以下、図面を用いて、本発明の一実施形態に係る伝送システム1について説明する。
なお、伝送システム1には、複数の端末間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。このコミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理システム(本実施形態の「伝送管理システム」に相当)を介して複数のコミュニケーション端末(「通話端末」に相当)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、テレビ(ビデオ)会議システム等が例として挙げられる。
<<実施形態の全体構成>>
まず、図1乃至図3を用いて、本実施形態の全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る伝送システムの概略図である。図2は、伝送システムにおける画像データ、音データ、及び各種管理情報の送受信の状態を示した概念図である。図3は、画像データの画質を説明する概念図である。
まず、図1に示されている伝送システム1は、複数の通話端末(10aa,10ab,…)、各通話端末(10aa,10ab,…)用のディスプレイ(120aa,120ab,…)、複数の電子黒板(20a,20b,20c,20d)、伝送管理システム50、複数の中継装置(80a,80b,80c,80d)、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100によって構築されている。
複数の通話端末10は、コンテンツデータの一例としての画像データ及び音データの送受信による伝送を行う。なお、コンテンツデータの他の例として、テキストデータが挙げられる。また、コンテンツデータには、画像データ、音データ、テキストデータのうち少なくとも1つが含まれていればよい。
なお、以下では、複数の通話端末(10aa,10ab,…)のうち任意の通話端末は「通話端末10」と表し、複数のディスプレイ(120aa,120ab,…)のうち任意のディスプレイは「ディスプレイ120」と表している。また、複数の電子黒板(20a,20b,20c,20d)のうち任意の電子黒板は「電子黒板20」と表し、複数の中継装置(80a,80b,80c,80d)のうち任意の中継装置は「中継装置80」と表している。更に、本実施形態では、通話端末10及び電子黒板20をまとめて表す場合は、「伝送端末」と表している。
また、テレビ会議等のコミュニケーションのための通信の開始を要求する要求元である通話端末10は「開始端末」と表し、要求先である宛先(中継先)としての通話端末10は「宛先端末」と表している。
また、図2に示されているように、開始端末及び宛先端末が共に通話端末である場合について説明すると、伝送システム1において、開始端末と宛先端末との間では、伝送管理システム50を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションseiが確立される。また、開始端末と宛先端末との間では、H.264/SVCの映像符号化標準規格を利用し、中継装置80を介して、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データ、及び音データの4つの各データを送受信するための4つのセッションが確立される。ここでは、これら4つのセッションをまとめて、画像・音データ用セッションsedとして示している。なお、開始端末と宛先端末との間で必ずしも中継装置80を介する必要はなく、開始端末及び宛先端末との間で、直接、画像・音データ用セッションsedを確立してもよい。
なお、開始端末及び宛先端末の関係は、通話端末及び通話端末の場合だけでなく、通話端末及び電子黒板、電子黒板及び通話端末、並びに、電子黒板及び電子黒板の場合であってもよい。いずれの場合も、開始端末と宛先端末との間では、H.264/SVCの映像符号化標準規格を利用して、画像データを送信する。
ここで、本実施形態で扱われる画像データの画像の解像度について説明する。図3(a)に示されているように、横が160画素、縦が120画素から成り、ベース画像となる低解像度の画像と、図3(b)に示されているように、横が320画素、縦が240画素から成る中解像度の画像と、図3(C)に示されているように、横が640画素、縦が480画素から成る高解像度の画像とがある。このうち、狭帯域経路を経由する場合には、ベース画像となる低解像度の画像データのみから成る低画質の画像データが中継される。帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データ、及び中解像度の画像データから成る中画質の画像データが中継される。また、帯域が非常に広い場合には、ベース画質となる低解像度の画像データ、中画解像度の画像データ、及び高解像度の画像データから成る高画質の画像データが中継される。
また、図1に示されている電子黒板20は、会社や学校等で用いられており、ユーザが後述の電子ペン4や手Hをディスプレイ3に接触させることで描いた内容を電子的に変換して、後述のストローク配列データを生成することができるホワイトボード(コピーボード)である。
また、図1に示されている中継装置80は、複数の通話端末10の間で、コンテンツデータの中継を行う。伝送管理システム50は、通話端末10からのログイン認証、通話端末10の通話状況の管理、宛先リストの管理等、及び中継装置80の通信状況等を一元的に管理する。なお、画像データの画像は、動画であっても静止画であってもよく、動画と静止画の両方であってもよい。
複数のルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)は、画像データ及び音データの最適な経路の選択を行う。なお、以下では、ルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)のうち任意のルータは「ルータ70」と表されている。
プログラム提供システム90は、後述のHD(Hard Disk)204を備えており、通話端末10に各種機能を実現させる(又は、通話端末10を各種手段として機能させる)ための通話端末用プログラムが記憶され、通話端末10に通話端末用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム90のHD204には、電子黒板20に各種機能を実現させる(又は、電子黒板20を各種手段として機能させる)ための電子黒板用プログラムも記憶されており、電子黒板20に、電子黒板用プログラムを送信することができる。更に、プログラム提供システム90のHD204には、中継装置80に各種機能を実現させる(又は、中継装置80を各種手段として機能させる)ための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置80に、中継装置用プログラムを送信することができる。
更に、プログラム提供システム90のHD204には、伝送管理システム50に各種機能を実現させる(又は、伝送管理システム50を各種手段として機能させる)ための伝送管理用プログラムも記憶されており、伝送管理システム50に、伝送管理用プログラムを送信することができる。
