JP6260202B2 - 動力伝達装置およびクラッチ駆動制御装置 - Google Patents

動力伝達装置およびクラッチ駆動制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、動力伝達装置およびクラッチ駆動制御装置に関する。
クラッチ駆動制御装置の一形式として、特許文献1に示されているものが知られている。特許文献1の図2に示されているように、クラッチ駆動制御装置においては、ECU50は、クラッチ用アクチュエータ23のロッド25の移動量であるクラッチストロークに基づきフライホイール10a及びクラッチディスク21a間で伝達されるクラッチトルクを所要の目標クラッチトルクに制御する(ステップ101)。ECU50は、クラッチディスクの温度を検出し、検出されたクラッチディスクの温度に基づきクラッチストロークを補正する(ステップ200,102,103)。さらに、クラッチ温度に対するクラッチディスク21aやロッド25、クラッチレバー22、レリーズベアリング27、ダイヤフラムスプリング28、プレッシャプレート29等の熱膨張の影響を考慮したクラッチトルク温度補正係数を採用してもよいことが開示されている(段落0034)。
特開2008−185217号公報
上述した特許文献1に記載されているクラッチ駆動制御装置においては、クラッチの温度変化が比較的緩やかな場合には、クラッチの温度に応じて好適にクラッチトルクを制御することができる。しかし、クラッチの温度変化が比較的早く一時的(瞬間的)である場合には、クラッチの温度変化に伴う変形(熱変形)に追従してクラッチトルクを補正することができないという問題があった。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、クラッチの温度変化が比較的早く一時的(瞬間的)である場合であっても、クラッチの温度変化に伴う熱変形に追従してクラッチ伝達トルクを適切に補正することができる動力伝達装置およびクラッチ駆動制御装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る動力伝達装置の発明は、車両のエンジンの駆動力を入力する入力軸と、入力軸への入力回転を複数のギヤ比で変速して出力する複数の変速段と、変速されたエンジンの駆動力を駆動輪側に出力する出力軸と、を備えている変速機と、変速機の変速段を変更する変速機駆動機構と、エンジンの出力軸と回転連結されたプレッシャプレートと、変速機の入力軸と回転連結されたクラッチディスクと、を備え、プレッシャプレートとクラッチディスクとの当接または離間をすることにより、エンジンの出力軸と変速機の入力軸との係合または解放をするクラッチと、クラッチを駆動するクラッチ駆動機構と、クラッチのストロークとクラッチの伝達トルクとの関係を示すクラッチストローク−クラッチ伝達トルク特性を記憶する記憶部と、クラッチ駆動機構に、所望のクラッチ伝達トルクに相当するクラッチストロークであるストローク指示値を指示して、クラッチ駆動機構を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、クラッチの完全解放状態から完全係合状態までの間において、プレッシャプレートとクラッチディスクとの間にて発生する摩擦エネルギーの累積エネルギーを算出する累積エネルギー算出部と、累積エネルギー算出部によって算出された累積エネルギーからプレッシャプレートの厚み方向の変形量を算出する変形量算出部と、変形量算出部によって算出された変形量をストローク補正量とし、クラッチ駆動機構に対するストローク指示値をストローク補正量により補正する補正部と、を備えたものである。
これによれば、制御装置は、クラッチの完全解放状態から完全係合状態までの間において、プレッシャプレートとクラッチディスクとの間にて発生する摩擦エネルギーの累積エネルギーを算出し(累積エネルギー算出部)、その算出された累積エネルギーからプレッシャプレートの厚み方向の変形量を算出し(変形量算出部)し、その算出された変形量をストローク補正量とし、クラッチ駆動機構に対するストローク指示値をストローク補正量により補正する(補正部)。すなわち、実際に発生したクラッチ温度の測定結果ではなく、クラッチの完全解放状態から完全係合状態までの間における累積エネルギーを算出することで、クラッチの温度変化に伴うプレッシャプレートの変形量を算出し、その変形量に追従してクラッチ伝達トルクを補正することができる。このように、クラッチの温度変化が比較的早く一時的(瞬間的)である場合であっても、クラッチの温度変化に伴う熱変形に追従してクラッチ伝達トルクを適切に補正することができる。
請求項2に係る動力伝達装置の発明は、請求項1において、エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度センサと、変速機の入力軸の回転速度を検出する入力軸回転速度センサと、をさらに備え、累積エネルギー算出部は、制御サイクル毎に、エンジン回転速度センサによって検出されたエンジン回転速度、入力軸回転速度センサによって検出された変速機入力軸回転速度、およびクラッチの伝達トルクから、摩擦エネルギーを算出し、その算出された摩擦エネルギーに基づいて累積エネルギーを算出することである。
これによれば、累積エネルギーを精度よく算出することができ、ひいては、クラッチの温度変化に伴う熱変形に追従してクラッチ伝達トルクを適切に補正することができる。
