以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図3は、本発明の第一実施形態に基づく包材を示している。本実施形態の包材A1は、台材1、筒状フィルム2および接合体3を備えている。図1は、包材A1の平面図であり、図2は、図1のII−II線に沿う断面図であり、図3は、図1のIII−III線に沿う断面図である。また、図4〜図6は、包材A1を用いた包装体の製造方法を示している。図4は、包材A1に被包装体4を収容した状態を示す斜視図であり、図5は、図4のV−V線に沿う断面図であり、図6は、図4のVI−VI線に沿う断面図である。図1および図4においては、理解の便宜上、筒状フィルム2を透過体として扱い、その背後にある要素または収容された要素などが視認されうる前提で記載している。なお、本実施形態においては、図4〜図6に示すように、被包装体4は、互いに別体とされた第一被包装部41および第二被包装部42からなる。
台材1は、筒状フィルム2および接合体3を介して被包装体4を保持するものである。台材1としては、一般的な、所謂ノンコート紙と呼ばれる厚紙、普通紙、合成紙等からなる台紙の他に、表面に樹脂層が設けられた所謂コート紙、あるいは合成樹脂シートなどを採用しうる。これらは単層シート、およびこれらの2以上のシートが積層接着された積層シートなどの各種シート材を用いることができる。本実施形態においては、台材1として厚紙からなる略長矩形状の台紙を用いる場合を例として説明する。本実施形態の台材1には、店頭においてフックに掛けるための貫通孔が形成されている。
筒状フィルム2は、所謂シュリンクフィルムと称される収縮性フィルムであり、たとえば熱収縮によって被包装体4を密着状態で包装する部材である。本実施形態においては、筒状フィルム2は、両端が開口しており、被包装体4を挿入可能な筒状体である。なお、筒状フィルム2は、例えば上下両端の少なくとも一方が開口しているものであればよい。
筒状フィルム2を構成する樹脂フィルムの具体例としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系、ポリスチレン系(PS)、ならびにポリ乳酸(PLA)、ポリアミド、およびエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、ポリ塩化ビニル等のビニル系の樹脂からなるフィルムが挙げられる。また、これらの樹脂を2種以上混合した樹脂混合物を含むフィルムを用いることもできるし、2種以上のフィルムを積層した積層フィルムを用いることもできる。特に、熱収縮性であるシュリンクフィルムとしては、適切な収縮応力と高い透明性を有することから、ポリエステル系、ポリオレフィン系、およびポリスチレン系のフィルムが好ましく、ポリエステル系フィルムが特に好ましい。また、主として周方向に収縮する一軸延伸フィルムを好ましく使用できるが、軸方向にも収縮する二軸延伸フィルムであってもよい。なお、一軸延伸フィルムとは、実質的に一軸延伸されているフィルムをいい、周方向(所謂TD方向)と軸方向(所謂MD方向)との収縮率が大きく異なるフィルムのことを意味するのであって、いずれかの方向に全く収縮しない(所謂収縮率がゼロである)フィルムのみをいうものではない。具体的には、例えば、90℃、10秒(温水処理)における周方向の熱収縮率が35〜80%、軸方向の熱収縮率が−5〜10%のフィルムが挙げられる。
筒状フィルム2の厚みとしては、特に限定されないが、8〜100μmであることが好ましく、より好ましくは10〜80μm、特に好ましくは15〜60μmである。また、筒状フィルム2としては、着色された樹脂筒状フィルム、あるいは商品名やデザイン等を表示するための印刷層が形成された樹脂フィルムを用いることができる。
本実施形態においては、筒状フィルム2は、熱収縮性一軸延伸フィルムである。筒状フィルム2は、本実施形態において台材1と長手方向が一致する略長矩形状であり、長手方向両端に2つの端縁2aを有している。端縁2aは、被包装体4を挿入するための開口部分となっている。筒状フィルム2の主延伸方向Sは、2つの端縁2aが離間する方向に対して直角であり、筒状フィルム2の幅方向に沿っている。筒状フィルム2は、加熱されると主延伸方向Sに沿った熱収縮が他の方向に沿った熱収縮よりも顕著に大である性質を有する。
筒状フィルム2は、第一包装部21、第二包装部22および切断予定部23を有している。図1、図3、図4および図6に示すように、第一包装部21は、被包装体4の第一被包装部41を包装するための部分である。第二包装部22は、被包装体4の第二被包装部42を包装するための部分である。なお、筒状フィルム2は、第一包装部21および第二包装部22以外の部分を有する構成であってもよい。
