JP2004189201A - 壁面保護方法、壁面保護材及びこれにより保護された構造物 - Google Patents
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Abstract
【目的】船底や住宅などの壁面に付着する汚れの除去や防止を本体をいためず、環境にやさしい方法で安価にかつ容易に提供する。
【構成】貼り付けた後ではがすことができる着脱可能な粘着機能を持つ壁面保護材を船体外壁に予め複数層貼っておき、その最上層の壁面保護材が規定値以上汚れた時点やその効能がなくなった時点でその層を順次はがしてゆくことにより汚れの除去、防止を図る。
【選択図】 図1
【構成】貼り付けた後ではがすことができる着脱可能な粘着機能を持つ壁面保護材を船体外壁に予め複数層貼っておき、その最上層の壁面保護材が規定値以上汚れた時点やその効能がなくなった時点でその層を順次はがしてゆくことにより汚れの除去、防止を図る。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、船舶や設備機器、乗り物、住宅関係などの壁面の保守に関する。
【従来の技術】
従来、船舶は、時間の経過とともに船底などに貝類、藻類、汚物などが付着する。これらの付着物は、船舶の燃料効率を低下させ、船体を傷めるなど害が大きいため、定期的にドックに入れて付着物を取り除き再塗装と修理が必要であった。特にフジツボなどの貝類の除去は機械的なそぎ落としが必要で船体そのものを傷つけていた。
一方、このような貝類などの付着を防ぐ目的から塗料に有機スズ化合物を含む船底塗料が使用されたこともあったが、現在は環境汚染の関係から使用が禁止されている。
また、船舶以外の分野においても、たとえば設備機械の外壁面の汚れ、住宅の壁面の汚れ、車などの車体壁面の汚れなどの除去や修理は、まずその壁面の表面を(ワックスなどの助けを借りるにしても)物理的にこすり汚れを落とし、修理をするのが通常であった。
この場合、本体や本体壁面を傷つけることが多々あった。
【従来技術の一例】特開2002−264889 発明の名称:貝類・珪藻類・汚物などの付着しにくい船底保護方法 では船底をプラスチック製の樹脂でカバーする例が示されているがカバーを留めるのは船の側壁の上部にあり船の形に応じた専用の大型カバーが必要であり、取り付け取り外しも大掛かりでかつ不要になったプラスチックを廃棄するのも大掛かりになる問題点がある。
【発明が解決しようとする課題】
船底や設備機器、住宅や車などの壁面に付着する汚れの除去や防止を本体をいためず、環境にやさしい方法で安価にかつ容易に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、船舶の船底への貝類や藻類、汚物の付着を除去する手段として、少なくとも水面下に没した船体外壁部を、貼り付けた後ではがすことができる着脱可能な手段を備えたフイルム状またはタイル状の材料(壁面保護材)で覆い、この壁面保護材に貝類や藻類、汚物が規定値以上付着した時点でこの壁面保護材をはがし取り替えることで課題を解決するものである。
この壁面保護材の着脱方法(着脱可能な手段)としては、船体の外壁にボタンのホックのような機能をもつ留め手段を壁面保護材と対にして設けておき、壁面保護材をその位置にあわせてボタンを留めるように留めてゆく方法や、貼り付けた後ではがすことができる着脱可能な粘着機能(たとえば、ガムテープのようにその裏面の全部または一部に粘着機能を持ったもの)を持たせた壁面保護材を貼る方法がある。本発明は、壁面保護材を船体外壁に予め1層以上貼っておき、その最上層の壁面保護材が規定値以上汚れた時点やその効能がなくなった時点でその層をはがしてゆくところを特徴のひとつにするものである。
また水や空気に対し特定の機能効果を発する材料を壁面保護材に含ませ保護機能増すことも有効である。たとえば、高分子ポリエチレンとベリリウム銅合金を混入したシート材を用いれば、これらから銅イオンが溶出し海生物の付着を防止できるので取替え期間(はがす期間)を延ばすことが出来る。
