JP6260708B2 - 表面処理亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

表面処理亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面処理亜鉛系めっき鋼板に関するものであり、特に、優れた耐黒ずみ性と撥油性とを兼ね備え、無塗装で、モーターケース等に好適に使用することができる表面処理亜鉛系めっき鋼板に関するものである。また、本発明は、前記表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法に関するものである。
亜鉛系めっき鋼板の表面に、耐食性等を向上させるために表面処理を施した表面処理亜鉛系めっき鋼板(以下、単に「鋼板」ともいう。)は、様々な分野で使用されている。例えば近年では、6価クロムを含有しない表面処理皮膜を備えたクロメートフリー表面処理亜鉛系めっき鋼板が、家電製品やOA機器の部品、自動車の電装部品等に広く用いられている。
表面処理亜鉛系めっき鋼板を用いてモーターケース等の部品を製造する場合には、無塗装で絞り加工等のプレス成形が施される。例えば、鋼板の表面に潤滑油を塗布し、順送プレス機等で1分間に100個以上の成形品を製造する連続高速プレス成形を行う場合もある。この連続高速プレス成形のような過酷なプレス環境では、鋼板と金型の摺動によって表面処理皮膜(以下、単に「皮膜」ともいう。)や亜鉛系めっき層の一部が剥離してしまうという問題があった。表面処理皮膜や亜鉛系めっき層が剥離すると、成形品における外観が損なわれることに加えて、耐食性が低下する。
また、表面処理皮膜や亜鉛系めっき層が剥離して生じた剥離片(皮膜カス)のうち極微細なものは、潤滑油中に蓄積し、以後のプレス成形品に付着する。成形品の表面に付着した剥離片は、変色して黒ずみとなるため、成形品の外観を損なう原因となる。そこで、黒ずみを防止するために、プレス成形後の最終工程で有機溶剤を用いた洗浄を行って付着した剥離片を除去していたが、洗浄しきれずに剥離片が残存する場合があり、問題となっていた。
また、近年の環境負荷軽減への関心の高まりから、従来の高粘性のプレス油に代えて速乾油を潤滑油として使用し、さらに、有機溶剤による洗浄工程を省略することが求められている。しかし、速乾油は従来のプレス油より潤滑性が低いため、速乾油を用いてプレス成形を行う場合、従来のプレス油を用いる場合に比べて黒ずみが発生しやすい。
以上のような背景から、耐黒ずみ性等の特性に優れた表面処理亜鉛系めっき鋼板の開発が進められている。
例えば、特許文献1では、水溶性ジルコニウム化合物を主体とする表面処理液を用いて無機物を主体とする皮膜を形成する技術が提案されている。前記皮膜は、プレス成形時に微粉砕されるが、有機高分子を主体とする皮膜のように粘着性をもたない。そのため、皮膜カスが成形品や金型表面へ付着しにくく、黒ずみの発生が防止される。
また、特許文献2では、リチウムシリケートを主体とする表面処理皮膜が提案されている。特許文献2においては、前記リチウムシリケートに含まれるSiO2とLiO2の比率を調整することによって、黒ずみの発生を抑制している。
ところで、各種モーターの軸受部には、多くの場合すべり軸受が採用されている。すべり軸受は、作動流体としての潤滑油が軸受部に存在する状態で使用されるものであり、軸が回転する際に前記潤滑油に油圧が発生することによって回転軸と軸受の接触・凝着が防止される。そして、この潤滑油の作用により、モーターの振動や騒音を防止することが可能となる。このすべり軸受を用いたモーターでは、モーター使用中は軸受部の温度が上昇し、潤滑油の粘性が下がるため、軸受部からモーターケース内面に潤滑油が滲み出しやすくなる。潤滑油の滲み出しにより軸受部の潤滑油が不足すると、モーターの騒音や振動の原因となり、最悪の場合モーターが故障する。
特許文献1、2に記載されているような無機成分を主体とする表面処理皮膜は、有機系の皮膜に比べて潤滑油が鋼板表面に広がりやすい性質を有しており、モーターケースに適用した場合に問題があった。そのため、以下のような改良技術が提案されている。
特許文献3では、リチウムシリケート主体の皮膜に、潤滑油をはじく性質(撥油性)の付与を目的として、ケイ酸ナトリウムを少量含有させることが提案されている。また、特許文献4では、水溶性ジルコニウム化合物主体の表面処理液中にオルガノポリシロキサン化合物を添加することにより、高温高湿潤環境下での油保持性を向上させることが提案されている。
さらに、特許文献5では、炭酸ジルコニウム化合物を含有する一方、アクリル樹脂エマルションを使用しない表面処理液が提案されている。前記表面処理液においては、ヒドロキシカルボン酸を添加することにより、得られる表面処理皮膜の密着性を高めている。また、特許文献5には、前記表面処理液にフッ素樹脂エマルションを微量含有させることにより、鋼板表面での撥油性を向上させることも記載されている。
特開2008−169470号公報 特開2010−037584号公報 特開2010−215973号公報 特開2012−026033号公報 国際公開第2014/122900号
しかし、特許文献1および4で提案されている技術においては、表面処理液がアクリル樹脂エマルションを必須成分として含有しているため、プレス時に皮膜カスが再付着しやすい。したがって、該表面処理液を用いて得られる表面処理鋼板の耐黒ずみ性は、速乾油を用いたプレスに対しては十分なレベルといえない。
