JP2010167798A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦クラッチを流量制御するとき、目標ストロークへの収束応答性の向上を図ることができると共に、実ストロークを目標ストロークに向かって変化させる過渡状態での伝達トルク精度を向上させることができるハイブリッド車両の制御装置を提供すること。
【解決手段】駆動系に、エンジンEngと、第1クラッチCL1と、モータ/ジェネレータMGを有し、第1クラッチCL1の締結/開放制御時、油圧アクチュエータ14の動作量である実ストロークを目標ストロークに一致させる流量制御を行う第1クラッチコントローラ5を備えている。このFRハイブリッド車両において、クラッチ制御手段(図5)は、ストローク−レリーズ力特性から目標ストロークと実ストロークの定常偏差特性を推定し、制御基準とする目標ストロークの基準点で定常偏差がゼロになるように定常偏差特性をチューニングし、基準点からの目標ストロークが変化するクラッチ制御時、チューニングした定常偏差特性に基づいて目標ストロークを補正する。
【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンとモータの間に摩擦クラッチを設定した駆動系を備えるハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来、乾式クラッチ(摩擦クラッチの一例)の摩耗量補正装置は、クラッチディスク(フェーシング)をフライホイールに係合させるためのプレッシャープレートを弾発的に押圧するダイヤフラムスプリングに負性バネ特性を持たせ、レリーズストロークの増大と共に、リターンスプリングのバネ力よりもダイヤフラムスプリングのバネ力を減少させていた。また、その負性バネ特性領域の途中でのリターンスプリングのバネ力との交点でクラッチ断状態に切り替えていた。更に、フェーシングの摩耗量に追従して変位可能な摩耗検出センサを設け、摩耗検出センサの移動した量だけレリーズ時に補正リングを変位させて、ダイヤフラム受け部によるダイヤフラムスプリングの支持位置を補正し、相対位置関係が変化しないようにすることにより、押し付け荷重の変化を防止していた(特許文献1参照)。
特開平9-112571号公報
しかしながら、従来の乾式クラッチの摩耗量補正装置にあっては、ダイヤフラムスプリングとフェーシングとの間に、略コ字状断面形状にて環状に形成された摩耗検出センサが設けられており、摩耗検出センサの移動した量だけレリーズ時に補正リングを変位させ、ダイヤフラム受け部によるダイヤフラムスプリングの支持位置を補正していたため、機械的に調整する機構が必要となり、レイアウト性が悪化する上、複雑な構成とする必要がある、という問題があった。
また、従来装置は、乾式クラッチを流量制御で残る定常偏差に対しては、特別な対処をしていない。このため、乾式クラッチを流量制御する際、過渡状態から目標ストロークに収束するときに定常偏差が残ってしまい、収束が非常に遅くなるし、過渡状態での伝達トルク精度も低くなる、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、摩擦クラッチを流量制御するとき、目標ストロークへの収束応答性の向上を図ることができると共に、実ストロークを目標ストロークに向かって変化させる過渡状態での伝達トルク精度を向上させることができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のハイブリッド車両の制御装置は、駆動系に、エンジンと、モータと、前記エンジンと前記モータの間に介装した摩擦クラッチを有し、前記摩擦クラッチの締結/開放制御時、クラッチアクチュエータの動作量である実ストロークを目標ストロークに一致させる流量制御を行うクラッチ制御手段を備えている。
このハイブリッド車両の制御装置において、前記クラッチアクチュエータの実ストロークを検出するアクチュエータストローク検出手段を設ける。そして、前記クラッチ制御手段は、ストローク−クラッチ動作荷重特性から目標ストロークと実ストロークの定常偏差特性を推定し、制御基準とする目標ストロークの基準点で定常偏差がゼロになるように前記定常偏差特性をチューニングし、基準点からの目標ストロークが変化するクラッチ制御時、前記チューニングした定常偏差特性に基づいて目標ストロークを補正する。
よって、本発明のハイブリッド車両の制御装置にあっては、ストローク−クラッチ動作荷重特性から目標ストロークと実ストロークの定常偏差特性が推定され、制御基準とする目標ストロークの基準点で定常偏差がゼロになるように定常偏差特性がチューニングされる。そして、基準点からの目標ストロークが変化するクラッチ制御時、チューニングした定常偏差特性に基づいて目標ストロークが補正される。
すなわち、摩擦クラッチの場合、例えば、新品の初期状態においても、個体バラツキ等により、目標ストロークの変化に対して定常偏差(目標ストロークと実ストロークの差)が非線形特性により変化する。これに対し、基準点からの目標ストロークが変化するクラッチ制御時、定常偏差特性から得られる定常偏差量により目標ストロークが補正される。このため、実ストロークが目標ストロークに収束するとき、補正無しのときに残る定常偏差が減少する。さらに、実ストロークを目標ストロークに向かって変化させる過渡状態では、摩擦クラッチの伝達トルクのうち、補正無しのときに生じる定常偏差分のトルク誤差が減少する。
この結果、摩擦クラッチを流量制御するとき、目標ストロークへの収束応答性の向上を図ることができると共に、実ストロークを目標ストロークに向かって変化させる過渡状態での伝達トルク精度を向上させることができる。
