JP6067666B2 - 変速機構 - Google Patents
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Description
本発明は、回転軸に対して等距離を維持しながら径方向に可動に支持されて回転軸の軸心に対して公転(回転軸と一体回転)する複数のピニオンスプロケットとこれらに巻き掛けられたチェーンとにより動力伝達する変速機構に関するものである。
従来、プライマリプーリとセカンダリプーリとに駆動ベルトが巻き掛けられた変速機が実用化されている。この変速機では、各プーリの可動シーブに加える推力により各プーリと駆動ベルトとの間に発生した摩擦力が用いられる。
このような変速機では、大きな動力を伝達する際に、推力を増大させて摩擦力を確保することが必要である。その際、推力用の油圧を発生させるためのオイルポンプを駆動する駆動源(エンジンまたは電動モータ)の負担が増大し、これにかかるエネルギー消費量の増加を招いてしまうおそれがあり、また、構造的に滑りが発生する部分では摩擦損失が発生してしまう。
そこで、上記の推力や摩擦力を用いずに、複数のピニオンスプロケットとこれらに巻き掛けられたチェーンとにより動力伝達する変速機構が開発されている。
そこで、上記の推力や摩擦力を用いずに、複数のピニオンスプロケットとこれらに巻き掛けられたチェーンとにより動力伝達する変速機構が開発されている。
このような変速機構としては、回転軸の軸心に対して等距離を維持しながら径方向に可動に且つ回転軸と一体回転するように支持されて回転軸の軸心に対して公転する複数のピニオンスプロケットのそれぞれによって多角形の頂点をなすようにして形成された見かけ上の大スプロケット(以下、「複合スプロケット」という)が、入力側および出力側のそれぞれに設けられ、これらの複合スプロケットに巻き掛けられたチェーンによって動力伝達するものが挙げられる。
例えば特許文献1には、周方向に複数設けられたピニオンスプロケットの軸方向端部側のそれぞれに二種のディスク(スピンドル)が並設され、それぞれのディスクに放射状溝が設けられ、回転軸と一体に回転する固定ディスクの放射状溝(以下、「固定放射状溝」という)と回転軸に対して相対回転可能な可動ディスクの放射状溝(以下、「可動放射状溝」という)とが互いに軸方向視で交差するように配置され、固定放射状溝と可動放射状溝とが交差する箇所にピニオンスプロケットが支持された変速機構が提案されている。
この特許文献1には、固定ディスクおよび可動ディスクの互いに対応するそれぞれの箇所に周方向に沿う溝が形成され、これらの溝に固定ディスクおよび可動ディスクの回転位相を一致させるように付勢するスプリングが設けられ、入力の大きさと出力側にかかる負荷の大きさとに応じてスプリングが伸縮し、固定ディスクに対して可動ディスクが相対的に回転されることが示されている。
固定ディスクと可動ディスクとの相対角度(位相)が変更されると、固定放射状溝と可動放射状溝との交差箇所が径方向に移動する。そのため、かかる交差箇所に支持されたピニオンスプロケットのそれぞれは、両ディスクの相対回転により径方向に移動される。
このように、ピニオンスプロケットのそれぞれが回転軸の軸心に対して等距離を維持しながら同期して径方向に移動することで、多角形の大きさが相似的に変化し、ピニオンスプロケットの何れをも囲んで接する円の半径が変更されることにより、変速比を変更することができる。
固定ディスクと可動ディスクとの相対角度(位相)が変更されると、固定放射状溝と可動放射状溝との交差箇所が径方向に移動する。そのため、かかる交差箇所に支持されたピニオンスプロケットのそれぞれは、両ディスクの相対回転により径方向に移動される。
このように、ピニオンスプロケットのそれぞれが回転軸の軸心に対して等距離を維持しながら同期して径方向に移動することで、多角形の大きさが相似的に変化し、ピニオンスプロケットの何れをも囲んで接する円の半径が変更されることにより、変速比を変更することができる。
特許文献1に示される変速機構では、入力および負荷の大きさに独立して自在に変速比を変更することができない。そこで、入力や負荷の大きさによらず自在に変速比を変更する変速機構が考えられる。このような変速機構において、入力側および出力側それぞれの可動ディスクを同時に相対回転駆動することができれば、変速制御性を向上させることができる。
このように入出力側の各可動ディスクを回転駆動させる構造として、入力側および出力側の両複合スプロケットに跨る変速用フォークを用いることが考えられる。具体的には、変速用フォークを軸方向に移動させることで、両可動ディスクを両固定ディスクに対して相対回転駆動させる構造が考えられる。
しかしながら、上記したような変速用フォークを用いる変速機構では、変速用フォークのスパンが長くなって、変速用フォークが撓んだり捩れたりして変形することにより、変速時の軸方向移動が不安定になるおそれがある。特に、変速用フォークを軽量化やその他の理由から板材で構成すると、変形が発生しやすくなり、軸方向移動がより不安定になるおそれがある。このような点で変速性能に関して改善の余地がある。
このように入出力側の各可動ディスクを回転駆動させる構造として、入力側および出力側の両複合スプロケットに跨る変速用フォークを用いることが考えられる。具体的には、変速用フォークを軸方向に移動させることで、両可動ディスクを両固定ディスクに対して相対回転駆動させる構造が考えられる。
しかしながら、上記したような変速用フォークを用いる変速機構では、変速用フォークのスパンが長くなって、変速用フォークが撓んだり捩れたりして変形することにより、変速時の軸方向移動が不安定になるおそれがある。特に、変速用フォークを軽量化やその他の理由から板材で構成すると、変形が発生しやすくなり、軸方向移動がより不安定になるおそれがある。このような点で変速性能に関して改善の余地がある。
本発明は、上記のような課題に鑑み創案されたもので、安定した変速性能を確保することができるようにした変速機構を提供することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する〔発明を実施するための形態〕に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的として位置づけることができる。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の変速機構は、動力が入力または出力される回転軸と、前記回転軸に対して径方向に可動に支持された複数のピニオンスプロケットと、前記複数のピニオンスプロケットを前記回転軸の軸心から等距離を維持させながら径方向に同期させて移動させる移動機構とを有する複合スプロケットを二組と、前記二組の複合スプロケットに巻き掛けられたチェーンとを備え、前記複数のピニオンスプロケットの何れをも囲み且つ前記複数のピニオンスプロケットの何れにも接する円の半径である接円の半径の変更によって変速比を変更する変速機構であって、前記移動機構は、前記複数のピニオンスプロケットの各支持軸が内挿されるスプロケット用固定放射状溝が形成され、前記回転軸と一体回転する固定ディスクと、前記スプロケット用固定放射状溝と軸方向視で交差する第一交差箇所に前記支持軸が位置するスプロケット用可動放射状溝が形成され、前記固定ディスクに対して同心に配置され且つ相対回転可能な可動ディスクと、一方の前記複合スプロケットと他方の前記複合スプロケットとに跨って設けられるとともに前記固定ディスクおよび前記可動ディスクに対して並設されたプレート状の変速用フォークを軸方向に移動させることで前記可動ディスクを前記固定ディスクに対して相対回転駆動して前記第一交差箇所を径方向に移動させる相対回転駆動機構と、前記変速用フォークに連結されるとともに軸方向に沿って配置され、前記変速用フォークの軸方向移動を案内するガイド機構と、を備えたことを特徴としている。
(2)前記ガイド機構は、前記二組の複合スプロケットの中間となる位置に設けられることが好ましい。
(3)前記ガイド機構は、変速にともなって変動する前記チェーンの軌道に干渉せず、且つ同チェーン軌道に近接した位置に配置されることが好ましい。例えば、前記ガイド機構は、前記一方の複合スプロケットの前記接円が最も大きく且つ前記他方の複合スプロケットの前記接円が最も大きいと仮定した場合に仮想的に巻き掛けられる仮想チェーンと干渉する位置に配置されることが好ましい。
(4)前記ガイド機構は、前記二組の複合スプロケットの前記回転軸の軸心を結ぶ仮想線に対して一側の領域に設けられた第一ガイド機構と、前記仮想線に対して他側の領域に設けられた第二ガイド機構とを有することが好ましい。
(3)前記ガイド機構は、変速にともなって変動する前記チェーンの軌道に干渉せず、且つ同チェーン軌道に近接した位置に配置されることが好ましい。例えば、前記ガイド機構は、前記一方の複合スプロケットの前記接円が最も大きく且つ前記他方の複合スプロケットの前記接円が最も大きいと仮定した場合に仮想的に巻き掛けられる仮想チェーンと干渉する位置に配置されることが好ましい。
(4)前記ガイド機構は、前記二組の複合スプロケットの前記回転軸の軸心を結ぶ仮想線に対して一側の領域に設けられた第一ガイド機構と、前記仮想線に対して他側の領域に設けられた第二ガイド機構とを有することが好ましい。
(5)前記変速用フォークおよび前記ガイド機構のそれぞれに結合され、前記変速用フォークを補強するプレート状の補強部材を備えたことが好ましい。
(6)前記補強部材は、軸方向に沿って延在することが好ましい。
(7)前記補強部材の軸方向長さは、前記二組の複合スプロケットの中間となる中間部において最も長く、前記中間部から前記二組の複合スプロケットの前記回転軸の軸心を結ぶ仮想線と平行な方向の両端部へ向かうに連れて短くなることが好ましい。
(8)前記補強部材は、前記仮想線に対して一側の領域に設けられた第一補強部材と、前記仮想線に対して他側の領域に設けられた第二補強部材とを有することが好ましい。
(9)前記第一補強部材は、前記第一ガイド機構に結合され、前記第二補強部材は、前記第二ガイド機構に結合され、前記第一補強部材と前記第二補強部材との間に前記第一ガイド機構および前記第二ガイド機構が配置されたことが好ましい。
(10)前記変速用フォークを軸方向に移動させる駆動軸が前記チェーンの軌道の内周側に配置されたことが好ましい。
(11)前記相対回転駆動機構は、前記回転軸の軸方向に沿って設けられ、前記固定ディスクと一体回転する第一回転部に設けられた第一カム溝と、前記第一カム溝と径方向視で交差するとともに軸方向に沿って設けられ、前記可動ディスクと一体回転する第二回転部に設けられた第二カム溝と、前記第一カム溝と前記第二カム溝とが交差する第二交差箇所に配設され、一端部が径方向に突出されたカムローラと、前記カムローラの前記一端部を収容する溝部が設けられ、前記カムローラに対して前記軸方向の力を伝達する前記変速用フォークとを有することが好ましい。
(6)前記補強部材は、軸方向に沿って延在することが好ましい。
(7)前記補強部材の軸方向長さは、前記二組の複合スプロケットの中間となる中間部において最も長く、前記中間部から前記二組の複合スプロケットの前記回転軸の軸心を結ぶ仮想線と平行な方向の両端部へ向かうに連れて短くなることが好ましい。
(8)前記補強部材は、前記仮想線に対して一側の領域に設けられた第一補強部材と、前記仮想線に対して他側の領域に設けられた第二補強部材とを有することが好ましい。
(9)前記第一補強部材は、前記第一ガイド機構に結合され、前記第二補強部材は、前記第二ガイド機構に結合され、前記第一補強部材と前記第二補強部材との間に前記第一ガイド機構および前記第二ガイド機構が配置されたことが好ましい。
(10)前記変速用フォークを軸方向に移動させる駆動軸が前記チェーンの軌道の内周側に配置されたことが好ましい。