また、特許文献2および3で提案されている技術では、シリケート系の表面処理皮膜が使用されているが、シリケート系皮膜と亜鉛系めっき層との密着性は高くないため、プレス成形時に高い面圧がかかると皮膜カスが発生する。そのため、黒ずみを完全に防止することはできない。
特許文献5で提案されている技術においては、耐黒ずみ性に一定の改善が見られるものの、フッ素樹脂エマルションによる撥油効果を十分に得ることは困難であった。なぜなら、撥油性を改善するためにフッ素樹脂エマルションの添加量を増やすと、皮膜が軟化してプレス成形時に剥離が生じやすくなり、耐黒ずみ性が低下してしまうからである。
以上述べたように、モーターケース等の用途において無塗装で使用される表面処理亜鉛系めっき鋼板には、プレス成形時における耐黒ずみ性に加えて、軸受部からの潤滑油の濡れ拡がりを抑えるための撥油性が求められるが、これらの特性を同時に満足する技術は現状では存在しない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、連続高速プレス成形等の過酷なしごき加工においても優れた耐黒ずみ性を示し、かつ、優れた撥油性を有する表面処理亜鉛系めっき鋼板を提供することを目的とする。また、本発明は、前記表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、同じ量のフッ素樹脂エマルションを含有する表面処理液を用いて表面処理皮膜を形成した場合であっても、皮膜表面におけるフッ素樹脂の存在状態によって皮膜の撥油性に差が生じることを知見した。以下、この点について説明する。
図1は、特許文献5に記載されている表面処理液を用いて形成した表面処理皮膜の表面を電子顕微鏡で観察したものである。前記表面処理液としては、炭酸ジルコニウムナトリウム:25質量%、リン酸:40質量%、およびフッ素樹脂粒子を含有する水溶液を使用した。前記フッ素樹脂粒子としては旭硝子社製、AG-E081(軟化点:40℃)を使用した。
また、前記電子顕微鏡としては、走査低エネルギー電子顕微鏡(SLEEM、Scanning Low Energy Electron Microscope)(FEI社製、Helios Nanolab 600i)を使用した。SLEEMでは、試料に照射される電子線のエネルギーを通常のSEMに比べて低くできるため、試料の極表層の情報のみを抽出した二次電子像(SLEEM像)を取得することができる。試料表面に入射する電子のエネルギーは低いほど表面の感度が高くなるが、低すぎると試料表面が帯電して画像ノイズの原因となるチャージアップを起こすため、本来の試料表面の情報が得られなくなる。以上を考慮して、観察時の入射電子のエネルギー(Landing Energy)は500eVとした。
図1の(a)は、撥油性が良好であった鋼板のSLEEM像であり、(b)は撥油性が不良であった鋼板のSLEEM像である。いずれの鋼板においても、SLEEM像中に、黒いコントラストとして粒子状の物質が観察された。前記粒子状の物質を、SLEEMに付設のエネルギー分散型特性X線分析装置(EDX)で分析した。その結果、フッ素(F)が検出されることから、SLEEM像中で黒いコントラストとして観察された物質は、フッ素樹脂の粒子であることがわかった。そして、(a)撥油性の良好な鋼板と(b)不良な鋼板のSLEEM像を比較すると、(a)では前記フッ素樹脂の粒子がまばらであるのに対し、(b)ではフッ素樹脂粒子が凝集した領域が随所に見られるというように、フッ素樹脂粒子の分布が異なっていた。
さらに、(a)においては、複数のフッ素樹脂粒子を内包するように、皮膜のマトリックス部分よりわずかに暗いグレーの領域が観察された。この領域を、極表面の元素分析が可能なオージェ電子分光分析装置で分析すると、わずかにFが検出された。このことと、前記領域の大きさが、表面処理液中に添加したフッ素樹脂粒子の大きさよりも明らかに大きいことから、該領域は、皮膜の乾燥時にフッ素樹脂エマルションが溶融して皮膜表面に広がったものであると推定される。一方、(b)ではそのようなフッ素樹脂粒子が溶融して形成されたグレーの領域は観察されなかった。
以上の観察結果をふまえ、フッ素樹脂エマルションを含有する表面処理液によって形成される皮膜の表面状態についてさらに検討を行った結果、本発明者らは、次の(1)〜(4)の知見を得た。
(1)同じ組成の表面処理液を用いた場合でも、製造条件によって皮膜表面におけるフッ素樹脂の存在状態に差が生じる。
(2)フッ素樹脂粒子が溶融していない状態で皮膜表面に存在する場合、皮膜の撥油性の向上効果が低く、また、該粒子の個数が多くなると耐黒ずみ性も低下する。
(3)フッ素樹脂粒子が溶融して皮膜表面に広がった状態とすることにより、皮膜の撥油性を効果的に向上させることができる。
(4)溶融フッ素樹脂領域の面積率を高くすると同時に、溶融していないフッ素樹脂粒子の個数密度を低くすることによって、優れた撥油性と耐黒ずみ性とを両立できる。
本発明は、上記知見に立脚するものであり、その要旨構成は次のとおりである。
1.亜鉛系めっき鋼板と、
前記亜鉛系めっき鋼板の表面に形成された、フッ素樹脂粒子を含有する表面処理皮膜とを有し、
前記表面処理皮膜の表面に、前記フッ素樹脂粒子が溶融して形成された溶融フッ素樹脂領域が、前記表面処理皮膜の表面に対する面積率で40%以上存在し、
前記溶融フッ素樹脂領域内部における、溶融していないフッ素樹脂粒子の個数密度が、50個/10μm2以下である、表面処理亜鉛系めっき鋼板。
