JP6260792B2 - 薄肉化されたガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物を用いてガラス基板の外周部シールを形成する工程を含む薄肉化されたガラス基板の製造方法に関する。
近年、液晶テレビや携帯電話等の表示パネルの薄型化の要求に伴い、液晶表示パネル等の表示装置についても薄型化が求められている。表示装置の薄型化には、薄いガラスを貼り合わせて表示装置を製造する方法と、表示装置を製造した後にガラス部分を物理的又は化学的に薄くする方法と、が検討されている。このようにガラスを貼り合わせたものは、ガラスパネルとも言う。このうち、薄いガラスを貼り合わせて表示装置を製造する方法では、薄いガラスを用いることによる強度不足のために、製造工程中でガラスパネルが破損する可能性が高くなると考えられている。このため、通常使用される厚みのガラスを貼り合わせてガラスパネルを製造した後にガラス表面を研削し、ガラスの厚みを薄くする方法が提案されている(特許文献1〜3)。
上述のガラス表面の研削法には、研磨等による物理的研削法とフッ酸(HF)等を用いる化学的研削法(エッチング)とがあるが、十分な強度を有するガラスの厚みの制御が容易であること、一括処理が可能であること等の理由により、フッ酸等を用いるエッチングが広く使用されている。
しかしながら、フッ酸等を用いるエッチングでは、ガラスパネルをエッチング液に浸漬すると、エッチング液がガラスパネル内部に入り込んでしまい、種々の不具合を引き起こすことがあった。そこで、このようなエッチング液の侵入を防ぐ封止剤(シール剤)が提案されている(特許文献4)。
また、ラクタム基やイミド基を有するアルカリ可溶性樹脂と、ラクトン構造を有するアクリレートモノマーとを含有する感光性樹脂組成物による方法も提案されている(特許文献5)。
特許2722798号公報 特開2004−77640号公報 特開2004−317981号公報 特開2007−314660号公報 特開2010−106048号公報
特許文献4では、エポキシ当量が400〜2500eq/gであるエポキシ樹脂とエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させて得られるオリゴマー、エチレン性不飽和基含有化合物及び光重合開始剤を含有し、ガラス基板のエッチングの際にエッチング液の侵入を防止するために使用する封止剤が提案されている。ここでは、フッ酸を用いたエッチングに対するバリア性を確保するためには、分子量が大きい高粘度の樹脂組成物を封止剤として用いる必要があった。
しかしながら、表示装置の薄型化の要求により、エッチング時間の長時間化、エッチング量の高精度化が求められるようになり、狭い隙間を有するガラスパネルに封止剤を塗布すると、従来の封止剤の粘度では、封止剤をガラスパネルの隙間に浸透させるために長い時間が必要であることに加え、封止剤の隙間への浸透性が悪く、内部に浸透しきれなかった封止剤がガラスパネルの外側で盛り上がってしまい、凸状の膨らみを築いてしまうことがあった。このため、エッチング後には上記凸状の膨らみがガラスパネルよりも厚くなってしまい、ガラスパネルが破損することがあった。そこで、低粘度で隙間への浸透性に優れる封止剤が求められることとなったが、低粘度の封止剤は分子量が低く、フッ酸バリア性が低下してしまうという欠点があった。また、特許文献5の方法は、本発明者らの検討によれば、依然としてフッ酸バリア性が十分とは言えない。
本発明は、以上の課題にかんがみてなされたものであり、優れたフッ酸バリア性と優れた浸透性とを併せ持つ樹脂組成物を用いてガラスの外周部にシールを形成する工程を含む、エッチングにより薄肉化されたガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、ポリブタジエンポリオールを原料として製造されるポリエステル樹脂及び/又はポリウレタン樹脂を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記1〜1に関する。
1.(A)成分としてポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール及び水添ポリイソプレンポリオールから選ばれるポリオール(a1)と架橋剤(a2)とを反応させて得られる樹脂を含む組成物をガラスパネル外周部に塗布して外周部シールを形成する工程と、エッチング加工して薄肉化する工程とを含むことを特徴とするエッチングにより薄肉化されたガラス基板の製造方法。
2.前記ポリオール(a1)と前記架橋剤(a2)との反応がエステル結合形成反応であることを特徴とする1に記載の基板の製造方法。
3.前記ポリオール(a1)と前記架橋剤(a2)との反応がウレタン結合形成反応であることを特徴とする1に記載の基板の製造方法。
4.前記ポリオール(a1)が、水添ポリブタジエンポリオールであることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の基板の製造方法。
5.前記(A)成分の樹脂が、更に、(メタ)アクリレート基を有してなることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の基板の製造方法。
6.前記(A)成分の樹脂が、更に、アルカリ可溶性基を有してなることを特徴とする1〜5のいずれかに記載の基板の製造方法。
7.前記組成物が、更に、(B)エチレン性不飽和単量体を含有してなることを特徴とする1〜6のいずれかに記載の基板の製造方法。
8.前記エチレン性不飽和単量体が、炭素数6以上の脂肪族又は脂環族アルキルの(メタ)アクリレートであることを特徴とする7に記載の基板の製造方法。
9.前記組成物が、更に(C)光重合開始剤を含有してなることを特徴とする1〜8のいずれかに記載の基板の製造方法。
10.前記エッチングがウエットエッチングであることを特徴とする1〜9のいずれかに記載の基板の製造方法。
11.(A)成分としてポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール及び水添ポリイソプレンポリオールから選ばれるポリオール(a1)と架橋剤(a2)とをエステル結合形成反応させてなるポリエステル樹脂を含むことを特徴とするガラス加工用樹脂組成物。
12.(A)成分としてポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール及び水添ポリイソプレンポリオールから選ばれるポリオール(a1)と架橋剤(a2)とをウレタン結合形成反応させてなるポリウレタン樹脂を含むことを特徴とするガラス加工用樹脂組成物。
ポリブタジエンポリオール(a1)と架橋剤(a2)とがエステル結合もしくはウレタン結合を形成しており、必要に応じて(メタ)アクリレート基及び/又はアルカリ可溶性基を含有している樹脂は優れたフッ酸バリア性を示し、高濃度の酸・アルカリでも腐食されない。さらに(B)エチレン性不飽和単量体を含有することで従来の樹脂組成物よりも低い粘度に調整することが可能であり、且つ、硬化した際のフッ酸バリア性も低下しないという効果を奏する。このため優れた浸透性を有し、ガラスパネル外周部に塗布した際に生じる凸状の膨らみが少ない外周部シールを作製することが可能となり、ガラスパネルを薄くした際の破損の可能性を低減することができる。