(11)前記相対回転駆動機構は、前記回転軸の軸方向に沿って設けられ、前記固定ディスクと一体回転する第一回転部に設けられた第一カム溝と、前記第一カム溝と径方向視で交差するとともに軸方向に沿って設けられ、前記可動ディスクと一体回転する第二回転部に設けられた第二カム溝と、前記第一カム溝と前記第二カム溝とが交差する第二交差箇所に配設され、一端部が径方向に突出されたカムローラと、前記カムローラの前記一端部を収容する溝部が設けられ、前記カムローラに対して前記軸方向の力を伝達する前記変速用フォークとを有することが好ましい。
本発明の変速機構によれば、ガイド機構によってプレート状の変速用フォークの軸方向移動が案内されるため、変速用フォークの軸方向移動を安定させることができる。よって、安定した変速性能を確保することができる。
以下、図面を参照して、本発明の変速機構にかかる実施の形態を説明する。本実施形態の変速機構は、車両用変速機に用いることができる。
なお、本実施形態では、変速機構における回転軸の軸心あるいはこの軸心に平行な方向を軸方向とし、回転軸の軸心を基準に径方向および周方向のそれぞれを定める。また、変速機構における公転方向を基準に進角側および遅角側を定める。
なお、本実施形態では、変速機構における回転軸の軸心あるいはこの軸心に平行な方向を軸方向とし、回転軸の軸心を基準に径方向および周方向のそれぞれを定める。また、変速機構における公転方向を基準に進角側および遅角側を定める。
〔一実施形態〕
以下、一実施形態にかかる変速機構について説明する。
〔1.構成〕
変速機構は、図1に示すように、二組の複合スプロケット5,5と、これらの複合スプロケット5,5に巻き掛けられたチェーン6とを備えている。ここでは、チェーン6としてサイレントチェーンを例示するが、チェーン6としてローラチェーンを用いてもよい。
以下、一実施形態にかかる変速機構について説明する。
〔1.構成〕
変速機構は、図1に示すように、二組の複合スプロケット5,5と、これらの複合スプロケット5,5に巻き掛けられたチェーン6とを備えている。ここでは、チェーン6としてサイレントチェーンを例示するが、チェーン6としてローラチェーンを用いてもよい。
二組の複合スプロケット5,5のうち、一方は、入力側の回転軸1(入力軸)と同心に一体回転する一組の複合スプロケット5(図1では左方に示す)であり、他方は、出力側の回転軸1(出力軸)と同心に一体回転する複合スプロケット5(図1では右方に示す)である。これらの複合スプロケット5,5はそれぞれ同様に構成されているため、下記の説明では、主に入力側の複合スプロケット5に着目し、その構成を説明する。
複合スプロケット5とは、複数のピニオンスプロケット20および複数のガイドロッド29が多角形(ここでは十八角形)の頂点をなすようにして形成された見かけ上の大スプロケットを意味する。この複合スプロケット5は、回転軸1と、この回転軸1に対して径方向に可動に支持されたピニオンスプロケット20およびガイドロッド29とを有している。詳細には、回転軸1の軸心C1を中心にした円周の周方向に沿って等間隔に、三個のピニオンスプロケット20が配置され、また、ピニオンスプロケット20の相互間には、それぞれ五本のガイドロッド29が配置されている。
ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29が多角形の頂点をなすようにして形成された見かけ上の大スプロケットの外径、即ち、複合スプロケット5の外径を変更(拡縮径)することによって、変速機構の変速比が変更される。この変速機構は、変速比を連続的に変更することができるため、無段変速機構として構成することもできるが、変速比を段階的に変更して多段の有段変速機構として構成することもできる。
複合スプロケット5の外径は、複数のピニオンスプロケット20の何れをも囲み、且つ、複数のピニオンスプロケット20の何れにも接する円(以下、「ピニオン接円A」という)の半径に対応する。つまり、ピニオン接円Aの直径が複合スプロケットの外径である。
上記したピニオン接円Aの半径は、複数のピニオンスプロケット20とチェーン6との接触半径、即ち、複合スプロケット5のピッチ円の半径にも対応している。したがって、変速機構では、ピニオン接円Aの半径が変更されることで、チェーン6の巻き掛け半径が変更され、変速比が変更される。
上記したピニオン接円Aの半径は、複数のピニオンスプロケット20とチェーン6との接触半径、即ち、複合スプロケット5のピッチ円の半径にも対応している。したがって、変速機構では、ピニオン接円Aの半径が変更されることで、チェーン6の巻き掛け半径が変更され、変速比が変更される。
図1には、ピニオン接円Aが入力側で最小であり出力側で最大のものを例示している。以下の説明では、ピニオン接円Aについて、最小のものを最小ピニオン接円A1と呼び、最大のものを最大ピニオン接円A2と呼ぶ。また、大きさまたは長さに着目しない場合には単にピニオン接円Aと呼ぶ。
複合スプロケット5にかかる構成の説明では、基本的な構成要素として、チェーン6に噛み合うピニオンスプロケット20,チェーン6を案内(ガイド)するガイドロッド29,回転軸1と一体に回転する固定ディスク10,固定ディスク10に対して相対回転可能に設けられた可動ディスク19,固定ディスク10と一体に回転する第一回転部15,可動ディスク19と一体に回転する第二回転部16の順に説明する。その次に、基本的な構成要素を作動させる機構類として、相対回転駆動機構30,スプロケット移動機構40A,ロッド移動機構40B,機械式自転駆動機構50の順に説明する。
複合スプロケット5にかかる構成の説明では、基本的な構成要素として、チェーン6に噛み合うピニオンスプロケット20,チェーン6を案内(ガイド)するガイドロッド29,回転軸1と一体に回転する固定ディスク10,固定ディスク10に対して相対回転可能に設けられた可動ディスク19,固定ディスク10と一体に回転する第一回転部15,可動ディスク19と一体に回転する第二回転部16の順に説明する。その次に、基本的な構成要素を作動させる機構類として、相対回転駆動機構30,スプロケット移動機構40A,ロッド移動機構40B,機械式自転駆動機構50の順に説明する。
固定ディスク10,可動ディスク19,第一回転部15,第二回転部16は、回転軸1の軸心C1と同心に配設されており、ディスク10,19における径方向は回転軸1の径方向と一致する。
本実施形態では、図2に示すように、回転軸1の軸方向両端側(図2における上端側および下端側)のそれぞれに、固定ディスク10と可動ディスク19とが互いに隣接して装備され、回転軸1の軸方向中間部にピニオンスプロケット20およびガイドロッド29ならびにこれらに巻き掛けられたチェーン6が配置される。また、固定ディスク10および可動ディスク19のうち可動ディスク19の方が、軸方向内側、即ち、ピニオンスプロケット20,ガイドロッド29,チェーン6に近い側に配置されている。
本実施形態では、図2に示すように、回転軸1の軸方向両端側(図2における上端側および下端側)のそれぞれに、固定ディスク10と可動ディスク19とが互いに隣接して装備され、回転軸1の軸方向中間部にピニオンスプロケット20およびガイドロッド29ならびにこれらに巻き掛けられたチェーン6が配置される。また、固定ディスク10および可動ディスク19のうち可動ディスク19の方が、軸方向内側、即ち、ピニオンスプロケット20,ガイドロッド29,チェーン6に近い側に配置されている。
なお、図2は、理解を容易にすべく模式的に示したものであり、同断面にピニオンスプロケット20およびガイドロッド29ならびに相対回転駆動機構30を示し、入力側の複合スプロケット5と出力側の複合スプロケット5との間に間隔を設けて示している。
〔1−1.ピニオンスプロケットおよびガイドロッド〕
ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29は、回転軸1の軸心C1周りに公転する。ここでいう「公転」とは、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29のそれぞれが、回転軸1の軸心C1を中心に回転することを意味する。回転軸1が回転すると、この回転に連動してピニオンスプロケット20およびガイドロッド29のそれぞれが公転する。つまり、回転軸1の回転数とピニオンスプロケット20およびガイドロッド29のそれぞれが公転する回転数とは等しい。
ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29は、回転軸1の軸心C1周りに公転する。ここでいう「公転」とは、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29のそれぞれが、回転軸1の軸心C1を中心に回転することを意味する。回転軸1が回転すると、この回転に連動してピニオンスプロケット20およびガイドロッド29のそれぞれが公転する。つまり、回転軸1の回転数とピニオンスプロケット20およびガイドロッド29のそれぞれが公転する回転数とは等しい。
〔1−1−1.ピニオンスプロケット〕
図1に示すように、ピニオンスプロケット20は、自転しない一つのピニオンスプロケット(以下、「固定ピニオンスプロケット」という)21と、この固定ピニオンスプロケット21を基準に公転の回転位相が進角側および遅角側のそれぞれに配置され自転可能な二つの自転ピニオンスプロケット22,23とから構成されている。なお、以下の説明では、固定ピニオンスプロケット21を基準に進角側に設けられたピニオンスプロケット(進角側自転ピニオンスプロケット)を第一自転ピニオンスプロケット22と呼び、遅角側に設けられたピニオンスプロケット(遅角側自転ピニオンスプロケット)を第二自転ピニオンスプロケット23と呼ぶ。
図1に示すように、ピニオンスプロケット20は、自転しない一つのピニオンスプロケット(以下、「固定ピニオンスプロケット」という)21と、この固定ピニオンスプロケット21を基準に公転の回転位相が進角側および遅角側のそれぞれに配置され自転可能な二つの自転ピニオンスプロケット22,23とから構成されている。なお、以下の説明では、固定ピニオンスプロケット21を基準に進角側に設けられたピニオンスプロケット(進角側自転ピニオンスプロケット)を第一自転ピニオンスプロケット22と呼び、遅角側に設けられたピニオンスプロケット(遅角側自転ピニオンスプロケット)を第二自転ピニオンスプロケット23と呼ぶ。
各ピニオンスプロケット21,22,23は、何れもその中心に設けられた支持軸(ピニオンスプロケット軸)21a,22a,23aに対して結合されている。ここでいう「自転」とは、各自転ピニオンスプロケット22,23がその支持軸22a,23aの軸心C3,C4周りに回転することを意味する。なお、各支持軸21a,22a,23aの軸心C2,C3,C4および回転軸1の軸心C1は、何れも相互に平行である。
図2に示すように、第一自転ピニオンスプロケット22の支持軸22aは、軸方向両端部22A(一方の軸方向端部のみに符号を付す)が固定ディスク10および可動ディスク19に支持されている。同様に、固定ピニオンスプロケット21および第二自転ピニオンスプロケット23の各支持軸21a,23aは、軸方向両端部が固定ディスク10および可動ディスク19に支持されている。
図1に示すように、固定ピニオンスプロケット21は、本体部21bとこの本体部21bの外周部全周に形成された歯21cとを有する。同様に、自転ピニオンスプロケット22,23は、何れも本体部22b,23bとこの本体部22b,23bの外周部全周に突出形成された歯22c,23cとを有する。
当然ながら、各ピニオンスプロケット21,22,23に形成される歯の形状寸法およびピッチは同一規格のものとなっている。
当然ながら、各ピニオンスプロケット21,22,23に形成される歯の形状寸法およびピッチは同一規格のものとなっている。