実施例1の制御装置が適用された後輪駆動によるFRハイブリッド車両(ハイブリッド車両の一例)を示す全体システム図である。 実施例1の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10にて実行される演算処理を示す制御ブロック図である。 FRハイブリッド車両の統合コントローラ10でのモード選択処理を行う際に用いられるEV-HEV選択マップを示す図である。 実施例1の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の第1クラッチCL1の完全開放モード・半クラッチモード・完全締結モードの各状態でのクラッチ概要とモード管理のためのピストンストロークに対する油圧・トルク特性を示す図である。 実施例1の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の第1クラッチコントローラ5にて実行される第1クラッチ制御処理の流れを示すフローチャートである。 乾式クラッチにおけるピストンストロークに対するレリーズ力の関係特性とピストンストロークに対する定常偏差の関係特性を示す特性図である。 乾式クラッチにおける目標ストロークに対する定常偏差特性とバネ特性を示す実験データグラフ図である。 乾式クラッチにおけるピストンストロークに対するレリーズ力の関係特性とピストンストロークに対する定常偏差の関係特性が基準点に対して締結側と基準点に対して開放側とでヒステリシスを持つことを示す特性図である。 新品状態の乾式クラッチにおける目標ストロークに対するピストン油圧特性と目標ストロークに対する定常偏差特性を示す図である。 摩耗状態の乾式クラッチにおける目標ストロークに対するピストン油圧特性と目標ストロークに対する定常偏差特性を示す図である。
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の制御装置が適用された後輪駆動によるFRハイブリッド車両(ハイブリッド車両の一例)を示す全体システム図である。
実施例1におけるFRハイブリッド車両の駆動系は、図1に示すように、エンジンEngと、フライホイールFWと、第1クラッチCL1(摩擦クラッチ)と、モータ/ジェネレータMG(モータ)と、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪RLと、右後輪RRと、を有する。なお、FLは左前輪、FRは右前輪である。
前記エンジンEngは、希薄燃焼機能を持つガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、エンジンコントローラ1からのエンジン制御指令に基づいて、エンジン始動制御やエンジン停止制御やスロットルバルブのバルブ開度制御やフューエルカット制御等が行われる。なお、エンジン出力軸には、フライホイールFWが設けられている。
前記第1クラッチCL1は、エンジンEngとモータ/ジェネレータMGの間に介装された摩擦クラッチであり、第1クラッチコントローラ5からの第1クラッチ制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された第1クラッチ制御油圧により、スリップ締結状態を含み締結/開放が制御される。この第1クラッチCL1としては、例えば、CSCピストン14a(CSCは、「Concentric Slave Cylinder」の略)を有する油圧アクチュエータ14により締結/開放が制御されるノーマルクローズの乾式単板クラッチが用いられる。
前記モータ/ジェネレータMGは、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータ/ジェネレータであり、モータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流を印加することにより制御される。このモータ/ジェネレータMGは、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし(以下、この動作状態を「力行」と呼ぶ)、ロータがエンジンEngや駆動輪から回転エネルギを受ける場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、バッテリ4を充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ)。なお、このモータ/ジェネレータMGのロータは、ダンパーを介して自動変速機ATの入力軸に連結されている。
前記第2クラッチCL2は、モータ/ジェネレータMGと左右後輪RL,RRの間に介装されたクラッチであり、ATコントローラ7からの第2クラッチ制御指令に基づいて、第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、スリップ締結とスリップ開放を含み締結/開放が制御される。なお、第1クラッチ油圧ユニット6と第2クラッチ油圧ユニット8は、自動変速機ATに付設されるAT油圧コントロールバルブユニットCVUに内蔵している。この第2クラッチCL2としては、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できるノーマルオープンの湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキが用いられる。