請求項3に係る動力伝達装置の発明は、請求項2において、累積エネルギー算出部は、制御サイクル毎に、エンジン回転速度センサによって検出されたエンジン回転速度、入力軸回転速度センサによって検出された変速機入力軸回転速度、およびクラッチの伝達トルクから、摩擦エネルギーを今回摩擦エネルギーとして算出し、算出した今回摩擦エネルギーと、前回算出した前回累積エネルギーとを重み付けして累積エネルギーを算出することである。
これによれば、前回算出した前回累積エネルギーに重きをおいて累積エネルギーを算出することができ、算出した今回摩擦エネルギーが不自然な変動をした場合であっても、その影響を抑制することができる。その結果、累積エネルギーを精度よく算出することができ、ひいては、クラッチの温度変化に伴う熱変形に追従してクラッチ伝達トルクを適切に補正することができる。
請求項4に係るクラッチ駆動制御装置の発明は、エンジンの出力軸と回転連結されたプレッシャプレートと、変速機の入力軸と回転連結されたクラッチディスクと、を備え、プレッシャプレートとクラッチディスクとの当接または離間をすることにより、エンジンの出力軸と変速機の入力軸との係合または解放をするクラッチと、クラッチを駆動するクラッチ駆動機構と、クラッチのストロークとクラッチの伝達トルクとの関係を示すクラッチストローク−クラッチ伝達トルク特性を記憶する記憶部と、クラッチ駆動機構に、所望のクラッチ伝達トルクに相当するクラッチストロークであるストローク指示値を指示して、クラッチ駆動機構を制御する制御装置と、を備えたクラッチ駆動装置に適用され、制御装置は、クラッチの完全解放状態から完全係合状態までの間において、プレッシャプレートとクラッチディスクとの間にて発生する摩擦エネルギーの累積エネルギーを算出する累積エネルギー算出部と、累積エネルギー算出部によって算出された累積エネルギーからプレッシャプレートの厚み方向の変形量を算出する変形量算出部と、変形量算出部によって算出された変形量をストローク補正量とし、クラッチ駆動機構に対するストローク指示値をストローク補正量により補正する補正部と、を備えたことである。
これによれば、上述した請求項1に係る発明と同様な作用・効果を得ることができる。
本発明による動力伝達装置およびクラッチ駆動制御装置を備えた車両の一実施形態の概要を示す概要図である。 図1に示すクラッチ周辺およびクラッチ駆動機構の係合状態を示す断面図である。 図1に示すクラッチ周辺およびクラッチ駆動機構の解放状態を示す断面図である。 図1に示す記憶部に記憶されているクラッチストローク−クラッチ伝達トルク特性を示す図である。 図1に示す記憶部に記憶されている累積エネルギーと変形量(ストローク補正量)との関係を示す図である。 図1に示したクラッチECUにて実行される制御プログラムのフローチャートである。 図2,3に示すプレッシャプレートの熱反りを説明するための断面図である。 本発明が適用されていない場合の作用効果を説明するためのタイムチャートである。 本発明が適用されている場合の作用効果を説明するためのタイムチャートである。 累積エネルギーと変形量との関係に相関があることを説明するための図である。
以下、本発明による動力伝達装置およびクラッチ駆動制御装置を適用した車両の一実施形態について図面を参照して説明する。図1はその車両の構成を示す概要図である。
車両Mは、図1に示すように、エンジン11、クラッチ21、クラッチ駆動機構22、変速機12、プロペラシャフト13、ディファレンシャル装置14、駆動輪(左右後輪)Wrl,Wrrおよび従動輪(操舵輪;左右前輪)Wfl,Wfrを備えている。
エンジン11は、燃料の燃焼によって作動され駆動力を発生させるものである。エンジン11の駆動力は、クラッチ21、変速機12、プロペラシャフト13、およびディファレンシャル装置14を介して駆動輪Wrl,Wrrに伝達されるように構成されている。エンジン11の吸気通路11aには、アクセルペダル15(後述する)の操作量に応じて開閉されるスロットルバルブ11bが設けられている。スロットルバルブ11bは、エンジンECU31(後述する)からの指示によりスロットル用モータ11cによって開閉される。スロットルバルブ11bの開度(以下、スロットル開度という)は、スロットル開度センサ11dによって検出されており、検出結果はエンジンECU31に出力されるようになっている。さらに、エンジン11には、回転速度センサ11eが設けられている。回転速度センサ11eは、エンジン11のクランク軸の回転速度(すなわちエンジン回転速度)を検出するものであり、その検出値をエンジンECU31に出力している。
クラッチ21は、図1に示すように、エンジン11と変速機12との間に設けられ、解放時にエンジン11と変速機12との間の動力伝達を遮断し、係合時に動力伝達が可能となるものである。クラッチ駆動機構22は、電気や油圧により作動して、クラッチ21を油圧や電動によって駆動するためのものであり、クラッチ21を係合又は解放するものである。
さらに、図2を参照してクラッチ21およびクラッチ駆動機構22について詳述する。
クラッチ21は、乾式・単板式で油圧操作タイプの摩擦クラッチである。クラッチ21は、いわゆるダイヤフラムスプリング式のクラッチである。クラッチ21(40)は、図2に示すように、クラッチディスク41、プレッシャプレート42、ダイヤフラムスプリング43、クラッチカバー44、および油圧ダイレクトシリンダ(コンセントリックスレーブシリンダ)45などにより構成されている。
プレッシャプレート42、ダイヤフラムスプリング43、およびクラッチカバー44は、一体となってエンジン11のフライホイール11gに取り付けられている。フライホイール11gは、鋳鉄などで形成されるとともに厚い円板状で慣性を維持する質量を有し、エンジン11の出力軸11fに同軸に固定されている。
