JP5417905B2 - 車両用クラッチ制御装置 - Google Patents
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Description
また、このような乾式のクラッチを、アクチュエータを用いて締結および解放させるクラッチ制御装置が、特許文献1などにより知られている。
そこで、本発明では、クラッチトルク容量補正手段は、クラッチの出力回転数目標値と出力回転数検出値との偏差からクラッチトルク容量補正値を演算し、クラッチトルク容量指令値を補正する。
したがって、クラッチにオフセット変動やゲイン変動が生じても、その変動分を補正し、クラッチトルク容量を精度高く制御可能となる。
図1は、実施例1の車両用クラッチ制御装置が適用されたパラレルハイブリッド車両(ハイブリッド車両の一例)を示す全体システム図である。以下、図1に基づいて、駆動系および制御系の構成を説明する。
第1クラッチCL1は、エンジン側の入力軸42に結合されたフライホイール43と、モータジェネレータMG側の出力軸44に軸方向に変位可能で回転方向には移動を規制されたクラッチディスク45と、クラッチディスク45を覆うクラッチカバー46と、を備えている。そして、プレッシャプレート47が、ダイヤフラムスプリング41の付勢力でクラッチディスク45をフライホイール43に圧接させると、入力軸42と出力軸44とでトルク伝達が可能な締結状態となる。
P=(C1CEh4/r2 2),C1
=[δ/(1−ν2)h][{(H/h)−(δ/h)}{(H/h)−(δ/2h)}+1]
・・・(aa)
なお、Pは反力、Cはバネの形状により決まる定数、Eは縦弾性係数、hは皿バネ板厚、r2は皿バネ外半径、δはストローク、νはポアソン比、Hは皿バネ自由高さである。
なお、第2クラッチCL2としては、図1に示すように、独立のクラッチをモータジェネレータMGと自動変速機ATの間の位置に設定する以外に、自動変速機ATの各変速段にて締結される摩擦締結要素として用いられるクラッチやブレーキを流用しても良い。また、自動変速機ATと左右駆動輪LT,RTの間の位置に設定しても良い。
図8に、バッテリー充電量SOCに対する目標充放電量特性(モータトルク)の一例を示す。このように、バッテリー充電量SOCが、基準値よりも低くなれば、目標充放電量が低く設定されて充電され、バッテリー充電量SOCが高くなれば、目標充放電量が高く設定されて放電される。
Tm_FB_ON={(KpmS+Klm)/s}(ωcl2i*−ωcl2i)・・・(1)
なお、上記式(1)において、Kpmは、モータ制御用比例ゲイン、Klmは、モータ制御用積分ゲイン、sは、微分演算子である。
(締結する場合)
<Tcl2_z1 *<Td*×Ksafeの場合>
Tcl2_FB_OFF=Tcl2_z1 *+ΔTcl2LU ・・・(2)
<Tcl2_z1 *≧Td*×Ksafeの場合>
Tcl2_FB_OFF=Td*×Ksafe ・・・(3)
(解放する場合)
Tcl2_FB_OFF=0 ・・・(4)
(第2クラッチを締結→スリップ状態にする場合)
Tcl2_FB_OFF=Tcl2_Z1 *−ΔTcl2slp ・・・(5)
ただし、上記式(2)〜(5)において、Ksafeは、第2クラッチ安全率係数(>1)、ΔTcl2LUは、スリップ(または解放)→締結移行時のトルク容量変化率、ΔTcl2slpは、締結→スリップ移行時トルク容量変化率、Tcl2_Z1 *は、最終第2トルク指令値前回値である。
Tcl2 *=Tcl2_FB_ON ・・・(6)
Tcl2 *=Tcl2_FB_OFF ・・・(7)
ステップS15では、エンジン始動中か否かの判断を行なう。第2クラッチ入力回転数計測値ωcl2iとエンジン回転数計測値ωeとの差分が所定値 以下であれば、エンジン始動動作終了と判断してステップS16へ進み、それ以外の場合はステップS18へ進む。
Tcl1_FB_OFF=Tcl1_max ・・・(8)
Tcl1_FB_OFF=0 ・・・(9)
なお、Tcl1_maxは第1クラッチ最大トルク容量である。
Tcl1_base=Tcl1_ENG_ST ・・・(10)
なお、Tcl1_ENG_STはあらかじめ設定したエンジンクランキングトルクである。
ア)エンジンEngが始動(着火)していない場合
-Tcl1 *=Tcl1_FB_OFF ・・・(11)
イ)学習中の場合
