JPH0431042A - 水中観察用防汚窓 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は海中の展望塔及び遊歩道に海水観察用に取り付
けされている窓のような水中観察用防汚窓に関する。

〔従来の技術〕

海中の展望塔及び遊歩道には必ず海中を観察するための
窓が設置されており、展望塔及び遊歩道の大きなセール
スポイントになっている。

窓の材料には透明性に秀れるアクリル樹脂が用いられて
いるが窓の片面は常時海水と接している。このため海中
に生息している微小物が窓の表面に付着し、観察窓の透
明性が著しく低下するといった不具合があった。

般にこのような微生物を除去する手段として、紫外線、
超音波、磁場の利用あるいは温水、ブラッシング等の方
法が提案されているが、環境保全、経済性及び作業性の
面で問題のあることが指摘されており、具体的な除却装
置は未だ見当らない。したがって、定期的に人力によっ
て除却しているのが現状である。

〔発明が解決しようとする課題〕

前記の如〈従来の観察用窓材料にはアクリル樹脂が単一
で用いられていた。展望塔及び遊歩道に設置されている
窓の片面は海水と接しているが、一般に金属及び非金属
をとわず海水中にこれらの材料を浸漬していると、時間
の経過とともに海水中の有機物が付着し、有機質の皮膜
が形成される。この皮膜に細菌が付着したのち、この細
菌が粘質性の細胞外高分子を分泌して微生物皮膜を形成
したのち、この皮膜に動物性あるいは植物性のプランク
トンが誘引され、これらのプランクトンが成長し、カキ
やムラサキガイ等が付着すると言われている。アクリル
樹脂も前述のような過程をへて微生物が付着する。

このような微生物が観察用窓に付着したら当然のことな
がら透明性が低下するので海中の観察が難しくなる。

海中の微生物の付着防止として船の底及び漁網用にトリ
フェニルスズ化合物（ＴＰＴ）が開発されたが劇物であ
るため海洋汚染が問題となっている。

又、細菌では、シリコーン系特殊合成樹脂塗料が開発さ
れ船底の微生物付着防止用として有望との結果が報告さ
れている。この塗料はシリコーンの物理的性質を利用し
たもので、シリコーンの表面張力と、付着しようとする
微生物の表面張力の差を利用し、例えば水滴がハスの葉
の上をころがるように、微生物が塗料の表面からすべり
落ちて付着しないようにしたものである。しかしながら
この塗料はコストが高く又メンテナンスを考えると展望
塔及び遊歩道の窓には適用し難い。

以上のように海で使用される構造物には微生物が付着す
る問題があり、各構造物ごとにそれぞれ研究が行なわれ
ており成果も出ているが、特に展望塔及び遊歩道に設置
される窓には透明性の要求が強いため付着防止対策が難
しい。このため展望塔及び遊歩道の窓は人力等を使って
付着物の除却作業が行われていたが、作業頻度が高く、
除却作業に要する時間と費用が多大であった。

本発明はかかる現状に鑑み、海水中において微生物が付
着することなく、又付着しても速やかに取り除けるよう
に改善された海中の展望塔及び遊歩道用防汚窓のような
水中観察用防汚窓を提供することを目的としたものであ
る。

〔課題を解決するた約の手段〕

本発明は （１）　　透明基材表面にフッ素樹脂薄膜層を形成して
なる水中観察用防汚窓 （２）　　フッ素樹脂薄膜層表面を摺動し、付着物を除
去する手段を設けてなる上記（１）記載の水中観察用防
汚窓 である。

〔作用〕

本発明に係る水中観察用防汚窓は、水、特に海水と接す
る側の表面に透明性のフッ素樹脂の薄膜が接着されてい
る。一般にフッ素樹脂は多くの熱可塑性プラスチック材
料の中で、特に耐熱性、耐薬品性等を示し、又、他のプ
ラスチック材料にはない非粘着性、低摩擦性を有してお
り表面張力も大きい。このため微生物が付着しようとし
ても表面がすべるために付着できない。

このように本発明はフッ素樹脂の物理的性質を利用し、
微生物の付着を防止するため、水特に海洋汚染の点から
も問題がない。

ただし、前述の如くフッ素樹脂は一般に非粘着性のため
透明基材、例えばアクリル樹脂との接着手段が難しい。

そこで、本発明では接着性と作業性を考え透明性の両面
粘着テープを用いることを推奨する。すなわち、該両面
粘着テープは透明のポリエステルフィルムをはさんでフ
ッ素樹脂と接着する面にはシリコーン系粘着剤を又アク
リル樹脂と接着する面にはアクリル系粘着剤が塗布され
ていて、さらにシリコーン系粘着剤の粘着層を通常の２
倍以上としフッ素樹脂との接着性を改善したものを用い
るのである。

