JP5163529B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源と駆動輪との間に介装されたクラッチの熱保護を行う車両の制御装置に関する。
従来、駆動源から駆動輪へのトルク伝達を摩擦締結により断接するクラッチにおいて、クラッチの推定温度が閾値を超えた時に、クラッチ締結力を制御して差回転を抑制し、クラッチの温度保証による保護、すなわち熱保護を行う車両の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この車両の制御装置では、クラッチの回転速度差から得られる摩擦係数とクラッチの押し付け力とを乗算してクラッチ入力エネルギーを算出すると共に、雰囲気温度と放熱係数とを乗算してクラッチ放熱エネルギーを算出する。そして、クラッチ入力エネルギーとクラッチ放熱エネルギーとの差にクラッチ熱容量係数を乗算することでクラッチの推定温度を算出する。
特開2007-139129号公報
ところで、従来の車両の制御装置では、摩擦係数や放熱係数、クラッチ熱容量係数等の各種係数を制御定数固定値として予め定めているので、入力されるクラッチ回転速度差やクラッチ押し付け力、雰囲気温度等の検出値の精度が粗い時に、結果として算出されるクラッチの推定温度の誤差が大きくなってしまい、クラッチの熱保護が困難になるという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、検出される必要数値の精度が粗くても、クラッチの過熱状態を適切に防止することができる車両の制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明では、駆動源と駆動輪との間のトルク伝達を摩擦締結により断接するクラッチの締結力を制御して過熱防止するクラッチ熱保護手段を備えた車両の制御装置において、クラッチを通過するクラッチ伝達トルクとクラッチの回転速度差とを乗算して、クラッチの発熱量を算出する発熱量算出手段を備えている。また、クラッチ熱保護手段は、クラッチの滑り締結時の発熱量が温度飽和閾値未満の時であって、この発熱量積算値が積算上限値未満の時、発熱量を積算する。また、発熱量が温度飽和閾値未満の時であって、発熱量積算値が積算上限値以上の時、発熱量を積算しない。さらに、発熱量が温度飽和閾値以上の時、発熱量を積算する。そして、この発熱量積算値が設定値を超過した時、クラッチ差回転を抑制する差回転抑制モードにする。さらに、差回転抑制モード状態が設定時間を超過した時、発熱量積算値をゼロにする。
よって、本発明の車両の制御装置にあっては、クラッチ熱保護手段により、クラッチの滑り締結時に発熱量が積算され、この発熱量積算値が設定値を超過した時にクラッチ差回転を抑制する差回転抑制モードにされる。また、差回転抑制モード状態が設定時間を超過すれば発熱量積算値はゼロにされる。
これにより、クラッチ温度を推定することなく、クラッチの発熱量に基づいてクラッチの熱保護を行うことができる。この結果、検出される必要数値の精度が粗くても、クラッチの過熱状態を適切に防止することができる。
実施例1の車両の制御装置が適用されたパラレルハイブリッド車両(車両の一例)を示す全体システム図である。 実施例1の統合コントローラにて実行されるクラッチ熱保護制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の統合コントローラにて実行されるクラッチ放熱時間カウント制御処理の流れを示すフローチャートである。 クラッチの滑り締結と完全締結とを繰り返した際のクラッチ熱保護制御及びクラッチ放熱時間カウント制御を説明するクラッチ発熱量・発熱量積算値の各特性を示すタイムチャートである。
以下、本発明の車両の制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の車両の制御装置が適用されたパラレルハイブリッド車両(車両の一例)を示す全体システム図である。以下、図1に基づいて、駆動系及び制御系の構成を説明する。
実施例1のパラレルハイブリッド車両の駆動系は、図1に示すように、エンジンEngと、第1クラッチCL1と、モータ/ジェネレータMGと、第2クラッチCL2と、無段変速機CVTと、ファイナルギヤFGと、左駆動輪LTと、右駆動輪RTと、を備えている。
実施例1のハイブリッド駆動系は、電気自動車走行モード(以下、「EVモード」という。)と、ハイブリッド車走行モード(以下、「HEVモード」という。)と、準電気自動車走行モード(以下、「準EVモード」という。)と、駆動トルクコントロール発進モード(以下、「WSCモード」という。)等の走行モードを有する。
前記「EVモード」は、第1クラッチCL1を開放状態とし、モータ/ジェネレータMGの動力のみで走行するモードである。前記「HEVモード」は、第1クラッチCL1を締結状態とし、モータアシスト走行モード・走行発電モード・エンジン走行モードの何れかにより走行するモードである。前記「準EVモード」は、第1クラッチCL1が締結状態であるがエンジンEngをOFFとし、モータ/ジェネレータMGの動力のみで走行するモードである。前記「WSCモード」は、「HEVモード」からのP,N→Dセレクト発進時、または、「EVモード」や「HEVモード」からのDレンジ発進時等において、モータ/ジェネレータMGを回転数制御させることで第2クラッチCL2のスリップ締結状態を維持し、第2クラッチCL2を経過するクラッチ伝達トルクが、車両状態やドライバー操作に応じて決まる要求駆動トルクとなるようにクラッチトルク容量をコントロールしながら発進するモードである。なお、「WSC」とは「Wet Start clutch」の略である。