切断予定部23は、第一包装部21と第二包装部22との少なくとも一部同士を区画するものであり、本実施形態においては、第一包装部21と第二包装部22との全部同士を区画している。すなわち、切断予定部23は、主延伸方向Sに沿って筒状フィルム2の全周にわたって設けられており、筒状フィルム2を第一包装部21と第二包装部22とに二分している。切断予定部23の位置は、筒状フィルム2の長手方向中央から離れており、一方の端縁2a寄りに位置している。これにより、第一包装部21に対して第二包装部22が小となっている。
また、切断予定部23は、筒状フィルム2が被包装体4を収容した状態で熱収縮することにより切断される部分である。このように熱収縮によって切断可能である切断予定部23の一例としては、たとえばミシン目線からなるものが挙げられる。ミシン目線は、複数の貫通部と複数の非貫通部とが交互に配置された構成とされる。前記貫通部の長さと前記非貫通部の長さとの比率は特に限定されないが、熱収縮時にスムーズに切断させることを意図した場合、前記貫通部の長さと前記非貫通部の長さとの比が、1:1〜7:1であることが好ましく、1.5:1〜5:1であることがより好ましい。ただし、切断予定部23は、ミシン目線に限定されず、たとえば筒状フィルム2の一部が局所的に薄肉とされた構成、あるいは局所的に屈曲させられた構成など、熱収縮により切断可能とされていればよい。
接合体3は、台材1と筒状フィルム2とを接合しており、第一接合部31および第二接合部32を有している。図1に示すように、第一接合部31は、台材1の厚さ方向視、すなわち平面視において筒状フィルム2の第一包装部21と重なっており、第一包装部21を台材1に接合している。第二接合部32は、平面視において第二包装部22と重なっており、第二包装部22を台材1に接合している。本実施形態においては、第一包装部21と第二包装部22とは、互いに離間した別体とされている。第一包装部21と第二包装部22とが離間する方向は、主延伸方向Sと交差する方向、より具体的には主延伸方向Sに対して直角である方向であり、台材1の長手方向に沿っている。図1に示すように、第一接合部31と第二接合部32とは、切断予定部23を挟んで互いに離間している。すなわち、接合体3は、平面視において切断予定部23を避けた位置に設けられている。また、筒状フィルム2の第一包装部21と第二包装部22との大小関係に対応して、第一接合部31よりも第二接合部32が小とされている。第一接合部31および第二接合部32は矩形状とされているが、これは一例であり、第一接合部31および第二接合部32の形状は種々に設定される。
なお、接合体3は、第一包装部21を台材1に接合する機能を果たす第一接合部31と第二包装部22を台材1に接合する機能を果たす第二接合部32を有することにより筒状フィルム2を台材1に接合する構成であればよく、第一接合部31と第二接合部32とが別体とされた構成に限定されず、たとえば第一接合部31と第二接合部32とを含んで全体が一体的に形成されている構成であってもよい。さらに、接合体3は、第一接合部31および第二接合部32以外にこれらとは別体とされた部分を有する構成であってもよい。
接合体3は、たとえば筒状フィルム2との接着強度が強く、被包装体4の荷重に耐えて、流通過程や陳列過程における長時間の接着状態を維持できる種々の接着剤(粘着剤を含む)によって構成することができる。このような接着剤の例示としては、エラストマー系接着剤、熱可塑性樹脂系接着剤、およびホットメルト接着剤等の感圧性接着剤や感熱性接着剤等が挙げられ、特に加熱塗工して筒状フィルム2を張り合わせた後、常温に冷却されたときに強い接着強度を発現するホットメルト接着剤が好適であり、中でも湿気反応型ホットメルト接着剤がより好適である。なお、接着強度は、接着剤の種類だけでなく、接着剤の塗布面積や各種添加物等によっても調整することができ、被支持物の重量等に応じて適宜調整できる。また、接合体3は、接着剤に代えて、所謂両面テープによって構成してもよい。
次に、包材A1を用いた包装体の製造方法の一例について、以下に説明する。なお、以下の説明においては、1つの包材A1を用いて後述する包装体B1を製造する場合を例に説明するが、たとえば、複数の包材A1を一体的に接続された包材A1の集合体を用いて、複数の包装体B1を一括して製造してもよい。
