JP5023838B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
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Description
まず、実施例1における車両の駆動系の構成を説明する。
図1は、実施例1の車両の制御装置が適用された後輪駆動によるハイブリッド車両を示す全体システム図である。このハイブリッド車両の駆動系は、エンジンEと、第1クラッチCL1と、モータジェネレータMGと、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪RL(駆動輪)と、右後輪RR(駆動輪)と、を有している。なお、FLは左前輪、FRは右前輪である。
第2クラッチCL2は、モータジェネレータMGと左右後輪RL,RRとの間に介装された締結要素であり、後述するATコントローラ7からの制御指令に基づいて、第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、その締結および解放が制御される。第2クラッチCL2は、ハイブリッド車両専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の締結要素のうち、いくつかの締結要素を流用している。第2クラッチCL2には、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチを用いているが、他の構成としてもよい。
自動変速機ATは、前進5速後退1速等の有段階の変速比を、車速VSPやアクセル開度APO等に応じて、予めATコントローラ7に記憶された所定の変速マップに従って自動的に切り替える変速機である。自動変速機ATの出力軸は、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左右後輪RL,RRに連結されている。
このハイブリッド車両の駆動系は、第1クラッチCL1の締結・解放状態に応じた2つの走行モードを有している。第1の走行モードは、発進時を含む低負荷走行時に、第1クラッチCL1の解放状態で、モータジェネレータMGの動力のみを動力源として走行するモータ使用走行モードとしての電気自動車走行モード(以下、「EV走行モード」)である。
図2は、第1クラッチCL1の軸方向断面を示す。第1クラッチCL1は、手動変速機に用いられるクラッチと同様の乾式単板の摩擦クラッチであり、フライホイールFWに一体結合されたクラッチカバー31内に、クラッチディスク32と、プレッシャプレート33と、皿バネ(ダイヤフラム)34と、を有し、また、(レリーズレバーの機能も果たす)皿バネ34を弾性変形させるレリーズベアリング37と、レリーズベアリング37を軸方向に往復移動させるピストン35と、ピストンを35収容するスリーブシリンダ36と、を有している。
図2中、中心軸の上側は第1クラッチCL1の完全締結状態を示し、下側は完全解放状態を示す。図3は、ピストン35のストローク位置xと伝達トルク容量TCL1との相関特性を示すグラフである。任意の2つのストローク位置xの間の距離が、ピストン35のストローク量である。
油圧室Rから作動油が排出され、第1クラッチ圧がゼロのとき、ピストン35は最小ストローク位置にある。ストローク位置xが最小ストローク位置から解放開始位置x1までの完全締結領域にあるとき、第1クラッチCL1の伝達トルク容量TCL1が所定の最大値TCL1maxとなり、完全締結状態となる。このように第1クラッチCL1は、クラッチ圧がゼロに近いときに完全締結される常閉式クラッチである。HEV走行モードでは完全締結状態となり、フライホイールFW(=エンジン出力軸A1)とクラッチディスク32(=モータ出力軸A2)とが一体に回転する。
油圧室Rに作動油が供給されると、第1クラッチ圧によりピストン35が最小ストローク位置からエンジンE側の軸方向に移動する。第1クラッチ圧が一定以上になると、ピストン35と一体に移動するレリーズベアリング当接部37bが皿バネ34の内周側に接触し、エンジンE側に押し付ける。これにより皿バネ34がクラッチカバー31との接触部34aを支点として弾性変形する。よって、皿バネ34がフライホイール30とクラッチフェーシング32bとを押し付ける力が減少し始め、伝達トルク容量TCL1が減少し始める。このときのピストン35のストローク位置xが解放開始位置x1である。以下、最小ストローク位置=解放開始位置x1とみなして説明する。