以上、船舶の例を示したが、設備装置の壁面や住宅の壁、あるいは電車や車の車体壁面などあらゆる構造物の壁面(表面)保護に上記手段は適用できる。
たとえば、酸化チタンを壁面保護材に添加すれば、紫外線と酸化チタンが反応して壁面保護材に付着した水の表面張力が下げられるため壁面に付いた汚れを雨水などの水滴で自動的に洗い流してくれるなどの機能効果が期待でき、結果的に壁面保護材の交換期間を延ばすことができる。
なお、貼り付けた後ではがすことができる着脱可能な手段を有する壁面保護材を複数層壁面に貼り付けその壁面保護材が層ごとに異なる絵柄(色、図柄、数字など)を持つように構成すれば、層をはがすごとに異なる絵柄が現れてその層が何層目かの管理が容易にできるとともに美観面でもメリットが得られる。
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態は、船舶などの少なくとも水に接する壁面や船底部分をフイルム状やタイル状の材料(壁面保護材)により貼って覆い直接船体の壁面に貝類、珪藻、汚物などが付着しないようにすることである。この壁面保護材として、船体壁面と着脱可能な構成、すなわち船体壁面に複数の取り付け手段(金具や凹部など)を設け、留め手段(金具や凸部など)を設けたタイル状の壁面保護材をあたかもボタンを留めるように取り付ける方法である。壁面保護材はその上に重ねて壁面保護材を着脱可能なように留めることができる構造とし幾層にも貼ることが可能なようにしてもよい。そして最上層の壁面保護材が規定値以上汚れた時点やその効能がなくなった時点でその層を取り除く方法である。
船体にこの処置を施す場合は、船体を陸に上げて行ってもよいし、水に浮かべて行うことも出来る。
(実施の形態2)
あるいは、貼り付けた後ではがすことができる着脱可能な粘着機能(たとえば、ガムテープのようにその裏面の全部または一部に粘着機能を持ったもの)を持たせた壁面保護材を貼る方法がある。そしてこの場合はフイルム状の壁面保護材を船体外壁に予め複数層貼っておき、その最上層の壁面保護材が規定値以上汚れた時点やその効能がなくなった時点でその層をはがして取り除く方法である。
船体にこの壁面保護材を複数層貼る作業は、通常船体を陸に上げて行う。はがす作業は、陸に上げても水に浮かべた状態でも出来る。
(実施の形態3)
陸上にある設備装置、住宅、乗り物などの壁面に施す場合は、通常実施形態2で説明した方法、すなわち予め複数層貼っておき、その最上層の壁面保護材が規定値以上汚れた時点やその効能がなくなった時点でその層をはがしてゆく方法が用いられるが、実施形態1で行ってもよい。
【実施例】
図1は、船舶の水面に没する壁面部分に、たとえば、ガムテープのように貼り付けた後ではがすことができる着脱処理を裏面に施したフイルム状の壁面保護材を予め複数層貼った例である。貼り方の一例を図1(a)、(b)に示す。(a)は船体1の水没する部分にテープ状の壁面保護材2を船の長手方向に10層巻きつけて貼った例である。(b)は船の短軸方向に10層巻いて貼った例である。このフイルム材料としては、一例として長期使用や廃棄時の対環境性を考慮してポリプロピレン、ポリオレフィンなどを用いた。この例では、フイルムの幅は、30cmとした。貼り方は、屋根を貼るように少しずつずらしながら10層貼ったが貼り方を規定するものではない。貝殻などが付着して、これをはがす場合は、この逆を行い、付着していない新しい面が出るまではがせばよい。また、水に対して特定の機能効果を発生させるために、このフイルムにベリリウム銅合金などを混入して銅イオンを発生させるようにすれば貝類などの水生生物の付着が防止できるので取替え時期を長くすることが出来る。いずれにしても、その最上層の壁面保護材が規定値以上汚れた時点やその効能がなくなった時点でその層をはがしてゆくのが本発明方法である。こうすれば、フイルム状やタイル状の壁面保護材に付着した貝類、珪藻、汚物の廃棄処理も大掛かりな装置や手間もなく容易に可能である。また、従来船の形状に応じて専用のプラスチックシートを作成していたものが、本発明では、帯状もしくはタイル状であるため船の大きさに柔軟に対応できる。
