JP6175046B2 - 変速機構 - Google Patents
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Description
そこで、上記の推力や摩擦力を用いずに、複数のピニオンスプロケットとこれらに巻き掛けられたチェーンとにより動力伝達する無段変速機構が開発されている。
なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的として位置づけることができる。
以下、一実施形態にかかる変速機構について説明する。
〔1―1.構成〕
変速機構は、図1,図2に示すように、二組の複合スプロケット5,5と、これらの複合スプロケット5,5に巻き掛けられたチェーン6とを備えている。なお、複合スプロケット5とは、詳細を後述する複数のピニオンスプロケット20及び複数のガイドロッド29が多角形(ここでは十八角形)の頂点をなすようにして形成された見かけ上の大スプロケットを意味する。
以下、変速機構の構成を、複合スプロケット5及びこれに巻き掛けられるチェーン6の順に説明する。
以下の複合スプロケット5にかかる構成の説明では、ピニオンスプロケット20,ガイドロッド29,スプロケット移動機構40A,ロッド移動機構40B,機械式自転駆動機構50,トルク応答位相調整機構100の順に説明する。
三個のピニオンスプロケット20は、それぞれチェーン6と噛合って動力伝達する歯車として構成され、回転軸1の軸心C1周りに公転する。ここでいう「公転」とは、各ピニオンスプロケット20が、回転軸1の軸心C1を中心に回転することを意味する。回転軸1が回転すると、この回転に連動して各ピニオンスプロケット20が公転する。つまり、回転軸1の回転数とピニオンスプロケット20が公転する回転数とは等しい。なお、図2には、白抜きの矢印で反時計回りの公転方向(回転軸1の正転方向)を示している。
当然ながら、各ピニオンスプロケット21,22,23に形成される歯の形状寸法及びピッチは同一規格のものとなっている。
なお、第一自転ピニオンスプロケット22と第二ピニオンスプロケット23とは、配設箇所及び自転方向が異なるのを除いて同様に構成されるため、ここでは、第一自転ピニオンスプロケット22に着目して説明する。
図2に示すように、複数のガイドロッド29は、チェーン6と回転軸1の軸心C1との距離の変動を小さくするように、つまり、回転軸1周りのチェーン6の軌道を可能な限り円軌道に近づけるように、チェーン6をガイドするものである。これらのガイドロッド29は、その径方向外側の周面に当接するチェーン6の軌道をガイドする。ピニオンスプロケット21,22,23及び各ガイドロッド29は多角形(略正多角形)の形状をなすので、チェーン6は、その径方向内側のピニオンスプロケット21,22,23及び各ガイドロッド29に当接しガイドされながら多角形の形状に沿って転動する。
次に、スプロケット移動機構40A,ロッド移動機構40B,機械式自転駆動機構50をそれぞれ説明する。
スプロケット移動機構40Aは、複数のピニオンスプロケット20を移動対象とし、また、ロッド移動機構40Bは、複数のガイドロッド29を移動対象としている。
機械式自転駆動機構50は、スプロケット移動機構40Aによる複数のピニオンスプロケット20の径方向移動に伴って、チェーン6に対する複数のピニオンスプロケット20の位相ズレを解消するように自転ピニオンスプロケット22,23をスプロケット移動機構40Aと連動して自転駆動するものである。
まず、図1,図2を参照して、上記の機構40A,40B,50の前提構成を説明する。ここでは、かかる前提構成として、回転軸1と一体に回転する固定ディスク10,10´と、この固定ディスク10,10´に対して同心に配置され且つ相対回転可能な可動ディスク19と、固定ディスク10,10´と一体に回転する第一回転部15と、可動ディスク19と一体に回転する第二回転部16と、可動ディスク19を固定ディスク10,10´に対して相対回転駆動する相対回転駆動機構30との順にそれぞれを説明する。
固定ディスク10,10´,可動ディスク19,第一回転部15,第二回転部16は、回転軸1の軸心C1と同心に配設されており、ディスク10,10´,19における径方向は回転軸1の径方向と一致する。
なお、固定ディスク10,10´及び可動ディスク19は、複数のピニオンスプロケット20の両側(回転軸1の軸心C1に沿う方向の一側及び他側)にそれぞれ設けられているが、ここでは一側(図1の上方側)に設けられた固定ディスク10,10´,可動ディスク19に着目し、その構成を説明する。