前記エンジンEngは、希薄燃焼可能であり、スロットルアクチュエータによる吸入空気量とインジェクタによる燃料噴射量と、点火プラグによる点火時期の制御により、エンジントルクが指令値と一致するように制御される。なお、このエンジンEngが第1駆動源となる。
前記第1クラッチCL1は、エンジンEngとモータ/ジェネレータMGとの間の位置に介装される。この第1クラッチCL1としては、例えば、ダイアフラムスプリングによる付勢力にて常時締結(ノーマルクローズ)の乾式クラッチが用いられ、エンジンEng〜モータ/ジェネレータMG間の締結/半締結/開放を行なう。この第1クラッチCL1が完全締結状態ならモータトルク+エンジントルクが第2クラッチCL2へと伝達され、開放状態ならモータトルクのみが、第2クラッチCL2へと伝達される。なお、半締結/開放の制御は、油圧アクチュエータに対するストローク制御にて行われる。
前記モータ/ジェネレータMGは、交流同期モータ構造であり、発進時や走行時に駆動トルク制御や回転数制御を行うと共に、制動時や減速時に回生ブレーキ制御による車両運動エネルギーのバッテリー9への回収を行なうものである。なお、このモータ/ジェネレータMGが第2駆動源となる。
前記第2クラッチCL2は、ノーマルオープンの湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキであり、摩擦締結によるクラッチ押付力(油圧力)に応じてクラッチ伝達トルク(クラッチトルク容量)が発生する。この第2クラッチCL2は、無段変速機CVT及びファイナルギヤFGを介し、エンジンEng及びモータ/ジェネレータMG(第1クラッチCL1が締結されている場合)から出力されたトルクを左右駆動輪LT,RTへと伝達する。この第2クラッチCL2が駆動源(エンジンEng及びモータ/ジェネレータMG)と駆動輪(左右駆動輪LT,RT)との間のトルク伝達を摩擦締結により断接するクラッチとなる。
なお、第2クラッチCL2としては、図1に示すように、独立のクラッチをモータ/ジェネレータMGと無段変速機CVTとの間の位置に設定する以外に、無段変速機CVTと左右駆動輪LT,RTとの間の位置に設定しても良い。
前記無段変速機CVTは、ここでは、一対のプーリ及びこの一対のプーリ間に掛け渡されたプーリベルトを有するベルト式無段変速機である。一対のプーリのそれぞれのプーリ幅を変更し、プーリベルトを挟持する面の径を変更して変速比(プーリ比)を自在に制御する。
実施例1のパラレルハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、第2クラッチ入力回転数センサ6(=モータ回転数センサ)と、第2クラッチ出力回転数センサ7と、インバータ8と、バッテリー9と、アクセルセンサ10と、エンジン回転数センサ11と、クラッチ油温センサ12と、ストローク位置センサ13と、統合コントローラ14と、変速機コントローラ15と、クラッチコントローラ16と、エンジンコントローラ17と、モータコントローラ18と、バッテリーコントローラ19と、ブレーキセンサ20と、を備えている。
前記インバータ8は、直流/交流の変換を行い、モータ/ジェネレータMGの駆動電流を生成する。バッテリー9は、モータ/ジェネレータMGからの回生エネルギーを、インバータ8を介して蓄積する。
前記統合コントローラ14は、バッテリー状態、アクセル開度、及び車速(変速機出力回転数に同期した値)から目標駆動トルクを演算する。そして、その結果に基づき各アクチュエータ(モータ/ジェネレータMG、エンジンEng、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、無段変速機CVT)に対する指令値を演算し、各コントローラ15,16,17,18,19へと送信する。
前記変速機コントローラ15は、統合コントローラ14からの変速指令を達成するように変速制御を行なう。変速制御は、無段変速機CVTに供給される油圧制御をすることで行われる。
前記クラッチコントローラ16は、第2クラッチ入力回転数センサ6と第2クラッチ出力回転数センサ7とクラッチ油温センサ12からのセンサ情報を入力すると共に、統合コントローラ14からの第1クラッチ油圧指令値と第2クラッチ油圧指令値に対して、クラッチ油圧(電流)指令値を実現するようにソレノイドバルブの電流を制御する。
前記エンジンコントローラ17は、エンジン回転数センサ11からのセンサ情報を入力すると共に、統合コントローラ14からのエンジントルク指令値を達成するようにエンジントルク制御を行なう。
前記モータコントローラ18は、統合コントローラ14からのモータトルク指令値やモータ回転数指令値を達成するようにモータ/ジェネレータMGの制御を行なう。
前記バッテリーコントローラ19は、バッテリー9の充電状態(SOC)を管理し、その情報を統合コントローラ14へと送信する。