メンテナンスシステム100は、通話端末10、中継装置80、伝送管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、又は保守を行うためのコンピュータである。例えば、メンテナンスシステム100が国内に設置され、通話端末10、中継装置80、伝送管理システム50、又はプログラム提供システム90が国外に設置されている場合、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介して遠隔的に、通話端末10、中継装置80、伝送管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、保守等のメンテナンスを行う。また、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介さずに、通話端末10、中継装置80、伝送管理システム50、及びプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つにおける機種番号、製造番号、販売先、保守点検、又は故障履歴の管理等のメンテナンスを行う。
ところで、通話端末(10aa,10ab,10ac,・・・)、中継装置80a、及びルータ70aは、LAN2aによって通信可能に接続されている。通話端末(10ba,10bb,10bc,・・・)、中継装置80b、及びルータ70bは、LAN2bによって通信可能に接続されている。また、LAN2a及びLAN2bは、ルータ70abが含まれた専用線2abによって通信可能に接続されており、所定の地域A内で構築されている。例えば、地域Aは東京の事業所であり、LAN2aは営業一部内で構築されており、LAN2bは営業二部内で構築されている。
一方、通話端末(10ca,10cb,10cc,・・・)、中継装置80c、及びルータ70cは、LAN2cによって通信可能に接続されている。通話端末(10da,10db,10dc,・・・)、中継装置80d、及びルータ70dは、LAN2dによって通信可能に接続されている。また、LAN2c及びLAN2dは、ルータ70cdが含まれた専用線2cdによって通信可能に接続されており、所定の地域B内で構築されている。例えば、地域Bは大阪の事業所であり、LAN2cは開発一部内で構築されており、LAN2dは開発二部内で構築されている。地域A及び地域Bは、それぞれルータ(70ab,70cd)からインターネット2iを介して通信可能に接続されている。
また、伝送管理システム50、及びプログラム提供システム90は、インターネット2iを介して、通話端末10、及び中継装置80と通信可能に接続されている。伝送管理システム50、及びプログラム提供システム90は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
なお、本実施形態では、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、LAN2c、及びLAN2dによって、本実施形態の通信ネットワーク2が構築されている。この通信ネットワーク2には、有線だけでなく、WiFi(Wireless Fidelity)や、Bluetooth(登録商標)等の無線による通信が行われる箇所があってもよい。
また、図1において、各通話端末10、各電子黒板20、各中継装置80、伝送管理システム50、各ルータ70、及びプログラム提供システム90の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、通話端末10aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
なお、各通話端末10は、複数の事業所間での通話や、同じ事業所内の異なる部屋間での通話だけでなく、同じ部屋内での通話や、屋外と屋内又は屋外と屋外での通話で使われてもよい。各通話端末10が屋外で使われる場合には、携帯電話通信網等の無線による通信が行われる。
<<実施形態のハードウェア構成>>
続いて、図4乃至図8を用いて、本実施形態のハードウェア構成を説明する。図4は、通話端末の外観図である。以下、通話端末10の長手方向をX軸方向、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向として説明する。
図4に示されているように、通話端末10は、筐体1100、アーム1200、及びカメラハウジング1300を備えている。このうち、筐体1100の前側壁面1110には、複数の吸気孔によって形成された不図示の吸気面が設けられており、筐体1100の後側壁面1120には、複数の排気孔が形成された排気面1121が設けられている。これにより、筐体1100に内蔵された冷却ファンの駆動によって、不図示の吸気面を介して端末10の後方の外気を取り込み、排気面1121を介して端末10の後方へ排気することができる。筐体1100の右側壁面1130には、収音用孔1131が形成され、後述する内蔵型のマイク114によって音、物音、雑音等の音が収音可能となっている。
筐体1100の右側壁面1130側には、操作パネル1150が形成されている。この操作パネル1150には、後述の複数の操作ボタン(108a〜108e)、後述の電源スイッチ109、及び後述のアラームランプ119が設けられていると共に、後述の内蔵型のスピーカ115からの出力音を通すための複数の音出力孔によって形成された音出面1151が形成されている。また、筐体1100の左側壁面1140側には、アーム1200及びカメラハウジング1300を収容するための凹部としての収容部1160が形成されている。筐体1100の右側壁面1130には、後述の外部機器接続I/F118に対して電気的にケーブルを接続するための複数の接続口(1132a〜1132c)が設けられている。一方、筐体1100の左側壁面1140には、後述の外部機器接続I/F118に対して電気的にディスプレイ120用のケーブル120cを接続するための不図示の接続口が設けられている。
なお、以下では、操作ボタン(108a〜108e)のうち任意の操作ボタンを示す場合には「操作ボタン108」を用い、接続口(1132a〜1132c)のうち任意の接続口を示す場合には「接続口1132」を用いて説明する。
次に、アーム1200は、トルクヒンジ1210を介して筐体1100に取り付けられており、アーム1200が筐体1100に対して、135度のチルト角θ1の範囲で、上下方向に回転可能に構成されている。図4は、チルト角θ1が90度の状態を示している。
カメラハウジング1300には、後述の内蔵型のカメラ112が設けられており、利用者、書類、及び部屋等を撮像することができる。また、カメラハウジング1300には、トルクヒンジ1310が形成されている。カメラハウジング1300は、トルクヒンジ1310を介して、アーム1200に取り付けられている。そして、カメラハウジング1300は、トルクヒンジ1310を介してアーム1200に取り付けられており、カメラハウジング1300がアーム1200に対して、図4で示されている状態を0度として±180度のパン角θ2の範囲で、且つ、±45度のチルト角θ3の範囲で、上下左右方向に回転可能に構成されている。
また、図5は、電子黒板の概観図である。図5に示されているように、電子黒板20は、下部側に複数のキャスタが設けられた脚部230、脚部230の上部側に設けられた支柱240、及び、支柱240上部側に設けられた電子黒板本体を兼ねたディスプレイ3によって構成されている。そして、電子黒板本体を兼ねたディスプレイ3には、後述のCPU201等が内蔵されている。
なお、中継装置80、伝送管理システム50、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100は、それぞれ一般のサーバ・コンピュータの外観と同じであるため、外観の説明を省略する。
