JP6467645B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

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Description

本開示は、高周波加熱装置、特にマイクロ波加熱により調理する電子レンジに関する。
マイクロ波加熱により被加熱物を内部から加熱することができるため、電子レンジは、調理済み食品の再加熱、冷凍食品の解凍等のいろいろな用途で用いられている。
従来の電子レンジにおいては、マイクロ波加熱の他に、オーブン加熱(Oven heating)、および、グリル加熱(Grill heating)、並びに、これらに加えてスチーム(Steam)を併用した加熱を行うものがある。
オーブン加熱は、グリルヒータ(Grill heater)とコンベクションヒータ(Convection heater)とを用いて、被加熱物を加熱する調理方法である。グリル加熱とは、マイクロ波が照射されると熱を発する材料が塗布されたグリル皿を用い、マイクロ波が照射されたグリル皿が発する熱により、被加熱物を加熱する調理方法である。
このような複数機能を備えた電子レンジにおいて、オーブン加熱またはグリル加熱の終了後、加熱室内は高温となる(例えば150℃)。従って、オーブン加熱等の直後に、マイクロ波加熱により自動的に所望温度まで食品を温めようとしても、加熱室内が高温のため、赤外線センサ等の温度センサが食品の温度を正確に検出できない。そのため、所望の温度で加熱を終了させることができない。
この問題を解決するため、加熱室内が高温の時に、蒸発潜熱を利用して加熱室内をすばやく冷却しようとする調理器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この調理器は、加熱室内にミストを放出するとともに加熱室内を減圧することで、ミストの蒸発を生じさせるものである。
特許文献1の調理器によれば、加熱室内の温度を下げることにより、食品の温度をより正確に検出することができる。
特開2009−109027号公報
しかしながら、特許文献1の調理器は、ミスト発生装置および減圧装置を有する複雑な構成を必要とする。したがって、簡単な構成で、被加熱物の温度や位置等を精度良く検出しながら被加熱物の加熱を制御することに未だ改善の余地がある。
本開示は、上記従来の課題を解決するもので、加熱室内が高温の場合にマイクロ波加熱の開始が指示されても、簡単な構成で、被加熱物の位置を精度良く判定しながら被加熱物を加熱することができる高周波加熱装置を提供することを目的とする。
本開示に係る一態様の高周波加熱装置は、加熱室と、操作部と、高周波発生部と、第1の温度検出部と、第2の温度検出部と、制御部とを備える。加熱室は、被加熱物を収容する。操作部は、所定の加熱シーケンスの開始を指示するために用いられる。高周波発生部は、加熱室に供給されるマイクロ波を発生させる。
第1の温度検出部は、複数の赤外線検出素子を有し、加熱室内の温度検出領域を構成する複数の区画に複数の赤外線検出素子をそれぞれ対応させることにより、区画ごとに温度を検出する。第2の温度検出部は、加熱室の庫内温度を検出する。制御部は、第1および第2の温度検出部により検出された温度情報に基づいて、加熱シーケンスを実行するように高周波発生部を制御する。
第1の温度検出部は、加熱室内の温度検出領域を構成する複数の区画に、複数の赤外線検出素子をそれぞれ対応させることにより、区画ごとに温度を検出し、回転軸を中心にしてその俯角を変更することで、複数の赤外線検出素子の視野を上下方向に移動可能となるように構成され、温度検出領域を金移室の底面全体に設定することや支持突起に設置された皿の上に設定することが可能で、調理条件に応じて視野を移動させるものである。
制御部は、操作部により当該加熱シーケンスの開始が指示された時に、庫内温度が所定温度以上であれば高温と判定する。制御部は、高温と判定した場合の当該加熱シーケンスにおいて、温度検出領域の周縁部の温度よりも第1の所定値以上低い温度が検出された区画を被加熱物の載置位置と判定する。
本開示の高周波加熱装置によれば、加熱室内が高温の場合にマイクロ波加熱の開始が指示されても、簡単な構成で、被加熱物の位置を精度良く判定しながら、被加熱物の加熱を制御することができる。
図1は、本開示の実施の形態に係る電子レンジを示す斜視図である。 図2は、図1に示した電子レンジを、ドアが開いた状態で示す斜視図である。 図3は、本実施の形態に係る電子レンジにおけるマイクロ波加熱のための主要な構成を示すブロック図である。 図4は、本実施の形態に係る電子レンジを、ドアが開いた状態で示す正面図である。 図5は、本実施の形態に係る電子レンジを、ドアが開いた状態で示す側面図である。 図6は、本実施の形態に係る電子レンジにおける加熱室の底面上の温度検出領域を示す平面図である。 図7は、本実施の形態に係る電子レンジにおける温め動作のフローチャートである。 図8は、本実施の形態に係る電子レンジにおける温め動作のシーケンス(Sequence)を示す図である。 図9は、載置位置判定に用いられる温度検出結果の一例を示す図である。
本開示の第1の態様に係る高周波加熱装置は、加熱室と、操作部と、高周波発生部と、第1の温度検出部と、第2の温度検出部と、制御部とを備える。加熱室は、被加熱物を収容する。操作部は、所定の加熱シーケンス(例えば、本開示における温め動作)の開始を指示するために用いられる。高周波発生部は、加熱室に供給されるマイクロ波を発生させる。
第1の温度検出部は、複数の赤外線検出素子を有し、加熱室内の温度検出領域を構成する複数の区画に複数の赤外線検出素子をそれぞれ対応させることにより、区画ごとに温度を検出する。第2の温度検出部は、加熱室の庫内温度を検出する。制御部は、第1および第2の温度検出部により検出された温度情報に基づいて、加熱シーケンスを実行するように高周波発生部を制御する。