また優れた硬化性を有しているため、比較的エネルギーの弱いλ=405nmの光で開裂させた光ラジカル開始剤によっても良好に硬化させることができる。従って液晶層にダメージを与えるλ<400nmの紫外光による硬化プロセスを避けることができ、従来のシール材硬化プロセスでは必要とされていた液晶層保護用の紫外線カットフィルムを削減することができる。
本願の樹脂組成物には、さらに必要に応じてシランカップリング剤を含有させても良いが、本樹脂は従来から粘着剤として利用されており、残渣の原因となるシランカップリング剤を添加せずとも良好な密着性を発揮する。そのため従来の封止材用樹脂組成物では必須であったシランカップリング剤の含有量を低減させることができ、外周部シールに不具合が生じた場合に剥離・再塗布が容易であるという特徴を有する。
以上から本樹脂は作業性に優れた酸・アルカリ防止膜として非常に有望であり、本樹脂を外周部シールとして用いたガラスパネルのエッチングプロセスは従来と比べて作業効率を向上させることができる。
本願発明の製造方法を利用して製造された、薄肉化されたガラス基板を示す。
以下、本願記載の樹脂組成物及び本発明の該組成物を用いて形成された薄肉化ガラスパネルの製造方法について詳細に説明する。本発明に係るエッチングにより薄肉化されたガラス基板の製造方法は、上記本発明の樹脂組成物をガラスパネル外周部に塗布して外周部シールを形成する工程と、エッチング加工して薄肉化する工程とを含むことを特徴とする。
上記樹脂組成物をガラスパネル外周部に塗布する方法としては手動や、ディスペンサー等の塗布装置が挙げられる。
本発明に係る基板は上記製造方法により製造されることを特徴とし、本発明に係る電子部品は前記基板を用いることを特徴とする。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、(A)成分としてポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール及び水添ポリイソプレンポリオールから選ばれるポリオール(a1)と架橋剤(a2)とがエステル結合もしくはウレタン結合を形成しており、必要に応じて(メタ)アクリレート基及び/又はアルカリ可溶性基を含有している樹脂、及び、必要に応じて(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物及び/又は放射線ラジカル重合開始剤(C)を含有することを特徴とする。
<(A)ポリブタジエン系樹脂>
本発明で用いられる(A)成分のポリブタジエン系樹脂(以下、樹脂(A)とも言う。)は、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール及び水添ポリイソプレンポリオールから選ばれるポリオール(a1)と架橋剤(a2)との反応物であり、より具体的には架橋剤(a2)が多価カルボン酸(a2−1)及び/又は多価酸クロリド(a2−2)でありポリオール(a1)とエステル結合を形成してなるポリブタジエン系ポリエステル樹脂、及び、架橋剤(a2)がポリイソシアネート(a2−3)でありポリオール(a1)とウレタン結合を形成してなるポリブタジエン系ポリウレタン樹脂、のことを言う。また必要に応じてポリオール(a1)の一部分をハロゲン、イソシアネート基及び水酸基から選ばれる置換基を含有する(メタ)アクリレート(b)及び/又はカルボキシル基等のアルカリ可溶性基を含有するモノオール又はポリオール(c)と置き換えて、架橋剤(a2)と反応させてもよい。
該樹脂(A)を構成する各成分について以下に説明する。
<ポリオール(a1)>
本発明に用いるポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール及び水添ポリイソプレンポリオールから選ばれるポリオール(a1)としては、その分子内の不飽和結合を水添したものも含み、ポリエチレン系ポリオール、ポリプロピレン系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水添ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。前記ポリブタジエンポリオールとしては、分子中に1,4−結合型、1,2−結合型又はそれらが混在したポリブタジエン構造及び2つの水酸基を有するものが好ましく、鎖状のポリブタジエン構造の両端にそれぞれ水酸基を有するものがより好ましい。これらのポリオールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記ポリブタジエンポリオールとしては、従来公知の一般的なものが挙げられ、例えば、日本曹達株式会社のNISSO PB(Gシリーズ)、出光石油化学株式会社のPoly−Pd等の両末端に水酸基を有する液状ポリブタジエン;日本曹達株式会社のNISSO PB(GIシリーズ)、三菱化学株式会社のポリテールH、ポリテールHA等の両末端に水酸基を有する水素添加ポリブタジエン;出光石油化学株式会社製のPoly−iP等の両末端に水酸基を有する液状C5系重合体;出光石油化学株式会社製のエポール、クラレ株式会社製のTH−1、TH−2、TH−3等の両末端に水酸基を有する水素添加ポリイソプレンなどのような市販されているものを用いることができるが、これに限定されるものではない。
前記ポリオールの中でも、特に水添ポリブタジエンポリオールがフッ酸へのバリア性や膜強度の点で好ましく用いられる。
かかるポリオールの重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、その下限値は、得られる樹脂薄膜の耐酸性を向上させる観点から、好ましくは300以上、より好ましくは500以上、より一層好ましくは1000以上である。一方、その上限値は、樹脂組成物の粘度の過度の上昇を抑制し作業性を維持する観点から、好ましくは30000以下、より好ましくは15000以下、より一層好ましくは6000以下、さらに好ましくは3000以下である。
また、ヨウ素価は0〜50、好ましくは0〜20で、水酸基価は15〜400mgKOH/g、好ましくは30〜250mgKOH/gが適当である。
<多価カルボン酸(a2−1)>
本発明に用いる多価カルボン酸(a2−1)としては、特に限定されることなく、例えば芳香族系、脂肪族系、脂環式系等の多価カルボン酸が挙げられ、例えば、フタル酸、3,4−ジメチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸;こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、3,4−ジメチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸等の脂環式多価カルボン酸;等が挙げられる。
前記多価カルボン酸の中でも、特に芳香族系又は脂環式系の多価カルボン酸がフッ酸へのバリア性や膜強度の点で好ましく用いられる。
これらの多価カルボン酸は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<多価酸クロリド(a2−2)>