Tcl1 *=Tcl1_leaning ・・・(12)
ウ)エンジン回転数制御中の場合
Tcl1 *=Tcl1_FB_ON ・・・(13)
ステップS24では、最終第2クラッチトルク容量指令値Tcl2 *から、第2クラッチCL2にかかる油圧を制御する圧力制御弁(図示省略)へ出力する第2クラッチ電流指令値Icl2 *を演算し、ステップS25へ進む。この第2クラッチ電流指令値Icl2 *の演算は、予め取得した特性に基づき作成した、図11に示すマップに基づいて行なう。これにより、油圧や電流に対してクラッチトルク容量が非線形な特性を有している場合でも、制御対象を線形としてみなすことができるため、前述したような線形制御理論を適用することができる。
Tm*=Tm_FB_ON ・・・(14)
Tm*=Tm_base ・・・(15)
ステップS27では、ステップS24,S25,S26で得られた第2クラッチ電流指令値Icl2 *、第1クラッチ電流指令値Icl1 *、モータトルク指令値Tm*を、各コントローラ15,16,17,18,19へ送信する。
(第2クラッチ制御モードCL2MODEの設定方法の詳細)
次に、ステップS5の第2クラッチ制御モードCL2MODEの設定方法の詳細について説明する。この第2クラッチ制御モードCL2MODEは、バッテリー充電量SOC、目標駆動トルクTd*、第1クラッチ制御モードフラグfCL1および車速Vspといった車両状態から設定する。以下、その詳細を、図12に示すフローチャートを用いて説明する。
次に、ステップS9における第2クラッチ入力回転数目標値ωcl2i *の演算方法の詳細について説明する。
ωcl2_slp *=fcl2_slp_cl1OP(Tcl2_base,Tempcl2) ・・・(16)
ここで、fcl2_slp_cl1OP()は、基本第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_base *および第2クラッチ油温Tempcl2を入力とした関数である。具体的には、図13(a)に示すマップに基づいて設定することができる。すなわち、「油温が高い」もしくは、「クラッチ容量指令値が大きい」場合は、第2クラッチ入力回転数目標値ωcl2i *を小さくすることにより、クラッチ油温の上昇を防止できる。
ωcl2_slp *=fcl2_slp_cl1OP(Tcl2_base‘Tempcl2)+ffcl2_Δωslp(TEng_staRT) ・・・(14)
ここで、ffcl2_Δωslp()は、エンジン始動時のための第2クラッチCL2のスリッ回転数増加量を演算する関数であり、エンジン始動配分モータトルクTEng_staRTを入力とする。具体的には、図13(b)に示すマップに基づいて、エンジン始動配分モータトルクTEng_staRTが低下した場合には、第2クラッチ入力回転数目標値ωcl2i *を高め(増加量を多く)に設定する。これにより、第1クラッチCL1からの外乱を完全に打ち消すことができず回転数が低下しても、急な締結を防止でき、その結果、加速度変動を生じることなくエンジンを始動できる。
なお、エンジン始動後もスリップ制御を継続する場合、第2クラッチ入力回転数目標値ωcl2i *は、EV走行中と同様とする(増加分は加算しない)。
ωcl2i *=ωcl2_slp *+ωo ・・・(18)
最後に、上記式(18)から算出した第2クラッチ入力回転数目標値ωcl2i *に、上下限制限を施し、最終的な第2クラッチ入力回転数目標値ωcl2i *とする。なお、上下限制限値は、エンジン回転数の上下限値とする。
次に、 ステップS11の回転数制御用第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FB_ON の演算方法の詳細について説明する。
Tcl2_FF/Tcl2_base *=GFF(s)=(τcl2・s+1)/(τcl2ref・s+1) ・・・(19)
ただし、τcl2は第2クラッチモデル時定数、τcl2refは第2クラッチ制御用規範応答時定数である。
<EVモード(fCL1=0)の場合>
Tcl2_t=Tcl2_base * ・・・(20)
<HEVモード(fCL1=1)の場合>
Tcl2_t=Tcl2_base *−Te_est ・・・(21)
なお、HEVモードにおける第2クラッチトルク容量目標値Tcl2_tは、全体(エンジンおよびモータ)のトルク容量に対し、モータ分の容量を意味する。
