ポリオキシプロピレンメタクリレート2.5g、フェノキシポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメタクリレート10.0g、メルカプトエタノール1.0g、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0g及びメチルエチルケトン50.0gの混合溶液を2時間かけて、フラスコ内に滴下した。その後、2時間攪拌を行った。
更に2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.75g及びメチルエチルケトン30.0gの混合溶液をフラスコ内に加えて1時間攪拌し、85℃に昇温した後、2時間攪拌を行ってポリマーa溶液を得た。
このポリマーa溶液をロータリーエバポレータで減圧乾燥してメチルエチルケトンを蒸発させ、約500gのポリマーaを得た。ポリマーaの平均分子量は180000であった。
<二酸化チタン含有ポリマー微粒子水分散体Aの調製>
14.0gのポリマーaをメチルエチルケトン28.0gに溶解させ、二酸化チタン(石原産業社製PC−3、一次粒径210nm、ルチル型、シロキサン処理品)14.0gを混合し、氷浴下、日本精機製作所製エクセルオートホモジナイザーにより5000rpmで30分間攪拌して均一な状態まで分散した。その後、氷浴下において、エクセルオートホモジナイザーにより2000rpmで攪拌しながら0.5Nの水酸化カリウム水溶液28.0gを10分間掛けて加え、徐々に回転数を上げていき10000rpmで30分間攪拌を行った。得られた顔料分散液を水冷しながら日本精機製作所製超音波ホモジナイザーUS−300T(チップφ26)により200μAで1時間処理し、アドバンスドナノテクノロジー製ナノメーカーを用いて100MPaの圧力で20パス分散処理を行った。その後、高純水300.0gを加え、減圧下60℃でメチルエチルケトンを水と共に留去させ、5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)で濾過し、固形分30%の二酸化チタン含有ポリマー微粒子水分散体Aを得た。平均粒径(d50)は473nmであった。
実施例2
<二酸化チタン含有ポリマー微粒子水分散体Bの調製>
14.0gのポリマーaをメチルエチルケトン28.0gに溶解させ、二酸化チタン(石原産業社製PF−691、一次粒径210nm、ルチル型、シロキサン処理品)14.0gを混合し、氷浴下、日本精機製作所製エクセルオートホモジナイザーにより5000rpmで30分間攪拌して均一な状態まで分散した。その後、氷浴下において、エクセルオートホモジナイザーにより2000rpmで攪拌しながら0.5Nの水酸化カリウム水溶液28.0gを10分間掛けて加え、徐々に回転数を上げていき10000rpmで30分間攪拌を行った。得られた顔料分散液を水冷しながら日本精機製作所製超音波ホモジナイザーUS−300T(チップφ26)により200μAで1時間処理し、アドバンスドナノテクノロジー製ナノメーカーを用いて100MPaの圧力で20パス分散処理を行った。その後、高純水300.0gを加え、減圧下60℃でメチルエチルケトンを水と共に留去させ、5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)で濾過し、固形分30%の二酸化チタン含有ポリマー微粒子水分散体Bを得た。平均粒径(d50)は501nmであった。
実施例3
<ポリマーbの調製>
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、メチルメタクリレート15.0g、メチルメタクリレートマクロマー(東亞合成社製AA−6)7.5g、ポリエーテルシリコーンマクロマー(信越化学社製X−22−1602)2.5g、ポリオキシプロピレンメタクリレート(日油社製ブレンマーPP−800)5.0g、フェノキシポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメタクリレート(日油社製ブレンマー43PAPE−600B)10.0g、メルカプトエタノール0.1g、及びメチルエチルケトン30.0gを混合し、75℃に昇温した。
次にメチルメタクリレート120.0g、メチルメタクリレートマクロマー67.5g、ポリオキシプロピレンシリコーンマクロマー22.5g、メタクリル酸80.0g、ポリオキシプロピレンメタクリレート40.0g、フェノキシポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメタクリレート80.0g、メルカプトエタノール0.5g、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製V65)4.0g及びメチルエチルケトン150.0gの混合溶液を3時間かけて、フラスコ内に滴下した。
更にメチルメタクリレート15.0g、メタクリル酸20.0g、ポリオキシプロピレンメタクリレート5.0g、フェノキシポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメタクリレート10.0g、メルカプトエタノール1.0g、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0g及びメチルエチルケトン50.0gの混合溶液を2時間かけて、フラスコ内に滴下した。その後、2時間攪拌を行った。