図2は、実施例1の統合コントローラにて実行されるクラッチ熱保護制御処理(熱保護制御手段)の流れを示すフローチャートである。以下、統合コントローラの処理内容を、図2に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図2に示す処理内容は一定のタイミング(例えば10msecごと)で繰り返し実行される。また、図中「クラッチ」との記載は第2クラッチCL2である。
ステップS1では、クラッチ伝達トルクを読み込み、ステップS2へ進む。ここで、クラッチ伝達トルクは、第2クラッチCL2のクラッチ押付力(油圧力)として演算される。
ステップS2では、クラッチ回転速度差を読み込み、ステップS3へ進む。ここで、クラッチ回転速度差は、第2クラッチ入力回転数センサ6により検出された入力回転数から入力回転速度を算出し、第2クラッチ出力回転数センサ7により検出された出力回転数から出力回転速度を算出し、この入力回転速度と出力回転速度との差として演算される。
ステップS3では、発熱量積算値Jを読み込み、ステップS4へ進む。ここで、発熱量積算値Jは、時間を追うごとに第2クラッチCL2における単位時間当たりのクラッチ発熱量W0を積算した値である。なお、発熱量積算値Jは、統合コントローラ14が有するメモリ(図示せず)に格納されている。
ステップS4では、放熱カウンタTを読み込み、ステップS5へ進む。ここで、放熱カウンタTは、第2クラッチCL2が完全締結又は完全開放してクラッチ差回転が生じていない状態、すなわち差回転抑制モードの時間長さを示す指標である。なお、放熱カウンタTは、統合コントローラ14が有するメモリ(図示せず)に格納されている。
ステップS5では、クラッチ発熱量Wを算出し、ステップS6へ進む。ここで、クラッチ発熱量Wは、ステップS1で読み込んだクラッチ伝達トルクと、ステップS2で読み込んだクラッチ回転速度差の乗算により算出される。このステップS5が、第2クラッチCL2の発熱量(クラッチ発熱量W)を算出する発熱量算出手段となる。
ステップS6では、ステップS5で算出したクラッチ発熱量Wが温度飽和閾値h以上であるか否かを判断し、YES(閾値以上)の場合はステップS7へ進み、NO(閾値未満)の場合はステップS11へ進む。ここで、温度飽和閾値hは、第2クラッチCL2において発熱と放熱のバランスが取れているときの発熱量であり、予め設定する。
ステップS7では、単位時間当たりのクラッチ発熱量W0を算出し、ステップS8へ進む。ここで、単位時間当たりのクラッチ発熱量W0は、ステップS5で算出したクラッチ発熱量Wに単位時間を乗算することで算出される。
ステップS8では、発熱量積算値Jを算出し、ステップS9へ進む。ここで、発熱量積算値Jは、ステップS3で読み込んだ発熱量積算値Jに、ステップS7で算出した単位時間当たりのクラッチ発熱量W0を加算することで算出される。
ステップS9では、ステップS4で読み込んだ放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であるか否かを判断し、YES(閾値未満)の場合はステップS13へ進み、NO(閾値以上)の場合はステップS10へ進む。ここで、放熱完了閾値tは、第2クラッチCL2が保証限界温度から初期雰囲気温度相当に達するまでに必要な冷却時間であり、予め設定する。
ステップS10では、ステップS9での放熱カウンタTが放熱完了閾値t以上との判断に続き、ステップS3において読み込んだ発熱量積算値Jをゼロにし、ステップS13へ進む。
ステップS11では、ステップS6でのクラッチ発熱量Wが温度飽和閾値h未満であるとの判断に続き、ステップS3で読み込んだ発熱量積算値Jが積算上限値q以上であるか否かを判断し、YES(上限値未満)の場合はステップS12へ進み、NO(上限値以下)の場合はステップS7へ進む。ここで、積算上限値qは、クラッチ発熱量Wが温度飽和閾値h未満の時に積算可能な発熱量の上限値であり、予め設定する。
ステップS12では、ステップS11での発熱量積算値Jが積算上限値q以上との判断に続き、クラッチ発熱量Wの積算を停止して現在の発熱量積算値Jを維持し、ステップS9へ進む。
ステップS13では、発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるか否かを判断し、YES(限界熱量以下)の場合はステップS14へ進み、NO(限界熱量超過)の場合はステップS15へ進む。ここで、クラッチ限界熱量Qは、第2クラッチCL2が過熱状態にならない限界の熱量であり、第2クラッチCL2の熱量がこのクラッチ限界熱量Qを超過すると、第2クラッチCL2の温度が過熱状態になったと推定される。なお、このクラッチ限界熱量Qは予め設定される。
ステップS14では、ステップS13での発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下との判断に続き、第2クラッチCL2の熱保護をOFFにし、つまり第2クラッチCL2が過熱状態ではないと判断して熱保護を行わないとし、ステップS17へ進む。
ステップS15では、ステップS13での発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q超過との判断に続き、第2クラッチCL2の熱保護をONにし、つまり第2クラッチCL2が過熱状態であると判断して熱保護を行うとし、ステップS16へ進む。
ステップS16では、第2クラッチCL2の差回転を抑制する差回転抑制モードに設定して、ステップS17へ進む。なお、この差回転抑制モードでは、第2クラッチCL2のクラッチ締結力を強めるか、このクラッチ締結力を弱めるかして差回転を抑制する。ここでは、第2クラッチCL2を完全締結状態又は完全開放状態にする。