Te_est=(1/τes+1)e−Les×Te_base * ・・・(22)
ただし、τeはエンジン一次遅れ時定数、Leはエンジンむだ時間である。
(Tcl2_ref/Tcl2_t)=Gcl2_REF(s)=1/τcl2_ref・s+1 ・・(23)
次に、第2クラッチトルク容量規範値Tcl2_refと、前述した回転数制御用モータトルク指令値Tm_FB_ONとから、下記の式(24)に基づいてF/B第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FBを演算する。
Tcl2_FB={(KPcl2s+KIccl2)/s}×(Tcl2_ref−Tm_FB_ON) ・・・(24)
ただし、KPcl2は第2クラッチ制御用比例ゲイン、KIccl2は2クラッチ制御用積分ゲインである。
Tcl2_FB={(KPcl2s+KIccl2)/s}×(Tcl2_ref−Tm_FB_ON−TIcl2_est) ・・・(25)
なお、TIcl2_estはイナーシャトルク推定値であり、例えば、入力回転数変化量(微分値)に入力軸周りの慣性モーメントを乗算して求める。
そして、F/F第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FFとF/B第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FBとを加算し、最終的な回転数制御用第2クラッチトルク容量指令値Tcl2_FB_ONを演算する。
次に、ステップS20の第1クラッチストローク対クラッチトルク容量特性の学習処理について説明する。この説明を行なうにあたり、まず、この学習処理を行なう構成について図9のブロック図により説明する。
ステップS205では、ステップS201の判断結果に応じ、ステップS203にてストローク対トルク容量特性が得られたらストローク対トルク容量特性を更新する。
次に、ステップS22におけるエンジン回転数制御用第1クラッチトルク容量指令値Tcl1_FB_ONの演算処理の詳細について説明する。
図16にエンジン回転数制御系のブロック図を示す。本実施例1では、このエンジン回転制御系を、ステップS11の第2クラッチトルク容量制御系と同様に2自由度制御手法で設計している。F/B補償部については、様々な設計方法が考えられるが、今回はその一例としてPI制御としている。以下、その演算方法について説明する。
ωe*/(Tcl1_base−Tpomp_loss)
=Gcl1_eng(s)=(1/Je)×(1/s) ・・(25)
なお、JeはエンジンEngの慣性モーメント、Tpomp_lossはあらかじめ計測したポンピングロストルクである。
ωe_ref/ωe*=Gcl1_ref(s)
=ω2 cl1_ref/(s2+2ζcl1_refωcl1_ref・s+ω2 cl1_ref) ・・・(26)
なお、エンジン回転数規範値ωe_refは、エンジン回転数目標値ωe*が得られるクラッチトルク容量指令を与えたときに、第1クラッチCL1の特性に基づいて実際に出力回転として現れると予測される回転数である。また、ζcl1_refは第1クラッチ規範応答減衰係数、ωcl1_refは第1クラッチ規範応答固有振動数である。
すなわち、第1クラッチCL1のクラッチ特性の変動は、ストローク指令値と実際のストローク量との関係から検出して学習(補正)する他にも、第1クラッチCL1を介して伝達される回転数とクラッチトルク容量との関係から推定して補正することができる。
この補正は、上述のステップS18〜S20の学習補正が実行できない状況、例えば、起動時以外の走行中や、エンジン始動時以外の変速時などにも実行できる。
Tcl1_FB=[(Kpcl1s+KIccl1)/s]×(ωe_ref−ωe) ・・・(27)
なお、Kpcl1は第1クラッチ制御用比例ゲイン、KIccl1は第1クラッチ制御用積分ゲインである。
そして、第1クラッチトルク容量基本値Tcl1_baseとF/B第1クラッチ容量指令値Tcl1_FBを加算し、最終的なエンジン回転数制御用第1クラッチトルク容量指令値Tcl1_FB_ONを演算する。
次に、 ステップS23における第1クラッチCL1の油圧を制御する油圧制御弁へ出力する第1クラッチ電流指令値Icl1 *の演算方法について、図17に示すフローチャートに基づいて説明する。
