JP6759981B2 - 共重合体及びその製造方法、インク、インク収容容器、記録方法、及び記録装置 - Google Patents

共重合体及びその製造方法、インク、インク収容容器、記録方法、及び記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、共重合体及びその製造方法、インク、インク収容容器、記録方法、及び記録装置に関する。
インクジェット記録方式は、他の記録方式に比べてプロセスが簡単であり、かつフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られるという利点があることから普及してきている。前記インクジェット記録方式は、熱により発生する泡や、ピエゾや静電等を利用して発生させた圧力で少量のインクを飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて素早く乾燥させること(又は記録媒体に浸透させること)により、画像形成する方式であり、パーソナル及び産業用のプリンタや印刷まで用途が拡大してきている。
このようなインクジェット記録方式では、着色剤として水溶性染料を使用した水系インクが主に用いられているが、染料インクは、耐候性及び耐水性に劣るという欠点がある。このため、水溶性染料に代えて水不溶性の顔料を使用する顔料インクの研究が進められているが、顔料インクは染料インクに比べて発色性やインクの保存安定性がいまだ劣っている。
このような問題に対して、顔料インクでは分散体樹脂がよく利用される。例えば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノマーを含むグラフトポリマーのポリエチレングリコール側鎖の末端に芳香環官能基を導入して、効率的に樹脂を顔料表面に吸着させる方法が提案されている(例えば、特許文献1、2及び3参照)。
本発明は、水溶性に優れ、インクのバインダー樹脂や顔料分散樹脂として有効な共重合体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の共重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位、及び下記一般式(2)で表される構造単位を含む。
ただし、前記一般式(1)中、Rは水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。
は−COO−、−OCO−、−CONR11−、及び置換基を有していてもよいフェニレン基のいずれかを表し、R11は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。
は単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、及び炭素数2〜20のアルケニレン基のいずれかを表し、前記アルキレン基及び前記アルケニレン基は−CO−及び−O−から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよい。
Wは−CO−、−CO−、−CO−、及び−CHCH(CH)O−のいずれかを表し、mは3〜30の整数である。
Aは芳香族環を表す。
ただし、前記一般式(2)中、Rは水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。
は−COO−、−OCO−、−CONR12−、及び置換基を有していてもよいフェニレン基のいずれかを表し、R12は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。
は単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、及び炭素数2〜20のアルケニレン基のいずれかを表し、前記アルキレン基及び前記アルケニレン基は−CO−及び−O−から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよい。
nは7〜90の整数を表す。
Bは水素原子、メチル基、ホルミル基、及びアセチル基のいずれかを表す。
本発明によると、水溶性に優れ、インクのバインダー樹脂や顔料分散樹脂として有効な共重合体を提供することができる。
図1は、インクジェット記録装置の一例を示す斜視説明図である。 図2は、インクジェット記録装置におけるメインタンクの一例を示す斜視説明図である。
(共重合体)
本発明の共重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位、及び下記一般式(2)で表される構造単位を含み、更に必要に応じてその他の構造単位を含む。
ただし、前記一般式(1)中、Rは水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。
は−COO−、−OCO−、−CONR11−、及び置換基を有していてもよいフェニレン基のいずれかを表し、R11は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。
は単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、及び炭素数2〜20のアルケニレン基のいずれかを表し、前記アルキレン基及び前記アルケニレン基は−CO−及び−O−から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよい。
Wは−CO−、−CO−、−CO−、及び−CHCH(CH)O−のいずれかを表し、mは3〜30の整数を表す。
Aは芳香族環を表す。
ただし、前記一般式(2)中、Rは水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。
は−COO−、−OCO−、−CONR12−、及び置換基を有していてもよいフェニレン基のいずれかを表し、R12は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。
は単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、及び炭素数2〜20のアルケニレン基のいずれかを表し、前記アルキレン基及び前記アルケニレン基は−CO−及び−O−から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよい。
nは7〜90の整数を表す。
Bは水素原子、メチル基、ホルミル基、及びアセチル基のいずれかを表す。
本発明の共重合体は、従来技術のようにポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノマーを含むグラフトポリマーのポリエチレングリコール側鎖の末端に芳香環官能基を導入しても、樹脂全体の疎水性を上げてしまい、水溶性を維持したまま顔料分散体やインクの分散性や耐溶剤性を両立させるのは困難であるという知見に基づくものである。
前記一般式(1)で表される構造単位、及び前記一般式(2)で表される構造単位を含む本発明の共重合体を用いることにより、顔料分散体を製造する際の分散剤として用いた場合に良好な分散性を示し、かつインク作製時に有機溶剤を添加しても高い分散安定性を保つことができ、長期安定性に優れた共重合体を提供できる。特に、インクに用いた場合に高い分散安定性と、長期安定性に優れた共重合体を提供することができる。
これは、水系媒体に親和性の高い親水部を有する側鎖と、顔料と親和性の高い芳香環官能基を効率的に利用できるため、顔料に吸着した共重合体が分散媒中に広がることができ、共重合体の立体障害により顔料同士が凝集することを防止できるため分散安定性が向上でき、更に、芳香環官能基が分散媒中で自由に移動することで効率良く顔料に共重合体が吸着できるためであると推測される。
前記一般式(1)及び(2)において、L、及びLとして−COO−、−OCO−、−CONR11−(R11は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す)、−CONR12−(R12は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す)、及び置換基を有していてもよいフェニレン基のいずれかの適切な結合基を用いることにより、顔料分散体やインクに含有した場合に、分散安定性を向上できる。