更に2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.75g及びメチルエチルケトン30.0gの混合溶液をフラスコ内に加えて1時間攪拌し、85℃に昇温した後、2時間攪拌を行ってポリマーb溶液を得た。
このポリマーb溶液をロータリーエバポレータで減圧乾燥してメチルエチルケトンを蒸発させ、約500gのポリマーbを得た。ポリマーbの平均分子量は200000であった。
<二酸化チタン含有ポリマー微粒子水分散体Cの調製>
14.0gのポリマーbをメチルエチルケトン28.0gに溶解させ、二酸化チタン(堺化学工業社製R−39、一次粒径230nm、ルチル型、オルガノシラン処理品)14.0gを混合し、氷浴下、日本精機製作所製エクセルオートホモジナイザーにより5000rpmで30分間攪拌して均一な状態まで分散した。その後、氷浴下において、エクセルオートホモジナイザーにより2000rpmで攪拌しながら0.5Nの水酸化カリウム水溶液28.0gを10分間掛けて加え、徐々に回転数を上げていき10000rpmで30分間攪拌を行った。得られた顔料分散液を水冷しながら日本精機製作所製超音波ホモジナイザーUS−300T(チップφ26)により200μAで1時間処理し、アドバンスドナノテクノロジー製ナノメーカーを用いて100MPaの圧力で20パス分散処理を行った。
その後、高純水300.0gを加え、減圧下60℃でメチルエチルケトンを水と共に留去させ、5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)で濾過し、固形分30%の二酸化チタン含有ポリマー微粒子水分散体Cを得た。平均粒径(d50)は487nmであった。
実施例4
<二酸化チタン含有ポリマー微粒子水分散体Dの調製>
14.0gのポリマーbをメチルエチルケトン28.0gに溶解させ、二酸化チタン(石原産業社製CR−50、一次粒径250nm、ルチル型、Al処理品)14.0gを混合し、氷浴下、日本精機製作所製エクセルオートホモジナイザーにより5000rpmで30分間攪拌して均一な状態まで分散した。その後、氷浴下において、エクセルオートホモジナイザーにより2000rpmで攪拌しながら0.5Nの水酸化カリウム水溶液28.0gを10分間掛けて加え、徐々に回転数を上げていき10000rpmで30分間攪拌を行った。得られた顔料分散液を水冷しながら日本精機製作所製超音波ホモジナイザーUS−300T(チップφ26)により200μAで1時間処理し、アドバンスドナノテクノロジー製ナノメーカーを用いて100MPaの圧力で20パス分散処理を行った。
その後、高純水300.0gを加え、減圧下60℃でメチルエチルケトンを水と共に留去させ、5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)で濾過し、固形分30%の二酸化チタン含有ポリマー微粒子水分散体Dを得た。平均粒径(d50)は482nmであった。
実施例5
<ポリマーcの調製>
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、ステアリルメタクリレート5.0g、メチルメタクリレート7.50g、スチレン5.0g、スチレンマクロマー(東亞合成社製AS−6S)5.0g、メチルメタクリレートマクロマー(東亞合成社製AA−6)5.0g、ポリオキシプロピレンメタクリレート(日油社製ブレンマーPP−800)7.5g、フェノキシポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメタクリレート(日油社製ブレンマー43PAPE−600B)7.5g、メルカプトエタノール0.1g、及びメチルエチルケトン30.0gを混合し、75℃に昇温した。
次にステアリルメタクリレート40.0g、メチルメタクリレート60.0g、スチレン40.0g、スチレンマクロマー45.0g、メチルメタクリレートマクロマー45.0g、メタクリル酸60.0g、ポリオキシプロピレンメタクリレート60.0g、フェノキシポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメタクリレート60.0g、メルカプトエタノール0.5g、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製V65)4.0g及びメチルエチルケトン150.0gの混合溶液を3時間かけて、フラスコ内に滴下した。
更にステアリルメタクリレート5.0g、メチルメタクリレート7.5g、スチレン5.0g、メタクリル酸15.0g、ポリオキシプロピレンメタクリレート7.5g、フェノキシポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメタクリレート7.5g、メルカプトエタノール1.0g、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.0g及びメチルエチルケトン50.0gの混合溶液を2時間かけて、フラスコ内に滴下した。その後、2時間攪拌を行った。
更に2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.75g及びメチルエチルケトン30.0gの混合溶液をフラスコ内に加えて1時間攪拌し、85℃に昇温した後、2時間攪拌を行ってポリマーc溶液を得た。