図6は、通話端末のハードウェア構成図である。図6に示されているように、本実施形態の通話端末10は、通話端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、通話端末用プログラム、画像データ、及び音データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107、通話端末10の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン108、通話端末10の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ109、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F(Interface)111を備えている。
また、通話端末10は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ112、このカメラ112の駆動を制御する撮像素子I/F113、音を入力する内蔵型のマイク114、音を出力する内蔵型のスピーカ115、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音信号の入出力を処理する音入出力I/F116、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを伝送するディスプレイI/F117、図4に示されている接続口1021gに取り付けられ各種の外部機器を接続するための外部機器接続I/F118、通話端末10の各種機能の異常を知らせるアラームランプ119及び上記各構成要素を図17に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110を備えている。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示部である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
外部機器接続I/F118には、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
なお、カメラ112、マイク114、及びスピーカ115は、必ずしも内蔵されている必要はなく、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカのみが接続可能な構成であってもよい。また、記録メディア106は、端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行うメモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
続いて、図2を用いて、本実施形態の電子黒板のハードウェア構成を説明する。なお、図2は、電子黒板のハードウェア構成図である。
図2に示されているように、電子黒板20は、電子黒板20全体の動作を制御するCPU201、IPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM202、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM203、電子黒板20用のプログラム等の各種データを記憶するSSD204、通信ネットワーク2との通信を制御するネットワークコントローラ205、及び、USBメモリ5との通信を制御する外部記憶コントローラ206を備えている。
また、電子黒板20は、ノートPC6のディスプレイに対して映像情報を静止画または動画として表示させるキャプチャデバイス211、グラフィクスを専門に扱うGPU(Graphics Processing Unit)212、及び、GPU212からの出力画像をディスプレイ3等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行うディスプレイコントローラ205を備えている。
更に、電子黒板20は、接触センサ215の処理を制御するセンサコントローラ214、ディスプレイ3上に電子ペン4やユーザの手H等が接触したことを検知する接触センサ215を備えている。この接触センサ215は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ3の上側両端部に設置された2つ受発光装置(不図示)が、ディスプレイ3に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ3の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ215は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のID(Identification)をセンサコントローラ214に出力し、センサコントローラ214が、物体の接触位置である座標位置を特定する。なお、以下に示す全ての各IDは、識別情報の一例である。
また、接触センサ215としては、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。
また、電子黒板20は、電子ペンコントローラ216を備えている。この電子ペンコントローラ216は、電子ペン4と通信することで、ディスプレイ3へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。なお、電子ペンコントローラ216が、電子ペン4のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン4のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
更に、電子黒板20は、CPU201、ROM202、RAM203、SSD204、ネットワークコントローラ205、外部記憶コントローラ206、キャプチャデバイス211、GPU212、センサコントローラ214、及び電子ペンコントローラ216を、図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン220を備えている。
続いて、図8を用いて、本実施形態の伝送管理システム50、中継装置80、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100のハードウェア構成を説明する。図8は、伝送管理システム、中継装置、プログラム提供システム、及びメンテナンスシステムのハードウェア構成図である。なお、以下では、代表して伝送管理システム50のハードウェア構成を説明する。
伝送管理システム50は、伝送管理システム50全体の動作を制御するCPU501、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM502、CPU501のワークエリアとして使用されるRAM503、端末管理用プログラム等の各種データを記憶するHD504、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)505、フラッシュメモリ等の記録メディア506に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ507、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ508、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F509、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード511、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス512、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ514、及び、上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン510を備えている。