ステップS17では、ステップS13にてクラッチ限界熱量Qと比較した発熱量積算値Jを新たな値とし、統合コントローラ14が有するメモリ(図示せず)に格納する。このとき、すでにメモリに格納されていた発熱量積算値Jは上記の新たな値に書き換えられる。
図3は、実施例1の統合コントローラにて実行されるクラッチ放熱時間カウント制御処理(放熱時間カウント制御手段)の流れを示すフローチャートである。以下、統合コントローラの処理内容を、図3に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図3に示す処理内容は一定のタイミング(例えば10msecごと)で繰り返し実行される。また、図中「クラッチ」との記載は第2クラッチCL2である。
ステップS20では、クラッチ伝達トルクを読み込み、ステップS21へ進む。ここで、クラッチ伝達トルクは、第2クラッチCL2のクラッチ押付力(油圧力)として演算される。
ステップS21では、クラッチ回転速度差を読み込み、ステップS22へ進む。ここで、クラッチ回転速度差は、第2クラッチ入力回転数センサ6により検出された入力回転数から入力回転速度を算出し、第2クラッチ出力回転数センサ7により検出された出力回転数から出力回転速度を算出し、この入力回転速度と出力回転速度との差として演算される。
ステップS22では、放熱カウンタTを読み込み、ステップS23へ進む。ここで、放熱カウンタTは、第2クラッチCL2が完全締結又は完全開放してクラッチ差回転が生じていない状態、すなわち差回転抑制モード状態の時間長さを示す指標である。なお、放熱カウンタTは、統合コントローラ14が有するメモリ(図示せず)に格納されている。
ステップS23では、クラッチ発熱量Wを算出し、ステップS24へ進む。ここで、クラッチ発熱量Wは、ステップS20で読み込んだクラッチ伝達トルクと、ステップS21で読み込んだクラッチ回転速度差の乗算により算出される。
ステップS24では、第2クラッチCL2が完全締結しているか否かを判断し、YES(完全締結)の場合はステップS27へ進み、NO(非完全締結)の場合はステップS25へ進む。なお、完全締結しているか否かの判断は、統合コントローラ14からの第2クラッチ油圧指令値に基づいて行う。すなわち、第2クラッチ油圧指令値が第2クラッチCL2締結油圧に達していれば、完全締結と判断する。
ステップS25では、ステップS24でのクラッチ完全締結との判断に続き、ステップS23で算出したクラッチ発熱量Wがゼロであるか否かを判断し、YES(発熱量ゼロ)の場合はステップS27へ進み、NO(非発熱量ゼロ)の場合はステップS26へ進む。
なお、第2クラッチCL2が非完全締結であってクラッチ発熱量Wがゼロの場合、つまりステップS25においてYESのときは、第2クラッチCL2が完全開放していると判断する。また、第2クラッチCL2が非完全締結であってクラッチ発熱量Wがゼロではない場合、つまりステップS25においてNOのときは、第2クラッチCL2が滑り締結していると判断する。
ステップS26では、ステップS25でのクラッチ発熱量Wがゼロではない、つまり滑り締結しているとの判断に続き、ステップS22において読み込んだ放熱カウンタTをゼロにし、ステップS28へ進む。
ステップS27では、ステップS24での第2クラッチ完全締結との判断、又はステップS25でのクラッチ発熱量Wがゼロ、つまり第2クラッチ完全開放との判断に続き、放熱カウンタTを増加してステップS28へ進む。ここで、放熱カウンタTの増加は、ステップS22で読み込んだ放熱カウンタTに「1」を加算することで行われる。
ステップS28では、ステップS27で増加された放熱カウンタT、又は、ステップS26でゼロにされた放熱カウンタTのどちらか一方を新たな値とし、統合コントローラ14が有するメモリ(図示せず)に格納する。このとき、すでにメモリに格納されていた放熱カウンタTは上記の新たな値に書き換えられる。
次に、作用を説明する。
実施例1の車両の制御装置における作用を、「クラッチ熱保護制御作用」、「クラッチ放熱時間カウント制御作用」に分けて説明する。
[クラッチ熱保護制御作用]
図4は、クラッチ(第2クラッチ)の滑り締結と完全締結とを繰り返した際のクラッチ熱保護制御及びクラッチ放熱時間カウント制御を説明するクラッチ発熱量・発熱量積算値の各特性を示すタイムチャートである。ここでは、第1クラッチCL1を開放状態とし、モータ/ジェネレータMGの動力のみで走行するEVモード時において第2クラッチCL2の滑り締結と完全締結とを繰り返した場合について説明する。
(1)時刻t0〜時刻t1