前記L、及びLとしては、−COO−、−OCO−、−CONR11−(R11は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す)、−CONR12−(R12は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す)、及び置換基を有していてもよいフェニレン基のいずれかの適切な結合基であれば特に制限されるものではないが、分散安定性の観点から、−COO−、−OCO−、−CONR11−(R11は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す)、−CONR12−(R12は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す)が好ましく、−COO−又は−OCO−がより好ましい。
前記一般式(1)及び(2)において、Z、及びZとして単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、及び炭素数2〜20のアルケニレン基のいずれかの適切な結合基を用いることにより、顔料分散体やインクに含有した場合に、分散安定性を向上できる。
前記Z、及びZとして単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、及び炭素数2〜20のアルケニレン基のいずれかの適切な結合基であれば特に制限されるものではないが、分散安定性の観点から、単結合、炭素数1〜20のアルキレン基が好ましく、単結合がより好ましい。
前記アルキレン基及び前記アルケニレン基は−CO−及び−O−から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよく、例えば、−CHO−、−CHCHO−などが挙げられる。
前記一般式(1)において、Wとしてアルキルエーテル基を用いることにより、顔料分散体やインクに含有した場合に、分散安定性を向上できる。これは、親水性の高いアルキルエーテル部が側鎖に配置されていることにより、水中へ自由に広がることができ、それによって共重合体による立体障害機能が大きくなり、顔料同士の凝集を防止できるためである。
前記Wとしては、−CO−、−CO−、−CO−、及び−CHCH(CH)O−のいずれかのアルキルエーテル基であれば特に制限されるものではないが、分散安定性の観点から、−CO−、−CO−、−CO−、−CHCH(CH)O−が好ましく、−CO−又は−CHCH(CH)O−がより好ましい。この場合、親水性が十分に得られ、共重合体の溶解性が低下し共重合体同士で凝集してしまうことを防ぐことができる。
前記一般式(1)中のmは、3〜30の整数であり、特に制限されるものではないが、親疎水性のバランス、及び分散安定性の観点から、6〜13が好ましく、7〜10がより好ましい。前記mが3〜30であることにより、共重合体の親疎水性が適切な程度になり、分散性や安定性の向上に繋がる。
前記一般式(2)中のnは、7〜90の整数であり、特に制限されるものではないが、親疎水性のバランス、及び分散安定性の観点から、7〜25が好ましい。前記nが7〜90であることにより、共重合体の親疎水性が適切な程度になり、分散性や安定性の向上に繋がる。
前記一般式(1)において、Aとして芳香族環を用いることにより、顔料分散体やインクに含有した場合に、溶媒安定性が向上できる。これは、前記芳香族環が、顔料に対して疎水性相互作用のみならずπ−πスタック力による高い吸着力を発現できるため、有機溶剤を添加したとしても、顔料表面から共重合体が遊離しにくくなるためである。一方、Aが芳香族環以外の末端を持たせた共重合体の場合は、溶媒添加により容易に顔料が凝集してしまい、所望の溶媒安定性が得られない。
前記Aとしては、芳香族環であれば特に制限されるものではないが、1個以上のベンゼン環が共有結合により結合又は縮環した芳香環であって、芳香環が直接結合していても結合基を有していてもよく、芳香環の水素原子が他の官能基により置換されていてもよい。
前記芳香族環としては、例えば、ベンゼン、ベンジル、ベンゾイル、ナフタレン、ナフトイル、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アセテフテン、ビフェニレンなどが挙げられる。これらの中でも、親疎水性のバランス、及び分散安定性の観点から、ベンゼン、ベンゾイル、ナフタレン、ビフェニレンが好ましい。
前記一般式(2)において、Bに芳香族環以外の水素原子、メチル基、ホルミル基、又はアセチル基を用いることにより、顔料分散体やインクに含有した場合に、分散安定性を向上できる。これは、親水性の高いアルキルエーテル部が側鎖に配置されていることにより、水中へ自由に広がることができ、それによって共重合体による立体障害機能が大きくなり、顔料同士の凝集を防止できるためである。
前記Bとしては、芳香族環以外の水素原子、メチル基、ホルミル基、又はアセチル基であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、親疎水性のバランス、及び分散安定性の観点から、水素原子、又はメチル基がより好ましい。
前記一般式(1)で表される構造単位の前記共重合体における含有率は、50mol%以上90mol%以下が好ましく、70mol%以上90mol%以下がより好ましい。前記含有率を50mol%以上にすることで、適切な親疎水性となり、共重合体の水中への拡散増加による顔料への吸着性が低下してしまうことを防ぐことができる。また、前記含有率を90mol%以下にすることで、共重合体の疎水性が高過ぎることによる分散性の低下を防止することができる。
前記一般式(2)で表される構造単位の前記共重合体における含有率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10mol%以上50mol%以下が好ましく、10mol%以上30mol%以下がより好ましい。
前記含有率を10mol%以上にすることで、適切な親疎水性となり、共重合体の水中への拡散増加による顔料への吸着性が低下してしまうことを防ぐことができる。また、前記含有率を50mol%以下にすることで、共重合体の疎水性が高過ぎることによる分散性の低下を防止することができる。
前記共重合体は、前記一般式(1)で表される構造単位、及び前記一般式(2)で表される構造単位以外に、その他の重合性モノマー由来の繰り返し単位を有することができる。
前記その他の重合性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合性の疎水性モノマー、重合性の親水性モノマー、重合性界面活性剤などが挙げられる。
前記重合性の疎水性モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−クロロメチルスチレン等の芳香族環を有する不飽和エチレンモノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、(メタ)アクリル酸ラウリル(C12)、(メタ)アクリル酸トリデシル(C13)、(メタ)アクリル酸テトラデシル(C14)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル(C15)、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル(C16)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル(C17)、(メタ)アクリル酸ノナデシル(C19)、(メタ)アクリル酸エイコシル(C20)、(メタ)アクリル酸ヘンイコシル(C21)、(メタ)アクリル酸ドコシル(C22)等の(メタ)アクリル酸アルキル;1−ヘプテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、1−ノネン、3,5,5−トリメチル−1−