JP6262375B2 - 変速機構 - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸に対して等距離を維持しながら径方向に可動に支持されて回転軸の軸心に対して公転(回転軸と一体回転)する複数のピニオンスプロケットとこれらに巻き掛けられたチェーンとにより動力伝達する変速機構に関するものである。
従来、プライマリプーリとセカンダリプーリとに駆動ベルトが巻き掛けられた変速機が実用化されている。この変速機では、各プーリの可動シーブに加える推力により各プーリと駆動ベルトとの間に発生した摩擦力が用いられる。
このような変速機では、大きな動力を伝達する際に、推力を増大させて摩擦力を確保することが必要である。その際、推力用の油圧を発生させるためのオイルポンプを駆動する駆動源(エンジンまたは電動モータ)の負担が増大し、これにかかるエネルギー消費量の増加を招いてしまうおそれがあり、また、構造的に滑りが発生する部分では摩擦損失が発生してしまう。
そこで、上記の推力や摩擦力を用いずに、複数のピニオンスプロケットとこれらに巻き掛けられたチェーンとにより動力伝達する変速機構が開発されている。
このような変速機構としては、回転軸の軸心に対して等距離を維持しながら径方向に可動に且つ回転軸と一体回転するように支持されて回転軸の軸心に対して公転する複数のピニオンスプロケットおよびガイドロッドのそれぞれによって多角形の頂点をなすようにして形成された見かけ上の大スプロケット(以下、「複合スプロケット」という)が、入力側および出力側のそれぞれに設けられ、これらの複合スプロケットに巻き掛けられたチェーンによって動力伝達するものが挙げられる。
かかる変速機構におけるチェーンは、ピニオンスプロケットの円周上に設けられた歯に噛み合って動力伝達するとともに、ガイドロッドによって案内される。
例えば特許文献1には、周方向に複数設けられたピニオンスプロケットおよびガイドロッドの軸方向端部側のそれぞれに二種のディスク(スピンドル)が並設され、それぞれのディスクに放射状溝が設けられ、回転軸と一体に回転する固定ディスクの放射状溝(以下、「固定放射状溝」という)と回転軸に対して相対回転可能な可動ディスクの放射状溝(以下、「可動放射状溝」という)とが互いに軸方向視で交差するように配置され、固定放射状溝と可動放射状溝とが交差する箇所にピニオンスプロケットおよびガイドロッドが支持されたものが提案されている。
固定ディスクと可動ディスクとの相対角度(位相)が変更されると、固定放射状溝と可動放射状溝との交差箇所が径方向に移動する。そのため、かかる交差箇所に支持されたピニオンスプロケットおよびガイドロッドのそれぞれは、両ディスクの相対回転により径方向に移動される。
このように、ピニオンスプロケットおよびガイドロッドのそれぞれが回転軸の軸心に対して等距離を維持しながら同期して径方向に移動することで、多角形の大きさが相似的に変化し、ピニオンスプロケットの何れをも囲んで接する円(接円)の半径が変更されることにより、変速比を変更することができる。
ところで、変速機構のレシオカバレッジ(変速比の可動範囲)を拡大させることは有効である。例えば、車両の変速機構におけるレシオカバレッジの拡大は、車両の加速性能や燃費性能の向上に貢献する。
しかしながら、特許文献1に示されるような変速機構では、複数のピニオンスプロケットおよびガイドロッドのそれぞれが回転軸の軸心に対して等距離に位置するため、レシオカバレッジの拡大が制限されてしまう。それは、複数のピニオンスプロケットおよびガイドロッドのそれぞれが、所定の径方向位置よりも内側では互いに干渉してしまうおそれがあるからである。
米国特許第7713154号明細書
本発明は、上記のような課題に鑑み創案されたもので、レシオカバレッジを拡大することができるようにした、変速機構を提供することを目的の一つとする。なお、ここでいう目的に限らず、後述する〔発明を実施するための形態〕に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的として位置づけることができる。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の変速機構は、動力が入力または出力される回転軸と、前記回転軸に対して径方向に可動に支持された複数のピニオンスプロケットおよび複数のガイドロッドと、前記複数のピニオンスプロケットおよび複数のガイドロッドのそれぞれを前記回転軸の軸心から等距離を維持させながら径方向に同期させて移動させる移動機構とを有する複合スプロケットを二組と、前記二組の複合スプロケットに巻き掛けられたチェーンとを備え、前記複数のピニオンスプロケットの何れをも囲み且つ前記複数のピニオンスプロケットの何れにも接する円の半径である接円の半径の変更によって変速比を変更する変速機構であって、前記複数のガイドロッドは、前記接円の半径の大きさによらず常に前記チェーンを案内する第一ガイドロッドと、少なくとも前記接円の半径が最も大きいときに前記チェーンを案内するとともに前記接円の半径が最も小さいときに前記第一ガイドロッドよりも径方向内側に位置する第二ガイドロッドとを有することを特徴としている。すなわち、少なくとも前記接円の半径が最も大きいときに、前記回転軸の軸心からの前記第一ガイドロッドの距離と前記回転軸の軸心からの前記第二ガイドロッドの距離とが等しい。
(2)前記接円の半径が所定径以上においては、前記第一ガイドロッドおよび前記第二ガイドロッドが前記回転軸の軸心から等距離に位置し、前記接円の半径が前記所定径未満においては、前記第一ガイドロッドよりも前記第二ガイドロッドが径方向内側に位置することが好ましい。
(3)前記第一ガイドロッドおよび前記第二ガイドロッドは、周方向に沿って交互に配置されることが好ましい。
(4)前記接円の半径が最も小さいときに、前記第二ガイドロッドは前記回転軸の外周面に当接し、前記第一ガイドロッドは前記第二ガイドロッドの外周面に当接することが好ましい。
(5)前記移動機構は、前記複数のピニオンスプロケットの各支持部材が内挿されるとともに外周に向かうに連れて径方向に対して遅角側および進角側の何れか一方の側にシフトしていくように設けられた固定放射状溝が複数形成され、前記回転軸と一体回転する固定ディスクと、前記固定放射状溝のそれぞれと軸方向視で交差する交差箇所に前記支持部材が位置する可動放射状溝が複数形成され、前記固定ディスクに対して同心に配置され且つ相対回転可能な可動ディスクと、を備え、前記ピニオンスプロケットは、前記接円の半径が最も小さいときに前記接円の円周に沿って配置されて前記チェーンと噛み合う歯部を有するセクターギヤ形状に形成され、前記歯部は、少なくとも一歯が前記固定放射状溝の溝幅内に存するように配置された第一歯部と、前記第一歯部から前記一方の側に延設された第二歯部とを有し、前記第二ガイドロッドは、前記接円の半径が最も小さいときに、前記第二歯部に対して径方向内側の空間または前記空間の周辺に位置することが好ましい。
(6)前記複数のピニオンスプロケットは、自転しない一つの固定ピニオンスプロケットと、その他の自転ピニオンスプロケットとを有することが好ましい。
本発明の変速機構によれば、接円の半径が最も小さいときに、第二ガイドロッドと第一ガイドロッドあるいはピニオンスプロケットとの干渉を避けることができる。よって、接円の半径をより小さくすることが可能となり、結果としてレシオカバレッジを拡大することができる。
本発明の第一実施形態にかかる変速機構の複合スプロケットおよびチェーンに着目した要部を模式的に示す径方向断面図(横断面図)である。 本発明の第一実施形態にかかる変速機構の複合スプロケットおよびチェーンに着目した要部を模式的に示す軸方向断面図(縦断面図)である。 本発明の第一実施形態にかかる変速機構の固定ディスクに着目して示す側面図である。この図3は、図2の矢視A−Aに対応している。 本発明の第一実施形態にかかる変速機構の可動ディスクに着目して示す側面図である。この図4は、図2の矢視B−Bに対応している。 本発明の第一実施形態にかかる変速機構においてピニオンスプロケット等の径方向移動用の固定ディスクおよび可動ディスクとこれらによって移動されるピニオンスプロケットおよびガイドロッドとを示し、スプロケット移動機構およびロッド移動機構を説明する図であり、(a),(b),(c)の順に接円の半径が大きくなっている。なお、接円の半径が、最も小さいものを(a)に示し、最も大きいものを(c)に示す。 本発明の第一実施形態にかかる変速機構の径方向断面図である。この図6は、図2のC−C矢視断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる変速機構の径方向断面図である。この図7は、図2のD−D矢視断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる変速機構の第一カム溝および第二カム溝を拡大して示す要部拡大図である。この図8は、図2のE−E矢視図である。 本発明の第一実施形態にかかる変速機構の複合スプロケットに着目した要部を拡大して模式的に示す径方向断面図(横断面図)である。 本発明の第一実施形態にかかる変速機構のピニオンスプロケットの一つを取り出して示す斜視図である。 本発明の第二実施形態にかかる変速機構の複合スプロケットおよびチェーンに着目した要部を模式的に示す径方向断面図(横断面図)である。この図11は、図1に対応する箇所を示す。 本発明の第二実施形態にかかる変速機構の複合スプロケットおよびチェーンに着目した要部を模式的に示す軸方向断面図(縦断面図)である。この図12は、図2に対応する箇所を示す。
以下、図面を参照して、本発明の変速機構にかかる実施の形態を説明する。本実施形態の変速機構は、車両用変速機に用いることができる。
なお、本実施形態では、変速機構における回転軸の軸心あるいはこの軸心に平行な方向を軸方向とし、回転軸の軸心を基準に径方向および周方向のそれぞれを定める。径方向を基準にいう内側または外側は、回転軸の軸心に対する距離(半径)が短い側または長い側であることを意味する。また、変速機構における公転方向を基準に進角側および遅角側を定める。
〔I.第一実施形態〕
以下、第一実施形態にかかる変速機構について説明する。
〔1.構成〕
図1に示すように、変速機構は、二組の複合スプロケット5,5と、これらの複合スプロケット5,5に巻き掛けられたチェーン6とを備えている。ここでは、チェーン6としてサイレントチェーンを例示するが、チェーン6としてローラチェーンを用いてもよい。なお、図1における白抜きの矢印は公転方向を示す。
二組の複合スプロケット5,5のうち、一方は、入力側の回転軸1(入力軸)と同心に一体回転する一組の複合スプロケット5(図1では左方に示す)であり、他方は、出力側の回転軸1(出力軸)と同心に一体回転する複合スプロケット5(図1では右方に示す)である。これらの複合スプロケット5,5はそれぞれ同様に構成されているため、主に入力側の複合スプロケット5に着目し、その構成を説明する。
