JP6264609B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波加熱装置に関し、特に、高周波電界による誘電加熱現象を利用して調理する調理器具としての高周波加熱装置に関する。
高周波加熱装置における調理器具としての電子レンジにおいては、被加熱物の表面と内部がほぼ同時に加熱されるため、調理済みの食品の再加熱、冷凍食品の解凍、そして食品をゆでる等のあらゆる食品加熱に用いられている。特に、電子レンジを用いることにより調理時間の大幅な短縮を図ることができるため、各種料理における食品加熱に用いられている。
また、従来の高周波加熱装置においては、被加熱物である食品の表面温度を赤外線温度センサにより検出して、その検出された食品の表面温度に基づいて当該食品の加熱調理を行っている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開2002−13743号公報 特開2013−36635号公報
高周波加熱装置における調理器具としての電子レンジにおいて、ユーザが被加熱物である食品を加熱する場合、特に、冷めた食品、例えばご飯、焼き魚、カレー、肉じゃが等をあたためる場合には、その食品の重さや分量等に応じてユーザの経験値に基づいて加熱時間を設定する必要があった。しかし、ユーザが被加熱物である食品の重量や分量を正確に把握することは困難であり、特に、少量の冷えたご飯を電子レンジを用いてあたためる場合には、過加熱となったり、肉じゃが等の複数の食材を有する食品をあたためる場合においては温度むらが生じたりし、これらの食品を簡単な操作で所望の温度に適切にあたためることは容易なものではなかった。
本発明は、簡単な操作により各種の食品を所望の温度に適切にあたためることができる高周波加熱装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る一態様の高周波加熱装置は、前述の従来における課題を解決するものであり、
被加熱物が載置される被加熱物配置可能領域を有する加熱室と、
前記被加熱物に対する調理条件として被加熱物を所定温度にあたためる「あたため動作」を入力するための操作部と、
マイクロ波を発生する高周波発生部と、
前記高周波発生部のマイクロ波を前記加熱室に供給するマイクロ波供給部と、
前記被加熱物配置可能領域の全面を分割して複数の温度検出領域とする複数の赤外線検出素子を有し、前記複数の赤外線検出素子が前記複数の温度検出領域における各温度検出情報を同時に検出し出力する温度検出部と、
前記温度検出部からの前記各温度検出情報に基づいて前記被加熱物を判定し、前記「あたため動作」を実行するように前記高周波発生部を制御する加熱制御部と、を備えており、
前記加熱制御部は、
前記複数の温度検出領域における前記各温度検出情報における温度に基づいて、前記被加熱物が載置されている温度検出領域を特定し、
特定された温度検出領域において同時に検出された温度検出領域の最高温度と最低温度の温度差が第1の所定値以上の場合に、過去の最高温度と最低温度の温度差を遡って参照し、この過去の温度差が第2の所定値未満の場合に、それ以降最高温度と最低温度の温度差を参照することなく前記被加熱物がご飯であると特定し、前記「あたため動作」を制御するよう構成されている。
本発明によれば、各種の被加熱物に対して簡単な操作により所望の温度に適切にあたためることができる高周波加熱装置を提供することができる。
図1は本発明に係る実施の形態1の電子レンジを示す斜視図である。 図2は図1に示した電子レンジのドアを開成した状態を示す斜視図である。 図3は実施の形態1の電子レンジにおける誘電加熱制御において主要な構成を示すブロック図である。 図4は実施の形態1の電子レンジにおいてドアを開成した状態を示す正面図である。 図5は実施の形態1の電子レンジにおいてドアを開成した状態において、加熱室の内部を側面から見た図である。 図6は実施の形態1の電子レンジにおいて加熱室の被加熱物配置可能領域の全面を示す平面断面図である。 図7は実施の形態1の電子レンジにおける「あたため動作」を示すフローチャートの一部である。 図8は実施の形態1の電子レンジにおける「あたため動作」を示すフローチャートの一部である。 図9は実施の形態1の電子レンジにおける「あたため動作」を示すフローチャートの一部である。 図10は実施の形態1の電子レンジにおける「あたため動作」を示すフローチャートの一部である。 図11は実施の形態1の電子レンジにおける「あたため動作」において、各種食品に関する経過時間と(MAX−MIN差)の温度差との関係を示すグラフである。
本発明に係る第1の態様の高周波加熱装置は、
被加熱物が載置される被加熱物配置可能領域を有する加熱室と、
前記被加熱物に対する調理条件として被加熱物を所定温度にあたためる「あたため動作」を入力するための操作部と、
マイクロ波を発生する高周波発生部と、
前記高周波発生部のマイクロ波を前記加熱室に供給するマイクロ波供給部と、
前記被加熱物配置可能領域の全面を分割して複数の温度検出領域とする複数の赤外線検出素子を有し、前記複数の赤外線検出素子が前記複数の温度検出領域における各温度検出情報を同時に検出し出力する温度検出部と、
前記温度検出部からの前記各温度検出情報に基づいて前記被加熱物を判定し、前記「あたため動作」を実行するように前記高周波発生部を制御する加熱制御部と、を備えており、
前記加熱制御部は、前記複数の温度検出領域における前記各温度検出情報における温度に基づいて、前記被加熱物が載置されている温度検出領域を特定し、特定された温度検出領域において同時に検出された温度に基づいて、前記被加熱物に対する前記「あたため動作」を制御するよう構成される。
このように構成された本発明に係る第1の態様の高周波加熱装置においては、各種の被加熱物を簡単な操作により所望の温度に適切にあたためることができる。