ヘキセン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ドコセン等のアルキル基を有する不飽和エチレンモノマーなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性の親水性モノマーとしては、例えば、下記一般式(5)で表される化合物、マレイン酸又はその塩、マレイン酸モノメチル、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、フマル酸、4−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、或いはリン酸、ホスホン酸、アレンドロン酸又はエチドロン酸を含有した不飽和エチレンモノマー等のアニオン性不飽和エチレンモノマー;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド等の非イオン性不飽和エチレンモノマーなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、合成した共重合体を顔料分散体やインクに含有した場合に、水溶性を高め、インクの粘度上昇を抑制する観点から、下記一般式(5)で表される化合物が好ましい。
したがって、本発明の共重合体としては、前記一般式(1)で表される構造単位、及び前記一般式(2)で表される構造単位に加えて、下記一般式(5)で表される構造単位を含むことが好ましい。
ただし、前記一般式(5)中、xは0〜12の整数を表し、0〜5の整数を表すことが好ましい。
前記一般式(5)で表される化合物としては、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン(前記一般式(5)中、xが0である)、N−ビニル−δ−バレロラクタム(前記一般式(5)中、xが1である)、N−ビニル−ε−カプロラクタム(前記一般式(5)中、xが2である)、N−ビニル−ω−ヘプタラクタム(前記一般式(5)中、xが3である)などが挙げられる。これらの中でも、N−ビニル−2−ピロリドンが好ましい。
前記重合性の疎水性モノマー及び前記重合性の親水性モノマーの含有量は、前記一般式(1)で表される構造単位、及び前記一般式(2)で表される構造単位を形成するモノマーの合計量に対して、5質量%以上100質量%以下が好ましい。
前記一般式(1)で表される構造単位、及び前記一般式(2)で表される構造単位を含む共重合体においては、インク作製直後と70℃で1週間保存した時のインクの粘度の変化率が±3%を超え±5%以内であることが好ましい。
前記一般式(1)で表される構造単位、及び前記一般式(2)で表される構造単位に加えて、前記一般式(5)で表される構造単位を含む共重合体においては、インク作製直後と70℃で1週間保存した時のインクの粘度の変化率が±3%以内であることが好ましい。
ここで、前記70℃で1週間保存前後のインクの粘度の変化率は、作製直後のインクをインク収容容器に充填して、70℃で1週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を下記式から求めることができる。
前記粘度の測定には、粘度計(RE500L、東機産業株式会社製)を使用し、サンプルの粘度に合わせて50回転もしくは100回転に調整して測定する。
前記重合性界面活性剤は、ラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を分子内に少なくとも1つ有するアニオン性又は非イオン性の界面活性剤である。
前記アニオン性界面活性剤としては、硫酸アンモニウム塩基(−SO NH )などの硫酸塩基とアリル基(−CH−CH=CH)とを有する炭化水素化合物、硫酸アンモニウム塩基(−SO NH )などの硫酸塩基とメタクリル基〔−CO−C(CH)=CH〕とを有する炭化水素化合物、又は硫酸アンモニウム塩基(−SO NH )などの硫酸塩基と1−プロペニル基(−CH=CHCH)とを有する芳香族炭化水素化合物が挙げられる。前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、三洋化成工業株式会社製のエレミノールJS−20、及びRS−300、第一工業製薬株式会社製のアクアロンKH−10、アクアロンKH−1025、アクアロンKH−05、アクアロンHS−10、アクアロンHS−1025、アクアロンBC−0515、アクアロンBC−10、アクアロンBC−1025、アクアロンBC−20、及びアクアロンBC−2020などが挙げられる。
前記非イオン性界面活性剤としては、例えば、1−プロペニル基(−CH=CHCH)とポリオキシエチレン基[−(CO)n−H]とを有する炭化水素化合物又は芳香族炭化水素化合物などが挙げられる。前記非イオン性界面活性剤の具体例としては、第一工業製薬株式会社製のアクアロンRN−20、アクアロンRN−2025、アクアロンRN−30、及びアクアロンRN−50、花王株式会社製のラテムルPD−104、ラテムルPD−420、ラテムルPD−430、及びラテムルPD−450などが挙げられる。
前記重合性界面活性剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性界面活性剤の含有量は、前記一般式(1)で表される構造単位、及び前記一般式(2)で表される構造単位を形成するモノマーの合計量に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましい。
(共重合体の製造方法)
本発明の共重合体の製造方法は、特に制限はなく、種々の重合方法、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、合成することができる。前記重合反応は回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で行うことができる。これらの重合法に限定されないが、重合操作及び分子量の調整が容易なことから、以下に示すラジカル重合開始剤を用いるラジカル重合が好ましく、有機溶剤と水の混合溶媒中で重合させる溶液重合法が更に好ましい。
本発明の共重合体は、具体的には、下記一般式(3)で表されるモノマーと、下記一般式(4)で表されるモノマーとを含む重合性材料のラジカル重合により製造することができる。
ただし、前記一般式(3)中、Rは水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。
は−COO−、−OCO−、−CONR11−、及び置換基を有していてもよいフェニレン基のいずれかを表し、R11は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。
は単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、及び炭素数2〜20のアルケニレン基のいずれかを表し、前記アルキレン基及び前記アルケニレン基は−CO−及び−O−から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよい。
Wは−CO−、−CO−、−CO−、及び−CHCH(CH)O−のいずれかを表し、mは3〜30の整数を表す。
Aは芳香族環を表す。
ただし、前記一般式(4)中、Rは水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。
は−COO−、−OCO−、−CONR12−、及び置換基を有していてもよいフェニレン基のいずれかを表し、R12は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。
は単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、及び炭素数2〜20のアルケニレン基のいずれかを表し、前記アルキレン基及び前記アルケニレン基は−CO−及び−O−から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよい。
nは7〜90の整数を表す。
Bは水素原子、メチル基、ホルミル基、及びアセチル基のいずれかを表す。
