JP2014061750A - ハイブリッド車両の制御装置、およびハイブリッド車両の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】クラッチトルク容量を正確に学習可能なハイブリッド車両の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンENGとモータMGとの間に設けたクラッチCL1を締結して、モータの回転を伝達してエンジンを始動する場合に、エンジンの回転速度を検出可能となる前に、モータ回転速度に基づいてクラッチのクラッチトルク容量を学習する。
【選択図】図1
【解決手段】エンジンENGとモータMGとの間に設けたクラッチCL1を締結して、モータの回転を伝達してエンジンを始動する場合に、エンジンの回転速度を検出可能となる前に、モータ回転速度に基づいてクラッチのクラッチトルク容量を学習する。
【選択図】図1
Description
本発明はハイブリッド車両の制御装置、およびハイブリッド車両の制御方法に関する。
従来、クラッチトルク容量を制御して、クラッチを締結、解放するクラッチ制御装置の制御性を向上するものが特許文献1に開示されている。特許文献1では、経年変化や個体差といったクラッチの特性変動によってクラッチの締結特性に影響が出ないようにクラッチトルク容量を学習している。
しかし、上記の発明では、学習時にクラッチに接続されている様々な構成の影響を受けずに学習させるために、クラッチ以外の構成の動作状態を規定して学習を行っているのでクラッチトルク容量を学習する頻度が少ない、といった問題点がある。
本発明はこのような問題点を解決するために発明されたもので、クラッチトルク容量の学習頻度を多くすることを目的とする。
本発明のある態様に係るハイブリッド車両の制御装置は、モータと、モータの回転が伝達されて始動可能なエンジンと、モータとエンジンとの間に設けられ、クラッチトルク容量に応じてモータとエンジンとの回転伝達状態を切り替えるクラッチとを備えたハイブリッド車両の制御装置である。ハイブリッド車両の制御装置は、エンジンをモータによって始動する場合に、クラッチトルク容量を制御してクラッチを締結するクラッチ制御手段と、エンジンをモータによって始動する場合に、エンジンの回転速度を検出可能となったかどうか判定する判定手段と、モータ回転速度を検出するモータ回転速度検出手段と、判定手段によってエンジンの回転速度を検出可能と判定される前に、モータ回転速度検出手段によって検出したモータ回転速度に基づいてクラッチトルク容量を学習するクラッチトルク容量学習手段とを備える。
この態様によると、モータによってエンジンを始動する時に、モータ回転速度に基づいてクラッチトルク容量を学習するので、クラッチトルク容量の学習頻度を多くすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態のハイブリッド車両の制御装置について説明する。
まず、構成を説明する。図1は、本実施形態のハイブリッド車両の制御装置が適用されたパラレルハイブリッド車両(ハイブリッド車両の一例)を示す全体システム図である。以下、図1に基づいて、駆動系および制御系の構成を説明する。
ハイブリッド車両の駆動系は、図1に示すように、エンジンEngと、第1クラッチCL1と、モータジェネレータMGと、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、ファイナルギヤFGと、左駆動輪LTと、右駆動輪RTと、を備えている。
ハイブリッド車両の駆動系は、電気自動車走行モード(以下、「EVモード」という。)と、ハイブリッド車走行モード(以下、「HEVモード」という。)と、準電気自動車走行モード(以下、「準EVモード」という。)と、駆動トルクコントロール発進モード(以下、「WSCモード」という。)等の走行モードを有する。
「EVモード」は、第1クラッチCL1を解放状態とし、モータジェネレータMGの動力のみで走行するモードである。
「HEVモード」は、第1クラッチCL1を締結状態とし、モータアシスト走行モード・走行発電モード・エンジン走行モードのいずれかにより走行するモードである。「準EVモード」は、第1クラッチCL1が締結状態であるがエンジンEngをOFFとし、モータジェネレータMGの動力のみで走行するモードである。
「WSCモード」は、「HEVモード」からのP、N→Dセレクト発進時、または、「EVモード」や「HEVモード」からのDレンジ発進時等において、モータジェネレータMGを回転速度制御させることで第2クラッチCL2のスリップ締結状態を維持し、第2クラッチCL2を経過するクラッチ伝達トルクが、車両状態やドライバー操作に応じて決まる要求駆動トルクとなるようにクラッチトルク容量をコントロールしながら発進するモードである。なお、「WSC」とは「Wet Start Clutch」の略である。
エンジンEngは、希薄燃焼可能であり、スロットルアクチュエータによる吸入空気量とインジェクタによる燃料噴射量と、点火プラグによる点火時期の制御により、エンジントルクが指令値と一致するように制御される。
第1クラッチCL1は、エンジンEngとモータジェネレータMGとの間の位置に介装される。この第1クラッチCL1としては、ダイヤフラムスプリング41(図2参照)による付勢力にて常時締結(ノーマルクローズ)の乾式クラッチが用いられ、エンジンEngからモータジェネレータMG間の締結/半締結/解放を行なう。この第1クラッチCL1が完全締結状態ならモータトルクとエンジントルクとが第2クラッチCL2へと伝達され、解放状態ならモータトルクのみが、第2クラッチCL2へと伝達される。なお、半締結/解放の制御は、図2に示す油圧アクチュエータ50に対するストローク制御により行われる。
ここで、図2に基づいて、第1クラッチCL1の構造を簡単に説明する。
第1クラッチCL1は、エンジン側の入力軸42に結合されたフライホイール43と、モータジェネレータMG側の出力軸44に軸方向に変位可能で回転方向には移動を規制されたクラッチディスク45と、クラッチディスク45を覆うクラッチカバー46と、を備えている。そして、プレッシャプレート47が、ダイヤフラムスプリング41の付勢力でクラッチディスク45をフライホイール43に圧接させると、入力軸42と出力軸44とでトルク伝達が可能な締結状態となる。
また、第1クラッチCL1の解放は、油圧アクチュエータ50の圧力制御弁51から出力される油圧によりピストン52を、図2において矢印ZL方向に移動させて行なう。これにより、プレッシャプレート47が矢印ZRの方向に移動し、クラッチディスク45とフライホイール43とが離れた解放状態となる。なお、圧力制御弁51は、後述するクラッチコントローラ16からの指令信号により駆動する。
第1クラッチCL1を解放状態から締結状態へ切り替える場合には、圧力制御弁51によって油圧を低下させて、ピストン52を変速機側に移動させてダイヤフラムスプリング41の付勢力によって、第1クラッチCL1のクラッチトルク容量を増大させ、クラッチディスク45をフライホイール43に圧接する。第1クラッチCL1はクラッチトルク容量に応じてエンジンEngとモータジェネレータMGとの回転伝達状態を切り替える。
なお、以下において、第1クラッチCL1のストローク量は、第1クラッチCL1が完全に締結している状態を基準(ゼロ)としてクラッチディスク45がフライホイール43から離れる方向を正方向として説明する。つまり、ストローク量が大きくなるほどクラッチトルク容量は小さくなる。
図1に戻り、モータジェネレータMGは、交流同期モータ構造であり、発進時や走行時に駆動トルク制御や回転速度制御を行うと共に、制動時や減速時に回生ブレーキ制御による車両運動エネルギーのバッテリー9への回収を行なうものである。また、モータジェネレータMGは、エンジンEngを始動する場合には第1クラッチCL1を介して回転をエンジンEngに伝達し、エンジンEngをクランキングする。