本発明に係る第2の態様の高周波加熱装置においては、前記の第1の態様の前記加熱制御部が、前記被加熱物が載置されていると特定した温度検出領域で同時に検出された温度検出情報おける最高温度と最低温度の温度差に基づいて、前記被加熱物に対する前記「あたため動作」を制御してもよい。
本発明に係る第3の態様の高周波加熱装置においては、前記の第1または第2の態様の前記加熱制御部が、前記被加熱物が載置されていると特定した温度検出領域で同時に検出された温度検出情報における現在と過去の情報に基づいて、前記被加熱物に対する前記「あたため動作」を制御してもよい。
本発明に係る第4の態様の高周波加熱装置は、前記の第1から3の態様において、前記加熱制御部が、被加熱物が載置されていると特定した温度検出領域を示す情報における温度検出領域の数に基づいて、前記被加熱物に対する前記「あたため動作」を制御してもよい。
本発明に係る第5の態様の高周波加熱装置は、前記の第1から4の態様において、前記加熱制御部が、前記温度検出部からの前記各温度検出情報に基づいて、前記被加熱物が単一食材で構成された食品であるか、または複数食材で構成された食品であるかを判定するよう構成されている。
本発明に係る第6の態様の高周波加熱装置は、前記の第1から4の態様において、前記加熱制御部が、前記温度検出部からの前記各温度検出情報に基づいて、前記被加熱物の分量を判定するよう構成されている。
本発明に係る第7の態様の高周波加熱装置は、前記の第1から4の態様において、前記加熱制御部が、前記温度検出部からの前記各温度検出情報に基づいて、前記被加熱物がご飯であると特定し、当該ご飯の分量を判定して前記「あたため動作」を制御するよう構成されている。
本発明に係る第8の態様の高周波加熱装置は、前記の第2の態様において、前記加熱制御部が、最高温度と最低温度の温度差が第1の所定値以上の場合に、過去の最高温度と最低温度の温度差を遡って参照し、この過去の温度差が第2の所定値以下の場合に、それ以降最高温度と最低温度の温度差を参照することなく前記被加熱物がご飯であると特定し、前記「あたため動作」を制御するように構成されている。
以下、本発明の高周波加熱装置に係る実施の形態として誘電加熱を行う電子レンジについて、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本発明の高周波加熱装置は、以下の実施の形態に記載した電子レンジの構成に限定されるものではなく、以下の実施の形態において説明する技術的思想と同等の技術的思想に基づいて構成される加熱装置、例えば、誘電加熱のみの機能を有する構成の他に、伝導、対流、放射、スチーム等の各種の加熱機能を有する加熱装置を含むものである。
(実施の形態1)
図1は本発明に係る実施の形態1の高周波加熱装置である電子レンジを示す斜視図である。図2は図1に示した電子レンジのドアを開成した状態を示す斜視図である。実施の形態1の電子レンジは、マイクロ波を用いる誘電加熱の他に、ヒータを用いた伝導、対流および放射による各種加熱方法により食品を調理できる機能を有している。
図1および図2に示すように、実施の形態1の電子レンジは、被加熱物である食品が配置される加熱室5を備えた本体1と、加熱室5の前面側の開口を開閉するためのドア2とを有して構成されている。ドア2の前面上部にはユーザがドア2の開閉に用いる把手3が設けられている。また、ドア2の前面には、当該電子レンジに各種の情報を入力し表示するタッチ画面、および調理動作を開始するためのスタートボタン等を備えた操作部4が設けられている。実施の形態1の電子レンジは、ユーザが操作部4におけるタッチ画面を操作して、当該電子レンジにおいて行う各種加熱調理の調理条件等を入力し、スタートボタンの操作により各種加熱動作が開始される構成である。
図3は、実施の形態1の電子レンジにおける誘電加熱制御において主要な構成を示すブロック図である。図3に示すように、実施の形態1の電子レンジには、操作部4において設定された調理条件等を示す各種情報が入力される加熱制御部10と、加熱制御部10により駆動制御されマイクロ波を発生する高周波発生部11と、高周波発生部11のマイクロ波を加熱室5に導き供給するマイクロ波供給部12と、加熱室5の温度を検出する温度検出部13と、を少なくとも備えている。実施の形態1における温度検出部13には、庫内温度を検出する通常の温度センサ(例えば、サーミスタ)の他に、後述するように、被加熱物を載置することが可能な領域である被加熱物配置可能領域における全面の温度を検知する赤外線温度センサ(IR温度センサ)が設けられている。また、実施の形態1の電子レンジにおいては、赤外線温度センサが設けられている場所の環境温度を検出するための温度センサとしてIRサーミスタが設けられている。このIRサーミスタが検出する環境温度情報は、赤外線温度センサが検出する温度を、赤外線温度センサが配置されている環境温度に応じて較正するためである。したがって、温度検出部13から加熱制御部10に対しては、サーミスタからの庫内温度情報、IR温度センサからの温度検出情報、およびIRサーミスタからの環境温度情報が入力される構成である。
実施の形態1の電子レンジには、操作部4において入力された調理条件等を示す各種情報が加熱制御部10に入力されて、マイクロ波を発生する高周波発生部11が制御され、加熱室5内の食品が設定された調理条件等に従って加熱調理される。
高周波発生部11において発生したマイクロ波は、マイクロ波供給部12において、導波管を介して回転アンテナ等のマイクロ波放射手段により加熱室5の内部に放射される構成を有している。マイクロ波放射手段は、被加熱物配置可能領域となる加熱室5の底面の下方に配設されており、加熱室5の底面における被加熱物配置可能領域において食品を所望の状態に誘電加熱する。なお、実施の形態1においては、加熱室5の内部にマイクロ波を供給する回転アンテナ等のマイクロ波供給部12を底面側に設けた例で説明するが、本発明においてはこの構成に限定されるものではなく、加熱室の天面側、側面側等のいずれに配設してもよく、また個数を1つに限定するものでもない。なお、実施の形態1の電子レンジにおいて被加熱物配置可能領域は、加熱室5の底面の全面ではなく、底面の中央部分に表示して示しており、底面の外縁部分が除かれた例で説明するが、外縁部分を含むように構成することも可能である。