フライホイール11gのエンジン11とは逆側の外周縁部には、略筒状のクラッチカバー44の外周縁部が固定されている。クラッチカバー44の内側には、フライホイール11gに隣接して略円板状のクラッチディスク41が配設されている。クラッチディスク41は、鋼板製のクラッチプレート41aとクラッチフェーシング41bとを備えている。一方、クラッチプレート41aの中央部(ボス部)は、自動変速機12の入力軸12aにスプライン結合され、クラッチディスク41は、入力軸12aと一体的に回転する。クラッチディスク41の外周縁部の両面には、摩擦材で環状に形成されたクラッチフェーシング41bがそれぞれ固着されている。
プレッシャプレート42は、クラッチディスク41に隣接して、軸線方向(入力軸12aの軸線方向)に沿って移動可能に設けられている。プレッシャプレート42は、鉄製で略環状に形成されている。プレッシャプレート42は環状円板部42aと接続部42bとを備えている。環状円板部42aはクラッチフェーシング41bと当接して摩擦する摩擦面を有している。環状円板部42aの摩擦面と反対側である背面には、接続部42bが設けられている。接続部42bは、ダイヤフラムスプリング43の外周縁部が連結されている。
ダイヤフラムスプリング43は、ばね鋼板でプレス成形して形成され、1枚の円板状をしたスプリングである。このダイヤフラムスプリング43はコイルスプリング式のレリーズレバーの作用も兼ねている。ダイヤフラムスプリング43の外周縁部と内周縁部(中央部)との間は、クラッチカバー44の取付部44aに取り付けられている。ダイヤフラムスプリング43は、取付部44aを支点に支持されている。ダイヤフラムスプリング43の外周縁部は、取付部44aを支点として、プレッシャプレート42をクラッチディスク41に向けて付勢する。ダイヤフラムスプリング43の中央部が油圧ダイレクトシリンダ45に押されると、取付部44aを支点としてダイヤフラムスプリング43が反り返る。
油圧ダイレクトシリンダ45は、環状の圧力室45aを有する環状のシリンダ45bと、シリンダ45b内を摺動する環状のピストン45cとを備えている。圧力室45aは、クラッチマスターシリンダ22b2の圧力室22b1に連通されている。
ピストン45cとダイヤフラムスプリング43との間には、それらピストン45cとダイヤフラムスプリング43との相対回転を許容しつつ相互に軸方向の力を伝達可能とするためのレリーズベアリング46が設けられている。このレリーズベアリング46は、ピストン45cからダイヤフラムスプリング43へのクラッチ操作力とダイヤフラムスプリング43からピストン45cへのスプリング反力とを相互に伝達するものである。
クラッチ駆動機構22は、油圧ダイレクトシリンダ45を操作するものであり、電動機構22a1、出力ロッド22a2、油圧機構22b、およびストロークセンサ22cなどにより構成されている。
電動機構22a1は、電動モータ、減速機構(いずれも図示省略)などから構成されており、出力ロッド22a2を軸線方向に沿って往復動させるとともに位置決め固定するものである。油圧機構22bは、圧力室22b1を有するクラッチマスターシリンダ22b2と、クラッチマスターシリンダ22b2内を摺動するピストン22b3とを備えている。ストロークセンサ22cは、クラッチ駆動機構22の作動量(出力ロッド22a2の操作量)であるクラッチストロークを検出して、クラッチECU33に出力する。
図2に示すような接続状態(完全係合状態)にあるクラッチ40において、クラッチ駆動機構22の電動機構22a1が駆動されて、出力ロッド22a2が左方(図2)に移動されると、油圧機構22bにおいては、ピストン22b3が左方に移動されて、圧力室22b1にて油圧が発生する。その発生された油圧が油圧ダイレクトシリンダ45の圧力室45aに伝達し、ピストン45cが左方に移動される。ピストン45cがレリーズベアリング46を介してダイヤフラムスプリング43の中央部を左方に押圧すると、ダイヤフラムスプリング43が取付部44aを支点として反り返る(図3参照)。それに伴って、プレッシャプレート42が、右方に駆動され、クラッチディスク41から離れる。その結果、クラッチ40は、連結解除する切断状態となる。
一方、図3に示すような切断状態(完全解放状態)にあるクラッチ40において、クラッチ駆動機構22の電動機構22a1が駆動されて、出力ロッド22a2が右方(図3)に移動されると、油圧機構22bにおいては、ピストン22b3が図示しないリターンスプリングにより右方に移動される(戻される)。よって、圧力室22b1の油圧が減少し、最終的には油圧が開放される。これにより、圧力室22b1と連通している油圧ダイレクトシリンダ45の圧力室45aの油圧も減少して最終的に開放され、ピストン45cが右方に移動される。反り返っていたダイヤフラムスプリング43の復元によって、レリーズベアリング46が右方に押されるとともに、プレッシャプレート42が左方に駆動され、クラッチディスク41に接近するようになっている。最終的に、プレッシャプレート42は、フライホイール11gとの間にクラッチディスク41を挟み込んで押圧し、フライホイール11gに対して摺動回転するクラッチディスク41のクラッチフェーシング41bの圧着荷重を変化させることができる。
変速機12は、クラッチ21とディファレンシャル装置14の間に設けられている。変速機12は、エンジン11の駆動力を入力する入力軸12aと、入力軸12aへの入力回転を複数のギヤ比で変速して出力する複数の変速段を有する変速機構12bと、変速されたエンジン11の駆動力を駆動輪側に出力する出力軸12cと、を備えている。本実施形態では、変速機12は、オートメイテッド・マニュアルトランスミッション(AMT)である。変速機12は、デュアルクラッチトランスミッション、セミオートマチックトランスミッションなど、トルコン式の自動変速機以外の自動的に変速される変速機である。