固定ディスク10,10´は、回転軸1と一体に形成されるか、或いは、何れも回転軸1と一体回転するように結合されている。なお、図1では、複数のピニオンスプロケット20側から軸方向外側に向けて可動ディスク19,固定ディスク10,10´の順に配置されたもの例示する。
スプロケット用固定放射状溝11a,11b,11c,11a´,11b´,11c´は、ピニオンスプロケット20のそれぞれに対応して設けられ、また、ロッド用固定放射状溝12,12´は、ガイドロッド29のそれぞれに対応して設けられている。
また、ロッド用固定放射状溝12,12´には、各ガイドロッド29のロッド支持軸29a(一箇所のみに符号を付す)が内挿されている。
スプロケット用固定放射状溝11a,11b,11cも、スプロケット用固定放射状溝11a´,11b´,11c´も、何れも、径方向外側に向かうに従って当該複合スプロケットの常用回転方向(より多く使用する回転方向であり、車両に適用した場合の前進時の回転方向。以下、単に回転方向と称する。)の進角側にシフトするように、径方向に対して傾斜角を有して形成された傾斜構造を有している。
図3〜図6に示すように、可動ディスク19には、スプロケット用可動放射状溝19aとロッド用可動放射状溝19b(何れも一箇所のみに符号を付して破線で示す)との二種の可動放射状溝が形成されている。なお、可動ディスク19の外形は円形であり、円形である第一固定ディスク11の外形と一致して重合するが、図5,図6では便宜上の可動ディスク19の外形円を縮小して示している。
図1に示すように、第一回転部15は、固定ディスク10と一体回転する部分、即ち、回転軸1と一体回転する部分である。ここでは、第一回転部15が回転軸1の一部に設けられている。この第一回転部15は、固定ディスク10及び可動ディスク19よりも軸方向外側に配設されている。
図1,図6及び図7に示すように、第二回転部16は、可動ディスク19と接続部17を介して接続されている。なお、図6及び図7には、白抜きの矢印で反時計回りの公転方向を示している。
接続部17は、可動ディスク19及び第二回転部16と一体に回転し、固定ディスク10を覆うように配設されている。この接続部17Bは、固定ディスク10の外周(径方向外側)を覆う軸方向接続部17aと、固定ディスク10の軸方向外側を覆う径方向接続部(接続ディスク部)17bとを有する。
軸方向接続部17aは、回転軸1の軸心C1と同心に設けられるとともに軸方向に延びる円筒形状をなしている。この軸方向接続部17aは、図1に示すように、軸方向内側が可動ディスク19の外周端部(外周部)19tに結合され、軸方向外側が次に説明する径方向接続部17bに接続されている。
図1,図7及び図8に示すように、第二回転部16は、第一回転部15の外周(径方向外側)を覆うように設けられ、回転軸1の軸心C1と同心の円筒形状に形成されている。ここでは、図1に示すように、第二回転部16が、可動ディスク19の外周端部19tから内周側にシフトされて軸方向に沿って設けられている。
図8には、第二カム溝16a(一箇所にのみ符号を付す)が周方向に間隔をおいて三箇所に設けられたものを例示するが、第二カム溝15aの形成箇所や形成個数は、第一カム溝15aの形成箇所や形成個数に応じて設定される。
相対回転駆動機構30は、上述した第一回転部15に設けられた第一カム溝15aと第二回転部16に設けられた第二カム溝16aとに加えて、第一カム溝15aと第二カム溝16aとが交差する第二交差箇所CP2に配設されたカムローラ90と、このカムローラ90に対して軸方向の力を伝達する変速用フォーク(軸方向力伝達部材)35と、この変速用フォーク35を軸方向に移動させる軸方向移動機構31とを備えている。
図1及び図8に示すように、カムローラ90は、円柱状に形成されている。このカムローラ90は、回転軸1の軸心C1に直交する方向に沿った軸心を有し、第一カム溝15aと第二カム溝16aとが交差する第二交差箇所CP2(何れも一箇所にのみ符号を付す)に挿通されている。このため、カムローラ90は、回転軸1の回転に連動して回転軸1の軸心C1を中心に回転する。なお、カムローラ90の外周には、第一カム溝15aに対応する箇所にベアリング91aが外嵌され、第二カム溝16aに対応する箇所にベアリング91bが外嵌されている。