前記自動変速機ATは、例えば、前進7速/後退1速等の有段階の変速段を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える有段変速機であり、前記第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、トルク伝達経路に配置される最適なクラッチやブレーキを選択している。そして、前記自動変速機ATの出力軸は、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左右後輪RL,RRに連結されている。
このハイブリッド駆動系は、第1クラッチCL1の締結/開放状態に応じて、電気自動車走行モード(以下、「EVモード」という。)とハイブリッド車走行モード(以下、「HEVモード」という。)の2つの走行モードを有する。「EVモード」は、第1クラッチCL1を開放状態とし、モータ/ジェネレータMGを動力源として走行するモードである。「HEVモード」は、第1クラッチCL1を締結状態とし、エンジンEngとモータ/ジェネレータMGを動力源として走行するモードである。
次に、ハイブリッド車両の制御系を説明する。
実施例1におけるFRハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10と、を有して構成されている。なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、情報交換が互いに可能なCAN通信線11を介して接続されている。
前記エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数情報と、統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令と、他の必要情報を入力する。そして、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、エンジンEngのスロットルバルブアクチュエータ等へ出力する。
前記モータコントローラ2は、モータ/ジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報と、統合コントローラ10からの目標MGトルク指令および目標MG回転数指令と、他の必要情報を入力する。そして、モータ/ジェネレータMGのモータ動作点(Nm,Tm)を制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2では、バッテリ4の充電状態をあらわすバッテリSOCを監視していて、このバッテリSOC情報は、モータ/ジェネレータMGの制御情報に用いられると共に、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
前記第1クラッチコントローラ5は、油圧アクチュエータ14のCSCピストン14aのストローク位置を検出する第1ピストンストロークセンサ15(アクチュエータストローク検出手段)からのセンサ情報と、統合コントローラ10からの目標CL1トルク指令と、他の必要情報を入力する。そして、第1クラッチCL1の締結/開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVU内の第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。
前記ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16と、車速センサ17と、他のセンサ・スイッチ類18からの情報を入力する。そして、Dレンジを選択しての走行時、アクセル開度APOと車速VSPにより決まる運転点がシフトマップ上で存在する位置により最適な変速段を検索し、検索された変速段を得る制御指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVUに出力する。なお、シフトマップとは、アクセル開度と車速に応じてアップシフト線とダウンシフト線を書き込んだマップをいう。
上記自動変速制御に加えて、統合コントローラ10から目標CL2トルク指令を入力した場合、第2クラッチCL2の締結/開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVU内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する第2クラッチ制御を行う。
前記ブレーキコントローラ9は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ19と、ブレーキストロークセンサ20からのセンサ情報と、統合コントローラ10からの回生協調制御指令と、他の必要情報を入力する。そして、例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークBSから求められる要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ制動力)で補うように、回生協調ブレーキ制御を行う。
前記統合コントローラ10は、車両全体の消費エネルギを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うもので、モータ回転数Nmを検出するモータ回転数センサ21と、第2クラッチ出力回転数N2outを検出する第2クラッチ出力回転数センサ22等からの情報およびCAN通信線11を介して情報を入力する。そして、エンジンコントローラ1へ目標エンジントルク指令、モータコントローラ2へ目標MGトルク指令および目標MG回転数指令、第1クラッチコントローラ5へ目標CL1トルク指令、ATコントローラ7へ目標CL2トルク指令および目標変速段指令、ブレーキコントローラ9へ回生協調制御指令を出力する。