すなわち、第1クラッチ油圧指令値Pcl1 *の演算は、図19に示す油圧指令値演算手段60により行なわれるもので、この油圧指令値演算手段60は、この演算は、F/F補償器61、規範応答部62、F/B補償器63を備えている。
Pcl1_FF/xscl1 *=Gcl1_FF(s)
=(Ms2+Cs+Kcl1_ref)/(s2+2ζcl1_refωcl1_refs+ω2 cl1_ref) ・・・(28)
ただし、Cは第1クラッチ機構部粘性係数、Kcl1_refは油圧補正後の制御対象ばね定数、ζcl1_refは第1クラッチ規範応答減衰係数、ωcl1_refは第1クラッチ規範応答固有振動数、Mはクラッチ質量である。
xscl1_ref/xscl1 *=Gcl1_ref(s)
=ω2 cl1_ref/s2+2ζcl1_refωcl1_refs+ω2 cl1_ref ・・・(29)
次に、F/B補償器63にて、ストローク規範値xscl1_refと第1クラッチストローク計測値xscl1の偏差xscl1_errから、下記の式(30)に基づきF/B油圧指令値Pcl1_FBを演算する。
Pcl1_FB/xscl1_err=Gcl1_FB(s)
=(KPgain_cl1・s+KIgain_cl1+KDgain_cl1・s2)/s ・・・(30)
ただし、KPgain_cl1は比例ゲイン、KIgain_cl1は積分ゲイン、KDgain_cl1は微分ゲインである。
さらに、油圧指令値補正部70により行なわれる。なお、図19において制御対象部Gp(s)は、制御対象となる油圧アクチュエータ50および第1クラッチCL1のモデルに相当する部分であり、油圧機構部500、クラッチ機構部600を備えている。
次に、ステップS233において行なう、最終油圧指令値Pcl1_comを得るための補正について詳細に説明する。
この補正は、図18に示すダイヤフラム実反力特性に基づいて得られた第1クラッチ油圧推定値Pcl1_estと、規範バネ特性Krefに基づいて得られた反力規範値Pcl1_refとの差分から、油圧補正値Pcl1_hoseiを演算する。
Pcl1_hosei=Pcl1_ref−Pcl1_est
=Kref・xscl1−fxscl1−P(xscl1) ・・・(31)
ただし、fxscl1−P()は、油圧−ストローク特性を示す関数である。
Pcl1_hosei=Pcl1_ref−Pcl1_est
=Kref・xscl1−Kp・xscl1 ・・・(32)
なお、上記式(31)(32)を用いて予めストローク毎の補正値を演算しておき、マップにしておいてもよい。
Pcl1_com=Pcl1 *−Pcl1_hosei ・・・(33)
したがって、第1クラッチCL1のストローク量が変曲点を有したxs1よりも大きな領域では、ダイヤフラムスプリング41のバネ特性が、設計者の意図する規範バネ特性Krefを有しているかのように、油圧が補正される。
(学習補正)
本実施例1では、エンジン始動時には、第1クラッチCL1を締結させる一方で第2クラッチCL2を解放させ、モータジェネレータMGの駆動トルクによりエンジンEngをクランキングさせる。
図において、t01のタイミングで、エンジン始動要求が出力されると、t02のタイミングで第1クラッチCL1の締結が開始され、エンジンEngにモータジェネレータMGのトルクが伝達されてクランキングが行なわれる。
このとき、第1クラッチCL1の解放位置が、当初の設計時の位置であるクラッチ解放位置St01の場合には、第1クラッチCL1のトルク容量は、実線hr1で示す特性で立ち上がり、エンジン回転数は、t03のタイミングでエンジン点火回転数Ntnに達している。
また、図22は摩擦要素の摩擦係数(ゲイン)が変化した場合を示しており、摩擦係数が大きくなるとストローク量に対するトルク容量が大きくなり、逆に、摩擦係数が小さくなるとストローク量に対するトルク容量が小さくなる。
上述の磨耗による特性変動により、図20においてクラッチ解放位置が、初期のクラッチ解放位置St01から変動時クラッチ解放位置St02に変動した場合、t01のタイミングのエンジン始動要求に対し、変動前と同じストローク制御を実行したとすると、クラッチ締結開始タイミングが遅れ、t02bのタイミングとなる。
これに伴い、エンジン回転数の立ち上がりタイミングが遅れるとともに、エンジン点火回転数に達するタイミングも、t03bと、大幅に遅れる。