ピストン35が締結開始位置x2よりも解放側に移動すると、皿バネ34の外周側がモータジェネレータMG側に移動し、皿バネ34の外周側とフライホイールFWとの間の軸方向距離が広がって、両者の間に挟まれたクラッチディスク32およびプレッシャプレート33を軸方向に移動可能とする。よって、クラッチフェーシング32bとフライホイールFWとの間に軸方向隙間ができ、第1クラッチCL1が完全解放される。このようにストローク位置xが締結開始位置x2よりも解放側の完全解放領域にあるとき、第1クラッチCL1の伝達トルク容量TCL1が最小値=ゼロとなり、完全解放状態となる。EV走行モードでは完全解放状態となり、フライホイールFW(=エンジン出力軸A1)とクラッチディスク32(=モータ出力軸A2)とが切り離されて独立回転する。
油圧室Rから作動油が排出され、第1クラッチ圧が低下すると、ピストン35がモータジェネレータMG側の軸方向にストロークする。レリーズベアリング当接部37bに接触した皿バネ34の内周側がモータジェネレータMG側に移動するため、皿バネ34がクラッチカバー31との接触部34aを支点として弾性変形し、皿バネ34の外周側がエンジンE側に移動する。皿バネ34の弾性力により、皿バネ34の外周側がプレッシャプレート33をエンジンE側に押し付ける。
次に、実施例1におけるハイブリッド車両の制御系を説明する。図1に示すように、ハイブリッド車両の制御系は、後述する各種センサおよびスイッチの他、エンジンコントローラ1、モータコントローラ2、インバータ3、バッテリ4、第1クラッチコントローラ5、第1クラッチ油圧ユニット6、ATコントローラ7、第2クラッチ油圧ユニット8、ブレーキコントローラ9、および統合コントローラ10を有している。第1クラッチ油圧ユニット6および第2クラッチ油圧ユニット8は、自動変速機ATに備えられた油圧コントロールバルブ内に設けられている。
エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12が検出したエンジン回転数Neや統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令Te*等の情報に基づき、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えばスロットルバルブアクチュエータへ出力する。エンジン回転数Neの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。尚、エンジン回転数センサ12は、エンジン出力軸A1(クランクシャフト)の回転角度を検出するクランク角センサであり、点火時期や燃料噴射時期の制御に用いられる。検出された上記回転角度からエンジン回転数Ne(回転角速度)を検出可能に設けられている。
モータコントローラ2は、レゾルバ13が検出したモータジェネレータMGのロータ回転位置、および統合コントローラ10からの目標モータトルク指令Tm*等に基づき、モータジェネレータMGのモータ動作点(Nm,Tm)を制御する指令をインバータ3へ出力する。
第1クラッチコントローラ5は、統合コントローラ10からの第1クラッチ制御指令(目標ストローク位置x*)に基づき、第1クラッチCL1の締結・解放を制御する指令(目標ストローク位置x*を実現する第1クラッチ圧指令値)を演算し、これを第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。また、ストロークセンサ15が検出したストローク位置xと目標ストローク位置x*との偏差に基づき、第1クラッチ圧指令値を補正する。検出したストローク位置xの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10に入力される。
ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16が検出したアクセル開度APO、車速センサ(AT出力回転数センサ)17が検出した車速VSP、第2クラッチ油圧センサ18が検出した第2クラッチ圧、および統合コントローラ10からの第2クラッチ制御指令(目標伝達トルク容量TCL2*)等に基づき、第2クラッチCL2の締結・解放を制御する指令を第2クラッチ油圧ユニット8に出力する。なお、アクセル開度APO、および車速VSPの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10に入力される。
ブレーキコントローラ9は、車輪速センサ19が検出した4輪FR,FL,RR,RLの各車輪速、ブレーキストロークセンサ20が検出したブレーキストロークBS、および統合コントローラ10からの回生協調制御指令に基づき、回生協調ブレーキ制御を行う。例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークBSから算出される要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(摩擦制動力)で補うように制御する。