第1の温度検出部は、加熱室内の温度検出領域を構成する複数の区画に、複数の赤外線検出素子をそれぞれ対応させることにより、区画ごとに温度を検出し、回転軸を中心にしてその俯角を変更することで、複数の赤外線検出素子の視野を上下方向に移動可能となる
ように構成され、温度検出領域を金移室の底面全体に設定することや支持突起に設置された皿の上に設定することが可能で、調理条件に応じて視野を移動させるものである。
制御部は、操作部により加熱シーケンスの開始が指示された時に、庫内温度が所定温度以上であれば高温と判定する。制御部は、高温と判定した場合の温め動作において、温度検出領域の周縁部の温度よりも第1の所定値以上低い温度が検出された区画を被加熱物の載置位置と判定する。
本態様によれば、加熱室内が高温の場合に温め動作が開始された場合に、周縁部に位置する区画の温度よりも第1の所定値以上低い温度が検出された区画に被加熱物が載置されていると判定する。
これにより、加熱室内が高温であっても、精度良く載置位置を判定しながら、被加熱物を加熱することができる。ミスト発生機構や減圧機構が不要であるため、簡単な構成で被加熱物の加熱を制御することができる。
本開示の第2の態様に係る高周波加熱装置は、第1の態様において、複数の赤外線検出素子が、2次元状に配列され、複数の区画における温度を同時に検出して出力する。本態様によれば、加熱室内の区画の温度をより正確に検出することができ、庫内温度が高温と判定した時の加熱シーケンスによる加熱制御をより精度良く行うことができる。
本開示の第3の態様に係る高周波加熱装置は、第1又は第2の態様において、制御部が、庫内温度が高温と判定した場合の温め動作における加熱時間を、庫内温度に応じて制御する。本態様によれば、庫内温度を考慮して加熱時間を制御することにより、庫内温度が高温と判定した場合の加熱シーケンスによる加熱制御をより精度良く行うことができる。
本開示の第4の態様に係る高周波加熱装置は、第3の態様において、制御部が、庫内温度が高い場合には加熱時間を短くし、庫内温度が低い場合には加熱時間を長くするように制御する。本態様によれば、庫内温度の高低と加熱時間の長短を逆に設定することで、加熱後の被加熱物の温度を目標温度に近づけることができる。
本開示の第5の態様に係る高周波加熱装置は、第1から第4のいずれか1つの態様において、制御部が、庫内温度が高温と判定した場合、加熱シーケンスにおける第1の温度検出部が検出する載置位置の温度変化に基づいて加熱シーケンスにおける加熱時間を制御する。本態様によれば、載置位置の温度変化を考慮して加熱時間を制御することにより、加熱制御をより精度良く行うことができる。
本開示の第6の態様に係る高周波加熱装置は、第5の態様において、制御部が、庫内温度が高温と判定した場合、加熱シーケンスにおける加熱時間を、第1の温度検出部が検出する載置位置の温度上昇値が第2の所定値以上となった時点を基準として決定する。本態様によれば、載置位置の温度上昇値を考慮して加熱時間を制御することにより、被加熱物の温度をより精度良く制御することができる。
本開示の第7の態様に係る高周波加熱装置は、第6の態様において、制御部が、庫内温度が高い場合には第2の所定値を低くし、庫内温度が低い場合には第2の所定値を高くするよう制御する。本態様によれば、庫内温度の高低と第2の所定値の高低を逆に設定することで、加熱後の被加熱物の温度を目標温度に近づけることができる。
本開示の第8の態様に係る高周波加熱装置は、第1から第7のいずれか1つの態様において、制御部が、庫内温度が高温と判定した場合、加熱シーケンスにおける区画の温度に基づいた、被加熱物が冷凍されているか否かの判定結果に応じて、加熱シーケンスにおける加熱時間を制御する。本態様によれば、冷凍されているか否かを精度良く判定しつつ、加熱制御を精度良く行うことができる。
本開示の第9の態様に係る高周波加熱装置は、第8の態様において、制御部が、検出される最も低い温度と、温度検出領域の周縁部の温度とを比較することにより被加熱物が冷凍されているか否かを判定する。検出される最も低い温度は被加熱物が冷凍されているか否かにより変化しやすい一方で、温度検出領域の周縁部の温度は被加熱物が冷凍されていても変化しにくい。本態様によれば、冷凍されているか否かの判定をより精度良く行うことができる。
本開示の第10の態様に係る高周波加熱装置は、第1から第9のいずれか1つの態様において、加熱室内を加熱するグリルヒータをさらに備え、制御部が、庫内温度が高温と判定した場合、加熱シーケンスの開始から、所定時間が経過するまでマイクロ波を発生させないように高周波発生部を制御する。
本態様によれば、マイクロ波の供給は温め動作の開始から所定時間経過後とすることで、マイクロ波の供給をすぐに行った場合に比べて、温度が高くなっているグリルヒータにマイクロ波が集中することを抑制し、グリルヒータの信頼性を向上させることができる。
以下、本開示の高周波加熱装置に係る実施の形態としてマイクロ波加熱を行う電子レンジについて、添付の図面を参照しながら説明する。
なお、本開示の高周波加熱装置は、以下の実施の形態に記載した電子レンジの構成に限定されるものではない。本開示の高周波加熱装置は、以下の実施の形態において説明する技術的思想と同等の技術的思想に基づいて構成される加熱装置、例えば、マイクロ波加熱のみの機能を有する構成の他に、伝熱、対流、輻射、スチーム等の加熱機能を有する加熱装置を含む。
図1は本開示の実施の形態に係る電子レンジ20を示す斜視図である。図2は図1に示した電子レンジ20のドアを開いた状態を示す斜視図である。実施の形態の電子レンジ20は、マイクロ波を用いるマイクロ波加熱の他に、伝熱、対流および輻射等の加熱方法により被加熱物である食品を調理する機能を有している。