また、中継装置80は、上記伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。
<<実施形態の機能構成>>
以下に図9乃至図19を用いて、特に、通話端末10、電子黒板20、及び伝送管理システム50の各機能構成を説明する。
<通話端末の機能構成>
まず、図9を用いて、通話端末10の機能構成について説明する。図9は、通話端末の機能ブロック図である。
通話端末10は、図6に示されているハードウェア構成及びプログラムの実行によって、送受信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14、音入力部15a、音出力部15b、表示制御部16、宛先リスト作成部17、及び記憶・読出処理部19等の各手段(機能)を有している。
また、通話端末10は、図6に示されているフラッシュメモリ104によって構築される記憶部1000を有している。この記憶部1000には、図14に示されている後述の宛先リスト画面の枠部分(後述の各選択領域部分以外の部分)を示す宛先リスト枠データが記憶される。また、記憶部1000には、自端末10を識別するための端末ID、及びパスワード等が記憶される。この記憶部1000には、宛先端末との通話を行う際に受信される画像データ及び音データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ120に画像が表示され、上書きされる前の音データによってスピーカ115から音が出力される。
送受信部11は、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
操作入力受付部12は、利用者による各種入力又は各種選択を受け付ける。例えば、利用者が、図6に示されている電源スイッチ109をONにすると、図9に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする。
ログイン要求部13は、上記電源ONの受け付けを契機として、送受信部11から通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50に、ログインの認証を要求するためのログイン要求及び通信を開始するための開始要求を送信する。
撮像部14は、被写体を撮像し、この撮像して得た画像データを出力する。
音入力部15aは、マイク114によって利用者の音が音信号に変換された後、この音信号に係る音データを入力する。音出力部15bは、音データに係る音信号をスピーカに出力し、スピーカ115から音を出力させる。
表示制御部16は、外付けのディスプレイ120に対して画像データを送信するための制御を行う。
宛先リスト作成部17は、記憶部1000から読み出された、宛先リスト枠データ及び後述の宛先リスト内容情報に基づいて、図21に示されているような宛先リスト画面の作成及び更新を行う。
また、記憶・読出処理部19は、記憶部1000に各種データを記憶したり、記憶部1000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
なお、本実施形態の各IDは、それぞれ端末10を一意に識別するために使われる言語、文字、記号、又は各種のしるし等の識別情報を示す。また、各IDは、上記言語、文字、記号、及び各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた識別情報であってもよい。
<電子黒板の機能構成>
次に、図10乃至図15を用いて、電子黒板20の機能構成について説明する。図10は、電子黒板の機能ブロック図である。
電子黒板20は、図7に示されているハードウェア構成及びプログラムの実行によって、映像取得部21、座標検知部22、自動調整部23、接触検知部24、イベント振分部25、操作処理部26、ジェスチャ処理部27、映像重畳部28、画像処理部30、及び通信制御部60等の各手段(機能)を有している。
このうち、映像取得部21は、ケーブルに接続されたノートPC6等の映像出力機器の出力映像を取得する。映像取得部21は、映像出力機器から画像信号を受信すると、この画像信号を解析して、この画像信号によって形成される映像出力機器の表示画像である画像フレームの解像度や、この画像フレームの更新頻度などの画像情報を導出し、後述の画像取得部31に出力する。
座標検知部22は、ディスプレイ3上でユーザによって生じたイベント(ディスプレイ3上にユーザの手Hがタッチされた動作等)の座標位置を検出する。また、座標検知部22は、タッチされた面積も検出する。
自動調整部23は、電子黒板20の起動時に起動され、接触センサ215が座標検知部22に適切な値を出力できるように、接触センサ215の光センサ方式におけるセンサーカメラの画像処理のパラメータを調整する。
接触検知部24は、ユーザによって生じたイベント(ディスプレイ3上に電子ペン4のペン先又は電子ペン4のペン尻が押下(タッチ)された動作等)を検出する。
イベント振分部25は、座標検知部22によって検知されたイベントの座標位置と接触検知部24によって検出された検出結果を、ストローク描画、UI操作、及びジェスチャ操作の各イベントに振り分ける。ここで、図11を用い、ストローク描画、UI操作、及びジェスチャ操作について説明する。なお、図11は、各画像レイヤの構成図である。
まず、「ストローク描画」は、ディスプレイ3上に図11に示されている後述のストローク画像(B)が表示されている場合に、ユーザがディスプレイ3上で電子ペン4を押下し、この押下した状態で電子ペン4を移動させ、最終的にディスプレイ3上から電子ペン4を離すまでのイベントである。このストローク描画により、例えば、アルファベット「S」や「T」等がディスプレイ3上に描画される。なお、この「ストローク描画」には、画像を描画するだけでなく、既に描画された画像を削除したり、描画された画像を編集したりするイベントも含まれる。
「UI操作」は、ディスプレイ3上に図11に示されている後述のUI画像(A)が表示されている場合に、ユーザが電子ペン4又は手Hによって所定の位置を押下したイベントである。このUI操作により、例えば、電子ペン4により描画される線の色や幅等が設定される。
「ジェスチャ操作」は、ディスプレイ3上に図11に示されている後述のストローク画像(B)が表示されている場合に、ユーザが手Hでディスプレイ3上をタッチしたり移動したりするイベントである。このジェスチャ操作により、例えば、ユーザがディスプレイ3に手Hをタッチさせた状態で手Hを移動させることで、画像の拡大(若しくは縮小)、表示領域の変更、又は、ページ切り換え等を行うことができる。
続いて、図10に戻り、操作処理部26は、イベント振分部25によってUI操作と判断されたものから、イベントが発生されたUIの要素に従って、各種操作を実行する。このUIの要素としては、例えば、ボタン、リスト、チェックボックス、テキストボックスが挙げられる。
ジェスチャ処理部27は、イベント振分部25によってジェスチャ操作と判断されたものに対応した操作を実行する。
映像重畳部28は、後述の表示重畳部36で重畳された画像を映像として映像出力機器(ディスプレイ3等)に対して表示する。また、映像重畳部28は、映像出力機器(ノートPC6等)からの映像に対して、他の映像出力機器(カメラ7等)から送られて来た映像をピクチャ・イン・ピクチャする。更に、映像重畳部28は、ピクチャ・イン・ピクチャされてディスプレイ3の一部に表示された映像を、ディスプレイ3の全体に表示させるための切り替えを行う。