図2は、実施例1の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の統合コントローラ10にて実行される演算処理を示す制御ブロック図である。図3は、FRハイブリッド車両の統合コントローラ10でのモード選択処理を行う際に用いられるEV-HEV選択マップを示す図である。以下、図2及び図3に基づき、実施例1の統合コントローラ10にて実行される演算処理を説明する。
前記統合コントローラ10は、図2に示すように、目標駆動力演算部100と、モード選択部200と、目標充放電演算部300と、動作点指令部400とを有する。
前記目標駆動力演算部100では、目標駆動力マップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPとから、目標駆動力tFoOを演算する。
前記モード選択部200では、図3に示すEV-HEV選択マップを用いて、アクセル開度APOと車速VSPとから、「EVモード」または「HEVモード」を目標走行モードとして選択する。但し、バッテリSOCが所定値以下であれば、強制的に「HEVモード」を目標走行モードとする。
前記目標充放電演算部300では、目標充放電量マップを用いて、バッテリSOCから目標充放電電力tPを演算する。
前記動作点指令部400では、アクセル開度APOと、目標駆動力tFoOと、目標走行モードと、車速VSPと、目標充放電電力tP等の入力情報に基づき、動作点到達目標として、目標エンジントルクと目標MGトルクと目標MG回転数と目標CL1トルクと目標CL2トルクと目標変速段を演算する。そして、目標エンジントルク指令と目標MGトルク指令と目標MG回転数指令と目標CL1トルク指令と目標CL2トルク指令と目標変速段指令を、CAN通信線11を介して各コントローラ1,2,5,7に出力する。
図4は、実施例1の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の第1クラッチCL1の完全開放モード・半クラッチモード・完全締結モードの各状態でのクラッチ概要とモード管理のためのピストンストロークに対する油圧・トルク特性を示す図である。
まず、第1クラッチCL1は、図4に示すように、フライホイール40と、プレッシャープレート41と、クラッチディスク42と、クラッチフェーシング43,44と、クラッチカバー45と、ダイヤフラムスプリング46と、スプリング支持部47と、レリーズプレート48と、CSCピストン14aを有する油圧アクチュエータ14と、を有して構成されている。そして、第1クラッチCL1の締結/開放制御時、油圧アクチュエータ14のCSCピストン14aの動作量である実ピストンストロークを目標ピストンストロークに一致させる流量制御が行われる。
完全開放モード状態(=「EVモード」状態)での第1クラッチCL1は、図4の左部に示すように、プレッシャープレート41に対するダイヤフラムスプリング46からのバネ力の作用が解除され、クラッチ開放状態となる。そして、モード管理のためのピストンストロークに対する油圧・トルク特性は、ピストンストロークが最大位置となり、このとき油圧は最大で、トルク(クラッチ容量)はゼロとなる。
半クラッチモード状態(=「EVモード」からのエンジン始動状態)での第1クラッチCL1は、図4の中央部に示すように、プレッシャープレート41に対するダイヤフラムスプリング46からのバネ力の一部が解除され、クラッチ半締結状態となる。そして、モード管理のためのピストンストロークに対する油圧・トルク特性は、ピストンストロークが中間位置となり、このとき油圧は最大油圧より低圧で、トルク(クラッチ容量)はクラッチ滑りが出るレベルとなる。
完全締結モード状態(=「HEVモード」状態)での第1クラッチCL1は、図4の右部に示すように、プレッシャープレート41に対してダイヤフラムスプリング46からのバネ力が作用し、クラッチ締結状態となる。そして、モード管理のためのピストンストロークに対する油圧・トルク特性は、ピストンストロークが最小位置となり、このとき油圧は最小で、トルク(クラッチ容量)は最大となる。
図5は、実施例1の制御装置が適用されたFRハイブリッド車両の第1クラッチコントローラ5にて実行される第1クラッチ制御処理の流れを示すフローチャートである(クラッチ制御手段)。以下、図5の各ステップについて説明する。
まず、第1クラッチコントローラ5では、開放→締結のストローク−レリーズ力特性と締結→開放のストローク−レリーズ力特性から、レリーズ力と各ストローク位置での傾き(ゲイン)の積による算出にて目標ストロークと実ストロークの開放→締結の定常偏差特性と締結→開放の定常偏差特性を推定し、この2つの特性を開放→締結定常偏差特性マップと締結→開放定常偏差特性マップとして保有している。そして、制御基準とする目標ストロークの基準点を、前回のクラッチ制御が定常状態に入った時点での目標ストロークをスタンバイストロークの位置とし、前回のクラッチ制御が定常状態に入った時点で基準点を決め、基準点で定常偏差がゼロになるように、前記2つの定常偏差特性マップのチューニングを実施し、新たなクラッチ制御に備えている。
ステップS101では、目標ストロークが基準点のとき(例えば、第1クラッチCL1のクラッチ制御開始時)、目標ストロークと実ストロークに偏差があるか否かを判断し、Yes(定常偏差有り)の場合はステップS102へ進み、No(定常偏差無し)の場合はステップS103へ進む。