本体1の内部において被加熱物である食品を収納する加熱室5は、左右側面、天面、底面、奥面の5面と、前面側の開口に設けられたドア2とで区画されて構成されている。なお、実施の形態1の電子レンジにおいて、加熱室5の開口側を前面側(ユーザ側)、奥面側を背面側、天面側を上側、底面側を下側とし、加熱室5を前面側から見て、右側の側面を右側面、左側の側面を左側面という。
なお、実施の形態1の電子レンジにおいては、誘電加熱の他に、ヒータにより放射と伝導により被加熱物である食品を直接加熱するグリル調理に使用するグリル皿と、ヒータにより加熱室5の内部の庫内温度を上昇させて食品を加熱調理するオーブン調理に使用するオーブン皿(角皿)と、が用いられるように構成されている。したがって、グリル皿やオーブン皿等の各皿を支持するために、加熱室5の側面である右側面と左側面には、上面が水平面であり前後方向に水平に延びた支持突起が、複数段(実施の形態1においては3段)設けられており、被加熱物である食品を載置する各皿を調理加熱に最適な位置に設置可能な構成となっている。
前述のように、実施の形態1の電子レンジにおける温度検出部13として、被加熱物である食品の温度を検知するための赤外線温度センサ6が設けられている。温度検出部13における赤外線温度センサ6は、加熱室5を構成する右側面の上部に形成された開口5aを通して加熱室5の内部の被加熱物である食品の温度を検出できるよう構成されている。赤外線温度センサ6は、1列に8個の赤外線検出素子を並べ(1×8眼)、それらの赤外線検出素子を8列に並べて(8×8眼)、二次元状のマトリクス状に配列された合計64個の赤外線検出素子により構成されている。この赤外線温度センサ6を用いることにより、加熱室5の内部における被加熱物が配置される領域である被加熱物配置可能領域の全面が64個に分割されて、64眼の赤外線温度センサ6の温度検出領域として隈無く温度検知できる構成となっている。
図4は実施の形態1の電子レンジにおいてドア2を開成した状態を示す正面図であり、加熱室5の内部に赤外線温度センサ6からの赤外線が放射されている状態を模式的に示している。図5は実施の形態1の電子レンジにおいてドア2を開成した状態において、加熱室5の内部を側面から見た断面図である。図5においても、赤外線温度センサ6からの赤外線が加熱室5の内部に放射されている状態を模式的に示している。
図4および図5に示すように、誘電加熱される被加熱物が配置される加熱室5の底面において、被加熱物配置可能領域の全面が赤外線温度センサ6の検知視野の中に含まれている。被加熱物配置可能領域は64個の領域に分割されており、それぞれの領域が各赤外線検出素子により温度検知される温度検出領域となっている。このため、実施の形態1の電子レンジにおいて、誘電加熱のために被加熱物である食品が加熱室5の被加熱物配置可能領域に載置されて、調理動作が開始されたとき、被加熱物配置可能領域の全面における温度検知動作を同時に行うことができる。すなわち、実施の形態1の電子レンジにおいては、64個に分割された被加熱物配置可能領域のそれぞれの領域の温度を瞬時に検知することが可能な構成である。図6は、実施の形態1の電子レンジにおいて加熱室5の底面における被加熱物配置可能領域の全面を示す平面断面図であり、ドア2を取り外した状態を示している。図6に示すように、加熱室5の底面における被加熱物配置可能領域の全面が64個の領域に分けられており、それぞれの領域が赤外線温度センサ6におけるそれぞれの赤外線検出素子により同時に温度検知される温度検出領域である。
上記のように、実施の形態1の電子レンジにおいては、温度検出部である赤外線温度センサ6における複数の赤外線検出素子が二次元状に配置されており、加熱室の底面にある被加熱物配置可能領域の全面が複数の領域に分割されている。したがって、被加熱物配置可能領域におけるそれぞれの領域は、それぞれの赤外線検出素子の温度検出領域となるよう構成されている。
実施の形態1の電子レンジにおいて、赤外線温度センサ6は加熱室5の右側面上部の裏面側の本体1の内部に設けられており、加熱室5の右側面上部の開口5aを通して加熱室5の内部の温度検出を行っている。赤外線温度センサ6における検知部のレンズは、温度検出領域を変更できるように移動(回動)できる構成を有している。したがって、調理条件に応じて赤外線温度センサ6の温度検出領域を変更できるように構成されている。例えば、誘電加熱の調理条件においては、加熱室5の底面が被加熱物配置可能領域となるため、その底面の位置が赤外線温度センサ6の温度検出領域となるように、赤外線温度センサ6のレンズの位置を移動させる。また、例えば、ヒータを使用し、グリル皿を用いた調理条件においては、そのグリル皿が配置された位置が被加熱物配置可能領域となり、赤外線温度センサ6の温度検出領域となる。このように、実施の形態1における赤外線温度センサ6は、被加熱物配置可能領域に応じて赤外線温度センサ6の温度検出領域を加熱室5の上下方向へ移動させる縦振り動作を行っている。したがって、赤外線温度センサ6は加熱室5の内部における上下方向の検知視野を持つように構成されている。