(画像処理部の機能構成)
続いて、画像処理部30の機能構成について、詳細に説明する。画像処理部30は、図11に示されているような各画像レイヤの重畳処理等を行う。
そのため、画像処理部30は、画像取得部31、ストローク処理部32、UI画像生成部33、背景生成部34、レイヤウト管理部35、表示重畳部36、ページ処理部37、ファイル処理部40、及びページデータ記憶部300を有している。
このうち、画像取得部31は、映像取得部21で取得された映像から、各フレームを画像として取得する。この画像は、図11に示されている出力画像(C)に相当する。
ストローク処理部32は、イベント振分部25によって割り振られたストローク描画に係るイベントに基づいて、画像を描画したり、描画された画像を削除したり、描画された画像を編集する。このストローク描画による画像は、図17に示されているストローク画像(B)に相当する。
UI画像生成部33は、電子黒板20に予め設定されているUI(ユーザインターフェース)画像を生成する。このUI画像は、図11に示されているUI画像(A)に相当する。
背景生成部34は、ディスプレイ3上に表示される背景画像を生成する。この背景画像は、図11に示されている背景画像(D)に相当する。背景画像のパターンは、無地、グリッド表示等である。
レイヤウト管理部35は、表示重畳部36に対して、画像取得部31、ストローク処理部32、UI画像生成部33、及び背景生成部34から出力された各画像のレイヤウトを示すレイヤウト情報を管理している。これにより、レイヤウト管理部35は、表示重畳部36に対して、出力画像(C)及びストローク画像(B)を、UI画像(A)及び背景画像(D)中のどの位置に表示させるか又は非表示にさせるかを指示することができる。
表示重畳部36は、画像取得部31からの出力画像(C)、ストローク処理部32からのストローク画像(B)、UI画像生成部33からのUI画像(A)、及び、背景生成部34からの背景画像(D)を、レイヤウト管理部35によって指定されたレイヤウトに従って重畳する。これにより、図11に示されているように、各画像が重なってもユーザが見える順に、UI画像(A)、ストローク画像(B)、出力画像(C)、及び背景画像(D)の各レイヤの構成となっている。
また、表示重畳部36は、図11に示されている画像(C)と画像(D)を切り替えて、画像(A)及び画像(B)に対して排他的に重畳することも可能である。例えば、当初に、画像(A)、画像(B)及び画像(C)が表示されている状態で、電子黒板20と映像出力機器(ノートPC6等)との間のケーブルが抜かれた場合には、レイヤウト管理部35の指定によって、画像(C)を重畳対象から外し、画像(D)を表示させることができる。この場合に、また、表示重畳部36は、表示の拡大、表示の縮小、表示領域の移動処理も行う。
ページ処理部37は、ストローク画像(B)のデータと出力画像(C)のデータを、1つのページデータにまとめてページデータ記憶部300に記憶する。また、ページ処理部37は、記憶したページデータを画像取得部31を介して表示重畳部36に送信することで、映像重畳部28がページデータをディスプレイ3に再表示させることができる。
更に、ページ処理部37は、記憶したページデータを画像取得部31を介して通信制御部60に送信することで、通信制御部60から他の電子黒板20や通話端末10にページデータ(ストローク配列データ、メディアデータ)を送信することができる。また、ページ処理部37は、ページデータをストローク処理部32に送信することで、ストロークの再編集ができる状態にすることができる。更に、ページ処理部37は、ページデータを削除したり複製したりすることもできる。
また、ページ処理部37は、ページデータ記憶部300からページデータを読み出す場合には、1つにまとめたページデータから、ストローク画像(B)を示すストローク配列データ、及び背景画像(D)を示すメディアデータに分ける。即ち、ページ処理部37がページデータ記憶部300に記憶する時点でディスプレイ3上に表示されている出力画像(C)のデータは、一旦、ページデータ記憶部300に記憶され、その後にページデータ記憶部300から読み出される際には、背景画像(D)を示すメディアデータとして読みされる。そして、ページ処理部37は、ページデータ記憶部300から読み出したページデータのうち、ストローク画像(B)を示すストローク配列データを、ストローク処理部32に出力する。また、ページ処理部37は、ページデータ記憶部300から読み出したページデータのうち、背景画像(D)を示すメディアデータを、画像取得部31に出力する。
ページデータ記憶部300は、図12に示されているようなページデータを記憶する。図12は、ページデータを示す概念図である。ページデータは、ディスプレイ3に表示される1ページ分のデータ(ストロークデータ及び画像データ)である。なお、ページデータに含まれるパラメータの種類が多いため、ここでは、図12乃至14に分けて、ページデータの内容を説明する。
ファイル処理部40は、電子黒板20が異常終了した後に、異常終了を検知し、未保存のページデータを復旧する。例えば、正常終了の場合は、ファイル処理部40が、ページデータ記憶部300からページデータを取得し、PDFファイルとしてUSB5に記録する。しかし、電源がダウンした等の異常終了の場合は、ページデータがページデータ記憶部300に記録されたままになっている。そのため、再び、電源オンになった際に、ファイル処理部40が、ページデータ記憶部300からページデータを読み出すことで復旧させる。また、ファイル処理部40は、USBメモリ5から、PDFファイルを読み込み、各ページをページデータとしてページデータ記憶部300に記憶する。
ここで、ページデータについて、詳細に説明する。ページデータは、図12に示されているように、任意の1ページを識別するためのページデータID、このページの表示を開始した時刻を示す開示時刻、ストロークやジェスチャ等によるページの内容の書き換えが行われなくなった時刻を示す終了時刻、電子ペン4やユーザの手Hによるストロークによって生じたストローク配列データを識別するためのストローク配列データID、及びメディアデータを識別するためのメディアデータIDが関連付けて記憶されている。ストローク配列データは、後述の図11に示されているストローク画像(B)がディスプレイ3上に表示されるためのデータである。メディアデータは、後述の図11に示されている背景画像(D)がディスプレイ3上に表示されるためのデータである。
このようなページデータにより、例えば、ユーザが電子ペン4によってアルファベット「S」を描く場合は一筆書きとなるため、ストロークデータIDが1つで一文字のアルファベット[S]が示される。ところが、ユーザが電子ペン4によってアルファベット「T」を描く場合、二筆書きとなるため、ストロークデータIDが2つで一文字のアルファベット「T」が示されることになる。
また、ストローク配列データは、図13に示されているように詳細な情報を示している。図13は、ストローク配列データを示す概念図である。図13に示されているように、1つのストローク配列データは、複数のストロークデータによって表される。そして、1つのストロークデータは、このストロークデータを識別するためのストロークデータID、1つのストロークの書き始めの時刻を示す開始時刻、1つのストロークの書き終わりの時刻を示す終了時刻、ストロークの色、ストロークの幅、及び、ストロークの通過点の配列を識別するための座標配列データIDを示している。