本発明に用いる多価酸クロリド(a2−2)としては、特に限定されることなく、例えば芳香族系、脂肪族系、脂環式系等の多価酸クロリドが挙げられ、フタル酸ジクロリド、3,4−ジメチルフタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジクロリド、テレフタル酸ジクロリド、ピロメリット酸ジクロリド、トリメリット酸ジクロリド、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸テトラクロリド、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラクロリド、等の芳香族多価酸クロリド;こはく酸ジクロリド、グルタル酸ジクロリド、アジピン酸ジクロリド、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラクロリド、マレイン酸ジクロリド、フマル酸ジクロリド、イタコン酸ジクロリド、等の脂肪族多価酸クロリド;ヘキサヒドロフタル酸ジクロリド、ヘキサヒドロテレフタル酸ジクロリド、シクロペンタンテトラカルボン酸、等の脂環式多価酸クロリド;等が挙げられる。
前記多価酸クロリドの中でも、特に芳香族系又は脂環式系の多価酸クロリドがフッ酸へのバリア性や膜強度の点で好ましく用いられる。
これらの多価酸クロリドは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<ポリイソシアネート(a2−3)>
本発明に用いるポリイソシアネート(a2−3)としては、特に限定されることなく、例えば芳香族系、脂肪族系、脂環式系等のポリイソシアネートが挙げられ、中でもトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(ジイソシアン酸メチレンジフェニルとも言う。)、水添加ジフェニルメタンジイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(ジイソシアン酸イソホロンとも言う。)、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等のジイソシアネート或いはこれらの3量体、ビューレット型ポリイソシアネート等が好適に用いられる。
該ポリイソシアネート(a2−3)の分子量は、水酸基との反応性の点から150〜700が好ましい。
これらのポリイソシアネートは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の樹脂(A)は、ポリブタジエンポリオール(a1)と架橋剤(a2)とがエステル結合もしくはウレタン結合を形成していることを特徴とする。これらは目的に応じて選択することができるが、膜強度や基板密着性の観点からはウレタン結合がより好ましい。その理由として、エステル結合と比べてウレタン結合はより水素結合が強いため、分子間や基板への親和性に優れることが挙げられる。
<樹脂(A)の製造>
樹脂(A)は、ポリオール(a1)と、多価カルボン酸(a2−1)、多価酸クロリド(a2−2)又はポリイソシアネート(a2−3)を反応させることにより得られる。エステル結合を形成したい場合は、多価カルボン酸(a2−1)又は多価酸クロリド(a2−2)と反応させればよく、ウレタン結合を形成したい場合は、ポリイソシアネート(a2−3)を反応させればよい。
反応は、好ましくは溶媒中で行なわれる。溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;酢酸エチル、プロピオン酸エチル等のカルボン酸エステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素非プロトン性極性溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄非プロトン性極性溶媒が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても、これらのうちの2種類以上を混合して用いても良い。好ましくはトルエン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
溶媒の使用量(反応濃度)は特に限定されないが、ポリオール(a1)に対し、0.1〜100質量倍の溶媒を用いてもよい。好ましくは1〜10質量倍であり、さらに好ましくは2〜5質量倍である。
反応温度は特に限定されないが、反応がウレタン結合を形成するものである場合、30〜90℃、特には40〜80℃の範囲が好ましい。
反応がエステル結合を形成するものである場合、30〜150℃、特には80〜150℃の範囲が好ましい。
反応時間は、通常、0.05ないし200時間、好ましくは0.5ないし100時間である。
また、かかる反応においては、反応を促進する目的で触媒を用いることも好ましく、かかる触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、トリメチル錫ヒドロキシド、テトラ−n−ブチル錫等の有機金属化合物、オクトエ酸亜鉛、オクトエ酸錫、ナフテン酸コバルト、塩化第1錫、塩化第2錫等の金属塩、ピリジン、トリエチルアミン、ベンジルジエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N−エチルモルホリン等のアミン系触媒等が挙げられる。
中でも、ウレタン結合を形成する場合はジブチル錫ジラウレート(以下、ジラウリン酸ジブチルすずとも言う)が好ましい。
エステル結合を形成する場合は、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンが好適である。
また本発明の樹脂(A)には放射線による硬化性を付与する目的で、(メタ)アクリレート基を導入してもよい。(メタ)アクリレート基の導入方法としては特に限定されることなく、2−クロロエチルアクリレート等のハロゲン化物、2−イソシアネートエチルアクリレート等のイソシアネート化合物、ヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有化合物から選ばれる(メタ)アクリレート(b)を、ポリオール(a1)と、多価カルボン酸(a2−1)、多価酸クロリド(a2−2)又はポリイソシアネート(a2−3)との反応時に混在させることで、樹脂(A)に導入することができる。
これらの(メタ)アクリレート化合物は、目的に応じていずれかを選択及び/又は混合して用いることができるが、原料の入手が容易なことから水酸基含有(メタ)アクリレート化合物がより好ましい。
ハロゲン基含有(メタ)アクリレートとしては、特に限定されることなく、例えば、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、2−クロロプロピル(メタ)アクリレート、2−クロロブチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチルアクリロイルホスフェート、4−クロロブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−クロロプロピルフタレート、2−クロロ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