複合スプロケット5とは、複数のピニオンスプロケット20および複数のガイドロッド29が多角形(ここでは十八角形)の頂点をなすようにして形成された見かけ上の大スプロケットを意味する。この複合スプロケット5は、回転軸1と、この回転軸1に対して径方向に可動に支持されたピニオンスプロケット20およびガイドロッド29とを有している。詳細には、回転軸1の軸心C1を中心にした円周の周方向に沿って等間隔に、六個のピニオンスプロケット20が配置され、また、ピニオンスプロケット20の相互間には、それぞれ二本のガイドロッド29が配置されている。
ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29が多角形の頂点をなすようにして形成された見かけ上の大スプロケットの外径、即ち、複合スプロケット5の外径を変更(拡縮径)することによって、変速機構の変速比が変更される。この変速機構は、変速比を連続的に変更することができるため、無段変速機構として構成することもできるが、変速比を段階的に変更して多段の有段変速機構として構成することもできる。
複合スプロケット5の外径は、複数のピニオンスプロケット20の何れをも囲み、且つ、複数のピニオンスプロケット20の何れにも接する円(以下、「ピニオン接円A」という)の半径に対応する。つまり、ピニオン接円Aの直径が複合スプロケットの外径である。
上記したピニオン接円Aの半径は、複数のピニオンスプロケット20とチェーン6との接触半径、即ち、複合スプロケット5のピッチ円の半径にも対応している。したがって、変速機構では、ピニオン接円Aの半径が変更されることで、チェーン6の巻き掛け半径が変更され、変速比が変更される。
図1には、ピニオン接円Aが入力側で最小であり出力側で最大のものを例示している。以下の説明では、ピニオン接円Aについて、最小のものを最小ピニオン接円A1と呼び、最大のものを最大ピニオン接円A2と呼ぶ。また、大きさまたは長さに着目しない場合には単にピニオン接円Aと呼ぶ。
図1には図示省略するが、複合スプロケット5は、固定ディスク10に対して可動ディスク19を相対的に回転駆動する相対回転駆動機構30と、複数のピニオンスプロケット20を移動させるスプロケット移動機構40Aと、複数のガイドロッド29を移動させるロッド移動機構40Bとを備えている。これらについては、詳細を後述する。
以下、変速機構の複合スプロケット5について説明する。
複合スプロケット5にかかる構成の説明では、基本的な構成要素として、回転軸1と一体に回転する固定ディスク10,固定ディスク10に対して相対回転可能に設けられた可動ディスク19,固定ディスク10と一体に回転する第一回転部15,可動ディスク19と一体に回転する第二回転部16,チェーン6に噛み合うピニオンスプロケット20,チェーン6を案内(ガイド)するガイドロッド29の順に説明する。その次に、基本的な構成要素を作動させる機構類として、相対回転駆動機構30,スプロケット移動機構40A,ロッド移動機構40Bの順に説明する。
固定ディスク10,可動ディスク19,第一回転部15,第二回転部16は、回転軸1の軸心C1と同心に配設されており、ディスク10,19における径方向は回転軸1の径方向と一致する。
本実施形態では、図2に示すように、回転軸1の軸方向両端側(図2における上端側および下端側)のそれぞれに、固定ディスク10と可動ディスク19とが互いに隣接して装備され、回転軸1の軸方向中間部にピニオンスプロケット20およびガイドロッド29ならびにこれらに巻き掛けられたチェーン6が配置される。また、固定ディスク10および可動ディスク19のうち可動ディスク19の方が、軸方向内側、即ち、ピニオンスプロケット20,ガイドロッド29,チェーン6に近い側に配置されている。
なお、図2は、理解を容易にすべく模式的に示したものであり、同断面にピニオンスプロケット20およびガイドロッド29ならびに後述する相対回転駆動機構30を示し、入力側の複合スプロケット5と出力側の複合スプロケット5との間に間隔を設けて示している。
〔1−1.固定ディスクおよび可動ディスク〕
固定ディスク10および可動ディスク19は、複数のピニオンスプロケット20および複数のガイドロッド29の軸方向両端部にそれぞれ対をなして設けられているが、ここでは、一側に設けられた固定ディスク10,可動ディスク19に着目し、その構成を説明する。
〔1−1−1.固定ディスク〕
固定ディスク10は、回転軸1と一体に形成されるか、或いは、何れも回転軸1と一体回転するように結合されている。
図3に示すように、固定ディスク10には、複数のピニオンスプロケット20それぞれに対応して設けられた複数のスプロケット用固定放射状溝11(一箇所のみに符号を付す)と複数のガイドロッド29それぞれに対応して設けられた複数のロッド用固定放射状溝12(一箇所のみに符号を付す)との二種の固定放射状溝が形成されている。なお、図3における白抜きの矢印は公転方向を示す。
スプロケット用固定放射状溝11は、対応するピニオンスプロケット20を案内するための溝である。すなわち、スプロケット用固定放射状溝11は、対応するピニオンスプロケット20の径方向移動経路に沿って形成されている。
スプロケット用固定放射状溝11のそれぞれは、配置箇所が異なる点を除いて同様に構成されている。そのため、一つのスプロケット用固定放射状溝11に着目して説明する。
スプロケット用固定放射状溝11には、ピニオンスプロケット20の第一支持部216が内挿される。このスプロケット用固定放射状溝11は、固定ディスク10における第一の径方向Dr1に対して遅角側に傾斜して設けられている。すなわち、スプロケット用固定放射状溝11は、外周(径方向外側)に向かうに連れて第一の径方向Dr1に対して遅角側にシフトしていくように設けられている。「第一の径方向Dr1」とは、スプロケット用固定放射状溝11の内周端部11aを通る径方向を意味する。したがって、スプロケット用固定放射状溝11の延びる方向DS1は、第一の径方向Dr1に対して、第一の傾斜角θ1で遅角側に傾斜している。
ここでは、スプロケット用固定放射状溝11が直線状に形成されている。そのため、スプロケット用固定放射状溝11の延びる方向DS1と平行な第二の径方向Dr2が、スプロケット用固定放射状溝11よりも遅角側に存在する。逆に言えば、第二の径方向Dr2を黒塗りの矢印で示すように進角側へ平行移動(シフト)させると、スプロケット用固定放射状溝11の延びる方向DS1と一致する。なお、第二の径方向Dr2は、回転軸1の軸心C1を通る方向をいう。
ロッド用固定放射状溝12のそれぞれには、ガイドロッド29のロッド支持軸29aが内挿される。かかるロッド用固定放射状溝12は、対応するガイドロッド29を案内するための溝である。すなわち、ロッド用固定放射状溝12は、対応するガイドロッド29の径方向移動経路に沿って形成されている。
かかるロッド用固定放射状溝12は、第一ロッド用固定放射状溝13および第二ロッド用固定放射状溝14(何れも一箇所のみに符号を付す)の二種に大別される。第一ロッド用固定放射状溝13の内周端部13aは、第二ロッド用固定放射状溝14の内周端部14aよりも、回転軸1の軸心C1に対する距離が遠い。すなわち、第一ロッド用固定放射状溝13の内周端部13aは、第二ロッド用固定放射状溝14の内周端部14aよりも、径方向外側に位置する。一方、第一ロッド用固定放射状溝13の外周端部13bと第二ロッド用固定放射状溝14の外周端部14bとのそれぞれは、回転軸1の軸心C1に対する距離が等しい。
ここでは、上記のスプロケット用固定放射状溝11と同様に、ロッド用固定放射状溝12が、直線状に形成され、径方向外側に向かうに連れて径方向に対して遅角側にシフトしていくように設けられている。
詳細に言えば、第一ロッド用固定放射状溝13の延びる方向DS2は、第三の径方向Dr3に対して第二の傾斜角θ2で遅角側に傾斜している。「第三の径方向Dr3」とは、第一ロッド用固定放射状溝13の内周端部13aを通る径方向を意味する。また、第二ロッド用固定放射状溝14の延びる方向DS3は、第四の径方向Dr4に対して第三の傾斜角θ3で遅角側に傾斜している。「第四の径方向Dr4」とは、第二ロッド用固定放射状溝14の内周端部14aを通る径方向を意味する。第一ロッド用固定放射状溝13にかかる第二の傾斜角θ2は、第二ロッド用固定放射状溝14にかかる第三の傾斜角θ3よりも大きい。そのため、第二ロッド用固定放射状溝14は、第一ロッド用固定放射状溝13よりも径方向に沿って形成されている。
なお、図3には、周方向において、スプロケット用固定放射状溝11の相互間に、第一ロッド用固定放射状溝13と第二ロッド用固定放射状溝14との二つの溝が形成されたものを例示する。
第一ロッド用固定放射状溝13のそれぞれは、配置箇所が異なる点を除いて同様に構成されている。また、第二ロッド用固定放射状溝14のそれぞれは、配置箇所が異なる点を除いて同様に構成されている。以下の説明では、これらのロッド用固定放射状溝13,14を特に区別しないときにはロッド用固定放射状溝12と呼ぶ。
固定用放射状溝11,12の各溝幅は、内挿される部材の外径に対応する溝幅を有する。具体的には、溝幅が内挿される部材の外径よりも微小に大きく設定されている。そのため、内挿される部材は、滑らかに固定放射状溝11,12に沿って移動可能である。なお、内挿部材であるところの支持部材216,支持軸29aについては詳細を後述する。
〔1−1−2.可動ディスク〕
図2に示すように、可動ディスク19は、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29を挟んで一側および他側のそれぞれに設けられる。これらの可動ディスク19は、連結シャフト19Aで互いに連結されている。ここでは、図1に示すように、各ピニオンスプロケット20の相互間にそれぞれ連結シャフト19A(一箇所にのみ符号を付す)が設けられている。これにより、一側の可動ディスク19と他側の可動ディスク19とが一体に回転する。
図4および図5に示すように、可動ディスク19(図5には破線で示す)には、上記の固定放射状溝11,12のそれぞれと軸方向視で交差する複数の可動放射状溝19a,19b(何れも一箇所のみに符号を付し、図5には破線で示す)が形成されている。なお、可動ディスク19の外形は円形であり、軸方向視で固定ディスク10の外形(円形)と一致して重合するが、便宜上、図5では可動ディスク19の外形円を縮小して示している。また、図4における白抜きの矢印は公転方向を示す。
スプロケット用可動放射状溝19aのそれぞれは、対応するスプロケット用固定放射状溝11と軸方向視で交差する。
図4に示すように、スプロケット用可動放射状溝19aには、ピニオンスプロケット20の第二支持部217が内挿される。ここでは、スプロケット用可動放射状溝19aが、径方向に対して遅角側に傾斜しており、曲線状に設けられている。