さらに、変速機12は、入力軸12aの回転速度を検出する回転速度センサ12a1(入力軸回転速度センサ)を備えている。その検出値は、エンジンECU31に出力されている。また、変速機12は、変速機構12bの変速段を変更する変速機駆動機構12dを備えている。また、変速機12の出力軸12cは、プロペラシャフト13に連結されている。
車両Mにおいては、エンジン11はエンジンECU31に電気的に接続され、変速機12は自動変速機ECU32に電気的に接続され、クラッチ駆動機構22はクラッチECU33に接続されている。エンジンECU31、自動変速機ECU32およびクラッチECU33は、CAN等により互いに通信可能に接続されている。エンジンECU31は、エンジン11を制御するECU(エレクトロニック コントロール ユニット:電子制御装置。本明細書において同様。)である。
エンジンECU31には、エンジン11の出力を調整するアクセルペダル15に付設されてその開度を検出するアクセル開度センサ15aが電気的に接続されている。アクセル開度センサ15aの検出結果は、エンジンECU31に出力されるようになっている。エンジンECU31は、アクセルペダル15の開度に応じてスロットルバルブ11bの開度を調整している。
自動変速機ECU32は、変速機12を制御するECUであり、変速機駆動機構12dに制御指令を送信して各変速段を成立させるものである。
クラッチECU33は、クラッチ21を制御するECUであり、クラッチ駆動機構22の電動機構22a1に制御指令をそれぞれ送信して、クラッチ21を係合または解放するように制御するものである。具体的には、クラッチECU33は、所望のクラッチ伝達トルクをクラッチ21で発生させるために、図4に示すクラッチストローク−クラッチ伝達トルク特性(以下、クラッチトルク特性という。)を参照して、所望のクラッチ伝達トルクに対応するクラッチストロークを取得し、取得したクラッチストロークとなるようにクラッチ駆動機構22を制御する。
クラッチECU33には、記憶部33aが接続されている。記憶部33aは、クラッチ21のストロークとクラッチ21の伝達トルクとの関係を示すクラッチトルク特性を記憶する。クラッチトルク特性は、図4に示すように、クラッチストロークが0の状態ではクラッチ伝達トルクが0であり、クラッチストロークが増大するに従って、クラッチ伝達トルクも増大するように設定されている。すなわち、クラッチ21が解放状態にあるとき、クラッチストロークは0であり、クラッチ21が係合状態に作動するにつれて、クラッチストロークが増大するように設定されている。
記憶部33aは、累積エネルギーEaとプレッシャプレート42の厚み方向の変形量(変位量)Δtとの関係を示すマップ(図5参照)を記憶している。累積エネルギーEaと変形量Δtとの関係は、図5に示すように、比例関係にあり、累積エネルギーEaが大きくなるにつれて、変形量Δtが大きくなる関係にある。
なお、各ECU31〜33はそれぞれ、演算処理を実行するCPU部と、プログラムや各種マップなどを保存するROMやRAMなどの記憶部と、情報を交換するための入出力部とを備えて構成されている。なお、本出願の「動力伝達装置」は、変速機12、変速機駆動機構12d、クラッチ21、クラッチ駆動機構22、記憶部33a、および制御装置33を備えている。また、本出願の「動力伝達装置の制御装置」および「クラッチ駆動制動装置」は、クラッチECU33だけで構成されているが、クラッチECU33およびエンジンECU31(または自動変速機ECU32)で構成するようにしてもよい。
次に、このように構成された動力伝達装置の動作の一例について図6に示すフローチャートを参照して説明する。
クラッチECU33は、図示しないスタートスイッチ(またはイグニッションスイッチ)がオン状態にあるとき、所定の短時間(制御サイクル時間)毎に、上記フローチャートに対応したプログラムを繰り返し実行する。なお、後述する係合中フラグFは、オフに初期設定されている。係合中フラグFは、オンでクラッチ21が係合中であることを、オフで係合中でないことを示す。
クラッチECU33は、図6のステップS100にてプログラムの実行を開始する毎に、ステップS102において、係合中フラグFがオフであるか否かを判定する。クラッチECU33は、係合中でない場合には、ステップS102にて「YES」と判定し、プログラムをステップS104に進める。一方、クラッチECU33は、係合中である場合には、ステップS102にて「NO」と判定し、プログラムをステップS108に進める。
クラッチECU33は、クラッチ21の係合処理を開始するための条件を満たす場合には、例えば、車両Mが発進したり変速したりする際にクラッチ21を係合する場合には、ステップS104にて「YES」と判定し、プログラムをステップS106に進め、係合中フラグをオンに設定する。一方、クラッチECU33は、クラッチ21の係合処理を開始するための条件を満たさない場合には、ステップS104にて「NO」と判定し、プログラムをステップS122に進め、本フローチャートを一旦終了する。
クラッチECU33は、ステップS108において、目標クラッチ伝達トルクおよび目標ストロークを算出する。クラッチECU33は、車両状態に対応してクラッチ制御に好適な目標クラッチ伝達トルクを算出する。目標ストロークは、上記クラッチストロークの制御目標値すなわち指示値(ストローク指示値)である。目標ストロークは、図4に示すクラッチトルク特性を使用して算出される、目標クラッチ伝達トルクに相当するクラッチストロークである。