イソシアネート基含有(メタ)アクリレートとしては、特に限定されることなく、例えば、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、2−イソシアネートプロピル(メタ)アクリレート、2−イソシアネートブチル(メタ)アクリレート、2−イソシアネートエチルアクリロイルホスフェート、4−イソシアネートブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、特に限定されることなく、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でもアルキル基の炭素数が2〜20の水酸基含有(メタ)アクリレートが粘着性、耐候性の点で有用である。
また樹脂(A)にはアルカリ水溶液による現像性及び/又は剥離性を付与する目的で、アルカリ可溶性基を導入してもよい。樹脂(A)にアルカリ可溶性基を導入する方法としては、アルカリ可溶性樹脂と混合して組成物とする方法、又は、アルカリ可溶性基を化学結合により樹脂中に導入する方法が挙げられるが、アルカリ水溶液に対する溶解性の観点からは、アルカリ可溶性基を化学結合により樹脂中に導入する方法がより好ましい。
またアルカリ可溶性基としては、カルボキシル基等の酸性基、又は、カルボン酸のt−ブチルエステル基等の酸解離性基が挙げられ、目的に応じていずれかを選択及び/又は混合して用いることができる。
本発明の樹脂(A)の製造の観点からは前記アルカリ可溶性基として、カルボキシル基等のアルカリ可溶性基を含有するモノオール又はポリオール(c)を用いることが原料の入手が容易な点から好ましい。
例えば、アルカリ可溶性基を含有するモノオール又はポリオール(c)を、ポリオール(a1)と、多価カルボン酸(a2−1)、多価酸クロリド(a2−2)又はポリイソシアネート(a2−3)との反応時に混在させることで、樹脂(A)にアルカリ可溶性基を導入することができる。
カルボキシル基含有モノオール又はポリオール(c)としては、特に限定されることなく、カルボキシル基含有モノオールとして例えば、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシブタン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシピバリン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられ、カルボキシル基含有ポリオールとして例えば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、酒石酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ジヒドロキシメチル酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、ホモゲンチジン酸等が挙げられる。
上記カルボキシル基含有モノオール又はポリオール(c)の中でも、特に12−ヒドロキシステアリン酸及び2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸が粘着力の点で好ましい。
尚、明細書中のカルボキシル基含有モノオール又はポリオール(c)の具体例として、「・・・酸」という一般的な慣用名で表現したが、これら具体例はいずれも、COOH基を1個以上有し、かつOH基を1個以上有する化合物である。
本発明の樹脂(A)に(メタ)アクリレート基及び/又はアルカリ可溶性基を導入する場合、(イ)ポリイソシアネート(a2−3)中に、ポリオール(a1)と、必要に応じてカルボキシル基含有モノオール又はポリオール(c)及び必要に応じて(メタ)アクリレート(b)を一括に仕込み反応させる方法、(ロ)ポリイソシアネート(a2−3)とポリオール(a1)と、必要に応じてカルボキシル基含有モノオール又はポリオール(c)を反応させた後、必要に応じて(メタ)アクリレート(b)を反応させる方法、(ハ)ポリイソシアネート(a2−3)と、必要に応じて(メタ)アクリレート(b)を反応させた後、必要に応じてカルボキシル基含有モノオール又はポリオール(c)を反応させる方法、が挙げられる。
本発明の樹脂(A)に(メタ)アクリレート基及びアルカリ可溶性基を導入する場合、例えば、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2−3)をk:k+1(モル比)(kは1以上の整数である。)の反応モル比で反応させ、イソシアネート基含有化合物[a]を得た後、該イソシアネート基含有化合物[a]にカルボキシル基含有モノオール又はポリオール(c)を1:1の反応モル比で反応させ、更に得られた反応生成物に(メタ)アクリレート(b)を1:1〜1.10の反応モル比で反応させる方法、或いは、該イソシアネート基含有化合物[a]に(メタ)アクリレート(b)を1:1の反応モル比で反応させ、更に得られた反応生成物にカルボキシル基含有モノオール又はポリオール(c)を1:1〜1.10の反応モル比で反応させる方法が好ましい。
また、上記樹脂(A)の製造において、得られる樹脂(A)が高粘度となる場合は、必要に応じて反応缶にあらかじめ後述のエチレン性不飽和単量体(B)を仕込み、エチレン性不飽和単量体(B)中で各成分を反応させ樹脂(A)を製造することもできる。なお、同じ目的から、後記する溶媒中で樹脂(A)を製造することもできるが、反応終了後は樹脂(A)から溶媒を除去する必要がある。なぜならばガラスパネル間のギャップ(隙間)は2〜20μmと非常に狭いため、樹脂組成物に溶媒が含まれていると加熱しても溶媒が揮発せずに残ってしまい、フッ酸バリア性の低下を生じるからである。
かくして本発明で用いられる樹脂(A)が得られるが、本発明では樹脂(A)の重量平均分子量が5,000〜400,000であることが好ましく、更には10,000〜200,000であることが好ましい。かかる重量平均分子量が5,000未満では塗膜の強度が不足し、200,000を越えると溶解性及び塗工性が悪くなり好ましくない。
尚、上記の重量平均分子量とは、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(昭和電工社製、「Shodex GPC system−11型」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×10、分離範囲:100〜2×10、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定される。
また、樹脂(A)のガラス転移温度〔TMA(熱機械的分析)法により測定〕としては特に制限は無く、使用方法に合わせて選択することができる。すなわちガラス転移温度が0℃以上だと外周部シール表面にタック性がでず作業性の面から好ましい。ガラス転移温度が0℃以下だと密着力がさらに良好な一方で外周部シール表面にタック性がでてしまうが、ガラスパネルの外側で盛り上がってしまったシールを引裂きなどの物理的な方法により剥離することで、ガラスパネルに浸透したシールのみ残すことができ、作業性を低下させないことが可能である。