ロッド用可動放射状溝19bには、ガイドロッド29のロッド支持軸29aが内挿される。かかるロッド用可動放射状溝19bは、対応するロッド用固定放射状溝12と軸方向視で交差する。かかるロッド用可動放射状溝19bは、第一ロッド用固定放射状溝13のそれぞれと軸方向視で交差する第一ロッド用可動放射状溝191と、第二ロッド用固定放射状溝14のそれぞれと軸方向視で交差する第二ロッド用可動放射状溝192とに大別される。
ロッド用固定放射状溝12と同様に、第一ロッド用可動放射状溝191の内周端部は、第二ロッド用可動放射状溝192の内周端部よりも、回転軸1の軸心C1に対する距離が遠い。一方、第一ロッド用可動放射状溝191の外周端部と第二ロッド用可動放射状溝192の外周端部とのそれぞれは、回転軸1の軸心C1に対する距離が等しい。
可動用放射状溝19a,19bの各溝幅は、内挿される部材の外径に対応する溝幅を有する。具体的には、溝幅が内挿される部材の外径よりも微小に大きく設定されている。そのため、内挿される部材は、滑らかに可動用放射状溝19a,19bに沿って移動可能である。なお、内挿される部材であるところの第二支持部217,ロッド支持軸29aについては、詳細を後述する。
〔1−2.第一回転部〕
図2に示すように、第一回転部15は、固定ディスク10と一体回転する部分、即ち、回転軸1と一体回転する部分である。ここでは、第一回転部15が回転軸1の一部に設けられている。この第一回転部15は、固定ディスク10および可動ディスク19よりも軸方向外側に配設されている。
図2,図7および図8に示すように、第一回転部15には、第一カム溝15aが設けられている。この第一カム溝15aは、回転軸1の軸方向に沿って凹設して設けられている。ここでは、第一カム溝15aが回転軸1の軸心C1と平行に形成されている。図7には、第一カム溝15a(一箇所のみに符号を付す)が周方向に間隔をおいて三箇所に設けられたものを例示するが、第一カム溝15aの形成箇所や形成個数は、周囲の構成や要求仕様等に応じて設定すればよく、種々の形状や個数のものを採用することができる。なお、図7における白抜きの矢印は公転方向を示す。
〔1−3.第二回転部〕
図2,図6および図7に示すように、第二回転部16は、可動ディスク19と接続部17を介して接続されている。なお、図6における白抜きの矢印は公転方向を示す。
まず、接続部17について説明する。
接続部17は、可動ディスク19および第二回転部16と一体に回転し、固定ディスク10を覆うように配設されている。この接続部17は、固定ディスク10の外周を覆う軸方向接続部17aと、固定ディスク10の軸方向外側を覆う径方向接続部17bとを有する。
接続部17においては、可動ディスク19と第二回転部16との接続のうち、軸方向成分の離隔分を接続しているのが軸方向接続部17aであり、径方向の離隔分を接続しているのが径方向接続部17bである。
軸方向接続部17aは、回転軸1の軸心C1と同心に設けられるとともに軸方向に延びる円筒形状をなしている。この軸方向接続部17aは、図2に示すように、軸方向内側が可動ディスク19の外周端部(外周部)19tに結合され、軸方向外側が次に説明する径方向接続部17bに接続されている。
径方向接続部17bは、径方向外側が軸方向接続部17aに接続され、径方向内側が第二回転部16に接続されている。この径方向接続部17bは、回転軸1の軸心C1と同心に設けられるとともに径方向に延在する円盤から次に説明する肉抜き部17cによって肉抜きされた形状をなしている。
図6および図7に示すように、径方向接続部17bには、肉抜き部17cが設けられている。ここでは、三箇所に設けられた扇形の肉抜き部17cが、相互間に径方向接続部17bを挟んで等間隔に設けられたものを例示している。なお、肉抜き部17cの形状や形成個数は、周囲の構成や要求仕様等に応じて設定すればよく、種々の形状や個数のものを採用することができる。ただし、肉抜き部17cが省略され、円盤状に径方向接続部17bが形成されていてもよい。
次に、図2,図6〜図8を参照して、第二回転部16について説明する。
第二回転部16は、可動ディスク19の外周端部19tに上記の接続部17a,17bを介して連結されるとともに第一回転部15近傍の外周を覆うように設けられ、回転軸1の軸心C1と同心の円筒形状に形成されている。
第二回転部16には、第二カム溝16aが設けられている。この第二カム溝16aは、第一カム溝15aの外周に隣接するとともに回転軸1に沿って設けられ、径方向視で第一カム溝15aと交差する。また、第二カム溝16aは、軸方向に交差するように設けられている。
なお、図7には第二カム溝16a(一箇所にのみ符号を付す)が三箇所に設けられたものを例示するが、第二カム溝16aの形成箇所や形成個数は、第一カム溝15aの形成箇所や形成個数に応じて設定される。
〔1−4.ピニオンスプロケットおよびガイドロッド〕
図1に示すように、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29は、回転軸1の軸心C1周りに公転するものである。ここでいう「公転」とは、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29のそれぞれが、回転軸1の軸心C1を中心に回転することを意味する。回転軸1が回転すると、この回転に連動してピニオンスプロケット20およびガイドロッド29のそれぞれが公転する。つまり、回転軸1の回転数とピニオンスプロケット20およびガイドロッド29が公転する回転数とは等しい。
これらのピニオンスプロケット20およびガイドロッド29は、公転するだけで自転しない。ここでいう「自転」とは、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29のそれぞれが、自身の軸心を中心に回転することを意味する。
〔1−4−1.ピニオンスプロケット〕
ピニオンスプロケット20は、回転軸1の軸心C1を中心にした円周の周方向に沿って等間隔に配置されている。具体的には、第一ピニオンスプロケット210,第二ピニオンスプロケット220,第三ピニオンスプロケット230,第四ピニオンスプロケット240,第五ピニオンスプロケット250,第六ピニオンスプロケット260が配置されている。これらのピニオンスプロケット210,220,230,240,250,260は、配置箇所が異なる点を除いて、同様に構成されている。
以下の説明では、ピニオンスプロケット210,220,230,240,250,260をまとめて単にピニオンスプロケット20と呼ぶ。また、第一ピニオンスプロケット210に着目して構成を説明する。
図2には、軸方向に一列のピニオンスプロケット210が設けられたものを例示する。ただし、ピニオンスプロケット210の列数は、例えば変速機構の伝達トルクの大きさに応じて変更することができる。
第一ピニオンスプロケット210は、本体部211と支持部材215とを有する。
本体部211は、歯部212と基部213とを有する。
歯部212は、基部213の径方向外側に設けられ、チェーン6と噛み合う。
図9および図10に示すように、歯部212は、複数(ここでは4丁)の歯を有する。すなわち、第一ピニオンスプロケット210は、歯部212は全周ではなく一部に設けられ、セクターギヤ(扇形歯車)形状に形成されている。この歯部212は、最小ピニオン接円A1の円周に沿って設けられている。具体的には、最小ピニオン接円A1となった状態では、歯部212において各歯の先端(外周端)が最小ピニオン接円A1に接する。なお、図9における白抜きの矢印は公転方向を示す。
また、歯部212は、第一歯部22aと第二歯部22bとに大別される。
第一歯部22aは、少なくとも一歯(1丁の歯)がスプロケット用固定放射状溝11の溝幅内に存するように配置される。すなわち、スプロケット用固定放射状溝11の溝に第一歯部22aの少なくとも一歯が軸方向視で重複する。ここでは、歯部212における進角側の二丁の歯が第一歯部22aに対応するものとしている。
第二歯部22bは、第一歯部22aから遅角側に延設された部位である。この第二歯部22bは、第一歯部22aに対して、スプロケット用固定放射状溝11の延びる方向DS1と平行な第二の径方向Dr2の領域まで延設されている。すなわち、第二歯部22bは、スプロケット用固定放射状溝11の延びる方向DS1とこれに平行な第二の径方向Dr2との距離以上に、第一歯部22aに対してオフセットして延設されている。ここでは、歯部212における遅角側の二丁の歯が第二歯部22bに対応するものとしている。
基部213は、第二歯部22bの径方向内側が切り欠かれたような形状をなしている。言い換えれば、基部213の遅角側であって第二歯部22bの径方向内側には、空間Sが形成されている。この基部213は、次に説明する支持部材215によって支持される。
図2,図9および図10に示すように、支持部材215は、軸方向端部から順に、第一支持部216,第二支持部217,第三支持部218を有し、第一ピニオンスプロケット210の両側にそれぞれ設けられている。そして、第一支持部216と第二支持部217とが結合され、第二支持部217と第三支持部218とが結合されている。
第一支持部216は、上述したようにスプロケット用固定放射状溝11に内挿される。すなわち、第一支持部216の軸方向位置と固定ディスク10の軸方向位置とは同じである。この第一支持部216は、径方向の所定長さにわたってスプロケット用固定放射状溝11に接触するように対応する形状に形成されている。そのため、第一ピニオンスプロケット210を自転させるような回転力が作用したときに、第一支持部216は、スプロケット用固定放射状溝11に対して回転力を伝達するとともに、この回転力の反作用(抗力)で第一ピニオンスプロケット210の自転を防止する。
すなわち、第一支持部216は、スプロケット用固定放射状溝11において回り止め機能を有する形状に形成されている。なお、第一支持部216にかかる「所定長さ」とは、第一ピニオンスプロケット210を自転させるような回転力の抗力を確保可能な長さを意味する。
ここでは、第一支持部216は、その長手方向が径方向に沿っており、例えば直方体状のキー形状に形成されている。このため、スプロケット用固定放射状溝11は、キー溝ともいえる。駆動トルクの伝達時には、スプロケット用固定放射状溝11の内壁から第一支持部216へ向けて駆動トルクが伝達される。言い換えれば、駆動トルクの反力(駆動力の回転反力)は、第一支持部216とスプロケット用固定放射状溝11の内壁とに作用する。
また、スプロケット用固定放射状溝11の内壁に接する第一支持部216の側壁、特に、第一支持部216の四隅に、ベアリングを装着すれば、第一支持部材216の円滑な径方向移動を確保することができる。
第二支持部217は、上述したようにスプロケット用可動放射状溝19aに内挿される。すなわち、第二支持部217の軸方向位置と可動ディスク19の軸方向位置とは同じである。ここでは、第二支持部217が円柱状に形成されている。