以下に、前記一般式(3)で表されるモノマーの具体例を挙げるが、本発明は以下の具体例に制限されるものではない。
以下に、前記一般式(4)で表されるモノマーの具体例を挙げるが、本発明は以下の具体例に制限されるものではない。
前記溶液重合法でラジカル重合を行う際の操作としては、特に制限はないが、前記モノマー、開始剤、連鎖移動剤、及び溶媒を含む重合性材料は、重合反応容器に一括で仕込んでもよいし、滴下漏斗(滴下ロート)を用いて連続的に供給してもよい。また、必要に応じて、重合反応中に開始剤を追加してもよい。
前記溶液重合法で用いる溶媒は、極性有機溶媒であることが好ましい。前記有機溶媒が水混和性を有する場合には、水と混合して用いることもできる。
前記極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、酢酸エチル等のエステル類などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン又はこれらと水との混合液が好ましい。
前記ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、シアノ系のアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビス(2,2’−イソバレロニトリル)、非シアノ系のジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、分子量の制御がしやすく、分解温度が低い点から、有機過酸化物、アゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物が特に好ましい。
前記開始剤の含有量は、前記重合性材料1モルあたり、0.001モル以上5モル以下が好ましく、0.01モル以上2モル以下がより好ましい。
なお、重合の際には、更に連鎖移動剤を添加してもよい。前記連鎖移動剤としては、例えば、メルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタン等の炭化水素類;アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、タービノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、α−メチルスチレンダイマー、9,10−ジヒドロアントラセン、1,4−ジヒドロナフタレン、インデン、1,4−シクロヘキサジエン等の不飽和環状炭化水素化合物;2,5−ジヒドロフラン等の不飽和ヘテロ環状化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性材料の重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるので一概には決定することができないが、通常、重合温度は、好ましくは30℃以上100℃以下が好ましく、50℃以上80℃以下がより好ましい。重合時間は1時間以上20時間以下が好ましい。また、重合雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈殿、溶媒留去等の公知の方法により、生成した共重合体を単離することができる。また、得られた共重合体は、再沈殿の繰り返し、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
本発明の共重合体の重量平均分子量は、分散性及び分散安定性の観点から、1,000以上100,000以下が好ましく、15,000以上60,000以下がより好ましい。
前記共重合体の重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)により測定することができる。
前記共重合体の同定方法としては、例えば、H−NMRスペクトル、IRスペクトルなどを用いて同定することができる。
前記H−NMRスペクトルとしては、H−NMR(300MHz)(JEOL社製)等を用いて測定することができる。
前記IRスペクトルとしては、FT−IR SpectrumGX(PERKIN ELMER社製)等を用いて測定することができる。
本発明の共重合体の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インク、フィルムなどに好適に用いることができる。また、インクを製造する際に用いる顔料分散体に含有させる分散剤として使用することも可能である。
(インク)
本発明のインクは、水、色材、及び共重合体を含有し、有機溶剤、及び添加剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記共重合体としては、本発明の共重合体を少なくとも有するが、必要に応じてその他の共重合体を有していてもよく、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の前記共重合体の含有量は、顔料分散剤として使用する場合には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記顔料100質量部に対して、1質量部以上100質量部以下が好ましく、5質量部以上80質量部以下がより好ましい。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、インクの保存安定性が良好となる点で有利である。
前記共重合体の含有量は、インクの添加剤として使用する場合には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、固形分で、インクの全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
前記含有量が、1質量%以上から分散性及び保存性の向上効果が認められ、30質量%以下であると、インクをヘッドから吐出する際に適した粘度範囲とすることが可能となる。
本発明の共重合体は、インクを製造する際に、その他の成分と混合してインク製造に用いることが可能である。また、インクを製造する際に用いる顔料分散体に含有させる分散剤として使用することが可能である。分散剤として用いる場合も、インクの製造に用いる場合と同様に、水、色材、共重合体を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有する顔料分散体とすることができる。顔料分散体に用いる水、色材、その他の成分としては、インクに用いるものと共通の材料を用いることができる。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、混晶を使用してもよい。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性のよいものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
更に、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35などが挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料をインク中に分散させるには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散性顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いるとよい。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度は20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度は20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えてもよい。
−界面活性剤−
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
[一般式(S−1)]
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは整数を表わす。