更に、本発明では、樹脂(A)1分子中のエチレン性不飽和基数が1〜3個であることが好ましく、3個を越えると活性エネルギー線照射による硬化被膜の接着性が低下することとなり、またフッ酸バリア性も低下することとなるので好ましくない。
なおこのようにして製造された樹脂(A)は市販されているものを用いることも可能であり、市販品としては例えば、クラレ株式会社製のUC−203や、日本合成化学社製のUV−3610ID80,UV−3630ID80、などが挙げられる。
<(B)エチレン性不飽和単量体>
本発明では、粘着特性及び塗工性の改善を目的として、更にエチレン性不飽和単量体(B)、すなわち、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を含有することができる。かかるエチレン性不飽和単量体(B)としては、特に限定されず、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でも接着性の点から単官能(メタ)アクリレートが有効であり、特には炭素数6以上の脂肪族又は脂環族アルキルの(メタ)アクリレートが好ましい。
炭素数6以上の脂肪族又は脂環族アルキルの(メタ)アクリレートとしては、例えばヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でもイソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
炭素数6以上の脂肪族又は脂環族アルキルの(メタ)アクリレート以外の単官能(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(n=2)(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(n=2.5)(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、フルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、水酸基を含有しない単官能(メタ)アクリレートが好ましく、更には、分子量が100〜300程度の該アクリレートが好ましい。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和単量体(B)は、単独で用いても又は2種以上併用して用いてもよい。
また本発明において、上記樹脂(A)とエチレン性不飽和単量体(B)の含有量については、(A):(B)が10:90〜95:5(質量比)であることが好ましく、更には50:50〜80:20(質量比)であることが好ましい。樹脂(A)の含有量が上記範囲未満では接着力が悪くなり、一方上記範囲を越えると塗工性が悪くなり、実用上問題が起こり好ましくない。
<(C)光重合開始剤(放射線ラジカル重合開始剤)>
本発明で用いられる放射線ラジカル重合開始剤(C)としては、例えば、ジアセチルなどのα−ジケトン類;ベンゾインなどのアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのアシロインエーテル類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−アセトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、1−[2−メチル−4−メチルチオフェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、α,α−ジメトキシ−α−モルホリノ−メチルチオフェニルアセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのアセトフェノン類;アントラキノン、1,4−ナフトキノンなどのキノン類;フェナシルクロライド、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロゲン化合物;[1,2’−ビスイミダゾール]−3,3’,4,4’−テトラフェニル、[1,2’−ビスイミダゾール]−1,2’−ジクロロフェニル−3,3’,4,4’−テトラフェニルなどのビスイミダゾール類、ジ−tert−ブチルパ−オキサイドなどの過酸化物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド類などが挙げられる。
市販品としては、Irgacure184、369、819、651、500、907、CGI369、CG24−61、OXE01、OXE02、ルシリンLR8728、ルシリンTPO、ダロキュア1116、1173(以上、BASF(株)製)、ユベクリルP36(UCB(株)製)などの商品名で市販されているものを挙げることができる。
上記の中ではλ=405nmの照射光での硬化性から、Irgacure369(商品名)、Irgacure819(商品名)、Irgacure784(商品名)、及びそれらとダロキュア1173(商品名)との併用、ルシリンTPO(商品名)、IrgacureOXE01(商品名)、IrgacureOXE02(商品名)が好ましい。
上記放射線ラジカル重合開始剤(C)は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記放射線ラジカル重合開始剤(C)は、上記樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは1〜30質量部、特に好ましくは2〜30質量部の量で用いることができる。放射線ラジカル重合開始剤(C)の使用量が前記範囲より少ないと、酸素によるラジカルの失活の影響(感度の低下)を受けやすく、前記範囲よりも多いと、相溶性が悪くなったり、保存安定性が低下したりする傾向がある。
本発明の組成物では、必要に応じてメルカプトベンゾチオアゾール、メルカプトベンゾオキサゾールのような水素供与性を有する化合物や、放射線増感剤を上記放射線ラジカル重合開始剤(C)と併用することもできる。
<他の成分>
本発明の樹脂組成物は、上述した樹脂(A)、及び、必要に応じて少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(B)及び/又は放射線ラジカル重合開始剤(C)の他に、必要に応じて、界面活性剤(D)、シランカップリング剤(E)、着色剤(F)、熱重合禁止剤(G)、酸無水物(H)等の他の成分を含有してもよい。
<(D)界面活性剤>
本発明の樹脂組成物には、塗布性、消泡性、レベリング性などを向上させる目的で界面活性剤(D)を配合することもできる。このような界面活性剤としては、例えば、BM−1000、BM−1100(以上、BM ケミー社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(以上、旭硝子(株)製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(以上、東レダウコーニングシリコーン(株)製)などの商品名で市販されているフッ素系界面活性剤を使用することができる。
上記界面活性剤(D)の配合量は、上記樹脂(A)100質量部に対して好ましくは5質量部以下である。
<(E)シランカップリング剤>