図示省略するが、各ピニオンスプロケット21,22,23において、各支持軸21a,22a,23aに対して自転を規制しつつ微小回転(一定範囲内での回転)を許容して動力伝達を実現する位相ズレ許容動力伝達機構が装備されていてもよい。かかる位相ズレ許容動力伝達機構としては、ピニオンスプロケット21,22,23の内周側に一体回転するように装備されたキー部材と、ピニオンスプロケット21,22,23の支持軸21a,22a,23aの外周側に形成されてキー部材が回転方向に遊びをもって係合するキー溝と、キー部材がキー溝の回転方向の中立位置に位置するように、キー部材を回転方向の正転と逆転方向との双方から付勢する付勢部材とを備え、回転方向の中立位置に付勢し回転を弾性的に規制するものを用いることができる。
この場合、ピニオンスプロケット21,22,23の本体部21b,22b,23bは、支持軸21a,22a,23aに対して微小な回転が許容されつつ動力伝達することができる。この構成を設けることによって、各ピニオンスプロケット21,22,23とチェーン6との噛み合い開始位置における両者の微小な位相ズレを吸収して、各ピニオンスプロケット21,22,23とチェーン6とを円滑に噛み合わせることが可能となる。
なお、第一自転ピニオンスプロケット22と第二ピニオンスプロケット23とは、配設箇所および自転方向が異なるのを除いて同様に構成されるため、ここでは第一自転ピニオンスプロケット22に着目して説明する。また、以下の説明で、固定ピニオンスプロケット21,第一自転ピニオンスプロケット22および第二自転ピニオンスプロケット23を区別なく用いるときには単にピニオンスプロケット20と呼び、同様に、支持軸21a,22a,23aについても区別なく用いるときには支持軸20aと呼ぶ。
本実施形態では、図2に示すように、ピニオンスプロケット20は、軸方向に三列の歯車20g(一箇所のみに符号を付す)を備え、これらの各列の歯車20gに対応してチェーン6も三本巻き掛けられている。ここでは、ピニオンスプロケット20の三列の歯車20gは、スペーサ20s(一箇所のみに符号を付す)を介して互いに間隔をあけて設けられている。
三本のチェーン6は、動力伝達方向に位相をずらすように互いにピッチをずらしてピニオンオンスプロケット20に巻き掛けられている。ここでは、1/3ピッチだけ互いのピッチをずらしている。これに対応して、各チェーン6に噛合するピニオンスプロケット20の各歯の位相もずらして配置されている。
三本のチェーン6は、動力伝達方向に位相をずらすように互いにピッチをずらしてピニオンオンスプロケット20に巻き掛けられている。ここでは、1/3ピッチだけ互いのピッチをずらしている。これに対応して、各チェーン6に噛合するピニオンスプロケット20の各歯の位相もずらして配置されている。
なお、ピニオンスプロケット20の歯車20gの列数は、変速機構の伝達トルクの大きさによるが、二列または四列以上であってもよいし一列であってもよい。このようにピニオンスプロケット20において複数列の歯車20gが設けられる場合には、「1/チェーンの本数」ピッチだけチェーン6それぞれのピッチをずらして設けられるのが好ましい。
〔1−1−2.ガイドロッド〕
図1に示すように、複数のガイドロッド29は、チェーン6と回転軸1の軸心C1との距離の変動(チェーン6の巻き掛け半径の変動)を小さくするように、即ち、回転軸1周りのチェーン6の軌道を可能な限り円軌道に近づけるように、チェーン6をガイドするものである。これらのガイドロッド29は、その径方向外側の周面に当接するチェーン6の軌道をガイドする。ピニオンスプロケット21,22,23およびガイドロッド29は多角形(略正多角形)の形状をなすので、チェーン6は、その径方向内側のピニオンスプロケット21,22,23およびガイドロッド29に当接しガイドされながら多角形の形状に沿って転動する。
なお、ガイドロッド29はそれぞれ同様に構成されるため、ここでは一つのガイドロッド29に着目して説明する。
図1に示すように、複数のガイドロッド29は、チェーン6と回転軸1の軸心C1との距離の変動(チェーン6の巻き掛け半径の変動)を小さくするように、即ち、回転軸1周りのチェーン6の軌道を可能な限り円軌道に近づけるように、チェーン6をガイドするものである。これらのガイドロッド29は、その径方向外側の周面に当接するチェーン6の軌道をガイドする。ピニオンスプロケット21,22,23およびガイドロッド29は多角形(略正多角形)の形状をなすので、チェーン6は、その径方向内側のピニオンスプロケット21,22,23およびガイドロッド29に当接しガイドされながら多角形の形状に沿って転動する。
なお、ガイドロッド29はそれぞれ同様に構成されるため、ここでは一つのガイドロッド29に着目して説明する。
図1および図2に示すように、ガイドロッド29は、ロッド支持軸29a(図1では破線で示す)の外周に円筒状のガイド部材29bが外挿されたものであり、ロッド支持軸29aによって支持され、ガイド部材29bの外周面でチェーン6をガイドする。
図2に示すように、ガイドロッド29の軸方向両端部29A(一方の軸方向端部のみに符号を付す)は、ガイド部材29bからロッド支持軸29aが軸方向に突出している。詳細は後述するが、この突出したロッド支持軸29aが固定ディスク10および可動ディスク19に支持される。
つまり、ガイドロッド29は、ロッド支持軸29aと、ロッド支持軸29aにおけるチェーン6と接触する軸方向位置に部分的に外装された円筒状のガイド部材29bとを有する。
図2に示すように、ガイドロッド29の軸方向両端部29A(一方の軸方向端部のみに符号を付す)は、ガイド部材29bからロッド支持軸29aが軸方向に突出している。詳細は後述するが、この突出したロッド支持軸29aが固定ディスク10および可動ディスク19に支持される。
つまり、ガイドロッド29は、ロッド支持軸29aと、ロッド支持軸29aにおけるチェーン6と接触する軸方向位置に部分的に外装された円筒状のガイド部材29bとを有する。
なお、ガイドロッド29の本数は、十五本に限らず、これよりも多くてもよいし少なくてもよい。この場合、ガイドロッド29は、ピニオンスプロケット20の相互間(ここでは三箇所)に同数設けられることが好ましい。また、ガイドロッド29を多く設けるほど複合スプロケット5を真円に近づけ、チェーン6と回転軸1の軸心C1との距離の変動を小さくすることができる。
ただし、ガイドロッド29の本数を多くするほど、パーツの増加による製造コストや重量の増加を招くおそれがあるため、これらを考慮してガイドロッド29の本数を設定することが好ましい。
ただし、ガイドロッド29の本数を多くするほど、パーツの増加による製造コストや重量の増加を招くおそれがあるため、これらを考慮してガイドロッド29の本数を設定することが好ましい。
〔1−2.固定ディスクおよび可動ディスク〕
固定ディスク10および可動ディスク19は、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29の軸方向両端部にそれぞれ対を成して設けられているが、ここでは一側に設けられた固定ディスク10,可動ディスク19に着目し、その構成を説明する。
固定ディスク10および可動ディスク19は、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29の軸方向両端部にそれぞれ対を成して設けられているが、ここでは一側に設けられた固定ディスク10,可動ディスク19に着目し、その構成を説明する。
〔1−2−1.固定ディスク〕
固定ディスク10は、回転軸1と一体に形成されるか、或いは、何れも回転軸1と一体回転するように結合されている。
図3および図5に示すように、固定ディスク10には、複数のピニオンスプロケット20それぞれに対応して設けられた複数のスプロケット用固定放射状溝11(一箇所のみに符号を付す)と複数のガイドロッド29それぞれに対応して設けられた複数のロッド用固定放射状溝12(一箇所のみに符号を付す)との二種の固定放射状溝が形成されている。配置箇所が異なる点を除いて、スプロケット用固定放射状溝11のそれぞれは同様に構成され、また、ロッド用固定放射状溝12のそれぞれは同様に構成されている。
固定ディスク10は、回転軸1と一体に形成されるか、或いは、何れも回転軸1と一体回転するように結合されている。
図3および図5に示すように、固定ディスク10には、複数のピニオンスプロケット20それぞれに対応して設けられた複数のスプロケット用固定放射状溝11(一箇所のみに符号を付す)と複数のガイドロッド29それぞれに対応して設けられた複数のロッド用固定放射状溝12(一箇所のみに符号を付す)との二種の固定放射状溝が形成されている。配置箇所が異なる点を除いて、スプロケット用固定放射状溝11のそれぞれは同様に構成され、また、ロッド用固定放射状溝12のそれぞれは同様に構成されている。
スプロケット用固定放射状溝11は、対応するピニオンスプロケット20を案内するための溝である。すなわち、対応するピニオンスプロケット20の径方向移動経路に沿ってスプロケット用固定放射状溝11が形成されている。このスプロケット用固定放射状溝11には、対応するピニオンスプロケット20の支持軸20a(一箇所のみに符号を付す)が内挿される。
ロッド用固定放射状溝12は、対応するガイドロッド29を案内するための溝である。すなわち、対応するガイドロッド29の径方向移動経路に沿ってロッド用固定放射状溝12が形成されている。このロッド用固定放射状溝12には、対応するガイドロッド29のロッド支持軸29a(一箇所のみに符号を付す)が内挿されている。
ここでは、固定用放射状溝11,12のそれぞれが直線状に形成されている。
これら固定用放射状溝11,12の各溝幅は、内挿される支持軸20a,29aの各外径に対応する溝幅を有する。具体的には、溝幅が対応する支持軸20a,29aの外径よりも微小に大きく設定されている。そのため、内挿される支持軸20a,29aは、滑らかに固定放射状溝11,12に沿って移動可能である。
これら固定用放射状溝11,12の各溝幅は、内挿される支持軸20a,29aの各外径に対応する溝幅を有する。具体的には、溝幅が対応する支持軸20a,29aの外径よりも微小に大きく設定されている。そのため、内挿される支持軸20a,29aは、滑らかに固定放射状溝11,12に沿って移動可能である。
〔1−2−2.可動ディスク〕
図2に示すように、可動ディスク19は、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29を挟んで一側および他側のそれぞれに設けられる。これらの可動ディスク19は、連結シャフト19Aで互いに連結されている。ここでは、図1に示すように、各ピニオンスプロケット21,22,23の相互間にそれぞれ連結シャフト19A(一箇所にのみ符号を付す)が設けられている。これにより、一側の可動ディスク19と他側の可動ディスク19とが一体に回転する。
図2に示すように、可動ディスク19は、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29を挟んで一側および他側のそれぞれに設けられる。これらの可動ディスク19は、連結シャフト19Aで互いに連結されている。ここでは、図1に示すように、各ピニオンスプロケット21,22,23の相互間にそれぞれ連結シャフト19A(一箇所にのみ符号を付す)が設けられている。これにより、一側の可動ディスク19と他側の可動ディスク19とが一体に回転する。
図4および図5に示すように、可動ディスク19(図5には破線で示す)には、上記の固定放射状溝11,12のそれぞれと軸方向から視たときに第一交差箇所CP1で交差する複数の可動放射状溝19a,19b(何れも一箇所のみに符号を付し、図5には破線で示す)が形成されている。なお、可動ディスク19の外形は円形であり、軸方向視で固定ディスク10の外形(円形)と一致して重合するが、便宜上、図5では可動ディスク19の外形円を縮小して示している。