2.(a)前記面積率が80%以上であるか、
(b)前記面積率が40%以上80%未満、かつ前記溶融フッ素樹脂領域の平均直径が5μm以下である、前記1に記載の表面処理亜鉛系めっき鋼板。
3.軟化点がSP(℃)であるフッ素樹脂を、全固形分に対し0.3〜3.0質量%、エマルションとして含有する表面処理液を、板温が(SP+10)℃以下である亜鉛系めっき鋼板の表面に塗布し、
前記表面処理液が塗布された亜鉛系めっき鋼板を、最高到達温度:(SP+30)℃以上まで、平均昇温速度:5〜30℃/sで加熱することを特徴とする、請求項1または2に記載の表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
本発明によれば、優れた撥油性と耐黒ずみ性を兼ね備えた表面処理亜鉛系めっき鋼板を得ることができる。該表面処理亜鉛系めっき鋼板は、無塗装で使用されるモーターケース等の用途に好適に用いることができる。
フッ素樹脂エマルションを含有する同一の表面処理液を用いて得た、(a)撥油性が良好であった鋼板と(b)撥油性が不良であった鋼板のSLEEM像である。
次に、本発明を実施する方法について具体的に説明する。なお、以下の説明は、本発明の好適な一実施態様を示すものであり、本発明は、以下の説明によって何ら限定されるものではない。
<表面処理亜鉛系めっき鋼板>
本発明における表面処理亜鉛系めっき鋼板は、亜鉛系めっき鋼板と、前記亜鉛系めっき鋼板の表面に形成された、フッ素樹脂粒子を含有する表面処理皮膜とを有している。
[亜鉛系めっき鋼板]
本発明において、ベースとなる亜鉛系めっき鋼板としては、特に制限されることなく、任意の亜鉛系めっき層を有する鋼板を使用することができる。ここで、前記亜鉛系めっき層には、亜鉛めっき層と亜鉛合金めっき層のいずれもが包含される。好適に使用できる亜鉛系めっき鋼板の例としては、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)、電気亜鉛めっき鋼板(EG)等の亜鉛めっき鋼板、Zn−Niめっき鋼板、Zn−Al−Mgめっき鋼板、Zn−Alめっき鋼板などが挙げられる。前記Zn−Al−Mgめっき鋼板としては、例えば、Zn−6質量%Al−3質量%Mg合金めっき鋼板やZn−11質量%Al−3質量%Mg合金めっき鋼板等が好適に使用できる。また、前記Zn−Alめっき鋼板としては、例えば、Zn−5質量%Al合金めっき鋼板、Zn−1.6質量%Si−55質量%Al合金めっき鋼板等が好適に使用できる。
また、前記亜鉛系めっき層は、ニッケル、コバルト、マンガン、鉄、モリブデン、タングステン、チタン、クロム、アルミニウム、シリコン、マグネシウム、鉛、アンチモン、ストロンチウム、錫、銅の1種または2種以上を含有してもよい。これらの元素は、めっき層に、添加成分として含まれていてもよいし、不純物として含まれていても良い。また、本発明における亜鉛系めっき鋼板は、同種または異種の亜鉛系めっき層を、2層以上備えていてもよい。
[表面処理皮膜]
本発明においては、上記亜鉛系めっき鋼板の表面に、フッ素樹脂粒子を含有する表面処理皮膜が形成される。前記表面処理皮膜としては、フッ素樹脂粒子を含有するものであれば任意のものを用いることができるが、環境負荷物質削減の観点からは、クロメートフリー表面処理皮膜、すなわち、6価クロムを含有しない表面処理皮膜を用いることが好ましく、6価クロム、3価クロムを含めたクロムを含有しない表面処理皮膜を用いることがより好ましい。また、耐黒ずみ性を向上させる観点からは、フッ素樹脂以外の有機樹脂を含有しない表面処理皮膜、言い換えれば、有機樹脂として、フッ素樹脂粒子のみを含有する表面処理皮膜を用いることが好ましい。そして、有機樹脂として、フッ素樹脂粒子のみを含有する、クロメートフリー表面処理皮膜を用いることがより好ましい。前記クロメートフリー表面処理皮膜としては、リン酸塩系表面処理皮膜を用いることが好ましい。
本発明においては、前記表面処理皮膜の表面に、前記フッ素樹脂粒子が溶融して形成された溶融フッ素樹脂領域が、前記表面処理皮膜の表面に対する面積率で40%以上存在し、前記溶融フッ素樹脂領域内部における、溶融していないフッ素樹脂粒子の個数密度が、50個/10μm2以下であることが重要である。以下、前記表面処理皮膜の形態の限定理由について説明する。
[[溶融フッ素樹脂領域]]
本発明においては、表面処理皮膜の表面に、フッ素樹脂粒子が溶融して形成された溶融フッ素樹脂領域が存在することが必要である。この溶融フッ素樹脂領域が存在することによって、溶融フッ素樹脂領域が存在しない、すなわち、すべてのフッ素樹脂粒子が溶融せずに粒子状のままで存在する場合に比べて、撥油性と耐黒ずみ性の両者を向上させることができる。
本発明においては、前記溶融フッ素樹脂領域の、表面処理皮膜の表面に対する面積率を40%以上とする。表面処理皮膜の撥油性は、該表面処理皮膜の表面に占める前記溶融フッ素樹脂領域の割合が高いほど高くなり、前記面積率が40%以上であれば、良好な撥油性が得られる。なお、前記面積率は、50%以上とすることが好ましい。一方、前記面積率の上限は特に限定されず、100%とすることができる。
前記溶融フッ素樹脂領域の存在は、例えば、図1に示したように、表面処理皮膜の表面をSLEEMによって観察することで確認することができる。また、前記溶融フッ素樹脂領域の面積率は、後述する方法で測定することができる。
[[溶融していないフッ素樹脂粒子]]
