JP6263182B2 - 生物付着汚染を防止するための2,3,3,3‐テトラフルオロプロペン/フッ化ビニリデンコポリマーの使用 - Google Patents
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Description
本出願は、その開示事項全体が参照することで本明細書に援用される2012年8月9日に出願された米国特許仮出願番号第61/681,275号に基づく優先権を、米国特許法第119条(e)の下で主張するものである。
本技術は、生物付着汚染の防止のための方法および製造品に関する。
本発明は、製造品上における生物付着汚染を防止する方法を提供し、それは、その製造品にコポリマーを適用することを含み、ここで、このコポリマーは、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよびフッ化ビニリデンを含む。
本発明はまた、約20から約30mJ/m2の表面エネルギーを有する表面を作製する方法も提供し、それは、支持体にコポリマーを適用する工程を含み、ここで、このコポリマーは、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよびフッ化ビニリデンを含む。
本発明の特定の実施形態では、コポリマーは、本質的に、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよびフッ化ビニリデンから成る。
本発明の他の実施形態では、製造品は、少なくとも部分的に水中に浸漬されている。
本発明の特定の実施形態では、コポリマーは、製造品の表面処理により、または製造品の表面のプライミングにより接着を促進することで、製造品に接着される。
そのようなコポリマーは、本技術分野にて公知の数多くの方法のいずれによって作製されてもよい。限定されない例としては、高分子量2,3,3,3‐テトラフルオロプロペン/フッ化ビニリデンコポリマーは、少なくとも1つの水溶性ラジカル開始剤を用いて、水性乳化重合によって作製される。
以下の米国特許および特許出願公開には、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよびフッ化ビニリデンの共重合について記載されており、その全内容は参照により本明細書に援用される:米国特許第2,970,988号および同第3,085,996号、ならびに米国特許出願公開番号第2008/0153977号、同第2008/0153978号、同第2008/0171844号、および同第2011/0097529号。
2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよびフッ化ビニリデンを含むコポリマーは、本技術分野にて一般的に知られる多くの方法のいずれによって支持体または製造品へ適用されてもよい。限定されない例では、コポリマーは、以下の実施例で述べるように溶解され、このコポリマー溶液が、支持体または製造品へ適用され、続いて乾燥される。
実施例
実施例1
脱気した脱イオン水の100mLへ、撹拌しながら、2.112gのNa2HPO4・7H2O、0.574gのNaH2PO4、および2.014gのC7F15CO2NH4を添加した。上記の水溶液へ、0.3068gの(NH4)2S2O8を、撹拌および窒素通気を行いながら添加した。得られた水溶液を、排気済みの300mLオートクレーブ反応器へ、シリンジによって直ちに移した。内部の水溶液をゆっくり撹拌しながら、反応器をドライアイスで冷却した。内部温度が約0℃に下がったところで、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペン(111.3g)およびフッ化ビニリデン(11.8g)の混合物の移送を開始した。移送の終了後、内部温度は約−5℃未満であった。ドライアイスによる冷却を取り除いた。オートクレーブ反応器を、空気中にてゆっくり加温した。内部の水溶液を500rpmで撹拌した。
脱気した脱イオン水の100mLへ、撹拌しながら、2.112gのNa2HPO4・7H2O、0.574gのNaH2PO4、および2.014gのC7F15CO2NH4を添加した。上記の水溶液へ、0.3018gの(NH4)2S2O8を、撹拌および窒素通気を行いながら添加した。得られた水溶液を、排気済みの300mLオートクレーブ反応器へ、シリンジによって直ちに移した。オートクレーブ反応器をドライアイスで冷却し、内部の水溶液をゆっくり撹拌した。内部温度が約0℃に下がったところで、77.1gの2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよび32.3gのフッ化ビニリデンを含有する混合物のオートクレーブ反応器中への移送を開始した。移送の終了後、内部温度は約−5℃未満であった。ドライアイスによる冷却を取り除いた。オートクレーブ反応器を、空気中にてゆっくり加温した。内部の水溶液を300rpmで撹拌した。
脱気した脱イオン水の100mLへ、撹拌しながら、2.153gのNa2HPO4・7H2O、0.568gのNaH2PO4、および2.048gのC7F15CO2NH4を添加した。上記の水溶液へ、0.2598gの(NH4)2S2O8を、撹拌および窒素通気を行いながら添加した。得られた水溶液を、排気済みの300mLオートクレーブ反応器へ、シリンジによって直ちに移した。オートクレーブ反応器をドライアイスで冷却し、内部の水溶液をゆっくり50rpmで撹拌した。内部温度が約−4℃に下がったところで、47.7gの2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよび45.8gのフッ化ビニリデンを含有する混合物を、オートクレーブ反応器へ移した。ドライアイスによる冷却を取り除いた。オートクレーブ反応器を、空気中にてゆっくり加温した。内部の水溶液を300rpmで撹拌した。