なお、図示省略するが、カムローラ90は、カム溝15a,16aから脱落しないように、適宜の抜け止め加工が施されている。かかる抜け止め加工としては、例えばカムローラ90の他端部に頭部を設けることや抜け止めピンを追加し、カムローラ90が軸方向に移動可能であって径方向に移動しないようにすることが挙げられる。
溝部35cは、カムローラ90の突出長さに対応する深さを有し、カムローラ90の一端部90aを収容している。すなわち、溝部35cは、径方向長さがカムローラ90の突出長さの円環状空間を有するものといえる。
フォーク支持部34は、モータ32の出力軸32aと同心の筒軸を有する円筒状に形成されている。このフォーク支持部34には、モータ32の出力軸32aが内挿されている。
また、フォーク支持部34は、内周にモータ32の出力軸32aに形成された雄ネジ部32bに螺合する雌ネジ部34aが螺設され、外周に変速用フォーク35のブリッジ部35bと係合するフォーク溝34bが凹設されている。
上記の変速用フォーク35,軸方向移動機構31を含む相対回転駆動機構30は、ピニオンスプロケット21,22,23から軸方向にシフトして設けられている。
軸方向移動機構31によってフォーク支持部34が軸方向に直線運動されると、フォーク支持部34に係合する変速用フォーク35を介して軸方向の力がカムローラ90に伝達され、カムローラ90も軸方向に移動される。
固定ディスク10,10´に対して可動ディスク19が相対回転駆動されると、移動機構40A,40A´及び40B,40B´にかかる説明で後述するように、固定ディスク10,10´に設けられたスプロケット用固定放射状溝11a,11b,11cと,11a´,11b´,11c´可動ディスク19に設けられたスプロケット用可動放射状溝19aとが交差する第一交差箇所CP1が径方向に移動される。
次に、図1,図5及び図6を参照して、スプロケット移動機構40A,40A´及びロッド移動機構40B,40B´を説明する。
スプロケット移動機構40A,40A´は、ピニオンスプロケット21,22,23のそれぞれに設けられた支持軸21a,22a,23aが内挿されるスプロケット用固定放射状溝11a,11b,11c,11a´,11b´,11c´,が形成された固定ディスク10,10´と、スプロケット用可動放射状溝19aが形成された可動ディスク19と、相対回転駆動機構30(図1,図7及び図8参照)とから構成されている。
このように、それぞれの移動機構40A,40A´,40B,40B´の構成は、各移動対象の支持軸が異なるだけで、その他の構成は同様である。
図5(a)及び図6(a)は、放射状溝11a,11b,11c,11a´,11b´,11c´,19aにおけるピニオンスプロケット21,22,23(図1及び図2等参照)の支持軸21a,22a,23aと放射状溝12,12´,19bにおけるロッド支持軸29aとが回転軸1の軸心C1から最も近い位置に位置するものを示す。
なお、入力側の移動機構40A,40Bが接円半径を拡径させるときには、チェーン6の弛緩や緊張が生じないように出力側の移動機構40A´,40B´が接円半径を縮径させる。
次に、図1及び図7を参照して、機械式自転駆動機構50を説明する。ここでは、機械式自転駆動機構50がピニオンスプロケット20を挟んで対称に構成されるため、一側(図1の上方側)の構成に着目して説明する。
機械式自転駆動機構50は、上記したように、自転ピニオンスプロケット22,23を回転させ、チェーン6に対するピニオンスプロケット20間の位相ズレを解消するように自転ピニオンスプロケット22,23をスプロケット移動機構40A,40A´と連動して機械的に自転駆動するものである。
ただし、機械式自転駆動機構50は、径方向移動時の固定ピニオンスプロケット21を自転させない構成も有している。
図7に示すように、固定ピニオンスプロケット21の支持軸21aは、固定ディスク10のスプロケット用固定放射状溝11a,11a´に挿通されている。この支持軸21aには、案内部材59が一体的に結合されている。
また、スプロケット用固定放射状溝11a,11a´の内壁に接する案内部材59の側壁、特に案内部材59の四隅に、ベアリングを装着すれば、案内部材59のよりスムーズな摺動を確保することができる。
機械式自転駆動機構50は、自転ピニオンスプロケット22,23の支持軸22a,23aのそれぞれと一体回転するように固設されたピニオン51,52と、ピニオン51,52のそれぞれに対応して噛合するように設けられたラック53,54と、を有する。
なお、ピニオン51,52に対するラック53,54の位置関係が異なる点を除いては、第一ピニオン51と第二ピニオン52とは同様に構成され、また、第一ラック53と第二ラック54とは同様に構成されている。