このポリマーc溶液をロータリーエバポレータで減圧乾燥してメチルエチルケトンを蒸発させ、約500gのポリマーcを得た。ポリマーcの平均分子量は160000であった。
<二酸化チタン含有ポリマー微粒子水分散体Eの調製>
14.0gのポリマーcをメチルエチルケトン28.0gに溶解させ、二酸化チタン(堺化学工業社製R−39、一次粒径230nm、ルチル型、オルガノシラン処理品)14.0gを混合し、氷浴下、日本精機製作所製エクセルオートホモジナイザーにより5000rpmで30分間攪拌して均一な状態まで分散した。その後、氷浴下において、エクセルオートホモジナイザーにより2000rpmで攪拌しながら0.5Nの水酸化カリウム水溶液28.0gを10分間掛けて加え、徐々に回転数を上げていき10000rpmで30分間攪拌を行った。得られた顔料分散液を水冷しながら日本精機製作所製超音波ホモジナイザーUS−300T(チップφ26)により200μAで1時間処理し、アドバンスドナノテクノロジー製ナノメーカーを用いて100MPaの圧力で20パス分散処理を行った。
その後、高純水300.0gを加え、減圧下60℃でメチルエチルケトンを水と共に留去させ、5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)で濾過し、固形分30%の二酸化チタン含有ポリマー微粒子水分散体Eを得た。平均粒径(d50)は455nmであった。
比較例1
<二酸化チタン含有ポリマー微粒子水分散体Fの調製>
14.0gのポリマーcをメチルエチルケトン28.0gに溶解させ、二酸化チタン(石原産業社製CR−50、一次粒径250nm、ルチル型、Al処理品)14.0gを混合し、氷浴下、日本精機製作所製エクセルオートホモジナイザーにより5000rpmで30分間攪拌して塊のない状態まで分散した。その後、氷浴下においてエクセルオートホモジナイザーにより2000rpmで攪拌しながら0.5Nの水酸化カリウム水溶液28.0gを10分間掛けて加え、徐々に回転数を上げていき10000rpmで30分間攪拌を行った。得られた顔料分散液を水冷しながら日本精機製作所製超音波ホモジナイザーUS−300T(チップφ26)により200μAで1時間処理し、アドバンスドナノテクノロジー製ナノメーカーを用いて100MPaの圧力で20パス分散処理を行った。
その後、高純水300.0gを加え、減圧下60℃でメチルエチルケトンを水と共に留去させた。5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)で濾過が出来なかったため濾過を行わず、固形分30%の二酸化チタン含有ポリマー微粒子水分散体Fを得た。平均粒径(d50)は2052nmであった。
比較例2
<シリカ含有ポリマー微粒子水分散体Gの調製>
14.0gのポリマーbを疎水性シリカ(日産化学工業社製MEK−ST、平均粒径10〜20nm、メチルエチルケトン70%含有)45.0gと混合し、30分間攪拌して溶解させ均一な状態とした。その後、氷浴下において、エクセルオートホモジナイザーにより2000rpmで攪拌しながら0.5Nの水酸化カリウム水溶液28.0gを10分間掛けて加え、徐々に回転数を上げていき10000rpmで30分間攪拌を行った。
得られた顔料分散液を水冷しながら日本精機製作所製超音波ホモジナイザーUS−300T(チップφ26)により200μAで1時間処理し、アドバンスドナノテクノロジー製ナノメーカーを用いて100MPaの圧力で5パス分散処理を行った。
その後、高純水300.0gを加え、減圧下60℃でメチルエチルケトンを水と共に留去させ、5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)で濾過し、固形分30%のシリカ含有ポリマー微粒子水分散体Gを得た。平均粒径(d50)は102nmであった。
比較例3
<白色有機顔料含有ポリマー微粒子水分散体Hの調製>
14.0gのポリマーaをメチルエチルケトン28.0gに溶解させ、白色有機顔料(ハッコールケミカル社製ShigenoxOWP)14.0gを混合し、氷浴下、日本精機製作所製エクセルオートホモジナイザーにより5000rpmで30分間攪拌して塊のない状態まで分散した。その後、氷浴下において、エクセルオートホモジナイザーにより2000rpmで攪拌しながら0.5Nの水酸化カリウム水溶液28.0gを10分間掛けて加え、徐々に回転数を上げていき10000rpmで30分間攪拌を行った。
得られた顔料分散液をシンマルエンタープライゼス社製DYNO−Milマルチラボ型にメディア粒子として粒径2ミリのジルコニアビーズを用いて、ビーズ充填率70体積%、撹拌翼周速8m/s、バッチ処理で30分間処理し、アドバンスドナノテクノロジー社製ナノメーカーを用いて100MPaの圧力で20パス分散処理を行った。
その後、高純水300.0gを加え、減圧下60℃でメチルエチルケトンを水と共に留去させ、5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)で濾過し、固形分30%の白色有機顔料含有ポリマー微粒子水分散体Hを得た。平均粒径(d50)は551nmであった。
比較例4
<二酸化チタン水分散体I調製>