第2クラッチCL2は、ノーマルオープンの湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキであり、クラッチ油圧(押付力)に応じて伝達トルクが発生する。この第2クラッチCL2は、自動変速機ATおよびファイナルギヤFGを介し、エンジンEngおよびモータジェネレータMG(第1クラッチCL1が締結されている場合)から出力されたトルクを左右駆動輪LT、RTへと伝達する。なお、第2クラッチCL2としては、図1に示すように、独立のクラッチをモータジェネレータMGと自動変速機ATの間の位置に設定する以外に、自動変速機ATの各変速段にて締結される摩擦締結要素として用いられるクラッチやブレーキを流用しても良い。また、自動変速機ATと左右駆動輪LT、RTの間の位置に設定しても良い。
自動変速機ATは、有段階の変速段を得る変速機であり、複数の遊星歯車から構成される。変速機内部のクラッチならびにブレーキをそれぞれ締結/解放し、トルク伝達経路を変えることにより変速する。
パラレルハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、第2クラッチ入力回転速度センサ6(モータ回転速度センサ)と、第2クラッチ出力回転速度センサ7と、インバータ8と、バッテリー9と、アクセルセンサ10と、エンジン回転速度センサ11と、クラッチ油温センサ12と、ストロークセンサ13と、統合コントローラ14と、変速機コントローラ15と、クラッチコントローラ16と、エンジンコントローラ17と、モータコントローラ18と、バッテリーコントローラ19と、ブレーキセンサ20とを備えている。
インバータ8は、直流/交流の変換を行ない、モータジェネレータMGの駆動電流を生成する。バッテリー9は、モータジェネレータMGからの回生エネルギーを、インバータ8を介して蓄積する。
統合コントローラ14は、バッテリー状態、アクセル開度Apo、および車速Vsp(変速機出力回転速度に同期した値)から目標駆動トルクTd *を演算する。そして、その結果に基づき各アクチュエータ(モータジェネレータMG、エンジンEng、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、自動変速機AT)に対する指令値を演算し、各コントローラ15、16、17、18、19へと送信する。
変速機コントローラ15は、統合コントローラ14からの変速指令を達成するように変速制御を行なう。
クラッチコントローラ16は、第2クラッチ入力回転速度センサ6と第2クラッチ出力回転速度センサ7とクラッチ油温センサ12からのセンサ情報を入力すると共に、統合コントローラ14からの第1クラッチ油圧指令値と第2クラッチ油圧指令値に対して、クラッチ油圧(電流)指令値を実現するように圧力制御弁の電流を制御する。
エンジンコントローラ17は、エンジン回転速度センサ11からのセンサ情報を入力すると共に、統合コントローラ14からのエンジントルク指令値を達成するようにエンジントルク制御を行なう。
モータコントローラ18は、統合コントローラ14からのモータトルク指令値やモータ回転速度指令値を達成するようにモータジェネレータMGの制御を行なう。
バッテリーコントローラ19は、バッテリー9の充電状態(SOC)を管理し、その情報を統合コントローラ14へと送信する。
次に、本実施形態の統合コントローラ14において実行される処理の流れを、図3および図4に示すフローチャートを用いて説明する。なお、両図に示す処理内容は、一定のサンプリング周波数で実行されることとする。
ステップS1では、バッテリー充電量SOC、自動変速機ATのシフト位置、第2クラッチCL2の入出力回転速度、車速Vspといった車両状態を示すデータを受信する。
ステップS2では、アクセルセンサ10からアクセル開度Apoを計測し、ストロークセンサ13から第1クラッチCL1の第1クラッチストローク計測値xscl1を計測する。
ステップS3では、アクセル開度Apo、車速Vspから目標駆動トルクTd *を演算し、ステップS4に進む。なお、詳細については省略するが、目標駆動トルクTd *は、例えば、図5に示すようなマップに基づいて演算することができる。
ステップS4では、バッテリー充電量SOCや目標駆動トルクTd *および車速Vspといった車両状態に基づいて、第1クラッチ制御モードフラグfCL1の判断および設定を行う。第1クラッチ制御モードフラグfCL1とは、第1クラッチCL1を締結するモード(fCL1=1であり、HEVモードおよびWSCモード時に設定される。)と、第1クラッチCL1を解放するモード(fCL1=0であり、EVモード時に設定される。)を備えている。なお、ここでは、第1クラッチ制御モードフラグfCL1の設定の詳細な説明は省略するが、例えば、低加速での発進といった比較的エンジンEngの効率が良くない走行シーンでは、EVモード走行とするため、第1クラッチCL1は解放(fCL1=0)する。
また、急加速やバッテリー充電量SOCが予め設定された充電量設定値SOCth1以下、あるいは車速Vspが予め設定された所定値VSPth1以上となった場合に、EVモード走行は困難なため、HEVモードで走行するために、第1クラッチCL1を半締結または締結(fCL1=1)する。
ステップS5では、バッテリー充電量SOC、目標駆動トルクTd *、第1クラッチ制御モードフラグfCL1および車速Vspといった車両状態に基づいて、第2クラッチ制御モードCL2MODEの判断および設定を行う。なお、第2クラッチ制御モードCL2MODEは、第2クラッチCL2を、締結、解放、スリップのいずれの状態に制御するかを決定するもので、その詳細については後述する。
ステップS6では、各クラッチCL1、CL2の制御モードと車両状態とに基づいて、目標駆動トルクTd *のエンジンEngとモータジェネレータMGとの分担を決定する。すなわち、エンジンEngの駆動トルク配分量に応じた基本エンジントルク指令値Te_base *を決定すると共に、モータジェネレータMGの駆動トルク配分量に応じた基本モータトルク指令値Tm_base *を決定する。なお、このトルク配分の方法はさまざま考えられるが、詳細については説明を省略する。
ステップS7では、第2クラッチCL2のスリップ回転速度制御(WSC)を実行するか否かの判断を行なう。この場合、ステップS5で設定された第2クラッチ制御モードCL2MODEがスリップのモード(CL2MODE=2)であり、かつ、実際のスリップ回転速度(第2クラッチ入力回転速度−第2クラッチ出力回転速度)の絶対値が、所定値以上となった場合は、スリップ回転速度制御をONとしてステップS8へ進む。一方、第2クラッチ制御モードCL2MODEが、解放(CL2MODE=0)または締結(CL2MODE=1)と設定されている場合は、スリップ回転速度制御をOFFとしてステップS12へ進む。
ステップS8では、基本第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_base *を演算する。なお、ここで、基本第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_base *は、例えば、目標駆動トルクTd *と同値とする。
ステップS9では、第2クラッチ入力回転速度目標値ωcl2i *を演算する。ここで、第2クラッチ入力回転速度目標値ωcl2i *は、第1クラッチ制御モードフラグfCL1、基本第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_base *、第2クラッチ油温Tempcl2、バッテリー充電量SOCおよび第2クラッチ出力回転速度計測値ωoから演算する。なお、この演算の詳細な説明については後述する。
ステップS10では、第2クラッチ入力回転速度目標値ωcl2i *と第2クラッチ入力回転速度計測値ωcl2iとが一致するように回転速度制御用モータトルク指令値Tm_FB_ONを演算する。この回転速度制御用モータトルク指令値Tm_FB_ONの演算方法は、様々考えられるが、例えば下記の式(1)に基づいて、PI制御による演算を行なう。この演算は、タスティン近似等で離散化して得られた漸化式を用いて行われる。