統合コントローラ10は、主に、車両全体の消費エネルギーを管理し、最高効率で車両を走らせる機能を有している。統合コントローラ10は、モータ回転数センサ21が検出したモータ回転数Nm、第2クラッチ出力回転数センサ22が検出した第2クラッチ出力回転数N2out、ブレーキ油圧センサ24が検出したブレーキ圧、バッテリ電力センサ25が検出したバッテリ4の使用可能な電力容量(以下、バッテリSOC)、およびCAN通信線11を介して得られた各情報、すなわちエンジン回転数Ne、第1クラッチCL1のストローク位置x、第1、第2クラッチ圧、アクセル開度APO、車速VSP、およびブレーキストロークBS等の入力を受ける。
以下に、図4に示すブロック図を用いて、実施例1の統合コントローラ10にて演算される制御を説明する。例えば、この演算は、制御周期10msec毎に統合コントローラ10で演算される。統合コントローラ10は、目標駆動力演算部100と、モード選択部200と、目標充放電演算部300と、動作点指令部400と、変速制御部500と、を有している。
目標駆動力演算部100では、所定の目標駆動力マップを用いて、アクセルペダル開度APOと車速VSPとから、目標駆動力tFoOを演算する。
モード選択部200では、図5に示すEV-HEV選択マップを用いて、走行状態(アクセルペダル開度APOおよび車速VSP)から、目標走行モードを演算する。但し、バッテリSOCが所定値以下であれば、強制的に「HEV走行モード」を目標走行モードとする。
目標充放電演算部300では、所定の目標充放電量マップを用いて、バッテリSOCから目標充放電電力tPを演算する。
エンジン制御部410は、目標駆動力tFoO等に基づき目標エンジントルクTe*を演算し、これをエンジンコントローラ1に出力して、エンジンEの動作を制御する。
モータ制御部420は、目標駆動力tFoO等に基づき目標モータ回転数Nm*および目標モータトルクTm*を演算し、これらをモータコントローラ2に出力して、モータジェネレータMGの動作を制御する。
第1クラッチ制御部430は、ピストン35の目標ストローク位置x*を演算して第1クラッチコントローラ5に出力する。これにより第1クラッチCL1の締結および解放を制御して、EV走行モードとHEV走行モードを切り換える。また、EV走行モード時には、第1クラッチCL1の締結の準備として、ピストン35をスタンバイ位置に待機させる。
第2クラッチ制御部440は、目標駆動力tFoOに基づいて第2クラッチCL2の目標伝達トルク容量TCL2*を演算し、これを変速制御部500に出力して、第2クラッチCL2の伝達トルク容量TCL2を制御する。
エンジン始動制御部450は、目標走行モードがEV走行モードからHEV走行モードに切り換わってエンジン始動要求がなされると、エンジンEの始動制御を行う。以下、エンジン始動制御部450の制御内容について説明する。
エンジン始動制御部450は、目標走行モードがHEV走行モードからEV走行モードに切り換わってエンジン停止要求がなされると、エンジンEの停止制御を行う。具体的には、エンジン停止要求がなされるとエンジン制御部410に制御指令を出力して、エンジンEへの燃料供給を停止させる。また、第1クラッチ制御部430に制御指令を出力して、目標伝達トルク容量TCL1*を一定割合で最小値ゼロまで低下させる。これにより目標ストローク位置x*を締結開始位置x2まで変化させ、第1クラッチCL1を完全解放状態として、エンジン停止を完了する。尚、エンジン始動制御と同様、第2クラッチCL2をスリップ制御する。
動作点指令部400は、シフトスケジュールに沿って目標変速段(目標ATシフト)を自動的に設定し、変速制御部500に出力する。変速制御部500は、この目標変速段を達成するように、自動変速機AT内のソレノイドバルブを駆動制御し、自動変速機AT内の各クラッチの伝達トルクを制御する。尚、このシフトスケジュールは、車速VSPとアクセルペダル開度APOに基づいて予め目標変速段が設定されたものであり、アップシフト線、ダウンシフト線等が設定されている。
図4に示すように、第1クラッチ制御部430は、目標伝達トルク容量演算部431と、トルク−ストロークマップ432と、目標ストローク位置演算部433と、スタンバイ位置補正部434と、を有している。