ステップS102では、ステップS101での基準点で定常偏差有りとの判断に続き、基準点での定常偏差は、第1クラッチCL1の長期使用による摩耗や劣化等によるダイヤフラムスプリング46のバネ特性の変動に起因する偏差であるため、設定されている2つの定常偏差特性マップの全体を基準点で生じた定常偏差分だけオフセットし、ステップS103へ進む。
ステップS103では、ステップS101での定常偏差無しとの判断、あるいは、ステップS102での定常偏差特性マップのオフセット処理に続き、基準点からの目標ストロークが変わったか否かを判断し、Yes(目標ストローク変化有り)の場合はステップS104へ進み、No(目標ストローク変化無し)の場合はステップS103の判断を繰り返す。
ステップS104では、ステップS103での目標ストローク変化有りとの判断に続き、開放→締結側の目標ストローク変化であるか締結→開放側の目標ストローク変化であるかを判断し、2つの定常偏差特性マップから補正に用いる定常偏差特性マップを選択する。そして、選択した定常偏差特性マップ(オフセットマップ含む)から目標ストロークの定常偏差を読み取り、ステップS105へ進む。
ステップS105では、ステップS104での目標ストロークの定常偏差読み取りに続き、補正目標ストロークを、(補正目標ストローク=目標ストローク+読み取った定常偏差)の式により演算し、ステップS106へ進む。
ステップS106では、ステップS105での補正目標ストロークの演算に続き、補正目標ストロークを得る指令を第1クラッチ油圧ユニット6へ出力し、エンドへ進む。
次に、作用を説明する。
実施例1のFRハイブリッド車両の制御装置における作用を、「第1クラッチの定常偏差補正の考え方」、「定常偏差特性マップによる目標ストローク補正作用」、「定常偏差特性マップによる目標ストローク学習補正作用」、「ハイブリッドシステムにおける効用」に分けて説明する。
[第1クラッチの定常偏差補正の考え方]
図6は、乾式クラッチにおけるピストンストロークに対するレリーズ力の関係特性とピストンストロークに対する定常偏差の関係特性を示す特性図である。図7は、乾式クラッチにおける目標ストロークに対する定常偏差特性とバネ特性を示す実験データグラフ図である。図8は、乾式クラッチにおけるピストンストロークに対するレリーズ力の関係特性とピストンストロークに対する定常偏差の関係特性が基準点に対して締結側と基準点に対して開放側とでヒステリシスを持つことを示す特性図である。以下、図6〜図8に基づいて、第1クラッチCL1の定常偏差補正の考え方を説明する。
乾式クラッチにおけるストロークに対するレリーズ力の関係特性は、図6の上部に示すように、ダイヤフラムスプリング46のバネ特性に依存し、ストローク量が小さい領域では比例特性を示すが、ストローク量が大きくなると山なりに低下する非線形特性を示す。そして、ピストンストロークの全域において、レリーズ力の差に比例した定常偏差が残り、ストロークに対する定常偏差特性は、図6の下部に示すように、レリーズ力×ゲイン(ストローク−レリーズ力特性の微分値)で算出されるカーブを描く。この定常偏差特性は、定常偏差の傾向をあらわすため、基準点で定常偏差=0になるようにオフセットすると、基準点からの目標ストロークが変化したとき、目標ストロークに対する定常偏差量が推定できる。
上記のように、乾式クラッチを流量制御する場合、ある基準点のレリーズ力と、別のストロークでのレリーズ力との差に応じた定常偏差が残ることが、図7に示す乾式クラッチにおける目標ストロークに対する定常偏差特性とバネ特性を示す実験データからも証明されている。
したがって、定常偏差特性で基準点となるストロークを決め、そこで定常偏差がないようにゲインチューニングをした上で、別のストロークを指令する場合、基準点でのストロークと別のストロークの皿バネ力の差から定常偏差量が推定できる。
このため、エンジン始動時等に別のストロークを指令する時、目標ストロークに対してストローク−バネ力特性に応じた定常偏差量を予め把握するため、定常偏差特性を定常偏差特性マップとして持っておく。また、基準点は、クラッチ制御が定常状態に入った際、そのときの目標ストローク(スタンバイストローク)により決め、クラッチ制御が定常状態に入る毎に基準点を更新し、基準点を更新したら基準点での定常偏差がゼロになるようにチューニングする。そして、クラッチ制御では、基準点からの目標ストロークに応じて、その定常偏差がなくなるように目標ストロークを修正する。
また、定常偏差量は、乾式クラッチの皿バネ(実施例1ではダイヤフラムスプリング46)のヒステリシス特性にも影響する。つまり、ストロークに対するレリーズ力の関係特性は、図8の上部に示すように、基準点から開放側に移動する場合と、基準点から締結側に移動する場合とで異なり、レリーズ力の差が変わる。このため、ストロークに対する定常偏差の関係特性も、図8の下部に示すように、基準点に対して締結側と基準点に対して開放側とで変わる。したがって、目標ストロークの補正に用いる定常偏差特性マップは、乾式クラッチの皿バネのヒステリシス特性を考慮する必要がある。
[定常偏差特性マップによる目標ストローク補正作用]
図9は、新品状態の乾式クラッチにおける目標ストロークに対するピストン油圧特性と目標ストロークに対する定常偏差特性を示す図である。以下、図5および図9に基づいて、定常偏差特性マップによる目標ストローク補正作用を説明する。