また、壁面保護材の絵柄(色、図柄、番号など)を巻く層ごとに変えておけば、現在何層目が最上層(今現れている層)であるか一目でわかり保守管理に役立てられる。
図2は、船体1の壁面に規則的に多数の凹み3を設け、図3に示すように、この凹み3に合致する凸部5を持つタイル状の壁面保護材4を船体1の凹み3に敷き詰めてゆく方法の一例である。壁面保護材4はさらにその表面に凹み6をもちその上に重ねて壁面保護材4を貼ることができる構造としており、この例のように重ねて数層敷き詰めることも可能である。なお、壁面保護材を船体の壁面に取り付ける取り付け構造や方法および敷き方は幾通りもあるが本願はこれを制限するものではない。本発明によれば、船の形に合わせた大型の特注品カバーを作る必要がなく、たとえば、20cm*30cmのタイル状のかとう性のある材料(曲線部にも対応可能)を取り付けて行けばよいので取り外し、取り付け、廃棄も容易にできる。また、貼る層ごとの色や絵柄を変えておけば現在何層目かが一目でわかり保守管理に役立てることができる。
また、壁面保護材の一部または全部を水に対して物理的特性が変化するもの、たとえば凹凸のかんごう部が空気中に比べ、水を含むことにより膨張してしっかりしまるような材料を用いれば、より確実に接合され逆に陸に揚げ、空気にさらせば収縮するのではずしやすくなる。
図4は、この壁面保護材を住宅の壁(外壁、内壁)に応用した例である。たとえば、ガムテープのように裏面に着脱可能な糊材を持たせたフイルム状の壁面保護材を室内の壁に適用する場合、複数層重ねて壁に貼る。
この場合、各層ごとに例えば、図4の7,8,9のように各層ごとの表面の絵柄を変えておくと、現在の壁面保護材の層数の認知に役立つとともに、はがすごとに部屋の感じが変わり新鮮さが増すなどの情緒的効果も得られる。全層透明にしておく場合はもともとの壁そのものの図柄を保つこともできる。
また、この壁面保護材に酸化チタンを混入しておくと蛍光灯の光によって抗菌作用を持たすこともできる。あるいは亜鉛などの抗菌成分を練りこんでおくと同じくカビ発生の抑制などの抗菌作用を持たせることができる。また、トルマリンなどの強分極性の鉱物と弱い放射性物質(トリチウムなど)を粉にしてこの壁面保護材に混入すれば、空気との作用により人体によいとされるマイナスイオンを発生させることもできる。
また、厨房の調理機器の周辺は煮こぼれなど汚れやすいが耐熱性を持たせた壁面保護材を複数層貼っておき汚れに応じて順次はがして使えばいつも清潔に使える。便器などに抗菌剤の入った壁面保護材を貼ってつかえば匂いも防止でき掃除も楽になる効果がある。
ここでは、住宅の室内を例に取ったが、世の中にあるあらゆる構造物の壁面の保護と保守に本発明は有効でありこれを制限するものではない。(たとえば、橋梁、建物、家具、機械、電化製品、車、窓ガラスなど。)本発明は、既に述べたように、壁面保護材およびそれを使用した壁面保護方法とこの壁面保護材を使用したりあるいはこの保護方法により保護、保守する構造物や物品を含むものに適用する。
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、船舶の船底に付着する貝類、藻類、ごみなどを除去する手段として用いられた従来の専用品カバーに比べ、▲1▼帯状やタイル状等の小形形状をしているので、船の形に柔軟に対応できる▲2▼小さいので廃棄処分が容易▲3▼着脱が容易で作業しやすい▲4▼層ごとに絵柄を変えれば、現在何層目かが一目でわかり管理しやすい▲5▼壁面保護材を目的に応じた機能成分でつくれば機能性壁面としても使用できるなどきわめて有用性が高く、船舶から始まりあらゆる構造物や物品に適用が可能で、その工業的価値は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態2における船舶への適用例でフイルム状の壁面保護材を複数層まいた一例を表す図である。