スプロケット用可動放射状溝19aのそれぞれは、対応するスプロケット用固定放射状溝11と軸方向視で交差する。スプロケット用可動放射状溝19aには、ピニオンスプロケット20の支持軸20aが内挿される。
ロッド用可動放射状溝19bのそれぞれは、対応するロッド用固定放射状溝12と軸方向視で交差する。ロッド用可動放射状溝19bには、対応するガイドロッド29のロッド支持軸29aが内挿される。
ロッド用可動放射状溝19bのそれぞれは、対応するロッド用固定放射状溝12と軸方向視で交差する。ロッド用可動放射状溝19bには、対応するガイドロッド29のロッド支持軸29aが内挿される。
ここでは、可動用放射状溝19a,19bのそれぞれが曲線状に形成されている。
可動用放射状溝19a,19bの各溝幅は、内挿される支持軸20a,29aの各外径よりも微小に大きく設定されている。そのため、内挿される20a,29aは、滑らかに可動用放射状溝19a,19bに沿って移動可能である。
可動用放射状溝19a,19bの各溝幅は、内挿される支持軸20a,29aの各外径よりも微小に大きく設定されている。そのため、内挿される20a,29aは、滑らかに可動用放射状溝19a,19bに沿って移動可能である。
〔1−3.第一回転部〕
図2に示すように、第一回転部15は、固定ディスク10と一体回転する部分、即ち、回転軸1と一体回転する部分である。ここでは、第一回転部15が回転軸1の一部に設けられている。この第一回転部15は、固定ディスク10および可動ディスク19よりも軸方向外側に配設されている。
図2に示すように、第一回転部15は、固定ディスク10と一体回転する部分、即ち、回転軸1と一体回転する部分である。ここでは、第一回転部15が回転軸1の一部に設けられている。この第一回転部15は、固定ディスク10および可動ディスク19よりも軸方向外側に配設されている。
図2,図7および図8に示すように、第一回転部15には、第一カム溝15aが設けられている。この第一カム溝15aは、回転軸1の軸方向に沿って凹設して設けられている。ここでは、第一カム溝15aが回転軸1の軸心C1と平行に形成されている。図7には、第一カム溝15a(一箇所のみに符号を付す)が周方向に間隔をおいて三箇所に設けられたものを例示するが、第一カム溝15aの形成箇所や形成個数は、周囲の構成や要求仕様等に応じて設定すればよく、種々の形状や個数のものを採用することができる。
〔1−4.第二回転部〕
図2,図6および図7に示すように、第二回転部16は、可動ディスク19と接続部17を介して接続されている。
図2,図6および図7に示すように、第二回転部16は、可動ディスク19と接続部17を介して接続されている。
まず、接続部17について説明する。
接続部17は、可動ディスク19および第二回転部16と一体に回転し、固定ディスク10を覆うように配設されている。この接続部17は、固定ディスク10の外周(径方向外側)を覆う軸方向接続部17aと、固定ディスク10の軸方向外側を覆う径方向接続部17bとを有する。
接続部17は、可動ディスク19および第二回転部16と一体に回転し、固定ディスク10を覆うように配設されている。この接続部17は、固定ディスク10の外周(径方向外側)を覆う軸方向接続部17aと、固定ディスク10の軸方向外側を覆う径方向接続部17bとを有する。
接続部17においては、可動ディスク19と第二回転部16との接続のうち、軸方向成分の離隔分を接続しているのが軸方向接続部17aであり、径方向の離隔分を接続しているのが径方向接続部17bである。
軸方向接続部17aは、回転軸1の軸心C1と同心に設けられるとともに軸方向に延びる円筒形状をなしている。この軸方向接続部17aは、図2に示すように、軸方向内側が可動ディスク19の外周端部(外周部)19tに結合され、軸方向外側が次に説明する径方向接続部17bに接続されている。
軸方向接続部17aは、回転軸1の軸心C1と同心に設けられるとともに軸方向に延びる円筒形状をなしている。この軸方向接続部17aは、図2に示すように、軸方向内側が可動ディスク19の外周端部(外周部)19tに結合され、軸方向外側が次に説明する径方向接続部17bに接続されている。
径方向接続部17bは、径方向外側が軸方向接続部17aに接続され、径方向内側が第二回転部16に接続されている。この径方向接続部17bは、回転軸1の軸心C1と同心に設けられるとともに径方向に延在する円盤から次に説明する肉抜き部17cによって肉抜きされた形状をなしている。
図6に示すように、径方向接続部17bには、肉抜き部17cが設けられている。ここでは、三箇所に設けられた扇形の肉抜き部17cが、相互間に径方向接続部17bを挟んで等間隔に設けられたものを例示している。なお、肉抜き部17cの形状や形成個数は、周囲の構成や要求仕様等に応じて設定すればよく、種々の形状や個数のものを採用することができる。ただし、肉抜き部17cが省略され、円盤状に径方向接続部17bが形成されていてもよい。
図6に示すように、径方向接続部17bには、肉抜き部17cが設けられている。ここでは、三箇所に設けられた扇形の肉抜き部17cが、相互間に径方向接続部17bを挟んで等間隔に設けられたものを例示している。なお、肉抜き部17cの形状や形成個数は、周囲の構成や要求仕様等に応じて設定すればよく、種々の形状や個数のものを採用することができる。ただし、肉抜き部17cが省略され、円盤状に径方向接続部17bが形成されていてもよい。
次に、図2,図6〜図8を参照して、第二回転部16について説明する。
第二回転部16は、可動ディスク19の外周端部19tに上記の接続部17a,17bを介して連結されるとともに第一回転部15近傍の外周を覆うように設けられ、回転軸1の軸心C1と同心の円筒形状に形成されている。
第二回転部16は、可動ディスク19の外周端部19tに上記の接続部17a,17bを介して連結されるとともに第一回転部15近傍の外周を覆うように設けられ、回転軸1の軸心C1と同心の円筒形状に形成されている。
第二回転部16には、第二カム溝16aが設けられている。この第二カム溝16aは、第一カム溝15aの外周に隣接するとともに回転軸1に沿って設けられ、径方向視で第一カム溝15aと交差する。また、第二カム溝16aは、軸方向に交差するように設けられている。
なお、図7には第二カム溝16a(一箇所にのみ符号を付す)が三箇所に設けられたものを例示するが、第二カム溝16aの形成箇所や形成個数は、第一カム溝15aの形成箇所や形成個数に応じて設定される。
なお、図7には第二カム溝16a(一箇所にのみ符号を付す)が三箇所に設けられたものを例示するが、第二カム溝16aの形成箇所や形成個数は、第一カム溝15aの形成箇所や形成個数に応じて設定される。
〔1−5.相対回転駆動機構〕
相対回転駆動機構30は、複合スプロケット5,5を機械的に連動させる機構である。この相対回転駆動機構30は、上述した第一回転部15に設けられた第一カム溝15aと第二回転部16に設けられた第二カム溝16aとに加えて、第一カム溝15aと第二カム溝16aとが交差する第二交差箇所CP2に配設されたカムローラ90と、このカムローラ90を軸方向に移動させる変速用フォーク35と、この変速用フォーク35を軸方向に移動させる軸方向移動機構31とを備えている。
以下、カムローラ90,変速用フォーク35,軸方向移動機構31の順に説明する。
相対回転駆動機構30は、複合スプロケット5,5を機械的に連動させる機構である。この相対回転駆動機構30は、上述した第一回転部15に設けられた第一カム溝15aと第二回転部16に設けられた第二カム溝16aとに加えて、第一カム溝15aと第二カム溝16aとが交差する第二交差箇所CP2に配設されたカムローラ90と、このカムローラ90を軸方向に移動させる変速用フォーク35と、この変速用フォーク35を軸方向に移動させる軸方向移動機構31とを備えている。
以下、カムローラ90,変速用フォーク35,軸方向移動機構31の順に説明する。
〔1−5−1.カムローラ〕
図2および図7に示すように、カムローラ90は、円柱状に形成されている。このカムローラ90は、回転軸1の軸心C1に直交する方向に沿った軸心を有し、第一カム溝15aと第二カム溝16aとが交差する第二交差箇所CP2(何れも一箇所にのみ符号を付す)に挿通されている。このため、カムローラ90は、回転軸1の回転に連動して回転軸1の軸心C1を中心に回転する。なお、カムローラ90の外周には、第一カム溝15aに対応する箇所にベアリング91aが外装され、同様に、第二カム溝16aに対応する箇所にベアリング91bが外嵌されている。
カムローラ90の一端部90aは、第二交差箇所CP2から径方向外側に突出されて設けられている。
図2および図7に示すように、カムローラ90は、円柱状に形成されている。このカムローラ90は、回転軸1の軸心C1に直交する方向に沿った軸心を有し、第一カム溝15aと第二カム溝16aとが交差する第二交差箇所CP2(何れも一箇所にのみ符号を付す)に挿通されている。このため、カムローラ90は、回転軸1の回転に連動して回転軸1の軸心C1を中心に回転する。なお、カムローラ90の外周には、第一カム溝15aに対応する箇所にベアリング91aが外装され、同様に、第二カム溝16aに対応する箇所にベアリング91bが外嵌されている。
カムローラ90の一端部90aは、第二交差箇所CP2から径方向外側に突出されて設けられている。
なお、図示省略するが、カムローラ90は、カム溝15a,16aから脱落しないように、適宜の抜け止め加工が施されている。かかる抜け止め加工としては、例えばカムローラ90の他端部に頭部を設けることや抜け止めピンを追加し、カムローラ90が軸方向に移動可能であって径方向に移動しないようにすることが挙げられる。
〔1−5−2.変速用フォーク〕
変速用フォーク35は、二組の複合スプロケット5,5に跨って設けられるとともに、ディスク10,19に対して並設されたプレート状の部材である。この変速用フォーク35は、チェーン6を基準としたときにディスク10,19に対して軸方向外側に並設されている。言い換えれば、変速用フォーク35は、軸方向に対して直交して延在している。ここでは、矩形のプレートに複数の肉抜き穴が形成された変速用フォーク35を例示する。
また、変速用フォーク35は、複合スプロケット5,5のそれぞれに対応して設けられたカムローラ支持部35a,35(一側にのみ符号を付す)と、カムローラ支持部35a,35aを接続するブリッジ部35bとを有する。各カムローラ支持部35aの径方向内側には、上記の第一回転部15および第二回転部16が配設されている。
変速用フォーク35は、二組の複合スプロケット5,5に跨って設けられるとともに、ディスク10,19に対して並設されたプレート状の部材である。この変速用フォーク35は、チェーン6を基準としたときにディスク10,19に対して軸方向外側に並設されている。言い換えれば、変速用フォーク35は、軸方向に対して直交して延在している。ここでは、矩形のプレートに複数の肉抜き穴が形成された変速用フォーク35を例示する。
また、変速用フォーク35は、複合スプロケット5,5のそれぞれに対応して設けられたカムローラ支持部35a,35(一側にのみ符号を付す)と、カムローラ支持部35a,35aを接続するブリッジ部35bとを有する。各カムローラ支持部35aの径方向内側には、上記の第一回転部15および第二回転部16が配設されている。
カムローラ支持部35aには、径方向内側の全周にわたって溝部35cが凹設されている。溝部35cは、カムローラ90の突出長さに対応する深さを有し、カムローラ90の一端部90aを収容している。すなわち、溝部35cは、径方向長さがカムローラ90の突出長さの円環状空間を有する。