クラッチECU33は、ステップS110において、累積エネルギーEaを算出する(累積エネルギー算出部)。この累積エネルギーEaは、クラッチ21の完全解放状態から完全係合状態までの間において、プレッシャプレート42とクラッチディスク41との間にて発生する摩擦エネルギーEbの累積エネルギーである。
具体的には、最初に、今回の制御サイクルで算出する今回摩擦エネルギーEb(n)を算出する。今回摩擦エネルギーEb(n)は、下記数1に示すように、エンジン回転速度Ne、変速機12の入力軸12aの回転速度であるインプット回転速度Ni、推定クラッチ伝達トルクTcから算出される。
(数1)
Eb(n)=(Ne(n)−Ni(n))×Tc(n)×TM1
エンジン回転速度Ne(n)およびインプット回転速度Ni(n)は、今回の制御サイクルで各回転速度センサ11e,12a1によりそれぞれ検出された回転速度である。これらの検出はステップS110の処理で実施される。なお、TM1は制御サイクル時間である。
また、今回の制御サイクルで算出される今回推定クラッチ伝達トルクTc(n)は、下記数2に示すように、エンジン11のトルクであるエンジントルクTe、およびエンジン11のイナーシャトルクIeから算出(推定)される。エンジン回転速度を上昇させた(または下降させた)分だけ相殺した結果がクラッチ伝達トルクであるからである。
(数2)
Tc=Te(n)−Ie×(Ne(n)−Ne(n−1))
=Te(n)−Ie×α(n)
ここで、今回のエンジントルクTe(n)は、エンジンECU31から取得したものを使用してもよく、アクセル開度(またはスロットル開度)と、エンジン回転速度Ne(n)と、アクセル開度毎におけるエンジン回転速度Ne(n)とエンジントルクとの相関関係を示すマップとから算出するようにしてもよい。また、Ne(n)は今回の制御サイクルにて検出取得されたエンジン11の回転速度であり、Ne(n−1)は前回の制御サイクルにて検出取得されたエンジン11の回転速度である。また、α(n)はエンジン11の回転加速度である。なお、イナーシャトルクIeは、設計値であり、記憶部33aなどに予め記憶されている。
次に、クラッチECU33は、今回摩擦エネルギーEb(n)と前回の制御サイクルで算出した前回累積エネルギーEa(n−1)とから今回累積エネルギーEa(n)を算出する。具体的には、クラッチECU33は、今回摩擦エネルギーEb(n)と、前回累積エネルギーEa(n−1)とを重み付けして今回累積エネルギーEa(n)を算出する。例えば、今回累積エネルギーEa(n)は、下記数3で表される。
(数3)
Ea(n)=Ea(n−1)×c1+Eb(n)×c2
ここで、c1,c2は重み付け係数であり、c1+c2=1かつc1>c2である。例えば、c1=0.99、c2=0.01に設定されている。c1およびc2は、プレッシャプレート42(環状円板部42a)の厚み方向における熱移動を考慮して設定されるのが好ましい。
クラッチECU33は、ステップS112において、ステップS110にて算出された今回累積エネルギーEa(n)からプレッシャプレート42の厚み方向の変形量Δtを算出する(変形量算出部)。具体的には、クラッチECU33は、図5に示す、累積エネルギーEaとプレッシャプレート42の厚み方向の変形量Δtとの相関関係を示すマップと、今回累積エネルギーEa(n)とから、今回累積エネルギーEa(n)に相当する変形量Δtを算出する。
クラッチECU33は、ステップS114において、ステップS112にて算出された変形量Δtをストローク補正量ΔSとし、クラッチ駆動機構22に対するストローク指示値(目標ストローク)をストローク補正量ΔSにより補正する(補正部)。具体的には、クラッチECU33は、先にステップS108にて算出された目標ストロークからストローク補正量ΔSを減算して補正後目標ストロークを算出する。この補正後目標ストロークが、ストローク補正量ΔSにより補正された目標ストロークである。
クラッチECU33は、ステップS116において、クラッチ駆動機構22に補正された目標ストローク(補正されたストローク指示値)を指示して、クラッチ駆動機構22を制御する。これにより、クラッチ21においては、先にステップS108にて算出された目標クラッチ伝達トルクを発生させることができる。
クラッチECU33は、クラッチ21の係合処理を終了する指示があるまで、ステップS118にて「NO」と判定し続けて、プログラムをステップS122に進め、上述したクラッチ21の係合処理を継続する。一方、クラッチECU33は、クラッチ21の係合処理を終了する指示があると、ステップS118にて「YES」と判定し、クラッチ21の係合処理を終了するとともに係合中フラグFをオフに設定する(ステップS120)。その後、クラッチECU33は、プログラムをステップS122に進め、本プログラムを一旦終了する。
本願発明が適用されていない場合には、車両の発進時(特に登坂路)にてクラッチ係合する際に、エンジン11の回転速度が減少する。発明者はこの理由が次の通りであることを見出した。すなわち、プレッシャプレート42が熱反りを起こし、クラッチ伝達トルクが目標クラッチ伝達トルクより増大し、その結果、車両の発進時(特に登坂路)にてクラッチ係合する際に、クラッチ伝達トルクがエンジントルクより増大する。これにより、エンジン11の回転速度が減少する。
以下詳述する。クラッチ21の係合中、特に発進(登坂路)や変速時の係合中において、クラッチディスク41のクラッチフェーシング41bとプレッシャプレート42の環状円板部42aの摩擦面との間では、摩擦熱が発生する。このとき、環状円板部42aの摩擦面と背面との間には、短時間においては温度差が発生する。特に係合当初においては、その温度差は顕著である。その後その温度差は減少する。この摩擦面と背面との間で発生した温度差によって、環状円板部42aは、図7に示すように、熱反りを起こす。