図4〜図6は、包材A1を用いた包装体の製造工程の一工程を示している。これらの図においては、包材A1の筒状フィルム2に被包装体4が収容された状態を示している。本実施形態においては、被包装体4は、互いに別体とされた第一被包装部41および第二被包装部42からなる。第一被包装部41をいずれかの端縁2aから筒状フィルム2に挿入し、第一包装部21によって第一被包装部41を収容する。また、第二被包装部42をいずれかの端縁2aから筒状フィルム2に挿入し、第二包装部22によって第二被包装部42を収容する。
なお、被包装体4は、筒状フィルム2の第一包装部21に収容される第一被包装部41および第二包装部22に収容される第二被包装部42を有する構成であればよく、第一被包装部41と第二被包装部42とが互いに別体とされた構成に限定されない。たとえば被包装体4は、第一被包装部41と第二被包装部42とを含んで全体が一体的に形成されている構成であってもよい。さらに、被包装体4は、第一被包装部41および第二被包装部42以外にこれらとは別体とされた部分を有する構成であってもよい。
本実施形態においては、第一被包装部41が複数の乾電池41aと複数の予備包装フィルム41bとからなり、第二被包装部42が複数の乾電池42aと予備包装フィルム42bとからなる構成を例として説明する。なお、理解の便宜上、図4および図7においては、予備包装フィルム41bおよび予備包装フィルム42bを省略している。乾電池41aおよび乾電池42aは、典型的には略円柱状の単三形乾電池あるいは単四形乾電池である。予備包装フィルム41bおよび予備包装フィルム42bは、包材A1に被包装体4を挿入する前に、予め所定個数の乾電池41aおよび予備包装フィルム41bを一体品として包装するものである。
本実施形態においては、2つの乾電池41aが一組として1つの予備包装フィルム41bによって包装されており、2つの乾電池42aが1組として1つの予備包装フィルム42bに包装されている。そして、第一被包装部41は、4組(8個)の乾電池41aと4つの予備包装フィルム41bとからなり、第二被包装部42は、1組(2個)の乾電池42aと1つの予備包装フィルム42bとからなる。このような形態とすることにより、筒状フィルム2に第一被包装部41および第二被包装部42を挿入する際やその後に、乾電池41aや乾電池42aが単体で意図せず転がってしまうことを防止することが可能であり、第一被包装部41および第二被包装部42を所望の位置に容易かつ正確に配置することができる。
次いで、たとえば所定温度に設定されたスチームトンネル設備や熱風トンネル設備等を用いて筒状フィルム2を熱収縮させる。これにより、図7〜図9に示すように、熱収縮した筒状フィルム2が包装フィルム2Aとなる。なお、図9においては、熱収縮する前の筒状フィルム2を想像線で示している。
図9に示すように、筒状フィルム2が熱収縮する際には、上述した主延伸方向Sに沿って主に収縮する。また、主延伸方向Sと直角である長手方向においても若干の収縮を示すことが一般的であり、この場合筒状フィルム2は長手方向にも若干収縮する。ここで、筒状フィルム2の第一包装部21は、第一接合部31によって台材1に接合されており、第二包装部22は第二接合部32によって台材1に接合されている。したがって、第一包装部21が第一接合部31をおおよその中心として収縮する挙動を示し、第二包装部22が第二接合部32をおおよその中心として収縮する挙動を示す。このため、主延伸方向Sに沿って延びる切断予定部23には、筒状フィルム2の長手方向(主延伸方向Sと直角な方向)に引っ張る力が作用し、これによって切断予定部23が切断させる。この結果、筒状フィルム2の第一包装部21であった部分が第一包装部21Aとなり、第二包装部22であった部分が第二包装部22Aとなる。第一包装部21Aは、第一被包装部41を密着状態で包み、第二包装部22Aは第二被包装部42を密着状態で包む。すなわち、筒状フィルム2が熱収縮することによって形成される包装フィルム2Aは、互いに別体として離間した第一包装部21Aおよび第二包装部22Aからなるものとして構成される。
また、筒状フィルム2の2つの端縁2aは、一方が第一包装部21Aの端縁21Aaとなり、他方が第二包装部22Aの端縁22Aaとなる。切断予定部23が切断することによって現れた2つの端縁は、一方が第一包装部21Aの端縁21Abとなり、他方が第二包装部22Aの端縁22Abとなる。筒状フィルム2における端縁2aが意図的な凹凸形状を有さないスムーズな線状であった場合、端縁21Aaおよび端縁22Aaは、顕著な凹凸形状を有さないスムーズな線状となり、収縮の具合によって全体としてたとえば楕円形状を呈する。一方、ミシン目線からなる切断予定部23が切断されることによって現れた端縁21Abおよび端縁22Abは、図7に示すように若干の凹凸を有するものとなる。端縁21Abおよび端縁22Abの全体形状は、端縁21Aaおよび端縁22Aaと同様に収縮の度合いによってたとえば楕円形状を有する。