この溝部35cには、カムローラ90と転がり接触しうる転動体35d(一箇所にのみ符号を付す)が設けられている。この転動体35dは、回転軸1の軸心C1を中心に回転するカムローラ90が溝部35cの側壁に接触したときにカムローラ90が軸心周りに回転することを抑制するために設けられている。すなわち、溝部35cの側壁を形成するカムローラ支持部35aに、転動体35dが配設されている。ここでは、複数の転動体35dが溝部35cの全周にわたって配設されている。なお、転動体35dとしてニードルベアリングを例示するが、これに替えて、ボールベアリングを用いてもよい。
次に、図1,図6,図7および図9を参照して、変速用フォーク35の周辺に設けられたガイド機構60および補強部材70について説明する。これらのガイド機構60および補強部材70はそれぞれ変速用フォーク35に結合されている。
〈ガイド機構〉
ガイド機構60は、変速用フォーク35の軸方向移動を案内する部材である。このガイド機構60は、軸方向に沿って配置されている。そのため、変速用フォーク35に対してガイド機構60が直交するように設けられている。
かかるガイド機構60は、第一ガイド機構61と第二ガイド機構62とを有する、
図1,図6および図7に示すように、第一ガイド機構61は、二組の複合スプロケット5,5の中間位置(即ち、二組の複合スプロケット5の間となる位置)で、複合スプロケット5,5それぞれの回転軸1の軸心C1を通る仮想線Lに対して、一側(図中上側)の領域に設けられている。一方、第二ガイド機構62は、仮想線Lに対して他側の領域(図中下側)に設けられている。ここでは、第二ガイド機構62が仮想線Lを基準に第一ガイド機構61と対称となる位置に設けられている。
ガイド機構60は、変速用フォーク35の軸方向移動を案内する部材である。このガイド機構60は、軸方向に沿って配置されている。そのため、変速用フォーク35に対してガイド機構60が直交するように設けられている。
かかるガイド機構60は、第一ガイド機構61と第二ガイド機構62とを有する、
図1,図6および図7に示すように、第一ガイド機構61は、二組の複合スプロケット5,5の中間位置(即ち、二組の複合スプロケット5の間となる位置)で、複合スプロケット5,5それぞれの回転軸1の軸心C1を通る仮想線Lに対して、一側(図中上側)の領域に設けられている。一方、第二ガイド機構62は、仮想線Lに対して他側の領域(図中下側)に設けられている。ここでは、第二ガイド機構62が仮想線Lを基準に第一ガイド機構61と対称となる位置に設けられている。
ガイド機構61,62は、図1に示すように、二組の複合スプロケット5,5の間において、変速にともなって径方向位置(即ち、実際の軌道)が変動するチェーン6に干渉せず、且つチェーン6の軌道の外周側であってこの軌道に極力接近させた位置に配置されている。更に言えば、二組の複合スプロケット5が最大ピニオン接円A2をなす状態であると仮定した場合に、仮想的に巻き掛けられる仮想チェーン7と干渉する位置に、ガイド機構61,62を配設することが好適である。すなわち、トルク変動をともなう動力伝達状態や変速に伴うチェーン軌道の変動時には、チェーン6自体がその表裏方向(図1における上下方向)に振動することが考えられ、この振動を考慮した場合、実際のチェーン軌道に干渉せず且つチェーン軌道に極力近接した位置として、仮想チェーン7との干渉位置が好適と考えられる。
第一ガイド機構61と第二ガイド機構62とは、配設箇所が異なるのを除いて同様に構成されるため、おもに第一ガイド機構61に着目して説明する。
図1,図6,図7および図9に示すように、第一ガイド機構61は、ガイド軸61aと軸受け61bとを有する。この第一ガイド機構61では、ガイド軸61aに沿って軸受け61bの往復動が案内される。
ガイド軸61aは、軸方向に沿って配置されている。このガイド軸61aは、軸受け61bに挿通されている。すなわち、軸受け61bは、ガイド軸61aに対応する空間が形成された筒状部材である。ここでは、ガイド軸61aに対応する円柱状の空間が形成された半円柱状の軸受け61bを例示する。
図1,図6,図7および図9に示すように、第一ガイド機構61は、ガイド軸61aと軸受け61bとを有する。この第一ガイド機構61では、ガイド軸61aに沿って軸受け61bの往復動が案内される。
ガイド軸61aは、軸方向に沿って配置されている。このガイド軸61aは、軸受け61bに挿通されている。すなわち、軸受け61bは、ガイド軸61aに対応する空間が形成された筒状部材である。ここでは、ガイド軸61aに対応する円柱状の空間が形成された半円柱状の軸受け61bを例示する。
図9に示すように、ガイド軸61aの軸方向長さは、軸受け61bの軸方向長さよりも長く設定されている。そのため、ガイド軸61aの両端部は軸受け61bから突出する。軸受け61bに対するガイド軸61aの突出長さは、上述した第一カム溝15a(図8等参照)の軸方向長さよりも所定のマージン分だけ長く設定されている。なお、ガイド軸61aの両端部は、図示省略するケーシング等などに支持される。
軸受け61bには、変速用フォーク35のブリッジ部35bと後述する補強部材70とが結合されている。軸受け61bの軸方向長さは、変速用フォーク35の厚みと補強部材70の軸方向距離(長さ)とを加えた長さに略等しい。
軸受け61bには、変速用フォーク35のブリッジ部35bと後述する補強部材70とが結合されている。軸受け61bの軸方向長さは、変速用フォーク35の厚みと補強部材70の軸方向距離(長さ)とを加えた長さに略等しい。
〈補強部材〉
補強部材70は、変速用フォーク35を補強するプレート状の部材である。この補強部材70は、軸方向に沿って延在する。そのため、変速用フォーク35に対して補強部材70が直交するように、例えば、変速用フォーク35と同一板金を屈曲形成して設けられている。
かかる補強部材70は、第一補強部材71と第二補強部材72とを有する。
図1,図6および図7に示すように、第一補強部材71は、仮想線Lに対して一側(図中上側)の領域に設けられている。一方、第二補強部材72は、仮想線Lに対して他側の領域(図中下側)に設けられている。
補強部材70は、変速用フォーク35を補強するプレート状の部材である。この補強部材70は、軸方向に沿って延在する。そのため、変速用フォーク35に対して補強部材70が直交するように、例えば、変速用フォーク35と同一板金を屈曲形成して設けられている。
かかる補強部材70は、第一補強部材71と第二補強部材72とを有する。
図1,図6および図7に示すように、第一補強部材71は、仮想線Lに対して一側(図中上側)の領域に設けられている。一方、第二補強部材72は、仮想線Lに対して他側の領域(図中下側)に設けられている。
第一補強部材71は第一ガイド機構61に結合され、また、第二補強部材72は第二ガイド機構62に結合されている。これらの補強部材71,72の間には、各補強部材71,72に対して仮想線L側にガイド機構61,62が結合されている。
第一補強部材71と第二補強部材72とは、配設箇所が異なるのを除いて同様に構成されるため、第一補強部材71に着目して説明する。
第一補強部材71と第二補強部材72とは、配設箇所が異なるのを除いて同様に構成されるため、第一補強部材71に着目して説明する。
図9に示すように、第一補強部材71は、中間部71aを基準に対称形に形成されている。この中間部71aには、上記した第一ガイド機構61の軸受け61bが結合されている。
この第一補強部材71は、中間部71aから仮想線Lと平行な方向の端部71bに向かうに連れて軸方向長さが短くなるように形成されている。すなわち、第一補強部材71は、変速用フォーク35を補強するための「リブ」や「ガセット」といえる。なお、ここでは第一補強部材71に三角形状の肉抜きが施されたものを例示している。
ただし、第一補強部材71の軸方向長さは、周囲の構成や要求仕様等に応じて種々設定しる。
この第一補強部材71は、中間部71aから仮想線Lと平行な方向の端部71bに向かうに連れて軸方向長さが短くなるように形成されている。すなわち、第一補強部材71は、変速用フォーク35を補強するための「リブ」や「ガセット」といえる。なお、ここでは第一補強部材71に三角形状の肉抜きが施されたものを例示している。
ただし、第一補強部材71の軸方向長さは、周囲の構成や要求仕様等に応じて種々設定しる。
〔1−5−3.軸方向移動機構〕
図2および図7に示すように、軸方向移動機構31は、変速用フォーク35を軸方向に移動するために、モータ32と、モータ32の出力軸(駆動軸)32aの回転運動を直線運動に切り替える運動変換機構33と、変速用フォーク35を支持するとともに運動変換機構33によって直線運動されるフォーク支持部34とを備えている。なお、モータ32としては、ステッピングモータを用いることができる。ここでは、モータ32,運動変換機構33およびフォーク支持部34がそれぞれ一つずつ設けられる構成を例示して説明する。
以下、軸方向移動機構31について、フォーク支持部34,運動変換機構33の順に説明する。
図2および図7に示すように、軸方向移動機構31は、変速用フォーク35を軸方向に移動するために、モータ32と、モータ32の出力軸(駆動軸)32aの回転運動を直線運動に切り替える運動変換機構33と、変速用フォーク35を支持するとともに運動変換機構33によって直線運動されるフォーク支持部34とを備えている。なお、モータ32としては、ステッピングモータを用いることができる。ここでは、モータ32,運動変換機構33およびフォーク支持部34がそれぞれ一つずつ設けられる構成を例示して説明する。
以下、軸方向移動機構31について、フォーク支持部34,運動変換機構33の順に説明する。
フォーク支持部34は、モータ32の出力軸32aと同心の筒軸を有する円筒状に形成されている。このフォーク支持部34には、モータ32の出力軸32aが内挿されている。この出力軸32aは、図1に示すようにチェーン6の軌道の内側に配置されている。
また、フォーク支持部34は、内周にモータ32の出力軸32aに形成された雄ネジ部32bに螺合する雌ネジ部34aが螺設され、外周に変速用フォーク35のブリッジ部35bと係合するフォーク溝34bが凹設されている。
また、フォーク支持部34は、内周にモータ32の出力軸32aに形成された雄ネジ部32bに螺合する雌ネジ部34aが螺設され、外周に変速用フォーク35のブリッジ部35bと係合するフォーク溝34bが凹設されている。
フォーク溝34bは、変速用フォーク35のブリッジ部35bの厚み(軸方向長さ)に対応する幅(軸方向長さ)に形成されている。このフォーク溝34bにはブリッジ部35bの中間部(二つの複合スプロケット5,5の間)が嵌入され、フォーク支持部34と変速用フォーク35のブリッジ部35bとが一体に結合される。
運動変換機構33は、出力軸32aの雄ネジ部32bと、フォーク支持部34の雌ネジ部34aとを有する。出力軸32aが回転すると、雄ネジ部32bと雌ネジ部34aとの螺合によって、雌ネジ部34aが形成されたフォーク支持部34が軸方向に移動される。すなわち、軸方向移動機構31は、モータ32の回転運動を運動変換機構33によって直線運動に変換し、この直線運動でフォーク支持部34を軸方向に直線運動させる。
上記の変速用フォーク35,軸方向移動機構31を含む相対回転駆動機構30は、ピニオンスプロケット21,22,23から軸方向にシフトして設けられている。
上記の変速用フォーク35,軸方向移動機構31を含む相対回転駆動機構30は、ピニオンスプロケット21,22,23から軸方向にシフトして設けられている。
〔1−5−4.相対回転駆動〕
以下、相対回転駆動機構30による可動ディスク19の固定ディスク10に対する相対回転駆動について説明する。