更に、この座標配列データは、図14に示されているように詳細な情報を示している。図14は、座標配列データを示す概念図である。図14に示されているように、座標配列データは、ディスプレイ3上の1点(X座標値、Y座標値)、この1点を通過したときのストロークの開示時刻からの差分の時刻(ms)、及び、この1点における電子ペン4の筆圧の各情報を示している。即ち、図14に示されている1点の集まりが、図13に示されている1つの座標配列データで示されている。例えば、ユーザが電子ペン4によってアルファベット「S」を描く場合、一筆書きとなるが、「S」を描き終えるまでに、複数の通過点を通過するため、座標配列データは、これら複数の通過点の情報を示している。
また、図12に示されているページデータのうちのメディアデータは、図15に示されているように詳細な情報を示している。図15は、メディアデータを示す概念図である。図15に示されているように、メディアデータは、図12に示されているページデータにおけるメディアデータID、メディアデータのデータ種類、ページ処理部37からページデータ記憶部300にページデータが記憶された記録時刻、ページデータによってディスプレイ3上に表示される画像の位置(X座標値、Y座標値)及び画像のサイズ(幅、高さ)、並びにメディアデータの内容を示すデータが関連付けられて示されている。このうち、ページデータによってディスプレイ3上に表示される画像の位置は、ディスプレイ3の左上端の座標を(X座標値,Y座標値)=(0,0)とした場合に、ページデータによって表示される画像の左上端の位置を示している。
(通信制御部の機能構成)
続いて、通信制御部60の機能構成について、詳細に説明する。通信制御部60は、電子黒板20が、外部の装置等(通話端末10、他の電子黒板20、伝送管理システム50、中継装置80、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100)と通信するための処理を制御する。
そのため、通信制御部60は、送受信部61、ログイン要求部63、加工部64、出力重畳部65、宛先リスト作成部67、判断部68、及び記憶・読出処理部69を有している。更に、通信制御部60は、図7に示されているSSD204によって構築される記憶部6000を有している。
また、通信制御部60は、図9に示されている通話端末10の機能構成の一部を有している。即ち、通信制御部60の送受信部61、ログイン要求部63、宛先リスト作成部67、及び記憶・読出処理部69は、それぞれ通話端末10の送受信部11、ログイン要求部13、宛先リスト作成部17、及び記憶・読出処理部19と同様の処理を行う。また、通信制御部60の記憶部6000は、通話端末10の記憶部1000と同様の役割を果たす。そのため、これらの説明は省略する。
一方、加工部64は、送受信部61によって受信された表示能力情報が、他の伝送端末に所定の画像を表示する能力がない旨を示す場合には、画像データを加工する。具体的には、加工部64は、電子黒板20に対する操作を行うためのUI画像(A)を含む複数の階層の画像が重畳された画像データのうち、トリミングによってUI画像に係る操作画像データを切り取った後、トリミング後の画像データをトリミング前の画像データに拡大するリサイズを行う。なお、加工部64は、画像データを拡大するリサイズを行った後に、トリミングを行ってもよい。
出力重畳部65は、画像データと画像データを重畳させる。
判断部68は、送受信部61によって受信された表示能力情報が、他の伝送端末に所定の画像を表示する能力がない旨を示す場合には、画像データを加工すると判断する。これにより、加工部64が、画像データの加工を行う。
<伝送管理システムの機能構成>
次に、図16乃至図19を用いて、伝送管理システム50の機能構成について説明する。伝送管理システム50は、図8に示されているハードウェア構成及び端末管理用プログラムの実行によって、送受信部51、認証部52、判断部58及び記憶・読出処理部59等の各手段(機能)を有している。
また、伝送管理システム50は、図8に示されているHD504によって構築される記憶部5000を有している。この記憶部5000には、図21に示されている宛先リスト画面における宛先リスト枠データ(図213で示されている「01aa」、「AA通話端末」等の宛先リスト内容情報は含まれない)が記憶されている。
(認証管理テーブル)
記憶部5000には、図17に示されているような認証管理テーブルによって構成されている認証管理DB5001が構築されている。この認証管理テーブルには、伝送管理システム50によって管理される全ての伝送端末(通話端末10及び電子黒板20)の各端末IDに対して、各パスワードが関連付けられた関連情報が管理されている。例えば、図17に示されている認証管理テーブルにおいて、端末10aaの端末IDは「01aa」で、パスワードは「aaaa」であることが表されている。
(端末管理テーブル)
また、記憶部5000には、図18示されているような端末管理テーブルによって構成されている端末管理DB5002が構築されている。この端末管理テーブルには、各伝送端末(通話端末10及び電子黒板20)の端末ID毎に、各伝送端末の端末名、伝送端末のIPアドレス、及び各伝送端末の表示能力を示す表示能力情報が関連付けられた関連情報が管理されている。表示能力は、各伝送端末がUI画像(A)を自端末側のディスプレイに表示させることができる能力である。図18では、「0」は表示能力がない旨を示し、「1」は表示能力がある旨を示している。なお、以下では、説明を簡略化するために、上記ストローク配列データを「座標データ」として表し、上記メディアデータを「画像データ」として表す。そして、端末管理DB5002で管理されている表示能力情報には、画像データを処理可能である旨を示す「画像データ」、又は、この「画像データ」及び座標データを処理可能である旨を示す「座標データ」が含まれている。
例えば、図18に示されている端末管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」の通話端末10aaは、端末名が「AA通話端末」で、この通話端末10aaのIPアドレスが「1.2.1.3」で、表示能力が「画像データ」あることが示されている。また、端末ID「01aa」の通話端末10aaの表示能力として、画像データを解釈して再生等の処理ができることが表されているのに対して、端末ID「02aa」の電子黒板Aの表示能力として、画像データだけでなく座標データを解釈して再生等の処理ができることが表されている。
なお、図18に示されている関連情報では、端末ID毎に各伝送端末の表示能力を示す表示能力情報が関連付けられているが、これに限らず、表示能力情報毎に端末IDが関連付けられるようにしてもよい。この場合、図18では、表示能力情報は、「0」と「1」の2種類であるため、例えば、表示能力情報「0」の場合には、端末IDが「01aa」、「01ab」・・・が関連付けられており、表示能力情報「1」の場合には、端末IDが「02aa」、「02ba」・・・が関連付けられることになる。但し、この場合には、図18に示されている端末管理テーブルとは別のテーブルで、端末IDと表示能力情報の関連性を管理することになる。
(宛先リスト管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図19に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB5003が構築されている。この宛先リスト管理テーブルには、テレビ会議等における通話の開始を要求する開始端末の端末ID毎に、宛先端末の候補として登録されている宛先候補の端末IDが関連付けられた関連情報が管理されている。