【図2】本発明の実施の形態1における船舶への適用例で船舶の壁面に壁面保護材を留めるための手段(凹みなど)を設けた一例を表す図である。
【図3】図2の船舶の壁面にタイル状の壁面保護材を貼った一例を示す図である。
【図4】部屋の壁などに本発明を適用した一例を示す図である。
【符号の説明】
1:船体 2:テープ状に巻き貼り付けた壁面保護材 3:船体壁面に設けた凹み部 4:タイル状の壁面保護材 5:タイル状の壁面保護材の凸部 6:タイル状の壁面保護材の凹み部 7,8.9:壁面保護材の絵柄の一例
本発明は、船舶や設備機器、乗り物、住宅関係などの壁面の保守に関する。
【従来の技術】
従来、船舶は、時間の経過とともに船底などに貝類、藻類、汚物などが付着する。これらの付着物は、船舶の燃料効率を低下させ、船体を傷めるなど害が大きいため、定期的にドックに入れて付着物を取り除き再塗装と修理が必要であった。特にフジツボなどの貝類の除去は機械的なそぎ落としが必要で船体そのものを傷つけていた。
一方、このような貝類などの付着を防ぐ目的から塗料に有機スズ化合物を含む船底塗料が使用されたこともあったが、現在は環境汚染の関係から使用が禁止されている。
また、船舶以外の分野においても、たとえば設備機械の外壁面の汚れ、住宅の壁面の汚れ、車などの車体壁面の汚れなどの除去や修理は、まずその壁面の表面を(ワックスなどの助けを借りるにしても)物理的にこすり汚れを落とし、修理をするのが通常であった。
この場合、本体や本体壁面を傷つけることが多々あった。
【従来技術の一例】特開2002−264889 発明の名称:貝類・珪藻類・汚物などの付着しにくい船底保護方法 では船底をプラスチック製の樹脂でカバーする例が示されているがカバーを留めるのは船の側壁の上部にあり船の形に応じた専用の大型カバーが必要であり、取り付け取り外しも大掛かりでかつ不要になったプラスチックを廃棄するのも大掛かりになる問題点がある。
【発明が解決しようとする課題】
船底や設備機器、住宅や車などの壁面に付着する汚れの除去や防止を本体をいためず、環境にやさしい方法で安価にかつ容易に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、船舶の船底への貝類や藻類、汚物の付着を除去する手段として、少なくとも水面下に没した船体外壁部を、貼り付けた後ではがすことができる着脱可能な手段を備えたフイルム状またはタイル状の材料(壁面保護材)で覆い、この壁面保護材に貝類や藻類、汚物が規定値以上付着した時点でこの壁面保護材をはがし取り替えることで課題を解決するものである。
この壁面保護材の着脱方法(着脱可能な手段)としては、船体の外壁にボタンのホックのような機能をもつ留め手段を壁面保護材と対にして設けておき、壁面保護材をその位置にあわせてボタンを留めるように留めてゆく方法や、貼り付けた後ではがすことができる着脱可能な粘着機能(たとえば、ガムテープのようにその裏面の全部または一部に粘着機能を持ったもの)を持たせた壁面保護材を貼る方法がある。本発明は、壁面保護材を船体外壁に予め1層以上貼っておき、その最上層の壁面保護材が規定値以上汚れた時点やその効能がなくなった時点でその層をはがしてゆくところを特徴のひとつにするものである。
また水や空気に対し特定の機能効果を発する材料を壁面保護材に含ませ保護機能増すことも有効である。たとえば、高分子ポリエチレンとベリリウム銅合金を混入したシート材を用いれば、これらから銅イオンが溶出し海生物の付着を防止できるので取替え期間(はがす期間)を延ばすことが出来る。
以上、船舶の例を示したが、設備装置の壁面や住宅の壁、あるいは電車や車の車体壁面などあらゆる構造物の壁面(表面)保護に上記手段は適用できる。