R及びR’はアルキル基、アルキレン基を表わす。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコーン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
[一般式(F−1)]
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
[一般式(F−2)]
2n+1−CHCH(OH)CH−O−(CHCHO)−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCnF2n+1でnは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CnF2n+1でnは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。
この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、DIC株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、DuPont社製のFS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
−消泡剤−
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
−防腐防黴剤−
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
−防錆剤−
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
−pH調整剤−
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製、RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<インクの製造方法>
本発明に用いられるインクは、前記水、前記色材、前記共重合体、及び前記その他の成分を分散乃至溶解し、撹拌混合することにより製造することができる。
前記共重合体は、顔料分散体作製の際の顔料分散樹脂として用いてもよい。
前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散等により行うことができる。前記撹拌混合は、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等により行うことができる。
<記録媒体>
記録に用いる記録媒体としては、特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙等が挙げられる。
<画像形成物>
本発明の画像形成物は、記録媒体と、前記記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により画像を形成して画像形成物とすることができる。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有してもよい。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。更に、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた共重合体の重量平均分子量は、以下のようにして求めた。
<共重合体の重量平均分子量の測定>
GPC(Gel Permeation Chromatography)により以下の条件で測定した。
・装置:GPC−8020(東ソー株式会社製)
・カラム:TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー株式会社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分間
濃度0.5質量%の共重合体を1mL注入し、上記の条件で測定した共重合体の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して共重合体の重量平均分子量Mwを算出した。
(モノマーの合成例1)
<モノマー(3−1)の合成>
ポリエチレングリコールモノメタクリレートモノマー(ブレンマーPE−350、日油株式会社製)110g、及びトリエチルアミン52.1mLを500mLの酢酸エチルに加え、0℃で30分間攪拌した。この溶液に、25.2mLのメタンスルホニルクロリドをゆっくり滴下し、更に、0℃で攪拌を3時間継続した。反応後、得られた溶液に500mLの純水を加えて攪拌した。分液ロートを用いて酢酸エチル層を分液し、飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別し、溶液を濃縮することで、化合物(3−1)を109.9g得た。
次に、合成した化合物(3−1)88.8g、2−ナフトール27.3g、及び炭酸カリウム11.3gを400mLのN−メチルピロリドン(NMP)に加え、80℃で10時間攪拌した。反応後、析出した不溶物をろ過して除去した後、得られた溶液に酢酸エチル500mL、及び純水200mLを加えて攪拌した。酢酸エチル層を分液し、飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別し、溶液を濃縮し、これをシリカクロマトグラフィーにて精製することにより81.2gのモノマー(3−1)を得た。
(モノマーの合成例2)
<モノマー(3−2)の合成>
ポリエチレングリコールモノアクリレートモノマー(ブレンマーAE−400、日油株式会社製)300g、及びトリエチルアミン125mLを1,000mLの酢酸エチルに加え、0℃で30分間攪拌した。この溶液に、51.2mLのメタンスルホニルクロリドをゆっくり滴下し、更に、0℃で攪拌を3時間継続した。反応後、得られた溶液に500mLの純水を加えて攪拌した。分液ロートを用いて酢酸エチル層を分液し、飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別し、溶液を濃縮することで、化合物(3−2)を263.3g得た。
次に、合成した化合物(3−2)263.3g、2−ナフトール79.0g、及び炭酸カリウム126.2gを500mLのN−メチルピロリドン(NMP)に加え、80℃で10時間攪拌した。反応後、析出した不溶物をろ過して除去した後、得られた溶液に酢酸エチル500mL、及び純水200mLを加えて攪拌した。酢酸エチル層を分液し、飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別し、溶液を濃縮し、これをシリカクロマトグラフィーにて精製することにより193.0gのモノマー(3−2)を得た。
(モノマーの合成例3)
<モノマー(3−3)の合成>
ポリプロピレングリコールモノメタクリレートモノマー(ブレンマーPP−500、日油株式会社製)300g、及びトリエチルアミン107.6mLを1,000mLの酢酸エチルに加え、0℃で30分間攪拌した。この溶液に、44.0mLのメタンスルホニルクロリドをゆっくり滴下し、更に、0℃で攪拌を3時間継続した。反応後、得られた溶液に500mLの純水を加えて攪拌した。分液ロートを用いて酢酸エチル層を分液し、飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別し、溶液を濃縮することで、化合物(3−3)を362.6g得た。
次に、合成した化合物(3−3)340g、2−ナフトール74.5g、及び炭酸カリウム143gを1,000mLのN−メチルピロリドン(NMP)に加え、80℃で10時間攪拌した。反応後、析出した不溶物をろ過して除去した後、得られた溶液に酢酸エチル500mL、及び純水200mLを加えて攪拌した。酢酸エチル層を分液し、飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別し、溶液を濃縮し、これをシリカクロマトグラフィーにて精製することにより375.3gのモノマー(3−3)を得た。