Tm_FB_ON={(KPms+KIm)/s}(ωcl2i*−ωcl2i)・・・(1)
なお、上記式(1)において、KPmは、モータ制御用比例ゲイン、KImは、モータ制御用積分ゲイン、sは、微分演算子である。
ステップS11では、回転速度制御用第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FB_ONを演算する。この回転速度制御用第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FB_ONは、基本第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_base *と回転速度制御用モータトルク指令値Tm_FB_ONとエンジントルク指令値Te_base *とから演算されるが、この演算の詳細については後述する。
ステップS12では、前述した回転速度制御用モータトルク指令値Tm_FB_ONならびに回転速度制御用第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FB_ONを演算するための内部状態変数を初期化する。
ステップS13では、回転速度制御を行なわない場合、すなわち、第2クラッチCL2を締結する場合と、第2クラッチCL2を解放する場合と、第2クラッチCL2を締結状態から回転速度制御を行なう(スリップ状態にする)場合のクラッチトルク容量指令値Tcl2_FB_OFFをそれぞれ演算する。
ここで、クラッチトルク容量指令値Tcl2_FB_OFFは、第2クラッチCL2を締結する場合と、第2クラッチCL2を解放する場合と、第2クラッチCL2を締結状態から回転速度制御を行なう場合とにおいて、それぞれ、下記の式(2)(3)(4)(5)に基づいて演算される。
(締結する場合)
(Tcl2_z1 *<Td *×Ksafeの場合)
Tcl2_FB_OFF=Tcl2_z1 *+ΔTcl2LU・・・(2)
(Tcl2_z1 *<Td *×Ksafeの場合)
Tcl2_FB_OFF=Tcl2_z1 *+ΔTcl2LU・・・(2)
(Tcl2_z1 *≧Td *×Ksafeの場合)
Tcl2_FB_OFF=Td *×Ksafe・・・(3)
Tcl2_FB_OFF=Td *×Ksafe・・・(3)
(解放する場合)
Tcl2_FB_OFF=0 ・・・(4)
Tcl2_FB_OFF=0 ・・・(4)
(第2クラッチを締結→スリップ状態にする場合)
Tcl2_FB_OFF=Tcl2_Z1 *−ΔTcl2slp・・・(5)
Tcl2_FB_OFF=Tcl2_Z1 *−ΔTcl2slp・・・(5)
ただし、上記式(2)〜(5)において、Ksafeは、第2クラッチ安全率係数(>1)、ΔTcl2LUは、スリップ(または解放)→締結移行時のトルク容量変化率、ΔTcl2slpは、締結→スリップ移行時トルク容量変化率、Tcl2_Z1 *は、最終第2トルク指令値前回値である。
ステップS14では、最終第2クラッチトルク容量指令値Tcl2 *を演算する。この最終第2クラッチトルク容量指令値Tcl2 *を演算するのにあたり、スリップ回転速度制御中の場合は、下記の式(6)により求め、スリップ回転速度制御停止の場合は、下記の式(7)により求める。
Tcl2 *=Tcl2_FB_ON・・・(6)
Tcl2 *=Tcl2_FB_OFF・・・(7)
ステップS15では、エンジン始動中か否かの判断を行なう。第2クラッチ入力回転速度計測値ωcl2iとエンジン回転速度計測値ωeとの差分が所定値ωcl1slpth1以下であれば、エンジン始動動作終了と判断してステップS16へ進み、それ以外の場合はステップS18へ進む。
ステップS16では、エンジン回転速度制御用第1クラッチトルク容量指令値Tcl1_FB_ONを演算するための内部状態変数を初期化(値を零に)する。
ステップS17では、第1クラッチCL1が締結/開放状態における第1クラッチトルク容量指令値Tcl1_FB_OFFを演算する。なお、第1クラッチトルク容量指令値Tcl1_FB_OFFを演算するのにあたり、第1クラッチ制御モードフラグfCL1が締結モード(=1)になっている場合は、下記の式(8)に基づいて演算し、第1クラッチ制御モードフラグfCL1が、開放モード(=0)になっている場合は、下記の式(9)に基づいて演算する。
Tcl1_FB_OFF=Tcl1_max・・・(8)
Tcl1_FB_OFF=0 ・・・(9)
ただし、Tcl1_maxは第1クラッチ最大トルク容量である。
ステップS18では、エンジン始動時の第1クラッチトルク容量基本値Tcl1_baseを演算する。第1クラッチトルク容量基本値Tcl1_baseは下記の式(10)に基づいて演算される。
Tcl1_base=Tcl_ENG_ST・・・(10)
ただし、Tcl_ENG_STは予め設定したエンジンクランキングトルクである。
ステップS19では、エンジン回転速度制御を開始するか否かの判断を行う。ステップS15によってエンジンEngが始動中であると判断され、エンジン回転速度をエンジン回転速度センサ11によって検出可能となった場合にはエンジン回転速度制御を開始すると判断し、ステップS20に進み、エンジン回転速度をエンジン回転速度センサ11によって検出可能ではない場合にはエンジン回転速度制御を開始しないと判断し、ステップS21に進む。エンジン回転速度をエンジン回転速度センサ11によって検出可能かどうかは、モータ回転速度によって判断し、モータ回転速度が一旦低下してから予め設定された第1所定回転速度まで高くなると、エンジン回転速度をエンジン回転速度センサ11によって検出可能であると判断する。なお、ストロークセンサ13によって検出した第1クラッチCL1のストローク量、あるいは演算によって求めたストローク量規範値が所定位置となる場合、エンジン回転速度が第2所定回転速度となる場合、第1クラッチCL1でストロークを開始して所定時間経過した場合に、エンジン回転速度をエンジン回転速度センサ11によって検出可能であると判断してもよい。
ステップS20では、エンジン回転速度制御用第1クラッチトルク容量指令値Tcl1_FB_ONを演算する。なお、詳細な演算方法については後述する。
ステップS21では、第2クラッチ入力回転速度センサ6によって検出したモータ回転速度に基づいて第1クラッチCL1のトルク容量特性の変動に対する第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningを演算する。詳細な演算方法については後述する。この第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningは次回のエンジン始動において使用される。
ステップS22では、前回の処理においてステップS21によって演算した第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningをエンジン回転速度制御前であればステップS18によって演算した第1クラッチトルク容量基本値Tcl1_baseに加算し、下記式(11)に示すようにエンジン始動時第1クラッチトルク容量指令最終値Tcl1_ENGSTARTを演算し、エンジン回転速度制御後であればステップS20で演算したエンジン回転速度制御用第1クラッチトルク容量指令値Tcl1_FB_ONに加算し、下記式(12)に示すようにエンジン始動時第1クラッチトルク容量指令最終値Tcl1_ENGSTARTを演算する。
Tcl1_ENGSTART=Tcl1_base+Tcl1_Learning・・・(11)
Tcl1_ENGSTART=Tcl_FB_ON+Tcl1_Learning・・・(12)
ステップS23では、以下のa)b)の条件に基づき最終第1クラッチトルク容量指令値Tcl1 *を決定する。
a)エンジンEngが始動中ではない場合
Tcl1 *=Tcl1_FB_OFF・・・(13)
Tcl1 *=Tcl1_FB_OFF・・・(13)