第三支持部218は、基部213に結合されている。換言すると、第三支持部218は、第一ピニオンスプロケット210を相対回転不能に支持している。ここでは、第三支持部218が第二支持部217よりも小径の円柱状に形成されたものを例示する。
なお、図2に示すように、出力側の複合スプロケット5では、スプロケット用固定放射状溝11′が上述したスプロケット用可動放射状溝19aのように曲線状に設けられ、このスプロケット用固定放射状溝11′に内挿される第一支持部216′の形状も対応する形状に設けられている。この第一支持部216′としては、上記の第二支持部217のように円柱状に形成されたものを用いることができ、その他、長手方向がスプロケット用固定放射状溝11′に沿って形成されたものを用いてもよい。
また、出力側の複合スプロケット5では、スプロケット用可動放射状溝19′aが上述したスプロケット用固定放射状溝11のように直線状に設けられ、このスプロケット用可動放射状溝19′aに内挿される第二支持部217′の形状も対応する形状に設けられている。例えば、第二支持部217′は、径方向に長手方向を有する直方体形状(キー形状)に形成される。この出力側の複合スプロケット5では、スプロケット用可動放射状溝19′aと第二支持部217′とに駆動トルクおよびその反力が作用する。
〔1−4−2.ガイドロッド〕
図1に示すように、複数のガイドロッド29は、チェーン6と回転軸1の軸心C1との距離の変動(チェーン6の巻き掛け半径の変動)を小さくするように、つまり、回転軸1周りのチェーン6の軌道を可能な限り円軌道に近づけるように、チェーン6を案内するためのものである。これらのガイドロッド29は、径方向に移動可能に設けられるとともに、チェーン6が巻き掛けられて多角形の頂点を構成する。また、ガイドロッド29は、ピニオンスプロケット20と異なり、チェーン6と噛み合うことがなく動力伝達に寄与しない。
かかるガイドロッド29は、第一ガイドロッド291(一箇所のみに符号を付す)および第二ガイドロッド292(何れも一箇所のみに符号を付す)の二種に大別される。
第一ガイドロッド291のそれぞれは、配置箇所が異なる点を除いて同様に構成されている。また、第二ガイドロッド292のそれぞれは、配置箇所が異なる点を除いて同様に構成されている。以下の説明では、これらのガイドロッド291,292を特に区別しないときにはガイドロッド29と呼ぶ。
図2に示すように、ガイドロッド29は、ロッド支持軸29aの外周に円筒状のガイド部材29bが外挿されたものであり、ロッド支持軸29aによって支持され、ガイド部材29bの外周面でチェーン6を案内する。
ガイドロッド29の軸方向両端部29A(一方の軸方向端部のみに符号を付す)は、ガイド部材29bからロッド支持軸29aが軸方向に突出している。この突出したロッド支持軸29aが固定ディスク10および可動ディスク19に支持される。
つまり、ガイドロッド29は、ロッド支持軸29aと、ロッド支持軸29aにおけるチェーン6と接触する軸方向位置に部分的に外装された円筒状のガイド部材29bとを有する。
図5および図9に示すように、第一ガイドロッド291は、径方向位置(ピニオン接円Aの半径の大きさ)によらず常にチェーン6を案内する。これに対し、第二ガイドロッド292は、最小ピニオン接円A1またはその近傍となった状態ではチェーン6を案内しないものの、最大ピニオン接円A2となった状態では第一ガイドロッド291とともにチェーン6を案内する。すなわち、最大ピニオン接円A2となった状態ではガイドロッド29の何れもがチェーン6を案内する。
これらのガイドロッド291,292の相対的な径方向位置に着目して言い換えれば、第二ガイドロッド292は、最小ピニオン接円A1またはその近傍状態では第一ガイドロッド291よりも径方向内側に配置される。一方、最大ピニオン接円A2となった状態では、回転軸1の軸心C1に対する第一ガイドロッド291および第二ガイドロッド292それぞれの距離が等しい。
図9に示すように、最小ピニオン接円A1をなす状態における第二ガイドロッド292は、基部213の遅角側であって第二歯部22bの径方向内側に形成された空間Sの周辺に位置する。具体的には、空間Sよりもやや遅角側に第二ガイドロッド292が位置する。なお、最小ピニオン接円A1をなす状態の第二ガイドロッド292が、第二歯部22bに対して径方向内側の空間Sに位置してもよい。この場合、基部213の遅角側の切り欠き量を多くするとともに、第二ガイドロッド292にかかる放射状溝14,192が対応する形状に形成される。
したがって、ガイドロッド291,292の径方向位置が上述した位置となるように、ロッド用固定放射状溝13,14およびロッド用可動放射状溝191,192の形状が設定されている。
ここでは、第一ガイドロッド291および第二ガイドロッド292は、周方向に沿って交互に配置されている。具体的には、第一ピニオンスプロケット210の遅角側に、第二ガイドロッド292,第一ガイドロッド291の順に配置されている。
なお、ガイドロッド29は、ピニオンスプロケット20の相互間にそれぞれ二本が設けられる配置に限らず、また、総本数が十二本に限られない。ガイドロッド29の本数を多くするほど複合スプロケット5を真円に近づけ、チェーン6と回転軸1の軸心C1との距離の変動を小さくすることができる。しかしこの場合、特に第一ガイドロッド291の本数が多いほど最小ピニオン接円A1の半径の拡大を招くおそれがあり、このほかにパーツの増加による製造コストや重量の増加を招くおそれがあるため、これらを考慮してガイドロッド29の本数を設定することが好ましい。
〔1−5.相対回転駆動機構〕
相対回転駆動機構30は、複合スプロケット5,5を機械的に連動させる機構である。この相対回転駆動機構30は、上述した第一回転部15に設けられた第一カム溝15aと第二回転部16に設けられた第二カム溝16aとに加えて、第一カム溝15aと第二カム溝16aとが交差する第一交差箇所CP1に配設されたカムローラ90と、このカムローラ90を軸方向に移動させる変速用フォーク35と、この変速用フォーク35を軸方向に移動させる軸方向移動機構31とを備えている。
以下、カムローラ90,変速用フォーク35,軸方向移動機構31の順に説明する。
図2および図7に示すように、カムローラ90は、円柱状に形成されている。このカムローラ90は、回転軸1の軸心C1に直交する方向に沿った軸心を有し、第一カム溝15aと第二カム溝16aとが交差する第一交差箇所CP1(何れも一箇所にのみ符号を付す)に挿通されている。このため、カムローラ90は、回転軸1の回転に連動して回転軸1の軸心C1を中心に回転する。なお、カムローラ90の外周には、第一カム溝15aに対応する箇所にベアリング91aが外装され、同様に、第二カム溝16aに対応する箇所にベアリング91bが外嵌されている。
カムローラ90の一端部90aは、第一交差箇所CP1から径方向外側に突出されて設けられている。
なお、図示省略するが、カムローラ90は、カム溝15a,16aから脱落しないように、適宜の抜け止め加工が施されている。かかる抜け止め加工としては、例えばカムローラ90の他端部に頭部を設けることや抜け止めピンを追加し、カムローラ90が軸方向に移動可能であって径方向に移動しないようにすることが挙げられる。
変速用フォーク35は、二組の複合スプロケット5,5に跨って設けられている。ここでは変速用フォーク35が、軸方向視でメガネ形状に形成されている。
この変速用フォーク35は、各複合スプロケット5,5に対応して設けられた円環状のカムローラ支持部35a(一側にのみ符号を付す)と、各カムローラ支持部35aを連結するブリッジ部35bとを有する。カムローラ支持部35aの径方向内側には、上記の第一回転部15および第二回転部16が配設されている。
なお、変速用フォーク35は、ディスク10,19に対して平行なプレート状の部材であって、チェーン6を基準としたときのディスク10,19に対して軸方向外側に並設されている。
カムローラ支持部35aには、径方向内側の全周にわたって溝部35cが凹設されている。溝部35cは、カムローラ90の突出長さに対応する深さを有し、カムローラ90の一端部90aを収容している。すなわち、溝部35cは、径方向長さがカムローラ90の突出長さの円環状空間を有する。
この溝部35cには、カムローラ90と転がり接触しうる転動体35d(一箇所にのみ符号を付す)が設けられている。この転動体35dは、回転軸1の軸心C1を中心に回転するカムローラ90が溝部35cの側壁に接触したときにカムローラ90が軸心周りに回転することを抑制するために設けられている。すなわち、溝部35cの側壁を形成するカムローラ支持部35aに、転動体35dが配設されている。ここでは、複数の転動体35dが溝部35cの全周にわたって配設されている。なお、転動体35dとしてニードルベアリングを例示するが、これに替えて、ボールベアリングを用いてもよい。
軸方向移動機構31は、変速用フォーク35を軸方向に移動するために、モータ32と、モータ32の出力軸32aの回転運動を直線運動に切り替える運動変換機構33と、変速用フォーク35を支持するとともに運動変換機構33によって直線運動されるフォーク支持部34とを備えている。なお、モータ32としては、ステッピングモータを用いることができる。
以下、軸方向移動機構31について、フォーク支持部34,運動変換機構33の順に説明する。
フォーク支持部34は、モータ32の出力軸32aと同心の筒軸を有する円筒状に形成されている。このフォーク支持部34には、モータ32の出力軸32aが内挿されている。
また、フォーク支持部34は、内周にモータ32の出力軸32aに形成された雄ネジ部32bに螺合する雌ネジ部34aが螺設され、外周に変速用フォーク35のブリッジ部35bと係合するフォーク溝34bが凹設されている。
フォーク溝34bは、変速用フォーク35のブリッジ部35bの厚み(軸方向長さ)に対応する幅(軸方向長さ)に形成されている。このフォーク溝34bにはブリッジ部35bの中間部(二つの複合スプロケット5,5の間)が嵌入され、フォーク支持部34と変速用フォーク35のブリッジ部35bとが一体に結合される。
運動変換機構33は、出力軸32aの雄ネジ部32bと、フォーク支持部34の雌ネジ部34aとを有する。出力軸32aが回転すると、雄ネジ部32bと雌ネジ部34aとの螺合によって、雌ネジ部34aが形成されたフォーク支持部34が軸方向に移動される。すなわち、軸方向移動機構31は、モータ31の回転運動を運動変換機構33によって直線運動に変換し、この直線運動でフォーク支持部34を軸方向に直線運動させる。
上記の変速用フォーク35,軸方向移動機構31を含む相対回転駆動機構30は、ピニオンスプロケット21,22,23から軸方向にシフトして設けられている。
以下、相対回転駆動機構30による可動ディスク19の固定ディスク10に対する相対回転駆動について説明する。
軸方向移動機構31によってフォーク支持部34が軸方向に直線運動されると、フォーク支持部34に結合された変速用フォーク35が一体に軸方向に移動し、この移動にともなってカムローラ90も軸方向に移動される。