EV走行中、第1クラッチCL1のプレッシャプレート33は、伝達トルク容量TCL1を発生せず、かつエンジン始動要求後は速やかに伝達トルク容量TCL1を発生可能な位置(スタンバイ位置)に待機させることが望ましい。以下、ピストン35のスタンバイ位置をプレッシャプレート33のスタンバイ位置とみなして説明する。図3のマップに示すように、EV走行中のピストン35のスタンバイ位置が実際の締結開始位置x2に制御されていれば、伝達トルク容量TCL1がゼロであり、かつ速やかに伝達トルク容量TCL1を発生可能である。
ステップS2では、エンジン引きずりトルクTdが発生しているか否かを判定する。エンジン引きずりトルクTdが発生していればステップS3に進み、発生していなければステップS4に進む。
ステップS5では、エンジン回転数Neがゼロ以上か否か、すなわちエンジン回転が発生したか否かを判定する。エンジン回転を検出したときはステップS6に移り、検出しないときはステップS5を繰り返す。
図10〜図12は、ストローク位置x、伝達トルク容量TCL1、およびエンジン回転数Ne(およびモータ回転数Nm)のタイムチャートである。締結開始位置x2の補正制御前を点線で示し、補正制御後を実線で示す。
図10は、補正制御前に、トルク−ストロークマップ432に設定されたトルク−ストローク特性が締結側にオフセットしていた場合を示す。HEV走行モードからEV走行モードに切り替わり、第1クラッチCL1を解放してエンジン停止制御を実行する際のタイムチャートである。
時刻t0までは、HEV走行中である。ストローク位置は完全締結位置x0にあり、伝達トルク容量TCL1はTCL1maxである。また、エンジン回転数はNe1で一定であり、エンジンEの回転加速度dNe/dtはゼロである。
尚、所定の条件(ステップS1,S2)が成立したときには、時刻t3で、補正制御を実行する。すなわち、時刻t3で読み込んだストローク位置xからエンジン引きずり相当ストロークxdだけ解放側にオフセットさせて、実際の締結開始位置x2を算出する。算出した締結開始位置x2を、補正後のスタンバイ位置に設定する。また、トルク−ストロークマップ432(トルク−ストローク特性)を、エンジン引きずり相当ストロークxdだけ解放側にオフセットさせて補正する。
時刻t1までは、HEV走行中である。ストローク位置は解放開始位置x1にあり、伝達トルク容量TCL1はTCL1maxである。時刻t1で、目標モードがHEV走行モードからEV走行モードへ移り、エンジン停止要求がなされる。時刻t1以後、エンジン停止制御が実行され、エンジンEへの燃料供給が停止される。これによりエンジンEが自立回転をやめる。また、時刻t1以後、ストローク位置xが一定割合で解放側に変化し、伝達トルク容量TCL1が一定割合で低下する。
図11は、補正制御前に、トルク−ストロークマップ432に設定されたトルク−ストローク特性が所定のストローク量αだけ解放側にオフセットしていた場合を示す。EV走行モードからHEV走行モードに切り替わり、第1クラッチCL1を締結してエンジン始動制御を実行する際のタイムチャートである。
時刻t0までは、EV走行中である。ストローク位置xは、実際の締結開始位置x2よりもストローク量αだけ解放側のスタンバイ位置にあり、伝達トルク容量TCL1はゼロである。また、エンジン回転数Neはゼロである。
尚、所定の条件(ステップS4,S5)が成立したときには、時刻t2で、補正制御を実行する。すなわち、時刻t2で読み込んだストローク位置xからエンジンフリクション相当ストロークxfだけ解放側にオフセットさせて、実際の締結開始位置x2を算出する。算出した締結開始位置x2を、補正後のスタンバイ位置に設定する。また、トルク−ストロークマップ432(トルク−ストローク特性)を、検出したストローク量αだけ締結側にオフセットさせて補正する。
時刻t1までは、EV走行中である。補正によりスタンバイ位置が実際の締結開始位置x2に再設定されている。よって、ストローク位置は実際の締結開始位置x2にあり、伝達トルク容量TCL1はTCL1maxである。時刻t1で、目標モードがEV走行モードからHEV走行モードへ移り、エンジン始動要求がなされる。時刻t1以後、エンジン始動制御が実行され、ストローク位置xが一定割合で締結側に変化する。
時刻t1から時刻t3までは補正前と同様である。
時刻t4から時刻t6までは補正前と同様である。
図12は、補正制御前に、トルク−ストロークマップ432に設定されたトルク−ストローク特性が所定のストローク量βだけ解放側にオフセットしていた場合を示す。HEV走行モードからEV走行モードに切り替わり、第1クラッチCL1を解放してエンジン停止制御を実行する際のタイムチャートである。