(モノマーの合成例4)
<モノマー(3−4)の合成>
ポリエチレングリコールモノメタクリレートモノマー(ブレンマーPE−350、日油株式会社製)200g、及びトリエチルアミン94.7mLを500mLの酢酸エチルに加え、0℃で30分間攪拌した。この溶液に、45.8mLのメタンスルホニルクロリドをゆっくり滴下し、更に、0℃で攪拌を3時間継続した。反応後、得られた溶液に500mLの純水を加えて攪拌した。分液ロートを用いて酢酸エチル層を分液し、飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別し、溶液を濃縮することで、化合物(3−4)を183.8g得た。
次に、合成した化合物(3−4)183.8g、フェノール36.8g、炭酸カリウム98.3gを500mLのN−メチルピロリドン(NMP)に加え、80℃で10時間攪拌した。反応後、析出した不溶物をろ過して除去した後、得られた溶液に酢酸エチル500mL、及び純水200mLを加えて攪拌した。酢酸エチル層を分液し、飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別し、溶液を濃縮し、これをシリカクロマトグラフィーにて精製することにより171.1gのモノマー(3−4)を得た。
(モノマーの合成例5)
<モノマー(3−18)の合成>
ポリエチレングリコールモノメタクリレートモノマー(ブレンマーPE−350、日油株式会社製)200g、及びトリエチルアミン62.2mLを500mLのトルエンに加え、0℃で30分間攪拌した。この溶液に、44.1mLの塩化ベンゾイルを添加し、更に、0℃で攪拌を3時間継続した。反応後、得られた溶液に酢酸エチル500mL、200mLの純水を加えて攪拌した。分液ロートを用いて酢酸エチル層を分液し、飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別し、溶液を濃縮し、これをシリカクロマトグラフィーにて精製することにより283.6gのモノマー(3−18)を得た。
<モノマー(3−7)〜(3−17)、(3−21)〜(3−23)及びモノマー(4−1)〜(4−10)の合成>
前記モノマーの合成例1〜5に記載された合成方法と同様の方法により、以下に示すモノマー(3−7)〜(3−17)、(3−21)〜(3−23)及びモノマー(4−1)〜(4−10)を合成した。
(共重合体1の合成例)
攪拌機、及び冷却管を備えた300mLの三口フラスコにメチルエチルケトン230mLを加え窒素雰囲気下で80℃に加熱した。表1−1に記載の前記一般式(3)で表されるモノマー30g、表1−2に記載の前記一般式(4)で表されるモノマー6.6g、及びジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート2.7gをメチルエチルケトン30gに溶解させて得られた溶液を、三口フラスコに3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応した後、メチルエチルケトン30gにジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.5gを溶解した溶液を加え、8時間加熱攪拌して未反応モノマーをすべて反応させた。
モノマーの消失はH−NMRで確認した。得られた反応溶液を大過剰量のヘキサンを用いて再沈殿し、析出したポリマーを乾燥して共重合体1を35g得た。
得られたポリマーの組成はH−NMRで確認し、重量平均分子量(Mw)はGPCより求めた。
<共重合体2〜41及び共重合体A〜Hの合成例>
共重合体1の合成例において、反応に用いるモノマーを、表1−1から表1−3及び表2−1から表2−3に記載のモノマーに代えた以外は、共重合体1の合成例と同様にして反応を行い、それぞれ対応する共重合体2〜41及び共重合体A〜Hを得た。
次に、得られた共重合体2〜41及び共重合体A〜Hについて、以下のようにして、水溶性を評価した。結果を表3−1及び表3−2に示した。
<共重合体の水溶性>
各共重合体を10質量%となるように純水に添加し、10分間振とう攪拌を行い溶解した。得られた溶液を目視で観察し、下記の基準に基づき、共重合体の水溶性を評価した。
[評価基準]
○:無色透明で濁りがない
×:白濁、もしくは共重合体が沈殿し溶解しない
(顔料分散体1の調製例)
下記処方の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)で周速10m/sで10分間循環分散した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、顔料分散体1を得た。
[混合物の処方]
・カーボンブラック(NIPEX 160、デグサ社製) 16.0質量部
・共重合体1の10質量%水溶液 32.0質量部
・純水 52.0質量部
(顔料分散体2〜41の調製例)
顔料分散体1の調製例において、共重合体1を共重合体2〜41に変更した以外は、顔料分散体1の調製例と同様にして、顔料分散体2〜41を作製した。
(顔料分散体A〜Hの調製例)
顔料分散体1の調製例において、共重合体1を共重合体A〜Hに変更した以外は、顔料分散体1の調製例と同様にして、顔料分散体A〜Hを作製した。
なお、共重合体D〜Fは水に不溶であり、顔料が適切に分散せずに、顔料分散体D〜Fの作製はできなかった。
(実施例1)
<インクの作製>
下記のインク処方の材料を混合し、1.5時間攪拌後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、インクを得た。
[インク処方]
・顔料分散体1(顔料固形分20質量%) 40.0質量部
・1,3−ブタンジオール(有機溶剤) 20.0質量部
・グリセリン(有機溶剤) 10.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(有機溶剤) 1.0質量部
・2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 1.0質量部
(有機溶剤)
・フッ素系界面活性剤 1.0質量部
(固形分100質量%、ダイキン工業株式会社製、ユニダインDSN−403N)
・蒸留水 27.0質量部
(実施例2〜41及び比較例1〜8)
<インクの作製>
実施例1において、顔料分散体1を、顔料分散体2〜41及び顔料分散体A〜Hに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜41及び比較例1〜8のインクを作製した。
次に、作製した各インクについて、以下のようにして、保存安定性を評価した。結果を表3−1及び表3−2に示した。
<インクの保存安定性>
各インクをインク収容容器に充填して、70℃で1週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を下記式から求め、下記の基準で評価した。なお、C以上が、実用可能である。
前記粘度の測定には、粘度計(RE500L、東機産業株式会社製)を使用し、サンプルの粘度に合わせて50回転もしくは100回転に調整して測定した。
[評価基準]
S:粘度の変化量が±3%以内
A:粘度の変化率が±3%を超え±5%以内
B:粘度の変化率が±5%を超え±8%以内
C:粘度の変化率が±8%を超え±10%以内
D:粘度の変化率が±10%を超え±30%以内
E:粘度の変化率が±30%を超える(ゲル化して評価不能)
表3−1及び表3−2の結果から、実施例1〜41の共重合体を用いた顔料分散体は分散性に優れながらも、更に、高い溶媒安定性を示すため、インク作製後の長期安定性に優れている。特に、実施例1〜4、33〜35は共重合体の親疎水性のバランスが適切に制御されているため、インクの長期保存安定性が特に優れている。
一方で、比較例1〜3は前記一般式(1)で表される構造単位を持たないため、顔料に対する吸着性が低く、溶媒安定性が低い。また、前記一般式(1)で表される構造単位を持っていたとしても、前記一般式(2)で表される構造単位を含まないと比較例3〜6のように共重合体が水に不溶となり、共重合体の機能が得られなくなってしまい、比較例7、8のように前記一般式(2)以外の水溶性構造単位を持っていたとしても充分な溶媒安定性が得られない。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 下記一般式(1)で表される構造単位、及び下記一般式(2)で表される構造単位を含むことを特徴とする共重合体である。