b)エンジンEngが始動中の場合
Tcl1 *=Tcl1_ENGSTART・・・(14)
Tcl1 *=Tcl1_ENGSTART・・・(14)
ステップS24では、最終第2クラッチトルク容量指令値Tcl2 *から、第2クラッチCL2にかかる油圧を制御する圧力制御弁(図示省略)へ出力する第2クラッチ電流指令値Icl2 *を演算する。この第2クラッチ電流指令値Icl2 *の演算は、予め取得した特性に基づき作成した、図6A、図6Bに示すマップに基づいて行なう。図6Aは、最終第2クラッチトルク容量指令値Tcl2 *と第2クラッチ油圧との関係を示すマップである。図6Bは第2クラッチ油圧と第2クラッチ電流指令値Icl2 *との関係を示すマップである。これにより、油圧や電流に対してクラッチトルク容量が非線形な特性を有している場合でも、制御対象を線形としてみなすことができるため、前述したような線形制御理論を適用することができる。
ステップS25では、最終第1クラッチトルク容量指令値Tcl1 *から第1クラッチCL1にかかる油圧を制御する圧力制御弁51へ出力する第1クラッチ電流指令値Icl1 *を演算する。なお、詳細な演算方法については後述する。
ステップS26では、モータトルク指令値Tm *を決定する。なお、モータトルク指令値Tm *を決定するのにあたり、回転速度制御中の場合は、下記の式(15)に基づいて決定し、回転速度制御停止の場合は、下記の式(16)に基づいて決定する。
Tm *=Tm_FB_ON・・・(15)
Tm *=Tm_base *・・・(16)
ステップS27では、ステップS24、S25、S26で得られた第2クラッチ電流指令値Icl2 *、第1クラッチ電流指令値Icl1 *、モータトルク指令値Tm *を、各コントローラ15、16、17、18、19へ送信する。
以上で、統合コントローラ14における1回のサンプリング周期で実行される処理の流れを終える。
次に、前述した各処理の詳細について説明する。
(第2クラッチ制御モードCL2MODEの設定方法の詳細)
ステップS5の第2クラッチ制御モードCL2MODEの設定方法の詳細について説明する。この第2クラッチ制御モードCL2MODEは、バッテリー充電量SOC、目標駆動トルクTd *、第1クラッチ制御モードフラグfCL1および車速Vspといった車両状態から設定する。以下、その詳細を、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
S51では、第1クラッチ制御モードフラグfCL1を判別し、第1クラッチ制御モードフラグfCL1が、解放モード(エンジン停止)の場合はステップS52に進み、締結モード(エンジン始動)の場合はS55へ進む。
S52では、車速Vspがゼロ(停止)か否かを判定し、停止している場合は、ステップS53に進み、それ以外はステップS54に進む。
S53では、第2クラッチ制御モードCL2MODEを締結モード(CL2MODE=1)として、1回の処理を終える。また、S54では、第2クラッチ制御モードCL2MODEをスリップモード(CL2MODE=2)として、1回の処理を終える。
S55では、車速Vspが、予め設定した設定値Vth1(例えば、エンジンEngが始動できる最低車速)より高いか否かを判定し、設定値Vth1よりも低い場合はステップS56へ進み、設定値Vth1よりも高い場合はステップS58に進む。
ステップS56では、目標駆動トルクTd *の符号を判別し、正値の場合にはステップS54へ、負値の場合にはステップS57へ進む。
ステップS57では、第2クラッチ制御モードCL2MODEを解放モード(CL2MODE=0)として、1回の処理を終える。
ステップS58では、前回の第2クラッチ制御モードCL2MODEが締結モード(CL2MODE=1)か否かを判定し、締結モードの場合はステップS53へ進み、それ以外の場合はステップS59へ進む。
ステップS59では、エンジン回転速度計測値ωe、第2クラッチスリップ回転速度計測値ωcl2slpが以下のスリップ継続条件を満たすか否か判定し、満たす場合はステップS54に進んで、スリップを開始または継続し、スリップ継続条件を満たさない場合には、ステップS53に進んで、スリップを終了して締結モードへ移行する。ここで、スリップ継続条件を満たす場合とは、ωe≠ωcl2i(すなわち、第1クラッチCL1解放またはスリップ)、または、ωcl2slp>ωcl2slpthが成立する場合である。なお、ωcl2slpthはスリップ回転速度閾値である。
(第2クラッチ入力回転速度目標値ωcl2i *の演算方法)
次に、ステップS9における第2クラッチ入力回転速度目標値ωcl2i *の演算方法の詳細について説明する。
まず、第2クラッチスリップ回転速度目標値ωcl2_slp *を演算する。この第2クラッチスリップ回転速度目標値ωcl2_slp *は、走行モードがEVモード(fCL1=0)の場合は、下記の式(17)に基づいて演算し、エンジン始動中の場合は、下記の式(18)に基づいて演算する。
(EVモード(fCL1=0)の場合)
ωcl2_slp *=fcl2_slp_cl1OP(Tcl2_base,Tempcl2) ・・・(17)
ここで、fcl2_slp_cl1OP()は、基本第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_base *および第2クラッチ油温Tempcl2を入力とした関数である。具体的には、図8Aに示すマップに基づいて設定することができる。すなわち、「油温が高い」もしくは、「クラッチ容量指令値が大きい」場合は、第2クラッチ入力回転速度目標値ωcl2i *を小さくすることにより、クラッチ油温の上昇を防止できる。
(エンジン始動中の場合)
ωcl2_slp *=fcl2_slp_cl1OP(Tcl2_base *,Tempcl2)+ffcl2_Δωslp(Teng_start) ・・・(18)
ωcl2_slp *=fcl2_slp_cl1OP(Tcl2_base *,Tempcl2)+ffcl2_Δωslp(Teng_start) ・・・(18)
ここで、ffcl2_Δωslp()は、エンジン始動時のための第2クラッチCL2のスリップ回転速度増加量を演算する関数であり、エンジン始動配分モータトルクTeng_startを入力とする。具体的には、図8Bに示すマップに基づいて、エンジン始動配分モータトルクTeng_startが低下した場合には、第2クラッチスリップ回転速度目標値ωcl2_slp *を高め(増加量を多く)に設定する。これにより、第1クラッチCL1からの外乱を完全に打ち消すことができず回転速度が低下しても、急な締結を防止でき、その結果、加速度変動を生じることなくエンジンEngを始動できる。なお、エンジン始動後もスリップ制御を継続する場合、第2クラッチスリップ回転速度目標値ωcl2_slp *は、EV走行中と同様とする(増加分は加算しない)。
次に、下記の式(19)に基づいて、第2クラッチスリップ回転速度目標値ωcl2_slp *と第2クラッチ出力回転速度計測値ωoとから、第2クラッチ入力回転速度目標値ωcl2i *を演算する。
ωcl2i *=ωcl2_slp *+ωo・・・(19)
最後に、上記式(19)から算出した第2クラッチ入力回転速度目標値ωcl2i *に、上下限制限を施し、最終的な第2クラッチ入力回転速度目標値ωcl2i *とする。なお、上下限制限値は、エンジン回転速度の上下限値とする。
(回転速度制御用第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FB_ONの演算方法)
次に、ステップS11の回転速度制御用第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FB_ONの演算方法の詳細について説明する。