実施の形態1の電子レンジにおいて、赤外線温度センサ6における検知部のレンズは、温度検出動作を行っているとき(温度検出状態)、加熱室5の右側面上部の開口5aに向くよう構成されている。一方、赤外線温度センサ6が温度検出動作を行っていないとき(待機状態)、検知部のレンズは開口5aから外れて下方を向く待機位置となるよう構成されている。このように赤外線温度センサ6のレンズを開口5aから外れて下方を向くように構成されているため、レンズ表面が加熱室5から汚染される状況を少なくできる構成となる。また、検知部のレンズが下方に向いているとき、検知部における検出回路基板を含む検知部が冷却風に当たり冷却されるよう構成されている。このため、レンズのくもりを抑制・解消するとともに、検出回路基板とレンズが冷却されるため正しい温度の検出が可能となる。
なお、赤外線温度センサ6における検知部を冷却する冷却風は、マイクロ波を発生する高周波発生部11のための冷却風を利用しており、冷却ダクトにより赤外線温度センサ6に対して下方から吹き付けるよう構成されている。
また、温度検出部13における庫内温度を検出する温度センサおよび被加熱物配置可能領域の温度を検出する赤外線温度センサが、異常な温度を検出したときには、加熱制御部10は瞬時に高周波発生部11の動作を停止するよう構成されている。
[あたため動作]
次に、上記のように構成された実施の形態1の電子レンジにおいて、被加熱物である食品を簡単な操作により所望の温度に適切にあたためることができる「あたため動作」について、具体的な例示として、冷めたご飯や、調理済みのおかず等を用いて説明する。なお、実施の形態1の電子レンジにおいては、被加熱物の食品の仕上がり温度はユーザの好みに応じて任意に設定できる構成であるが、以下の説明においては食品の仕上がり温度が70℃に設定されている場合について説明する。
図7は、実施の形態1の電子レンジにおける「あたため動作」を示すフローチャートである。
実施の形態1の電子レンジにおいて、冷めたご飯、調理済みのおかず、または冷凍食品等の食品を自動で素早く所望の温度にあたためる「あたため動作」は、ユーザが操作部4のスタートボタン(あたため動作開始ボタン)を押圧操作することのみにより開始される。
ステップ101において、加熱室5の底面における被加熱物配置可能領域における中央部分に載置された食品は、冷凍/常温判定が行われる。この冷凍/常温判定は、食品が冷凍食品であるか、または常温食品であるかの判定を冷凍判定閾値(温度情報)が用いられて行われる。この冷凍判定閾値としては、赤外線温度センサ6により検出されている64個に分割された温度検出領域において、食品が載置されることが殆どない特定の領域の温度をプレート温度とし、そのプレート温度をIRサーミスタからの環境温度情報に基づいて較正した判定基準温度が用いられる。実施の形態1においては、加熱室5の底面における最外周縁部のコーナの温度検出領域をプレート温度として予め設定している。
したがって、ステップ101において、赤外線温度センサ6により検出された食品の温度が冷凍判定閾値より低い温度であれば、当該食品は冷凍食品であると判定してステップ200に移行し、冷凍食品を所望の温度にあたためる「あたため動作」を開始する。本発明においては、冷凍食品の「あたため動作」についての説明は省略し、常温食品の「あたため動作」について詳述する。
ステップ101における冷凍/常温判定は、「あたため動作」を開始してから、所定時間後、例えば、6秒後に行われる。これは、赤外線温度センサ6が待機状態から温度検出状態への移動が完全に終了した後に、赤外線温度センサ6の温度検出動作に基づいて「あたため動作」を実行するためである。なお、赤外線温度センサ6による温度検出動作は少なくとも6秒経過後から所定時間毎、例えば1秒毎に行われており、それらの検出結果は加熱制御部10に送られて記憶される構成である。このときの最初の各赤外線検出素子の検出温度が初期温度として加熱制御部10に記憶される。なお、実施の形態1においては、経過時間を用いて説明するが、この経過時間とは当該電子レンジのスタートボタン(あたため動作開始ボタン)が押圧操作されたときの動作開始時からの経過時間である。なお、図7においては、例示として、図面の右側に経過時間を記載している。
ステップ102においては、食品がある程度加熱された所定時間が経過した後、実施の形態1においては20秒経過時に赤外線温度センサ6が検出した複数(64眼)の温度検出情報に基づいて仮食品ポイント(TFP)を決定する。この仮食品ポイントの決定は、64個の温度検出領域の検出温度を示す被加熱物の温度検出情報に基づいて、前述の初期温度として記憶されていた各赤外線検出素子の温度より予め設定した温度、例えば、7℃(ΔT)以上高い温度を検出した温度検出領域の数を仮食品ポイントとしている。
ステップ103においては、経過時間が20秒から25秒の間、仮食品ポイントが示す温度検出領域における最高温度(MAX値)が第1の判定温度、例えば、50℃に到達した温度検出領域を判定する。ステップ103において最高温度(MAX値)が50℃に到達した温度検出領域が発生したときには、その時点において、ステップ107へ移行して、仮食品ポイントの温度検出領域において最高温度と最低温度との差(MAX−MIN差)が第2の判定温度、例えば、20℃以上であるか否かが判定される。すなわち、ステップ107においては、食品の全体が温度上昇したか、局所的に温度上昇したかの判定を行う。ステップ107において、仮食品ポイントの温度検出領域における最高温度と最低温度との差(MAX−MIN差)が20℃以上あれば、ステップ108において、その時点から5秒前の最高温度と現在の最高温度との差(MAX差)が第3の判定温度、例えば、11℃以上であるか否かが判定される。ステップ108においては、5秒前の時点から現在までに急激に温度上昇したか否かを検出している。このような局所的な急激な温度上昇は、少量の食品や食品に脂肪分が含まれている場合等において生じる。