以上の工程を経ることにより、図7〜図9に示す包装体B1が得られる。包装体B1は、台材1、包装フィルム2A、接合体3および被包装体4を備えて構成されている。包装フィルム2Aは、上述した通り互いに離間した別体である第一包装部21Aおよび第二包装部22Aからなる。接合体3は、第一接合部31および第二接合部32からなり、第一接合部31が包装フィルム2Aの第一包装部21Aを台材1に接合しており第二接合部32が第二包装部22Aを台材1に接合している。被包装体4は、互いに離間した別体である第一被包装部41および第二被包装部42を有している。第一被包装部41は、第一包装部21Aによって密着状態で包まれており、第二被包装部42は、第二包装部22Aによって密着状態で包まれている。
次に、包材A1およびこれを用いた製造方法の作用について説明する。
本実施形態によれば、図1、図7および図9に示すように、筒状フィルム2に設けられた切断予定部23が収縮過程において切断される。この切断予定部23は、平面視において接合体3を避けた位置に配置されている。このため、切断予定部23によって互いに区画されていた第一包装部21と第二包装部22とが別々の収縮挙動をとりうる。これにより、第一包装部21を第一被包装部41の形状やサイズに応じて収縮させ、第二包装部22を第二被包装部42の形状やサイズに応じて収縮させることができる。したがって、より多様な形態の被包装体4を適切に包装することができる。
接合体3を構成する第一接合部31および第二接合部32は、互いに離間した別体とされている。このため、第一接合部31によって台材1に接合された第一包装部21は、第一接合部31を中心として収縮する。この第一接合部31が平面視において第一被包装部41と重なっていれば、第一包装部21が第一被包装部41を中心としてバランスよく収縮する。また同様に、第二包装部22も第二被包装部42を中心としてバランスよく収縮する。したがって、第一包装部21Aおよび第二包装部22Aによって第一被包装部41および第二被包装部42を適切に包装することができる。また、第一接合部31および第二接合部32が主延伸方向Sと直角である方向に離間し、その間に切断予定部23が位置していることにより、切断予定部23が設けられている筒状フィルム2の部位が接合体3により阻害されることなく熱収縮することが可能であり、切断予定部23の切断が良好になされる。また、切断予定部23が切断された後に第一包装部21と第二包装部22とをバランスよく安定して収縮させることができる。
切断予定部23は、筒状フィルム2の主延伸方向Sに沿って設けられている。このため、筒状フィルム2の収縮過程において切断予定部23が切断されると、切断予定部23を挟んで区画されていた第一包装部21および第二包装部22は、主延伸方向Sに沿って顕著に収縮する。第一包装部21の収縮と第二包装部22の収縮とが、第一被包装部41および第二被包装部42の形状やサイズの相違に応じて異なる場合、互いの収縮を妨げること無く第一被包装部41および第二被包装部42に適した収縮を実現することができる。
本実施形態においては、被包装体4は、互いに離間した別体とされた第一被包装部41および第二被包装部42からなる。そして、筒状フィルム2においては、切断予定部23によって第一包装部21と第二包装部22との全部同士が区画されている。このため、筒状フィルム2の収縮過程において切断予定部23が切断されると、互いに別体となった第一包装部21および第二包装部22がそれぞれ独立に収縮し、第一被包装部41および第二被包装部42を包装する第一包装部21Aおよび第二包装部22Aとなる。このように、もともとは単純な一体の筒状であった筒状フィルム2によって、互いに離間した別体である第一被包装部41および第二被包装部42からなる被包装体4を適切に包装することができる。特に、図7〜図9に示す包装体B1においては、端縁21Aaおよび端縁22Aaと端縁21Abおよび端縁22Abとに、スムーズな線状であるか、若干の凹凸を有するかの相違は生じうるものの、包装フィルム2Aを構成する第一包装部21Aおよび第二包装部22Aによる包装状態は、筒状フィルム2に代えてもともと別体とされた2つの筒状フィルムを用いて製造した場合と比べて見映えなどの点においてほとんど遜色が無いという利点がある。