時刻t0にて第2クラッチCL2の滑り締結が開始されると、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進み、クラッチ発熱量Wが算出されると共に、この算出されたクラッチ発熱量Wが温度飽和閾値h以上であるか否かが判断される。このとき、クラッチ発熱量Wが温度飽和閾値h未満であるので、ステップS11へと進み、発熱量積算値Jが積算上限値q以上であるか否かが判断される。このとき、発熱量積算値Jが積算上限値q未満であるので、ステップS7→ステップS8へと進み、第2クラッチCL2の単位時間当たりのクラッチ発熱量W0が算出され、この単位時間あたりのクラッチ発熱量W0が発熱量積算値Jに加算されて発熱量積算値Jが時間を追うごとに増加する。そして、ステップS9へと進み、放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であるか否かが判断される。ここで、放熱カウンタTは、後述するように図3に示すフローチャートにより求められる。放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であればステップS13へと進み、発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるか否かが判断される。このときの発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるので、ステップS14→ステップS17へと進み、クラッチ熱保護がなされないと共に、発熱量積算値Jが格納される。
(2)時刻t1〜時刻t2
時刻t1において、発熱量積算値Jが積算上限値qに達すると、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS11→ステップS12へと進み、現在の発熱量積算値Jが維持される。すなわち、発熱量積算値Jに単位時間当たりのクラッチ発熱量W0は加算されず、発熱量積算値Jは増加しない。そして、ステップS9へと進み、放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であるか否かが判断される。放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であればステップS13へと進み、発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるか否かが判断される。このときの発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるので、ステップS14→ステップS17へと進み、クラッチ熱保護がなされないと共に、発熱量積算値Jが格納される。
(3)時刻t2〜時刻t3
時刻t2において、クラッチ発熱量Wが温度飽和閾値hに達すると、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8へと進み、第2クラッチCL2の単位時間当たりのクラッチ発熱量W0が算出され、この単位時間あたりのクラッチ発熱量W0が発熱量積算値Jに加算されて発熱量積算値Jが時間を追うごとに増加する。そして、ステップS9へと進み、放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であるか否かが判断される。放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であればステップS13へと進み、発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるか否かが判断される。このときの発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるので、ステップS14→ステップS17へと進み、クラッチ熱保護がなされないと共に、発熱量積算値Jが格納される。
(4)時刻t3〜時刻t4
時刻t3において、クラッチ発熱量Wが温度飽和閾値hを下回ると、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS11へと進む。時刻t1にて既に発熱量積算値Jが積算上限値qに達しているため、ステップS11→ステップS12へと進み、現在の発熱量積算値Jが維持されて発熱量積算値Jは増加しない。そして、ステップS9へと進み、放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であるか否かが判断される。放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であればステップS13へと進み、発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるか否かが判断される。このときの発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるので、ステップS14→ステップS17へと進み、クラッチ熱保護がなされないと共に、発熱量積算値Jが格納される。
(5)時刻t4〜時刻t5
時刻t4において、第2クラッチCL2が完全締結されると、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS11へと進む。時刻t1にて既に発熱量積算値Jが積算上限値qに達しているため、ステップS11→ステップS12へと進み、現在の発熱量積算値Jが維持されて発熱量積算値Jは増加しない。そして、ステップS9へと進み、放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であるか否かが判断される。放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であればステップS13へと進み、発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるか否かが判断される。このときの発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるので、ステップS14→ステップS17へと進み、クラッチ熱保護がなされないと共に、発熱量積算値Jが格納される。