本発明においては、溶融フッ素樹脂領域を形成することに加えて、さらに、前記溶融フッ素樹脂領域内部における、溶融していないフッ素樹脂粒子の個数密度を制御することが重要である。前記個数密度が50個/10μm2を超えると、プレス成形時に発生する皮膜カスの量が増加するため、耐黒ずみ性が低下する。また、表面処理液のフッ素樹脂含有量が同一の場合、前記個数密度が高いほど、溶融フッ素樹脂領域が小さくなり、撥油性も低下する。したがって、本発明では、溶融フッ素樹脂領域内部における、溶融していないフッ素樹脂粒子の個数密度を50個/10μm2以下とする。なお、前記個数密度は、30個/10μm2以下とすることが好ましい。
上記溶融していないフッ素樹脂粒子は、例えば、図1に示したように、表面処理皮膜の表面をSLEEMによって観察することで確認することができる。そして、溶融していないフッ素樹脂粒子の個数密度は、後述する方法で測定することができる。
また、前記表面処理皮膜の表面に存在する、溶融していないフッ素樹脂粒子の平均直径は、200nm以下とすることが好ましい。溶融していないフッ素樹脂粒子の平均直径を200nm以下とすることにより、耐黒ずみ性をさらに向上させることができる。
さらに、本発明においては、次の(a)および(b)のいずれかの条件を満たすことが好ましい。
(a)前記溶融フッ素樹脂領域の面積率が80%以上。
(b)前記面積率が40%以上80%未満、かつ前記溶融フッ素樹脂領域の平均直径が5μm以下。
溶融フッ素樹脂領域の面積率が80%以上であれば、皮膜表面の大部分が溶融フッ素樹脂領域で占められることとなるため、撥油性と耐黒ずみ性が極めて良好となる。
また、溶融フッ素樹脂領域の面積率が40%以上80%未満の場合であっても、溶融フッ素樹脂領域の平均直径が5μm以下であれば、極めて良好な撥油性と耐黒ずみ性を得ることができる。これは、面積率が同じ場合、個々の溶融フッ素樹脂領域が大きいと、撥油される領域に粗密ができ、その結果、表面全体の撥油性が低下するためであると考えられる。個々の溶融フッ素樹脂領域を小さくし、表面全体にわたって溶融フッ素樹脂領域を分散させることにより、低い面積率であっても効果的に撥油性を向上させることができる。なお、溶融フッ素樹脂領域の平均直径の測定は、後述する実施例に記載の方法で行うことができる。
<測定方法>
本発明の一実施形態においては、表面処理皮膜表面に存在するフッ素樹脂の測定に、前述のSLEEMを用いることができる。SLEEMによる皮膜表面の観察においては、試料ステージに印加するバイアス電圧を調節して、入射電子のエネルギーを75eV以上、1000eV未満の範囲とすることが好ましい。入射電子のエネルギーが75eVより低いと、皮膜がチャージアップを起こし、本来の試料表面の情報が得られなくなる場合がある。一方、入射電子のエネルギーが1000eV以上であると、皮膜内部の情報が重畳して検出されるので、皮膜表面のみを選択的に観察することができない。SLEEM像においては、溶融していないフッ素樹脂粒子と溶融フッ素樹脂領域が、それぞれ異なるコントラストで、それ以外の領域よりも暗く観察されるので、これらを判別することができる。さらに、得られたSLEEM像に対して適切な画像処理を施すことにより、コントラストを強調してもよい。
表面処理皮膜表面に存在するフッ素樹脂の測定には、SLEEM以外の観察手段を利用することもできる。例えば、電界放射型オージェ電子分光法(FE−AES)を用い、フッ素樹脂の構成原子(炭素・フッ素など)をマッピングすることで、皮膜の最表層におけるフッ素樹脂の分布を測定できる。
[溶融フッ素樹脂領域の面積率]
表面処理皮膜の表面に対する溶融フッ素樹脂領域の面積率は、例えば、得られたSLEEM像を、画像解析用ソフトウェアを用いて解析することによって求めることができる。前記解析では、例えば、画像を二値化して溶融フッ素樹脂領域とそれ以外の領域とに分け、全体の面積に対する溶融フッ素樹脂領域の面積の比率を算出することができる。
[溶融フッ素樹脂領域の平均直径]
溶融フッ素樹脂領域の平均直径は、SLEEM像などの、表面処理皮膜表面の像から、少なくとも40個の溶融フッ素樹脂領域を任意に抽出して個々の領域の直径を測定し、その平均値として求めることができる。その際、溶融フッ素樹脂領域が楕円形の場合には、長径を直径とする。
[溶融していないフッ素樹脂粒子の個数密度]
溶融フッ素樹脂領域の内部における、溶融していないフッ素樹脂粒子の個数密度は、SLEEM像などの、表面処理皮膜表面の像から、少なくとも40個の溶融フッ素樹脂領域を任意に抽出して、該溶融フッ素樹脂領域の面積とその内部に存在する粒子の個数を計測し、単位面積当たりの平均個数を算出する。粒子の個数の計測には、画像解析用ソフトウェアを利用することができる。前記任意の40個の溶融フッ素樹脂領域は、平均直径の計測に用いたものでもよいし、別のものでもよい。
<製造方法>
次に、本発明の表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法について説明する。本発明の一実施形態における表面処理亜鉛系めっき鋼板は、次の工程を順次行うことにより製造することができる。
i)軟化点がSP(℃)であるフッ素樹脂を、全固形分に対し0.3〜3.0質量%、エマルションとして含有する表面処理液を、板温が(SP+10)℃以下である亜鉛系めっき鋼板の表面に塗布する工程。
ii)前記表面処理液が塗布された亜鉛系めっき鋼板を、最高到達温度:(SP+30)℃以上まで、平均昇温速度:5〜30℃/sで加熱する工程。