第一カム溝15aと第二カム溝16aとが交差する第一交差箇所CP1に配設されるカムローラ90が軸方向に移動されると、第一交差箇所CP1も軸方向に移動する。第一カム溝15aが設けられた第一回転部15は回転軸1および固定ディスク10と一体回転するため、第一交差箇所CP1が軸方向に移動すると、第一回転部15に対して第二カム溝16aが設けられた第二回転部16が相対的に回転される。
第二回転部16は可動ディスク19と一体回転し、第一回転部10は固定ディスク10と一体回転するので、第一回転部15に対して第二回転部16が相対回転されると、固定ディスク10に対して可動ディスク19が相対的に回転される。
〔1−6.スプロケット移動機構およびロッド移動機構〕
次に、図2および図5を参照して、スプロケット移動機構40Aおよびロッド移動機構40Bを説明する。
スプロケット移動機構40Aは、ピニオンスプロケット20を移動対象とし、また、ロッド移動機構40Bは、複数のガイドロッド29を移動対象としている。このロッド移動機構40Bは、第一ガイドロッド291を移動対象とする第一ロッド移動機構401と第二ガイドロッド292を移動対象とする第一ロッド移動機構402とを兼ねている。
これらの移動機構40A,40B(401,402)は、各移動対象を径方向に同期して移動させるものである。
スプロケット移動機構40Aは、固定ディスク10と可動ディスク19と相対回転駆動機構30(図2および図7参照)とから構成されている。同様に、ロッド移動機構40Bは、固定ディスク10と可動ディスク19と相対回転駆動機構30とから構成されている。このように、それぞれの移動機構40A,40Bの構成は、各移動対象が異なるだけで、その他の構成は同様である。
次に、図5(a)〜図5(c)を参照して、移動機構40Aおよび40Bによる移動を説明する。
図5(a)は、最小ピニオン接円Aとなった状態における可動ディスク19の固定ディスク10に対する位相を示している。このとき、スプロケット用固定放射状溝11とスプロケット用可動放射状溝19aとが交差する第二交差箇所CP2は、回転軸1の軸心C1に対して最も近接している。
同様に、第一ロッド用固定放射状溝13と第一ロッド用可動放射状溝191とが交差する第三交差箇所CP3,第二ロッド用固定放射状溝14と第二ロッド用可動放射状溝192とが交差する第四交差箇所CP4は、それぞれ回転軸1の軸心C1に対して最も近接している。この第四交差箇所CP4は、第三交差箇所CP3よりも径方向内側に位置する。これは、最小ピニオン接円A1をなす状態において、第二ガイドロッド292が第一ガイドロッド291よりも径方向内側に配置されるのに対応する。
そして、相対回転駆動機構30によって可動ディスク19の回転位相を固定ディスク10に対して変更すると、図5(b),図5(c)の順に、交差箇所CP2,CP3,CP4がそれぞれ同期しながら回転軸1の軸心C1から遠ざかる。
このようにして、スプロケット移動機構40Aは、第二交差箇所CP2で支持されるピニオンスプロケット20のそれぞれを、回転軸1の軸心C1から等距離を維持させながら径方向に同期して移動させる。同様に、第一ロッド移動機構401は、第三交差箇所CP3で支持される第一ガイドロッド291のそれぞれを、回転軸1の軸心C1から等距離を維持させながら径方向に同期して移動させる。また同様に、第二ロッド移動機構402は、第四交差箇所CP4で支持される第二ガイドロッド292のそれぞれを、回転軸1の軸心C1から等距離を維持させながら、且つ最小ピニオン接円Aおよびその近傍状態以外では第一ガイドロッド291と略同径を保つように、径方向に同期して移動させる。
一方、相対回転駆動機構30によって可動ディスク19の回転位相の変更方向を上記の方向と反対にすれば、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29の移動方向が反転し、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29は回転軸1の軸心C1に近づく。
〔2.作用および効果〕
本発明の第一実施形態にかかる変速機構は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
(1)ピニオンスプロケット20の歯部212は、最小ピニオン接円A1の円周に沿って設けられている。そのため、従来のスプロケットギヤ形状を有するピニオンスプロケットに比較して、ピニオンスプロケット20の歯部212ではチェーン6と噛み合う歯数を確保することができる。更に言えば、スプロケットギヤ形状を有するピニオンスプロケットに比較して、歯部212を大きく形成することができる。よって、チェーン6と噛み合う歯部212への負担を軽減させることができる。したがって、トルクを確実に伝達することができる。
また、最小ピニオン接円A1をなす状態では、ピニオンスプロケット20の歯部212が最小ピニオン接円A1の円周に沿うため、歯部212とチェーン6とが安定して噛み合い、トルクを確実に伝達することができる。
(2)歯部212が最小ピニオン接円A1の円周に沿って設けられたうえで、スプロケット用固定放射状溝11が外周に向かうに連れて第一の径方向Dr1に対して遅角側にシフトしていくように設けられる場合、即ち、スプロケット用固定放射状溝11が第一の径方向Dr1に対して傾斜して設けられる場合には、ピニオン接円Aのなす円周に対してピニオンスプロケット20の歯部212の位置が次のように幾何学的に定まる。
ピニオン接円Aが大きくなるに連れて、第二の径方向Dr2がピニオン接円Aの円周と交差する箇所を基準に進角側に向かうほど、ピニオン接円Aがなす円周に対するピニオンスプロケット20の歯部212の位置が離隔する。図9の鎖線で示すように、とりわけ最大ピニオン接円A2となった状態では、進角側に向かうほど最大ピニオン接円A2がなす円周に対してピニオンスプロケット20の歯部212(図中において特に進角側となる第一歯部22aの右端の歯)の位置が離隔する。
よって、スプロケット用固定放射状溝11の延びる方向DS1を基準に進角側および遅角側のそれぞれへ向かう対称な歯部を有するピニオンスプロケットでは、ピニオン接円Aの円周に対して特に進角側の歯部が離隔してしまう。
ピニオン接円Aがなす円周に対する歯部212の位置がこのように定まるのは、最小ピニオン接円A1の中心を第二の径方向Dr2に沿って移動させた場合に、第二の径方向Dr2とピニオン接円Aの円周とが交差する箇所において、最小ピニオン接円A1の円周がピニオン接円Aの円周に接するからである。
これに対し、本実施形態の変速機構では、ピニオンスプロケット20の歯部212が、スプロケット用固定放射状溝11の溝幅内に存するように配置された第一歯部22aと、この第一歯部22aから遅角側に延設された第二歯部22bとを有する。よって、最大ピニオン接円A2となった状態であっても第二歯部22bが最大ピニオン接円A2のなす円周に沿いやすくなる。したがって、ピニオン接円Aの大きさによらず、第二歯部22bとチェーン6との噛み合いを安定させることができ、トルクを確実に伝達することができる。
また、固定ディスク10の固定放射状溝11,12が径方向に対して傾斜して設けられるため、固定放射状溝11,12と可動ディスク19の可動放射状溝19a,19bとの交差角度を確保しやすくなる。よって、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29の径方向移動にかかる固定ディスク10に対する可動ディスク19の回転トルクを低減させることができ、固定放射状溝11,12および可動放射状溝19a,19bにおけるピニオンスプロケット20の支持部材216,217およびガイドロッド29のロッド支持軸29aのひっかかり(スティック)を抑制することができる。
(3)第二歯部22bは、第一歯部22aに対して、スプロケット用固定放射状溝11の延びる方向DS1と平行な第二の径方向Dr2の領域まで延設されている。したがって、第二の径方向Dr2がピニオン接円Aの円周と交差する箇所に第二歯部22bが設けられ、ピニオン接円Aの半径によらずピニオン接円Aの円周に沿って第二歯部22bを位置させることができる。よって、より確実にトルクを伝達することができる。
(4)スプロケット用固定放射状溝11は、外周に向かうに連れて第一の径方向Dr1に対して遅角側にシフトしていくように設けられている。そのため、駆動トルクの反力の一部(分力)を、スプロケット用固定放射状溝11の延びる方向DS1のうち径方向外側に向けて作用させることができる。すなわち、駆動トルクの伝達時には、ピニオンスプロケット20を径方向外側に移動させる力が作用することで、チェーン6の弛みを抑制することができ、本変速機構にかかる各種機構をガタ詰めすることができる。
(5)第一支持部216は、径方向の所定長さにわたってスプロケット用固定放射状溝11に接触するように対応する形状に形成されている。そのため、ピニオンスプロケット20を自転させるような回転力が作用したときに、スプロケット用固定放射状溝11に対して回転力の反作用(抗力)でピニオンスプロケット20の自転を防止することができる。
(6)ガイドロッド29は、最小ピニオン接円A1をなす状態で、チェーン6を案内する第一ガイドロッド291と第一ガイドロッド291よりも径方向内側に位置する第二ガイドロッド292とを有する。そのため、最小ピニオン接円A1をなす状態において、第二ガイドロッド292と第一ガイドロッド291あるいはピニオンスプロケット20との干渉を避けることができる。よって、最小ピニオン接円A1の半径をより小さくすることが可能となる。その結果として、ピニオンスプロケット20の径方向移動距離を大きく確保することができ、レシオカバレッジを拡大することができる。このとき、チェーン6は第一ガイドロッド291によって案内されるため、チェーン6の巻き掛け半径の変動を抑えることができる。よって、安定して動力伝達することができ、静音性を確保することができる。
少なくとも最大ピニオン接円A2となった状態では、回転軸1の軸心C1に対する第一ガイドロッド291および第二ガイドロッド292それぞれの距離が等しい。すなわち、最大ピニオン接円A2となった状態ではガイドロッド29の何れもがチェーン6を案内する。そのため、第一ガイドロッド291および第二ガイドロッド292の全てでチェーン6を案内することができる。すなわち、複合スプロケット5に巻き掛けられるチェーン6が最も長くなる最大ピニオン接円A2となった状態において、チェーン6を案内するガイドロッド29の本数を確保することができる。よって、チェーン6の巻き掛け半径の変動を効果的に抑えることができる。