図1および図2に示すように、電子レンジ20は、被加熱物が載置される加熱室5を備えた本体1と、加熱室5の前面側の開口を開閉するためのドア2とを備えている。ドア2の前面上部にはドア2の開閉時に用いられる把手3が設けられている。
ドア2の前面には、さまざまな情報を表示し、使用者の指示を入力するタッチ画面、および、調理の開始を指示するためのスタートボタン等を備えた操作部4が設けられている。使用者が操作部4におけるタッチ画面を操作して、調理条件等を入力し、最後にスタートボタンを操作すると、電子レンジ20は各種加熱シーケンスを開始する。
図3は、電子レンジ20におけるマイクロ波加熱のための主要な構成を示すブロック図である。図3に示すように、電子レンジ20は、操作部4と制御部10とマグネトロン11と導波管12と温度検出部13を含んでいる。
使用者は、操作部4により調理条件等の情報を入力する。マグネトロン11は、マイクロ波を発生する高周波発生部である。導波管12は、加熱室5の底面の下方に設けられ、マグネトロン11により発生されたマイクロ波を、回転アンテナ(図示せず)に導く。回転アンテナは、加熱室5の底面の中央付近の下方に設けられ、指向性を有するアンテナを回転させながら、加熱室5内にマイクロ波を供給する。
本実施の形態の電子レンジ20は、回転アンテナの制御方法に応じて、全方向に均一にマイクロ波を供給する均一加熱(Omnidirectionally uniform heating)と、所望の方向に集中的にマイクロ波を供給する局所加熱(Locally intensive heating)とを行うことができる。
温度検出部13は、加熱室5の内部の温度を検出する。制御部10は、操作部4により入力された情報と、温度検出部13が検出する温度情報とに応じて、マグネトロン11を制御する。
実施の形態において、温度検出部13は、第1の温度検出部と第2の温度検出部とを備える。第1の温度検出部は、後述するように、加熱室5の底面上に仮想的に設けられた温度検出領域(Temperature detectable area)30の温度を検出する赤外線センサである。
第2の温度検出部は、加熱室5内の雰囲気温度(以下、庫内温度という)を検出する温度センサ(例えば、サーミスタ(図示せず))である。
電子レンジ20は、赤外線センサが設けられている場所の環境温度を検出するための温度センサ(例えば、サーミスタ(図示せず))をさらに備える。この環境温度情報に応じて、赤外線センサに検出された温度情報が較正される。このように、制御部10は、温度検出部13から、庫内温度情報、温度検出領域30の温度情報、および、環境温度情報を入手する。
制御部10は、操作部4において入力された調理条件等の情報を操作部4から入手し、温度検出部13から入手した温度情報に応じて、マイクロ波を発生するマグネトロン11を制御し、設定された調理条件等に従って被加熱物を調理する。
マグネトロン11により発生されたマイクロ波は、導波管12と回転アンテナとを介して加熱室5の内部に供給され、被加熱物をマイクロ波加熱する。
実施の形態においては、回転アンテナおよび導波管12は底面の下方に設けられている。しかしながら、本開示はこの構成に限定されるものではなく、加熱室5の天面の上方等に配設してもよい。また、マグネトロン11と導波管12との組を複数個設けてもよい。
本体1の内部において被加熱物を収納する加熱室5は、左右側面、天面、底面、奥面の5面と、前面側の開口に設けられたドア2とで区画されて構成されている。以下、本実施の形態において、加熱室5の開口側を前面側、奥面側を背面側、天面側を上側、底面側を下側と定義し、加熱室5を前面側から見て、右側の側面を右側面、左側の側面を左側面と定義する。
電子レンジ20は、加熱室5内を加熱するためのグリルヒータ(図示せず)をさらに備える。グリルヒータは、例えば、加熱室5の天面に設置される。
電子レンジ20はさらに、加熱室5内にて空気を循環させるための循環ファンと、循環ファンによって循環される空気を加熱するためのコンベクションヒータ(図示せず)とを備える。
循環ファンおよびコンベクションヒータはともに、加熱室5の奥面の背面側に設けられている。循環ファンは、加熱室5の奥面に形成されたパンチング(Punching)穴(図示せず)を介して、加熱室5から空気を吸い出すとともに加熱室5に向けて空気を送り出す機能を有する。これにより、加熱室5内で熱風を循環させる。
電子レンジ20においては、マイクロ波加熱の他に、オーブン加熱で用いられるオーブン皿と、グリル加熱に用いられるグリル皿とが用いられるように構成されている。グリル皿およびオーブン皿を支持するために、加熱室5の右側面と左側面とには、前後方向に水平に延在する支持突起が、複数段(実施の形態においては3段)設けられている。これにより、調理に最適な位置に被加熱物を載置するための皿を設置可能である。
図4は、電子レンジ20を、ドア2を開いた状態で示す正面図である。図5は実施の形態の電子レンジ20を、ドア2が開いた状態で示す側面図である。図5は、加熱室5の内部が見えるように、本体1の一部を切り欠いた状態で示している。
図4、図5に示すように、赤外線センサ6は、加熱室5の右側面上部の外側に設けられ、赤外線センサ6の視野35は、加熱室5の底面のほぼ全体をカバーしている。赤外線センサ6は、8行8列のマトリクス状に配列された合計64個の赤外線検出素子により構成されている。
図6は、加熱室5の底面の平面図である。図6に示すように、加熱室5の底面のほぼ全体が温度検出領域30に相当する。温度検出領域30は、温度検出部13に含まれた赤外線センサ6により温度検出が可能な領域である。