(6)時刻t5〜時刻t6
時刻t5において、第2クラッチのCL2の滑り締結が再び開始されると、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS11へと進む。時刻t1にて既に発熱量積算値Jが積算上限値qに達しているため、ステップS11→ステップS12へと進み、現在の発熱量積算値Jが維持されて発熱量積算値Jは増加しない。そして、ステップS9へと進み、放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であるか否かが判断される。放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であればステップS13へと進み、発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるか否かが判断される。このときの発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるので、ステップS14→ステップS17へと進み、クラッチ熱保護がなされないと共に、発熱量積算値Jが格納される。
(7)時刻t6〜時刻t7
時刻t6において、クラッチ発熱量Wが再び温度飽和閾値hに達すると、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8へと進み、第2クラッチCL2の単位時間当たりの発熱量W0が算出され、この単位時間あたりのクラッチ発熱量W0が発熱量積算値Jに加算されて発熱量積算値Jが時間を追うごとに増加する。そして、ステップS9へと進み、放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であるか否かが判断される。放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であればステップS13へと進み、発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるか否かが判断される。このときの発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるので、ステップS14→ステップS17へと進み、クラッチ熱保護がなされないと共に、発熱量積算値Jが格納される。
(8)時刻t7〜時刻t8
時刻t7において、クラッチ発熱量Wが再び温度飽和閾値hを下回ると、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS11へと進む。時刻t1にて既に発熱量積算値Jが積算上限値qに達しているため、ステップS11→ステップS12へと進み、現在の発熱量積算値Jが維持されて発熱量積算値Jは増加しない。そして、ステップS9へと進み、放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であるか否かが判断される。放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であればステップS13へと進み、発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるか否かが判断される。このときの発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるので、ステップS14→ステップS17へと進み、クラッチ熱保護がなされないと共に、発熱量積算値Jが格納される。
(9)時刻t8〜時刻t9
時刻t8において、第2クラッチCL2が再び完全締結されると、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS11へと進む。時刻t1にて既に発熱量積算値Jが積算上限値qに達しているため、ステップS11→ステップS12へと進み、現在の発熱量積算値Jが維持されて発熱量積算値Jは増加しない。そして、ステップS9へと進み、放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であるか否かが判断される。放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であればステップS13へと進み、発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるか否かが判断される。このときの発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるので、ステップS14→ステップS17へと進み、クラッチ熱保護がなされないと共に、発熱量積算値Jが格納される。
(10)時刻t9