図9は、回転速度制御用第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FB_ONの演算方法の制御ブロック図を示している。本制御系は、フィードフォワード(F/F)補償とフィードバック(F/B)補償とからなる2自由度制御手法で設計している。F/B補償部については様々な設計方法が考えられるが、今回はその一例としてPI制御の例を示している。以下、その演算方法について説明する。
まず、下記の式(20)に示す位相補償フィルタGFF(s)に基づき基本第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_base *に位相補償を施し、F/F第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FFを演算する。実際の演算は、タスティン近似等で離散化して得られた漸化式を用いて算出する。
Tcl2_FF/Tcl2_base *=GFF(s)=(τcl2・s+1)/(τcl2_ref・s+1) ・・・(20)
ただし、τcl2は第2クラッチモデル時定数、τcl2_refは第2クラッチ制御用規範応答時定数である。
次に、第2クラッチトルク容量目標値Tcl2_tを演算する。ここで、第2クラッチトルク容量目標値Tcl2_tは、EVモード(第1クラッチCL1が解放状態)の場合は、下記の式(21)に基づいて演算し、HEVモード(第1クラッチCL1が締結状態)の場合は、下記の式(22)に基づいて演算する。
(EVモード(fCL1=0)の場合)
Tcl2_t=Tcl2_base * ・・・(21)
Tcl2_t=Tcl2_base * ・・・(21)
(HEVモード(fCL1=1)の場合)
Tcl2_t=Tcl2_base *−Te_est・・・(22)
Tcl2_t=Tcl2_base *−Te_est・・・(22)
ただし、HEVモードにおける第2クラッチトルク容量目標値Tcl2_tは、全体(エンジンEngおよびモータジェネレータMGとの動力)のトルク容量に対し、モータ分の容量を意味する。
また、Te_estはエンジントルク推定値であり、例えば下記の式(23)に基づき演算する。
Te_est={1/(τes+1)}e−Les×Te_base *・・・(23)
ただし、τeはエンジン一次遅れ時定数、Leはエンジンむだ時間である。
次に、下記の式(24)に基づいて第2クラッチトルク容量規範値Tcl2_refを演算する。
(Tcl2_ref/Tcl2_t)=Gcl2_REF(s)=1/(τcl2_ref・s+1) ・・(24)
次に、第2クラッチトルク容量規範値Tcl2_refと、前述した回転速度制御用モータトルク指令値Tm_FB_ONとから、下記の式(25)に基づいてF/B第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FBを演算する。
Tcl2_FB=
{(KPcl2s+KIccl2)/s}×(Tcl2_ref−Tm_FB_ON) ・・・(25)
{(KPcl2s+KIccl2)/s}×(Tcl2_ref−Tm_FB_ON) ・・・(25)
ただし、KPcl2は第2クラッチ制御用比例ゲイン、KIccl2は2クラッチ制御用積分ゲインである。
さらに、下記式(26)のように入力回転速度変化によって生じるトルク(イナーシャトルク)を考慮することにより、入力回転速度が変化している場合にも精度よくトルク容量を制御できる。
Tcl2_FB={(KPcl2s+KIccl2)/s}×(Tcl2_ref−Tm_FB_ON−TIcl2_est) ・・・(26)
ただし、TIcl2_estはイナーシャトルク推定値であり、例えば、入力回転速度変化量(微分値)に入力軸周りの慣性モーメントを乗算して求める。
そして、F/F第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FFとF/B第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FBとを加算し、最終的な回転速度制御用第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FB_ONを演算する。
(エンジン回転速度制御用第1クラッチトルク容量指令値Tcl1_FB_ONの演算)
次に、ステップS20におけるエンジン回転速度制御用第1クラッチトルク容量指令値Tcl1_FB_ONの演算処理の詳細について説明する。
図10にエンジン回転速度制御系のブロック図を示す。本実施形態では、このエンジン回転制御系を、ステップS11の第2クラッチトルク容量制御系と同様に2自由度制御手法で設計している。F/B補償部については、様々な設計方法が考えられるが、今回はその一例としてPI制御としている。以下、その演算方法について説明する。
まず、第1クラッチトルク容量基本値Tcl1_baseからエンジン回転速度目標値 ωe *を下記の式(27)に基づき演算する。
ωe */(Tcl1_base−Tpomp_loss)
=Gcl1_eng(s)=(1/Je)×(1/s) ・・・(27)
=Gcl1_eng(s)=(1/Je)×(1/s) ・・・(27)
ただし、JeはエンジンEngの慣性モーメント、Tpomp_lossは予め計測したポンピングロストルクである。
次に、エンジン回転速度規範値ωe_refを、下記の式(28)に基づき演算する。実際はタスティン近似等で離散化して得られた漸化式を用いて算出する。
ωe_ref/ωe *=Gcl1_ref(s)
=ω2 cl1_ref/(s2+2ζcl1_refωcl1_ref・s+ω2 cl1_ref) ・・・(28)
ωe_ref/ωe *=Gcl1_ref(s)
=ω2 cl1_ref/(s2+2ζcl1_refωcl1_ref・s+ω2 cl1_ref) ・・・(28)
ただし、ζcl1_refは第1クラッチ規範応答減衰係数、ωcl1_refは第1クラッチ規範応答固有振動数である。
次に、エンジン回転速度規範値ωe_refとエンジン回転速度計測値ωeから下記の式(29)に基づきF/B第1クラッチ容量指令値Tcl1_FBを演算する。
Tcl1_FB={(KPcl1s+KIccl1)/s}×(ωe_ref−ωe) ・・・(29)
ただし、KPcl1は第1クラッチ制御用比例ゲイン、KIccl1は第1クラッチ制御用積分ゲインである。
そして、第1クラッチトルク容量基本値Tcl1_baseとF/B第1クラッチ容量指令値Tcl1_FBを加算し、最終的なエンジン回転速度制御用第1クラッチトルク容量指令値Tcl1_FB_ONを演算する。
(第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningの演算方法)
次にステップS21における第1クラッチCL1のトルク容量特性の変動に対する第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningの演算方法について図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
ステップS211では、学習用モータ回転速度低下量nmを演算する。ここではステップS15においてエンジン始動中と判定してからエンジン回転速度制御を開始する前までのモータ回転速度を第2クラッチ入力回転速度センサ6によって計測し、下記の式(30)に基づき学習用モータ回転速度低下量nmを演算する。
nm=nm_1・・・(30)
ただし、nm_1はモータ回転速度最大低下量であり、エンジン始動中と判定してからのモータジェネレータMGのモータ回転速度の最大回転速度と最小回転速度との偏差である。
ステップS212では、ノミナル時モータ回転速度低下量基準値nm_base_nominalを演算する(読み出す)。ノミナル時モータ回転速度低下量基準値nm_base_nominalは、様々な方法によって演算することができる。例えば学習したいクラッチ容量特性および油温などにより変動するストローク速度がノミナル状態である実システムを準備する。そしてステップS18で演算した第1クラッチトルク容量基本値Tcl1_baseを最終第1クラッチトルク容量Tcl1 *としてエンジンEngを始動させた場合のモータ回転速度最大低下量を計測し、計測した値をノミナル時モータ回転速度低下量基準値nm_base_nominalとして予めメモリに記憶させておく。なお、この数値はノミナル状態のシステムをモデル化し、机上で演算してもよい。