例えば、図19に示されている宛先リスト管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」である開始端末(端末10aa)からテレビ会議等における通話の開始を要求することができる宛先候補は、端末IDが「01ab」の端末10ab等であることが示されている。なお、宛先候補の端末IDは、任意の開始端末から伝送管理システム50に対する追加又は削除の要請により、追加又は削除されることで更新される。
(伝送管理システムの機能構成)
次に、図16を用いて、伝送管理システム50の機能構成について説明する。
送受信部51は、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
認証部52は、送受信部51を介して受信されたログイン要求に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとし、記憶部5000の認証管理DB5001を検索し、認証管理DB5001に同一の組の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う。
判断部58は、記憶・読出処理部59によって端末管理DB5002から読み出された表示能力情報に基づき、開始端末及び宛先端末のそれぞれに対して、他の伝送端末としての相手端末(開始端末の相手端末は宛先端末、宛先端末の相手端末は開始端末)の表示能力情報を送信するか否かを判断する。
記憶・読出処理部59は、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
<実施形態の動作又は処理>
続いて、図20乃至図22を用いて、本実施形態の動作又は処理について説明する。なお、図20は、通話端末間で映像データの送受信を開始する準備段階の処理を示したシーケンス図である。図21は、宛先リスト画面の概念図である。図22は、宛先候補の選択から映像データの送受信を開始するまでの処理を示したシーケンス図である。
ここでは、開始端末としての伝送端末(電子黒板20a)と、宛先端末としての伝送端末(通話端末10aa)との間で、映像データの送受信を開始する前の準備段階における各管理情報の送受信処理について説明する。なお、図20及び図22では、全て管理情報用セッションseiによって、各種管理情報が送受信される処理が示されている。
まず、電子黒板20aの利用者が、不図示の電子黒板20aの電源スイッチをONにすると、電源がONになる(ステップS41)。そして、ログイン要求部63は、上記電源ONを契機とし、送受信部61から通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50に、ログイン要求を自動的に送信する(ステップS42)。これにより、伝送管理システム50の送受信部51は、ログイン要求を受信する。このログイン要求には、電子黒板20aとしての開始端末を識別するための端末ID、及びパスワードが含まれている。これら端末ID、及びパスワードは、記憶・読出処理部69を介して記憶部6000から読み出されて、送受信部61に送られたデータである。なお、電子黒板20aから伝送管理システム50へログイン要求が送信される際は、受信側である伝送管理システム50は、送信側である電子黒板20aのIPアドレスを取得することができる。
次に、伝送管理システム50の認証部52は、送受信部51を介して受信したログイン要求に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、記憶部5000の認証管理DB5001(図17参照)を検索し、認証管理DB5001に同一の端末ID及び同一のパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(ステップS43)。この認証部52によって、同一の端末ID及び同一のパスワードが管理されているため、正当な利用権限を有する開始端末からのログイン要求であると判断された場合には、記憶・読出処理部59は、記憶部5000から、宛先リスト枠データを読み出す(ステップS44)。本実施形態では、認証部52によって正当な利用権限を有する端末であると判断された場合につき、以下続けて説明する。
次に、送受信部51は、上記認証部52によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク2を介して、上記ログイン要求してきた開始端末(電子黒板20a)に送信する(ステップS45)。これにより、開始端末(電子黒板20a)の送受信部61は、認証結果情報を受信する。この認証結果情報には、上記ステップS44によって読み出された宛先リスト枠データが含まれている。
次に、開始端末(電子黒板20a)では、正当な利用権限を有する端末であると判断された結果が示された認証結果情報を受信すると、送受信部61が通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50へ、宛先リストの内容を要求する(ステップS46)。これにより、伝送管理システム50の送受信部51は、宛先リストの内容の要求を受信する。この要求には、開始端末(電子黒板20a)の端末IDが含まれている。
次に、伝送管理システム50の記憶・読出処理部59は、上記ステップS46によって受信された開始端末(電子黒板20a)の端末ID「02aa」を検索キーとして、宛先リスト管理DB5003(図19参照)を検索し、対応する全ての宛先候補の端末IDを読み出す(ステップS47)。更に、記憶・読出処理部59は、ステップS47によって読み出した各端末IDを検索キーとして、端末管理DB5002(図18参照)を検索し、対応する宛先候補の端末名を読み出す(ステップS48)。
次に、伝送管理システム50の送受信部51は、通信ネットワーク2を介して開始端末(電子黒板20a)へ、宛先リスト内容情報を送信する(ステップS49)。これにより、開始端末(電子黒板20a)の送受信部11は、宛先リスト内容情報を受信する。この宛先リスト内容情報には、上記ステップS47,S48によって読み出された、宛先候補の端末ID、及び宛先候補の端末名が含まれている。
次に、開始端末(電子黒板20a)の宛先リスト作成部67は、上記ステップS45によって受信された宛先リスト枠データ、及び上記ステップS49によって受信された宛先リスト内容情報を用いて、宛先リストを作成し、画像処理部30に出力する(ステップS50)。そして、画像処理部30の表示重畳部36は、映像重畳部28を介して、ディスプレイ3上に、図21に示されている宛先リスト画面を表示する(ステップS51)。なお、上記ステップS49によって、伝送管理システム50から送られて来た「宛先名」は、図21に示されているように、宛先リスト画面では、「宛先名」として表示される。
続いて、図22を用いて、開始端末としての伝送端末(電子黒板20a)における宛先候補の選択から、宛先端末としての伝送端末(通話端末10aa)との間で映像データの送受信を開始するまでの処理を説明する。
まず、開始端末(電子黒板20a)の送受信部61は、伝送管理システム50に対して、映像データの送受信を開始したい旨を示す開始要求を送信する(ステップS101)。これにより、伝送管理システム50の送受信部51は、開始要求を受信する。また、開始要求には、開始端末(電子黒板20a)の端末ID、及び宛先端末(通話端末10aa)の端末IDが含まれている。
次に、送受信部51は、中継装置80を介して通信を行うために使用されるセッションを特定するためのセッションIDを生成する(ステップS102)。
次に、記憶・読出処理部59は、上記ステップS101によって受信された各端末IDを検索キーとして、記憶部5000の端末管理DB5002(図18参照)を検索することにより、対応する表示能力情報(UI画像(A)の表示の有無)を読み出す(ステップS103)。