目標ストロークが変化するクラッチ制御時であって、目標ストロークが基準点のときに定常偏差が無いとき、図5のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS103→ステップS104→ステップS105→ステップS106へと進む。つまり、ステップS104では、開放→締結側の目標ストローク変化であるか締結→開放側の目標ストローク変化により選択した定常偏差特性マップから目標ストロークの定常偏差が読み取られ、ステップS105では、(補正目標ストローク=目標ストローク+読み取った定常偏差)の式により補正目標ストロークが演算され、ステップS106では、補正目標ストロークを得る指令が第1クラッチ油圧ユニット6へ出力される。
すなわち、乾式単板クラッチである第1クラッチCL1の場合、例えば、新品の初期状態においても、図9に示すように、個体バラツキ等により、目標ストロークの変化に対し定常偏差(目標ストロークと実ストロークの差)が変化する特性を示す。
これに対し、実施例1では、基準点からの目標ストロークが変化するクラッチ制御時、定常偏差特性マップから得られる定常偏差量により目標ストロークが補正される。このため、実ストロークが目標ストロークに収束するとき、補正無しのときに残る定常偏差が減少し、定常偏差特性の推定精度が高いほど、目標ストロークに収束するときの定常偏差はゼロに近いものとなる。この結果、実ストロークが目標ストロークに収束するとき、収束応答性が向上することになる。
さらに、実ストロークを目標ストロークに向かって変化させる過渡状態では、第1クラッチCL1の伝達トルクのうち、補正無しのときに生じる定常偏差分のトルク誤差が減少し、定常偏差特性の推定精度が高いほど、トルク誤差はゼロに近いものとなる。この結果、実ストロークを目標ストロークに向かって変化させる過渡状態での伝達トルク精度が向上する。
また、実施例1では、前回のクラッチ制御において定常状態(目標ストロークへの収束完了)に入ったところで、その都度、基準点を決め、基準点で定常偏差がゼロとなるように定常偏差特性マップをゲインチューニングしている。したがって、クラッチ制御の開始ストローク位置が変わっても、安定して収束応答性の向上と過渡状態での伝達トルク精度の向上を達成することができる。
[定常偏差特性マップによる目標ストローク学習補正作用]
図10は、摩耗状態の乾式クラッチにおける目標ストロークに対するピストン油圧特性と目標ストロークに対する定常偏差特性を示す図である。以下、図5および図10に基づいて、定常偏差特性マップによる目標ストローク学習補正作用を説明する。
目標ストロークが変化するクラッチ制御時であって、目標ストロークが基準点のときに定常偏差が有るとき、図5のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102→ステップS103→ステップS104→ステップS105→ステップS106へと進む。つまり、ステップS102では、設定されている2つの定常偏差特性マップの全体を基準点で生じた定常偏差分だけオフセット修正する。そして、ステップS104では、選択した定常偏差特性マップのオフセット修正マップから目標ストロークの定常偏差が読み取られ、ステップS105では、(補正目標ストローク=目標ストローク+読み取った定常偏差)の式により補正目標ストロークが演算され、ステップS106では、補正目標ストロークを得る指令が第1クラッチ油圧ユニット6へ出力される。
すなわち、乾式単板クラッチである第1クラッチCL1の場合、例えば、クラッチフェーシング43,44の摩耗が進行すると、レリーズ力が上昇するため、使用初期の新品状態で定常偏差がゼロになるようにゲインチューニングした基準点においても、図10に示すように、定常偏差が発生するようになる。このため、実施例1では、基準点における定常偏差を学習し、定常偏差特性マップをオフセット修正するようにしている。したがって、第1クラッチCL1の長期使用によるフェーシング摩耗や経年劣化等によるダイヤフラムスプリング46のバネ特性の変動に起因して定常偏差が生じた場合、この定常偏差に対応して精度良く定常偏差量を推定できる。言い換えると、バネ特性の変動に起因して定常偏差が生じたとしても、安定して収束応答性の向上と過渡状態での伝達トルク精度の向上を達成することができる。
[ハイブリッドシステムにおける効用]
実施例1のFRハイブリッド車両は、駆動系に、上流側からエンジンEng、第1クラッチCL1、モータ/ジェネレータMG、第2クラッチCL2を有する。そして、第1クラッチCL1を開放した「EVモード」での停止時や走行中、エンジン始動要求が出た場合、第2クラッチCL2を滑り締結し、モータ/ジェネレータMGをスタータモータとし、第1クラッチCL1を介して伝達されるモータトルクによりエンジンEngをクランキングし、エンジン始動して「HEVモード」にモード遷移するハイブリッドシステムとしている。この実施例1におけるハイブリッドシステムの場合、第1クラッチCL1の流量制御時、定常偏差を補正(学習補正を含む)することで、下記に述べるように、エンジン始動レスポンスの向上、燃費および耐久信頼性の向上、エンジン始動ショックの低減、という効用を得ることができる。
・エンジン始動レスポンスの向上
エンジン始動時の応答性を向上させるためには、「EVモード」でのCSCピストン14aの位置を、できるだけクラッチ締結開始位置に近い位置で、かつ、引き摺らない位置(=理想のCSCピストン14aの待機位置)に待機させておいた方が、エンジン始動の指令が出た時にすぐに応答できる。
これに対し、定常偏差が残っている状態では、理想のCSCピストン14aの待機位置に対して、CSCピストン14aが離れてしまうため、その分だけクラッチ締結に必要なストローク量が増えてしまい、応答性が悪化する。