高純水30.8g、分散剤(ビックケミー社製DISPERBYK−190)1.2gを入れ軽く撹拌して均一化した後、二酸化チタン(堺化学工業社製GTR−100、一次粒径260nm、ルチル型、水分散用有機処理品)12.0gを加え、水冷しながら日本精機製作所製超音波ホモジナイザーUS−300T(チップφ26)により200μAで1時間処理し、5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)で濾過して、固形分30%の二酸化チタン水分散体Iを得た。平均粒径(d50)は352nmであった。
実施例6〜10、比較例5〜8
<ウレタン樹脂エマルジョンの調製>
攪拌機、還流冷却管及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートの反応生成物)1500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g及びN−メチルピロリドン(NMP)1347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。
次いで、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを1445g、ジブチルスズジラウリレート(触媒)を2.6g加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。
次いで、反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加・混合したものの中から4340gを抜き出して、強攪拌しつつ水5400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。
次いで、氷1500gを投入し、35%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30%となるように溶媒を留去して、ウレタン樹脂エマルジョンを得た。
このエマルジョンをスライドガラス上に膜厚10μmとなるように塗布し、100℃30分で乾燥して樹脂フィルムを成形した。そして、微小表面硬度計(FISCHERSCOPE HM2000、フィッシャー社製)を用い、ビッカース圧子を9.8mNの荷重をかけて押し込んだ際のマルテンス硬度を測定した結果、120N/mmであった。
<インクの調製>
2,3−ブタンジオール15%、1,3−プロパンジオール10%、ゾニールFS−300(Dupont社製)1%、Proxel GXL(アーチケミカルズ社製)0.3%、トリエタノールアミン0.2%、高純水6.8%をスターラーにより15分間攪拌して均一に混合した。この混合液に対して前記ウレタン樹脂エマルジョン16.7%を添加し、15分間攪拌した後、前記実施例1〜5の水分散体A〜E及び比較例1〜4の水分散体F〜Iを、それぞれ50.0%添加して30分間撹拌した。その後、5.0μmセルロースアセテートメンブランフィルターで加圧濾過し、粗大粒子を除去して実施例6〜10及び比較例5〜8の各評価インクとした。
実施例6〜10及び比較例5〜8の各インクについて、以下のようにして特性を評価した。結果を纏めて表1に示す。

≪インクの沈降性評価≫
タービスキャンMA2000(英弘精機社製)によりインクの顔料の沈降性を調べた。
即ち、各インクを超音波分散処理(100W、40分)し均一な状態にしてから、ピペットを用いて装置専用のガラスセルに5.5mL入れた。セル内のインクの液面が安定した30分後に測定を行い、この時間を沈降性評価開始とした。その後、23℃で静置し、120時間後まで測定を行い、沈降性評価開始を基準とした偏差表示により、沈降性を確認した。沈降性を確認は、主に、上澄みの生成による後方散乱光の変化を、ピークの積算(相対値モード)で行い、次の基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:評価開始120時間後の相対変化が5%未満
〇:評価開始120時間後の相対変化が5%以上、10%未満
×:評価開始120時間後の相対変化が10%以上
≪沈降したインクの再分散性評価≫
各インクを室温でガラス製の30mLサンプル瓶に15g入れて密栓し1ヶ月静置したところ、顔料が沈降したため、再分散性の評価を、次の基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:サンプル瓶を手で30秒振ると顔料の沈降が解消し、静置前の粒径に戻る。
〇:超音波ホモジナイザーUS−300T(チップφ7)を用いて120μAで
1分間照射すると、顔料の粒径が静置前の粒径に戻る。
×:超音波ホモジナイザーUS−300T(チップφ7)を用いて120μAで
1分以上照射しても、顔料の沈降が解消しない。
≪沈降したインクの保存安定性評価≫
各インクをガラス製の30mLサンプル瓶に15g入れて密栓し60℃で1ヶ月静置し、インク溶剤による樹脂の膨潤や分散破壊の有無を確認した。保存後のインクを超音波ホモジナイザーUS−300T(チップφ7)を用いて120μAで1分間照射し、再分散後の粒径により、次の基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:粒径の変化率の絶対値が、5%未満
〇:粒径の変化率の絶対値が、5%以上、15%未満
×:粒径の変化率の絶対値が、15%以上