次に、図1,図3及び図4を参照して、トルク応答位相調整機構100を説明する。このトルク応答位相調整機構100は、動力の伝達時に、固定ディスク10,10´及び可動ディスク19に作用するトルクが、固定ディスク10,10´に対する可動ディスク19の位相を変更し、これにより、第一交差箇所CP1を径方向外側へ変位させようとする場合には、この変位を許容する。ただし、トルク応答位相調整機構100は、固定ディスク10,10´及び可動ディスク19に作用するトルクが、固定ディスク10,10´に対する可動ディスク19の位相を変更して、これにより、第一交差箇所CP1を径方向内側へ変位させようとする場合には、この変位を規制する。
次に、チェーン6について説明する。
図9に示すように、ガイドロッド29にガイドされるチェーン6は、各ピニオンスプロケット21,22,23の歯車の列数(ここでは三列)に対応する本数が設けられている。ここでは、第一チェーン6A,第二チェーン6B及び第三チェーン6Cの三本が設けられている。
なお、チェーン6A,6B,6Cは、配設ピッチ以外は同様に構成される。
本発明の一実施形態にかかる変速機構は、上述のように構成されるため、以下のような作用及び効果を得ることができる。
この力Fと、スプロケット用固定放射状溝11a´,11b´,11c´の傾斜角θとに応じて支持軸21a,22a,23aを径方向外側に移動させる分力(拡径力)Fr(=Fsinθ)が発生する。この分力Frの大きさに応じて支持軸21a,22a,23aを径方向外側に移動させるため、駆動力F及び傾斜角θに応じてチェーン6の張力を高めることができる。
この力Fbと、スプロケット用固定放射状溝11a,11b,11cの傾斜角θとに応じて支持軸21a,22a,23aを径方向外側に移動させる力(拡径力)Fbr(=Fbsinθ)が発生し、支持軸21a,22a,23aを径方向外側に移動させる。これにより、駆動力Fb及び傾斜角θに応じてチェーン6の張力を高めることができる。
車両の後退力行時には、入力側複合スプロケット5の回転軸1から入力される後退動力は、固定ディスク10を介して支持軸21a,22a,23aに伝達され、ピニオンスプロケット21,22,23からチェーン6に伝達される。さらに、チェーン6から出力側複合スプロケット5のピニオンスプロケット21,22,23に伝達され、支持軸21a,22a,23aから固定ディスク10´を介して出力側複合スプロケット5の回転軸1に伝達される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述した一実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせてもよい。
5 複合スプロケット
6 チェーン
10,10´ 固定ディスク(第一支持部材,径方向移動用固定ディスク,自転用固定ディスク)
11a,11b,11c,11a´,11b´,11c´ スプロケット用固定放射状溝(固定ピニオンスプロケット案内溝)
12,12´ ロッド用固定放射状溝
15 第一回転部
15a 第一カム溝
16 第二回転部
16a 第二カム溝
17,17A,17B 接続部
17a 軸方向接続部
17b 径方向接続部(接続ディスク部)
17e ボルトブラケット
19 可動ディスク(第一支持部材,径方向移動用可動ディスク)
19a スプロケット用可動放射状溝
20 ピニオンスプロケット
21 固定ピニオンスプロケット
22 第一自転ピニオンスプロケット(進角側自転ピニオンスプロケット)
23 第二自転ピニオンスプロケット(遅角側自転ピニオンスプロケット)
20a,21a,22a,23a 支持軸
21c,22c,23c ピニオンスプロケット21,22,23の歯
29 ガイドロッド
30 相対回転駆動機構
31 軸方向移動機構
32 モータ
33 運動変換機構
34 フォーク支持部
35 変速用フォーク(スプロケット移動用軸方向移動部材)
35A 第一部材
35B 第二部材
40A,40A´ スプロケット移動機構
40B,40B´ ロッド移動機構
50 機械式自転駆動機構
51 第一ピニオン(進角側ピニオン)
52 第二ピニオン(遅角側ピニオン)
53 第一ラック(進角側ラック)
54 第二ラック(遅角側ラック)
90 カムローラ
100 トルク応答位相調整機構
100A,100B 付勢機構
101,102 ホルダー部
103,104 バネ
C1,C2,C3,C4 軸心