図10〜図16は、本発明の他の実施形態あるいは変形例を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
図10は、包材A1の変形例を示している。同図に示した変形例においては、筒状フィルム2が、第一包装部21、第二包装部22および第二包装部22’を有しており、また2つの切断予定部23を有している。第二包装部22’は、第一包装部21を挟んで第二包装部22とは反対側に位置している。一方の切断予定部23は、第一包装部21と第二包装部22との全部同士を区画し、他方の切断予定部23は、第一包装部21と第二包装部22’との全部同士を区画している。本変形例から理解されるように、本発明に係る包材A1は、筒状フィルム2が1つのみの第一包装部21および1つのみの第二包装部22からなるものに限定されず、複数の第一包装部21および複数の第二包装部22(第二包装部22’)を有する構成であってもよい。また、第一包装部21および第二包装部22(第二包装部22’)における「第一」および「第二」の語は理解の便宜であり、第一包装部21と第二包装部22(第二包装部22’)との主従関係などはなんら限定されない。これらの点は、以降の実施形態においても同様である。
接合体3は、第一接合部31、第二接合部32および第二接合部32’を有している。第一接合部31、第二接合部32および第二接合部32’は、互いに離間した別体とされている。第二接合部32’は、第一接合部31を挟んで第二接合部32とは反対側に位置しており、筒状フィルム2の第二包装部22’を台材1に接合している。本変形例から理解されるように、本発明に係る包材A1は、接合体3が1つのみの第一接合部31および1つのみの第二接合部32からなるものに限定されず、複数の第一接合部31および複数の第二接合部32(第二接合部32’)を有する構成であってもよい。また、第一接合部31および第二接合部32(第二接合部32’)における「第一」および「第二」の語は理解の便宜であり、第一接合部31と第二接合部32(第二接合部32’)との主従関係などはなんら限定されない。これらの点は、以降の実施形態においても同様である。
また、図10は、筒状フィルム2に被包装体4が収容された状態を示している。本変形例においては、被包装体4は、第一被包装部41、第二被包装部42および第二被包装部42’からなる。第二被包装部42’は、第一被包装部41および第二被包装部42とは別体として構成されており、図示された例においては第二被包装部42’は第二被包装部42と同一の構成とされている。第一被包装部41は第一包装部21に収容され、第二被包装部42は第二包装部22に収容され、第二被包装部42’は第二包装部22’に収容されている。本変形例から理解されるように、本発明においては、被包装体4が1つのみの第一被包装部41および1つのみの第二被包装部42からなるものに限定されず、複数の第一被包装部41および複数の第二被包装部42(第二被包装部42’)を有する構成であってもよい。また、第一被包装部41および第二被包装部42(第二被包装部42’)における「第一」および「第二」の語は理解の便宜であり、第一被包装部41と第二被包装部42(第二被包装部42’)との主従関係などはなんら限定されない。これらの点は、以降の実施形態においても同様である。
図10に示す筒状フィルム2を熱収縮させることにより、図11に示すように筒状フィルム2が包装フィルム2Aとなり、包装体B1が得られる。筒状フィルム2の熱収縮過程において、2つの切断予定部23が切断される。これにより、包装フィルム2Aは、第一包装部21A、第二包装部22Aおよび第二包装部22A’を有するものとなる。第一包装部21Aが第一被包装部41を密着状態で包み、第二包装部22Aが第二被包装部42を密着状態で包み、第二包装部22A’が第二被包装部42’を密着状態で包む。第一包装部21Aは、2つの端縁21Abを有する。2つの端縁21Abは、ミシン目線によって構成された2つの切断予定部23が切断することによって現れたものであり、上述したように若干の凹凸を有するものとなる。第二包装部22Aは、端縁22Aaおよび端縁22Abを有する。端縁22Aaはスムーズな線状であり、端縁22Abは、若干の凹凸を有する。第二包装部22A’は、端縁22Aa’と端縁22Ab’とを有する。端縁22Aa’は、端縁2aであった部分であるため、スムーズな線状である。一方、端縁22Ab’は、切断予定部23が切断されることによって現れたものであり、若干の凹凸を有するものとなる。