図4、図5に示すように、赤外線センサ6の作動時には、破線で示す視野35が温度検出領域30の全体をカバーするように、赤外線センサ6のレンズの向きが所定の俯角に設定される。この状態(以下、検出可能状態という)において、赤外線センサ6は、加熱室5の右側面の上部に形成された開口5aを通して、加熱室5内に載置された被加熱物の温度情報を検出する。
温度検出領域30は、8行8列のマトリクス状に配列された区画(Detection compartment)31により構成されている。温度検出領域30の各区画の温度情報は、赤外線センサ6を構成する64個の赤外線検出素子をそれぞれ各区画に対応づけすることにより検出可能である。
すなわち、電子レンジ20は、64個の区画に対するすべての温度検出を一度に行うことができるように構成されている。
なお、図6に示すように、本実施の形態では、加熱室5の底面のほぼ全体が温度検出領域30に相当しているが、これに限らず、例えば、加熱室5の底面の一部分のみを温度検出領域30としてもよい。
赤外線センサ6は、水平な回転軸を中心にしてその俯角を変更することで、その視野35を上下方向に移動可能となるように構成されている。本実施の形態では、赤外線センサ6は、調理条件に応じて視野35を移動させる。
例えば、加熱室5の底面に載置された被加熱物をマイクロ波加熱する調理条件においては、加熱室5の底面全体を温度検出領域30とするために、赤外線センサ6のレンズの向きを変更し、視野35を温度検出領域30の全体に合わせる。グリルヒータを使用すると同時にグリル加熱を行う調理条件においては、所定の高さに設置されたグリル皿の上に温度検出領域30が設定される。
このように、実施の形態における赤外線センサ6は、調理条件に応じて温度検出領域30を上下方向に移動させることにより、視野35を加熱室5の内部において上下方向に移動させることができる。
赤外線センサ6が温度検出を行っていない場合、赤外線センサ6のレンズは真下に向けた状態(待機状態)となるように構成されている。これにより、レンズ表面に汚れが付着することを防止できる。赤外線センサ6が待機状態にある場合、赤外線センサ6の全体が冷却風により冷却されるよう構成されている。待機状態では赤外線センサ6の全体が冷却されるため、次の温度検出時には、正確な温度検出が可能となる。
なお、赤外線センサ6を冷却する冷却風は、マイクロ波を発生するマグネトロン11のための冷却風を利用しており、冷却ダクトにより赤外線センサ6に対して下方から吹き付けるように構成されている。
なお、温度検出部13に含まれるサーミスタおよび赤外線センサが、異常な温度を検出した場合には、制御部10は瞬時にマグネトロン11の動作を停止するよう構成されている。
[温め動作]
次に、上記のように構成された電子レンジ20において、被加熱物を所望の温度まで自動的に加熱する加熱シーケンスである温め動作について説明する。温め動作に適した被加熱物の具体的な例として、冷めたご飯、調理済みのおかず等が想定される。
以下、加熱後の被加熱物の温度が使用者の好みに応じて設定できるように、3段階(弱・中・強)の出力設定が可能な構成における温め動作を具体的に説明する。
図7は、本実施の形態における温め動作を示すフローチャートである。図8は、図7のフローチャートに従って行われる温め動作の加熱シーケンスである。図8において、加熱室5の庫内温度、マイクロ波の出力、冷却ファンの作動および循環ファンの作動を示す。なお、以下の説明において、すべての制御、判定、計算等は、制御部10により行われる。
電子レンジ20において、温め動作は、使用者が操作部4の所定のボタンを押下することにより開始される。
使用者が温め動作の開始を指示した場合、まず、温度検出部13のサーミスタ(第2の温度検出部)が加熱室5の庫内温度を検出する。その庫内温度が高温と判定された場合に、本加熱シーケンスが開始される(庫内温度の高温時における温め動作の開始)。
加熱室5内が高温である要因としては主に、グリルヒータ、循環ファンおよびコンベクションヒータを用いるオーブン加熱の終了直後であることが想定される。本実施の形態では、庫内温度が100℃から260℃の場合に高温と判定する。庫内温度が100℃以下の場合には、本加熱シーケンスではなく通常の自動温めのシーケンスが実行されるが、その説明は省略する。
庫内温度が260℃を超える場合には、操作部4がエラー表示を行い、「温め動作」ができないことを使用者に報知する。なお、100℃から260℃という庫内温度の範囲は電子レンジの使用等に応じて適宜変更してもよい。
当該加熱シーケンスが開始されると、ステップS101において、赤外線センサ6を検出可能状態に移行させる。この検出可能状態において、加熱室5内からの熱により赤外線センサ6のレンズの温度は上昇する。
そこで、ステップS102において、加熱室5の外側に設けられた冷却ファン(図示せず)を作動させ、検出可能状態にある赤外線センサ6を冷却する。赤外線センサ6は、温め動作開始の前のオーブン加熱時には待機状態にあるため、レンズは冷たく、基板は熱くなっている。
このような状態で、赤外線センサ6を検出可能状態に移行させると、レンズが急激に熱くなり、レンズと基板の温度差が大きくなる。これを防ぐため、ステップS102においてレンズおよび基板を含めた赤外線センサ6全体を冷却する。これにより、レンズおよび基板の温度をより均一にすることができ、被加熱物の温度をより正確に検出することができる。
ステップS103において循環ファンを停止させる。具体的には、温め動作前のオーブン加熱時に作動していた循環ファンへの電力の供給を徐々に減少させることで、循環ファンの回転数を徐々に小さくする。本実施の形態では、循環ファンを所定時間(例えば、10秒)経過後に停止するように制御している。