時刻t1までは、HEV走行中である。ストローク位置は、解放開始位置x1よりもストローク量βだけ解放側のx1' にあり、伝達トルク容量TCL1はTCL1max'である。尚、TCL1max'=TCL1maxであり、完全締結状態が保たれ、エンジン回転数Neとモータ回転数Nmは一致しているものとする。また、エンジン回転数およびモータ回転数はNe1=Nm1で一定であり、エンジンEの回転加速度dNe/dtはゼロである。
尚、所定の条件(ステップS7,S8)が成立したときには、時刻t2で、補正制御を実行する。すなわち、時刻t2で読み込んだストローク位置xからエンジンフリクション相当ストロークxfだけ解放側にオフセットさせて、実際の締結開始位置x2を算出する。算出した締結開始位置x2を、補正後のスタンバイ位置に設定する。また、トルク−ストロークマップ432(トルク−ストローク特性)を、検出したストローク量βだけ締結側にオフセットさせて補正する。
時刻t0までは、HEV走行中である。ストローク位置は解放開始位置x1にあり、伝達トルク容量TCL1はTCL1maxである。時刻t0で、目標モードがHEV走行モードからEV走行モードへ移り、エンジン停止要求がなされる。時刻t0以後、エンジン停止制御が実行され、エンジンEへの燃料供給が停止される。これによりエンジンEが自立回転をやめる。また、時刻t0以後、ストローク位置xが一定割合で解放側に変化し、伝達トルク容量TCL1が一定割合で低下する。
以下、実施例1から把握される、本発明の車両の制御装置が有する作用効果を列挙する。
A1 エンジン出力軸
FW フライホイール
CL1 第1クラッチ
A2 モータ出力軸
MG モータジェネレータ
CL2 第2クラッチ
AT 自動変速機
RL 左後輪(駆動輪)
RR 右後輪(駆動輪)
5 第1クラッチコントローラ
6 第1クラッチ油圧ユニット
10 統合コントローラ
12 エンジン回転数センサ
15 ストロークセンサ
21 モータ回転数センサ
32 クラッチディスク
32b クラッチフェーシング
34 皿バネ
35 ピストン
37 レリーズベアリング
430 第1クラッチ制御部
431 目標伝達トルク容量演算部
432 トルク−ストロークマップ
433 目標ストローク位置演算部
434 スタンバイ位置補正部
435 走行距離計測部
436 摩耗量推定部
450 エンジン始動制御部
Claims (10)
- エンジンと、
モータと、
前記エンジンと前記モータとの間に介装され、可動子の位置に応じて伝達トルク容量を変更可能な締結要素と、
前記可動子の位置を検出する位置検出手段と、
前記可動子の位置と前記伝達トルク容量との相関特性を予め設定し、前記設定された相関特性に基づき、前記伝達トルク容量の発生を開始する前記可動子の位置である締結開始位置を設定し、前記設定された締結開始位置に前記可動子の待機位置を設定する待機位置設定手段と、
前記可動子の位置を前記待機位置に制御する位置制御手段と、
前記設定された締結開始位置を実際の前記締結開始位置と一致するように補正する補正手段と、を有し、
前記補正手段は、前記締結要素の締結から解放への移行時、前記エンジンと前記モータとの差回転の発生を検出したときの前記可動子の位置と、前記設定された相関特性により前記差回転の発生が予測される前記可動子の位置との差に基づき、実際の前記締結開始位置を算出する
ことを特徴とする車両の制御装置。 - エンジンと、
モータと、
前記エンジンと前記モータとの間に介装され、可動子の位置に応じて伝達トルク容量を変更可能な締結要素と、
前記可動子の位置を検出する位置検出手段と、
前記伝達トルク容量の発生を開始する前記可動子の位置である締結開始位置を予め設定し、前記設定された締結開始位置に前記可動子の待機位置を設定する待機位置設定手段と、
前記可動子の位置を前記待機位置に制御する位置制御手段と、
前記設定された締結開始位置を実際の前記締結開始位置と一致するように補正する補正手段と、を有し、
前記補正手段は、
前記エンジンが自立回転せずに前記締結要素から伝達されるトルクにより回されている状態、または回され始めた状態で、前記伝達トルクから前記エンジンの慣性モーメントによるトルク分を除いた、前記エンジンの摩擦抵抗によるトルクであるエンジンフリクショントルクを算出し、
前記エンジンフリクショントルクに相当する前記伝達トルク容量を発生させる前記可動子の移動量であるエンジンフリクション相当移動量を算出し、
前記締結要素の締結から解放への移行時、前記エンジンと前記モータとの差回転の発生を検出したときの前記可動子の位置を前記エンジンフリクション相当移動量だけ解放側に変位させることで、実際の前記締結開始位置を算出する
ことを特徴とする車両の制御装置。 - エンジンと、
モータと、
前記エンジンと前記モータとの間に介装され、可動子の位置に応じて伝達トルク容量を変更可能な締結要素と、