このような変形例によっても、より多様な形態の被包装体4を適切に包装することができる。また、2つに限らず、3つ以上の別体とされた被包装体4を、もともとは単純な一体の筒状であった筒状フィルム2を用いて、適切に包装することができる。また、第一被包装部41、第二被包装部42および第二被包装部42’を包装する第一包装部21A、第二包装部22Aおよび第二包装部22A’は、もともと別体とされた3つの筒状フィルムを用いて製造した場合と比較して見栄えなどの点においてほとんど遜色が無い。これは、第一被包装部41、第二被包装部42および第二被包装部42’に相当する要素をさらに多く含む被包装体4であっても、見映えなどを損なうこと無く適切に包装可能であることを意味する。
図12は、本発明の第二実施形態に基づく包材を示している。台材1、筒状フィルム2および接合体3のサイズや形状が被包装体4に対応して設定されているものの、本実施形態の包材A2の基本構成は、上述した包材A1と共通している。一方、本実施形態においては、被包装体4は、第一被包装部41、第二被包装部42および連結部43を有している。第一被包装部41および第二被包装部42は、図中左右に離間しており略球形状とされている。連結部43は、第一被包装部41と第二被包装部42とを互いに連結する部分であり、第一被包装部41および第二被包装部42よりも小径で、中央部分が若干太径とされた略円柱状である。このような被包装体4としては、たとえば健康増進に用いられる比較的軽量なダンベル、あるいは幼児向けの玩具などが挙げられる。筒状フィルム2に被包装体4を収容した状態においては、第一接合部31と第一被包装部41とが平面視において重なり、第二接合部32と第二被包装部42とが平面視において重なっている。
次いで、筒状フィルム2を熱収縮することにより切断予定部23が切断され、図13および図14に示す包装フィルム2Aとなり、包装体B2が得られる。包装フィルム2Aは、互いに離間した別体である第一包装部21Aおよび第二包装部22Aを有している。第一包装部21Aは、被包装体4の第一被包装部41を包んでおり、第二包装部22Aは、第二被包装部42を包んでいる。なお、本図においては、切断予定部23の切断を伴う筒状フィルム2の熱収縮によって、連結部43の略全体が包装フィルム2Aから露出する形態を示している。このような形態は、筒状フィルム2の主延伸方向Sの収縮率およびこれと直角である方向における収縮率を適宜設定することによって実現しうる。また、筒状フィルム2の収縮率によっては、連結部43のより大部分が筒状フィルム2によって覆われる場合や、第一包装部21および第二包装部22の一部が第一包装部21および第二包装部22からより大きく露出する場合が想定される。
このような実施形態によっても、より多様な形態の被包装体4を適切に包装することができる。本実施形態から理解される通り、筒状フィルム2の切断予定部23が第一包装部21と第一包装部21との全部同士を区画し、互いに別体である第一包装部21Aおよび第二包装部22Aが形成される構成であっても、被包装体4は、互いに別体とされたものに限定されず、一体的に形成された被包装体4であっても適切に包装可能であるという利点を享受できる。包装体B2においては、たとえば被包装体4がダンベルや幼児用の玩具である場合、包装フィルム2Aの第一包装部21Aおよび第二包装部22Aから露出した連結部43は手によって握られる部分に相当する。この連結部43が包装フィルム2Aから露出していることにより、購入者は、店頭において握り具合などを実際に確かめることができる。
図15は、本発明の第三実施形態に基づく包材を示している。本実施形態の包材A3は、筒状フィルム2および接合体3の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、筒状フィルム2に2つの切断予定部23が設けられているとともに、各切断予定部23は、筒状フィルム2のすべてを横断するものとはされていない。各切断予定部23は、端縁2aに交差して隣り合う辺から内方に向かって延びており、その先端は対向する辺には到達していない。また、2つの切断予定部23は、互いに対向する辺から向かい合うように延びており、互いの先端同士の間に所定の間隔をおいている。また、2つの切断予定部23は、筒状フィルム2の主延伸方向Sと直角である軸方向において互いの位置が一致している。
本実施形態においては、2つの切断予定部23を挟んで第一包装部21および第二包装部22が設定されている。すなわち、切断予定部23が、第一包装部21および第二包装部22の一部同士を区画している構成であるといえる。なお、後述する包装体B3における態様を考慮すると、2つの切断予定部23を挟んで筒状フィルム2の片側部分がすべて第一包装部21であり、もう片側の部分がすべて第二包装部22とはなっていないと捉えられるが、切断予定部23が第一包装部21と第二包装部22の少なくとも一部同士を区画している構成に含まれる態様である。