(7)最小ピニオン接円A1をなす状態における第二ガイドロッド292は、基部213の遅角側であって第二歯部22bの径方向内側に形成された空間Sの周辺に位置する。この空間Sは、第二歯部22bを第一歯部22aから延ばすことで形成されたものともいえることから、本変速機構に特有のものといえる。かかる空間Sを利用して、第二ガイドロッド292を収容(格納)することができる。すなわち、本変速機構では、いわゆるデッドスペースとなりかねない空間Sを、最小ピニオン接円A1をなす状態における第二ガイドロッド292の収容空間として有効に利用することができる。なお、最小ピニオン接円A1をなす状態において第二ガイドロッド292を空間Sに位置させれば、第二ガイドロッド292の収容空間として更に有効に空間Sを利用することができる。
(8)第一ガイドロッド291および第二ガイドロッド292が周方向に沿って交互に配置されるため、最小ピニオン接円A1をなす状態において第二ガイドロッド292を効率よく径方向内側に収容することができる。
〔II.第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態にかかる変速機構について説明する。
本実施形態の変速機構は、ピニオンスプロケット自体の構成とガイドロッドの収容状態および径方向移動経路とが主に異なる。なお、第二実施形態で説明する点を除いては、第一実施形態と同様の構成になっている。これらの構成については、同様の符号を付し、各部の説明を省略する。
〔1.構成〕
以下、第一実施形態との相違点を中心に、本実施形態の変速機構について説明する。
図11に示すように、変速機構は、二組の複合スプロケット5′,5′と、これらの複合スプロケット5′,5′に巻きかけられたチェーン6′とを備えている。なお、図11における白抜きの矢印は公転方向を示す。
複合スプロケット5′は、回転軸1′と、この回転軸1′に対して径方向に可動に支持されたピニオンスプロケット20′およびガイドロッド29′とを有している。これらのピニオンスプロケット20′およびガイドロッド29′は、回転軸1′の軸心C1周りに公転する。ここでは、ピニオンスプロケット20′およびガイドロッド29′によって二十一角形の頂点をなすようにして形成された見かけ上の大スプロケットが複合スプロケット5′を形成している。詳細には、回転軸1′の軸心C1を中心にした円周の周方向に沿って等間隔に、三個のピニオンスプロケット20′が配置され、また、ピニオンスプロケット20′の相互間には、それぞれ六本のガイドロッド29′が配置されている。
上述したように、複合スプロケット5′の外径、即ち、ピニオン接円A′を拡縮することで、本変速機構において変速比が変更される。
以下、複合スプロケット5′について説明する。
複合スプロケット5′は、基本的な構成要素として、第一実施形態で上述したのと同様の第一回転部15,第二回転部16および相対回転駆動機構30のほか、ピニオンスプロケット20′,ガイドロッド29′,固定ディスク10′,可動ディスク19′,回転軸1′を備えている。さらに、複合スプロケット5′は、基本的な構成要素を作動させる機構類として、第一実施形態で上述したのと同様の相対回転駆動機構30のほか,スプロケット移動機構40A′,ロッド移動機構40B′,機械式自転駆動機構50を備えている。
以下、複合スプロケット5′の基本的な構成要素について、ピニオンスプロケット20′,ガイドロッド29′,固定ディスク10′,可動ディスク19′,回転軸1′の順に説明する。その次に、複合スプロケット5′の基本的な構成要素を作動させる機構類について、スプロケット移動機構40A′,ロッド移動機構40B′,機械式自転駆動機構50の順に説明する。
〔1−1.ピニオンスプロケット〕
複数のピニオンスプロケット20′は、それぞれ外周部全周に歯部が形成されたスプロケットギヤ形状に形成されている。当然ながら、ピニオンスプロケット20′それぞれに形成される歯部の形状寸法およびピッチは同一規格のものとなっている。なお、ピニオンスプロケット20′の歯部は、第一実施形態で上述したピニオンスプロケット20の歯部212(図9等参照)よりも小さく形成されたものを用いてもよい。
これらのピニオンスプロケット20′は、自転しない一つのピニオンスプロケット(以下、「固定ピニオンスプロケット」という)21′と、この固定ピニオンスプロケット21′を基準に公転の回転位相が進角側および遅角側のそれぞれに配置され自転可能な二つの自転ピニオンスプロケット22′,23′とから構成されている。これら二つの自転ピニオンスプロケット22′,23′のうち、固定ピニオンスプロケット21′を基準に、進角側のものを第一自転ピニオンスプロケット(進角側自転ピニオンスプロケット)22′と呼び、遅角側のものを第二自転ピニオンスプロケット(遅角側自転ピニオンスプロケット)23′と呼ぶ。
なお、固定ピニオンスプロケット21′については、自転しないため、チェーン6′と噛み合う領域にのみ部分的に歯部が形成されていてもよい。すなわち、固定ピニオンスプロケット21′の径方向内側には歯部が形成されていなくてもよい。
各ピニオンスプロケット21′,22′,23′は、何れもその中心に設けられた支持軸(ピニオンスプロケット軸)21′a,22′a,23′aに対して結合されている。すなわち、自転ピニオンスプロケット22′,23′のそれぞれは、支持軸22′a,23′aの軸心C2,C3周りに自転する。なお、各支持軸21′a,22′a,23′aの軸心C2,C3,C4および回転軸1′の軸心C1は、何れも相互に平行である。
第一自転ピニオンスプロケット22′と第二自転ピニオンスプロケット23′とは、配設箇所および自転方向が異なるのを除いて同様に構成されるため、ここでは、第一自転ピニオンスプロケット22′に着目して説明する。
以下の説明では、固定ピニオンスプロケット21′,第一自転ピニオンスプロケット22′および第二自転ピニオンスプロケット23′を区別なく用いるときには単にピニオンスプロケット20′と呼び、同様に、支持軸21′a,22′a,23′aについても区別なく用いるときには支持軸20′aと呼ぶ。
本実施形態では、図12に示すように、ピニオンスプロケット20′は、軸方向に三列の歯車20′g(一箇所のみに符号を付す)を備え、これらの各列の歯車に対応してチェーン6′も三本巻き掛けられている。ここでは、三列の歯車20g′がスペーサ20′s(一箇所のみに符号を付す)を介して互いに間隔をあけて設けられている。なお、ピニオンスプロケット20′における歯車20′gの列数は、変速機構の伝達トルクの大きさによるが、二列または四列以上であってもよいし一列であってもよい。
なお、図12は、理解を容易にすべく模式的に示したものであり、同断面に第一自転ピニオンスプロケット22′およびガイドロッド29′ならびに相対回転駆動機構30を示し、入力側の複合スプロケット5′と出力側の複合スプロケット5′との間に間隔を設けて示している。
〔1−2.ガイドロッド〕
ガイドロッド29′は、一本に着目すれば、ロッド支持軸29′aの外周に円筒状のガイド部材29′bが外挿されており、ガイド部材29′bから軸方向に突出したロッド支持軸29′aが固定ディスク10′および可動ディスク19′に支持される。
しかしながら、ガイドロッド29′は、第一実施形態のガイドロッド29に対して、ピニオンスプロケット20′の相互間に配置される本数,最小ピニオン接円A1′をなす状態における収容状態および径方向移動経路が異なる。
ガイドロッド29′は、図11に示すように、第一ガイドロッド291′(一箇所のみに符号を付す)および第二ガイドロッド292′(何れも一箇所のみに符号を付す)の二種に大別される。
第一ガイドロッド291′のそれぞれは、配置箇所が異なる点を除いて同様に構成されている。また、第二ガイドロッド292′のそれぞれは、配置箇所が異なる点を除いて同様に構成されている。以下の説明では、これらのガイドロッド291′,292′を特に区別しないときにはガイドロッド29′と呼ぶ。
ここでは、ピニオンスプロケット20′の相互間に六本のガイドロッド29′が配置されている。これら六本のガイドロッド29′は、四本の第一ガイドロッド291′と二本の第二ガイドロッド292′とから構成されている。また、二本の第一ガイドロッド291′と一本の第二ガイドロッド292′とを1セットと見做すと、互いが周方向に隣接しており、第一ガイドロッド291′および第二ガイドロッド292が周方向に沿って交互に配置されている。
第一ガイドロッド291′は、径方向位置(ピニオン接円Aの半径)によらず常にチェーン6′を案内する。これに対し、第二ガイドロッド292′は、ピニオン接円A′の半径が所定径以上のときにチェーン6′を案内する。そのため、最大ピニオン接円A2′となった状態ではガイドロッド29′の何れもがチェーン6′を案内する。ここでいう所定径とは、最小ピニオン接円A1′よりも大きく最大ピニオン接円A2′よりも小さい径であって、ピニオン接円Aの半径が所定径のときに、第一ガイドロッド291′と第二ガイドロッド292′とが干渉(接触)しないような大きさに設定される。
これらのガイドロッド291′,292′の相対的な径方向位置に着目して言い換えれば、ピニオン接円A′の半径が所定径未満のときに、第一ガイドロッド291′よりも第二ガイドロッド292′が径方向内側に配置される。一方、ピニオン接円A′の半径が所定径以上のときに、回転軸1の軸心C1に対する第一ガイドロッド291′および第二ガイドロッド292′それぞれの距離が等しい。したがって、当然ながら最大ピニオン接円A2′をなす状態においても、第二ガイドロッド292′は、回転軸1の軸心C1に対する距離が第一ガイドロッド291′のそれと等しく、チェーン6′を案内する。
第二ガイドロッド292′は、ピニオン接円A′の半径が所定径よりも小さくなるに連れて、第一ガイドロッド291′よりも径方向内側に位置する。そのため、最小ピニオン接円A1′をなす状態では、第一ガイドロッド291′に対して最も径方向内側に第二ガイドロッド292′が位置する。
また、最小ピニオン接円A1′をなす状態では、第二ガイドロッド292′が回転軸1′の外周面1′aに当接し、この第二ガイドロッド292′に第一ガイドロッド291′が径方向外側から当接する。このように、最小ピニオン接円A1′をなす状態では、第一ガイドロッド291′よりも回転軸1′の軸心C1側に第二ガイドロッド292′が収容(格納)される。
言い換えれば、ガイドロッド291′,292′の径方向位置が上述した位置となるように、次に説明するディスク10′,19′に形成された放射状溝の形状が設定されている。
〔1−3.固定ディスクおよび可動ディスク〕
固定ディスク10′には、複数のピニオンスプロケット20′それぞれに対応して設けられたスプロケット用固定放射状溝111と複数のガイドロッド29′それぞれに対応して設けられたロッド用固定放射状溝112との二種の固定放射状溝が形成されている。
スプロケット用固定放射状溝111にはピニオンスプロケット20′の支持軸20′aが、また、ロッド用固定放射状溝112にはガイドロッド29′のロッド支持軸29′aが内挿される。ここでは、スプロケット用固定放射状溝111およびロッド用固定放射状溝112のそれぞれが、放射状に延びており、径方向に対して遅角側に傾斜して設けられている。