ただし、前記一般式(1)中、Rは水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。
は−COO−、−OCO−、−CONR11−、及び置換基を有していてもよいフェニレン基のいずれかを表し、R11は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。
は単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、及び炭素数2〜20のアルケニレン基のいずれかを表し、前記アルキレン基及び前記アルケニレン基は−CO−及び−O−から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよい。
Wは−CO−、−CO−、−CO−、及び−CHCH(CH)O−のいずれかを表し、mは3〜30の整数を表す。
Aは芳香族環を表す。
ただし、前記一般式(2)中、Rは水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。
は−COO−、−OCO−、−CONR12−、及び置換基を有していてもよいフェニレン基のいずれかを表し、R12は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。
は単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、及び炭素数2〜20のアルケニレン基のいずれかを表し、前記アルキレン基及び前記アルケニレン基は−CO−及び−O−から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよい。
nは7〜90の整数を表す。
Bは水素原子、メチル基、ホルミル基、及びアセチル基のいずれかを表す。
<2> 前記一般式(1)で表される構造単位の前記共重合体における含有率が、50mol%以上90mol%以下である前記<1>に記載の共重合体である。
<3> 前記共重合体の重量平均分子量が、15,000以上60,000以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の共重合体である。
<4> 前記一般式(1)で表される構造単位及び前記一般式(2)で表される構造単位のL及びLが、−COO−又は−OCO−であり、Z及びZが単結合である前記<1>から<3>のいずれかに記載の共重合体である。
<5> 前記一般式(1)で表される構造単位のWが−CO−、又は−CHCH(CH)O−である前記<1>から<4>のいずれかに記載の共重合体である。
<6> 前記一般式(1)で表される構造単位のmが6〜13であり、かつ前記一般式(2)で表される構造単位のnが7〜25である前記<1>から<5>のいずれかに記載の共重合体である。
<7> 前記一般式(1)で表される構造単位、及び前記一般式(2)で表される構造単位に加えて、下記一般式(5)で表される構造単位を含む前記<1>から<6>のいずれかに記載の共重合体である。
ただし、前記一般式(5)中、xは0〜12の整数を表す。
<8> インク作製直後と70℃で1週間保存した時のインクの粘度の変化率が±3%を超え±5%以内である前記<1>から<6>のいずれかに記載の共重合体である。
<9> インク作製直後と70℃で1週間保存した時のインクの粘度の変化率が±3%以内である前記<7>に記載の共重合体である。
<10> 水、色材、及び共重合体を含有し、
前記共重合体が、前記<1>から<9>のいずれかに記載の共重合体であることを特徴とするインクである。
<11> 前記共重合体の含有量が、1質量%以上30質量%以下である前記<10>に記載のインクである。
<12> 前記色材が、顔料である前記<10>から<11>のいずれかに記載のインクである。
<13> 前記共重合体の含有量が、顔料分散剤として使用する場合には、前記顔料100質量部に対して、1質量部以上100質量部以下である前記<12>に基材のインクである。
<14> 更に、有機溶剤、及び界面活性剤の少なくともいずれかを含有する前記<10>から<13>のいずれかに記載のインクである。
<15> 下記一般式(3)で表されるモノマー、及び下記一般式(4)で表されるモノマーを含む重合性材料をラジカル重合することを特徴とする共重合体の製造方法である。
ただし、前記一般式(3)中、Rは水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。
は−COO−、−OCO−、−CONR11−、及び置換基を有していてもよいフェニレン基のいずれかを表し、R11は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。
は単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、及び炭素数2〜20のアルケニレン基のいずれかを表し、前記アルキレン基及び前記アルケニレン基は−CO−及び−O−から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよい。
Wは−CO−、−CO−、−CO−、及び−CHCH(CH)O−のいずれかを表し、mは3〜30の整数を表す。
Aは芳香族環を表す。
ただし、前記一般式(4)中、Rは水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。
は−COO−、−OCO−、−CONR12−、及び置換基を有していてもよいフェニレン基のいずれかを表し、R12は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。
は単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、及び炭素数2〜20のアルケニレン基のいずれかを表し、前記アルキレン基及び前記アルケニレン基は−CO−及び−O−から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよい。
nは7〜90の整数を表す。
Bは水素原子、メチル基、ホルミル基、及びアセチル基のいずれかを表す。
<16> 前記一般式(3)で表されるモノマー及び前記一般式(4)で表されるモノマーのL及びLが、−COO−又は−OCO−であり、Z及びZが単結合である前記<15>に記載の共重合体の製造方法である。
<17> 前記一般式(3)で表されるモノマーのWが−CO−、又は−CHCH(CH)O−である前記<15>から<16>のいずれかに記載の共重合体の製造方法である。
<18> 前記一般式(3)で表されるモノマーのmが6〜13であり、かつ前記一般式(4)で表されるモノマーのnが7〜25である前記<15>から<17>のいずれかに記載の共重合体の製造方法である。
<19> 前記<10>から<14>のいずれかに記載のインクを容器に収容してなることを特徴とするインク収容容器である。
<20> 前記<10>から<14>のいずれかに記載のインクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とする記録装置である。
<21> 前記刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<20>に記載の記録方法である。
<22> 前記<10>から<14>のいずれかに記載のインクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とする記録方法である。
<23> 前記刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<22>に記載の記録方法である。