具体的には、環状円板部42aの内周側がクラッチディスク41側に変形するとともに外周側がダイヤフラムスプリング43側に変形する。この結果、環状円板部42aの外周側はクラッチディスク41から離れ、内周側のみがクラッチディスク41と当接する。全面で当接した場合(図7左側)と比較して、当接部分の半径(有効作用半径)が小さくなるため(図7右側)、クラッチ伝達トルクは減少する。なお、全面で当接する場合の有効作用半径は径方向の中央である(図7左側)。
一方、プレッシャプレート42は、ダイヤフラムスプリング43によって支持されている支持点を支点として、環状円板部42aの内周縁がクラッチディスク41側に移動するように変形する。このときの環状円板部42aの内周縁の変位量がプレッシャプレート42の厚み方向の変形量Δtである。上述したように有効作用半径が小さくなりクラッチ伝達トルクが小さくなるものの、変形量Δtだけストロークが増大し、そのストローク増大に伴って増大するクラッチ伝達トルクが大きくなる。すなわち、クラッチ21が目標ストロークとなるように制御されていても、実際にはその目標ストロークより変形量Δtだけストロークが増大するため、実際のクラッチ伝達トルクが増大する。その結果、図8に示すように、増大した実際のクラッチ伝達トルクがエンジントルクより大きくなるため、エンジン11の回転速度が減少する。
図8に示すタイムチャートを説明する。時刻t1にて、アクセルペダルが踏み込まれると、エンジン回転速度が上昇し始めるとともに、クラッチ21の係合が開始される。エンジン回転速度が、登坂路を走行するのに必要な駆動力に相当する必要エンジン回転速度を一旦超える。しかし、時刻t2から時刻t3の間においては、クラッチ伝達トルクがエンジントルクより大きくなるため、エンジン11の回転速度が減少し、必要エンジン回転速度を下回り、変速機12の入力軸12aの回転速度が減少する。その結果、車両は減速し登坂路を登ることができない。
これに対して、本願発明が適用されている場合には、車両の発進時(特に登坂路)にてクラッチ係合する際に、エンジン11の回転速度が減少しない。これは、次の理由による。上述したように、クラッチ21の係合にあたって発生する摩擦熱によって、環状円板部42aは熱反りを起こす(図7参照)。しかし、熱反りによる変形量Δtが算出(推定)され、その変形量Δtをストローク補正量ΔSとして、目標ストロークが補正される。すなわち、補正後目標ストロークは、先にステップS108にて算出された目標ストロークからストローク補正量ΔSを減算することで算出される。これにより、補正後目標ストロークとなるようにクラッチ21が制御されるので、環状円板部42aが熱反りを起こしても、その変形量Δt分のストロークは予め減算されているため、所望のストローク(目標ストローク)ひいては所望のクラッチ伝達トルク(目標クラッチ伝達トルク)を得ることができる。
すなわち、クラッチ21の目標クラッチ伝達トルク(目標ストローク)が予め算出されている場合(ステップS108)、実際には変形量Δtだけクラッチ伝達トルク(ストローク)が増大するものの、すなわち、実際のクラッチ伝達トルクは目標クラッチ伝達トルク(ステップS108で算出されたクラッチ伝達トルク)に制御することができる。その結果、図9に示すように、実際のクラッチ伝達トルクがエンジントルクより大きくなることを抑制することができるため、エンジン11の回転速度が減少することなく増大する。
図9に示すタイムチャートを説明する。時刻t11にて、アクセルペダルが踏み込まれると、エンジン回転速度が上昇し始めるとともに、クラッチ21の係合が開始される。時刻t12にて、エンジン回転速度が、登坂路を走行するのに必要な駆動力に相当する必要エンジン回転速度を超える。時刻t2以降においては、実際のクラッチ伝達トルクがエンジントルクより大きくならず小さいままであるため、エンジン11の回転速度が減少することなく、必要エンジン回転速度を上回り、変速機12の入力軸12aの回転速度が減少することなく増大する。その結果、車両は減速することなく加速し登坂路を登ることができる。
なお、本願発明を適用した場合に係る目標クラッチ伝達トルクは、本願発明を適用しない場合に係る目標クラッチ伝達トルクより変形量Δt相当分だけ小さい値である。
さらに、上述した累積エネルギーEaと変形量Δtとの関係に相関があることは、本願発明者により見出された。この相関について詳述する。図10に示すように、実際のクラッチ伝達トルク(実Tc)は、目標クラッチ伝達トルク(Tc)より大きくなる。すなわち、実際のクラッチストローク(ストローク(実Tc))は、目標クラッチストローク(ストローク(Tc))より大きくなる。この実際のクラッチストロークと目標クラッチストロークとの差が、上述した変形量Δtである。このとき、図10に示すように、上述と同様に算出した累積エネルギーEaと、変形量Δtとの間には相関関係があることが明らかである。
なお、累積エネルギーEaと変形量Δtとの関係は、実際の車両を使用して取得したデータから作成すればよい。すなわち、実際のクラッチストロークと目標クラッチストロークとの差を算出し、その算出した差とそのときに算出した累積エネルギーとをマッピングして作成すればよい。