接合体3は、第一接合部31、第二接合部32および連結部33を有しており、全体として一体的に形成されている。第一接合部31および第二接合部32は、図中左右方向に離れて配置されており、連結部33はこれらの第一接合部31および第二接合部32を連結している。第一接合部31、第二接合部32および連結部33を区画する明瞭な境界は存在しないが、接合体3のうち平面視において第一被包装部41と重なる部分は、第一接合部31であると観念される。また、接合体3のうち第二被包装部42と重なる部分は、第二接合部32であると観念される。接合体3は、全体として図中左右方向に延びており、図中上下方向において2つの切断予定部23の先端の間に配置されている。このため、接合体3は、平面視において2つの切断予定部23を避けた位置に設けられているといえる。
本実施形態の被包装体4は、互いに離間した別体とされた第一被包装部41および第二被包装部42からなる。第一被包装部41および第二被包装部42のそれぞれは、たとえば図中上下方向を軸方向とする円柱形状である。第一被包装部41および第二被包装部42は互いの軸方向寸法が異なっており、第一被包装部41が第二被包装部42に対して大である。被包装体4を筒状フィルム2に収容する際には、第一被包装部41が第一包装部21の図中上下方向中央付近に配置され、第二被包装部42が第二包装部22の図中上下方向中央付近に配置される。
次いで、筒状フィルム2を熱収縮することにより2つの切断予定部23が切断され、図16に示す包装フィルム2Aとなり、包装体B3が得られる。2つの切断予定部23が切断されても筒状フィルム2は複数の別体には分離されない。このため、筒状フィルム2が熱収縮した後に得られる包装フィルム2Aは、全体として一体とされており、第一包装部21A、第二包装部22Aおよび連結部24Aを有する。第一包装部21Aは、第一被包装部41を密着状態で包んでおり、2つの切断予定部23が切断されたことによって現れた2つの端縁21Abを有する。第二包装部22Aは、第二被包装部42を包んでおり、2つの切断予定部23が切断されたことによって現れた2つの端縁22Abを有する。連結部24Aは、筒状フィルム2において2つの切断予定部23によって挟まれていた部分を含むものであり、第一包装部21Aと第二包装部22Aとを連結している。連結部24Aは、被包装体4のいずれの部分を包むことなく熱収縮した部分であるため、たとえばごく扁平な形状となる。接合体3が第一被包装部41および第二被包装部42の図中上下方向(主延伸方向S)の略中央にあたる配置とすることにより、筒状フィルム2の第一包装部21が第一被包装部41に対してバランスよく熱収縮し、第一包装部21Aが第一被包装部41に対して不当に偏ったりすることが防止される。また、第二包装部22が第二被包装部42に対してバランスよく熱収縮し、第二包装部22Aが第二被包装部42に対して不当に偏ったりすることが防止される。同様に、連結部24Aを、第一被包装部41および第二被包装部42の図中上下方向の略中央に位置させることができる。
このような実施形態によっても、より多様な形態の被包装体4を適切に包装することができる。また、本実施形態から理解される通り、第一接合部31および第二接合部32が連結部33によって連結されることにより接合体3が一体のものとして構成されていても、平面視において接合体3が切断予定部23を避けた位置に設けられていると、第一包装部21および第二包装部22のうち切断予定部23に隣接していた部分は、接合体3に拘束されること無く、高い自由度で独立して収縮することができる。このため、サイズが異なる第一被包装部41および第二被包装部42が隣接して配置されていても、第一包装部21Aおよび第二包装部22Aによってそれぞれを適切に包装することができる。また、接合体3が連結部33を有する一体のものとして構成されていることにより、包装フィルム2Aを台材1に接合する接合面積を拡大することができる。これにより、より重い被包装体を台材1によって適切に保持することができる。
本発明に係る包材およびこれを用いた包装体の製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る包材およびこれを用いた包装体の製造方法の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。