<24> 記録媒体と、前記記録媒体上に、前記<10>から<14>のいずれかに記載のインクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とする画像形成物である。
前記<1>から<7>のいずれかに記載の共重合体、前記<10>から<14>のいずれかに記載のインク、前記<15>から<18>のいずれかに記載の共重合体の製造方法、前記<17>に記載のインク収容容器、前記<20>から<21>のいずれかに記載の記録装置、前記<22>から<23>のいずれかに記載の記録方法、及び前記<24>に記載の画像形成物によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特開2010−189478号公報 特開2010−222384号公報 特開2015−077590号公報

Claims (16)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位、及び下記一般式(2)で表される構造単位を含み、
    前記一般式(1)で表される構造単位の前記共重合体における含有率が、50mol%以上90mol%以下であり、
    前記一般式(2)で表される構造単位の前記共重合体における含有率が、10mol%以上50mol%以下であることを特徴とする共重合体。
    ただし、前記一般式(1)中、Rは水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。
    は−COO−、−OCO−、−CONR11−、及び置換基を有していてもよいフェニレン基のいずれかを表し、R11は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。
    は単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、及び炭素数2〜20のアルケニレン基のいずれかを表し、前記アルキレン基及び前記アルケニレン基は−CO−及び−O−から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよい。
    Wは−CO−、−CO−、−CO−、及び−CHCH(CH)O−のいずれかを表し、mは3〜30の整数を表す。
    Aはベンゼン、ベンゾイル、及びナフタレンのいずれかの芳香族環を表す。
    ただし、前記一般式(2)中、Rは水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。
    は−COO−、−OCO−、−CONR12−、及び置換基を有していてもよいフェニレン基のいずれかを表し、R12は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。
    は単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、及び炭素数2〜20のアルケニレン基のいずれかを表し、前記アルキレン基及び前記アルケニレン基は−CO−及び−O−から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよい。
    nは7〜90の整数を表す。
    Bは水素原子、メチル基、ホルミル基、及びアセチル基のいずれかを表す。
  2. 前記一般式(1)で表される構造単位の前記共重合体における含有率が、70mol%以上90mol%以下であり、
    前記一般式(2)で表される構造単位の前記共重合体における含有率が、10mol%以上30mol%以下である請求項1に記載の共重合体。
  3. 前記共重合体の重量平均分子量が、15,000以上60,000以下である請求項1から2のいずれかに記載の共重合体。
  4. 前記一般式(1)で表される構造単位及び前記一般式(2)で表される構造単位のL及びLが、−COO−又は−OCO−であり、Z及びZが単結合である請求項1から3のいずれかに記載の共重合体。
  5. 前記一般式(1)で表される構造単位のWが−CO−、又は−CHCH(CH)O−である請求項1から4のいずれかに記載の共重合体。
  6. 前記一般式(1)で表される構造単位のmが6〜13であり、かつ前記一般式(2)で表される構造単位のnが7〜25である請求項1から5のいずれかに記載の共重合体。
  7. 前記一般式(1)で表される構造単位、及び前記一般式(2)で表される構造単位に加えて、下記一般式(5)で表される構造単位を含む請求項1から6のいずれかに記載の共重合体。
    ただし、前記一般式(5)中、xは0〜12の整数を表す。
  8. 前記共重合体を含むインクを作製した場合の、インク作製直後と70℃で1週間保存した時のインクの粘度の変化率が±3%を超え±5%以内である請求項1から6のいずれかに記載の共重合体。
  9. 前記共重合体を含むインクを作製した場合の、インク作製直後と70℃で1週間保存した時のインクの粘度の変化率が±3%以内である請求項7に記載の共重合体。
  10. 下記一般式(3)で表されるモノマー50mol%以上90mol%以下、及び下記一般式(4)で表されるモノマー10mol%以上50mol%以下を含む重合性材料をラジカル重合することを特徴とする共重合体の製造方法。
    ただし、前記一般式(3)中、Rは水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。
    は−COO−、−OCO−、−CONR11−、及び置換基を有していてもよいフェニレン基のいずれかを表し、R11は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。
    は単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、及び炭素数2〜20のアルケニレン基のいずれかを表し、前記アルキレン基及び前記アルケニレン基は−CO−及び−O−から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよい。
    Wは−CO−、−CO−、−CO−、及び−CHCH(CH)O−のいずれかを表し、mは3〜30の整数を表す。
    Aはベンゼン、ベンゾイル、及びナフタレンのいずれかの芳香族環を表す。
    ただし、前記一般式(4)中、Rは水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。
    は−COO−、−OCO−、−CONR12−、及び置換基を有していてもよいフェニレン基のいずれかを表し、R12は水素原子、及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。
    は単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、及び炭素数2〜20のアルケニレン基のいずれかを表し、前記アルキレン基及び前記アルケニレン基は−CO−及び−O−から選択される少なくとも1種の2価の連結基を含んでいてもよい。
    nは7〜90の整数を表す。
    Bは水素原子、メチル基、ホルミル基、及びアセチル基のいずれかを表す。
  11. 水、色材、及び共重合体を含有し、
    前記共重合体が、請求項1から9のいずれかに記載の共重合体であることを特徴とするインク。
  12. 前記色材が、顔料である請求項11に記載のインク。
  13. 更に、有機溶剤、及び界面活性剤の少なくともいずれかを含有する請求項11から12のいずれかに記載のインク。
  14. 請求項11から13のいずれかに記載のインクを容器に収容してなることを特徴とするインク収容容器。
  15. 請求項11から13のいずれかに記載のインクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とする記録装置。
  16. 請求項11から13のいずれかに記載のインクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とする記録方法。
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