たとえば、酸化チタンを壁面保護材に添加すれば、紫外線と酸化チタンが反応して壁面保護材に付着した水の表面張力が下げられるため壁面に付いた汚れを雨水などの水滴で自動的に洗い流してくれるなどの機能効果が期待でき、結果的に壁面保護材の交換期間を延ばすことができる。
なお、貼り付けた後ではがすことができる着脱可能な手段を有する壁面保護材を複数層壁面に貼り付けその壁面保護材が層ごとに異なる絵柄(色、図柄、数字など)を持つように構成すれば、層をはがすごとに異なる絵柄が現れてその層が何層目かの管理が容易にできるとともに美観面でもメリットが得られる。
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態は、船舶などの少なくとも水に接する壁面や船底部分をフイルム状やタイル状の材料(壁面保護材)により貼って覆い直接船体の壁面に貝類、珪藻、汚物などが付着しないようにすることである。この壁面保護材として、船体壁面と着脱可能な構成、すなわち船体壁面に複数の取り付け手段(金具や凹部など)を設け、留め手段(金具や凸部など)を設けたタイル状の壁面保護材をあたかもボタンを留めるように取り付ける方法である。壁面保護材はその上に重ねて壁面保護材を着脱可能なように留めることができる構造とし幾層にも貼ることが可能なようにしてもよい。そして最上層の壁面保護材が規定値以上汚れた時点やその効能がなくなった時点でその層を取り除く方法である。
船体にこの処置を施す場合は、船体を陸に上げて行ってもよいし、水に浮かべて行うことも出来る。
(実施の形態2)
あるいは、貼り付けた後ではがすことができる着脱可能な粘着機能(たとえば、ガムテープのようにその裏面の全部または一部に粘着機能を持ったもの)を持たせた壁面保護材を貼る方法がある。そしてこの場合はフイルム状の壁面保護材を船体外壁に予め複数層貼っておき、その最上層の壁面保護材が規定値以上汚れた時点やその効能がなくなった時点でその層をはがして取り除く方法である。
船体にこの壁面保護材を複数層貼る作業は、通常船体を陸に上げて行う。はがす作業は、陸に上げても水に浮かべた状態でも出来る。
(実施の形態3)
陸上にある設備装置、住宅、乗り物などの壁面に施す場合は、通常実施形態2で説明した方法、すなわち予め複数層貼っておき、その最上層の壁面保護材が規定値以上汚れた時点やその効能がなくなった時点でその層をはがしてゆく方法が用いられるが、実施形態1で行ってもよい。
【実施例】
図1は、船舶の水面に没する壁面部分に、たとえば、ガムテープのように貼り付けた後ではがすことができる着脱処理を裏面に施したフイルム状の壁面保護材を予め複数層貼った例である。貼り方の一例を図1(a)、(b)に示す。(a)は船体1の水没する部分にテープ状の壁面保護材2を船の長手方向に10層巻きつけて貼った例である。(b)は船の短軸方向に10層巻いて貼った例である。このフイルム材料としては、一例として長期使用や廃棄時の対環境性を考慮してポリプロピレン、ポリオレフィンなどを用いた。この例では、フイルムの幅は、30cmとした。貼り方は、屋根を貼るように少しずつずらしながら10層貼ったが貼り方を規定するものではない。貝殻などが付着して、これをはがす場合は、この逆を行い、付着していない新しい面が出るまではがせばよい。また、水に対して特定の機能効果を発生させるために、このフイルムにベリリウム銅合金などを混入して銅イオンを発生させるようにすれば貝類などの水生生物の付着が防止できるので取替え時期を長くすることが出来る。いずれにしても、その最上層の壁面保護材が規定値以上汚れた時点やその効能がなくなった時点でその層をはがしてゆくのが本発明方法である。こうすれば、フイルム状やタイル状の壁面保護材に付着した貝類、珪藻、汚物の廃棄処理も大掛かりな装置や手間もなく容易に可能である。また、従来船の形状に応じて専用のプラスチックシートを作成していたものが、本発明では、帯状もしくはタイル状であるため船の大きさに柔軟に対応できる。
また、壁面保護材の絵柄(色、図柄、番号など)を巻く層ごとに変えておけば、現在何層目が最上層(今現れている層)であるか一目でわかり保守管理に役立てられる。