以下、使用することができる表面処理液の例と、上記各工程の詳細について説明する。
[表面処理液]
本発明は、フッ素樹脂自体が備えている撥油性という性質を利用したものであり、表面処理皮膜の表面におけるフッ素樹脂の形態を制御するものである。したがって、その作用効果はフッ素樹脂以外の皮膜成分に依存せず、フッ素樹脂エマルションを含有する表面処理液であれば、任意のものを用いて皮膜を形成することができる。
なお、環境負荷物質削減の観点からは、クロメートフリー表面処理液、すなわち、6価クロムを含有しない表面処理液を用いることが好ましく、6価クロム、3価クロムを含めたクロムを含有しない表面処理液を用いることがより好ましい。また、耐黒ずみ性を向上させる観点からは、フッ素樹脂以外の有機樹脂を含有しない表面処理液、言い換えれば、有機樹脂として、フッ素樹脂エマルションのみを含有する表面処理液を用いることが好ましい。そして、有機樹脂として、フッ素樹脂エマルションのみを含有する、クロメートフリー表面処理液を用いることがより好ましい。前記クロメートフリー表面処理液としては、リン酸塩系表面処理液を用いることがさらに好ましい。
上記フッ素樹脂としては、表面処理液中にエマルションとして存在できるものであれば任意のものを使用できる。使用できるフッ素樹脂の例としては、フッ素化アクリレートモノマーの単独重合体;フッ素化アクリレートモノマーとエチレン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等のエチレン系モノマーとの共重合体などが挙げられる。
表面処理液におけるフッ素樹脂の含有量は、表面処理液の全固形分に対し0.3〜3.0質量%とする。言い換えれば、表面処理液の全固形分に対するフッ素樹脂エマルションの固形分の割合を0.3〜3.0質量%とする。表面処理液のフッ素樹脂含有量が0.3%質量未満であると、十分な撥油性が得られない。一方、フッ素樹脂含有量が3.0質量%を超えると、撥油性は向上するものの、表面処理皮膜の表面に残存するフッ素樹脂粒子の個数が増加し、その結果、耐黒ずみ性が低下する。
上記フッ素樹脂の形態は粒子状とし、表面処理液に分散させて使用する。フッ素樹脂粒子の粒径は、特に限定されることなく、表面処理液中でエマルションとして存在できるものであれば任意の値とすることができるが、粒径が10〜200nmのものを用いることが好ましい。
上述したように、本発明においては、任意の組成の表面処理液に上記フッ素樹脂粒子のエマルションを添加したものを使用できるが、中でも以下に挙げる成分(A)〜(G)と溶媒としての水とを含むクロメートフリー表面処理液を用いることが好ましい。前記クロメートフリー表面処理液は、任意に、さらに成分(I)を含有することができる。
(A)炭酸ジルコニウム化合物、
(B)リン酸化合物、
(C)ヒドロキシカルボン酸、
(D)テトラアルコキシシラン、
(E)エポキシ基を有するシランカップリング剤、
(F)バナジウム化合物、
(G)ニッケル化合物、
(I)ワックス。
(A)炭酸ジルコニウム化合物
上記炭酸ジルコニウム化合物としては、任意のものを、1または2以上組み合わせて使用できる。なかでも、炭酸ジルコニウムの塩を用いることが好ましく、炭酸ジルコニウムのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩からなる群より選択される1または2以上を用いることがより好ましい。前記アルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
(B)リン酸化合物
上記リン酸化合物としては、表面処理液に溶解するものであれば特に制限はなく、任意のものを、1または2以上組み合わせて使用できる。前記リン酸化合物としては、例えば、リンの酸素酸、縮合リン酸、およびそれらの塩からなる群より選択される1または2以上を用いることができる。
前記リン酸化合物としては、無機リン酸化合物および有機リン酸化合物からなる群より選択される少なくとも1つを使用できる。前記無機リン酸化合物としては、例えば、リン酸、亜リン酸、および次亜リン酸等のリンの酸素酸、ピロリン酸(二リン酸)およびトリポリリン酸(三リン酸)等の縮合リン酸、ならびにそれらの塩を用いることができる。前記有機リン酸化合物としては、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、ホスフォノブタントリカルボン酸、エチレンジアミンテトラメリレンホスホン酸、メチルジホスホン酸、メチレンホスホン酸、およびエチリデンジホスホン酸等の有機ホスホン酸、ならびにそれらの塩を用いることができる。前記塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩などを用いることができる。前記アルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
前記リン酸化合物(B)のP換算の固形分質量と、前記炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量との比(B/A)は、0.3〜2.2であることが好適である。
(C)ヒドロキシカルボン酸
上記ヒドロキシカルボン酸としては、任意のものを、1または2以上組み合わせて使用できる。前記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸などが挙げられる。前記ヒドロキシカルボン酸(C)の固形分質量と、前記炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量との比(C/A)は、0.05〜0.87であることが好適である。