すなわち、エンジン始動時に、第1クラッチストローク指令値xscl1 *と第1クラッチストローク計測値xscl1とを読み込み、その偏差の絶対値が、あらかじめ設定された閾値xscl1_th1以下となり、モータトルクとクラッチトルクとが略一致した状態になったときの、回転数制御用モータトルク指令値(=クラッチトルク容量推定値)Tm_FB_ONと第1クラッチストローク計測値xscl1とから、第1クラッチCL1のストローク全域にわたる対トルク容量特性を演算する。そして、本実施例1では、このときの最終第1クラッチトルク容量指令値Tcl1 *である学習時第1クラッチトルク容量指令値Tcl1_learningは、段階的に与えられるため、それぞれの値について得られた結果を線形補間して、ストローク全域にわたる対トルク容量特性とする。
上述の学習補正は、学習許可が成された場合に実行されるが、さらに、学習許可が成されない場合であっても、エンジン回転数制御中は、第1クラッチトルク容量基本値Tcl1_baseは、エンジン回転数規範値ωe_refとエンジン回転数計測値ωeとの偏差に基づいて補正して、エンジン回転数制御用第1クラッチトルク容量指令値Tcl1_FB_ONを得るようにした。
a)エンジン回転数制御時には、エンジン回転数規範値ωe_refとエンジン回転数計測値ωeとの偏差に基づいて、この偏差が無くなるように第1クラッチトルク容量基本値Tcl1_baseをフィードバック補正して、エンジン回転数制御用第1クラッチトルク容量指令値Tcl1_FB_ONを得るようにした。
したがって、第1クラッチCL1のクラッチ特性が所期の特性から変動したり、また、第1クラッチCL1のクラッチ特性の変動以外の要因、例えば、制御系のばらつきなどにより指令値とトルク容量の関係が変動したりしても、クラッチトルク容量指令値に対応したトルク容量を得ることが可能であり、制御精度を向上させることができ、例えば、エンジン始動時のクランキング時間やタイミングを最適に制御することが可能である。
したがって、モータジェネレータMGから出力される全モータトルクが駆動輪側に伝達されることなく、第1クラッチCL1を介してエンジンEngへ伝達される状態で、モータトルクに基づいてクラッチトルク容量を推定でき、より精度高くクラッチトルク容量の推定を行なうことができる。
なお、この実施例2の学習補正の処理のうち、ステップS201〜204については実施例1と同様であるので、説明を省略する。
これにより、トルク容量目標値に向かってストロークさせた場合の実際のクラッチトルク容量が小さめになり、ストローク対トルク特性を容量過小側に設定した場合と比較して、クランキング可能回転数に上昇するまでの時間が長くなる。この時間中に、回転数フィードバック補正が行なわれるため、確実に所望のクランキングトルクを実現することができる。これにより、エンジンクランキング中に、第2クラッチCL2のスリップを維持でき、その結果、目標値よりもトルク容量が過多となることによる第2クラッチの締結ショックを改善できる。
なお、KL_UP、KL_DOWNは学習係数であり、KL_UPは容量を過多側 (ΔTcl1_xs>0)、KL_DOWNは容量不足側(ΔTcl1_xs<0)、の場合に使用するものであり、必ず下記式(34)の条件を満足するように設定する。
1≧KL_UP>KL_DOWN ・・・(34)
(実施例2の効果)
以上説明したように、実施例2では、ストローク対トルク容量特性の初期設定値を、基本(ノミナル)特性よりも容量過多側であってバラツキ上限値内に設定している。
これにより、ストローク量に対するクラッチトルク容量が小さめになり、容量不足側に設定した場合と比較して、クランキング可能回転数に上昇するまでの時間が長くなる。この時間中に、回転数フィードバック補正が行なわれるため、確実に所望のクランキングトルクを実現することができる。これにより、エンジンクランキング中に、第2クラッチCL2のスリップを維持でき、その結果、容量過多による第2クラッチの締結ショックを改善できる。また、第1クラッチCL1のストローク対トルク容量が、実際には容量不足側にずれている場合でも、エンジン始動時間の悪化を防止できる。
図26は回転数フィードバック補正を実行しない比較例を示している。