ロッド用固定放射状溝112は、第一ガイドロッド291′のロッド支持軸29a′が内挿される第一ロッド用固定放射状溝と第二ガイドロッド292′のロッド支持軸29′aが内挿される第二ロッド用固定放射状溝との二種に大別される。
可動ディスク19′には、上記のスプロケット用固定放射状溝のそれぞれと軸方向視で交差する複数のスプロケット用可動放射状溝119が形成され、また、上記のロッド用固定放射状溝112のそれぞれと軸方向視で交差する複数のロッド用可動放射状溝129が形成されている。ここでは、可動放射状溝119,129のそれぞれが径方向に対して進角側に傾斜して設けられている。
スプロケット用可動放射状溝119には、上記のスプロケット用固定放射状溝111との交差箇所CP2′にピニオンスプロケット20′の支持軸20′aが内挿される。また、ロッド用可動放射状溝129には、上記のロッド用固定放射状溝112との交差箇所にガイドロッド29′のロッド支持軸29′aが内挿される。ここでは、スプロケット用可動放射状溝119およびロッド用可動放射状溝129のそれぞれが径方向に対して進角側に傾斜して設けられている。
ロッド用可動放射状溝129は、上記の第一ロッド用固定放射状溝との交差箇所に第一ガイドロッド291′のロッド支持軸29′aが内挿される第一ロッド用可動放射状溝と上記の第二ロッド用固定放射状溝との交差箇所に第二ガイドロッド292′のロッド支持軸29′aが内挿される第二ロッド用可動放射状溝とに大別される。
第二ガイドロッド292′にかかる放射状溝は、第一ガイドロッド291′にかかる放射状溝よりも長溝である。第一ガイドロッド291′にかかる放射状溝は、ピニオン接円A′の半径が所定径をなす位置を含んでこれよりも外側では、各ディスク10′,19′の径方向に対する傾きが第一ガイドロッド291′にかかる放射状溝のそれと同様に形成され、また、かかる所定径よりも径方向内側では、各ディスク10′,19′の径方向に対する傾きが第一ガイドロッド291′にかかる放射状溝のそれよりも小さく形成されている。各放射状溝の形状は、上述したガイドロッド291′,292′の移動軌跡に対応して設定されている。
〔1−4.回転軸〕
図11に示すように、回転軸1′には、ピニオンスプロケット20′それぞれを収容しうる凹所2が形成されている。凹所2には、最小ピニオン接円A1′をなす状態においてピニオンスプロケット20′が最も深く収容される。この状態からピニオンスプロケット20′の径方向位置が外周側(拡径側)に移動するに連れて、ピニオンスプロケット20′の凹所2への収容度合(収容深さ)が小さくなり、更に径方向位置が外側に移動するとピニオンスプロケット20′は凹所2に収容されなくなる。
凹所2は、対応するピニオンスプロケット20′に対応する形状に回転軸1′を凹設して形成されている。例えば、ピニオンスプロケット20′の各歯部の先端(外周端)をつないで形成される円を底面または上面とする円柱の一部が円柱状の回転軸から取り除かれた形状に、凹所2が形成されている。
なお、固定ピニオンスプロケット21′に部分的に歯部が形成されて径方向内側に歯部が形成されていなければ、凹所2はこの固定ピニオンスプロケット21′に対応した形状に形成される。
最小ピニオン接円A1′をなす状態では、ピニオンスプロケット20′のそれぞれが各凹所2に当接する。いわば、ピニオンスプロケット20′は、回転軸1′に食い込むように凹所2に収容される。また、最小ピニオン接円A1′をなす状態では、凹所2の相互間に位置する回転軸1の外周面1aには、上述したように第二ガイドロッド292′が当接する。
〔1−5.スプロケット移動機構およびロッド移動機構〕
スプロケット移動機構40A′は、移動対象が第一実施形態のピニオンスプロケット20と異なりピニオンスプロケット20′である点を除いては、第一実施形態のスプロケット移動機構40Aと同様に構成されている。すなわち、スプロケット移動機構40A′は、固定ディスク10′と可動ディスク19′と相対回転駆動機構30とから構成されている。
また、ロッド移動機構40B′は、移動対象が第一実施形態のガイドロッド29と異なりガイドロッド29′である点を除いては、第一実施形態のロッド移動機構40Bと同様に構成されている。すなわち、ロッド移動機構40B′は、固定ディスク10′と可動ディスク19′と相対回転駆動機構30とから構成されている。
このロッド移動機構40B′は、第一ガイドロッド291′を移動対象とする第一ロッド移動機構と第二ガイドロッド292′を移動対象とする第二ロッド移動機構とを兼ねている。
これらの移動機構40A′,40B′は、各移動対象を径方向に同期して移動させるものである。
ただし、ピニオン接円A′の半径が所定径未満では、第二ロッド移動機構が第一ガイドロッド291′よりも径方向内側に第二ガイドロッド292′を移動させる。特に、最小ピニオン接円A1′をなす状態では、第二ロッド移動機構が第一ガイドロッド291′よりも径方向内側に第二ガイドロッド292′を移動させ収容する。なお、ピニオン接円A′の半径が所定径以上では、ロッド移動機構40B′により、ガイドロッド291′,292′の何れもが、回転軸1の軸心C1から等距離を維持しながら径方向に移動される。
次に、移動機構40A′,40B′によるピニオンスプロケット20′およびガイドロッド291′,292′の移動を説明する。
最小ピニオン接円A1′をなす状態において、スプロケット用固定放射状溝111とスプロケット用可動放射状溝119との交差する第二交差箇所CP2′は、回転軸1の軸心C1に対して最も近接している。同様に、第一ロッド用固定放射状溝と第一ロッド用可動放射状溝とが交差する第三交差箇所,第二ロッド用固定放射状溝と第二ロッド用可動放射状溝とが交差する第四交差箇所は、それぞれ回転軸1′の軸心C1に対して最も近接している。この第四交差箇所は、第三交差箇所よりも径方向内側に位置する。これは、最小ピニオン接円A1′をなす状態で、第一ガイドロッド291′よりも第二ガイドロッド292′が径方向内側に配置されるのに対応する。
この最小ピニオン接円A1′をなす状態では、図11に示すように第二ガイドロッド292′は回転軸1′の外周面1′aに当接し、第一ガイドロッド291′は第二ガイドロッド292′の外周面に当接する。
この場合、相対回転駆動機構30によって固定ディスク10′に対する可動ディスク19′の回転位相を変更すると、第二交差箇所CP2′,第三および第四交差箇所がそれぞれ同期しながら回転軸1′の軸心C1から遠ざかる。
このようにして、スプロケット移動機構40A′は、第二交差箇所CP2′で支持されるピニオンスプロケット20′のそれぞれを、回転軸1′の軸心C1から等距離を維持させながら径方向に同期して移動させる。同様に、第一ロッド移動機構は、第三交差箇所で支持される第一ガイドロッド291′のそれぞれを、回転軸1′の軸心C1から等距離を維持させながら径方向に同期して移動させる。また同様に、第二ロッド移動機構は、第四交差箇所で支持される第二ガイドロッド292′のそれぞれを、回転軸1′の軸心C1から等距離を維持させながら径方向に同期して移動させる。
ピニオン接円A′の半径が所定径未満であれば、第一ガイドロッド291′よりも第二ガイドロッド292′が回転軸1の軸心C1側に位置する。このとき、三個のピニオンスプロケット20′および十二本の第一ガイドロッド291′が十五角形を形成し、この十五角形が複合スプロケット5′を構成する。一方、ピニオン接円A′の半径が所定径以上であれば、第一ガイドロッド291′および第二ガイドロッド292′の何れもが回転軸1の軸心C1に対して等距離に位置する。このとき、三個のピニオンスプロケット20′,十二本の第一ガイドロッド291′および六本の第二ガイドロッド292′が二十一角形を形成する。この二十一角形が複合スプロケット5′を構成する。
〔1−6.機械式自転機構〕
次に、図12を参照して、機械式自転機構50について説明する。ここでは、機械式自転駆動機構50がピニオンスプロケット20′を挟んで対称に構成されるため、一側の構成に着目して説明する。
機械式自転駆動機構50は、自転ピニオンスプロケット22′,23′を回転させ、チェーン6′に対するピニオンスプロケット20′間の位相ズレを解消するように、スプロケット移動機構40A′による複数のピニオンスプロケット20′の径方向移動に伴って、即ち、スプロケット移動機構40A′と連動して機械的に自転ピニオンスプロケット22′,23′を自転駆動するものである。
ただし、機械式自転駆動機構50は、径方向移動時の固定ピニオンスプロケット21′を自転させない構成も有している。
まず、機械式自転駆動機構50について、固定ピニオンスプロケット21′を自転させないための構成を説明する。
固定ピニオンスプロケット21′の支持軸21′a(図11参照)は、固定ディスク10′において対応するスプロケット用固定放射状溝111に挿通されている。この支持軸21′aには、支持部材が一体的に結合されている。
支持部材は、対応するスプロケット用固定放射状溝111に内挿されて径方向に案内される。この支持部材は、径方向の所定長さにわたってスプロケット用固定放射状溝111に接触するように対応する形状に形成されている。このため、固定ピニオンスプロケット21′を自転させるような回転力が作用したときには、支持部材は、スプロケット用固定放射状溝111に対して回転力を伝達するとともに、この回転力の反作用(抗力)で固定ピニオンスプロケット21′の自転を防止(固定)するものである。すなわち、支持部材は、スプロケット用固定放射状溝111において径方向に摺動可能であって回り止め機能を有する形状に形成されている。なお、ここでいう所定長さとは、固定ピニオンスプロケット21′を自転させるような回転力の抗力が確保可能な長さである。
例えば、支持部材が内挿されるスプロケット用固定放射状溝111が径方向に長手方向を有する矩形状に形成されており、この矩形状よりも小さい矩形状に形成された支持部材を用いることができる。さらに、スプロケット用固定放射状溝111の内壁に接する支持部材の側壁、特に支持部材の四隅に、ベアリングを装着すれば、支持部材のよりスムーズな摺動を確保することができる。
次に、機械式自転駆動機構50について、自転ピニオンスプロケット22′,23′を自転駆動するための構成について説明する。
機械式自転駆動機構50は、自転ピニオンスプロケット22′,23′の支持軸22′a,23′aのそれぞれと一体回転するように固設されたピニオンと、ピニオンのそれぞれに対応して噛合するように設けられたラックと、を有する。
ピニオンは、自転ピニオンスプロケット22′,23′の各支持軸22′a,23′aにおける軸方向両端部にそれぞれ設けられている。かかるピニオンにそれぞれ対応するラックは、対応するスプロケット用固定放射状溝111の延在方向に沿って固設されている。