(D)テトラアルコキシシラン
上記テトラアルコキシシランとしては、任意のものを、1または2以上組み合わせて使用できる。前記テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等を使用することができる。前記テトラアルコキシシラン(D)の固形分質量と、前記炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量との比(D/A)は、0.11〜1.80であることが好適である。
(E)エポキシ基を有するシランカップリング剤
上記エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、1分子中にエポキシ基とアルコキシ基を有するシランカップリング剤であれば、任意のものを、1または2以上組み合わせて使用できる。前記アルコキシ基は、炭素数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルコキシ基であることがより好ましい。前記エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどが挙げられる。前記エポキシ基を有するシランカップリング剤(E)の固形分質量と、前記炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量との比(E/A)は、0.06〜0.50であることが好適である。
(F)バナジウム化合物
上記バナジウム化合物としては、任意のものを、1または2以上組み合わせて使用できる。前記バナジウム化合物としては、メタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム等のバナジウムのオキソアニオンを含む化合物や、バナジウムアセチルアセトネートが挙げられる。前記バナジウム化合物(F)のV換算の固形分質量と、前記炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量との比(F/A)は、0.02〜0.30であることが好適である。
(G)ニッケル化合物
上記ニッケル化合物としては、任意のものを、1または2以上組み合わせて使用できる。前記ニッケル化合物としては、例えば、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、塩化ニッケル、リン酸ニッケルなどのニッケル塩が挙げられる。前記ニッケル化合物(G)のNi換算の固形分質量と、前記炭酸ジルコニウム化合物(A)のZr換算の固形分質量との比(G/A)は、0.02〜0.16であることが好適である。
(I)ワックス
上記ワックスとしては、表面処理液に対して相溶性を有するものであれば、任意のものを、1または2以上組み合わせて使用できる。前記ワックスとしては、例えば、ポリオレフィンワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、ラノリン系ワックス、シリコン系ワックスなどが挙げられる。また、前記ポリオレフィンワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられ、これら1種以上を使用することができる。ワックスを使用する場合、該ワックス(I)の固形分と前記表面処理液の全固形分(X)との比(I/X)は、0.01〜0.05とすることが好ましい。
本実施形態における上記成分を含む表面処理液は、さらに溶媒としての水を含む。該表面処理液は、例えば、上記した成分を脱イオン水、蒸留水等の水中で混合することにより得ることができる。また、前記表面処理液は、任意に1または2以上の添加剤を含有することができる。前記添加剤としては、例えば、アルコール、ケトン、セロソルブ、アミン系の水溶性溶剤、消泡剤、防菌防カビ剤、着色剤、均一塗工のための濡れ性向上剤、界面活性剤等が挙げられる。前記添加剤は、表面処理皮膜の特性を損なわない範囲で、任意の量を添加することができる。
上記成分を含む表面処理液を用いる場合、該表面処理液のpHは、8〜10とすることが好ましく、8.2〜9.6とすることがより好ましい。pHが8以上であれば、表面処理液の保管安定性や、表面処理皮膜の密着性および外観を損なうことがない。また、pHが10以下であれば、亜鉛系めっき層に対するエッチングが激しくなりすぎず、平面部耐食性や表面処理皮膜の外観を損なうことがない。pH調整に用いる添加物に特に制限はなく、任意の酸やアルカリを用いることができる。前記アルカリとしては、アンモニウム、アミン、アミンの誘導体、およびアミノポリカルボン酸から選ばれる化合物を用いることが好ましく、前記酸としては上記ヒドロキシカルボン酸(C)およびリン酸化合物(B)から選択される酸を用いることが好ましい。
本発明の表面処理亜鉛系めっき鋼板は、上記フッ素樹脂エマルションを含有する表面処理液を、亜鉛系めっき鋼板の少なくとも片面に塗布し、次いで加熱することによって得ることができる。
[前処理]