ステップS104において待機時間(図8に示すTwait時間)を設ける。具体的には、所定の待機時間の間、マグネトロン11を停止させ、冷却ファンを作動させ続けるとともに循環ファンの回転数を徐々に小さくして停止させる。本実施の形態では、Twait時間は30秒に設定される。
本実施の形態では、温め動作の開始から待機時間経過までの期間を「擬似調理ステージ」とする。擬似調理ステージにおいては、当初高温であった庫内温度は低下していくが、被加熱物が載置される領域では、被加熱物により熱が吸収されるため、他の領域に比べて温度がより早く低下する。
本実施の形態では、擬似調理ステージにおける最初の所定時間(例えば14秒)経過まで、被加熱物の仕上がり温度に応じたマイクロ波の出力設定が変更可能である。出力設定の結果は制御部10で記憶される。
出力設定の結果に応じて、後述する検出マスク時間が決定される。検出マスク時間とは、擬似調理ステージ後に行うマイクロ波加熱時間の最小時間を定めるものである。例えば、「弱」設定の場合には検出マスク時間を短くし、「強」設定の場合には検出マスク時間を長くするようにしてもよい。検出マスク時間は例えば、「弱」設定の場合に46秒、中設定の場合に52秒、強設定の場合に75秒としてもよい。
ステップS104における待機時間の経過後、ステップS105において、マグネトロン11がマイクロ波を発生し始める。発生されたマイクロ波は、導波管12等を経由して加熱室5内に供給され、加熱室5内の被加熱物をマイクロ波加熱する。本実施の形態では、マグネトロン11の出力は例えば700Wに設定されている。
ステップS106において、温度検出領域30の温度検出を開始する。具体的には、検出可能状態に移行済みの赤外線センサ6が、擬似調理ステージの終了時から温度検出領域30の全体(本実施の形態では加熱室5底面の全体)の温度検出を開始する。本実施の形態では、当該温度検出は、擬似調理ステージの終了時から所定時間毎、例えば、1秒毎に行われる。これらの結果は制御部10で記憶される。
前述したように、赤外線センサ6は、擬似調理ステージにおいてレンズが加熱室5に向けられた状態のまま冷却ファンにより冷却されて、全体の温度(特にレンズの温度と基板の温度)が均一化される。よって、ステップS106から開始される温度検出領域30の温度検出をより正確に行うことができる。
ステップS107において、載置位置の判定が行われる。具体的には、ステップS106による最初の温度検出結果を利用して、加熱室5内の温度検出領域30において被加熱物の載置が推定されるポイント(載置位置)を判定する。
これに関して、ステップS106における最初の温度検出結果の一例を図9に示す。図9において、温度検出領域30の周縁部(本実施の形態では加熱室5の底面の周縁部)の左前面の隅に位置する区画31aの検出温度を基準温度として、他の区画の温度とこの基準温度との差分が表示されている。
ステップS107では、基準温度よりも所定値以上低い区画を載置位置と判定している。図9に示す例では、基準温度よりも8度以上低い区画を載置位置と判定している(図9における網掛け表示)。これにより、基準温度よりも8度以上低い区画として合計14個の区画が載置位置と判定されている。
一般的に、被加熱物が載置された区画では、被加熱物によって熱が吸収されるため、その温度は下がりやすい。一方、温度検出領域30の周縁部(例えば加熱室5内の周縁部)は被加熱物があまり載置されないので、被加熱物による温度変化は生じにくい。
このような特性を利用して、温度検出領域30の周縁部の温度よりも所定値以上低くなっている区画を被加熱物の載置位置と推定する。これにより、被加熱物の載置を精度良く判定することができる。なお、温度検出領域30の周縁部とは、温度検出領域30の隅(例えば加熱室5の底面の隅の近傍)に位置する、被加熱物が載置されることが殆どない区画(例えば図9に示す区画31a)をいう。
ステップS107において、載置位置と判定された区画がない場合には、ステップS108に移行する。載置位置と判定された区画が1つ以上ある場合には、ステップS109に移行する。ステップS108に移行すると、ステップS109以降に続くステップを行わず、所定時間経過後に当該「温め」動作を終了する。本実施の形態では、ステップS108に移行した場合の加熱継続時間が、出力設定が弱の場合の検出マスク時間(例えば、46秒)と同じ時間に設定される。
載置位置と判定された区画が1つ以上ある場合には、ステップS109において、被加熱物が少量か大量かの判定を行う(以下、この判定を少量/大量判定(Large / small amount judgment)という)。具体的には、ステップS107で判定した載置位置と判定された区画の数に応じて、被加熱物が少量か大量かを判定する。
より具体的には、以下の式(1)により、被加熱物が少量か大量かを判定するための閾値を算出する。この閾値以上、載置位置と判定された区画の数がある場合には被加熱物は大量と判定し、そうでない場合には被加熱物は少量と判定する。
少量/大量判定のための閾値
=A×(温め動作開始時の庫内温度)+B …(1)
上記式(1)では、この閾値を算出する際に、温め動作の開始時の加熱室5の庫内温度を使用する。上記式(1)においてA、Bは定数である。A、Bの値は電子レンジの仕様に応じて適宜設定することができる。
本実施の形態では、例えば、Aは0.1に、Bは16に、温め動作開始時の庫内温度は150℃に設定される。この場合の閾値は「31」となる。この閾値を用いると、図9に示すように、載置位置と判定された区画が14個ある場合、載置位置と判定された区画の数が閾値(31)よりも小さいため、被加熱物は「少量」と判定される。ステップS109における判定の結果は制御部10で記憶される。