軸方向移動機構31によってフォーク支持部34が軸方向に直線運動されると、フォーク支持部34に結合された変速用フォーク35がガイド機構60によって案内されながら補強部材70と一体に軸方向に移動し、この移動にともなってカムローラ90も軸方向に移動される。
以下、相対回転駆動機構30による可動ディスク19の固定ディスク10に対する相対回転駆動について説明する。
軸方向移動機構31によってフォーク支持部34が軸方向に直線運動されると、フォーク支持部34に結合された変速用フォーク35がガイド機構60によって案内されながら補強部材70と一体に軸方向に移動し、この移動にともなってカムローラ90も軸方向に移動される。
第一カム溝15aと第二カム溝16aとが交差する第二交差箇所CP2に配設されるカムローラ90が軸方向に移動されると、第二交差箇所CP2も軸方向に移動する。第一カム溝15aが設けられた第一回転部15は回転軸1および固定ディスク10と一体回転するため、第二交差箇所CP2が軸方向に移動すると、第一回転部15に対して第二カム溝16aが設けられた第二回転部16が相対的に回転される。
第二回転部16は可動ディスク19と一体回転し、第一回転部10は固定ディスク10と一体回転するので、第一回転部15に対して第二回転部16が相対回転されると、固定ディスク10に対して可動ディスク19が相対的に回転される。
第二回転部16は可動ディスク19と一体回転し、第一回転部10は固定ディスク10と一体回転するので、第一回転部15に対して第二回転部16が相対回転されると、固定ディスク10に対して可動ディスク19が相対的に回転される。
〔1−6.スプロケット移動機構およびロッド移動機構〕
次に、図2および図5を参照して、スプロケット移動機構40Aおよびロッド移動機構40Bを説明する。
スプロケット移動機構40Aは、複数のピニオンスプロケット20を移動対象とし、また、ロッド移動機構40Bは、複数のガイドロッド29を移動対象としている。
これらの移動機構40A,40Bは、各移動対象(複数のピニオンスプロケット20,複数のガイドロッド29)を回転軸1の軸心C1から等距離を維持させながら径方向に同期して移動させるものである。
次に、図2および図5を参照して、スプロケット移動機構40Aおよびロッド移動機構40Bを説明する。
スプロケット移動機構40Aは、複数のピニオンスプロケット20を移動対象とし、また、ロッド移動機構40Bは、複数のガイドロッド29を移動対象としている。
これらの移動機構40A,40Bは、各移動対象(複数のピニオンスプロケット20,複数のガイドロッド29)を回転軸1の軸心C1から等距離を維持させながら径方向に同期して移動させるものである。
スプロケット移動機構40Aは、固定ディスク10と可動ディスク19と相対回転駆動機構30(図2および図7参照)とから構成されている。同様に、ロッド移動機構40Bは、固定ディスク10と可動ディスク19と相対回転駆動機構30とから構成されている。
このように、それぞれの移動機構40A,40Bの構成は、各移動対象が異なるだけで、その他の構成は同様である。
このように、それぞれの移動機構40A,40Bの構成は、各移動対象が異なるだけで、その他の構成は同様である。
次に、図5(a)〜図5(c)を参照して、移動機構40Aおよび40Bによる移動を説明する。
図5(a)は、最小ピニオン接円A1となった状態における可動ディスク19の固定ディスク10に対する位相を示している。このとき、固定放射状溝11,12と可動放射状溝19a,19bとが交差する第一交差箇所CP1は、回転軸1の軸心C1に対して最も近接している。
図5(a)は、最小ピニオン接円A1となった状態における可動ディスク19の固定ディスク10に対する位相を示している。このとき、固定放射状溝11,12と可動放射状溝19a,19bとが交差する第一交差箇所CP1は、回転軸1の軸心C1に対して最も近接している。
そして、相対回転駆動機構30によって可動ディスク19の回転位相を固定ディスク10に対して変更すると、図5(b),図5(c)の順に、第一交差箇所CP1がそれぞれ同期しながら回転軸1の軸心C1から遠ざかる。
このようにして、スプロケット移動機構40Aは、ピニオンスプロケット20のそれぞれを、回転軸1の軸心C1から等距離を維持させながら径方向に同期して移動させる。同様に、ロッド移動機構40Bは、ガイドロッド29のそれぞれを、回転軸1の軸心C1から等距離を維持させながら径方向に同期して移動させる。
一方、相対回転駆動機構30によって可動ディスク19の回転位相の変更方向を上記の方向と反対にすれば、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29の移動方向が反転し、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29は回転軸1の軸心C1に近づく。
一方、相対回転駆動機構30によって可動ディスク19の回転位相の変更方向を上記の方向と反対にすれば、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29の移動方向が反転し、ピニオンスプロケット20およびガイドロッド29は回転軸1の軸心C1に近づく。
スプロケット移動機構40Aによりピニオンスプロケット20が移動されると、ピニオンスプロケット20の相互間の距離が変わることにより、チェーン6に対してピニオンスプロケット20の位相ズレが発生してしまう。そこで、かかる位相ズレを解消するために、機械式自転駆動機構50が装備されている。
〔1−7.機械式自転駆動機構〕
次に、図2および図6を参照して、機械式自転駆動機構50を説明する。ここでは、機械式自転駆動機構50がピニオンスプロケット20を挟んで対称に構成されるため、一側の構成に着目して説明する。
機械式自転駆動機構50は、上記したように、自転ピニオンスプロケット22,23を回転させ、チェーン6に対するピニオンスプロケット20間の位相ズレを解消するように自転ピニオンスプロケット22,23をスプロケット移動機構40Aと連動して機械的に自転駆動するものである。言い換えれば、機械式自転駆動機構50は、スプロケット移動機構40Aによる複数のピニオンスプロケット20の径方向移動に伴って、チェーン6に対する複数のピニオンスプロケット20の位相ズレを解消するように自転ピニオンスプロケット22,23をスプロケット移動機構40Aと連動して自転駆動するものである。
ただし、機械式自転駆動機構50は、径方向移動時の固定ピニオンスプロケット21を自転させない構成も有している。
次に、図2および図6を参照して、機械式自転駆動機構50を説明する。ここでは、機械式自転駆動機構50がピニオンスプロケット20を挟んで対称に構成されるため、一側の構成に着目して説明する。
機械式自転駆動機構50は、上記したように、自転ピニオンスプロケット22,23を回転させ、チェーン6に対するピニオンスプロケット20間の位相ズレを解消するように自転ピニオンスプロケット22,23をスプロケット移動機構40Aと連動して機械的に自転駆動するものである。言い換えれば、機械式自転駆動機構50は、スプロケット移動機構40Aによる複数のピニオンスプロケット20の径方向移動に伴って、チェーン6に対する複数のピニオンスプロケット20の位相ズレを解消するように自転ピニオンスプロケット22,23をスプロケット移動機構40Aと連動して自転駆動するものである。
ただし、機械式自転駆動機構50は、径方向移動時の固定ピニオンスプロケット21を自転させない構成も有している。
まず、機械式自転駆動機構50について、固定ピニオンスプロケット21(図1参照)を自転させないための構成を説明する。
図6に示すように、固定ピニオンスプロケット21の支持軸21aは、固定ディスク10のスプロケット用固定放射状溝11に挿通されている。この支持軸21aには、案内部材59が一体的に結合されている。
図6に示すように、固定ピニオンスプロケット21の支持軸21aは、固定ディスク10のスプロケット用固定放射状溝11に挿通されている。この支持軸21aには、案内部材59が一体的に結合されている。
案内部材59は、スプロケット用固定放射状溝11に内挿されて径方向に案内される。この案内部材59は、径方向の所定長さにわたってスプロケット用固定放射状溝11に接触するように対応する形状に形成されている。このため、固定ピニオンスプロケット21を自転させるような回転力が作用したときには、案内部材59は、スプロケット用固定放射状溝11に対して回転力を伝達するとともに、この回転力の反作用(抗力)で固定ピニオンスプロケット21を固定するものといえる。すなわち、案内部材59は、スプロケット用固定放射状溝11において径方向に摺動可能であって回り止め機能を有する形状に形成されている。なお、ここでいう所定長さとは、固定ピニオンスプロケット21を自転させるような回転力の抗力が確保可能な長さである。
図6では、スプロケット用固定放射状溝11が径方向に長手方向を有する矩形状に形成されており、この矩形状よりも小さい矩形状に形成された案内部材59を例示している。
また、スプロケット用固定放射状溝11の内壁に接する案内部材59の側壁、特に案内部材59の四隅に、ベアリングを装着すれば、案内部材59のよりスムーズな摺動を確保することができる。
また、スプロケット用固定放射状溝11の内壁に接する案内部材59の側壁、特に案内部材59の四隅に、ベアリングを装着すれば、案内部材59のよりスムーズな摺動を確保することができる。
次に、機械式自転駆動機構50について、自転ピニオンスプロケット22,23を自転駆動するための構成について説明する。
機械式自転駆動機構50は、自転ピニオンスプロケット22,23の支持軸22a,23aのそれぞれと一体回転するように固設されたピニオン51,52と、ピニオン51,52のそれぞれに対応して噛合するように設けられたラック53,54と、を有する。
機械式自転駆動機構50は、自転ピニオンスプロケット22,23の支持軸22a,23aのそれぞれと一体回転するように固設されたピニオン51,52と、ピニオン51,52のそれぞれに対応して噛合するように設けられたラック53,54と、を有する。
ピニオン51,52は、自転ピニオンスプロケット22,23の各支持軸22a,23aにおける軸方向両端部にそれぞれ設けられている。かかるピニオン51,52にそれぞれ対応するラック53,54は、スプロケット用固定放射状溝11,11の延在方向に沿って固設されている。
なお、以下の説明では、第一自転ピニオンスプロケット22のピニオン(進角側ピニオン)51を第一ピニオン51と呼び、この第一ピニオン51と噛合するラック(進角側ラック)53を第一ラック53と呼んで区別する。同様に、第二ピニオンスプロケット23のピニオン(遅角側ピニオン)52を第二ピニオン52と呼び、この第二ピニオン52と噛合するラック(遅角側ラック)54を第二ラック54と呼ぶ。
図6に示すように、第一ラック53は、第一ピニオン51に対して公転方向基準で遅角側に配置される。逆に、第二ラック54は、第二ピニオン52に対して公転方向基準で進角側に配置される。このため、ピニオン51,52およびラック53,54は、ピニオン51,52が拡径方向または縮径方向に移動されると、ピニオン51,52はこれに噛合するラック53,54によって互いに逆方向に回転されるように配設されている。
すなわち、機械式自転駆動機構50は、スプロケット移動機構40Aにより移動されたピニオンスプロケット20の径方向位置に応じて、自転ピニオンスプロケット22,23の自転にかかる回転位相を設定するものである。つまり、機械式自転駆動機構50によって、ピニオンスプロケット20の径方向位置と自転ピニオンスプロケット22,23の自転にかかる回転位相とは一対一の対応関係となる。
このように、機械式自転駆動機構50は、固定ピニオンスプロケット21が自転しないように案内し、自転ピニオンスプロケット22,23が自転するように案内する。