亜鉛系めっき鋼板には、防錆目的で防錆油が塗られている場合が多く、また、防錆油が塗布されていない場合でも、作業中に油分や汚れ等が付着している。よって、亜鉛系めっき鋼板に表面処理液を塗布する前に、亜鉛系めっき鋼板表面に付着した油分や汚れを除去することを目的とした前処理を施すことが好ましい。上記の前処理を施すことにより、亜鉛系めっき層の表面が清浄化され、均一に処理液が濡れやすくなる。亜鉛系めっき鋼板表面に油分や汚れ等がなく、表面処理液が均一に濡れる場合は、前処理工程は特に必要はない。なお、前処理の方法は特に限定されず、例えば湯洗、溶剤洗浄、アルカリ脱脂等の方法が挙げられる。
[塗布工程]
必要に応じて上記前処理を行った後、亜鉛系めっき鋼板の表面に表面処理液を塗布する。 表面処理液を塗布する方法としては、処理される亜鉛系めっき鋼板の形状等によって適宜最適な方法を選択すればよく、ロールコート法、バーコート法、浸漬法、スプレー塗布法等、任意の方法を用いることができる。また、塗布後にエアーナイフ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一化、膜厚の均一化を行うことも可能である。
本発明においては、表面処理液中にエマルションとして含有されているフッ素樹脂の軟化点をSP(℃)としたとき、表面処理液を塗布する際の亜鉛めっき鋼板の温度(板温)を(SP+10)℃以下とすることが重要である。板温が(SP+10)℃より高いと、フッ素樹脂粒子が溶融して皮膜表面に広がる前に表面処理液が乾燥してしまうため、皮膜表面における溶融フッ素樹脂領域の面積率を高くすることができず、その結果、撥油性が低下する。
なお、エマルションとして表面処理液に添加するフッ素樹脂の軟化点は特に限定されないが、35〜50℃とすることが好ましい。軟化点の異なる2種以上のフッ素樹脂が処理液中に存在する場合には、処理液に含まれる少なくとも一つのフッ素樹脂の軟化点をSP(℃)としたときに、塗布時の板温が(SP+10)℃以下であることが好ましく、処理液に含まれるフッ素樹脂の軟化点のうち、最も低いものSP(℃)としたときに、塗布時の板温が(SP+10)℃以下であることがより好ましい。
[加熱工程]
次に、表面処理液が塗布された亜鉛系めっき鋼板を加熱することにより、表面処理液を乾燥させて皮膜を形成する。加熱を行う手段としては、ドライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉など、任意のものを用いることができる。前記加熱は、表面処理液の塗布後、5秒以内に開始することが好ましい。
上記加熱は、鋼板が、(SP+30)℃以上の温度(最高到達温度)に達するまで行う。最高到達温度が(SP+30)℃未満であると、溶融フッ素樹脂領域が形成される前に加熱が終了してしまうため、撥油性が低下するばかりか、耐黒ずみ性も低下する。なお、最高到達温度は(SP+50)℃以上とすることがより好ましい。一方、最高到達温度の上限はとくに制限はされないが、高温にしすぎた場合フッ素樹脂が酸化・分解するおそれがあるため、150℃以下とすることが好ましい。
加熱工程においては、加熱開始時から上記最高到達温度に到達するまでの平均昇温速度を、5〜30℃/sとすることが重要である。平均昇温速度が5℃/s未満であると、フッ素樹脂粒子の凝集が優勢となり、溶融していないフッ素樹脂粒子の個数密度が高くなるため、耐黒ずみ性が低下する。一方、平均昇温速度が30℃/sより高いと、フッ素樹脂エマルションが溶融して皮膜表面に広がる前に乾燥が完了してしまうため、十分な溶融フッ素樹脂領域の面積率が得られず、撥油性が低下する。なお、平均昇温速度は、10〜20℃/sとすることがより好ましい。
なお、最高到達温度に達した後は、その温度に保持することもできるが、皮膜の乾燥完了が確認できれば、加熱乾燥を停止してもよい。冷却過程の制限はとくにない。
<実施例>
次に、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例は、本発明の好適な一例を示すものであり、本発明は、該実施例によって何ら限定されるものではない。
亜鉛系めっき鋼板の表面に、様々な条件で、フッ素樹脂粒子を含有する表面処理皮膜を形成し、得られた皮膜表面におけるフッ素樹脂の状態を観察するとともに、表面処理亜鉛系めっき鋼板の耐黒ずみ性および撥油性を評価した。
前記亜鉛系めっき鋼板としては、電気亜鉛めっき鋼板(板厚:0.5mm、めっき付着量:片面辺り15g/m2)を使用した。表面処理液の塗布にはバーコーターを使用し、付着量が0.7g/m2となるように表面処理液を塗布した。塗布後の加熱には、IHヒーターを用いた。前記表面処理液としては、以下に記すものを使用し、処理液中のフッ素樹脂含有量、塗布時の板温、加熱時の平均昇温速度、最高到達温度は表1に示したとおりとした。なお、最高到達温度に到達した後は、該温度に5秒保持した後、室温まで空冷した。
使用した表面処理液の組成は以下のとおりである。表面処理液の全固形分に対するフッ素樹脂の含有量は表1に示したとおりとした。また、pH調整には必要に応じてアンモニアを使用した。
[表面処理液A]
・フッ素樹脂(旭硝子社製AG-E081、軟化点:40℃)
・炭酸ジルコニウムナトリウム:25質量%
・リン酸:40質量%
・リンゴ酸:5質量%
・アルコキシシラン、シランカップリング剤:15質量%
・水(残部)
[表面処理液B]
・フッ素樹脂(旭硝子社製AG-E081、軟化点:40℃)
・炭酸ジルコニウムナトリウム: 15質量%
・リン酸:40質量%
・リンゴ酸:5質量%
・アルコキシシラン、シランカップリング剤:30質量%
・水(残部)
[表面処理液C]
・フッ素樹脂(旭硝子社製AG-E081、軟化点:40℃)
・炭酸ジルコニウムナトリウム: 25質量%
・リン酸:55質量%