また、定常偏差が残ってしまった結果、エンジン始動時の第1クラッチCL1の伝達トルクが必要以上に小さくなってしまった場合、エンジンEngの回転上昇が遅くなってしまい、エンジン始動レスポンスが悪化する。
実施例1の定常偏差を補正(学習補正を含む)は、このエンジン始動レスポンス(応答性)を改善するのに有効である。
・燃費および耐久信頼性の向上
ハイブリッドシステムにおいて、「EVモード」中に第1クラッチCL1のドラッグトルク(空転摩擦トルク:発熱の要因になる)を無くすことは、モータ/ジェネレータMGの消費電力を低下させ、その結果、燃費が向上する。
これに対し、定常偏差が残ってしまった結果、CSCピストン14aの位置がクラッチ締結開始位置状態よりも締結寄りになってしまった場合、「EVモード」中にも常時、第1クラッチCL1のドラッグトルクが発生することになり、燃費が悪化する。
実施例1の定常偏差を補正(学習補正を含む)は、このドラッグトルクを無くすことに有効であり、ドラッグトルクを無くすことで、燃費が向上すると共に、第1クラッチCL1のクラッチディスクの摩耗量が減り、使用可能年数が高まり、耐久信頼性向上が図られる。
・エンジン始動ショックの低減
ハイブリッドシステムにおいて、エンジン始動ショックを低減するためには、第2クラッチCL2が十分にスリップした状態で第1クラッチCL1を締結し、第1クラッチCL1の締結によるモータ/ジェネレータMGの回転の引き込みを逃す必要がある。
これに対し、定常偏差が残ってしまった結果、CSCピストン14aの位置が理想のCSCピストン14aの待機位置に対して締結側に近い場合、エンジン始動時に第2クラッチCL2が十分なスリップをする前に第1クラッチCL1が締結してしまい、モータ/ジェネレータMGの回転の引き込みを逃がすことができなくなり、エンジンg始動ショックとして車両挙動に現れてしまう。
また、定常偏差が残ってしまった結果、エンジン始動時の第1クラッチCL1の伝達トルクが必要以上に大きくなってしまった場合、エンジン始動ショックとして車両挙動に現れてしまう。
実施例1の定常偏差を補正(学習補正を含む)は、このエンジン始動ショックを改善することに有効である。
次に、効果を説明する。
実施例1のFRハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 駆動系に、エンジンEngと、モータ(モータ/ジェネレータMG)と、前記エンジンEngと前記モータの間に介装した摩擦クラッチ(第1クラッチCL1)を有し、前記摩擦クラッチの締結/開放制御時、クラッチアクチュエータ(油圧アクチュエータ14)の動作量である実ストロークを目標ストロークに一致させる流量制御を行うクラッチ制御手段(第1クラッチコントローラ)を備えたハイブリッド車両(FRハイブリッド車両)の制御装置において、前記クラッチアクチュエータの実ストロークを検出するアクチュエータストローク検出手段(第1ピストンストロークセンサ15)を設け、前記クラッチ制御手段(図5)は、ストローク−クラッチ動作荷重特性(ストローク−レリーズ力特性)から目標ストロークと実ストロークの定常偏差特性を推定し、制御基準とする目標ストロークの基準点で定常偏差がゼロになるように前記定常偏差特性をチューニングし、基準点からの目標ストロークが変化するクラッチ制御時、前記チューニングした定常偏差特性に基づいて目標ストロークを補正する。
このため、摩擦クラッチ(第1クラッチCL1)を流量制御するとき、目標ストロークへの収束応答性の向上を図ることができると共に、実ストロークを目標ストロークに向かって変化させる過渡状態での伝達トルク精度を向上させることができる。
(2) 前記クラッチ制御手段(図5)は、前記基準点で定常偏差がゼロになるようにチューニングした定常偏差特性を定常偏差特性マップとして設定し、目標ストロークが基準点のとき、目標ストロークと実ストロークに定常偏差の発生があると、前記定常偏差特性マップの全体を発生した定常偏差分だけオフセット修正し、基準点からの目標ストロークが変化するクラッチ制御時、前記オフセット修正した定常偏差特性マップに基づいて目標ストロークを学習補正する。
このため、摩擦クラッチ(第1クラッチCL1)の摩耗や経年劣化等によるバネ特性の変動に起因して定常偏差が生じたとしても、安定して収束応答性の向上と過渡状態での伝達トルク精度の向上を達成することができる。
(3) 前記クラッチ制御手段(図5)は、ストローク−クラッチ動作荷重特性(ストローク−レリーズ力特性)から、クラッチ動作荷重(レリーズ力)と各ストローク位置での傾き(ゲイン)の積による算出にて目標ストロークと実ストロークの定常偏差特性を推定した。
このため、クラッチ動作荷重(レリーズ力)の差に比例した定常偏差が残るのに対応し、定常偏差特性を簡単な演算により精度良く推定できる。
(4) 前記クラッチ制御手段(図5)は、制御基準とする目標ストロークの基準点を、クラッチ制御が定常状態に入ったときの目標ストロークであるスタンバイストロークの位置に決定し、この基準点の決定を、クラッチ制御が定常状態に入る毎に行う。
このため、基準点からの目標ストロークが変化するクラッチ制御時、目標ストロークでの定常偏差量を、定常偏差量がゼロとした基準点からの定常偏差特性値により精度良く推定することができると共に、クラッチ制御の開始ストローク位置が変わっても、安定して収束応答性の向上と過渡状態での伝達トルク精度の向上を達成することができる。