上述した説明から明らかなように、本実施形態による動力伝達装置は、車両Mのエンジン11の駆動力を入力する入力軸12aと、入力軸12aへの入力回転を複数のギヤ比で変速して出力する複数の変速段と、変速されたエンジン11の駆動力を駆動輪側に出力する出力軸12cと、を備えている変速機12と、変速機12の変速段を変更する変速機駆動機構12dと、エンジン11の出力軸11fと回転連結されたプレッシャプレート42と、変速機12の入力軸12aと回転連結されたクラッチディスク41と、を備え、プレッシャプレート42とクラッチディスク41との当接または離間をすることにより、エンジン11の出力軸11fと変速機12の入力軸12aとの係合または解放をするクラッチ21と、クラッチ21を駆動するクラッチ駆動機構22と、クラッチ21のストロークとクラッチ21の伝達トルクとの関係を示すクラッチストローク−クラッチ伝達トルク特性を記憶する記憶部33aと、クラッチ駆動機構22に、所望のクラッチ伝達トルクに相当するクラッチストロークであるストローク指示値を指示して、クラッチ駆動機構22を制御する制御装置(クラッチECU33)と、を備え、クラッチECU33は、クラッチ21の完全解放状態から完全係合状態までの間において、プレッシャプレート42とクラッチディスク41との間にて発生する摩擦エネルギーの累積エネルギーを算出する累積エネルギー算出部(ステップS110)と、累積エネルギー算出部によって算出された累積エネルギーからプレッシャプレート42の厚み方向の変形量Δtを算出する変形量算出部(ステップS112)と、変形量算出部によって算出された変形量Δtをストローク補正量ΔSとし、クラッチ駆動機構22に対するストローク指示値をストローク補正量ΔSにより補正する補正部(ステップS114)と、を備えたものである。
これによれば、クラッチECU33は、クラッチ21の完全解放状態から完全係合状態までの間において、プレッシャプレート42とクラッチディスク41との間にて発生する摩擦エネルギーの累積エネルギーを算出し(累積エネルギー算出部)、その算出された累積エネルギーからプレッシャプレート42の厚み方向の変形量Δtを算出し(変形量算出部)し、その算出された変形量Δtをストローク補正量ΔSとし、クラッチ駆動機構22に対するストローク指示値をストローク補正量ΔSにより補正する(補正部)。すなわち、実際に発生したクラッチ温度の測定結果ではなく、クラッチ21の完全解放状態から完全係合状態までの間における累積エネルギーを算出することで、クラッチ21の温度変化に伴うプレッシャプレート42の変形量Δtを算出し、その変形量Δtに追従してクラッチ伝達トルクを補正することができる。このように、クラッチ21の温度変化が比較的早く一時的(瞬間的)である場合であっても、クラッチ21の温度変化に伴う熱変形に追従してクラッチ伝達トルクを適切に補正することができる。
また本実施形態による動力伝達装置は、エンジン11の回転速度を検出する回転速度センサ11eと、変速機12の入力軸12aの回転速度を検出する回転速度センサ12a1と、をさらに備え、累積エネルギー算出部(ステップS110)は、制御サイクル毎に、回転速度センサ11eによって検出されたエンジン回転速度、回転速度センサ12a1によって検出された変速機入力軸回転速度、およびクラッチ21の伝達トルクから、摩擦エネルギーを算出し、その算出された摩擦エネルギーに基づいて累積エネルギーを算出する。
これによれば、累積エネルギーを精度よく算出することができ、ひいては、クラッチ21の温度変化に伴う熱変形に追従してクラッチ伝達トルクを適切に補正することができる。
また本実施形態による動力伝達装置においては、累積エネルギー算出部(ステップS110)は、制御サイクル毎に、回転速度センサ11eによって検出されたエンジン回転速度、回転速度センサ12a1によって検出された変速機入力軸回転速度、およびクラッチ21の伝達トルクから、摩擦エネルギーを今回摩擦エネルギーとして算出し、算出した今回摩擦エネルギーと、前回算出した前回累積エネルギーとを重み付けして累積エネルギーを算出する。
これによれば、前回算出した前回累積エネルギーに重きをおいて累積エネルギーを算出することができ、算出した今回摩擦エネルギーが不自然な変動をした場合であっても、その影響を抑制することができる。その結果、累積エネルギーを精度よく算出することができ、ひいては、クラッチ21の温度変化に伴う熱変形に追従してクラッチ伝達トルクを適切に補正することができる。
本実施形態によるクラッチ駆動制御装置は、エンジン11の出力軸11fと回転連結されたプレッシャプレート42と、変速機12の入力軸12aと回転連結されたクラッチディスク41と、を備え、プレッシャプレート42とクラッチディスク41との当接または離間をすることにより、エンジン11の出力軸11fと変速機12の入力軸12aとの係合または解放をするクラッチ21と、クラッチ21を駆動するクラッチ駆動機構22と、クラッチ21のストロークとクラッチ21の伝達トルクとの関係を示すクラッチストローク−クラッチ伝達トルク特性を記憶する記憶部33aと、クラッチ駆動機構22に、所望のクラッチ伝達トルクに相当するクラッチストロークであるストローク指示値を指示して、クラッチ駆動機構22を制御する制御装置(クラッチECU33)と、を備えたクラッチ駆動装置に適用され、クラッチECU33は、クラッチ21の完全解放状態から完全係合状態までの間において、プレッシャプレート42とクラッチディスク41との間にて発生する摩擦エネルギーの累積エネルギーを算出する累積エネルギー算出部(ステップS110)と、累積エネルギー算出部によって算出された累積エネルギーからプレッシャプレート42の厚み方向の変形量Δtを算出する変形量算出部(ステップS112)と、変形量算出部によって算出された変形量Δtをストローク補正量ΔSとし、クラッチ駆動機構22に対するストローク指示値をストローク補正量ΔSにより補正する補正部(ステップS114)と、を備えたことである。
これによれば、上述した本実施形態に係る動力伝達装置と同様な作用・効果を得ることができる。