このように、機械式自転駆動機構50は、固定ピニオンスプロケット21が自転しないように案内し、自転ピニオンスプロケット22,23が自転するように案内する。
なお、ピニオン51,52に対するラック53,54の位置関係が異なる点を除いては、第一ピニオン51と第二ピニオン52とは同様に構成され、また、第一ラック53と第二ラック54とは同様に構成されている。
〔2.作用および効果〕
本発明の一実施形態にかかる変速機構は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
(1)軸方向に沿って配置されたガイド機構60によって変速用フォーク35の軸方向移動が案内されるため、変速用フォーク35を安定して軸方向に移動させることができる。本変速機構は、変速用フォーク35を軸方向に移動させることで変速することから、安定した変速性能を確保することができる。
変速用フォーク35はプレート状であるため、軽量化することができるものの、剛性の確保が困難であり、撓んだり捩れたりして変形しやすい。また、変速用フォーク35は、二組の複合スプロケット5,5に跨って設けられているため、スパンが長くなって、更に変形しやすい。しかしながら、軸方向に沿って配置されたガイド機構60によって変速用フォーク35の変形を抑えることができる。具体的には、ガイド機構60の連結が変速用フォーク35の剛性向上に寄与することとなり、且つ変速用フォーク35がガイド機構60によって安定的に案内されるので、変速用フォーク35の変形の抑制に寄与する。変速用フォーク35は、変形が抑えられることで、軸方向に安定して移動することができる。よって、安定した変速性能を確保することができる。
さらに、変速用フォーク35が二組の複合スプロケット5,5に跨って設けられるため、複合スプロケット5,5を機械的に連動させることができる。したがって、変速制御性を向上させることができる。
本発明の一実施形態にかかる変速機構は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
(1)軸方向に沿って配置されたガイド機構60によって変速用フォーク35の軸方向移動が案内されるため、変速用フォーク35を安定して軸方向に移動させることができる。本変速機構は、変速用フォーク35を軸方向に移動させることで変速することから、安定した変速性能を確保することができる。
変速用フォーク35はプレート状であるため、軽量化することができるものの、剛性の確保が困難であり、撓んだり捩れたりして変形しやすい。また、変速用フォーク35は、二組の複合スプロケット5,5に跨って設けられているため、スパンが長くなって、更に変形しやすい。しかしながら、軸方向に沿って配置されたガイド機構60によって変速用フォーク35の変形を抑えることができる。具体的には、ガイド機構60の連結が変速用フォーク35の剛性向上に寄与することとなり、且つ変速用フォーク35がガイド機構60によって安定的に案内されるので、変速用フォーク35の変形の抑制に寄与する。変速用フォーク35は、変形が抑えられることで、軸方向に安定して移動することができる。よって、安定した変速性能を確保することができる。
さらに、変速用フォーク35が二組の複合スプロケット5,5に跨って設けられるため、複合スプロケット5,5を機械的に連動させることができる。したがって、変速制御性を向上させることができる。
(2)ガイド機構60は、二組の複合スプロケット5,5の中間となる位置に設けられているため、ガイド機構60が変速用フォーク35のブリッジ部35b(中間部)を案内することができ、変速用フォーク35の軸方向移動を確実に安定させることができる。よって、安定した変速性能を確実に確保することができる。延いては、変速レスポンスを確保することができる。
(3)ガイド機構60は、変速にともなって変動するチェーン6の軌道に干渉せず、且つチェーン軌道に近接した位置に配置されるため、本変速機構において空間を有効利用してガイド機構60を配置することができる。すなわち、ガイド機構60が仮想チェーン7と干渉する位置は、本変速機構においてはデッドスペースとなりかねないが、このような位置にガイド機構61,62が配置されれば、空間を有効に利用することができる。延いては、本変速機構の小型化に寄与する。
(4)第一ガイド機構61が仮想線Lに対して一側の領域に設けられ、第二ガイド機構62が仮想線Lに対して他側の領域に設けられるため、例えば一側または他側に設けられたガイド機構(片持ちの軸)に比較して、変速用フォーク35を確実に案内することができる。
(5)変速用フォーク35およびガイド機構61,62のそれぞれに結合されたプレート状の補強部材71,72により、変速用フォーク35を補強することができる。
(6)プレート状の変速用フォーク35が軸方向に対して直交して延在するのに対し、補強部材70が軸方向に沿って延在するため、変速用フォーク35の変形しやすい方向、即ち、軸方向への変形を確実に抑えることができる。また、本変速機構の大型化を抑えることができる。言い換えれば、プレート状の補強部材70が配設された場合に、その厚み分および所定のマージン分の空間が占有されるだけなので、ダウンサイジングに寄与しつつ安定した変速性能を確保することができる。
(6)プレート状の変速用フォーク35が軸方向に対して直交して延在するのに対し、補強部材70が軸方向に沿って延在するため、変速用フォーク35の変形しやすい方向、即ち、軸方向への変形を確実に抑えることができる。また、本変速機構の大型化を抑えることができる。言い換えれば、プレート状の補強部材70が配設された場合に、その厚み分および所定のマージン分の空間が占有されるだけなので、ダウンサイジングに寄与しつつ安定した変速性能を確保することができる。
(7)例えば第一補強部材71は、中間部71aから仮想線Lと平行な方向の端部71bに向かうに連れて軸方向長さが短くなるように形成されている。そのため、補強部材70により、変速用フォーク35の変形を抑えつつ重量の増加を抑えることができる。すなわち、変速用フォーク35の変形を効率よく抑えることができる。
(8)第一補強部材71が仮想線Lに対して一側の領域に設けられ、第二補強部材72が仮想線Lに対して他側の領域に設けられるため、例えば一側または他側に設けられた補強部材(片持ちの補強部材)に比較して、変速用フォーク35の変形を確実に抑制することができる。
(8)第一補強部材71が仮想線Lに対して一側の領域に設けられ、第二補強部材72が仮想線Lに対して他側の領域に設けられるため、例えば一側または他側に設けられた補強部材(片持ちの補強部材)に比較して、変速用フォーク35の変形を確実に抑制することができる。
(9)補強部材71,72に対して仮想線L側にガイド機構61,62が結合されているため、変速機構における空間を有効利用しながら、変速用フォーク35の軸方向移動を安定して案内しつつ変形を抑えることができる。
(10)チェーン6の軌道に対して内周側の空間はデッドスペースになりかねないが、このチェーン軌道の内周側には、変速用フォーク35を軸方向に移動させるモータ32の出力軸32aが配置されている。よって、変速機構の大型化を抑えることができる。
(10)チェーン6の軌道に対して内周側の空間はデッドスペースになりかねないが、このチェーン軌道の内周側には、変速用フォーク35を軸方向に移動させるモータ32の出力軸32aが配置されている。よって、変速機構の大型化を抑えることができる。
(11)相対回転駆動機構30は、カム溝15a,16aと、これらのカム溝15a,16aが交差する第二交差箇所CP2に配設されたカムローラ90と、このカムローラ90を軸方向に移動させる変速用フォーク35と、この変速用フォーク35を軸方向に移動させる軸方向移動機構31とを有する。したがって、軸方向移動機構31により変速用フォーク35を軸方向に移動させることで、カムローラ90を軸方向に移動させてカム溝15a,16aが設けられた回転部15,16を相対回転させ、固定ディスク10に対して可動ディスク19を相対回転させることができる。
このように、カムローラ90の軸方向への移動によって可動ディスク19を固定ディスク10に対して相対回転駆動することで、自在に変速比を変更することができる。
このように、カムローラ90の軸方向への移動によって可動ディスク19を固定ディスク10に対して相対回転駆動することで、自在に変速比を変更することができる。
補強部材70は、中間部71aを基準に対称形に形成されている。そのため、補強部材70は、変速用フォーク35の入力側および出力側(一方および他方)の変形をバランスよく抑えることができる。また、形状がシンプルであることから、補強部材70の製造コストの低減にも寄与しうる。
また、補強部材70は肉抜きされている。そのため、変速用フォーク35を補強しつつ軽量化を図ることができる。また、補強部材70の材料コストを低減させることができる。
また、補強部材70は肉抜きされている。そのため、変速用フォーク35を補強しつつ軽量化を図ることができる。また、補強部材70の材料コストを低減させることができる。
〔その他〕
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述した一実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせてもよい。
上述の一実施形態では、モータ32,運動変換機構33およびフォーク支持部34がそれぞれ一つずつ設けられた軸方向移動機構31を例示して説明したが、図10に示すように、軸方向移動機構31は、軸方向視で仮想線Lを基準で対称に設けられてもよい。例えば、モータ32,運動変換機構33およびフォーク支持部34が上下にそれぞれ設けられていてもよい。この場合、変速用フォーク35が二つの軸方向移動機構31,31により軸方向に移動させるため、一実施形態で上述したような片持ちの軸方向移動機構31よりも、変速用フォーク35を軸方向へより確実に移動させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述した一実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせてもよい。
上述の一実施形態では、モータ32,運動変換機構33およびフォーク支持部34がそれぞれ一つずつ設けられた軸方向移動機構31を例示して説明したが、図10に示すように、軸方向移動機構31は、軸方向視で仮想線Lを基準で対称に設けられてもよい。例えば、モータ32,運動変換機構33およびフォーク支持部34が上下にそれぞれ設けられていてもよい。この場合、変速用フォーク35が二つの軸方向移動機構31,31により軸方向に移動させるため、一実施形態で上述したような片持ちの軸方向移動機構31よりも、変速用フォーク35を軸方向へより確実に移動させることができる。
また、例えばガイド機構60がガイド軸61aおよび軸受け61bを有するものを示したが、これに替えて、対応する凹凸形状を有する凹部側部材および凸部側部材とを有していてもよい。例えば、凹部側部材が軸方向に沿った溝(凹部)を有し、凸部側部材が溝(凹部)に対応する形状の凸部(凸条)を有する。この場合、凹部側部材および凸部側部材の一方が変速用フォーク35に結合され、凹部側部材および凸部側部材の他方が変速機構のケーシング等に結合され、変速用フォーク35の軸方向移動にともなって凹部側部材および凸部側部材の一方が軸方向に移動する際に、凹部側部材および凸部側部材の他方に摺動する。
また、モータ32の出力軸32aがチェーン軌道の内周側に配置されたものや、ガイド機構60が仮想チェーン7に干渉する位置に配置されたものを示したが、チェーン軌道の外周側にモータ32の出力軸32aが配置されてもよいし、実際のチェーン軌道に干渉しない位置であればガイド機構60は何れの箇所に配置されてもよい。すなわち、モータ32の出力軸32aやガイド機構61,62は、周囲の構成や要求仕様等に応じて種々の位置に配置されうる。