ステップS213では、学習用モータ回転速度低下量基準値(最大低下量基準値)nm_baseを演算する。ここではまずモータ回転速度低下量基準値変動量nm_atftempを演算する。モータ回転速度低下量基準値変動量nm_atftempは、ストロークセンサ13によって計測した第1クラッチストローク量を、ハイパスフィルタを用いた近似微分や差分などにより微分値を算出してストローク速度を算出し、その微分値(絶対値)の最大値から図12に示すマップに基づいて演算される。そして、モータ回転速度低下量基準値変動量nm_atftempとステップ212で演算したノミナル時モータ回転速度低下量基準値nm_base_nominalとから下記の式(31)に基づいて学習用モータ回転速度低下量基準値nm_baseを演算する。
nm_base=nm_base_nominal+nmatftemp・・・(31)
このようにストローク速度に応じて学習用モータ回転速度低下量基準値nm_baseに補正を施すことにより、油温低下時などによりストローク速度が低下した場合でも、クラッチ容量特性がノミナル状態となる学習用モータ回転速度低下量基準値nm_baseを正確に演算することができる。
ステップS214では、学習用モータ回転速度低下量偏差Δnmを演算する。学習用モータ回転速度低下量偏差Δnmは、ステップ211で演算した学習用モータ回転速度低下量nmとステップS213で演算した学習用モータ回転速度低下量基準値nm_baseとから下記の式(32)に基づいて演算される。
Δnm=nm_base−nm・・・(32)
ステップS215では、第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningを演算する。ここではステップ214によって演算した学習用モータ回転速度低下量偏差Δnmから図13に示すマップを用いて演算する。図13に示すマップは予め実験あるいは演算によって求められる。
(第1クラッチ電流指令値Icl1 *の演算方法)
次に、ステップS23における第1クラッチCL1の油圧を制御する圧力制御弁51へ出力する第1クラッチ電流指令値Icl1 *の演算方法について、図14に示すフローチャートに基づいて説明する。
ステップS231では、最終第1クラッチトルク容量指令値Tcl1 *から、予め取得したクラッチトルク容量−ストローク特性により作成した図15に示すマップを用いて第1クラッチストローク指令値xscl1 *を演算する。
ステップS232では、第1クラッチストローク指令値xscl1 *と、第1クラッチストローク計測値xscl1とにより第1クラッチ油圧指令値Pcl1 *を演算する。
この第1クラッチ油圧指令値Pcl1 *の演算に、本実施形態ではS11と同様に、図16に示す2自由度制御手法を採用している。
まず、第1クラッチストローク指令値xscl1 *から、下記の式(33)に示すような規範応答伝達特性と、後述する油圧補正後の制御対象伝達特性の逆系からなる位相補償フィルタを用いてF/F油圧指令値Pcl1_FFを演算する。
Pcl1_FF/xscl1 *=Gcl1_FF(s)
=(Ms2+Cs+Kcl1_ref)ω2 cl1_ref/(s2+2ζcl1_refωcl1_refs+ω2 cl1_ref) ・・・(33)
=(Ms2+Cs+Kcl1_ref)ω2 cl1_ref/(s2+2ζcl1_refωcl1_refs+ω2 cl1_ref) ・・・(33)
ただし、Cは第1クラッチ機構部粘性係数、Kcl1_refは油圧補正後の制御対象ばね定数、ζcl1_refは第1クラッチ規範応答減衰係数、ωcl1_refは第1クラッチ規範応答固有振動数、Mはクラッチ質量である。
次に、第1クラッチストローク指令値xscl1 *から、下記の式(34)に示すような規範応答伝達特性を表すフィルタを用いてストローク規範値xscl1_refを演算する。
xscl1_ref/xscl1 *=Gcl1_ref(s)
=ω2 cl1_ref/(s2+2ζcl1_refωcl1_ref・s+ω2 cl1_ref) ・・・(34)
=ω2 cl1_ref/(s2+2ζcl1_refωcl1_ref・s+ω2 cl1_ref) ・・・(34)
次に、ストローク規範値xscl1_refと第1クラッチストローク計測値xscl1の偏差xscl1_errから、下記の式(35)に基づきF/B油圧指令値Pcl1_FBを演算する。
Pcl1_FB/xscl1_err=Gcl1_FB(s)
=(KPgain_cl1・s+KIgain_cl1+KDgain_cl1・s2)/s ・・・(35)
=(KPgain_cl1・s+KIgain_cl1+KDgain_cl1・s2)/s ・・・(35)
ただし、KPgain_cl1は比例ゲイン、KIgain_cl1は積分ゲイン、KDgain_cl1は微分ゲインである。
そして、最後にF/B油圧指令値Pcl1_FBとF/F油圧指令値Pcl1_FFとを加算し、第1クラッチ油圧指令値Pcl1 *とする。
ステップS233では、第1クラッチ油圧指令値Pcl1 *を補正して最終油圧指令値Pcl1_comを演算する。
ここでは、第1クラッチストローク計測値xscl1から、図15に示す特性に基づき作成したマップを用いて演算した第1クラッチ油圧推定値Pcl1_estと、規範バネ特性を用いて演算した反力規範値Pcl1_refとの差分から、油圧補正値Pcl1_hoseiを演算する。なお、この演算には、下記の式(36)を用いる。
Pcl1_hosei=Pcl1_ref−Pcl1_est
=Kref・xscl1−fxscl1−p(xscl1) ・・・(36)
=Kref・xscl1−fxscl1−p(xscl1) ・・・(36)
ただし、fxscl1−p()は、油圧−ストローク特性を示す関数である。
また、図15に示す特性の傾きに近似したバネ定数Kpを求め、下記の式(37)を用いて演算してもよい。
Pcl1_hosei=Pcl1_ref−Pcl1_est=Kref・xscl1−Kp・xscl1・・・(37)
なお、上記式(36)(37)を用いて予めストローク毎の補正値を演算しておき、マップにしておいてもよい。
そして、以上のようにして算出した油圧補正値Pcl1_hoseiと第1クラッチ油圧指令値Pcl1 *とから、下記の式(38)に基づいて最終油圧指令値Pcl1_comを演算する。
Pcl1_com=Pcl1 *−Pcl1_hosei・・・(38)
したがって、ダイヤフラムスプリング41のバネ特性が、設計者の意図する規範バネ特性Krefを有しているかのように、第1クラッチ油圧指令値Pcl1 *が補正される。
ステップS234では、最終油圧指令値Pcl1_comから、予め取得した特性に基づき作成した図6Bに示すマップを用いて第1クラッチ電流指令値Icl1 *を算出する。
次に本実施形態の作用について説明する。
エンジン始動時には、第2クラッチCL2を解放し、第1クラッチCL1を締結させることでモータジェネレータMGの回転をエンジンEngに伝達し、エンジンEngをクランキングしている。
第1クラッチCL1ではフライホイール43とクラッチディスク45、プレッシャプレート47が擦れ合うので、これらの摩擦要素に摩耗が生じたり、熱の影響などで摩擦係数が変化したりする場合がある。そのような場合には、図17、図18に示すように第1クラッチCL1のストローク量に対してトルク容量が変化する。図17は摩擦要素が摩耗した場合のストローク量とトルク容量との関係を示す図である。摩擦要素が摩耗すると、実線に示すトルク容量特性から例えば破線に示すトルク容量特性に変化し、ストローク量に対するトルク容量が小さくなる。図18は、摩擦係数が変化した場合のストローク量とトルク容量との関係を示す図である。摩擦係数が変化すると、実線に示すトルク容量特性から破線に示すトルク容量特性に変化し、ストローク量に対するトルク容量が変化する。