この場合、第1クラッチCL1のストローク目標値は、t0〜t1の時点までは、0トルク点(開放位置)に設定され、t1〜t2の時点まで、スリップ状態を保つべく、中間ストローク点に設定され、t2の時点以降は、締結位置に設定されている。これに対して、クラッチストローク計測値は、図において点線で示すように変化しており、t1の時点以降で容量過多となっている。このため、第2クラッチは、スリップ状態を維持できず、入力回転数が落ち込んで、早期にエンジン回転数と一致しており、締結ショックが発生している。
このため、容量過多側への学習を速やかにする一方、容量不足側への学習を緩やかにすることにより、誤学習した場合でも容量過多になりにくく、エンジン始動ショックを軽減できる。
なお、0トルク点、ゼロストローク点共に、実測値に基づいて検出あるいは推定する。
実施例3で用いるストローク対トルク容量特性では、スタンバイモード(EVモード)で第1クラッチCL1を開放した状態では、0トルク点に制御され、ストローク対トルク容量にずれは生じない。
このため、HEVモードに移行する際に、第1クラッチCL1がストロークするのと同時にトルク容量が発生し、エンジン始動時間を短縮できる。
13 ストロークセンサ(ストローク検出手段)
14 統合コントローラ(クラッチ制御手段)
16 クラッチコントローラ(クラッチストローク制御手段)
45 クラッチディスク(摩擦要素)
47 プレッシャプレート(摩擦要素)
204 ストローク対トルク容量特性学習手段
205 第1クラッチトルク容量指令値演算手段
206 ストローク指令値演算手段
CL1 第1クラッチ(クラッチ)
Eng エンジン(被駆動側)
MG モータジェネレータ(モータ)
Claims (4)
- モータとエンジンとの間に介在されて伝達トルクを変更可能なクラッチと、
前記モータの出力であるモータトルクが、与えられたモータトルク指令値に一致するように前記モータの駆動を制御する駆動制御手段と、
前記クラッチのトルク容量指令値を演算するクラッチトルク容量指令値演算手段と、
前記クラッチにおけるストローク量に対するトルク容量の特性であるストローク対トルク容量特性に基づいて、前記トルク容量指令値をストローク指令値に変換するクラッチストローク指令値演算手段と、
前記ストローク指令値に基づいて前記クラッチの締結を制御するクラッチストローク制御手段と、
前記クラッチから前記エンジンへの出力回転数を検出する出力回転数検出手段と、
前記モータ回転数と前記クラッチトルク容量指令値とに基づいて前記クラッチから前記エンジンへの出力回転数目標値を演算する出力回転数目標値演算手段と、
前記出力回転数目標値と出力回転数検出値との偏差からクラッチトルク容量補正値を演算し、前記トルク容量指令値を補正するクラッチトルク容量補正手段と、
前記クラッチをスリップ状態から締結方向に作動させたときのモータトルクに基づいてクラッチトルク容量を推定するクラッチトルク容量推定手段と、
前記推定クラッチトルク容量と検出した前記クラッチストローク量との関係に基づいて前記ストローク対トルク容量特性を更新する学習手段と、を備え、
前記クラッチストローク指令値演算手段の前記ストローク対トルク容量特性の初期設定値が、前記ストローク対トルク容量特性の変動範囲の中央に設定された基準特性よりも容量過多側に設定されていることを特徴とする車両用クラッチ制御装置。 - 前記ストローク対トルク容量特性は、この特性の変動範囲の中央に設定された基準特性よりも容量過多側に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用クラッチ制御装置。
- 前記学習手段は、前記ストローク対トルク容量特性を補正する際、容量過多側の補正量が、容量不足側の補正量と比較して大きく設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用クラッチ制御装置。
- 前記ストローク対トルク容量特性が、前記クラッチの伝達トルクが0のときのストローク検出値が与えられたゼロトルク点、エンジンのクランキングトルク指令値が与えられたときのバラツキ上限値であるクランキングトルク点、前記クラッチのストローク量が0のときの締結クラッチ容量が与えられたゼロストローク点、を通る特性に設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両用クラッチ制御装置。
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