1時間後、内部温度を35℃に維持するために、加熱を開始した。合計で15時間後、内部圧力は、35℃で62psiまで低下した。この時点で加熱を停止した。オートクレーブ反応器を空気中で冷却した。撹拌速度を50rpmまで低下させた。室温にて、残留圧力をゆっくり解放した。白色固体コポリマー析出物を、脱イオン水で充分に洗浄し、35℃にて真空乾燥して(29インチHg)乾固させた。この乾燥コポリマーの重量は84.6gであり、収率は90.4%であった。
脱気した脱イオン水の100mLへ、撹拌しながら、2.146gのNa2HPO4・7H2O、0.578gのNaH2PO4、および2.022gのC7F15CO2NH4を添加した。上記の水溶液へ、0.1552gの(NH4)2S2O8を、撹拌および窒素通気を行いながら添加した。得られた水溶液を、排気済みの300mLオートクレーブ反応器へ、シリンジによって直ちに移した。オートクレーブ反応器をドライアイスで冷却し、内部の水溶液をゆっくり撹拌した。内部温度が約−2℃に下がったところで、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペン(27.7g)およびフッ化ビニリデン(80.1g)の混合物のオートクレーブ反応器への移送を開始した。移送の終了後、内部温度は約−5℃未満であった。ドライアイスによる冷却を取り除いた。オートクレーブ反応器を、空気中にてゆっくり加温した。内部の水溶液を300rpmで撹拌した。
[1]製造品にコポリマーを適用することを含み、ここで、前記コポリマーは、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよびフッ化ビニリデンを含む、製造品上における生物付着汚染を防止する方法。
[2]前記コポリマーが、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよびフッ化ビニリデンから本質的に成る、[1]に記載の方法。
[3]前記コポリマーが、約20から約30mJ/m2の表面エネルギーを有する、[2]に記載の方法。
[4]前記製造品が、船舶、ボート、潜水艇、海中ケーブル、洋上掘削プラットフォーム、および橋梁から成る群より選択される、[3]に記載の方法。
[5]支持体へコポリマーを適用する工程を含み、ここで、前記コポリマーは、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよびフッ化ビニリデンを含む、約20から約30mJ/m2の表面エネルギーを有する表面を作製する方法。
[6]前記コポリマーが、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよびフッ化ビニリデンから本質的に成る、[5]に記載の方法。
[7]2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよびフッ化ビニリデンを含み、約20から約30mJ/m2の表面エネルギーを有するコポリマーで少なくとも部分的に覆われた、製造品。
[8]前記コポリマーが、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよびフッ化ビニリデンから本質的に成る、[7]に記載の製造品。
[9]前記製造品が、少なくとも部分的に水中に浸漬される、[8]に記載の製造品。
[10]船舶、ボート、潜水艇、海中ケーブル、洋上掘削プラットフォーム、および橋梁から成る群より選択される、[9]に記載の製造品。
[11]2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよびフッ化ビニリデンを含み、約20から約30mJ/m2の表面エネルギーを有するコポリマー。
[12]2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよびフッ化ビニリデンから本質的に成る、[11]に記載のコポリマー。
[13]前記コポリマーが、前記製造品へ低エネルギーコーティングを提供するためのコーティング中に組み込まれるか、またはブレンドされる、[1]に記載の方法。
[14]前記コポリマーが、前記製造品の表面処理により、または前記製造品の表面のプライミングにより接着を促進することで前記製造品に接着される、[1]に記載の方法。
Claims (3)
- 製造品にコポリマーを適用することを含み、ここで、前記コポリマーは、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよびフッ化ビニリデンを含む、製造品上における生物付着汚染を防止する方法。
- 前記適用されたコポリマーの表面が、20乃至30mJ/m2の表面エネルギーを有する請求項1に記載の方法。
- 2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンおよびフッ化ビニリデンを含み、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンモノマーユニット対フッ化ビニリデンモノマーユニットのモル比が90:10乃至70:30であり、20乃至25mJ/m2の表面エネルギーを有するコポリマーで少なくとも部分的に覆われた、製造品。
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