ステップS110において待機時間を設ける。具体的には、ステップS105におけるマイクロ波の供給およびステップS106における温度検出領域30に対する所定時間毎の温度検出を継続して行いながら、所定時間待機する(図8に示すT1stscan時間)。
これにより、加熱室5内の被加熱物をマイクロ波により加熱しつつ、加熱室5内の温度変化を所定時間毎に観察する。本実施の形態では、T1stscan時間は30秒に設定される。
待機時間が経過すると、ステップS111において、被加熱物の冷凍/常温判定(Frozen / Normal Judgment)を行う。具体的には、各区画の温度に基づいて、被加熱物が冷凍されているか否かを判定する。より具体的には、以下の式(2)により、冷凍/常温判定用の温度を算出するとともに、この温度と、温度検出領域30における最も低い温度とを比較することで、被加熱物が冷凍されているか否かを判定する。
冷凍/常温判定用の温度=C×(プレート温度)+D …(2)
ここで、上記式(2)のC、Dは定数である。上記式(2)において、「プレート温度(Plate temperature)」とは、ステップS110における待機時間の経過時点において、温度検出領域30の周縁部に位置する区画の温度である。ステップS111における冷凍/常温判定のための基準温度として、ステップS107の場合と同様に区画31aの温度が利用される。
本実施の形態では、Cは0.64、Dは8、プレート温度は80℃に設定される。この場合、冷凍/常温判定用の温度は、59.2℃となる。この温度を基準として、各区画の温度の中で最も低い温度が59.2℃以上の場合には常温と判定し、59.2℃よりも低い場合には冷凍と判定する。
冷凍/常温判定の結果は制御部10に送られて記憶される。常温と判定した場合には、ステップS112に移行し、冷凍と判定した場合にはステップS115に移行する。
ステップS112およびステップS115では、ステップS111の冷凍/常温判定の結果に応じて、タイムリミット(Time limit: TL)を決定する。TLとは、擬似調理ステージの終了時点であるステップS105、106以降、後述するステップS113、117の温度上昇値の検出を継続して行う最大時間である。
本実施の形態では、TLは、冷凍/常温の結果の他に、前述した少量/大量判定および出力設定を考慮して決定される。TLの例示的な値としては、常温の場合には80秒程度、冷凍の場合には140秒程度と設定してもよい。
なお、ステップS115に移行して冷凍判定時のTLを決定した後、ステップS116において、冷凍/常温判定が再度行われる。本ステップS116は、ステップS111において冷凍と判定されたものの、その後の温度変化に基づいて冷凍/常温判定を再度行うものである。これにより、冷凍/常温判定の精度を向上させることができる。具体的には、以下の式(3)を満たす場合には、常温であると判定し直す。
ΔT1≧E×(温め動作開始時の庫内温度)+F …(3)
上記式(3)において、ΔT1とは、擬似調理ステージ終了後における赤外線センサ6が検出する温度のうち、最も低い温度の温度上昇値である。本実施の形態では、擬似調理ステージ終了から例えば10秒後から50秒後までの温度上昇値をΔT1とする。
ただし、ΔT1の期間は、電子レンジの仕様等に応じて適宜設定してもよく、例えば、出力設定に応じて可変に設定することもできる。なお、上記式(3)のE、Fは定数である。定数E、Fも適宜設定してよい。
ステップS116において常温であると判定された場合には、ステップS112に移行する。常温であると判定されなかった場合には、冷凍判定を維持したまま、ステップS117に移行する。
次に、ステップS113およびステップS117において、温度上昇値の検出を行う。具体的には、擬似調理ステージ終了時から所定時間経過時(T1stscan時間)の温度を基準温度として、載置位置における温度上昇値が所定値(ΔT2)以上かどうかを判定する。より具体的には、複数の載置位置のうち、少なくとも1つのポイントにおける温度上昇値がΔT2以上になった場合に、制御部10が所定の温度上昇値を検出したと判定する。
本実施の形態では、ΔT2については、冷凍/常温の判定結果、温め動作開始時の庫内温度および出力設定等に応じて定めている。具体的には、常温と判定され、庫内温度が高く、出力設定が弱い場合ほど、ΔT2を小さくしている。ΔT2の例示的な値として、常温の場合には21℃程度、冷凍の場合には25℃程度と設定してもよい。
ΔT2の値は適宜設定してもよく、例えばステップS113とステップS117におけるΔT2が同じ値を含んでもよい。なお、基準温度を取得するタイミングであるT1stscan時間については、例えば、サーミスタが検出する庫内温度の高低に応じて可変であるように制御してもよい。
ステップS113およびステップS117でΔT2以上の温度上昇値が検出された場合には、ステップS119に移行する。温度上昇値が検出されない場合には、ステップS114およびステップS118にそれぞれ移行する。
ステップS114およびステップS118では、タイムリミット判定が行われる。具体的には、擬似調理ステージ終了時から、ステップS112およびステップS115で決定されたTLが経過したかどうかを判定する。
TLが経過していないと判定された場合には、ステップS113およびステップS117にそれぞれ戻り、再度、温度上昇値の検出が行われる。その後、ステップS113およびステップS117における温度上昇値の検出とステップS114およびステップS118におけるタイムリミット判定のいずれかの結果がYESとなるまで、各ステップが所定時間毎に、例えば1秒毎に繰り返される。
一方、ステップS114およびステップS118において、TLを経過していると判定された場合には、ステップS119に移行する。なお、図8のシーケンスには、TLに到達する前に、擬似調理ステージ終了からTc時間経過時において、ステップS113あるいはステップS117において所定値以上の温度上昇値が検出された場合が示されている。