また、各補強部材71,72に対して仮想線L側にガイド機構61,62が結合されたものを示したが、逆に、各補強部材71,72に対して仮想線Lとは反対側にガイド機構61,62が結合されてもよい。
また、第一補強部材71および第二補強部材72は、少なくとも何れかが設けられていればよい。更に言えば、補強部材71,72は省略してもよい。これらの場合、変速用フォーク35の補強効果が小さくなるものの、部品点数を低減させて簡素な構成とすることができ、コストの低減や軽量化,小型化などに寄与する。
また、第一補強部材71および第二補強部材72は、少なくとも何れかが設けられていればよい。更に言えば、補強部材71,72は省略してもよい。これらの場合、変速用フォーク35の補強効果が小さくなるものの、部品点数を低減させて簡素な構成とすることができ、コストの低減や軽量化,小型化などに寄与する。
また、第一ガイド機構61および第二ガイド機構62は、少なくとも何れかが設けられていればよい。この場合、変速用フォーク35の軸方向移動が上述の構成に比較すれば不安定になるものの、部品点数を低減させて簡素な構成とすることができ、コストの低減や軽量化,小型化などに寄与する。
また、ガイド機構60は、周囲の構成や要求仕様等に応じて種々の位置に配置されうる。そのため、二組の複合スプロケット5,5の中間となる位置にガイド機構60が設けられるものに限られない。
また、ガイド機構60は、周囲の構成や要求仕様等に応じて種々の位置に配置されうる。そのため、二組の複合スプロケット5,5の中間となる位置にガイド機構60が設けられるものに限られない。
また、ピニオンスプロケット20のうち、自転ピニオンスプロケット21,22が自転するものを示したが、ピニオンスプロケット20の何れもが自転しなくてもよい。この場合、ピニオン接円Aの拡縮経時に、ピニオンスプロケット20のチェーン6に対する位相がズレるおそれがあるため、上記の位相ズレ許容動力伝達機構が装備されるのが好ましい。
また、ガイドロッド29のガイド部材29bは省略してもよい。つまり、ガイドロッド29がロッド支持軸29aから構成されてもよい。この場合、最小ピニオン接円A1を更に小さくすることが可能となり、レシオカバレッジの拡大に寄与する。
また、ガイドロッド29のガイド部材29bは省略してもよい。つまり、ガイドロッド29がロッド支持軸29aから構成されてもよい。この場合、最小ピニオン接円A1を更に小さくすることが可能となり、レシオカバレッジの拡大に寄与する。
1 回転軸
5 複合スプロケット
6 チェーン
7 仮想チェーン
10 固定ディスク
11 スプロケット用固定放射状溝
12 ロッド用固定放射状溝
15 第一回転部
15a 第一カム溝
16 第二回転部
16a 第二カム溝
17 接続部
17a 軸方向接続部
17b 径方向接続部
17c 肉抜き部
19 可動ディスク
19a スプロケット用可動放射状溝
19b ロッド用可動放射状溝
19A 連結シャフト
20 ピニオンスプロケット
21 固定ピニオンスプロケット
22 第一自転ピニオンスプロケット(進角側自転ピニオンスプロケット)
23 第二自転ピニオンスプロケット(遅角側自転ピニオンスプロケット)
20a,21a,22a,23a 支持軸
20g 歯車
20s スペーサ
22A(20A) 軸方向端部
29 ガイドロッド
29A 軸方向端部
29B 軸方向中間部
29a ロッド支持軸
29b ガイド部材
30 相対回転駆動機構
31 軸方向移動機構
32 モータ
32a 出力軸(駆動軸)
33 運動変換機構
34 フォーク支持部
35 変速用フォーク(スプロケット移動用軸方向移動部材)
35a カムローラ支持部
40A スプロケット移動機構
40B ロッド移動機構
50 機械式自転駆動機構
51 第一ピニオン(進角側ピニオン)
52 第二ピニオン(遅角側ピニオン)
53 第一ラック(進角側ラック)
54 第二ラック(遅角側ラック)
59 案内部材
60 ガイド機構
61 第一ガイド機構
61a ガイド軸
61b 軸受け
62 第二ガイド機構
70 補強部材
71 第一補強部材
71a 中間部
70b 端部
72 第二補強部材
90 カムローラ
90a 一端部
C1,C2,C3,C4 軸心
CP1 第一交差箇所
CP2 第二交差箇所
L 仮想線
5 複合スプロケット
6 チェーン
7 仮想チェーン
10 固定ディスク
11 スプロケット用固定放射状溝
12 ロッド用固定放射状溝
15 第一回転部
15a 第一カム溝
16 第二回転部
16a 第二カム溝
17 接続部
17a 軸方向接続部
17b 径方向接続部
17c 肉抜き部
19 可動ディスク
19a スプロケット用可動放射状溝
19b ロッド用可動放射状溝
19A 連結シャフト
20 ピニオンスプロケット
21 固定ピニオンスプロケット
22 第一自転ピニオンスプロケット(進角側自転ピニオンスプロケット)
23 第二自転ピニオンスプロケット(遅角側自転ピニオンスプロケット)
20a,21a,22a,23a 支持軸
20g 歯車
20s スペーサ
22A(20A) 軸方向端部
29 ガイドロッド
29A 軸方向端部
29B 軸方向中間部
29a ロッド支持軸
29b ガイド部材
30 相対回転駆動機構
31 軸方向移動機構
32 モータ
32a 出力軸(駆動軸)
33 運動変換機構
34 フォーク支持部
35 変速用フォーク(スプロケット移動用軸方向移動部材)
35a カムローラ支持部
40A スプロケット移動機構
40B ロッド移動機構
50 機械式自転駆動機構
51 第一ピニオン(進角側ピニオン)
52 第二ピニオン(遅角側ピニオン)
53 第一ラック(進角側ラック)
54 第二ラック(遅角側ラック)
59 案内部材
60 ガイド機構
61 第一ガイド機構
61a ガイド軸
61b 軸受け
62 第二ガイド機構
70 補強部材
71 第一補強部材
71a 中間部
70b 端部
72 第二補強部材
90 カムローラ
90a 一端部
C1,C2,C3,C4 軸心
CP1 第一交差箇所
CP2 第二交差箇所
L 仮想線
Claims (11)
- 動力が入力または出力される回転軸と、前記回転軸に対して径方向に可動に支持された複数のピニオンスプロケットと、前記複数のピニオンスプロケットを前記回転軸の軸心から等距離を維持させながら径方向に同期させて移動させる移動機構とを有する複合スプロケットを二組と、前記二組の複合スプロケットに巻き掛けられたチェーンとを備え、前記複数のピニオンスプロケットの何れをも囲み且つ前記複数のピニオンスプロケットの何れにも接する円の半径である接円の半径の変更によって変速比を変更する変速機構であって、
前記移動機構は、
前記複数のピニオンスプロケットの各支持軸が内挿されるスプロケット用固定放射状溝が形成され、前記回転軸と一体回転する固定ディスクと、
前記スプロケット用固定放射状溝と軸方向視で交差する第一交差箇所に前記支持軸が位置するスプロケット用可動放射状溝が形成され、前記固定ディスクに対して同心に配置され且つ相対回転可能な可動ディスクと、
一方の前記複合スプロケットと他方の前記複合スプロケットとに跨って設けられるとともに前記固定ディスクおよび前記可動ディスクに対して並設されたプレート状の変速用フォークを軸方向に移動させることで前記可動ディスクを前記固定ディスクに対して相対回転駆動して前記第一交差箇所を径方向に移動させる相対回転駆動機構と、
前記変速用フォークに連結されるとともに軸方向に沿って配置され、前記変速用フォークの軸方向移動を案内するガイド機構と、を備えた
ことを特徴とする、変速機構。 - 前記ガイド機構は、前記二組の複合スプロケットの中間となる位置に設けられた
ことを特徴とする、請求項1に記載の変速機構。 - 前記ガイド機構は、変速にともなって変動する前記チェーンの軌道に干渉せず、且つ同チェーン軌道に近接した位置に配置された
ことを特徴とする、請求項2に記載の変速機構。 - 前記ガイド機構は、
前記二組の複合スプロケットの前記回転軸の軸心を結ぶ仮想線に対して一側の領域に設けられた第一ガイド機構と、
前記仮想線に対して他側の領域に設けられた第二ガイド機構とを有する
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の変速機構。 - 前記変速用フォークおよび前記ガイド機構のそれぞれに結合され、前記変速用フォークを補強するプレート状の補強部材を備えた
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の変速機構。 - 前記補強部材は、軸方向に沿って延在する
ことを特徴とする、請求項5に記載の変速機構。 - 前記補強部材の軸方向長さは、前記二組の複合スプロケットの中間となる中間部において最も長く、前記中間部から前記二組の複合スプロケットの前記回転軸の軸心を結ぶ仮想線と平行な方向の両端部へ向かうに連れて短くなる
ことを特徴とする、請求項5または6に記載の変速機構。 - 前記補強部材は、
前記仮想線に対して一側の領域に設けられた第一補強部材と、
前記仮想線に対して他側の領域に設けられた第二補強部材とを有する
ことを特徴とする、請求項7に記載の変速機構。 - 前記第一補強部材は、前記第一ガイド機構に結合され、
前記第二補強部材は、前記第二ガイド機構に結合され、
前記第一補強部材と前記第二補強部材との間に前記第一ガイド機構および前記第二ガイド機構が配置された
ことを特徴とする、請求項4に従属する請求項8に記載の変速機構。 - 前記変速用フォークを軸方向に移動させる駆動軸が前記チェーンの軌道の内周側に配置された
ことを特徴とする、請求項1〜9の何れか1項に記載の変速機構。 - 前記相対回転駆動機構は、
前記回転軸の軸方向に沿って設けられ、前記固定ディスクと一体回転する第一回転部に設けられた第一カム溝と、
前記第一カム溝と径方向視で交差するとともに軸方向に沿って設けられ、前記可動ディスクと一体回転する第二回転部に設けられた第二カム溝と、
前記第一カム溝と前記第二カム溝とが交差する第二交差箇所に配設され、一端部が径方向に突出されたカムローラと、
前記カムローラの前記一端部を収容する溝部が設けられ、前記カムローラに対して前記軸方向の力を伝達する前記変速用フォークとを有する
ことを特徴とする、請求項1〜10の何れか1項に記載の変速機構。
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JP2016109263A JP2016109263A (ja) | 2016-06-20 |
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Family Applications (1)
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US2552179A (en) * | 1948-08-26 | 1951-05-08 | Kamp Albert | Variable speed segment pulley |
FR2616870A1 (fr) * | 1987-06-02 | 1988-12-23 | Godderidge Stephane | Transmission a variation continue sans solution de continuite |
JPH0243549U (ja) * | 1988-09-19 | 1990-03-26 | ||
JP2009092232A (ja) * | 2007-10-11 | 2009-04-30 | Toshimasa Matsumoto | ボルト歯車 |
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