(5) 前記摩擦クラッチ(第1クラッチCL1)は、前記クラッチアクチュエータ(油圧アクチュエータ14)のストローク量がゼロのとき皿バネ(ダイヤフラムスプリング46)による付勢力にて締結状態であり、ストローク量の増大により開放側へと移行するノーマルクローズの乾式クラッチであり、前記クラッチ制御手段(図5)は、前記基準点に対して締結側の目標ストロークと実ストロークの定常偏差特性を、開放→締結のストローク−レリーズ力特性から推定し、前記基準点に対して開放側の目標ストロークと実ストロークの定常偏差特性を、締結→開放のストローク−レリーズ力特性から推定する。
このため、目標ストロークの補正に用いる定常偏差特性について乾式クラッチの皿バネのヒステリシス特性が考慮され、開放→締結ストロークを伴うクラッチ制御時にも締結→開放ストロークを伴うクラッチ制御時にも、目標ストロークでの定常偏差量を精度良く推定することができる。
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、摩擦クラッチとして、ノーマルクローズの乾式単板クラッチによる第1クラッチCL1の例を示した。しかし、摩擦クラッチとしては、定常偏差がクラッチ制御に影響を与えるものであれば、例えば、ノーマルクローズの乾式多板クラッチやノーマルオープンの湿式多板クラッチ等であっても良い。
実施例1では、基準点をスタンバイストロークとしたが、定常偏差が無いようにチューニングさえすれば、どのストローク位置を基準点としても良い(図8参照)。
実施例1では、本発明の制御装置をFRハイブリッド車両の第1クラッチに適用する例を示したが、FFハイブリッド車両や、自動変速機に代え動力分割機構を備えたパラレル型・コンバインド型・モータシスト型等の様々なタイプのハイブリッド車両の制御装置に対しても適用することができる。要するに、エンジンとモータの間に摩擦クラッチを介装した駆動系を備えたハイブリッド車両であれば適用できる。
Eng エンジン
FW フライホイール
CL1 第1クラッチ(摩擦クラッチ)
MG モータ/ジェネレータ(モータ)
CL2 第2クラッチ
AT 自動変速機
PS プロペラシャフト
DF ディファレンシャル
DSL 左ドライブシャフト
DSR 右ドライブシャフト
RL 左後輪
RR 右後輪
FL 左前輪
FR 右前輪
5 第1クラッチコントローラ(クラッチ制御手段)
14 油圧アクチュエータ(クラッチアクチュエータ)
14a CSCピストン
15 第1ピストンストロークセンサ(アクチュエータストローク検出手段)

Claims (5)

  1. 駆動系に、エンジンと、モータと、前記エンジンと前記モータの間に介装した摩擦クラッチを有し、前記摩擦クラッチの締結/開放制御時、クラッチアクチュエータの動作量である実ストロークを目標ストロークに一致させる流量制御を行うクラッチ制御手段を備えたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記クラッチアクチュエータの実ストロークを検出するアクチュエータストローク検出手段を設け、
    前記クラッチ制御手段は、ストローク−クラッチ動作荷重特性から目標ストロークと実ストロークの定常偏差特性を推定し、制御基準とする目標ストロークの基準点で定常偏差がゼロになるように前記定常偏差特性をチューニングし、基準点からの目標ストロークが変化するクラッチ制御時、前記チューニングした定常偏差特性に基づいて目標ストロークを補正することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記クラッチ制御手段は、前記基準点で定常偏差がゼロになるようにチューニングした定常偏差特性を定常偏差特性マップとして設定し、目標ストロークが基準点のとき、目標ストロークと実ストロークに定常偏差の発生があると、前記定常偏差特性マップの全体を発生した定常偏差分だけオフセット修正し、基準点からの目標ストロークが変化するクラッチ制御時、前記オフセット修正した定常偏差特性マップに基づいて目標ストロークを学習補正することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記クラッチ制御手段は、ストローク−クラッチ動作荷重特性から、クラッチ動作荷重と各ストローク位置での傾きの積による算出にて目標ストロークと実ストロークの定常偏差特性を推定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記クラッチ制御手段は、制御基準とする目標ストロークの基準点を、クラッチ制御が定常状態に入ったときの目標ストロークであるスタンバイストロークの位置に決定し、この基準点の決定を、クラッチ制御が定常状態に入る毎に行うことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか1項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記摩擦クラッチは、前記クラッチアクチュエータのストローク量がゼロのとき皿バネによる付勢力にて締結状態であり、ストローク量の増大により開放側へと移行するノーマルクローズの乾式クラッチであり、
    前記クラッチ制御手段は、前記基準点に対して締結側の目標ストロークと実ストロークの定常偏差特性を、開放→締結のストローク−レリーズ力特性から推定し、前記基準点に対して開放側の目標ストロークと実ストロークの定常偏差特性を、締結→開放のストローク−レリーズ力特性から推定することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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