時刻t9において、第2クラッチCL2の完全締結時間が長くなり、放熱カウンタTが放熱完了閾値tに達すると、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS11→ステップS12→ステップS9へと進み、放熱カウンタTが放熱完了閾値t未満であるか否かが判断される。時刻t9で放熱カウンタTが放熱完了閾値tに達するので、ステップS10へと進み、発熱量積算値Jがゼロになる。そして、ステップS13へと進み、発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるか否かが判断される。このときの発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Q以下であるので、ステップS14→ステップS17へと進み、クラッチ熱保護がなされないと共に、発熱量積算値Jが格納される。なお、このとき格納される発熱量積算値Jはゼロである。
さらに、発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Qに達した場合では、図2に示すフローチャートにおいて、ステップS13→ステップS15→ステップS16へと進み、クラッチ熱保護がなされて、強制的に差回転抑制モードが設定される。すなわち、第2クラッチCL2の締結力が強制的に強められて完全締結状態にされるか、締結力が強制的に弱められて完全開放状態にされて、クラッチ発熱量Wの発生が抑えられる。
このように、実施例1の車両の制御装置におけるクラッチ熱保護制御では、ステップS5において、第2クラッチCL2を通過するクラッチ伝達トルクと第2クラッチCL2の回転速度差とを積算することによりクラッチ発熱量Wを算出し、ステップS8において、第2クラッチCL2の滑り締結時にクラッチ発熱量Wを積算して発熱量積算値Jを算出する。そして、この発熱量積算値Jがクラッチ限界熱量Qを超過した時、ステップS13→ステップS15→ステップS16へと進んで、強制的にクラッチ差回転を抑制する差回転抑制モードが設定される。また、ステップS9において、差回転抑制モード状態である第2クラッチCL2の完全締結時間が設定時間(放熱完了閾値t)を超過したと判断された時には、ステップS10へと進んで発熱量積算値Jがゼロにされる。
そのため、検出される必要数値の精度が粗く、推定できるクラッチ温度の誤差が大きくなって第2クラッチCL2の熱保護が困難な場合であっても、クラッチ発熱量Wに基づいて第2クラッチCL2の過熱状態を適切に防止することができる。
特に、差回転抑制モード状態である第2クラッチCL2の完全締結時間が設定時間(放熱完了閾値t)を超過したと判断されるまでは、発熱量積算値Jがゼロにならない。このため、第2クラッチCL2が確実に放熱完了している時のみクラッチ冷却状態を判断でき、クラッチの熱保護精度を高めることができる。
また、実施例1の車両の制御装置におけるクラッチ熱保護制御では、クラッチ発熱量Wが温度飽和閾値h未満の時であって、且つ、発熱量積算値Jが積算上限値q未満の時には、ステップS6→ステップS11→ステップS7→ステップS8へと進んでクラッチ発熱量Wを積算する。また、クラッチ発熱量Wが温度飽和閾値h未満の時であって、且つ、発熱量積算値Jが積算上限値q以上の時には、ステップS6→ステップS11→ステップS12へと進んでクラッチ発熱量Wを積算しない。さらに、クラッチ発熱量Wが温度飽和閾値h以上の時には、ステップS6→ステップS7→ステップS8へと進んで、クラッチ発熱量Wを積算する。
そのため、クラッチ発熱量Wが小さい時には、このクラッチ発熱量Wが一定値(積算上限値q)以上積算しないので、過剰な発熱量計算を防ぎ、過剰なクラッチ熱保護の実施を抑制することができる。
[クラッチ放熱時間カウント制御作用]
実施例1の車両の制御装置では、図2に示したクラッチ熱保護制御と同時に、別処理としてクラッチ放熱時間カウント制御を実行している。以下に、図4に示すタイムチャートに基づいてクラッチ放熱時間カウント制御を説明する。
(1)時刻t0〜時刻t4
時刻t0〜時刻t4の間、第2クラッチCL2は滑り締結しており、図3に示すフローチャートにおいて、ステップS20→ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS25へと進む。そして、クラッチ発熱量Wがゼロであるか否かが判断されるが、クラッチ発熱量Wが生じているのでステップS26へと進み、放熱カウンタTがゼロになる。そして、ステップS28へと進み、放熱カウンタTが格納される。なお、このとき格納される放熱カウンタTはゼロである。
(2)時刻t4〜時刻t5
時刻t4において、第2クラッチCL2が完全締結されると、図3に示すフローチャートにおいて、ステップS20→ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS27へと進む。そして、放熱カウンタTに「1」が加えられて増加する。そして、ステップS28へと進み、放熱カウンタTが格納される。なお、このとき格納される放熱カウンタTは、前回の放熱カウンタ値+1である。
(3)時刻t5〜時刻t8
時刻t5において、第2クラッチのCL2の滑り締結が再び開始されると、図3に示すフローチャートにおいて、ステップS20→ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS25へと進む。そして、クラッチ発熱量Wがゼロであるか否かが判断されるが、クラッチ発熱量Wが生じているのでステップS26へと進み、放熱カウンタTがゼロになる。そして、ステップS28へと進み、放熱カウンタTが格納される。なお、このとき格納される放熱カウンタTはゼロである。