本実施の形態では、擬似調理ステージ終了時から温度上昇値の検出又はタイムリミット到達の検出までの期間を「P1ステージ」と称する。
P1ステージが終了すると、ステップS119において、追加加熱時間Tp2が決定される。具体的には、P1ステージ終了時点からマイクロ波加熱を継続する時間(Tp2)を決定する。本実施の形態では、Tp2を決定する際に、冷凍/常温の判定結果、少量/大量の判定結果および出力設定の3つのパラメータに応じて決定している。Tp2の例示的な値としては例えば、20秒程度として設定してもよい。
ステップS120において、循環ファンの作動が再開される。具体的には、擬似調理ステージの途中からP1ステージの間において停止していた循環ファンの作動を再開させる。これにより、マイクロ波により被加熱物が追加的に加熱される間、循環ファンが作動することで加熱室5内の空気が循環され、加熱室5内の温度がより均一になる。
本実施の形態では、循環ファンの作動再開と同時に、マグネトロン11の出力を下げるように制御される(例えば、700Wから300Wに)。ステップS120の後、温め動作が終了する。
本実施の形態では、P1ステージ終了時から温め動作の終了までの期間を「P2ステージ」と称する。本実施の形態では、P1ステージからP2ステージに移行した際に循環ファンの作動を再開したが、循環ファンが停止したままに設定してもよい。マグネトロン11の出力を下げずに維持するように制御してもよい。
以上のように、温め動作を行うことで、被加熱物を所定の温度までマイクロ波により加熱して温めることができる。図8に示す加熱シーケンスでは、追加加熱時間を含む時間までマイクロ波加熱が行われた場合について説明したが、前述した検出マスク時間の経過時に加熱を終了する場合であってもよい。
なお、上記温め動作の途中に使用者がドア2を開ける等により、運転が一旦停止し、その後、再開した場合についても適宜設定することができる。
本実施の形態では、擬似調理ステージおよびP1ステージの間にドア2が開けられ、温め動作を再開する場合には、最初のステップS101に戻り、当該加熱シーケンスを最初からやり直すように制御される。
P2ステージの間にドア2が開かれ、温め動作を再開する場合には、ドア2が開けられた時点から運転を再開する。すなわち、ステップS119で設定された追加加熱時間の残りの時間を消化するように制御部10が制御する。
上述したように、本実施の形態では、操作部4により温め動作の開始が指示された時に、庫内温度が、所定温度(例えば100℃)以上の場合に高温と判定する。
高温と判定した場合の温め動作において、温度検出領域30の周縁部の温度(基準温度)よりも第1の所定値(例えば8℃)以上低い温度が検出された区画に被加熱物が載置されていると判定する。
その位置が被加熱物の載置位置とみなされ、その方向に対して局所加熱が行われる。このように、加熱室5内が高温の場合に温め動作が開始された場合に、最も温度の変化が少ないと思われる温度検出領域30の周縁部との温度差が、第1の所定値以上大きい区画を被加熱物が載置される位置であると判定する。
これにより、加熱室5内が高温であっても、精度良く載置位置を判定しながら、被加熱物の加熱を制御することができる。本実施の形態によれば、ミスト発生機構や減圧機構が不要であるため、簡単な構成で被加熱物の加熱を制御することができる。
本実施の形態においては、庫内温度に応じて、庫内温度が高温と判定した場合の温め動作における加熱時間が制御される。
具体的には、庫内温度に応じて、ステップS109の少量/大量判定、ステップS112、115におけるタイムリミット判定、ステップS116における冷凍/常温判定、および、ステップS119における追加加熱時間の決定が行われる。
このように、庫内温度を考慮して加熱時間を制御することにより、高温判定時の温め動作をより精度良く制御することができる。特に、庫内温度が高い場合には加熱時間を短く設定され、庫内温度が低い場合には加熱時間を長く設定される。このようにして、加熱後の被加熱物の温度を目標温度に近づけることができる。
本実施の形態においては、庫内温度が高温と判定された場合の温め動作中の載置位置の温度変化に基づいて、温め動作における加熱時間が制御される。具体的には、ステップS113、117における温度上昇値の検出で用いるΔT2を算出する際に、載置位置の温度変化を考慮して算出している。このように、庫内温度が高温と判定した場合の温め動作における載置位置の温度変化を考慮して加熱時間を制御することにより、加熱制御をより精度良く行うことができる。
特に、制御部10は、温め動作における加熱時間を赤外線センサ6が検出する載置位置の温度上昇値が第2の所定値(ΔT2)以上となった時点(温度上昇値を検出した時点)を基準に決定する。このように、載置位置の温度上昇値を考慮して加熱時間を制御することにより、被加熱物の温度をより精度良く制御することができる。
本実施の形態おいては、庫内温度が高い場合にはΔT2が低く設定され、庫内温度が低い場合にはΔT2が高く設定される。このようにして、加熱後の被加熱物の温度を目標温度に近づけることができる。なお、ここでの庫内温度の高低の基準となる基準温度は適宜設定してもよく、例えば、冷凍/常温の判定結果や出力設定に応じて複数のテーブルに分かれて設定されていてもよい。
本実施の形態においては、制御部10は、庫内温度が高温と判定した場合の温め動作における赤外線センサ6が検出する温度に基づいて被加熱物が冷凍されているか否か(すなわち、冷凍か常温か)を判定し、その結果に応じて当該温め動作における加熱時間を制御する。