CP1 第一交差箇所
CP2 第二交差箇所
θ 傾斜角
θS,θC 径方向
Claims (5)
- 動力が入力又は出力される回転軸と、前記回転軸に対して径方向に可動に支持された複数のピニオンスプロケット及び複数のガイドロッドと、前記複数のピニオンスプロケット及び前記複数のガイドロッドを前記回転軸の軸心から等距離を維持させながら前記径方向に同期させて移動させる移動機構とを有する複合スプロケットを二組と、前記二組の複合スプロケットに巻き掛けられたチェーンとを備え、前記複数のピニオンスプロケット及び前記複数のガイドロッドの何れをも囲み且つ前記複数のピニオンスプロケット及び前記複数のガイドロッドの何れにも接する円の半径である接円半径の変更によって変速比を変更する変速機構であって、
前記移動機構は、
前記複数のピニオンスプロケット及び前記複数のガイドロッドの各支持軸が内挿される固定放射状溝が複数形成され、前記回転軸と一体回転する固定ディスクと、
前記固定放射状溝のそれぞれと交差する第一交差箇所に前記支持軸が位置する可動放射状溝が複数形成され、前記固定ディスクに対して同心に配置され且つ相対回転可能な可動ディスクと、
前記可動ディスクを前記固定ディスクに対して相対回転駆動して前記第一交差箇所を前記径方向に移動させる相対回転駆動機構と、を備え、
前記動力の伝達時に、前記ピニオンスプロケットの支持軸を介して前記固定ディスク及び可動ディスクに作用するトルクの分力が、前記両ディスクの位相を変更して前記第一交差箇所を径方向外側へ変位させることを許容するトルク応答位相調整機構を備え、
前記各複合スプロケットの前記固定ディスクに形成された前記固定放射状溝は、何れも、径方向外側に向かうに従って当該複合スプロケットの回転方向にシフトするように、径方向に対して傾斜角を有して形成された傾斜構造を有し、
前記トルク応答位相調整機構は、
前記放射状溝の傾斜構造と、
前記トルクの分力に対向する回転方向に、前記可動ディスクに対して付勢力を加える付勢機構とを有している
ことを特徴とする、変速機構。 - 前記トルク応答位相調整機構は、前記動力の伝達時に、前記ピニオンスプロケットの支持軸を介して前記固定ディスク及び可動ディスクに作用するトルクの分力が、前記両ディスクの位相を変更して前記第一交差箇所を径方向内側へ変位させることを規制する
ことを特徴とする、請求項1記載の変速機構。 - 前記二組の複合スプロケットのうち、動力が入力される入力側複合スプロケットの前記固定ディスクに形成された前記固定放射状溝の前記傾斜角は、最小径の位置で最も大きくなるように形成され、
前記二組の複合スプロケットのうち、動力が出力される出力側複合スプロケットの前記固定ディスクに形成された前記固定放射状溝の前記傾斜角は、最大径の位置で最も大きくなるように形成されている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の変速機構。 - 前記二組の複合スプロケットのうち、動力が入力される入力側複合スプロケットの前記固定ディスクに形成された前記固定放射状溝の前記傾斜角は、径方向内側に向かうに従って大きくなるように形成され、
前記二組の複合スプロケットのうち、動力が出力される出力側複合スプロケットの前記固定ディスクに形成された前記固定放射状溝の前記傾斜角は、径方向外側に向かうに従って大きくなるように形成されている
ことを特徴とする、請求項3記載の変速機構。 - 前記相対回転駆動機構は、
前記回転軸の軸方向に沿って設けられ、前記固定ディスクと一体回転する第一回転部に設けられた第一カム溝と、
前記第一カム溝と交差するとともに前記軸方向に沿って設けられ、前記可動ディスクと一体回転する第二回転部に設けられた第二カム溝と、
前記第一カム溝と前記第二カム溝とが交差する第二交差箇所に配設され、一端部が前記径方向に突出されたカムローラと、
前記カムローラの前記一端部を収容する溝部が設けられ、前記カムローラに対して前記軸方向の力を伝達する軸方向力伝達部材と、
前記軸方向力伝達部材を前記軸方向に移動させる軸方向移動機構と、を備え、
前記軸方向力伝達部材は、前記軸方向移動機構に接続された第一部材と、前記溝部が設けられる第二部材と、に分割され、
前記付勢機構は、前記第一部材と前記第二部材との間に介装されている
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に変速機構。
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