次に、判断部58は、記憶・読出処理部59によって読み出された表示能力情報に基づき、開始端末(電子黒板20a)及び宛先端末(通話端末10aa)のそれぞれに対して、相手端末(開始端末の相手端末は宛先端末、宛先端末の相手端末は開始端末)の表示能力情報を送信するか否かを判断する(ステップS104)。この判断は、伝送端末がUI画像(A)の表示能力を有している場合には、相手端末の表示能力を示す表示能力情報を送信し、伝送端末がUI画像(A)の表示能力を有していない場合には、相手端末の表示能力を示す表示能力情報を送信しないという基準に基づいて行われる。
これにより、伝送端末は、相手端末にUI画像(A)の表示能力がない旨「0」の表示能力情報を受信した場合には、相手端末に対して、ストローク画像(B)のデータをそのまま送信しても相手端末側のユーザが見えづらいため、後述の加工を行った後に相手端末に送信する。なお、伝送管理システムが、UI画像(A)の表示能力がない伝送端末に、相手端末の表示能力を示す表示能力情報を送信しないのは、この伝送端末では上記のような加工の処理が行われないため、このような伝送端末に表示能力情報を送信しても無駄だからである。
次に、送受信部61は、開始端末(電子黒板20a)に対して、セッションIDが含まれたセッション開始指示、宛先端末のIPアドレス、及び相手端末である宛先端末(通話端末10aa)の表示能力情報を送信する(ステップS105)。このうち、セッションIDは、上記ステップS102によって作成されたセッションIDである。宛先端末のIPアドレスは、記憶・読出処理部59が上記ステップS101によって受信された宛先端末の端末IDを検索キーとして端末管理DB(図18参照)を検索することにより、読み出したIPアドレスである。また、この表示能力情報は、上記ステップS103によって読み出された表示能力情報である。ここでは、端末管理DB5002(図18参照)に示されているように、通話端末10aaの端末ID「01aa」に関連付けられている表示能力情報は、UI画像(A)を表示不可能である旨「0」を示しているため、上記ステップS105によって送信される表示能力情報には、UI画像(A)を表示不可能である旨が示されている。これにより、開始端末(電子黒板20a)の送受信部61は、セッション開始指示、宛先端末のIPアドレス、及び相手端末である宛先端末(通話端末10aa)の表示能力情報を受信する。
更に、送受信部61は、宛先端末(通話端末10aa)に対して、セッションIDが含まれたセッション開始指示、及び開始端末のIPアドレスを送信する(ステップS106)。このうち、セッションIDは、上記ステップS102によって作成されたセッションIDである。開始端末のIPアドレスは、記憶・読出処理部59が上記ステップS101によって受信された開始端末の端末IDを検索キーとして端末管理DB(図18参照)を検索することにより、読み出したIPアドレスである。これにより、宛先端末(通話端末10aa)の送受信部11は、セッション開始指示、及び開始端末のIPアドレスを受信する。なお、伝送管理システム50が宛先端末(通話端末10aa)に対して、相手端末である開始端末(電子黒板20a)の表示能力情報を送信しないのは、上述のように、宛先端末(通話端末10aa)に表示能力情報を送信しても無駄だからである。
次に、開始端末(電子黒板20a)の判断部68は、上記ステップS105によって受信された表示能力情報に基づいて、画像データの加工を行うか否かの判断を行う(ステップS107)。表示能力情報がUI画像(A)を表示不可能である旨「0」を示す場合には、画像データの加工を行うと判断され、表示能力情報がUI画像(A)を表示可能である旨「1」を示す場合には、画像データの加工を行わないと判断される。なお、図22に示す例では、画像データの加工を行うと判断される。
次に、開始端末(電子黒板20a)及び宛先端末(通話端末10aa)は、上記ステップS105,S106によって、受信した相手端末のIPアドレスを利用して、通信セッションを確立する(ステップS108)。
次に、上記ステップS107によって、判断部68が画像データの加工を行うと判断した場合には、加工部64が、画像データの加工を行う(ステップS109)。ここで、図23を用いて、加工部64による加工処理を具体的に説明する。図23は、加工の処理を示した概念図である。なお、図23では、説明を簡略化するため、UI画像(A)とストローク画像(B)の2つのレイヤによって画像データが構成されている場合が示されているが、これに限らず図11に示されているような出力画像(C)又は背景画像(D)が含まれる3つのレイヤによって画像データが構成されていてもよい。
図23に示されているように、UI画像(A)及びストローク画像(B)が重畳されることにより、画像データが構成されている場合であって、判断部68が画像データを加工すると判断したときは、加工部64は、画像データのうち、トリミングによってUI画像(A)に係るUI画像データを切り取る。更に、加工部64は、切り取りにより生じた空白部分(X)を無くすために、トリミング後のストローク画像(B)に係るストローク画像データをトリミング前の画像データ(UI画像(A)及びストローク画像(B)のデータ)に拡大するリサイズを行うことで、ストローク画像(B’)のデータを作成する。
なお、図23に示されているように、UI画像(A)及びストローク画像(B)が重畳されることにより、画像データが構成されている場合であって、判断部68が画像データを加工しないと判断したときは、加工部64は、加工の処理を行わず、出力重畳部65が、UI画像(A)及びストローク画像(B)の重畳を行う。
そして、送受信部61は、加工部64による加工後の画像データ、又は出力重畳部65による重畳後の画像データを、中継装置20を介して、宛先端末(通話端末10aa)に送信する(ステップS110)。これにより、宛先端末(通話端末10aa)側では、図24に示されているように、空白部分(X)の無いストローク画像(B’)をディスプレイ120に表示させることができる。なお、図24は、電子黒板のディスプレイと通話端末のディスプレイに表示される画面例を示した図である。
<<実施形態の主な効果>>
以上説明したように本実施形態の電子黒板20によれば、相手端末がUI画像(A)を表示できる能力が無い場合には、UI画像(A)を切り取り、ストローク画像(B)を拡大するような加工をした後の画像データを、相手端末に送信するため、相手端末側では、空白部分(X)が無く拡大されたストローク画像(B’)を表示させることができる。これにより、相手端末側(受信側)のユーザには、見えやすい画像を表示させることができるという効果を奏する。
<<その他の実施形態>>
なお、伝送システム1は、伝送端末間がコミュニケーション可能なコミュニケーションシステムであれば、任意のシステムに適用できる。例えば、テレビ(ビデオ)会議システム、音会議システム、音電話システム(携帯電話システムを含む)、テキストチャットシステム、又はホワイトボード共有システムなどに適用できる。また、伝送端末は、上述したコミュニケーションシステムの専用端末やゲームの専用端末であってもよいし、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末又はタブレット型端末などの汎用端末であってもよい。
また、上記各プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、CD−ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。