具体的には、ステップS111において、冷凍/常温判定で用いる冷凍/常温判定用の温度を算出する際に、温度検出領域30の周縁部に位置する区画の温度(プレート温度)を考慮して算出している。これにより、冷凍されているか否かを精度良く判定し、精度の良い加熱制御を行うことができる。
特に、ステップS111において、検出される最も低い温度と、温度検出領域30の周縁部の温度とを比較することにより被加熱物が冷凍されているか否かが判定される。最も低い温度は被加熱物が冷凍されているか否かにより変化しやすい一方で、温度検出領域の周縁部の温度は被加熱物が冷凍されていても変化しにくい。このような2つの温度を比較することで、冷凍されているか否かの判定をより精度良く行うことができる。
本実施の形態においては、加熱室5内を加熱するグリルヒータをさらに備え、制御部10は、庫内温度が高温と判定した場合の温め動作を開始してから、所定時間(Twait時間)の間、マイクロ波を発生させないようにマグネトロン11を制御する。
温め動作の開始から所定時間経過後にマイクロ波の供給を開始することで、マイクロ波をすぐに供給する場合に比べて、温度が高くなっている箇所にマイクロ波が照射され、その箇所の温度が異常に上昇する、いわゆるレッドスポット現象を抑制し、装置の信頼性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、擬似調理ステージの開始時に赤外線センサ6を検出可能状態に移行させる場合ついて説明したが、このような場合に限らず、例えば、擬似調理ステージの終了直前に移行させるようにしてもよい。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本開示の高周波加熱装置は、簡単な構成で被加熱物の位置や温度を精度良く判定しながら、被加熱物への加熱を制御することができる。本開示の高周波加熱装置は、例えば、家庭用の電子レンジにおいて有用である。
1 本体
2 ドア
3 把手
4 操作部
5 加熱室
6 赤外線センサ
10 制御部
11 マグネトロン
12 導波管
13 温度検出部
20 電子レンジ
31 区画
30 温度検出領域
35 視野

Claims (10)

  1. 被加熱物を収容する加熱室と、
    所定の加熱シーケンスの開始を指示する操作部と、
    前記加熱室に供給されるマイクロ波を発生させる高周波発生部と、
    前記加熱室の側面に前後方向に設けられた支持突起と、
    複数の赤外線検出素子を有し、前記被加熱物の温度を検出する第1の温度検出部と、
    前記加熱室の庫内温度を検出する第2の温度検出部と、
    前記第1および第2の温度検出部により検出された温度情報に基づいて、前記加熱シーケンスを実行するように前記高周波発生部を制御する制御部と、を備え、
    前記第1の温度検出部は、前記加熱室内の温度検出領域を構成する複数の区画に、前記複数の赤外線検出素子をそれぞれ対応させることにより、前記区画ごとに温度を検出し、回転軸を中心にしてその俯角を変更することで、前記複数の赤外線検出素子の視野を上下方向に移動可能となるように構成され、前記温度検出領域を前記加熱室の底面全体に設定することや前記支持突起に設置された皿の上に設定することが可能で、調理条件に応じて視野を移動させるものであり、
    前記制御部は、前記操作部により前記加熱シーケンスの開始が指示された時に、前記庫内温度が所定温度以上であれば高温と判定し、
    前記制御部は、高温と判定した場合の前記加熱シーケンスにおいて、前記温度検出領域の周縁部の温度よりも第1の所定値以上低い温度が検出された前記区画を前記被加熱物の載置位置と判定するように構成された高周波加熱装置。
  2. 前記複数の赤外線検出素子は、2次元状に配列され、前記複数の区画における各温度を同時に検出して出力する請求項1に記載の高周波加熱装置。
  3. 前記制御部は、前記庫内温度が高温と判定した場合の前記加熱シーケンスにおける加熱時間を、前記庫内温度に応じて制御する請求項1に記載の高周波加熱装置。
  4. 前記制御部は、前記庫内温度が高い場合には前記加熱時間を短くし、前記庫内温度が低い場合には前記加熱時間を長くするように制御する請求項3に記載の高周波加熱装置。
  5. 前記制御部は、前記庫内温度が高温と判定した場合の前記加熱シーケンスにおける前記第1の温度検出部が検出する前記載置位置の温度変化に基づいて前記加熱シーケンスにおける加熱時間を制御する請求項1に記載の高周波加熱装置。
  6. 前記制御部は、前記庫内温度が高温と判定した場合の前記加熱シーケンスにおける前記加熱時間を、前記第1の温度検出部が検出する前記載置位置の温度上昇値が第2の所定値以上となった時点を基準に決定する請求項5に記載の高周波加熱装置。
  7. 前記制御部は、前記庫内温度が高い場合には前記第2の所定値を低くし、前記庫内温度が低い場合には前記第2の所定値を高くするよう制御する請求項6に記載の高周波加熱装置。
  8. 前記制御部は、前記庫内温度が高温と判定した場合の前記加熱シーケンスにおける前記区画の温度に基づいた、前記被加熱物が冷凍されているか否かの判定結果に応じて、前記加熱シーケンスにおける加熱時間を制御する請求項1に記載の高周波加熱装置。
  9. 前記制御部は、検出される最も低い温度と、前記温度検出領域の周縁部の温度とを比較することにより、前記被加熱物が冷凍されているか否かを判定する請求項8に記載の高周波加熱装置。
  10. 前記加熱室内を加熱するグリルヒータをさらに備え、
    前記制御部は、前記庫内温度が高温と判定した場合、前記加熱シーケンスの開始から、所定時間が経過するまでマイクロ波を発生させないように前記高周波発生部を制御する請求項1に記載の高周波加熱装置。
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