本発明の樹脂組成物には、密着性を向上させる目的でシランカップリング剤(E)を添加することができる。このようなシランカップリング剤としては、トリアルコキシシリル基を有するものが好ましく、例えば、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどを挙げることができる。
上記シランカップリング剤(E)は1種単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよく、使用量は上記樹脂(A)100質量部に対して好ましくは5質量部以下である。
<(F)着色剤>
本発明の樹脂組成物には、さらに着色剤(F)を添加することでガラスパネルに塗布した際の塗布部分及びガラスパネル内部への浸透量を目視確認することを容易にすることができる。このような着色剤としては、特に限定されないが、溶剤を用いることなく本発明に係る樹脂組成物に溶解し、経時退色がなく、放射線ラジカル重合開始剤(C)の吸収波長と重複しないものが好ましい。
中でも有機染料が好ましい。有機染料は、一種単独で使用してもよいし、必要に応じて、二種以上を併用してもよい。
有機染料は、本発明に係る樹脂組成物に添加した状態で最大吸光度の波長が、450〜750nmにあることが好ましく、600〜750nmの範囲であるとより好ましい。このような有機染料として、オイルイエロー#101、オイルイエロー#130、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブルー#613、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上、オリエント化学工業株式会社製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI(カラーインデックス番号)42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等が挙げられる。
有機染料は、樹脂組成物中に公知の方法で適宜溶解することができる。このような方法としては、ディゾルバー等の高速撹拌機による方法等が挙げられる。
有機染料の添加量は、樹脂組成物を使用する環境(条件・用途)により適宜調整すればよく、樹脂組成物全体の0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%がより好ましい。
<(G)熱重合禁止剤>
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて(G)成分として熱重合禁止剤を添加することができる。このような熱重合禁止剤としては、例えば、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール)、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4’’−エチリデントリス(2−メチルフェノール)、4,4’,4’’−エチリデントリスフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパンなどを挙げることができる。
上記熱重合禁止剤の使用量は、上記樹脂(A)100質量部に対して好ましくは5質量部以下である。
<(H)酸又は酸無水物>
本発明の樹脂組成物には、アルカリ剥離液に対する溶解性の微調整を行うために、例えば、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸、安息香酸、けい皮酸などのモノカルボン酸;乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシけい皮酸、3−ヒドロキシけい皮酸、4−ヒドロキシけい皮酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、シリンギン酸などのヒドロキシモノカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、1,2,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸;無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス無水トリメリテート、グリセリントリス無水トリメリテートなどの酸無水物を添加してもよい。
<樹脂組成物の調製>
本発明の樹脂組成物を調製するには、上記成分(A)、必要に応じて(B)及び/又は(C)、ならびに必要に応じて上記成分(D)、(E)、(F)、(G)、(H)やその他の成分を公知の方法で混合して攪拌する。例えば、攪拌羽根を有するSUS製調製タンクに各原料を必要量投入し、室温下において均一になるまで攪拌する。また必要に応じて、さらにメッシュ、メンブレンフィルターなどを用いて得られた組成物をろ過してもよい。
こうして得られた樹脂組成物は、0.5〜3.0Pa・sの粘度を有することが好ましく、0.7〜2.0Pa・sの粘度を有することがより好ましく、1.0〜1.8Pa・sの粘度を有することが特に好ましい。この範囲の粘度を有することにより、ガラスパネル内部への浸透性が向上し、エッチング後のガラスパネルの破損を防止することができる。また、ガラスパネル間のギャップ(隙間)の大きさにもよるが、0.5Pa・s以上の粘度とすることで、樹脂組成物の塗布性を良好に保持し、ガラスパネルを十分に封止でき、3.0Pa・s以下とすることで、ガラスパネル内部への浸透性を良好に保ち、かつエッチング後にガラスパネルが破損することも防ぐことができる。樹脂組成物の粘度は、樹脂(A)の分子量や、エチレン性不飽和単量体(B)との混合比率により制御される。また本発明の効果を損なわない範囲で、低粘度化のために有機溶媒を含有してもよい。
以上説明した本発明の樹脂組成物は、フッ酸バリア性と浸透性に優れる。とりわけ、エチレン性不飽和基を有する樹脂を用いることで光によって硬化できることから(すなわち、感光性樹脂組成物とすることができることから)、本発明の樹脂組成物は、ガラスを加工する際に用いるのに適している。
<薄肉化されたガラスパネルの製造方法>
本発明の薄肉化されたガラスパネルの製造方法は、上述した本発明の樹脂組成物を、ガラスパネル外周部に塗布して外周部シールを形成する工程と、フッ酸などのエッチング液を用いてエッチング加工して薄肉化する工程とを含む。以下、本発明の薄肉化されたガラスパネルの製造方法について、各工程ごとに詳しく説明する。
[ガラスパネルの封止方法(ガラスパネル外周部に樹脂組成物を塗布して外周部シールを形成する工程)]
本発明に係る樹脂組成物の封止剤としての適用例を以下に示す。
厚さ0.5〜1.0mmのガラス板2枚を、2〜20μmの隙間ができるように貼り合わせ、外周部分に樹脂組成物を手動又はディスペンサー等の塗布装置を用いて塗布する。このとき、樹脂組成物の浸透量は、外周部から1〜10mmとなることが好ましい。