≪印字画像の白色度評価≫
<印字条件>
外装を外しマルチ手差しフィーダーを取り付けたインクジェットプリンター(リコー社製IPSiO GXe3300)の印字ヘッドを含めたインク供給経路に純水を通液して洗浄し、洗浄液が着色しなくなるまで十分に通液した後、液を装置から抜ききって評価用印写装置とした。また各インクを5〜10Paの減圧条件で30分間攪拌することによりインク中の気体を脱気し、インクカートリッジに充填して評価用インクカートリッジとした。充填動作を行い、全ノズルにインクが充填され異常画像が出ないことを確認し、プリンタ添付のドライバで光沢紙きれいモードを選択した後、ユーザー設定でカラーマッチングoffを印字モードとした。このモードで、ベタ画像のメディア上へのインク付着量が20g/mとなるようにヘッドの駆動電圧を変更して吐出量を調整した。

次いで、Microsoft Word2003により作成した50mm×50mmのベタ画像をOHPシート上に印字した。印字後、記録媒体を80℃の恒温槽に入れ、1時間乾燥を行って評価した。
この印字したOHPシートの下に市販の黒紙を敷いた状態で、印字した部分を分光測色濃度計X−Rite938を用いて明度(L*)を測定し、次の基準で評価した。
参考として黒紙の上に未印字のOHPシートを敷いた状態で測定したL*値は22.4であった。
〔評価基準〕
◎:L*値が、70以上
〇:L*値が、60以上、70未満
×:L*値が、60未満
Figure 0006264867
実施例6〜10のように、二酸化チタン含有樹脂エマルジョンにシリコーン成分が含まれると、沈降性、再分散性、保存安定性、白色度の何れも満たす良好な水分散体を得ることができ、好ましい白色インクを得ることが出来る。
また実施例6〜9のように、ポリマー成分にシリコーン成分が含まれると、更に再分散性を高めることが出来る。更に二酸化チタンにシリコーン成分による表面処理を行うと、保存安定性を高めることが出来る。
一方、比較例5のように色材の二酸化チタンにシリコーン成分の表面処理が無く、またポリマー成分にシリコーン成分が無いと、顔料表面へのポリマーの親和性が低く、分散性が不十分になり沈降性が悪化してしまう。また比較例8のように水溶性樹脂により分散を行うと、沈降後に凝集してしまい再分散性が非常に低い水分散体となってしまう。また、比較例6、7のように二酸化チタンと異なる色材を用いると、分散安定性は優れているが白色度が得られないため、白インク用水分散体として使用できず、白色インクとして使用できない。
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前カバーの前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インクカートリッジ
201 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジケース
特許第5156303号公報

Claims (7)

  1. 着色剤として二酸化チタンを含有する水難溶性ビニルポリマー粒子が分散している水系インク用水分散体であって、前記水難溶性ビニルポリマー粒子の構成成分としてシリコーン成分を含むか、又は前記二酸化チタンの表面処理剤中にシリコーン成分を含み、かつ、前記水難溶性ビニルポリマーが、下記(A)〜(C)の不飽和モノマーを含むモノマー混合物を重合させたポリマーである水系インク用水分散体。
    (A)芳香族ビニル化合物、下記<化学式1>の(メタ)アクリル酸エステル、及び、これらのモノマーを構成要素にした片末端に重合性官能基を有するマクロマーの少なくとも1種
    <化学式1>
    CH=CRCOOR
    :水素又はメチル基、R:炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基又はナフチル基

    (B)下記<化学式2>の(メタ)アクリル酸エステル
    <化学式2>
    CH=CRCOO(RO)−R
    :水素又はメチル基、R:炭素数1〜4のアルキレン基、R:水素、メチル基又はフェニル基、n:1〜30

    (C)塩生成基を有する不飽和モノマー
  2. 前記水難溶性ビニルポリマーが、更に前記(A)〜(C)の不飽和モノマーと共重合可能な重合性不飽和モノマー(D)を含むモノマー混合物を重合させたものである請求項1記載の水系インク用水分散体。
  3. 前記(D)の不飽和モノマーが、ジメチルシロキサン基を有する重合性不飽和モノマーから選ばれた1種以上を含有する請求項1又は2記載の水系インク用水分散体。
  4. 前記(D)の不飽和モノマーが、ジメチルシロキサン基を有し、片末端に重合性官能基を有するマクロマーから選ばれた1種以上を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の水系インク用水分散体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の水系インク用水分散体を含有するインクジェット記録用水系インク。
  6. 請求項5記載のインクジェット記録用水系インクを容器中に収容したインクカートリッジ。
  7. 請求項6記載のインクカートリッジを備えた画像記録装置。
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