ステップ108においてMAX差が11℃以上である場合には、ステップ109において仮食品ポイントが予め設定した第3の判定個数(第1および第2の判定個数は後述する)、例えば、36個未満か否かが判定される。このステップ109における仮食品ポイントによる判定は、被加熱物である食品の大きさを特定するものであり、仮食品ポイントが36個未満の小さい食品においてはステップ110において第1の常温食品と判定し、第1の常温食品として最高温度が50℃に到達したときに「あたため動作」を終了(調理終了)させることを決め、食品におけるいずれかの温度検出領域の最高温度が50℃に到達したとき「あたため動作」を終了(調理終了)させる。この第1の常温食品として想定されるものは焼き魚、ごく少量のご飯(約50g)等のすぐに温まりやすい食品である。
前述のステップ103において経過時間が20秒から25秒の間で最高温度(MAX値)が50℃に到達しなかった場合には、ステップ104において、25秒経過時に仮食品ポイントの温度検出領域における最高温度と最低温度との差(MAX−MIN差)が第4の判定温度、例えば、10℃以上であるか否かが判定される。この判定は、仮食品ポイントの温度検出領域において温度差(温度むら)が存在するか否かを検出している。ステップ104において(MAX−MIN差)が10℃以上あり、温度むらがあれば、ステップ111において経過時間20秒の時点に遡って、その遡った過去の時点の最高温度と最低温度(MAX−MIN差)が第5の判定温度、例えば、8℃以上であるか否かが判定される。このステップ111の判定は、仮食品ポイントの温度検出領域において温度差(温度むら)が以前(経過時間20秒)から継続して存在しているか否かを検出している。
ステップ111において、温度むらが以前から継続していないと判定した場合には後述のステップ105に移行し、反対に温度むらが以前から継続していると判定した場合には、ステップ112において仮食品ポイントが予め設定した第2の判定個数、例えば、25個以上か否かが判定される。このステップ112における仮食品ポイントによる判定は、被加熱物である食品が大きな皿のおかずか否かを判定するものである。仮食品ポイントが25以上であれば、カレーや野菜炒め等の大きな皿のおかず等である第5の常温食品と判定して、温度検出領域の最高温度が70℃(設定された仕上がり温度)に到達するまで加熱する。
ステップ116においては、第5の常温食品と判定し、食品におけるいずれかの温度検出領域の最高温度が70℃に到達したときに「あたため動作」を終了(調理終了)することを決める。
ステップ112において仮食品ポイントが予め設定した第2の判定個数(25個)未満であれば、食品が小さいものであるとしてステップ113へ移行する。ステップ113においては、その時点より5秒前の最高温度と現在の最高温度との差(MAX差)が第6の判定温度、例えば、9℃以上か否かが判定される。ステップ113においては、5秒前の過去の時点から現在までに急激に温度上昇したか否かを検出しており、均質で、少量の食品、例えばご飯であれば、温まりやすく急激な温度上昇となるためである。ステップ113において急激に温度上昇したと判定したときには、ステップ114へ移行し、第3の常温食品と判定する。ステップ114においては、第3の常温食品として最高温度が50℃に到達したときに「あたため動作」を終了(調理終了)させることを決める。第3の常温食品としては、例えば、80g〜125gのご飯等を想定している。
ステップ113においては、5秒前の(MAX差)が第6の判定温度(9℃)未満である判定されると、ステップ117において、被加熱物である食品があたたまりにくい食品であり、肉じゃが等の複数の食材が混在する不均質な食品である第4の常温食品であると判定する。第4の常温食品としては、例えば、100g〜200gの肉じゃが等を想定している。ステップ117においては、第4の常温食品と判定して、温度検出領域におけるいずれかの領域の最高温度が60℃に到達したときに「あたため動作」を終了(調理終了)させることを決める。
なお、図7のフローチャートに示すように、ステップ107において(MAX−MIN差)が20℃未満のとき、ステップ108において5秒前の(MAX差)が11℃未満のとき、そしてステップ109において仮食品ポイントが36個以上のときには、ステップ112に移行する。そして、ステップ112において、仮食品ポイントが第2の判定個数(25個)以上か否かが判定されて、以後のステップに進み、被加熱物である食品が第3の常温食品、第4の常温食品、若しくは第5の常温食品のいずれの食品であるかが判定される。
ステップ104において、25秒経過時に仮食品ポイントの温度検出領域における最高温度と最低温度との差(MAX−MIN差)が第4の判定温度(10℃)未満であり、温度むらがあまりなければ、ステップ105へ移行する。ステップ105においては、仮食品ポイントが7〜14個であるか否かが判別される。ステップ105において仮食品ポイントが7〜14個であれば、ステップ115に移行して、被加熱物である食品が第2の常温食品と判定される。第2の常温食品としては、例えば、150g〜200gのご飯等を想定している。ステップ115においては、第2の常温食品として最高温度が50℃に到達したとき、「あたため動作」を終了(調理終了)させることを決める。
なお、実施の形態1の電子レンジにおいては、第2の常温食品として、例えば、ご飯茶碗一杯(約150g)のご飯に対するあたため動作を行った場合、あたためる時間を1分以内の30秒台で「あたため動作」を終了させることができる。このため、実施の形態1の電子レンジを使用して「あたため動作」を行うことにより、ユーザが設定した場合に生じやすい不要な加熱時間がなく、省エネルギーを達成できる加熱装置となる。
ステップ105において、仮食品ポイントが7〜14個でなければ、ステップ106において第6の常温食品と判定する。第6の常温食品としては、単一食材で均質な大量な食品、例えば、500g以上の大量のご飯等であり、若しくは複数の食材が混合された不均質な大量の食品、例えば大量の肉じゃが等が想定される。ステップ106においては、第6の常温食品と判定して、温度検出領域の最高温度が60℃に到達したとき、「あたため動作」を終了(調理終了)させることを決める。