次いで、塗布した樹脂組成物をベーク処理して塗膜から溶媒を除去することで外周部シール材を形成することができる。また樹脂組成物に(メタ)アクリレート基が含まれている場合は、さらに紫外線、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線を照射して露光し、硬化させる。照射するエネルギー線量は、樹脂組成物の組成によっても異なるが、例えば200〜5000mJ/cmが好ましい。また照射光の波長はλ<400nmではガラスパネルの液晶層がダメージを受けるので、λ>400nmの光、例えばλ=405nmのLEDランプからの放射光を照射して硬化させることが好ましい。またポストベーク(硬化後のベーク処理)により樹脂とガラスパネルとの密着性をより向上させることができる。
[ガラスパネルのエッチング(ウエットエッチング加工して薄肉化する工程)]
次いで、ガラスパネルに対し、フッ酸やフッ化アンモニウム等のフッ酸系エッチング液を用いて20〜80℃で30〜200分、浸漬又はシャワーによるエッチングを行う。このエッチングにより、貼り合わせたガラス板の全体の厚みが0.2〜1.0mmに減少する。
従来の樹脂組成物を用いて封止処理を行う場合には、樹脂組成物の粘度が高い(例えば、6.0Pa・s程度)ため、内部に浸透しきれなかった樹脂組成物がガラスパネルの外側で盛り上がってしまい、凸状の膨らみを築いてしまう。このため、エッチング後には上記凸状の膨らみがガラスパネルよりも厚くなってしまい、ガラスパネルが破損する可能性が高い。
しかしながら、本発明に係る樹脂組成物は粘度が低いため浸透性が高く、凸状の膨らみを生じにくい。したがって、ガラスパネルを破損する可能性を大いに低減することができる。さらに、特定のモノマー(B)を含有させた場合は、フッ酸バリア性及び密着性を維持したまま粘度を調整することもできる。
さらには本樹脂には残渣の原因となるシランカップリング剤を添加せずとも良好な密着性を発揮するため、従来の封止材用樹脂組成物では必須であったシランカップリング剤の含有量を低減させることができ、外周部シールに不具合が生じた場合に剥離・再塗布が容易であるという特徴を有する。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[合成例1]
・ポリブタジエン系ポリウレタン樹脂[A−1]
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、両末端水酸基水素化ポリブタジエン(日本曹達社製GI−3000)100g、ジイソシアン酸イソホロン7g、シクロヘキサノン(溶媒)200g、ジラウリン酸ジブチルすず(触媒)0.002gを仕込み、70℃で一晩反応させて水添ポリブタジエン系ポリウレタン樹脂[A−1]〔重量平均分子量79,000〕を樹脂溶液として得た。
[合成例2]〜[合成例5]
各化合物の量を表1に記載の組成に変更した以外は合成例1と同様にして、樹脂[A−2]〜[A−5]をそれぞれ合成した。
・アルカリ可溶性基導入ポリブタジエン系ポリウレタン樹脂[A−6]
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、両末端水酸基水素化ポリブタジエン(日本曹達社製GI−3000)100g、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸2.7g、ジイソシアン酸イソホロン18.4g、シクロヘキサノン(溶媒)200g、ジラウリン酸ジブチルすず(触媒)0.005gを仕込み、70℃で3時間反応させて水添ポリブタジエン系ポリウレタン樹脂[A−6]〔重量平均分子量19,000〕を樹脂溶液として得た。
・ポリブタジエン系ポリエステル樹脂[A−7]
温度計、撹拌子、ディーン・スターク装置、水冷コンデンサーを備えたフラスコに、両末端水酸基水素化ポリブタジエン(日本曹達社製GI−3000)100g、テレフタロイルクロリド5.9g、トルエン(溶媒)200g、ピリジン(触媒)6.9gを仕込み、130℃で一晩反応させてポリブタジエン系ポリエステル樹脂[A−7]〔重量平均分子量49,000〕を得た。
・(メタ)アクリレート基導入ポリブタジエン系ポリウレタン樹脂[A−8]
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、両末端水酸基水素化ポリブタジエン(日本曹達社製GI−3000)100g、ジイソシアン酸イソホロン13.8g、シクロヘキサノン(溶媒)200g、ジラウリン酸ジブチルすず(触媒)0.005gを仕込み、70℃で3時間反応させた後、さらにジイソシアン酸イソホロン3.4g、アクリル酸2−ヒドロキシエチル3.6gを加えて70℃で3時間反応させて(メタ)アクリレート基導入ポリブタジエン系ポリウレタン樹脂[A−8]〔重量平均分子量17,000〕を樹脂溶液として得た。
・感光性樹脂組成物[R−1][比較例4]
特開2010−106048号公報(特許文献5)の実施例5に従って、ビスフェノールA骨格を有する変性エポキシアクリレート(EBECRYL3701、ダイセル・サイテック製)34g、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド(M140、東亜合成製)26g、α−メタクリロキシ−γ−ブチロラクトン(GBLMA,大阪有機製)36gを混合して樹脂[R−1]を得た。以下、樹脂[A−1]〜樹脂[A−8]の組成を表1に示す。
Figure 0006260792
a−1−1:両末端水酸基水素化ポリブタジエン GI−3000 (日本曹達社製)
a−1−2:両末端水酸基水素化ポリブタジエン GI−1000 (日本曹達社製)
a−1−3:水酸基末端液状ポリブタジエン R−45HT (出光興産社製)
a−2−1:ジイソシアン酸イソホロン (東京化成工業社製)
a−2−2:ヘキサメチレンジイソシアナート (東京化成工業社製)
a−2−3:4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニル (東京化成工業社製)
a−2−4:テレフタロイルクロリド (東京化成工業社製)
b−1:アクリル酸2−ヒドロキシエチル (東京化成工業社製)
c−1:2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸
<実用特性の評価>
(1)エッチング液耐性評価用基板の作製
合成例1〜8による樹脂[A−1]〜[A−8]や他の樹脂を用い、表2に示すように基板の作製を試みた。すなわち、表2に記載の実施例1〜実施例7及び比較例1では、熱酸化膜(SiO膜厚:300nm)を有するシリコン基板上にスピンコーターを用いて上述の樹脂溶液を塗布した後、ホットプレートにて120℃で10分間ベークして塗膜から溶媒を除去することで膜厚40μmの塗膜(保護膜)を形成した。比較例2〜比較例3では樹脂液に熱硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸4質量%を配合したのち、ベーク条件を220℃で5分間とした以外は実施例1と同様にして膜厚40μmの塗膜(保護膜)を形成した。実施例8〜実施例10では樹脂溶液もしくは樹脂液にエチレン性不飽和単量体(B)(樹脂(A)100質量部に対して127質量部)と光重合開始剤(C)(樹脂(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して3質量部)を混合した後、実施例1と同様にして膜厚40μmの塗膜を形成し、さらに高圧水銀灯を用いて2Jの紫外線(波長365nm換算)に露光させることで塗膜(保護膜)を硬化させた。保護膜の表面タック性を指で触って確認し、タック性が認められた場合は「あり」、認められない場合は「なし」とした。