なお、以下の説明では、第一自転ピニオンスプロケット22′のピニオン(進角側ピニオン)51を第一ピニオン51と呼び、この第一ピニオン51と噛合するラック(進角側ラック)53を第一ラック53と呼ぶ。同様に、第二ピニオンスプロケット23′にも、ピニオン(遅角側ピニオン)を第二ピニオンと呼び、この第二ピニオンと噛合するラック(遅角側ラック)を第二ラックと呼ぶ。また、第一ピニオン51および第二ピニオンを区別しない場合には単に「ピニオン」と呼ぶ。第一ラック53および第二ラックを区別しない場合には単に「ラック」と呼ぶ。図12には、第一ピニオン51および第一ラック53のみを例示している。
第一ピニオン51に対して公転方向基準で遅角側に第一ラック53が配置される。逆に、第二ピニオンに対して公転方向基準で進角側に第二ラックが配置される。このため、ピニオンおよびラックは、ピニオンが拡径方向または縮径方向に移動されると、ピニオンはこれらにそれぞれ噛合するラックによって互いに逆方向に回転されるように配設されている。
すなわち、機械式自転駆動機構50は、スプロケット移動機構40A′により移動されたピニオンスプロケット20′の径方向位置に応じて、自転ピニオンスプロケット22′,23′の自転にかかる回転位相を設定するものである。つまり、機械式自転駆動機構50によって、ピニオンスプロケット20′の径方向位置と自転ピニオンスプロケット22′,23′の自転にかかる回転位相とは一対一の対応関係となる。
このように、機械式自転駆動機構50は、固定ピニオンスプロケット21′が自転しないように案内し、自転ピニオンスプロケット22′,23′が自転するように案内する。
なお、ピニオンに対するラックの位置関係が異なる点を除いては、第一ピニオン51と第二ピニオンとは同様に構成され、また、第一ラック53と第二ラックとは同様に構成されている。
〔2.作用および効果〕
本発明の第二実施形態にかかる変速機構は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
(1)ガイドロッド29′は、最小ピニオン接円A1′をなす状態においてチェーン6′を案内する第一ガイドロッド291′と第一ガイドロッド291′よりも径方向内側に位置する第二ガイドロッド292′とを有する。そのため、最小ピニオン接円A1′をなす状態において、第二ガイドロッド292′と第一ガイドロッド291′あるいはピニオンスプロケット20′との干渉を避けることができる。よって、最小ピニオン接円A1′の半径をより小さくすることが可能となる。その結果として、ピニオンスプロケット20′の径方向移動距離を大きく確保することができ、レシオカバレッジを拡大することができる。このとき、チェーン6′は第一ガイドロッド291′によって案内されるため、チェーン6′の巻き掛け半径の変動を抑えることができる。よって、安定して動力伝達することができ、静音性を確保することができる。
少なくとも最大ピニオン接円A2′をなす状態では、回転軸1′の軸心C1に対する第一ガイドロッド291′および第二ガイドロッド292′それぞれの距離が等しい。そのため、最大ピニオン接円A2′をなす状態において第一ガイドロッド291′および第二ガイドロッド292′の全てでチェーン6′を案内することができる。すなわち、複合スプロケット5′に巻き掛けられるチェーン6′が最も長くなる最大ピニオン接円A2′をなす状態において、チェーン6′を案内するガイドロッド29′の本数を確保することができる。よって、チェーン6′の巻き掛け半径の変動を効果的に抑えることができる。
(2)詳細に言えば、ピニオン接円A′の半径が所定径以上においては、ガイドロッド291′,292分が回転軸1′の軸心C1から等距離に位置するため、最大ピニオン接円A2′をなす状態はもちろん、ピニオン接円A′の半径が所定径以上のときに、ガイドロッド291′,292′の全てでチェーン6′を案内することができ、チェーン6′の巻き掛け半径の変動をより効果的に抑えることができる。
一方、ピニオン接円A′の半径が所定径未満においては、第一ガイドロッド291′よりも第二ガイドロッド292′が径方向内側に位置するため、第一ガイドロッド291′と第二ガイドロッド292′との干渉を回避しながら第一ガイドロッド291′に対して径方向内側に第二ガイドロッド292′を位置させることができる。
よって、チェーン6′の巻き掛け半径の変動を抑えつつレシオカバレッジを拡大することができる。
(3)第一ガイドロッド291′および第二ガイドロッド292′が周方向に沿って交互に配置されるため、最小ピニオン接円A1′をなす状態で第二ガイドロッド292′を効率よく径方向内側に収容することができる。
(4)最小ピニオン接円A1′をなす状態において、第二ガイドロッド292′は回転軸1′の外周面1aに当接し、第一ガイドロッド291′は第二ガイドロッド292′の外周面に当接するため、ガイドロッド291′,292′の撓みやねじれなどの変形を抑制することができる。これにより、チェーン6′と回転軸1′の軸心C1との距離の変動が抑制されて、振動や騒音の低減に寄与する。また、回転軸1′の仮想的な断面積が確保されることより、伝達可能なトルクを増大させることができる。
(5)ピニオンスプロケット20′は、自転しない固定ピニオンスプロケット21′と、自転ピニオンスプロケット22′,23′とを有するため、ピニオンスプロケット20′の径方向移動時、即ち、変速比の変更時に、ピニオンスプロケット20′間のチェーン長が適切に調整されることにより、動力伝達しながら変速比を変更することができる。
具体的には、機械式自転駆動機構50が、スプロケット移動機構40A′によるピニオンスプロケット20′の径方向移動に伴って、チェーン60に対するピニオンスプロケット20′の位相ズレを解消するように自転ピニオンスプロケット22,23をスプロケット移動機構40A′と連動して自転駆動するため、動力伝達しながら変速比を変更することができる。
(6)回転軸1′の外周に、最小ピニオン接円A1′をなす状態におけるピニオンスプロケット20′を収容しうる凹所2が形成されているため、凹所2にピニオンスプロケット20′が食い込むように収容されることにより、ピニオンスプロケット20′の径方向位置を更に回転軸1′の軸心C1に近づけることができる。これにより、最小ピニオン接円A1を小さくすることができる。したがって、レシオカバレッジの拡大を図ることができる。
〔III.その他〕
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述した実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせてもよい。
上述した第一実施形態のガイドロッド29が、第二実施形態のガイドロッド29′のように、ピニオン接円Aの半径が所定径未満においては、第一ガイドロッド291よりも第二ガイドロッド292が径方向内側に位置し、ピニオン接円Aの半径が所定径以上においては、ガイドロッド291,292が回転軸1の軸心C1から等距離に位置するように構成されてもよい。この場合、固定放射状溝および可動放射状溝が対応する形状に形成される。
また、上述した第一実施形態のガイドロッド29が、第二実施形態のガイドロッド29′のように、最小ピニオン接円A1′をなす状態において、第二ガイドロッド292が回転軸1の外周面に当接し、第一ガイドロッド291が第二ガイドロッド292の外周面に当接する構成としてもよい。この場合、ガイドロッド29の変形を抑制することで振動や騒音の低減に寄与し、回転軸1′の仮想的な断面積が確保されることで伝達可能なトルクを増大させることができる。
また、ガイドロッド29,29′のガイド部材29b,29′bは省略してもよい。つまり、ガイドロッド29,29′がロッド支持軸29a,29′aから構成されてもよい。この場合、最小ピニオン接円A1,A1′を更に小さくすることが可能となり、レシオカバレッジの拡大に寄与する。

Claims (6)

  1. 動力が入力または出力される回転軸と、前記回転軸に対して径方向に可動に支持された複数のピニオンスプロケットおよび複数のガイドロッドと、前記複数のピニオンスプロケットおよび前記複数のガイドロッドのそれぞれを前記回転軸の軸心から等距離を維持させながら径方向に同期させて移動させる移動機構とを有する複合スプロケットを二組と、前記二組の複合スプロケットに巻き掛けられたチェーンと、を備え、
    前記複数のピニオンスプロケットの何れをも囲み且つ前記複数のピニオンスプロケットの何れにも接する円の半径である接円の半径の変更によって変速比を変更する変速機構であって、
    前記複数のガイドロッドは、
    前記接円の半径の大きさによらず常に前記チェーンを案内する第一ガイドロッドと、少なくとも前記接円の半径が最も大きいときに前記チェーンを案内するとともに前記接円の半径が最も小さいときに前記第一ガイドロッドよりも径方向内側に位置する第二ガイドロッドと、を有している変速機構。
  2. 前記接円の半径が所定径以上においては、前記第一ガイドロッドおよび前記第二ガイドロッドが前記回転軸の軸心から等距離に位置し、
    前記接円の半径が前記所定径未満においては、前記第一ガイドロッドよりも前記第二ガイドロッドが径方向内側に位置するようになっている請求項1に記載の変速機構。
  3. 前記第一ガイドロッドおよび前記第二ガイドロッドは、周方向に沿って交互に配置されている請求項1または2に記載の変速機構。
  4. 前記接円の半径が最も小さいときに、前記第二ガイドロッドは前記回転軸の外周面に当接し、前記第一ガイドロッドは前記第二ガイドロッドの外周面に当接するようになっている請求項1〜3のいずれか1項に記載の変速機構。
  5. 前記移動機構は、
    前記複数のピニオンスプロケットの各支持部材が内挿されるとともに外周に向かうに連れて径方向に対して遅角側および進角側の何れか一方の側にシフトしていくように設けられた固定放射状溝が複数形成され、前記回転軸と一体回転する固定ディスクと、
    前記固定放射状溝のそれぞれと軸方向視で交差する交差箇所に前記支持部材が位置する可動放射状溝が複数形成され、前記固定ディスクに対して同心に配置され且つ相対回転可能な可動ディスクと、を備え、
    前記ピニオンスプロケットは、前記接円の半径が最も小さいときに前記接円の円周に沿って配置されて前記チェーンと噛み合う歯部を有するセクターギヤ形状に形成され、
    前記歯部は、少なくとも一歯が前記固定放射状溝の溝幅内に存するように配置された第一歯部と、前記第一歯部から前記一方の側に延設された第二歯部と、を有し、
    前記第二ガイドロッドは、前記接円の半径が最も小さいときに、前記第二歯部に対して径方向内側の空間または前記空間の周辺に位置するようになっている請求項1〜4のいずれか1項に記載の変速機構。
  6. 前記複数のピニオンスプロケットは、自転しない一つの固定ピニオンスプロケットと、その他の自転ピニオンスプロケットと、を有している請求項1〜4のいずれか1項に記載の変速機構。
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