図2は、船体1の壁面に規則的に多数の凹み3を設け、図3に示すように、この凹み3に合致する凸部5を持つタイル状の壁面保護材4を船体1の凹み3に敷き詰めてゆく方法の一例である。壁面保護材4はさらにその表面に凹み6をもちその上に重ねて壁面保護材4を貼ることができる構造としており、この例のように重ねて数層敷き詰めることも可能である。なお、壁面保護材を船体の壁面に取り付ける取り付け構造や方法および敷き方は幾通りもあるが本願はこれを制限するものではない。本発明によれば、船の形に合わせた大型の特注品カバーを作る必要がなく、たとえば、20cm*30cmのタイル状のかとう性のある材料(曲線部にも対応可能)を取り付けて行けばよいので取り外し、取り付け、廃棄も容易にできる。また、貼る層ごとの色や絵柄を変えておけば現在何層目かが一目でわかり保守管理に役立てることができる。
また、壁面保護材の一部または全部を水に対して物理的特性が変化するもの、たとえば凹凸のかんごう部が空気中に比べ、水を含むことにより膨張してしっかりしまるような材料を用いれば、より確実に接合され逆に陸に揚げ、空気にさらせば収縮するのではずしやすくなる。
図4は、この壁面保護材を住宅の壁(外壁、内壁)に応用した例である。たとえば、ガムテープのように裏面に着脱可能な糊材を持たせたフイルム状の壁面保護材を室内の壁に適用する場合、複数層重ねて壁に貼る。
この場合、各層ごとに例えば、図4の7,8,9のように各層ごとの表面の絵柄を変えておくと、現在の壁面保護材の層数の認知に役立つとともに、はがすごとに部屋の感じが変わり新鮮さが増すなどの情緒的効果も得られる。全層透明にしておく場合はもともとの壁そのものの図柄を保つこともできる。
また、この壁面保護材に酸化チタンを混入しておくと蛍光灯の光によって抗菌作用を持たすこともできる。あるいは亜鉛などの抗菌成分を練りこんでおくと同じくカビ発生の抑制などの抗菌作用を持たせることができる。また、トルマリンなどの強分極性の鉱物と弱い放射性物質(トリチウムなど)を粉にしてこの壁面保護材に混入すれば、空気との作用により人体によいとされるマイナスイオンを発生させることもできる。
また、厨房の調理機器の周辺は煮こぼれなど汚れやすいが耐熱性を持たせた壁面保護材を複数層貼っておき汚れに応じて順次はがして使えばいつも清潔に使える。便器などに抗菌剤の入った壁面保護材を貼ってつかえば匂いも防止でき掃除も楽になる効果がある。
ここでは、住宅の室内を例に取ったが、世の中にあるあらゆる構造物の壁面の保護と保守に本発明は有効でありこれを制限するものではない。(たとえば、橋梁、建物、家具、機械、電化製品、車、窓ガラスなど。)本発明は、既に述べたように、壁面保護材およびそれを使用した壁面保護方法とこの壁面保護材を使用したりあるいはこの保護方法により保護、保守する構造物や物品を含むものに適用する。
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、船舶の船底に付着する貝類、藻類、ごみなどを除去する手段として用いられた従来の専用品カバーに比べ、▲1▼帯状やタイル状等の小形形状をしているので、船の形に柔軟に対応できる▲2▼小さいので廃棄処分が容易▲3▼着脱が容易で作業しやすい▲4▼層ごとに絵柄を変えれば、現在何層目かが一目でわかり管理しやすい▲5▼壁面保護材を目的に応じた機能成分でつくれば機能性壁面としても使用できるなどきわめて有用性が高く、船舶から始まりあらゆる構造物や物品に適用が可能で、その工業的価値は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態2における船舶への適用例でフイルム状の壁面保護材を複数層まいた一例を表す図である。
【図2】本発明の実施の形態1における船舶への適用例で船舶の壁面に壁面保護材を留めるための手段(凹みなど)を設けた一例を表す図である。
【図3】図2の船舶の壁面にタイル状の壁面保護材を貼った一例を示す図である。