なお、上述した実施形態においては、本発明を、駆動源としてエンジン11のみ搭載されている車両に適用しているが、ハイブリッド車両に適用することもできる。この場合、クラッチ21と駆動輪Wrr,Wrlとの間に設けられ、駆動輪Wrr,Wrlに駆動力を出力可能であるモータジェネレータ23をさらに備えるようにすればよい。
また、クラッチ駆動機構22は、油圧を介在させないで、電動のみで駆動するようにしてもよい。
11…エンジン、11b…スロットルバルブ、11e…回転速度センサ(エンジン回転速度センサ)、12…自動変速機、12a…入力軸、12a1…回転速度センサ(入力軸回転速度センサ)、12d…変速機駆動機構、13…プロペラシャフト、14…ディファレンシャル装置、15…アクセルペダル、15a…アクセル開度センサ、21,40…クラッチ、22…クラッチ駆動機構、22c…ストロークセンサ、23…モータジェネレータ、31…エンジンECU、32…自動変速機ECU、33…クラッチECU(制御装置、累積エネルギー算出部、変形量算出部、補正部)、33a…記憶部、41…クラッチディスク、42…プレッシャプレート、M…車両、Wrl,Wrr…駆動輪(左右後輪)、Wfl,Wfr…従動輪(左右前輪)。



Claims (4)

  1. 車両のエンジンの駆動力を入力する入力軸と、前記入力軸への入力回転を複数のギヤ比で変速して出力する複数の変速段と、変速された前記エンジンの駆動力を駆動輪側に出力する出力軸と、を備えている変速機と、
    前記変速機の前記変速段を変更する変速機駆動機構と、
    前記エンジンの出力軸と回転連結されたプレッシャプレートと、前記変速機の前記入力軸と回転連結されたクラッチディスクと、を備え、前記プレッシャプレートと前記クラッチディスクとの当接または離間をすることにより、前記エンジンの出力軸と前記変速機の前記入力軸との係合または解放をするクラッチと、
    前記クラッチを駆動するクラッチ駆動機構と、
    前記クラッチのストロークと前記クラッチの伝達トルクとの関係を示すクラッチストローク−クラッチ伝達トルク特性を記憶する記憶部と、
    前記クラッチ駆動機構に、所望のクラッチ伝達トルクに相当するクラッチストロークであるストローク指示値を指示して、前記クラッチ駆動機構を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記クラッチの完全解放状態から完全係合状態までの間において、前記プレッシャプレートと前記クラッチディスクとの間にて発生する摩擦エネルギーの累積エネルギーを算出する累積エネルギー算出部と、
    前記累積エネルギー算出部によって算出された前記累積エネルギーから前記プレッシャプレートの厚み方向の変形量を算出する変形量算出部と、
    前記変形量算出部によって算出された前記変形量をストローク補正量とし、前記クラッチ駆動機構に対する前記ストローク指示値を前記ストローク補正量により補正する補正部と、
    を備えた動力伝達装置。
  2. 前記エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度センサと、
    前記変速機の入力軸の回転速度を検出する入力軸回転速度センサと、をさらに備え、
    前記累積エネルギー算出部は、制御サイクル毎に、前記エンジン回転速度センサによって検出されたエンジン回転速度、前記入力軸回転速度センサによって検出された変速機入力軸回転速度、および前記クラッチの伝達トルクから、前記摩擦エネルギーを算出し、その算出された前記摩擦エネルギーに基づいて前記累積エネルギーを算出する請求項1記載の動力伝達装置。
  3. 前記累積エネルギー算出部は、制御サイクル毎に、前記エンジン回転速度センサによって検出されたエンジン回転速度、前記入力軸回転速度センサによって検出された変速機入力軸回転速度、および前記クラッチの伝達トルクから、前記摩擦エネルギーを今回摩擦エネルギーとして算出し、
    算出した前記今回摩擦エネルギーと、前回算出した前回累積エネルギーとを重み付けして前記累積エネルギーを算出する請求項2記載の動力伝達装置。
  4. エンジンの出力軸と回転連結されたプレッシャプレートと、変速機の入力軸と回転連結されたクラッチディスクと、を備え、前記プレッシャプレートと前記クラッチディスクとの当接または離間をすることにより、前記エンジンの出力軸と前記変速機の前記入力軸との係合または解放をするクラッチと、
    前記クラッチを駆動するクラッチ駆動機構と、
    前記クラッチのストロークと前記クラッチの伝達トルクとの関係を示すクラッチストローク−クラッチ伝達トルク特性を記憶する記憶部と、
    前記クラッチ駆動機構に、所望のクラッチ伝達トルクに相当するクラッチストロークであるストローク指示値を指示して、前記クラッチ駆動機構を制御する制御装置と、を備えたクラッチ駆動装置に適用され、
    前記制御装置は、
    前記クラッチの完全解放状態から完全係合状態までの間において、前記プレッシャプレートと前記クラッチディスクとの間にて発生する摩擦エネルギーの累積エネルギーを算出する累積エネルギー算出部と、
    前記累積エネルギー算出部によって算出された前記累積エネルギーから前記プレッシャプレートの厚み方向の変形量を算出する変形量算出部と、
    前記変形量算出部によって算出された前記変形量をストローク補正量とし、前記クラッチ駆動機構に対する前記ストローク指示値を前記ストローク補正量により補正する補正部と、
    を備えたクラッチ駆動制御装置。
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