(2)エッチング液(フッ酸溶液)耐性
上述の方法により作製した保護膜付き基板を25℃のフッ化水素酸20%水溶液に1時間浸漬後、保護膜を物理的に剥離し、保護膜に覆われていた部分の熱酸化膜の膜厚をエリプソメーター(J.A.Woollam社製M−2000)を用いて測定した。熱酸化膜の膜厚が290nm以上の場合を「◎」、200nm以上290nm未満の場合を「○」、200nm未満の場合を「×」とした。
(3)酸・アルカリ耐性
エッチング液耐性と同様にして表3に記載の酸性水溶液もしくはアルカリ性水溶液に1時間浸漬した後、水洗して乾燥させた。保護膜に膨潤・溶解・剥離などの変質が認められた場合は「×」、認められない場合は「○」とした。
(4)外周部シール付きガラスパネルの作製
厚さ1.0mmのガラス板2枚を、厚さ10μmのスペーサーを間に挟んで貼り合わせ、10μmの隙間を有するガラスパネルを作製した。このガラスパネルの外周部分に、25℃において1250mPa・sの粘度を有する本発明の樹脂組成物(実施例9)を手動にて塗布した後、高圧水銀灯を用いて2Jの紫外線(波長365nm換算)に露光させることで樹脂組成物(外周部シール)を硬化させた。さらにガラスパネル外部に盛り上がった外周部シールを手動により剥離し、外周部シール付きガラスパネルを作製した。
(5)ガラスパネルのエッチング(薄肉化)
上述の方法により作製した外周部シール付きガラスパネルを40℃のフッ化水素酸20%水溶液に1時間浸漬後、水洗して乾燥させた。側面から見たガラスパネル外周部の写真を図1に示す。
Figure 0006260792
UC−203:クラレ社製 メタクロイル変性液状イソプレンゴム
V−4221:DIC社製 ポリエステル系ポリウレタン
G−3000:日本曹達社製 両末端水酸基ポリブタジエン
R−45HT:出光興産社製 水酸基末端液状ポリブタジエン
B−1:イソデシルアクリレート (サートマー社製)
C−1:Irgacure 907 (BASF社製)
表2から次のことが言える。本発明の樹脂はシランカップリング剤を含まずとも基板密着性が良好なためエッチング後も基板に密着しており、またフッ酸のバリア性にも優れている。一方でポリブタジエン系ではないポリウレタン樹脂(比較例1)は密着性は良好なものの、フッ酸バリア性が得られない。またポリブタジエン系であってもウレタン結合やエステル結合などにより形成される水素結合がない場合はフッ酸バリア性が得られない(比較例2,3)。本発明の樹脂は軟質であるため、ベーク後も膜表面にタック性が残る場合があるが、水素結合の量によりタック性は制御することができる。すなわちウレタン結合やカルボン酸基などの水素結合を形成する部位の量を多くすると、膜が硬質になり表面タック性をなくすことができる。一方で水素結合が弱い、もしくは水素結合の量が少ない場合、フッ酸バリア性は若干ではあるが低下する(実施例7,実施例10)。なお特開2010−106048号公報では耐熱性の観点から軟化点60℃以上であることが好ましいとされているが、本発明の樹脂は40℃のエッチングプロセスでも問題は見られなかった。
また表3に示すように、本発明の保護膜は高濃度の酸性水溶液もしくはアルカリ性水溶液中でも変質することなく良好な耐性を示す。特に、濃度70%の濃硝酸中では一般的な樹脂保護膜は溶解してしまうが、本発明の保護膜は変質することなく良好な基板密着性を維持した。なお粘度を低下させる目的でエチレン性不飽和単量体(D)を含有させた保護膜(実施例9)は硝酸耐性が低下し、一時間の浸漬後では保護膜が基板から剥離したが、30分間の浸漬後では剥離などの変質は見られなかった。またフッ酸など他の酸への耐性は低下しなかった。
さらに図1に示すように本発明の保護材はガラスパネルの隙間に良好に浸透し、外部に盛り上がった部分は容易に除去することができる。40℃のエッチングプロセス後でも膨潤やエッチング液の浸み込みは見られず、エッチング液に浸漬した部分(薄肉化後の部分)と浸漬しなかった部分(初期ガラス厚の部分)とで保護材の劣化は見られなかった。
Figure 0006260792

Claims (12)

  1. (A)成分としてポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール及び水添ポリイソプレンポリオールから選ばれるポリオール(a1)と架橋剤(a2)とを反応させて得られる樹脂を含む組成物をガラスパネル外周部に塗布して外周部シールを形成する工程と、エッチング加工して薄肉化する工程とを含むことを特徴とするエッチングにより薄肉化されたガラス基板の製造方法。
  2. 前記ポリオール(a1)と前記架橋剤(a2)との反応がエステル結合形成反応であることを特徴とする請求項1に記載の基板の製造方法。
  3. 前記ポリオール(a1)と前記架橋剤(a2)との反応がウレタン結合形成反応であることを特徴とする請求項1に記載の基板の製造方法。
  4. 前記ポリオール(a1)が、水添ポリブタジエンポリオールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
  5. 前記(A)成分の樹脂が、更に、(メタ)アクリレート基を有してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
  6. 前記(A)成分の樹脂が、更に、アルカリ可溶性基を有してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
  7. 前記組成物が、更に、(B)エチレン性不飽和単量体を含有してなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
  8. 前記エチレン性不飽和単量体が、炭素数6以上の脂肪族又は脂環族アルキルの(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項7に記載の基板の製造方法。
  9. 前記組成物が、更に(C)光重合開始剤を含有してなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
  10. 前記エッチングがウエットエッチングであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の基板の製造方法。
  11. (A)成分としてポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール及び水添ポリイソプレンポリオールから選ばれるポリオール(a1)と架橋剤(a2)とをエステル結合形成反応させてなるポリエステル樹脂を含むことを特徴とするガラス加工用樹脂組成物。
  12. (A)成分としてポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール及び水添ポリイソプレンポリオールから選ばれるポリオール(a1)と架橋剤(a2)とをウレタン結合形成反応させてなるポリウレタン樹脂を含むことを特徴とするガラス加工用樹脂組成物。
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