このようなトルク容量特性の変化を抑制するために本実施形態ではエンジン始動時のモータジェネレータMGの回転速度に基づいて第1クラッチトルク容量を学習している。
モータジェネレータMGによってエンジンEngをクランキングする場合には、図19に示すように第1クラッチCL1がストロークして第1クラッチトルク容量が大きくなり、第1クラッチCL1がトルク伝達を開始すると、エンジンEngが負荷となるのでモータジェネレータMGの回転速度が低下する。図19においては第1クラッチトルク目標値、および第1クラッチストローク指令値を実線で示し、実際の第1クラッチトルク、およびストローク計測値を破線で示す。モータジェネレータMGは回転速度が一定となるように制御されるので、モータジェネレータMGの回転速度はその後上昇する。
摩耗などによりトルク容量特性が変化すると、ストローク量に対して第1クラッチトルク容量が変化し、第1クラッチCL1を締結する時の第1クラッチCL1におけるトルク伝達の状況が変化する。具体的には、ストローク量に対して、モータジェネレータMGの回転速度が低下するタイミング、および低下量が変化する。本実施形態では、このようなモータジェネレータMGの回転速度の変化から第1クラッチトルク容量を推定し、第1クラッチトルク容量を学習している。
次に本実施形態のエンジン始動時の第1クラッチトルク容量の変化などについて図20、図21のタイムチャートを用いて説明する。図20は本実施形態の第1クラッチトルク容量の学習を行わない比較例のタイムチャートであり、図21は本実施形態の第1クラッチトルク容量の学習を行った場合のタイムチャートである。ここでは、第1クラッチCL1の摩擦要素が摩耗し、第1クラッチCL1の第1クラッチトルク容量が小さくなっているものとする。
図20に示す比較例では、クラッチトルク容量の変化を抑制するためにフィードバック補償によって第1クラッチトルク容量を学習している。比較例ではエンジン回転速度に基づいて第1クラッチトルク容量を推定し、推定した値をフィードバック補償することで学習を行っている。しかし、比較例の学習方法では、トルク容量特性の変化の要因で発生するばらつき、例えばポンピングロスによるばらつきを含んで学習してしまう。
図20に示す比較例では、時間t0においてエンジン始動要求がされ、時間t1において第1クラッチトルク容量指令値、および第1クラッチCL1のストローク指令値(図20中、共に実線)がパルス的に指示される。しかし、比較例では、第1クラッチトルク容量が誤学習されており、トルク容量特性の変化以外の要因を含んだ学習値で補正された第1クラッチトルク容量指令値(図20中、破線)は、第1クラッチトルク容量指令値よりも小さくなっている。そのため、第1クラッチトルク容量指令値と実際の第1クラッチトルク容量(図20中、点線)との偏差が大きくなる。そのため、モータジェネレータMGからエンジンEngに伝達される伝達トルクが、トルク特性が変化していない場合の伝達トルクよりも小さく、実際のエンジン回転速度(図20中、破線)が、設定されたエンジン回転速度(図20中、点線)よりも低く、エンジンEngの始動が遅くなる。なお、図17ではモータ回転速度を実線で示している。
一方、図21に示す本実施形態では、第1クラッチCL1で摩耗などが生じた場合にはエンジン始動時第1クラッチトルク容量指令最終値Tcl1_ENGSTART(図21中、破線)が第1クラッチトルク容量指令値(図21中、実線)よりも大きくなるように第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningを演算し、学習する。そのため、実際の第1クラッチトルク容量(図21中、点線)が第1クラッチトルク容量指令値に近づく。これにより、実際のエンジン回転速度(図21中、破線)が、設定されたエンジン回転速度(図18中、点線)に近くなり、エンジンEngの始動が比較例よりも早くなる。
次に第1実施形態の効果について説明する。
モータジェネレータMGによってエンジンEngをクランキングしてエンジンEngを始動させる場合に、エンジン回転速度制御が開始される前に、モータジェネレータMGのモータ回転速度に基づいて第1クラッチCL1における第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningを演算し、第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningに基づいてエンジン始動時第1クラッチトルク容量指令最終値Tcl1_ENGSTARTを演算する。これにより、第1クラッチCL1以外の構成の動作状態を規定することなく第1クラッチトルク容量を学習することができ、学習の頻度を多くすることができ、第1クラッチCL1の状態に合わせて第1クラッチトルク容量を学習することができる。そのため、エンジンEngの始動タイミングを設定されたタイミングに合わせることができ、例えばエンジンEngの始動が遅れることを抑制することができる。
また、第1クラッチCL1の第1クラッチトルク容量のトルク容量特性以外のばらつきが第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningに含まれることを抑制し、学習を正確に行うことができ、エンジンEngの始動タイミングを設定されたタイミングに合わせることができる。
上記ハイブリッド車両では、モータ回転速度の低下量が大きくなり、モータ回転速度が或る回転速度よりも低くなると、第2クラッチCL2を締結する制御が実行される。そのため、第1クラッチCL1の第1クラッチトルク容量が大きくなり、モータ回転速度の低下量が大きくなり、モータ回転速度が低下し過ぎると、クランキング時に第2クラッチCL2が締結することで、締結ショックが発生する。しかし、本実施形態では、クランキング時のモータジェネレータMGのモータ回転速度最大低下量に基づいて第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningを演算することで、モータ回転速度の最大低下量をノミナル時モータ回転速度低下量基準値nm_base_nominalに合わせることができ、クランキング時にモータジェネレータMGのモータ回転速度が低下し過ぎることを抑制し、第2クラッチCL2が締結することを抑制し、締結ショックを抑制することができる。
ストローク速度に基づいて学習用モータ回転速度低下量基準値nm_baseを補正することで、油温などによってストローク速度が変化した場合でも、学習用モータ回転速度低下量基準値nm_baseを正確に演算することができ、第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningを正確に演算することができる。なお、第1クラッチCL1が摩耗などしていない場合でも、ストローク速度の変化に応じて第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningを正確に演算することができる。
次に本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態については第1実施形態と異なる部分を説明する。本実施形態は、第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningの演算方法が異なっている。
本実施形態では、図11のステップS211における、学習用モータ回転速度低下量nmの演算方法が異なっている。ここでは、ステップS15においてエンジン始動中と判定してから、ストロークセンサ13によって計測したストローク量が所定量となった時のモータ回転速度を第2クラッチ入力回転速度センサ6によって計測し、下記の式(39)に基づき学習用モータ回転速度低下量nmを演算する。所定量は、予め設定された値であり、例えば第1クラッチCL1のストロークが完了する値である。
nm=nm_2・・・(39)