前記可動子の位置を検出する位置検出手段と、
前記可動子の位置と前記伝達トルク容量との相関特性を予め設定し、前記設定された相関特性に基づき、前記伝達トルク容量の発生を開始する前記可動子の位置である締結開始位置を設定し、前記設定された締結開始位置に前記可動子の待機位置を設定する待機位置設定手段と、
前記可動子の位置を前記待機位置に制御する位置制御手段と、
前記設定された締結開始位置を実際の前記締結開始位置と一致するように補正する補正手段と、を有し、
前記補正手段は、前記締結要素の解放から締結への移行時、前記エンジンの回転の発生を検出したときの前記可動子の位置と、前記設定された相関特性により前記エンジンの回転の発生が予測される前記可動子の位置との差に基づき、実際の前記締結開始位置を算出する
ことを特徴とする車両の制御装置。 - エンジンと、
モータと、
前記エンジンと前記モータとの間に介装され、可動子の位置に応じて伝達トルク容量を変更可能な締結要素と、
前記可動子の位置を検出する位置検出手段と、
前記伝達トルク容量の発生を開始する前記可動子の位置である締結開始位置を予め設定し、前記設定された締結開始位置に前記可動子の待機位置を設定する待機位置設定手段と、
前記可動子の位置を前記待機位置に制御する位置制御手段と、
前記設定された締結開始位置を実際の前記締結開始位置と一致するように補正する補正手段と、を有し、
前記補正手段は、
前記エンジンが自立回転せずに前記締結要素から伝達されるトルクにより回されている状態、または回され始めた状態で、前記伝達トルクから前記エンジンの慣性モーメントによるトルク分を除いた、前記エンジンの摩擦抵抗によるトルクであるエンジンフリクショントルクを算出し、
前記エンジンフリクショントルクに相当する前記伝達トルク容量を発生させる前記可動子の移動量であるエンジンフリクション相当移動量を算出し、
前記締結要素の解放から締結への移行時、前記エンジンの回転の発生を検出したときの前記可動子の位置を前記エンジンフリクション相当移動量だけ解放側に変位させることで、実際の前記締結開始位置を算出する
ことを特徴とする車両の制御装置。 - エンジンと、
モータと、
前記エンジンと前記モータとの間に介装され、可動子の位置に応じて伝達トルク容量を変更可能な締結要素と、
前記伝達トルク容量の発生を開始する前記可動子の位置である締結開始位置を予め設定し、前記設定された締結開始位置に前記可動子の待機位置を設定する待機位置設定手段と、
前記可動子の位置を前記待機位置に制御する位置制御手段と、
前記設定された締結開始位置を実際の前記締結開始位置と一致するように補正する補正手段と、を有し、
前記補正手段は、
前記可動子が前記待機位置に制御されているときに発生する前記伝達トルク容量であるエンジン引きずりトルクを算出し、
前記エンジン引きずりトルクに相当する前記伝達トルク容量を発生させる前記可動子の移動量であるエンジン引きずり相当移動量を算出し、
前記設定された締結開始位置を前記エンジン引きずり相当移動量だけ解放側に変位させることで、実際の前記締結開始位置を算出する
ことを特徴とする車両の制御装置。 - 前記補正手段は、前記締結要素の締結から解放への移行時に前記可動子が前記設定された締結開始位置まで移動したとき、前記エンジン引きずりトルクの発生を検出することを特徴とする請求項5に記載の車両の制御装置。
- 前記補正手段は、2以上の前記移行時にそれぞれ算出した2以上の実際の前記締結開始位置の平均を算出し、前記平均位置と一致するように、前記設定された締結開始位置を補正することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか又は請求項6に記載の車両の制御装置。
- 前記締結要素は乾式の摩擦締結要素であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の車両の制御装置。
- 前記エンジン側および前記モータ側の回転部材同士を弾性力により押し付けまたは離間させる弾性部材が設けられ、
前記可動子は、移動することにより前記弾性部材を弾性変形させて、前記可動子の位置に応じた前記伝達トルク容量を発生させること
を特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の車両の制御装置。 - 前記弾性部材は皿バネであることを特徴とする請求項9に記載の車両の制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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