・アルコキシシラン、シランカップリング剤:5質量%
・水(残部)
<皮膜表面におけるフッ素樹脂の状態>
得られた表面処理亜鉛系めっき鋼板の皮膜表面におけるフッ素樹脂の状態を、SLEEM(FEI社製、Helios Nanolab 600i)を用いて観察した。観察時の入射電子のエネルギーは、試料による導電性の違いを考慮して75〜1000eVの間で調整した。観察倍率は5000倍とし、任意の10視野における10μm四方のSLEEM像を取得した。
得られたSLEEM像を画像処理し、コントラストに基づいて、フッ素樹脂粒子(黒色)、溶融フッ素樹脂領域(グレー)、およびそれ以外の3つを識別した。その結果に基づいて、溶融フッ素樹脂領域の面積率、該領域の平均直径、および該領域内部における、溶融していないフッ素樹脂粒子の個数密度を、上記10視野における平均値として求めた。なお、溶融フッ素樹脂領域が楕円形の場合には長軸を直径とした。また、溶融フッ素樹脂領域の面積率が80%以上である場合には、該領域同士が重なり合うなどして直径の計測が困難となることがあるため、平均直径は算出しなかった。
<耐黒ずみ性>
得られた表面処理亜鉛系めっき鋼板に対し連続高速プレス成形を施し、プレス成形後の外観に基づいて耐黒ずみ性を評価した。以下、評価方法を説明する。
各鋼板に速乾性のプレス油(日本工作油株式会社製:無洗浄プレス工作油G−6231F)を塗布した状態で、以下のプレス条件の多段絞り成形を行った。金型に付着する汚れを拭き取ることなく10サンプル連続で成形した後、10個目のサンプル表面に付着した黒ずみの程度を目視で観察し、耐黒ずみ性を評価した。
(プレス条件)
成形速度450mm/s、ブランク径φ90mm
1段目:ポンチ径Φ49mm、ポンチとダイスのクリアランス1.0mm
2段目:ポンチ径Φ39mm、ポンチとダイスのクリアランス0.8mm
3段目:ポンチ径Φ32mm、ポンチとダイスのクリアランス0.8mm
4段目:ポンチ径Φ27.5mm、ポンチとダイスのクリアランス0.8mm
5段目:ポンチ径Φ24.4mm、ポンチとダイスのクリアランス0.8mm
(評価基準)
◎ :プレス直後でも黒ずみがサンプル表面に付着していない。
○ :プレス直後は黒ずみがサンプル表面に面積率で5%以下付着しているが、時間とともに黒ずみが鋼板表面から流れてほとんど確認できなくなる。
○−:プレス直後に黒ずみがサンプル表面に面積率で5%以下付着しており、時間がたっても黒ずみが鋼板表面に残ったままである。
△ :黒ずみがサンプル表面に面積率で5%超、15%以下付着して、時間がたっても黒ずみが鋼板表面に残ったままである。
× :黒ずみがサンプル表面に面積率で15%超付着して、時間がたっても黒ずみが鋼板表面に残ったままである。
<撥油性>
得られた表面処理亜鉛系めっき鋼板の撥油性を、以下の方法で評価した。
各鋼板を85℃に加温した状態で、軸受用油(NOKクリューバー(株)製「ALL TIME J 1652」)を鋼板表面に滴下し、滴下後85℃環境下3日間静置した。前記軸受用油の動粘度は、40℃において51〜69mm2/s、100℃において11.1〜14.9mm2/sである。その後、各鋼板の表面と前記軸受用油との接触角を、固液界面解析装置(協和界面科学(株)製「Drop Master 500」)により測定した。評価基準は、以下のとおりである。
<評価基準>
◎ :接触角40°以上
○ :接触角30°以上40°未満
△ :接触角15°以上30°未満
× :接触角15°未満
Figure 0006260708
表1に示した結果から分かるように、本発明の条件を満たす表面処理亜鉛系めっき鋼板は、耐黒ずみ性と撥油性という相反する性質を、高い水準で両立できていた。これに対して、溶融フッ素樹脂領域の面積率が本発明の条件を満たさない鋼板は、撥油性に劣っていた。また、溶融フッ素樹脂領域内部における、溶融していないフッ素樹脂粒子の個数密度が本発明の条件を満たさない鋼板は、耐黒ずみ性に劣っていた。
本発明によれば、優れた撥油性と耐黒ずみ性を兼ね備えた表面処理亜鉛系めっき鋼板を得ることができる。該表面処理亜鉛系めっき鋼板は、無塗装で使用されるモーターケース等の用途に好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. 亜鉛系めっき鋼板と、
    前記亜鉛系めっき鋼板の表面に形成された、フッ素樹脂粒子を含有する表面処理皮膜とを有し、
    前記表面処理皮膜の表面に、前記フッ素樹脂粒子が溶融して形成された溶融フッ素樹脂領域が、前記表面処理皮膜の表面に対する面積率で40%以上80%未満存在し、
    前記溶融フッ素樹脂領域内部における、溶融していないフッ素樹脂粒子の個数密度が、50個/10μm2以下であり、
    前記溶融フッ素樹脂領域の平均直径が5μm以下である、表面処理亜鉛系めっき鋼板。
  2. 軟化点がSP(℃)であるフッ素樹脂を、全固形分に対し0.3〜3.0質量%、エマルションとして含有する表面処理液を、板温が(SP+10)℃以下である亜鉛系めっき鋼板の表面に塗布し、
    前記表面処理液が塗布された亜鉛系めっき鋼板を、最高到達温度:(SP+30)℃以上まで、平均昇温速度:5〜30℃/sで加熱することを特徴とする、請求項に記載の表面処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
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