前述のステップ106(第6の常温食品の検知)、ステップ115(第2の常温食品の検知)、ステップ116(第5の常温食品の検知)、ステップ117(第4の常温食品の検知)、およびステップ114(第3の常温食品の検知)の以降のステップを図8〜図10のフローチャートにより示す。
図8のフローチャートにおいては、ステップ106、ステップ115、ステップ116、ステップ117、およびステップ114の以降のステップ301〜305を示している。
図8のステップ301においては、第2の常温食品〜第6の常温食品として定められた温度に仮食品ポイント(温度検出領域)の温度が1カ所でも到達しているか否かを判定する。仮食品ポイント(温度検出領域)の温度がそれぞれの常温食品において設定されている温度に1カ所の領域でも到達していたとき、ステップ302において、当該被加熱物が第2の常温食品(設定温度50℃)若しくは第3の常温食品(設定温度50℃)に該当すると判断されていた場合には調理終了となる。
ステップ301において、仮食品ポイント(温度検出領域)の温度がそれぞれの常温食品において設定されている温度にいずれの領域も到達していない場合には、後述するステップ305の「突沸防止シーケンス」に移行する。
ステップ302において、当該被加熱物が第2の常温食品または第3の常温食品に該当しない場合には、ステップ303において、食品ポイント(FP)の再検出が行われる。ステップ303における食品ポイントの再検出は、その時点における赤外線温度センサ6からの温度検出情報に基づくものであり、例えば、そのときの最高温度の40%までの温度を示す温度検出領域を食品ポイントと定義し直すものである。以後のステップでは、再検出された食品ポイントが利用される。ステップ304において、再検出された食品ポイントが予め設定された所定の食品ポイント以下である場合には、被加熱物が小さい食品であるとして、当該被加熱物の調理を終了させる。
ステップ304において、再検出された食品ポイントが所定の食品ポイントを超えていれば、通常の電子レンジにおいて実行される「突沸防止シーケンス」に移行する。
ステップ305の「突沸防止シーケンス」は、例えば、食品ポイントが連続して2〜3個存在する場合には食品がカップ(マグカップ)に入った飲み物であると判断して、カップにおいて突沸が生じて吹きこぼれが起きないように温度管理が行われる。実施の形態1の電子レンジにおいて「あたため動作」を行った場合、「突沸防止シーケンス」は、経過時間35秒後に開始するよう設定されている。
図9のフローチャートにおいては、図8に示したステップ305の「突沸防止シーケンス」の以降のステップ401〜405を示している。
図9のステップ401においては、第2の常温食品〜第6の常温食品として定められた温度に仮食品ポイント(温度検出領域)の温度が1カ所でも到達しているか否かを判定する。食品ポイント(温度検出領域)の温度がそれぞれの常温食品において設定されている温度に1カ所の領域でも到達していたとき、ステップ402において、当該被加熱物が第2の常温食品(設定温度50℃)若しくは第3の常温食品(設定温度50℃)に該当すると判断されていた場合には調理終了となる。
ステップ401において、食品ポイント(温度検出領域)の温度がそれぞれの常温食品において設定されている温度にいずれの領域も到達していない場合には、後述するステップ405の「常温A/B判定シーケンス」に移行する。
ステップ402において、当該被加熱物が第2の常温食品または第3の常温食品に該当しない場合には、ステップ403において、前述のステップ303と同様に、再び食品ポイント(FP)の再検出が行われる。ステップ403における食品ポイントの再検出は、その時点における赤外線温度センサ6からの温度検出情報に基づくものであり、例えば、そのときの最高温度の40%までの温度を示す温度検出領域を食品ポイントと定義し直すものである。以後のステップでは、再検出された食品ポイントが利用される。ステップ404において、再検出された食品ポイントが予め設定された所定の食品ポイント以下である場合には、被加熱物が小さい食品であるとして、当該被加熱物の調理を終了させる。
ステップ404において、再検出された食品ポイントが所定の食品ポイントを超えていれば、通常の電子レンジにおいて実行される「常温A/B判定シーケンス」に移行する。
ステップ405の「常温A/B判定シーケンス」は、赤外線温度センサ6からの温度検出情報に基づいて、被加熱物配置可能領域に載置された食品が単品か複品(例えば、2品)かを判定するシーケンスである。第2〜第5の常温食品と判定されたものが複品と判断されたときには、第6の常温食品として以降のステップが実行される。なお、実施の形態1の電子レンジにおける「あたため動作」において、食品が単品か複品かの判定は、経過時間40秒後に開始するよう設定されている。
図10のフローチャートにおいては、図9に示したステップ405の「常温A/B判定シーケンス」の以降のステップ501〜506を示している。
図10のステップ501においては、第2の常温食品〜第6の常温食品として定められた温度に仮食品ポイント(温度検出領域)の温度が1カ所でも到達しているか否かを判定する。食品ポイント(温度検出領域)の温度がそれぞれの常温食品において設定されている温度に1カ所の領域でも到達していたとき、ステップ502において、当該被加熱物が第2の常温食品(設定温度50℃)若しくは第3の常温食品(設定温度50℃)に該当すると判断されていた場合には調理終了となる。
ステップ501において、食品ポイント(温度検出領域)の温度がそれぞれの常温食品において設定されている温度にいずれの領域も到達していない場合には、所定時間後に再度ステップ501が実行される。