このように透明性の両面粘着テープを用いてアクリル樹
脂表面にフッ素樹脂を接着したことにより微生物の付着
がなくなる。

一方、フッ素樹脂の性能を保持するためには常に表面を
活性化しておくことが重要である。

そのためフッ素樹脂表面を定期的に掃除できる手段を取
り付けた。この手段は窓の表面に軟かいゴム製のブラシ
を設置し、同ブラシをモータ駆動によって左右に摺動さ
せることによりフッ素樹脂表面を常に活性化しておくも
のである。

以上の如く微生物が付着しにくい材料を窓に接着し同時
にその材料が充分な機能を保持できるように二重の防止
対策を講することにより微生物の付着防止を計った。

〔実施例１〕 本発明の一実施例に係る海中の展望塔及び遊歩道用防汚
窓の断面を第１図に示す。

ポリエステルフィルム（例えば厚さ３０μｍ）１の両面
に粘着剤が付与された両面粘着テープのうち、アクリル
系粘着剤（例えば厚さ３０μｍ）２が付与された粘着面
をアクリル樹脂（例えば幅１０００ｘ長さ１５００Ｘ厚
さ２００ａｕｎ）３の表面に接着する。続いて、シリコ
ーン系粘着剤（例えば厚さ８０μｍ）４が付与された粘
着面にフッ素樹脂（例えば幅１０００ｘ長さ１５００Ｘ
厚さ２００ｍｍ）５を接着する。このように透明性の両
面粘着テープを用いて透明性のアクリル樹脂表面に透明
性のフッ素樹脂の薄膜を接着することにより防汚窓を製
作した。

〔実施例２〕 上記実施例１で得た防汚窓のフッ素樹脂表面をゴム製（
例えばシリコーンゴム）の治具を用い、モーターによっ
て定期的に左右（長手方向）に治具を摺動させる装置を
取り付けた。

この防汚窓の概略図を第２図に示す。

この防汚窓は前記の如くアクリル樹脂１表面に両面粘着
テープを用い、海中の微生物が付着しにくいフッ素樹脂
２の薄膜を接着し、かつ、フッ素樹脂表面を常に活性化
しておくために、フッ素樹脂表面をゴム３製の治具でモ
ータ４によって摺動させ海中の微生物ができる限り付着
しないようにしたものである。

本発明の防汚窓の小型試験片（例えば幅１００×長さ２
００Ｘ厚さ２０闘）による暴露試験結果を第３図に示す
。第３図には比較のためにアクリル樹脂膜−及び実施例
１のアクリル樹脂表面にフッ素樹脂を接着した試験片の
実海水中における暴露試験結果も記載している。なおこ
のグラフの縦軸は微生物の付着量（ｇ　／　ｍ’　）で
、横軸は試験期間（月）である。

第３図から明らかなようにアクリル樹脂単一の試験片は
経過時間に比例して付着量が増加していった。アクリル
樹脂表面にフッ素樹脂の薄膜を接着した試験片（実施例
１）は、１ケ月程度ではフッ素樹脂によって付着物もほ
とんどないが、２ケ月後程度から付着物が生じ３ケ月後
以降は経過時間に比例して付着量が増加した。

このことは一端微生物が付着すると、先に説明したよう
に微生物がさらに大きい生物を呼び、だんだんと付着物
が大きくなりその結果付着物量も多くなっていくものと
思われる。

一方、実施例２は定期的にフッ素樹脂表面をゴム製の治
具で摺動しているので、フッ素樹脂表面は常に活性化し
ており、フッ素樹脂の性能が十分発揮されているので微
生物の付着がほとんどない。又付着してもある程度の付
着物は機械的に取り除くことができる。

〔実施例３〕 海中の展望塔及び遊歩道用防汚窓の基剤にガラスを用い
た場合の一実施例を第４図に示す。

端面及び一方の面をマスキングしたガラス（例えば幅１
０００×長さ１５００ｘ厚さ２００ｍｍ）１をフッ素樹
脂原料が入ったバス２に浸漬（例えば６０分間）する。

次にガラス１をバス２から引きあげ乾煙（例えば赤外ラ
ンプを用いて温度１５０〜１８０℃で６０分間）した後
電気炉３に入れて焼成（例えば温度２５０〜２６０℃で
１８０分間）し、最後に水槽に入れて冷却する。このよ
うな手順により作成した防汚窓（フッ素樹脂膜約２００
μｍ）は、実施例１のアクリル樹脂を基材とする防汚窓
と同様な性能を有する。したがって基材は防汚窓の形状
、コストメンテナンス等を基準にして選定すればよい。

〔発明の効果〕

本発明によれば、水中、特に海水中の微生物が付着しに
くＸ、かつ付着が防止され、水中観察用防汚窓として極
約で有意義なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本発明の第１実施例、第２実施例の概
略図、第３図は本発明防汚窓の効果を立証する図表、第
４図は本発明の第３実施例の防汚窓の製造工程の説明図
である。 第１図 第２図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）透明基材表面にフッ素樹脂薄膜層を形成してなる
   ことを特徴とする水中観察用防汚窓。
2. （２）フッ素樹脂薄膜層表面を摺動し、付着物を除去す
   る手段を設けたことを特徴とする請求項１記載の防汚窓
   。