ただし、nm_2はエンジン始動中と判定してからのモータジェネレータMGのモータ回転速度の最大回転速度とストローク量が所定量となった時のモータ回転速度との偏差である。
また、図11のステップS212において、ノミナル時においてストローク量が所定量となった時のモータ回転速度低下量を計測し、この値をノミナル時モータ回転速度低下量基準値(モータ回転速度低下量基準値)nm_base_nominalとして予めメモリに記憶させておく。
本実施形態では、このようにして演算した学習用モータ回転速度低下量nmおよびノミナル時モータ回転速度低下量基準値nm_base_nominalを用いて第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningを演算する。
次に第2実施形態の効果について説明する。
モータジェネレータMGによってエンジンEngをクランキングし、エンジンEngを始動する場合に、モータジェネレータMGのモータ回転速度の最大回転速度と、第1クラッチCL1のストローク量が所定量となった時のモータジェネレータMGのモータ回転速度との偏差に基づいて第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningを演算することで、クランキング時の第1クラッチCL1のストローク量に対する第1クラッチトルク容量を正確に基準値に合わせることができ、エンジンEngの始動タイミングを設定されたタイミングに正確に合わせることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
第1実施形態では、エンジンEngのクランキング時のモータ回転速度最大低下量を演算し、第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningを演算したが、第2クラッチ入力回転速度センサ6によって計測したモータ回転速度の最小回転速度と、予め設定された最小回転速度とを比較して第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningを演算してもよい。また、第2実施形態では、モータジェネレータMGのモータ回転速度の最大回転速度とストローク量が所定量となった時のモータ回転速度との偏差を演算し、第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningを演算したが、例えばストローク量が所定量となった時に第2クラッチ入力回転速度センサ6によって計測したモータ回転速度と、予め設定されたストローク量が所定量となった時のモータ回転速度とを比較して第1クラッチトルク容量学習値Tcl1_Learningを演算してもよい。これらの方法によっても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
Eng エンジン
MG モータジェネレータ(モータ)
CL1 第1クラッチ(クラッチ)
6 モータ(モータ回転速度検出手段)
13 ストロークセンサ(ストローク検出手段)
14 統合コントローラ(判定手段、クラッチトルク容量学習手段、ストローク速度検出手段、補正手段)
16 クラッチコントローラ(クラッチ制御手段)
MG モータジェネレータ(モータ)
CL1 第1クラッチ(クラッチ)
6 モータ(モータ回転速度検出手段)
13 ストロークセンサ(ストローク検出手段)
14 統合コントローラ(判定手段、クラッチトルク容量学習手段、ストローク速度検出手段、補正手段)
16 クラッチコントローラ(クラッチ制御手段)
Claims (6)
- モータと、
前記モータの回転が伝達されて始動可能なエンジンと、
前記モータと前記エンジンとの間に設けられ、クラッチトルク容量に応じて前記モータと前記エンジンとの回転伝達状態を切り替えるクラッチとを備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
前記エンジンを前記モータによって始動する場合に、前記クラッチトルク容量を制御して前記クラッチを締結するクラッチ制御手段と、
前記エンジンを前記モータによって始動する場合に、前記エンジンの回転速度を検出可能となったかどうか判定する判定手段と、
モータ回転速度を検出するモータ回転速度検出手段と、
前記判定手段によって前記エンジンの回転速度を検出可能と判定される前に、前記モータ回転速度検出手段によって検出した前記モータ回転速度に基づいて前記クラッチトルク容量を学習するクラッチトルク容量学習手段とを備えるハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置であって、
前記クラッチトルク容量学習手段は、前記モータ回転速度検出手段によって検出した前記モータ回転速度に基づいて演算された前記モータ回転速度の最大低下量と、前記モータ回転速度の最大低下量基準値との偏差に基づいて前記クラッチトルク容量を学習することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置であって、
前記クラッチのストローク量を検出するストローク検出手段を備え、
前記クラッチトルク容量学習手段は、前記ストローク量が所定量となった時の、前記モータ回転速度検出手段によって検出した前記モータ回転速度に基づいて前記クラッチトルク容量を学習することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置であって、
前記クラッチトルク容量学習手段は、前記ストローク量が所定量となった時の、前記モータ回転速度検出手段によって検出した前記モータ回転速度に基づいて演算された前記モータ回転速度の変化量と、モータ回転速度低下量基準値との偏差に基づいて前記クラッチトルク容量を学習することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項2または4に記載のハイブリッド車両の制御装置であって、
前記クラッチのストローク速度を検出するストローク速度検出手段と、
前記ストローク速度に基づいて前記最大低下量基準値、または前記モータ回転速度低下量基準値を補正する補正手段を備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - モータと、
前記モータの回転が伝達されて始動可能なエンジンと、
前記モータと前記エンジンとの間に設けられ、クラッチトルク容量に応じて前記モータと前記エンジンとの回転伝達状態を切り替えるクラッチとを備えたハイブリッド車両の制御方法であって、
前記エンジンを前記モータによって始動する場合に、前記クラッチトルク容量を制御し、
前記エンジンを前記モータによって始動する場合に、前記エンジンの回転速度を検出可能となったかどうか判定し、
モータ回転速度を検出し、
前記エンジンの回転速度を検出可能と判定される前に、前記モータ回転速度に基づいて前記クラッチトルク容量を学習するハイブリッド車両の制御方法。
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JP2012207070A JP2014061750A (ja) | 2012-09-20 | 2012-09-20 | ハイブリッド車両の制御装置、およびハイブリッド車両の制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101592440B1 (ko) | 2015-03-02 | 2016-02-05 | 현대자동차주식회사 | 하이브리드 차량의 엔진 시동 제어 방법 및 장치 |
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-
2012
- 2012-09-20 JP JP2012207070A patent/JP2014061750A/ja active Pending
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