ステップ502において、当該被加熱物が第2の常温食品または第3の常温食品に該当しない場合には、ステップ503において、再び食品ポイント(FP)の再検出が行われる。前述のステップ303,403と同様に、ステップ503における食品ポイントの再検出は、前述のステップ303,403と同様に、その時点における赤外線温度センサ6からの温度検出情報に基づくものであり、例えば、そのときの最高温度の40%までの温度を示す温度検出領域を食品ポイントと定義し直すものである。以後のステップでは、再検出された食品ポイントが利用される。ステップ504において、再検出された食品ポイントが予め設定された所定の食品ポイント以下である場合には、当該被加熱物の調理を終了させる。
ステップ504において、再検出された食品ポイントが所定の食品ポイントを超えていれば、ステップ505へ移行する。
ステップ505においては、赤外線温度センサ6からの温度検出情報に基づいて、被加熱物である食品における温度むらが検出された場合、検出された温度むらに応じて、温度むらを緩和する追加加熱を実行する。このステップ505における追加加熱は、食品全体の温度を考慮して、検知温度より低い温度を示す温度検出領域に対して追加加熱を行う。例えば、検知温度より15℃低い部分が全体の40%以上あった場合にその割合を15%まで低減させるように追加加熱を行う。この追加加熱を行うことを決定するための温度と割合については個々に設定できるようにしてもよい。
ステップ506においては、当該食品に対するこれまでの加熱動作において収集された温度検出情報に基づいて、予め設定した検知温度に到達した時間を検知時間として、その検知時間と食品ポイント(FP)とにより当該食品の分量を判定し、その分量に応じて必要な時間を追加加熱として実行する。ステップ506において、この追加加熱時間が経過したとき、「あたため動作」は終了する。
前述のように、「あたため動作」において、図8に示したステップ301〜304、図9に示したステップ401〜404、および図10に示したステップ501〜504は、同様の動作であり、第2の常温食品および第3の常温食品を確実に素早く検出して、確実に調理動作を終了させると共に、食品ポイントの更なる確実性を高めている。
なお、実施の形態1の電子レンジにおいて、ステップ505およびステップ506における追加加熱では、マイクロ波供給部12によるマイクロ波放射に指向性を持たせて、被加熱物配置可能領域に載置された食品に対して局所加熱を行ってもよい。
図11は、実施の形態1の電子レンジにおける「あたため動作」において、各種食品に関する経過時間と(MAX−MIN差)の温度差との関係を示すグラフである。図11において、破線で示す曲線Aは食品が50gのごく少量のご飯である場合の「あたため動作」の経過状態を示しており、実線で示す曲線Bは食品がカレーである場合の「あたため動作」の経過状態を示しており、一点鎖線で示す曲線Cは食品がご飯茶碗一杯(150g)のご飯である場合の「あたため動作」の経過状態を示しており、そして二点鎖線で示す曲線Dは食品が500gの大量のご飯である場合の「あたため動作」の経過状態を示している。
図11において、縦軸が仮食品ポイントの温度検出領域において最高温度と最低温度との温度差(MAX−MIN差)を示し、横軸が経過時間を示している。図11のグラフにおいて、経過時間が20秒から25秒までの期間がごく少量のご飯等のごく少量の単一食材を検知するための判定期間となる。また、経過時間が25秒のとき、少量のご飯等の少量の単一食材を検知するための判定時間であり、この判定においては経過時間を遡った20秒のときの(MAX−MIN差)の温度差の値を判定基準として用いている(図7のステップ111参照)。
図11において一点鎖線の曲線Cで示すように、ご飯茶碗一杯(150g)のご飯においては、経過時間が25秒のときの(MAX−MIN差)の温度差は10℃以下であり、それほど大きな温度差を示していない。また、二点鎖線の曲線Dで示すように、大量のご飯においても(MAX−MIN差)の温度差が小さい値で推移している。
以上のように、実施の形態1の高周波加熱装置である電子レンジにおいては、被加熱物が少量の単一食材の食品、複数の食材が混合した不均質な食品、そして大量の食品等の各種の食品をあたためる場合において、ユーザは当該食品を加熱室内に載置してスタートボタン(あたため動作開始ボタン)を押圧操作するだけで、当該食品に対して所望の温度になるように適切な加熱動作を確実に行うことができる。
実施の形態1に説明したように、「あたため動作」においては、第1の常温食品としては、焼き魚や少量(約50g)のご飯を想定したものであり、これらのすぐにあたたまる食品に対しては確実に一番早く「あたため動作」が終了するよう構成されている。また、ご飯茶碗一杯より少し少ない、約80g〜125gのご飯や、ご飯茶碗一杯の約150gの食品に対して被加熱物の食品として「あたため動作」を行った場合においても、それぞれの食品を所望の温度に確実に、且つきめ細かく適切にあたためることが可能となる。
高周波加熱装置である電子レンジにおいては、ユーザが冷えたご飯をあたためるために使用する場合が多く、そのような冷めたご飯をあたためる場合において、ご飯の分量により過加熱状態となったり、あたため不足になったりすることがある。本発明においては、実施の形態1の電子レンジで説明したように、被加熱物である食品として単一食材であるご飯等は勿論、複数食材のおかずに対しても、簡単な操作により所望の温度となるように適切にあたため動作を行うことができる。このように、本発明の高周波加熱装置は、各種の食品をあたためる場合において、簡単な操作により所望の温度に適切にあたためることが可能な構成となる。
本発明をある程度の詳細さをもって実施の形態において説明したが、実施の形態の開示内容は構成の細部において変化してしかるべきものであり、実施の形態における各要素の組合せや順序等の変化は請求された本発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