【図4】部屋の壁などに本発明を適用した一例を示す図である。
【符号の説明】
1:船体 2:テープ状に巻き貼り付けた壁面保護材 3:船体壁面に設けた凹み部 4:タイル状の壁面保護材 5:タイル状の壁面保護材の凸部 6:タイル状の壁面保護材の凹み部 7,8.9:壁面保護材の絵柄の一例
Claims (5)
- 少なくとも水面下に没した船体外壁部を、貼り付けた後ではがすことができる着脱可能な手段を備えたフイルム状またはタイル状の材料(壁面保護材)で覆うことを特徴とした船体の壁面保護方法。
- 船体の壁部に壁面保護材との着脱を可能とする着脱手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の船体の壁面保護方法。
- 貼り付けた後ではがすことができる着脱可能な手段を有する壁面保護材を複数層壁面に貼り付け、最上層から壁面保護材の汚れや効能の状況に応じて順次はがすことにより壁面を保護することを特徴とした壁面保護方法及びこれにより保護された壁面を含む構造物。
- 貼り付けた後ではがすことができる着脱可能な手段を有する壁面保護材であって、前記壁面保護材に接する空気または水に対し特定の機能効果を発する材料を含むことを特徴とする壁面保護材。
- 貼り付けた後ではがすことができる着脱可能な手段を有する壁面保護材を複数層壁面に貼り付けること、前記壁面保護材は層ごとに異なる絵柄を持つことを特徴とした請求項1、3,4記載の壁面保護材、壁面保護方法及びこれにより保護された壁面を含む構造物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002383140A JP2004189201A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 壁面保護方法、壁面保護材及びこれにより保護された構造物 |
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JP2002383140A JP2004189201A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 壁面保護方法、壁面保護材及びこれにより保護された構造物 |
Publications (1)
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---|---|
JP2004189201A true JP2004189201A (ja) | 2004-07-08 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004189201A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100799911B1 (ko) | 2006-10-16 | 2008-01-31 | 삼성중공업 주식회사 | 박막형 라이너를 이용한 선박 외벽 및 러더 도장 방법 |
WO2013111634A1 (ja) * | 2012-01-27 | 2013-08-01 | 日東電工株式会社 | 汚染防止方法 |
WO2014038477A1 (ja) * | 2012-09-04 | 2014-03-13 | 日東電工株式会社 | 水中構造物の防汚処理方法 |
WO2022096417A1 (en) * | 2020-11-06 | 2022-05-12 | Marine Pro As | An anti-fouling protective cover |
-
2002
- 2002-12-10 JP JP2002383140A patent/JP2004189201A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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