(4)時刻t8〜時刻t9
時刻t8において、第2クラッチCL2が再び完全締結されると、図3に示すフローチャートにおいて、ステップS20→ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS27へと進む。そして、放熱カウンタTに「1」が加えられて増加する。そして、ステップS28へと進み、放熱カウンタTが格納される。なお、このとき格納される放熱カウンタTは、前回の放熱カウンタ値+1である。
このように、実施例1の車両の制御装置では、クラッチ熱保護制御とは別に、クラッチ放熱時間カウント制御を実行するので、第2クラッチCL2の滑り締結時に発生する発熱量の計算と、第2クラッチCL2の差回転抑制モードに発生する放熱量の計算とを切り離すことができる。そのため、クラッチ熱保護制御を簡易的に行うことができて、誤差の発生を抑制することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 駆動源(エンジンEng,モータ/ジェネレータMG)と駆動輪(左右駆動輪LT,RT)との間のトルク伝達を摩擦締結により断接するクラッチ(第2クラッチ)CL2と、該クラッチCL2の締結力を制御して過熱防止するクラッチ熱保護手段(図2)と、を備えた車両の制御装置において、前記クラッチCL2を通過するクラッチ伝達トルクと、前記クラッチCL2の回転速度差とを乗算することにより、前記クラッチCL2の発熱量(クラッチ発熱量)Wを算出する発熱量算出手段(ステップS5)を備え、前記クラッチ熱保護手段(図2)は、前記クラッチCL2の滑り締結時に前記発熱量Wを積算し、この発熱量積算値Jが設定値(クラッチ限界熱量Q)を超過した時、クラッチ差回転を抑制する差回転抑制モードにすると共に、該差回転抑制モード状態が設定時間(放熱完了閾値t)を超過した時、前記発熱量積算値Jをゼロにする構成とした。このため、検出される必要数値の精度が粗くても、クラッチの過熱状態を適切に防止することができる。
(2) 前記クラッチ熱保護手段(図2)は、前記クラッチCL2の滑り締結時の前記発熱量Wが温度飽和閾値h未満の時であって、前記発熱量積算値Jが積算上限値q未満の時、前記発熱量Wを積算し、前記発熱量Wが前記温度飽和閾値h未満の時であって、前記発熱量積算値Jが積算上限値q以上の時、前記発熱量Wを積算せず、前記発熱量Wが前記温度飽和閾値h以上の時、前記発熱量Wを積算する構成とした。このため、過剰な発熱量計算を防ぎ、過剰なクラッチ熱保護の実施を抑制することができる。
(3) 前記差回転抑制モード状態の時間長さを計測する放熱時間カウント制御手段(図3)を備えた構成とした。このため、第2クラッチCL2の滑り締結時に発生する発熱量の計算と、第2クラッチCL2の差回転抑制モードに発生する放熱量の計算とを切り離すことができ、クラッチ熱保護制御を簡易的に行うことができて、誤差の発生を抑制することができる。
以上、本発明の車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、パラレルハイブリッド車両用に適用する例を示したが、FRハブリッド車両やFFハイブリッド車両は勿論のこと、駆動源にモータのみ、あるいはモータ/ジェネレータのみを備えた電気自動車や燃料電池車等の電気自動車に適用することもできるし、駆動源にエンジンのみを備えたエンジン自動車に適用することもできる。また、実施例1では、第2クラッチCL2と駆動輪LT,RTとの間に無段変速機CVTを配置したが、手動変速機や有段の自動変速機であってもよいし、変速機を配置しなくてもよい。要するに、駆動源と駆動輪との間のトルク伝達を摩擦締結により断接するクラッチを有する車両であれば適用することができる。
Eng エンジン(駆動源)
MG モータ/ジェネレータ(駆動源)
LT 左駆動輪(駆動輪)
RT 右駆動輪(駆動輪)
CL2 第2クラッチ(クラッチ)


Claims (2)

  1. 駆動源と駆動輪との間のトルク伝達を摩擦締結により断接するクラッチと、該クラッチの締結力を制御して過熱防止するクラッチ熱保護手段と、を備えた車両の制御装置において、
    前記クラッチを通過するクラッチ伝達トルクと、前記クラッチの回転速度差とを乗算することにより、前記クラッチの発熱量を算出する発熱量算出手段を備え、
    前記クラッチ熱保護手段は、前記クラッチの滑り締結時の前記発熱量が温度飽和閾値未満の時であって、前記発熱量積算値が積算上限値未満の時、前記発熱量を積算し、
    前記発熱量が前記温度飽和閾値未満の時であって、前記発熱量積算値が積算上限値以上の時、前記発熱量を積算せず、
    前記発熱量が前記温度飽和閾値以上の時、前記発熱量を積算し、
    この発熱量積算値が設定値を超過した時、クラッチ差回転を抑制する差回転抑制モードにすると共に、該差回転抑制モード状態が設定時間を超過した時、前記発熱量積算値をゼロにすることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載された車両の制御装置において、
    前記差回転抑制モード状態の時間長さを計測する放熱時間カウント制御手段を備えたことを特徴とする車両の制御装置。
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