本発明の高周波加熱装置は、簡単な操作により各種の食品を所望の温度に適切にあたためることができるため、例えば、家庭用の電子レンジにおいては使い勝手がよく、有用である。
1 本体
2 ドア
3 把手
4 操作部
5 加熱室
6 赤外線温度センサ
10 加熱制御部
11 高周波発生部
12 マイクロ波供給部
13 温度検出部

Claims (10)

  1. 被加熱物が載置される被加熱物配置可能領域を有する加熱室と、
    前記被加熱物に対する調理条件として被加熱物を所定温度にあたためる「あたため動作」を入力するための操作部と、
    マイクロ波を発生する高周波発生部と、
    前記高周波発生部のマイクロ波を前記加熱室に供給するマイクロ波供給部と、
    前記被加熱物配置可能領域の全面を分割して複数の温度検出領域とする複数の赤外線検出素子を有し、前記複数の赤外線検出素子が前記複数の温度検出領域における各温度検出情報を同時に検出し出力する温度検出部と、
    前記温度検出部からの前記各温度検出情報に基づいて前記被加熱物を判定し、前記「あたため動作」を実行するように前記高周波発生部を制御する加熱制御部と、を備えており、
    前記加熱制御部は、
    前記複数の温度検出領域における前記各温度検出情報における温度に基づいて、前記被加熱物が載置されている温度検出領域を特定し、
    特定された温度検出領域において同時に検出された温度検出領域の最高温度と最低温度の温度差が第1の所定値以上の場合に、過去の最高温度と最低温度の温度差を遡って参照し、この過去の温度差が第2の所定値未満の場合に、それ以降最高温度と最低温度の温度差を参照することなく前記被加熱物がご飯であると特定し、前記「あたため動作」を制御するよう構成した高周波加熱装置。
  2. 前記加熱制御部は、前記被加熱物が載置されていると特定した温度検出領域で同時に検出された温度検出情報における現在と過去の情報に基づいて、前記被加熱物に対する前記「あたため動作」を制御するよう構成された請求項1に記載の高周波加熱装置。
  3. 前記加熱制御部は、被加熱物が載置されていると特定した温度検出領域を示す情報における温度検出領域の数に基づいて、前記被加熱物に対する前記「あたため動作」を制御するよう構成された請求項1または2に記載の高周波加熱装置。
  4. 前記加熱制御部は、前記温度検出部からの前記各温度検出情報に基づいて、前記被加熱物が単一食材で構成された食品であるか、または複数食材で構成された食品であるかを判定するよう構成された請求項1から3のいずれか一項に記載の高周波加熱装置。
  5. 前記加熱制御部は、前記温度検出部からの前記各温度検出情報に基づいて、前記被加熱物の分量を判定するよう構成された請求項1から3のいずれか一項に記載の高周波加熱装置。
  6. 前記加熱制御部は、前記温度検出部からの前記各温度検出情報に基づいて、前記被加熱物がご飯であると特定し、当該ご飯の分量を判定して前記「あたため動作」を制御するよう構成された請求項1から3のいずれか一項に記載の高周波加熱装置。
  7. 被加熱物が載置される被加熱物配置可能領域を有する加熱室と、
    前記被加熱物に対する調理条件として被加熱物を所定温度にあたためる「あたため動作」を入力するための操作部と、
    マイクロ波を発生する高周波発生部と、
    前記高周波発生部のマイクロ波を前記加熱室に供給するマイクロ波供給部と、
    前記被加熱物配置可能領域の全面を分割して複数の温度検出領域とする複数の赤外線検出素子を有し、前記複数の赤外線検出素子が前記複数の温度検出領域における各温度検出情報を同時に検出し出力する温度検出部と、
    前記温度検出部からの前記各温度検出情報に基づいて前記被加熱物を判定し、前記「あたため動作」を実行するように前記高周波発生部を制御する加熱制御部と、を備えており、
    前記加熱制御部は、
    前記複数の温度検出領域における前記各温度検出情報における温度に基づいて、前記被加熱物が載置されている温度検出領域を特定し、
    特定された温度検出領域において同時に検出された温度検出領域の最高温度と最低温度の温度差を複数の経過時間において検出し、
    複数の前記温度差間の関係と、前記特定された温度検出領域の数と、に基づいて食品の種別を特定し、前記被加熱物に対する前記「あたため動作」を制御するように構成した高周波加熱装置。
  8. 前記加熱制御部は、
    前記温度差が第1の所定値以上の場合に、過去の前記温度差を遡って参照し、当該過去の前記温度差が第2の所定値未満の場合に、前記被加熱物を単一食材で構成された食品であると特定し、
    前記「あたため動作」を制御するよう構成された請求項7に記載の高周波加熱装置。
  9. 前記加熱制御部は、
    前記温度差が第1の所定値以上の場合に、過去の前記温度差を遡って参照し、当該過去の前記温度差が第2の所定値以上の場合であり、および前記特定された温度検出領域の数が第3の所定値以上の場合に、前記被加熱物を大量の食品であると特定し、
    前記「あたため動作」を制御するよう構成された請求項7に記載の高周波加熱装置。
  10. 前記加熱制御部は、
    前記温度差が第1の所定値以上の場合に、過去の前記温度差を遡って参照し、当該過去の前記温度差が第2の所定値以上の場合であり、前記特定された温度検出領域の数が第3の所定値未満の場合であり、および現在の最大温度と所定の過去の最大温度との差が第4の所定値未満の場合に、前記被加熱物を複数の食材が混合した不均質な食品であると特定し、
    前記「あたため動作」を制御するよう構成された請求項7に記載の高周波加熱装置。
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